JPH1177904A - 多層樹脂シートおよび多層樹脂成形体 - Google Patents

多層樹脂シートおよび多層樹脂成形体

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JPH1177904A
JPH1177904A JP25209297A JP25209297A JPH1177904A JP H1177904 A JPH1177904 A JP H1177904A JP 25209297 A JP25209297 A JP 25209297A JP 25209297 A JP25209297 A JP 25209297A JP H1177904 A JPH1177904 A JP H1177904A
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JP
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weight
styrene
layer
resin sheet
multilayer resin
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JP25209297A
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English (en)
Inventor
Hidetaka Ihara
英岳 井原
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Takeuchi Sangyo KK
Original Assignee
Takeuchi Sangyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】剛性と同時に耐衝撃性とを併有するとともに、
耐薬品性,印刷適性などの要求特性を共に満足する多層
樹脂シートおよびそのシートを使用した多層樹脂成形体
を提供する。 【解決手段】スチレン・ブタジエン共重合体を45〜9
0重量%,一般用ポリスチレンを10〜54重量%,ス
チレン・ブタジエン・スチレン共重合体を1〜10重量
%含有する基材層2と、一般用ポリスチレンを1〜99
重量%,耐衝撃性ポリスチレンを1〜30重量%含有す
る外層4とを一体に積層したことを特徴とする多層樹脂
シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数の樹脂層を一体
に積層した多層樹脂シートおよびそのシートを用いて形
成した多層樹脂成形体に係り、特に剛性や耐衝撃性など
の機械的特性に優れるとともに、耐油性、防臭性、印刷
適性、シール性、耐寒性、耐薬品性、光沢性、耐熱性、
成形性などの要求特性をも同時に満足し、しかも軽量で
再利用(リサイクル)が容易な多層樹脂シートおよびそ
のシートを用いた多層樹脂成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、食料品の包装容器・トレイや
電子部品の包装・収納容器の構成材として各種の樹脂シ
ートが使用されている。例えば食品等を収納する容器の
構成材としては、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂,一般
用ポリスチレン(GPPS)樹脂,耐衝撃性ポリスチレ
ン(HIPS)樹脂から成る単層樹脂シートが広く利用
されている。
【0003】上記収納容器は、例えば樹脂材を熱成形に
よって所定形状に加工したり、樹脂シートを打ち抜き成
形して製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ポ
リ塩化ビニル(PVC)樹脂等から成る単層の樹脂シー
トから成形した収納容器は、ある程度の耐衝撃性は確保
されるが剛性が不十分であり、輸送・保管中に作用する
外力や熱によって変形や破損を生じ易い欠点があった。
またポリ塩化ビニル(PVC)樹脂から成る収納容器
は、使用後に焼却処理を行うと有毒な有機塩化物ガスを
生成するなど環境衛生上、重大な影響を及ぼすおそれが
極めて高い。
【0005】また、従来の単層樹脂シートで形成された
収納容器は、一般にグラビア印刷適性が不良であり、商
品説明等の表示性に難点があり、さらに樹脂中の残留揮
発分による臭気が残り易く、特に食品・菓子容器には不
適となる場合が多かった。
【0006】さらに、一般用ポリスチレン製容器等にお
いては耐油性および耐薬品性が乏しいため、食用油脂,
溶剤,化学薬品を収納する容器としては使用できない問
題点があった。
【0007】また樹脂材の耐熱温度が85℃前後と低い
ため、特に熱湯を使用する即席麺用容器や電子レンジ調
理食品容器としては使用できないなどの問題点もあっ
た。一方、樹脂材の耐寒温度も不十分な場合が多く、特
に−20℃から−30℃という低温度で貯蔵する冷凍食
品容器としては適用できない場合が多かった。
【0008】上記問題点の解決を図るために、例えば比
較的に剛性が高い基材層と、各要求特性を満足する外層
や内層とを一体に積層した多層樹脂シートで成形した容
器も実用化されている。しかしながら、基材層と外層ま
たは内層との密着性や接合強度が小さいために剥離が生
じ易く耐久性が乏しい欠点がある。
【0009】また従来の多層樹脂シートまたは単層樹脂
シートを使用して形成した収納容器では、概してスリッ
プ性が乏しいため、収納容器への内容物の充填工程が円
滑に進行しない問題点もあった。すなわち、複数の収納
容器を重ね合せた状態において隣接する容器が固着し
て、いわゆるブロッキング現象を生じ易く、容器成形体
を1個ずつ分離して充填装置に供給することが困難とな
る問題点もあった。
【0010】上記スリップ性を改善するためにシート材
中にシリコーン樹脂を含有させた容器成形体も実用化さ
れているが、印刷適性が急激に低下するため、特殊な接
着構造を有するラベルを別途調製して貼付するなどの対
策が必要となり、容器の製造コストを上昇させる難点も
あった。
【0011】また、容器本体と蓋材とをそれぞれ成形
し、両者を組み合せた場合に両者のなじみ性が低いため
に、シール性が低下し内容物を短期間で変質させてしま
うという問題点もあった。
【0012】さらに前記のような要求特性を得るために
種々の添加剤を添加した樹脂シートを用いた場合には、
容器が変色したり、透明度や表面光沢が低下したりする
現象が発生し、容器内に収納した内容物の色味を損う場
合が多かった。特に内容物が新鮮な食品である場合に
は、その色味が損われて、消費者の購買意欲をそぐとい
う問題も発生していた。
【0013】また樹脂材に各種添加剤を含有させたり、
多層構造とすることにより、成形機内における原料樹脂
の流動性が低下する場合もあるため、口径に対する深さ
の比(絞り比)が大きな成形体を形成することが困難に
なるなど成形性が悪化する問題点もあった。
【0014】いずれにしても、従来の単層樹脂シートま
たは多層樹脂シートから形成された収納容器(成形体)
では、剛性と同時に耐衝撃性,耐油性,耐食品性,印刷
適性,耐寒性,耐熱性,スリップ性,高光沢性,透明
度,無臭性,シール性,成形性,などの技術的要求特性
を共に満足する成形体を得ることは極めて困難であっ
た。
【0015】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、剛性と同時に耐衝撃性とを併有すると
ともに、内容物に応じて耐薬品性,印刷適性などの要求
特性を共に満足する多層樹脂シートおよびそのシートを
使用した多層樹脂成形体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は、各種樹脂材料を種々の組成で混合した
ブレンド樹脂を使用して基材層(主層)を形成する一
方、同様に各要求特性に応じた樹脂材から成る外層,内
層,中間層を形成し、それらの各層を一体に積層して多
層樹脂シートを調製し、各樹脂材料の種類,組成比(配
合比),各層の組合せの態様が樹脂成形体の特性に及ぼ
す影響について、実験により詳細に比較研究した。
