JPH1177358A - スペイシャルフィルタを用いたレーザ加工方法 - Google Patents

スペイシャルフィルタを用いたレーザ加工方法

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JPH1177358A
JPH1177358A JP9260875A JP26087597A JPH1177358A JP H1177358 A JPH1177358 A JP H1177358A JP 9260875 A JP9260875 A JP 9260875A JP 26087597 A JP26087597 A JP 26087597A JP H1177358 A JPH1177358 A JP H1177358A
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JP
Japan
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spatial filter
optical axis
laser beam
pinhole
filter
Prior art date
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Pending
Application number
JP9260875A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyasu Kawamuki
徳康 川向
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】同じレーザ加工機を用いてスペイシャルフィル
タの製作と加工物の加工とを行なうことができ、コスト
を低減できるレーザ加工方法を提供する。 【解決手段】レーザ発振器1からレーザビームをエキス
パンダ2を介して加工物に照射することで加工を行なう
レーザ加工方法であって、エキスパンダ2内の集光点よ
り光軸方向へずらした位置にフィルタ材料4Aを配置
し、フィルタ材料4Aに集光点のビーム径より大きなピ
ンホールを穴加工することにより、スペイシャルフィル
タ4を得る工程と、スペイシャルフィルタ4を光軸方向
へ平行移動させ、集光点に位置決めする工程と、レーザ
ビームをスペイシャルフィルタ4のピンホールを介して
加工物12に照射する工程と、を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックグリーン
シートなどの加工物にレーザビームを用いて穴あけ、切
断、スクライビングなどの加工を行なうレーザ加工方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミックグリーンシートのよう
な加工物にレーザ加工を行なう場合、レーザ発振器から
レーザビームをエキスパンダを介して加工物に照射する
のが一般的である。エキスパンダ内には、レーザビーム
に含まれる光学的ノイズを除去するため、その集光点に
スペイシャルフィルタ(空間フィルタ)が配置される。
スペイシャルフィルタにはピンホールが形成され、その
直径が低周波のガウス分布のビーム(主ビーム)を通過
させるのに十分大きく、かつ高周波成分をカットする大
きさに形成されている。そのため、ピンホールを通過し
たレーザビームはノイズの少ないきれいな形のビームと
なる。
【0003】一般に、スペイシャルフィルタは、使用す
るレーザビームの波長に対して反射率の高い材質(CO
2 レーザの場合には銅など)で製作される。スペイシャ
ルフィルタのピンホールの製作は機械加工や放電加工で
行い、これをエキスパンダ内の集光点に組み込んで使用
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、レーザビー
ムは目に見えないため、スペイシャルフィルタをエキス
パンダ内の集光点へ正確に位置決めするのが難しく、パ
ワーメータで測定しながら3軸方向に位置合わせを行な
う必要があるため、位置決め調整に時間がかかるという
問題があった。また、加工条件によって集光点のビーム
径が異なり、それによって最適なピンホール径も異なっ
てくるが、上記のようにスペイシャルフィルタを別工程
で製作すると、ピンホール径は連続的には変えられな
い。そのため、集光点のビーム径とピンホール径との関
係が不適切であると、加工点におけるビームプロファイ
ルも綺麗にならない。さらに、スペイシャルフィルタを
得るために、金属製の板材に小径(数100μm程度)
のピンホールを高精度に加工しなければならないため、
製作費が高く、材料の利用効率も悪い。
【0005】そこで、本発明の目的は、同じレーザ加工
機を用いてスペイシャルフィルタの製作と加工物の加工
とを行なうことができ、コストを低減できるレーザ加工
方法を提供することにある。また、他の目的は、スペイ
シャルフィルタのエキスパンダ内への位置決めが簡単
で、加工点における綺麗なビームプロファイルが得られ
るレーザ加工方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、レーザ発振器からレーザビームをエキス
パンダを介して加工物に照射することで加工を行なうレ
ーザ加工方法であって、エキスパンダ内の集光点より光
軸方向へずらした位置にフィルタ材料を配置し、フィル
タ材料に集光点のビーム径より大きなピンホールを穴加
工することにより、スペイシャルフィルタを得る工程
と、スペイシャルフィルタを光軸方向へ平行移動させ、
集光点に位置決めする工程と、レーザビームをスペイシ