【0017】その結果、スチレン・ブタジエン共重合体
(以下、SBCという。)と一般用ポリスチレン(以下
GPPSという。)とスチレン・ブタジエン・スチレン
共重合体(以下、SBSという。)とを所定の組成範囲
で含有する基材層を調製する一方、上記GPPSと耐衝
撃性ポリスチレン(以下、HIPSという。)とを所定
の組成範囲で含有する外層を調製し、基材層と外層とを
積層一体化して多層樹脂シートとしたときに、剛性およ
び耐衝撃性に優れるとともに、印刷適性,無臭性,シー
ル性等に優れ、かつ層間剥離がない透明な樹脂成形体が
得られるという知見を得た。
【0018】さらに上記基材層の少なくとも一方の表面
に、スリップ剤を含有するポリエチレンテフタレート
(PET)から成る樹脂層を一体に形成したときに、剛
性および耐衝撃性という基本特性に加えて耐油性,耐薬
品性,光沢性,無臭性,耐寒性に優れ、また層間剥離を
起こさず耐久性に優れた樹脂成形体が初めて得られると
いう知見を得た。
【0019】また、前記HIPSとGPPSとから成る
基材層に、前記SBCとGPPSとSBSとから成る中
間層を介して、スリップ剤を含有するPETから成る外
層または内層を一体に積層して多層樹脂シートとしたと
きに、剛性および耐衝撃性という基本特性に加えて、耐
油性,耐薬品性,無臭性,光沢性に優れた樹脂成形体が
得られる。本来、HIPSとGPPSとから成る基材層
と、PETから成る外層等は接着しないが、上記構成の
ように、所定組成割合に調整したSBCとGPPSとS
BSとから成る中間層を介することにより接着層として
の機能が発揮され、基材層と外内層とが強固に接合する
ことが可能になる。
【0020】さらにSBCとGPPSとSBSとから成
る基材層にスチレン・マイレン酸共重合体(以下SMA
という。)とHIPSとから生る外層を一体に積層して
多層樹脂シートとし、この樹脂シートを使用して成形体
を形成したときに、前記基本特性に加えて、耐熱性およ
び耐油性に優れた成形体が得られるという知見を得た。
【0021】本発明は上記知見に基づいて完成されたも
のである。すなわち本願第1の発明に係る多層樹脂シー
ト1aは、図1に示すように、スチレン・ブタジエン共
重合体(SBC)を45〜90重量%,一般用ポリスチ
レン(GPPS)を10〜54重量%,スチレン・ブタ
ジエン・スチレン共重合体(SBS)を1〜10重量%
含有する基材層2と、一般用ポリスチレン(GPPS)
を1〜99重量%,耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)
を1〜30重量%含有する外層4とを一体に積層したこ
とを特徴とする。
【0022】また、一般用ポリスチレンを1〜99重量
%,耐衝撃性ポリスチレンを1〜30重量%含有する外
層4に代えて、図2に示すように、スチレン・ブタジエ
ン共重合体(SBC)を60〜90重量%,一般用ポリ
スチレン(GPPS)を10〜39重量%,スチレン・
ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)を1〜10重
量%含有する外層4aを配設してもよい。さらに図3に
示すように、一般用ポリスチレン(GPPS)を1〜9
9重量%,耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)を1〜3
0重量%含有する内層6を一体に積層し3層構造にして
もよい。さらに図4に示すように、スチレン・ブタジエ
ン共重合体(SBC)を45〜70重量%,一般用ポリ
チスレン(GPPS)を20〜54重量%,スチレン・
ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)を1〜10重
量%含有する内層6aを一体に積層してもよい。
【0023】上記第1の発明に係る多層樹脂シート1a
〜1dにおいて、基材層2,2a,2bは耐衝撃性およ
び耐寒性を発揮する構成層である一方、外層4は剛性,
無臭性,印刷適性およびシール性を発揮する構成層であ
る。基材層2,2a,2bに含まれるスチレン・ブタジ
エン共重合体(SBC)は耐衝撃性を向上させる成分で
あり、45〜90重量%の範囲で含有される。SBCの
含有量が45重量%未満の場合は耐衝撃性の改善効果が
不十分となる一方、含有量が90重量%を超えると剛性
が低下する。
【0024】また基材層2,2a,2bに含まれる一般
用ポリスチレン(GPPS)は、硬度を増し剛性を高め
るために10〜54重量%の範囲で含有される。含有量
が10重量%未満の場合は上記剛性改善効果が不十分と
なる一方、含有量が54重量%を超えると、耐衝撃性が
低下するとともに、成形体とした場合にブロッキング現
象を生じ易い。
【0025】さらに基材層2,2a,2bに含まれるス
チレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)は、
耐寒性および耐衝撃性を改善するために1〜10重量%
の範囲で含有される。含有量が1重量%未満の場合には
樹脂シートの耐衝撃性が不十分となる一方、含有量が1
0重量%を超える過量となると透明度が低下してしま
う。
【0026】一方、外層4に含まれる一般用ポリスチレ
ン(GPPS)は硬度を高め剛性を向上させるために1
〜99重量%の範囲で含有される。含有量が1重量%未
満の場合には上記効果が不十分である一方、含有量が9
9重量%を超えると耐衝撃性が低下してしまう。
【0027】また外層4に含まれる耐衝撃性ポリスチレ
ン(HIPS)は、耐衝撃性およびスリップ性を改善す
るための成分であり、1〜30重量%の範囲で含有され
る。含有量が1重量%未満の場合は、上記効果が不十分
である一方、含有量が30重量%を超えると透明度が低
下するとともに樹脂シートの引裂き強度が低下してしま
う。
【0028】さらに、上記基材層2,2a,2bおよび
外層4の組成範囲において、両層が強固に接合し、剥離
などが発生せず耐久性に優れた多層樹脂シート1a〜1
dが得られる。
【0029】また請求項2および図2に示すように、一
般用ポリスチレン(GPPS)を1〜99重量%,耐衝
撃性ポリスチレン(HIPS)を1〜30重量%含有す
る外層に代えて、スチレン・ブタジエン共重合体(SB
C)を60〜90重量%,一般用ポリスチレン(GPP
S)を10〜39重量%,スチレン・ブタジエン・スチ
レン共重合体(SBS)を1〜10重量%含有する外層
4aを配設することにより、防臭性はやや不足するが、
剛性,印刷適性,シール性,耐衝撃性および耐寒性に優
れた多層樹脂シート1bが得られる。
【0030】さらに請求項3および図3に示すように、
基材層2の両面に、GPPSとHIPSとを含有する外
層4および内層6をそれぞれ一体に積層して3層構造と
することにより、耐衝撃性および耐寒性に優れ、剛性,
防臭性,印刷適性,シール性がさらに改善された多層樹
脂シート1cが得られる。この多層樹脂シート1cは、
−30℃の低温度でも劣化が少ないため、冷し飲料容器
の構成材として極めて有効である。
【0031】また、請求項2記載の構成に加えて、さら
にGPPSとHIPSとを含有する外層4を一体に積層
した請求項4および図4に示す態様によれば、防臭効果
を高めた多層樹脂シート1dが得られる。
【0032】また、本願第2の発明に係る多層樹脂シー
ト1eは、請求項5および図5に示すように、スチレン
・ブタジエン共重合体(SBC)を45〜90重量%,
一般用ポリスチレン(GPPS)を10〜54重量%,
スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)を
1〜10重量%含有する基材層2と、スリップ剤を3〜
6重量%,ポリエチレンテフタレート(PET)を94
〜97重量%含有する外層4bとを一体に積層したこと
を特徴とする。
【0033】さらに、図6に示すように、スリップ剤を
3〜6重量%,ポリエチレンテフタレートを94〜97
重量%含有する内層6bを一体に積層して3層構造にす
るとよい。特に図6に示す3層構造の多層樹脂シート1
fの基材層2のように、外層4bまたは内層6bとを強
固に接合するための接着層としての機能を有する構成層
のゴム含有量(ブタジエン成分量)を18.1重量%以
上(多層シート全体として16.25重量%以上)にす
ることにより、再加熱による溶融が容易となり、スクラ
ップリターン性が向上する。一方、上記ゴム含有量が1
8.1重量%未満では、加熱再生処理時における溶融が
困難であり、スクラップ材の再生利用が困難になる。
【0034】また図7に示すように、基材層2aにおけ
るスチレン・ブタジエン共重合体(SBC)の含有量を
45〜52重量%,一般用ポリスチレン(GPPS)の
含有量を42〜51重量%,スチレン・ブタジエン・ス
チレン共重合体(SBS)の含有量を4〜6重量%とす
る一方、スチレン・ブタジエン共重合体(SBC)を5
2〜70重量%,一般用ポリスチレン(GPPS)を2
0〜41重量%,スチレン・ブタジエン・スチレン共重
合体(SBS)を7〜10重量%含有する中間層3を基
材層2aと外層4bとの間に配設して構成してもよい。
【0035】特に図6および図7に示す多層樹脂シート
1f,1gのそれぞれにおいて、ゴム含有量(ブタジエ
ン成分量)を16.25重量%以上にすることが、PE
Tから成る外層4bとの接合性を確保する上で重要であ
る。
【0036】さらに、図8に示すように、基材層2aに
おけるスチレン・ブタジエン共重合体(SBC)の含有
量を45〜52重量%,一般用ポリスチレン(GPP
S)の含有量を42〜51重量%,スチレン・ブタジエ
ン・スチレン共重合体(SBS)の含有量を4〜6重量
%とする一方、スチレン・ブタジエン共重合体(SB
C)を52〜70重量%,一般用ポリスチレン(GPP
S)を20〜41重量%,スチレン・ブタジエン・スチ
レン共重合体(SBS)を7〜10重量%含有する中間
層3,3を基材層2aと外層4bとの間および基材層2
aと内層6bとの間にそれぞれ配設して構成してもよ
い。
【0037】上記第2の発明に係る多層樹脂シート1e
〜1hにおいて、基材層2,2aは耐衝撃性および耐寒
性を向上させる働きを有するとともに、外層4bまたは
内層6bとの接合強度を高める接着層としての機能も発
揮する構成層である一方、外層4bは耐油性,耐薬品
性,防臭性,および高光沢を付与する構成層である。
【0038】外層4bに添加するスリップ剤は樹脂シー
トのスリップ性を向上させ、容器とした場合に発生し易
いブロッキング現象を防止するために3〜6重量%の範
囲で添加される。スリップ剤の添加量が3重量%未満の
場合には、上記ブロッキング現象の防止効果が不十分で
ある一方、添加量が6重量%を超えると、印刷特性が低
下するなどの問題を生じ易い。
【0039】上記スリップ剤の具体例としては、例えば
住化カラー株式会社製スリップ剤EPM−7Y017,
EPM−7Y029などが利用できる。
【0040】外層4bの主たる構成成分であるポリエチ
レンテレフタレート(PET)樹脂は、種々の化学物質
に対して反応性がなく、耐薬品性および耐油性に極めて
優れると共に、透明で防臭効果も高く、表面の光沢性に
も優れている。
【0041】上記PETから成る外層4bは、通常の樹
脂から成る基材層とは接合しにくいが、本願発明のよう
にSBCとGPPSとSBSとを所定割合で混合して構
成した基材層2,2aとは高い接合強度で一体化させる
ことが可能であり、層間剥離が起こらず耐久性に優れた
多層樹脂シート1e〜1hが得られる。
【0042】また、上記基材層2,2aのみから成る単
層樹脂シートでは引裂き強度が小さいが、上記PETか
ら成る外層4bを基材層2に一体化した請求項5記載の
多層樹脂シート1eによれば、引裂き強度が飛躍的に増
加するため、外力に強い樹脂成形体(容器,蓋)を形成
することが可能となる。
【0043】また請求項6および図6に示すように基材
層2の両面に、スリップ剤を含有するPETから成る外
層4bおよび内層6bをそれぞれ一体に積層して3層構
造とすることにより、内外表面共に耐油性および耐薬品
性に優れた多層樹脂シート1fが得られる。この多層樹
脂シート1fは、比較的に軽量であり、成形性も良好で
あるため、電子部品用トレイ,食品容器,蓋,医薬品容
器,などの構成材料として好適である。また、スクラッ
プ(リグラインド)および使用済容器の再生利用が容易
であり、製造コストも低減できる利点がある。
【0044】また請求項7および図7に示すように、低
含量のゴム成分(SBC)を含む基材層2aに、高含量
のゴム成分(SBS)を含む中間層3を介して、PET
から成る外層4bを一体に積層することにより、耐油
性,耐薬品性,防臭性,耐衝撃性,剛性に優れた多層樹
脂シート1gが得られる。この樹脂シート1gは、特に
ポーショントッピング食品用トレーの構成材として好適
である。
【0045】また請求項8および図8に示すように、基
材層2aにおけるスチレン・ブタジエン共重合体(SB
C)の含有量を45〜52重量%,一般用ポリスチレン
(GPPS)の含有量を42〜51重量%,スチレン・
ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)の含有量を4
〜6重量%とする一方、スチレン・ブタジエン共重合体
(SBC)を52〜70重量%,一般用ポリスチレン
(GPPS)を20〜41重量%,スチレン・ブタジエ
ン・スチレン共重合体(SBS)を7〜10重量%含有
する中間層3,3を基材層2aと外層4bとの間および
基材層2aと内層6bとの間にそれぞれ配設することに
より、各中間層3,3が接着層として働き、基材層2a
と外層4bとの接合強度および基材層2aと内層6bと
の接合強度が高まる結果、層間剥離が発生せず耐久性に
優れた多層樹脂シート1hが得られる。
【0046】本願第3の発明に係る多層樹脂シート1i
は、請求項9および図9に示すように、耐衝撃性ポリス
チレン(HIPS)を50重量%以上,一般用ポリスチ
レン(GPPS)を50重量%以下含有する基材層2c
と、スチレン・ブタジエン共重合体(SBC)を52〜
70重量%,一般用ポリスチレン(GPPS)を20〜
41重量%,スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体
(SBS)を7〜10重量%含有する中間層3と、スリ
ップ剤を3〜6重量%,ポリエチレンテフタレート(P
ET)を94〜97重量%含有する外層4bとを一体に
積層したことを特徴とする。
【0047】また図10に示すように、スチレン・ブタ
ジエン共重合体(SBC)を52〜70重量%,一般用
ポリスチレン(GPPS)を20〜41重量%,スチレ
ン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)を7〜1
0重量%含有する中間層3を介して、スリップ剤を3〜
6重量%,ポリエチレンテフタレート(PET)を94
〜97重量%含有する内層6bを基材層2cに一体に積
層して構成してもよい。
【0048】上記第3の発明に係る多層樹脂シート1
i,1jにおいて、基材層2cは剛性および耐衝撃性を
発揮する構成層である一方、外層4bは、耐油性,耐薬
品性,防臭性および高光沢性を発揮する構成層であり、
中間層3は耐衝撃性を発揮するとともに上記基材層2c
と外層4bとを強固に接合するための接着層としての機
能も有する。
【0049】なお、スリップ剤を含有したPET樹脂か
ら成る外層4bの各成分組成の限定理由は、請求項5に
記載した外層4bの各成分組成の限定理由と同一であ
る。また、SBC,GPPS,SBSから成る中間層3
の成分組成の限定理由は、同じく請求項7に記載した各
成分組成の限定理由と同一である。
【0050】また基材層2cに含有されるHIPSは、
剛性,スリップ性および耐衝撃性を付与する効果を発揮
し、基材層2cに対して50重量%以上の割合で含有さ
れる。HIPSの含有量が50重量%未満の場合は、上
記耐衝撃性等の改善効果が少ない。一方、GPPSは剛
性を高めるために50重量%以下の割合で含有される。
GPPSの含有量が50重量%を超えると多層樹脂シー
トの耐衝撃性が低下するとともに、成形体とした場合に