ャルフィルタのピンホールを介して加工物に照射する工
程と、を含むものである。
【0007】まず、エキスパンダ内における集光点を予
備実験で測定しておく。そして、集光点より光軸方向へ
ずらした位置にフィルタ材料を配置し、フィルタ材料に
集光点のビーム径より大きなピンホールを穴加工する。
このピンホール径は集光点のビーム径の3倍〜5倍が望
ましい。このとき、レーザビームには光学的ノイズ(高
周波成分)が含まれているが、フィルタ材料として、レ
ーザビームに含まれる高周波成分では穴加工されず、主
ビームのみで穴加工される材料を用いることで、最適な
ピンホール径に加工できる。次に、ピンホールを形成し
たフィルタ材料、つまりスペイシャルフィルタを光軸方
向へ平行移動させ、集光点に位置決めする。これによっ
て、加工準備が完了し、この状態でレーザビームをスペ
イシャルフィルタのピンホールを介して加工物に照射す
れば、ピンホールによってレーザビームに含まれる光学
的ノイズが除去され、加工点における綺麗なビームプロ
ファイルを得ることができる。
【0008】一般に、スペイシャルフィルタには予め複
数のピンホールが形成され、1個のピンホールが劣化す
れば、スペイシャルフィルタを光軸と直交方向に移動さ
せて別のピンホールを集光点へ移動させて使用するよう
になっている。そのため、光軸方向だけでなく、光軸と
直交方向にも高精度に位置調整する必要がある。そこ
で、請求項3では、エキスパンダ内の集光点より光軸方
向へずらした位置にフィルタ材料を配置するとともに、
このフィルタ材料を光軸方向と直角方向に移動させてピ
ンホールを穴加工している。つまり、1個のピンホール
が劣化した場合には、このスペイシャルフィルタを集光
点より光軸方向へずらした位置に移動させ、さらに光軸
方向と直角方向に移動させてピンホールのない部位を光
軸上に位置させ、新たなピンホールを加工する。その
後、スペイシャルフィルタを集光点まで光軸方向へ戻す
ことで、加工準備を完了する。つまり、ピンホールを加
工した後は、集光点まで光軸方向へずらすだけで高い精
度が得られるので、光軸と直交方向に高精度に位置調整
する必要はない。
【0009】スペイシャルフィルタの材質を、加工物と
同一もしくはそれより加工しやすい材質とするのが望ま
しい。例えば、グリーンシートの穴あけ加工の場合に
は、グリーンシートをスペイシャルフィルタとして使用
し、アルミナ基板の穴あけまたはスクライビングの場合
には、アルミナ基板をスペイシャルフィルタとして使用
するのがよい。この場合には、加工物の加工条件をその
ままスペイシャルフィルタのピンホール加工に適用でき
る。
【0010】
【発明の実施の形態】図1,図2は本発明にかかるレー
ザ加工装置の一例であり、図1は前工程、図2は後工程
を示す。1はレーザ発振器であり、この実施例ではエネ
ルギー密度の高いCO2 レーザを用いている。レーザビ
ームはエキスパンダ2へ送られ、ここでレーザビームに
含まれる光学的ノイズが除去される。エキスパンダ2は
入射側レンズ3とスペイシャルフィルタ4と出射側レン
ズ5とを備えており、スペイシャルフィルタ4はガイド
機構6によって光軸方向に移動可能であり、かつ光軸と
直交方向に配置されている。
【0011】ガイド機構6は、図3,図4に示すよう
に、光軸と平行なガイド面7、ガイド面7に沿ってスラ
イド自在で、スペイシャルフィルタ4を保持するスライ
ダ8などを備えており、スライダ8をボールネジ機構な
どの移動機構(図示せず)によって光軸方向に移動させ
ることができる。なお、スライダ8にはスペイシャルフ
ィルタ4の外周面を保持する円弧面8aが形成されてお
り、スライダ8に設けられた止めネジ9を締め付けるこ
とで、スペイシャルフィルタ4を任意の回転位置で保持
できるようになっている。なお、スペイシャルフィルタ
4をスライダ8に保持した状態において、レーザビーム
の光軸中心Zはスペイシャルフィルタ4の軸心Oに対し
て偏心した位置にある。なお、この実施例では円板状の
スペイシャルフィルタ4を用いたが、角形のスペイシャ
ルフィルタを用いてもよく、その場合にはスペイシャル
フィルタ4の形状に合わせてスライダ8などの保持手段
を変更すればよい。
【0012】エキスパンダ2でビーム整形されたレーザ
ビームは、図2のようにミラー10で反射した後、プロ
セスレンズ11で集光されて加工物12に照射される。
スペイシャルフィルタ4の材質としては、図5に示すよ
うにレーザ発振器1から入射するレーザビームに含まれ
る高周波成分Hでは穴加工されず、主ビームMのみで穴
加工される加工しきい値Sを有する材料が望ましい。こ
の実施例では、加工物12としてセラミックグリーンシ
ートを用い、スペイシャルフィルタ4も同じくセラミッ
クグリーンシートを用いている。
【0013】ここで、上記レーザ加工装置の使用方法を
説明する。まず最初に、レーザ発振器1からパルス状の
レーザビームをエキスパンダ2へ照射し、エキスパンダ
2内における焦点位置(集光点)や、レーザビームの拡
がり角度などを予め求めておく。
【0014】次に、スペイシャルフィルタ4の加工を行
なう。そのため、図1のようにエキスパンダ2のスライ
ダ8にフィルタ材料4Aを保持し、このフィルタ材料4
Aを集光点X0 より光軸方向(前後何れかの方向)へ所
定距離ずらした位置X1 に位置決めする。そして、レー
ザ発振器1からレーザビームを照射し、フィルタ材料4
Aにピンホール4aを加工する。ピンホール4aの穴径
1 は、図6のようにフィルタ材料4Aを集光点X0
対して光軸方向に移動させるとともに、穴径も増大す
る。この特性を予め測定しておき、ピンホール4aの穴