ブロッキング現象を生じやすい。
【0051】なお、スリップ剤を含有するPETから成
る外層4bと、HIPSとGPPSとから成る基材層2
cとは、本来直接には接着しない。ところが、本願発明
のように、SBCとGPPSとSBSとを所定の組成割
合で配合して形成した中間層3を介装することにより、
中間層3が接着層として作用し、基材層2cと外層4b
とを強固に一体に接合することが可能となり、層間剥離
のない強固な多層樹脂シート1iが得られる。
【0052】また、図10に示すように基材層2cの裏
面側にも、中間層3を介して内層6bを一体に形成する
ことにより、シート材の両面に耐油性および耐薬品性に
優れた表面層が形成されるため、シート全体の特性を向
上させることができる。
【0053】本願第4の発明に係る多層樹脂シート1k
は、請求項11および図11に示すように、耐衝撃性ポ
リスチレン(HIPS)から成る基材層2dと、スチレ
ン・マイレン酸共重合体(SMA)を80重量%以上,
耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)を20重量%以下含
有する外層4cとを一体に積層したことを特徴とする。
【0054】また、図11に示す耐衝撃性ポリスチレン
(HIPS)から成る基材層2dに代えて、図12に示
すように、スチレン・ブタジエン共重合体(SBC)を
52〜70重量%,一般用ポリスチレン(GPPS)を
20〜41重量%,スチレン・ブタジエン・スチレン共
重合体(SBS)を7〜10重量%含有する基材層2b
を配設して構成してもよい。
【0055】さらに、図13に示すように、スチレン・
ブタジエン共重合体(SBC)を45〜52重量%,一
般用ポリスチレン(GPPS)を42〜51重量%,ス
チレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)を4
〜6重量%含有する内層6aを一体に積層して構成して
もよい。
【0056】上記第4の発明に係る多層樹脂シート1k
〜1mにおいて、基材層2d,2bは耐衝撃性を発揮す
る構成層であり、特にHIPSから成る基材層2dは成
形性に優れている。一方、外層4cは特に耐熱性および
耐油性を発揮する構成層であり、図13に示す内層6a
は剛性を発揮する構成層である。
【0057】外層4cに含有されるスチレンマレイン酸
(SMA)は、多層樹脂シートの耐熱性および耐油性を
向上させるための成分であり、外層4cに対して80重
量%以上の割合で含有される。SMAの含有量が80重
量%未満の場合には、上記耐熱・耐油性の改善効果が少
ない。
【0058】また外層4cに含有される耐衝撃性ポリス
チレン(HIPS)は、SMAの添加による耐衝撃性の
低下を補償する機能を発揮し、外層4cに対して20重
量%以下の割合で含有される。HIPSの含有量が20
重量%を超えると、相対的に外層4cにおけるSMAの
含有割合が低下するため、耐熱・耐油性が低下する。
【0059】図12および図13に示す基材層2bの各
成分の組成範囲において基材層2bは耐衝撃性を向上さ
せる上に、接着層として作用し、外層4cおよび内層6
aと強固に接着が可能となり、層間剥離を生じることが
ない耐久性に優れた多層樹脂シート1l,1mが得られ
る。
【0060】上記の各多層樹脂シート1k〜1mは、耐
油性および耐熱性に優れた外層4cを有しているため、
特に沸騰水を使用する即席麺用収納容器や電子レンジ調
理食品容器の構成材として極めて有効である。
【0061】上記の各多層樹脂シートの全厚および各層
の厚さは特に限定されず、使用目的や用途に応じて適宜
選択することができるが、一般に全厚は0.1〜1.7
mm程度であり、基材層の厚さを全層の厚さの5〜95%
とし、外層および内層の厚さをそれぞれ全層の厚さの5
〜25%とし、中間層の厚さを全層の厚さの5〜10%
程度に設定することが好ましい。
【0062】本発明に係る多層樹脂シートは、各構成層
に用いる樹脂または樹脂組成物を複数の押出し成形機に
より成形し、得られたシート状成形体を加熱積層して一
体化する方法で製造できる。さらに好ましい方法とし
て、各構成層用の樹脂または樹脂組成物を、汎用のフィ
ードブロック付きダイまたはマルチマニホールドダイな
どを使用して共押出する方法でもよい。この製造方法に
よれば、特に薄い表面層を得ることが可能であり、量産
性が優れるなどの利点がある。
【0063】また本発明に係る多層樹脂成形体は、上記
のように調製した多層樹脂シートを、汎用の押出圧空成
形機,熱板圧空成形機,真空圧空成形機などを利用して
所定のトレー形状,ボトル形状,有底円筒形状に中空成
型する方法により効率的に製造することが可能である。
【0064】上記構成に係る多層樹脂シートによれば、
要求特性に応じて複数の樹脂層を一体に積層して形成し
ているため、剛性および耐衝撃性などの基本特性に優れ
るとともに、耐油性,耐薬品性,無臭性,光沢等にも優
れている。特に隣接する構成層との接合強度が高くなる
ように各構成層の種類および組成割合が適正に調整され
ているため、各構成層と隣接する層との接合強度が高
く、成形体とした場合においても層間剥離などが発生せ
ず耐久性に優れた多層樹脂成形体が得られる。
【0065】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について以
下の実施例および比較例を参照して具体的に説明する。
【0066】実施例および比較例に係る各多層樹脂シー
トを形成するための原料として下記の樹脂材料およびス
リップ剤を用意した。
【0067】
【外1】
【0068】
【外2】
【0069】
【外3】
【0070】
【外4】
【0071】
【外5】
【0072】
【外6】
【0073】
【外7】
【0074】実施例1 複数の押出しシート成形機を使用して下記の層構成およ
び厚さを有する多層樹脂シートを溶融押出し成形して強
固に密着した図1に示すような実施例1に係る多層樹脂
シート1aを調製した。さらに得られた多層樹脂シート
を真空圧空成形機により成形し、口径78mm×高さ11
4mmの有底円筒形状を有する実施例1に係る成形体とし
ての冷菓容器を多数製造した。
【0075】
【表1】
【0076】比較例1 一方、図1に示す実施例1の基材層2のみから成る厚さ
1.7mmの単層樹脂シートを調製し、さらに得られた単
層樹脂シートを真空圧空成形機により成形して実施例1
と同一寸法形状を有する比較例1に係る成形体としての
冷菓容器を多数調製した。
【0077】上記のように調製した実施例1に係る多層
樹脂シート1aの引張弾性率は17400kgf/cm2 であ
り、外層によって剛性が高められている。また、樹脂表
面への印刷表示が容易で印刷適性が優れ、さらに、−3
0℃の低温度条件下においても劣化が少なく耐寒性が良
好であった。さらに1分間当りの成形ショット数が約1
9回と高く成形性が良好であり、また成形体のブロッキ
ング現象が発生せずスリップ性が良好であった。さらに
成形時に発生した端材の再利用が容易であり、いわゆる
スクラップリターン性も優れていた。また外層4側にお
いて臭いは感知されず無臭性が得られた。
【0078】一方、比較例1における単層樹脂シートお
よび成形体においては、HIPSを含有する外層が形成
されていないため、引張弾性率は15000kgf/cm2
小さく剛性が不十分であった。またSBC特有の臭気が
あり、無臭性は確保できず、食品容器としては不適であ
ることが判明した。
【0079】なお実施例1の外層4にHIPSを配合せ
ず、GPPSのみで形成した場合には、スリップ性が悪
化しブロッキング現象が頻発するため、シリコン剤の塗
布が必須となった。しかしながら、シリコン剤によって
印刷特性が低下する弊害が生じた。
【0080】実施例2 押し出しシート成形機を使用して下記の層構成および厚
さを有する多層樹脂シートを溶融押出し成形して図2に
示すような実施例2に係る多層樹脂シート1bを調製
し、さらに、この多層樹脂シート1bを真空圧空成形機
により成形し、口径70mm×高さ77mmの有底円筒形状
を有する実施例2に係る成形体としての冷菓容器を多数
製造した。
【0081】
【表2】
【0082】比較例2 一方、図2に示す実施例2の基材層2aのみから成る厚
さ1.0mmの単層樹脂シートを調製し、この単層樹脂シ
ートを真空圧空成形機により成形して実施例2と同一寸
法形状を有する比較例2に係る成形体としての冷菓容器
を多数調製した。
【0083】上記のように調製した実施例2に係る多層
樹脂シート1bのデュポン衝撃値は2.5kg・cmであ
り、耐衝撃性に優れるとともに、透明性,剛性,印刷適
性,耐寒性(−30℃)が良好であり、さらに酸素透過
率が小さくシール性にも優れていた。特に容器中に冷菓
を充填して高さ1mの位置から落下させた場合において
も容器の破損はなく優れた耐衝撃性が発揮されることが
確認できた。
【0084】また実施例2においては成形性が優れる上
に、スリップ性が良好であるため、ブロッキング現象は
発生しなかった。さらにスクラップ片の再生利用が容易
であり、材料の使用歩留りを高めることが可能になっ
た。
【0085】一方、比較例2に係る単層樹脂シートおよ
び成形体においては、外層4aが形成されていないた
め、デュポン衝撃値は0.7kg・cmと実施例2の1/3
程度であり耐衝撃性が不十分であった。
【0086】実施例3 押し出しシート成形機を使用して下記の層構成および厚
さを有する多層樹脂シートを溶融押出し成形して図3に
示すような実施例3に係る多層樹脂シート1cを調製
し、さらに、この多層樹脂シート1cを真空圧空成形機
により成形し、口径50mm×高さ60mmの有底円筒形状
を有する実施例3に係る成形体としての即席味噌汁用容
器およびリッド(蓋)を多数製造した。
【0087】
【表3】
【0088】比較例3 一方、HIPSを含有せずGPPSのみから成る外層4
および内層6を形成した以外は実施例3と同様に材料を
成形して比較例3に係る多層樹脂シートを製造した。さ
らに、この多層樹脂シートを用いて実施例3と同一寸法
形状を有する比較例3に係る成形体を多数製造した。
【0089】上記のように調製した実施例3に係る多層
樹脂シート1cの引張り弾性率は17400kgf/cm2
あり優れた剛性,防臭性,印刷適性,シール性および耐
衝撃性を有することが判明した。特に発臭源となるSB
Cを含む基材層2の上下両面にそれぞれ外層4および内
層6を一体に積層して発臭源を遮断する構造であるた
め、即席味噌汁の風味を損うことがなく優れた無臭性が
確保された。
【0090】また実施例3に係る多層樹脂シート1cお
よび成形体によれば、透明性が良好であり、また蓋材
(リッド)を形成した場合でも本体容器との嵌合性が良
好であり、さらにはスクラップ品の再利用性が優れてい
るため、材料歩留りを大幅に向上させることが可能にな
った。
【0091】一方、HIPSを含有しない外層および内
層を基材層2の両面に一体に積層した比較例3に係る多
層樹脂シートおよび成形体によれば、無臭性は発揮され
るが、スリップ性が悪化し、ブロッキング現象が多発す
る難点があった。
【0092】実施例4 押し出しシート成形機を使用して下記の層構成および厚
さを有する多層樹脂シートを溶融押出し成形して図4に
示すような実施例4に係る多層樹脂シート1dを調製
し、さらに、この多層樹脂シート1dを真空圧空成形機
により成形し、図14に示すようなつば部11と賦形部
12とを形成した有底円筒形状を有する実施例4に係る
成形体10としての野菜・フルーツトレイを多数製造し
た。
【0093】
【表4】
【0094】比較例4 一方、実施例4の外層4を構成するGPPSおよびHI
PSの配合割合をそれぞれ40重量%および60重量%
とした以外は実施例4と同様に成形処理して比較例4に
係る多層樹脂シートおよび成形体を調製した。
【0095】上記のように調製した実施例4に係る多層
樹脂シート1dは透明度が高い上に、発臭源となる基材
層2bの上面に外層4を一体に積層しているため、特に
図2に示す樹脂シート1bと比較して臭気の発生が少な
く収容物となる野菜やフルーツへの臭い移りが効果的に
防止できることが判明した。
【0096】一方、HIPSの配合割合が過剰である外
層を形成した比較例4に係る多層樹脂シートおよび成形
体によれば、耐衝撃値は向上するが、透明度が大幅に低
下してしまう難点があった。
【0097】実施例5 押し出しシート成形機を使用して下記の層構成および厚
さを有する多層樹脂シートを溶融押出し成形して図5に
示すような実施例5に係る多層樹脂シート1eを調製
し、さらに、この多層樹脂シート1eを真空圧空成形機
により成形し、縦150mm×横200mm×高さ77mmの
有底円筒形状を有する実施例5に係る成形体としての野
菜・フルーツトレイを多数製造した。
【0098】
【表5】
【0099】比較例5 一方、実施例5の基材層2を構成するSBCの配合量を
44重量%と過少にする一方、GPPSの含有量を50
重量%とした以外は実施例5と同様に成形処理して実施
例5と同一寸法を有する比較例5に係る多層樹脂シート
および成形体を調製した。
【0100】上記のように調製した実施例5に係る多層
樹脂シート1eによれば、PETを主体とする外層4b
によって耐油性,耐薬品性,透明性,防臭性および表面
光沢性が十分に発揮される一方、基材層2によって耐衝
撃性および耐寒性が向上する。また、PETを主体とす
る外層4bは、本来、他のポリスチレン(PS)層とは
接合しないが、前記のSBC,GPPS,SBSの3種
の所定組成を有する基材層2とすることにより、基材層
2自体が接合層として機能し、両者の接合強度が大幅に
改善されるため、層間剥離がなく耐久性に優れたものが
得られた。また実施例5に係る多層樹脂シート1eにお
ける酸素透過率は120cc・mm/m2 ・24Hr・atm で
あり、優れたバリアー性を発揮することが判明した。
【0101】また、基材層2のみから成る従来の単層樹
脂シートから構成された成形体容器では引裂き強度が小
さく、僅かな押圧力によって容器に割れが発生していた
が、PETを主体とする外層4bを一体化することによ
り、引裂き強度を大幅に改善することができた。また、
スリップ剤を少量添加しているため、印刷特性を損うこ
となくスリップ性を改善でき、ブロッキング現象が発生
しない成形体が得られた。
【0102】一方、SBCの含有量が過少である基材層
を有する比較例5に係る多層樹脂シートおよび成形体に
おいては、基材層におけるゴム成分量が14.4重量%
と接合可能となる限界値(16.25重量%)を下回る
ため、基材層と外層との接合強度が小さく層間剥離が多
発する結果となった。
【0103】実施例6 実施例5において基材層2の下面側にも、外層4b(厚
さ0.015mm)と同一組成のPETとスリップ剤とか
ら成る内層6b(厚0.015mm)を一体に成形するこ
とにより、図6に示すような実施例6に係る多層樹脂シ
ート1fを形成するとともに、このシート1fを使用し
て実施例5と同一寸法を有する実施例6に係る成形体を
調製した。
【0104】なお、図5に示す実施例5に係る成形体に
おいては、PETを主体とする外層4bを設けていない
基材層2の下面側に油や化学薬品等が付着した場合に成
形体容器の劣化が進行するおそれがあるが、図6に示す
実施例6のように基材層2の両面に、PETを主体とす
る外層4bおよび内層6bをそれぞれ一体に積層するこ
とにより、内外面共に耐油性,耐薬品性,耐アルコール
性に優れた多層樹脂シート1fが得られた。
【0105】また実施例6によれば安価な基材層2を主
体とし高価なPETから成る内外層6b,4bを薄くし
ているため、PETのみからなるシートや成形体と比較
して材料コストを大幅に低減できる利点がある。また軽
量であり、成形性にも優れ、かつスクラップの再生処理
も容易である。特に基材層2自体が外層4bと内層6b
とを一体に接合する接合層として機能するため、層間剥
離は発生しなかった。
【0106】実施例6の2 下記表6に示す層構成および厚さを有する多層樹脂シー
トを実施例6と同様に溶融押出し成形し、3層構造を有
する実施例6の2に係る多層樹脂シートを調製し、この
多層樹脂シートを真空圧空成形機により成形して、実施