径d1 が集光点X0 のビーム径d0 の3〜5倍程度とな
るように、フィルタ材料4Aの位置X1 を決定する。
【0015】次に、上記のように複数のピンホール4a
を形成したフィルタ材料、つまりスペイシャルフィルタ
4を光軸方向へ平行移動させ、図2のように集光点X0
に位置決めする。この状態で、レーザ発振器1からレー
ザビームをスペイシャルフィルタ4のピンホール4aを
介して加工物12に照射すると、光学的ノイズがスペイ
シャルフィルタ4によって除去され、加工物12におけ
る綺麗なビームプロファイルを得ることができる。
【0016】レーザビームに含まれる高周波成分によっ
てスペイシャルフィルタ4のピンホール4aが劣化する
と、加工物12におけるビームプロファイルも劣化す
る。特に、スペイシャルフィルタ4として加工物12と
同様な材料を用いた場合、劣化も早くなりやすい。その
場合には、スペイシャルフィルタ4を図1のように光軸
方向へ平行移動させ、集光点X0 より所定距離ずらした
位置X1 に位置決めする。そして、スペイシャルフィル
タ4をスライダ8の円弧面8aに対して回転させ、ピン
ホールのない部分を光軸中心Zに位置させ、レーザ発振
器1からレーザビームを照射することで、スペイシャル
フィルタ4に新たなピンホール4aを加工する。新たな
ピンホール4aを加工した後、スペイシャルフィルタ4
を光軸方向に集光点X0 まで平行移動させれば、再び綺
麗なビームプロファイルを得ることができる。
【0017】従来のエキスパンダ2では、スペイシャル
フィルタ4を光軸方向および光軸と直交方向に高精度に
位置調整する必要があるため、それぞれの方向で、例え
ば1mm以上の目盛りで調整可能な粗調整機構と、例え
ば1μm以上1mm未満の目盛りで調整可能な微調整機
構とを備える必要があった。これに対し、本発明では、
光軸と直交方向に高精度に位置調整する手段は必要でな
いので、光軸と直交方向には粗調整機構を設けるだけで
十分である。なお、上記実施例では光軸と直交方向の調
整機構を、円板状スペイシャルフィルタ4の外周面をガ
イドする円弧面8aを備えたスライダ8と止めネジ9等
で構成したが、これに限るものではないことは勿論であ
る。
【0018】なお、本発明で使用されるレーザは、CO
2 レーザに限るものではなく、加工物およびスペイシャ
ルフィルタの加工に適したレーザを用いればよい。ま
た、レーザの照射方式はパルス方式あるいは連続方式の
何れを用いてもよい。
【0019】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明方
法によれば、同一のレーザ加工機を用いてスペイシャル
フィルタと加工物とを加工できるので、スペイシャルフ
ィルタの製作費を大幅に低減できる。また、スペイシャ
ルフィルタを光軸方向にずらせるだけで、ピンホールの
加工と集光点への位置決めとを高精度に行なうことがで
きるので、位置決め調整が非常に簡単になるという効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるレーザ加工装置の一例の前工程
における構成図である。
【図2】図1に示すレーザ加工装置の後工程における構
成図である。
【図3】図2のレーザ加工装置の要部の拡大図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】入射するレーザビームに含まれる高周波成分と
主ビームの分布図である。
【図6】ピンホール径と光軸方向の位置との関係を示す
特性図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器 2 エキスパンダ 4 スペイシャルフィルタ 4a ピンホール 4A フィルタ材料 6 ガイド機構 8 スライダ 12 加工物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ発振器からレーザビームをエキスパ
    ンダを介して加工物に照射することで加工を行なうレー
    ザ加工方法であって、 エキスパンダ内の集光点より光軸方向へずらした位置に
    フィルタ材料を配置し、フィルタ材料に集光点のビーム
    径より大きなピンホールを穴加工することにより、スペ
    イシャルフィルタを得る工程と、 上記スペイシャルフィルタを光軸方向へ平行移動させ、
    集光点に位置決めする工程と、 レーザビームを上記スペイシャルフィルタのピンホール
    を介して加工物に照射する工程と、を含むレーザ加工方
    法。
  2. 【請求項2】上記フィルタ材料は、レーザビームに含ま
    れる高周波成分では穴加工されず、主ビームのみで穴加
    工される材料が用いられることを特徴とする請求項1に
    記載のレーザ加工方法。
  3. 【請求項3】上記スペイシャルフィルタを得る工程は、 上記エキスパンダ内の集光点より光軸方向へずらした位
    置にフィルタ材料を配置する工程と、このフィルタ材料
    を光軸方向と直角方向に移動させてピンホールを穴加工
    する工程と、を含むことを特徴とする請求項1または2
    に記載のレーザ加工方法。
JP9260875A 1997-09-08 1997-09-08 スペイシャルフィルタを用いたレーザ加工方法 Pending JPH1177358A (ja)

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Cited By (3)

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