例6と同一寸法形状を有する実施例6の2に係る成形体
を調製した。
【0107】
【表6】
【0108】上記実施例6の2に係る多層樹脂シートお
よび成形体によれば、実施例6と同様に基材層2の両面
にPETを主体とする外層4bおよび内層6bを一体に
積層しているため、内外面共に耐油性,耐薬品性に優れ
ている。また、基材層におけるゴム含有量(ブタジエン
成分量)が18.06重量%となり、シート全体として
のゴム含有量は16.61重量%であり、この値は再生
加熱処理時での必要ゴム含有量の限界値(16.25重
量%)を上回るため、加熱再生時におけるPET層(内
外層)の相溶が容易であり、スクラップリターン性に優
れることが判明した。
【0109】また実施例6の2に係る多層樹脂シートの
酸素透過率は、107cc・mm/m2・24Hr・atm であ
り、優れたバリアー性を発揮することが判明した。
【0110】上記実施例6の2に対する比較例として基
材層におけるSBCおよびSBSの含有量を低減せしめ
て、樹脂シート全体のゴム含有量を15.8重量%とし
た比較例5の2に係る多層樹脂シートおよび成形体を調
製した。しかしながら上記比較例の5の2に係る多層樹
脂シートにおいては、ゴム含有量が低いために、再生処
理時にPET層(外内層)が相溶せず、スクラップリタ
ーンが不可能であった。またゴム含有量が低いため、P
ET層(外内層)と基材層との接合不良が発生し易くな
り、またシート模様等の異常も発生し易くなり、外観性
も低下する難点があった。
【0111】実施例7 押し出しシート成形機を使用して下記の層構成および厚
さを有する多層樹脂シートを溶融押出し成形して図7に
示すような実施例7に係る多層樹脂シート1gを調製
し、さらに、この多層樹脂シート1gを真空圧空成形機
により成形し、縦120mm×横180mm×高さ60mmの
有底箱形状を有する実施例7に係る成形体としての野菜
・フルーツトレイを多数製造した。
【0112】
【表7】
【0113】比較例6 一方、実施例7の基材層2aにおけるSBCおよびSB
Sの配合量をそれぞれ40重量%,3重量%と過少にす
る一方、GPPSの配合量を57重量%と過大に設定し
た以外は、実施例7と同様に成形処理して、実施例7と
同一寸法を有する比較例6に係る多層樹脂シートおよび
成形体を調製した。
【0114】上記のように調製した実施例7に係る多層
樹脂シート1gおよび成形体によれば、PETを主体と
する外層4bによって耐油性,耐薬品性,防臭性に優れ
た高光沢で透明な樹脂シートが得られた。また中間層3
によって耐衝撃性が発揮される一方、硬い基材層2aに
よって剛性が改善された。特に低配合量のSBCを含む
硬い基材層2aを使用しているため、図6に示す樹脂シ
ート1fと比較して剛性を高めることができた。
【0115】なお実施例7に示す組成の外層4bと基材
層2aとは本来、接合しないが、図7に示すように高配
合量のSBCを含有する中間層3を介装させることによ
り、この中間層3が接合層として機能し、各層間の接合
強度が向上し、層間剥離のない成形体が得られた。
【0116】一方、基材層のSBC,SBS含有量が過
少である比較例6に係る多層樹脂シートおよび成形体に
おいては、基材層に含まれるゴム分が11.7重量%と
過少になるため、耐衝撃強度が低下することが確認され
た。
【0117】実施例8 図7に示す実施例7における外層4bおよび中間層3の
厚さをそれぞれ0.015mm.0.03mmと半減させる
とともに、この外層4bと同一組成を有する内層6bお
よび中間層3を基材層2aの下面側にも一体に形成する
ことにより、図8に示すような5層構造を有する実施例
8に係る多層樹脂シート1hを調製し、さらにこの樹脂
シート1hを真空圧空成形機により成形し、実施例7と
同一寸法を有する実施例8に係る成形体としての野菜・
フルーツトレイを製造した。
【0118】上記実施例8に係る多層樹脂シート1hお
よび成形体によれば、各中間層3,3がそれぞれ外層4
bと基材層2aと内層6bとを強固に接合する接着層と
して機能するため層間剥離がなく耐久性に優れた成形体
が得られた。
【0119】また低含有量のSBCを含む基材層2aに
よって剛性が高められると同時に基材層2aの上下両面
に、PETを主体とする外内層4b,6bが一体に形成
されているため、図7に示す成形体と比較して、さらに
耐油性、耐薬品性、防臭性、高光沢性を改善することが
できた。さらに高含有量のSBCを含む中間層3によっ
て耐衝撃性が向上した。
【0120】実施例9 押し出しシート成形機を使用して下記の層構成および厚
さを有する多層樹脂シートを溶融押出し成形して図9に
示すような実施例9に係る多層樹脂シート1iを調製
し、さらに、この多層樹脂シート1iを真空圧空成形機
により成形し、縦180mm×横90mm×高さ77mmの有
底箱形状を有する実施例9に係る成形体としての野菜・
フルーツトレイを多数製造した。
【0121】
【表8】
【0122】比較例7 一方、実施例9における基材層2cにおけるHIPSお
よびGPPSの含有量をそれぞれ40重量%(過少),
60重量%(過大)とした以外は実施例9と同様に成形
処理して、実施例9と同一寸法を有する比較例7に係る
多層樹脂シートおよび成形体を調製した。
【0123】上記のように調製した実施例9に係る多層
樹脂シート1iおよび成形体によれば、PETを主体と
する外層4bによって耐油性,耐薬品性,防臭性に優れ
た高光沢の成形品が得られた。なお本実施例の層構成で
は透明性は得られない。また中間層3によって耐衝撃性
が発揮される一方、硬い基材層2cによって剛性および
耐衝撃性が確保される。特に実施例9におけるアイゾッ
ト衝撃値は6.8kg・cm/cm2 と高い値が得られた。
【0124】さらに実施例9においては、HIPSを含
有する基材層2cの表面に着色することが可能であり、
着色による印刷適性が優れていた。
【0125】また実施例9に示す組成の外層4bと基材
層2cとは本来、接合しないが、高配合量のSBCを含
有する中間層3を介装させることにより、この中間層3
が接着層として機能するため、各層間の接合強度が増大
し、層間剥離のない成形体が得られた。
【0126】一方、基材層におけるHIPS含有量が過
少である比較例7に係る多層樹脂シートおよび成形体に
おいては、アイゾット衝撃値が5.7kg・cm/cm2 とな
り、耐衝撃強度が低下することが確認された。
【0127】実施例10 押し出しシート成形機を使用して下記の層構成および厚
さを有する多層樹脂シートを溶融押出し成形して図10
に示すような5層構造の実施例10に係る多層樹脂シー
ト1jを調製し、さらに、この多層樹脂シート1jを真
空圧空成形機により成形し、実施例9と同一の寸法形状
を有する実施例10に係る成形体としての野菜・フルー
ツトレイを多数製造した。
【0128】
【表9】
【0129】すなわち実施例10に係る多層樹脂シート
1jは、図9に示す実施例9のシート1iの基材層2c
の下面側にも、外層4bと同一組成を有する内層6b
(厚さ0.015mm)を、中間層3(厚さ0.03mm)
を介して一体に積層したものである。
【0130】上記のように調製した実施例10に係る多
層樹脂シート1jおよび成形体によれば、基材層2cの
両側に、中間層3を介してPETを主体とする外内層4
b,6bをそれぞれ一体に接合した構造であるため、樹
脂シート1jの両面に耐油性および耐薬品性を付与でき
る上に、発臭源となる中間層3が外内層4b,6bによ
って被覆されるため、完全な無臭性が得られた。
【0131】実施例11 押し出しシート成形機を使用して下記の層構成および厚
さを有する多層樹脂シートを溶融押出し成形して図11
に示すような実施例11に係る多層樹脂シート1kを調
製し、さらに、この多層樹脂シート1kを真空圧空成形
機により成形し、縦100mm×横120mm×高さ30mm
の有底箱形状を有する実施例11に係る成形体としての
電子レンジ調理食品用容器を多数製造した。
【0132】
【表10】
【0133】比較例8 一方、実施例11の外層4cにおけるSMAの含有量を
70重量%と過少にする一方、HIPSの含有量を30
重量%と過大にした点以外は実施例11と同一条件で成
形処理して比較例8に係る多層樹脂シートおよび成形体
を調製した。
【0134】上記実施例11に係る多層樹脂シート1k
および成形体によれば、SMAを主体とする外層4cに
よって耐熱性および耐油性に優れた成形体が得られた。
また外層4cに配合したSMAによって低下した耐衝撃
特性の低下を外層4cのHIPSが補償する構造とな
り、さらにHIPSから成る基材層2dによって耐衝撃
性が補完されているため、優れた耐衝撃性も得られた。
特に成形体を電子レンジで加熱処理に供しても、温度1
10℃までは変形が起こらず優れた耐熱性を有すること
から、電子レンジ調理食品用容器や即席焼きそば用容器
として好適であることが再確認された。また、実施例1
1の成形体の成形適性は極めて良好であった。
【0135】一方、外層におけるSMAの含有量が70
重量%と過少である比較例8に係る成形体においては、
電子レンジでの加熱調理処理において、温度95℃程度
で賦形部または、つば部において熱変形が発生し、耐熱
性が不十分であることが判明した。
【0136】実施例12 押し出しシート成形機を使用して下記の層構成および厚
さを有する多層樹脂シートを溶融押出し成形して図12
に示すような実施例12に係る多層樹脂シート1lを調
製し、さらに、この多層樹脂シート1lを真空圧空成形
機により成形し、実施例11と同一寸法形状を有する実
施例12に係る成形体としての電子レンジ調理食品用容
器を多数製造した。
【0137】
【表11】
【0138】比較例9 一方、実施例12の基材層2bにおけるSBCおよびS
BSの配合量をそれぞれ40重量%,3重量%と過少に
する一方、GPPSの配合量を57重量%と過大に設定
した以外は、実施例12と同様に成形処理して、実施例
12と同一寸法を有する比較例9に係る多層樹脂シート
および成形体を調製した。
【0139】上記のように調製した実施例12に係る多
層樹脂シート1lおよび成形体によれば、SMAを主体
とする外層4cによって耐熱性および耐油性が良好にな
る。なおSMAを含有しているため、完全な透明性は得
られないが半透明であり、電子レンジ調理による温度1
10℃の加熱処理によっても変形が起こらず、優れた耐
熱性を有することが確認できた。
【0140】また、高含有量のSBCとGPPSとSB
Sとから成る基材層2lを形成しているため、剛性(引
張弾性率)が19500kgf/cm2 であり、アイゾット衝
撃値は7kg・cm/cm2 と高く優れた耐衝撃性を有してい
た。また基材層2bは接着層として機能するため両者の
接合強度は高く層間剥離は観察されなかった。
【0141】一方、SBC,SBSが過少な基材層とし
た比較例9にかかる多層樹脂シートおよび成形体におい
ては、ゴム成分量が低下するため脆くなり、アイゾット
衝撃値は1kg・cm/cm2 に低下した。
【0142】実施例13 押し出しシート成形機を使用して下記の層構成および厚
さを有する多層樹脂シートを溶融押出し成形して図13
に示すような実施例13に係る多層樹脂シート1mを調
製し、さらに、この多層樹脂シート1mを真空圧空成形
機により成形し、実施例11と同一寸法形状を有する実
施例13に係る成形体としての電子レンジ調理食品用容
器を多数製造した。
【0143】
【表12】
【0144】すなわち、実施例13に係る樹脂シート1
mは、図12に示す樹脂シート1lの基材層2bの下面
側に、低含有量のSBCとGPPSとSBSとから成る
内層6bを一体に積層したものである。
【0145】上記のように調製した実施例13に係る多
層樹脂シート1mおよび成形体によれば、外層4cによ
って耐熱耐油性が確保される一方、基材層2bによって
耐衝撃性が改善されるとともに、この基材層2bが接着
層として働き、外層4cと内層6aとを強固に接合する
機能が発揮される。また低含有量のSBCを含みGPP
Sを主体とする高硬度で安価な内層6aが一体に形成さ
れるために、引張り弾性率は21000kgf/cm2 と高く
なり剛性が優れる。また、アイゾット衝撃値も7〜8kg
・cm/cm2 となり、耐衝撃性にも優れることが判明し
た。
【0146】以上説明した実施例および比較例のうち
で、特に典型的な実施例3,5,6,11に係る多層樹
脂シートおよび従来例として典型的な比較例1に係る単
層樹脂シートについて、その物性特性を下記表13にま
とめて示す。
【0147】なお表13に示す各特性のうち、耐薬品性
は、各成形体中に濃度15容量%のアルコール飲料を注
入した状態で温度49℃で480時間保持した場合に成
形体の溶解発生の有無を指標として観察した。
【0148】また耐油性は、各成形体中に温度71℃の
ココナードMCTオイルを充填し、72時間放置後にお
いて各成形体の溶解発生の有無を指標として測定した。
【0149】各測定評価結果を下記表13に示す。
【0150】
【表13】
【0151】上記表13に示す結果から明らかなよう
に、所定の成分組成を有する基材層と外層と、必要に応
じて内層および中間層を一体に積層して形成した各実施
例に係る多層樹脂シートおよびその樹脂シートを使用し
て形成した各成形体は、従来組成のものと比較して、剛
性およびその耐衝撃性などの基本特性に優れているとと
もに、各構成層の作用効果が十分に発揮されており、耐
油性,耐薬品性などについて優れた特性を備えているこ
とが判明した。
【0152】特に各実施例の多層樹脂シートにおいては
隣接する構成層との接着性が良好となるように成分組成
が調整されているため、各構成層の接合強度が大きく、
層間剥離などが起こらず、耐久性に優れていることが判
明した。
【0153】また、各実施例に係る多層樹脂成形体と従
来材から成る成形体との成形適性について、厚さ0.3
mmのシート材から所定形状の成形体を35個連続して成
形する場合に要する成形体1個当りの成形時間で比較す
ると下記の通りである。
【0154】すなわちHIPS,GPPS,SBC,S
BS等を含有する各実施例に係る多層樹脂シートから成
形体を形成する場合は、いずれも成形時間は3.5〜5
秒であり、優れた成形適性が発揮された。また、スクラ
ップ片をリサイクル処理して再生利用した場合において
も、リサイクル回数が5回までの段階においては物性の
変化が少なく、材料歩留りを大幅に改善できることが判
明した。
【0155】一方、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)を原
材料とした場合には、成形時間は平均で5秒と短いが、
リサイクル処理に際して添加剤が必要になるなど処理が
複雑化し、さらには熱履歴によって脱塩素反応が起り、
ダイオキシンの発生もあり、環境上の問題が多い。
【0156】また、ポリプロピレン(PP),PPF,
APETを原材料にした場合には、成形時間は7秒程度
まで掛かり成形性が悪化する。また、PPの場合にはリ
サイクル量に限度があり、効率的な再生利用が困難であ
り、さらには、メルトフローレートが増大し易くなり、
成形条件が安定しない難点がある。
【0157】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る多層樹脂
シートおよび多層樹脂成形体によれば、要求特性に応じ
て複数の樹脂層を一体に積層して形成しているため、剛
性および耐衝撃性などの基本特性に優れるとともに、耐
油性,耐薬品性,無臭性,光沢等にも優れている。特に
隣接する構成層との接合強度が高くなるように各構成層
の種類および組成割合が適正に調整されているため、各
構成層と隣接する層との接合強度が高く、成形体とした
場合においても層間剥離などが発生せず耐久性に優れた
多層樹脂成形体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多層樹脂シートの層構成を示す断
面図。
【図2】本発明に係る多層樹脂シートの層構成を示す断
面図。
【図3】本発明に係る多層樹脂シートの層構成を示す断
面図。
【図4】本発明に係る多層樹脂シートの層構成を示す断
面図。
【図5】本発明に係る多層樹脂シートの層構成を示す断
面図。
【図6】本発明に係る多層樹脂シートの層構成を示す断
面図。
【図7】本発明に係る多層樹脂シートの層構成を示す断
面図。
【図8】本発明に係る多層樹脂シートの層構成を示す断
面図。
【図9】本発明に係る多層樹脂シートの層構成を示す断
面図。
【図10】本発明に係る多層樹脂シートの層構成を示す
断面図。
【図11】本発明に係る多層樹脂シートの層構成を示す
断面図。
【図12】本発明に係る多層樹脂シートの層構成を示す
断面図。
【図13】本発明に係る多層樹脂シートの層構成を示す
断面図。
【図14】本発明に係る多層樹脂成形体の一実施例を示
す斜視図。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1
i,1j,1k,1l,1m,1n 多層樹脂シート 2,2a,2b,2c,2d 基材層 3 中間層 4,4a,4b,4c 外層 6,6a,6b 内層 10 多層樹脂成形体(食品収納容器) 11 つば部 12 賦形部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08L 25/10 C08L 25/10 53/02 53/02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン・ブタジエン共重合体を45〜
    90重量%,一般用ポリスチレンを10〜54重量%,
    スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体を1〜10重
    量%含有する基材層と、一般用ポリスチレンを1〜99
    重量%,耐衝撃性ポリスチレンを1〜30重量%含有す
    る外層とを一体に積層したことを特徴とする多層樹脂シ
    ート。
  2. 【請求項2】 一般用ポリスチレンを1〜99重量%,
    耐衝撃性ポリスチレンを1〜30重量%含有する外層に
    代えて、スチレン・ブタジエン共重合体を60〜90重
    量%,一般用ポリスチレンを10〜39重量%,スチレ
    ン・ブタジエン・スチレン共重合体を1〜10重量%含
    有する外層を配設したことを特徴とする請求項1記載の
    多層樹脂シート。
  3. 【請求項3】 一般用ポリスチレンを1〜99重量%,
    耐衝撃性ポリスチレンを1〜30重量%含有する内層を
    一体に積層したことを特徴とする請求項1記載の多層樹
    脂シート。
  4. 【請求項4】 スチレン・ブタジエン共重合体を45〜
    70重量%,一般用ポリチスレンを20〜54重量%,
    スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体を1〜10重
    量%含有する内層を一体に積層したことを特徴とする請
    求項1記載の多層樹脂シート。
  5. 【請求項5】 スチレン・ブタジエン共重合体を45〜
    90重量%,一般用ポリスチレンを10〜54重量%,
    スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体を1〜10重
    量%含有する基材層と、スリップ剤を3〜6重量%,ポ
    リエチレンテフタレートを94〜97重量%含有する外
    層とを一体に積層したことを特徴とする多層樹脂シー
    ト。
  6. 【請求項6】 スリップ剤を3〜6重量%,ポリエチレ
    ンテフタレートを94〜97重量%含有する内層を一体
    に積層したことを特徴とする請求項5記載の多層樹脂シ
    ート。
  7. 【請求項7】 基材層におけるスチレン・ブタジエン共
    重合体の含有量を45〜52重量%,一般用ポリスチレ
    ンの含有量を42〜51重量%,スチレン・ブタジエン
    ・スチレン共重合体の含有量を4〜6重量%とする一
    方、スチレン・ブタジエン共重合体を52〜70重量
    %,一般用ポリスチレンを20〜41重量%,スチレン
    ・ブタジエン・スチレン共重合体を7〜10重量%含有
    する中間層を基材層と外層との間に配設したことを特徴
    とする請求項5記載の多層樹脂シート。
  8. 【請求項8】 基材層におけるスチレン・ブタジエン共
    重合体の含有量を45〜52重量%,一般用ポリスチレ
    ンの含有量を42〜51重量%,スチレン・ブタジエン
    ・スチレン共重合体の含有量を4〜6重量%とする一
    方、スチレン・ブタジエン共重合体を52〜70重量
    %,一般用ポリスチレンを20〜41重量%,スチレン
    ・ブタジエン・スチレン共重合体を7〜10重量%含有
    する中間層を基材層と外層との間および基材層と内層と
    の間にそれぞれ配設したことを特徴とする請求項6記載
    の多層樹脂シート。
  9. 【請求項9】 耐衝撃性ポリスチレンを50重量%以
    上,一般用ポリスチレンを50重量%以下含有する基材
    層と、スチレン・ブタジエン共重合体を52〜70重量
    %,一般用ポリスチレンを20〜41重量%,スチレン
    ・ブタジエン・スチレン共重合体を7〜10重量%含有
    する中間層と、スリップ剤を3〜6重量%,ポリエチレ
    ンテフタレートを94〜97重量%含有する外層とを一
    体に積層したことを特徴とする多層樹脂シート。
  10. 【請求項10】 スチレン・ブタジエン共重合体を52
    〜70重量%,一般用ポリスチレンを20〜41重量
    %,スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体を7〜1
    0重量%含有する中間層を介して、スリップ剤を3〜6
    重量%,ポリエチレンテフタレートを94〜97重量%
    含有する内層を基材層に一体に積層したことを特徴とす
    る請求項9記載の多層樹脂シート。
  11. 【請求項11】 耐衝撃性ポリスチレンから成る基材層
    と、スチレン・マイレン酸共重合体を80重量%以上、
    耐衝撃性ポリスチレンを20重量%以下含有する外層と
    を一体に積層したことを特徴とする多層樹脂シート。
  12. 【請求項12】 耐衝撃性ポリスチレンから成る基材層
    に代えて、スチレン・ブタジエン共重合体を52〜70
    重量%,一般用ポリスチレンを20〜41重量%,スチ
    レン・ブタジエン・スチレン共重合体を7〜10重量%
    含有する基材層を配設したことを特徴とする請求項11
    記載の多層樹脂シート。
  13. 【請求項13】 スチレン・ブタジエン共重合体を45
    〜52重量%,一般用ポリスチレンを42〜51重量
    %,スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体を4〜6
    重量%含有する内層を一体に積層したことを特徴とする
    請求項12記載の多層樹脂シート。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載した
    多層樹脂シートを所定形状に成形して形成したことを特
    徴とする多層樹脂成形体。
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Cited By (6)

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JP2002113818A (ja) * 2000-10-06 2002-04-16 Daicel Chem Ind Ltd 樹脂シート及び電子部品搬送用成形品
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KR20220148359A (ko) * 2021-04-28 2022-11-07 (주)바라 5층 구조 시트

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