JPH1177354A - 光ファイバーの切断方法 - Google Patents

光ファイバーの切断方法

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JPH1177354A
JPH1177354A JP9235782A JP23578297A JPH1177354A JP H1177354 A JPH1177354 A JP H1177354A JP 9235782 A JP9235782 A JP 9235782A JP 23578297 A JP23578297 A JP 23578297A JP H1177354 A JPH1177354 A JP H1177354A
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laser
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラスチック光ファイバーを、高精度で平滑な
切断面に切断加工する。 【解決手段】プラスチック光ファイバー1を、波長19
0〜380nmの線状に集光させた紫外線レーザー光L
1 、又は、プラスチック光ファイバー1を相対的に移動
又は回転させながら、スポット状に集光させた紫外線レ
ーザー光L2 を用いて、レーザーアブレーションにより
非熱的に切断加工する。ジャケット2とプラスチック光
ファイバー1との同時切断、更には、それと、プラスチ
ック光ファイバー1の端面を剥き出すためのジャケット
2のみの切断も同時に行わせることも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック光フ
ァイバー等の光ファイバーの切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のプラスチック光ファイバーの切断
加工方法(切断、鏡面化及び整形処理を含む。)として
は、大別して2種類の方法が使われていた。
【0003】1つは、例えば、特開昭57−18151
0号公報に示されているように、ニッパーやナイフ等で
ファイバーを切断した後、加熱処理を施して、荒れた切
断面を平滑にする手法である。
【0004】もう1つは、例えば、特開昭59−189
301号公報に示されているように、機械的に切断した
端面を、ガラス製の光ファイバーの場合と同様、研磨に
より平滑面に仕上げる方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法では、熱により端面部が膨大化して、ファイバー径
が太くなるという問題が有り、また、コアとクラッドの
境界が加熱により乱れて光学特性が悪くなるという問題
も有った。
【0006】一方、後者の方法では、良質な端面が得ら
れるものの、工程数が多くなって、量産性に欠けるとい
う問題が有った。
【0007】そこで、本発明の目的は、例えば、プラス
チック光ファイバーの切断加工を、光ファイバーの光学
特性等を劣化させること無く、且つ、量産性良く行うこ
とができる光ファイバーの切断方法を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決すべ
く、本発明の光ファイバーの切断方法では、光ファイバ
ーを、波長190〜380nmの紫外線レーザーにより
切断加工する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好ましい実施の形
態に従い説明する。
【0010】〔第1の実施の形態〕図1(a)に、本発
明の第1の実施の形態による、例えば、プラスチック光
ファイバーの切断方法を概略的に示す。
【0011】この第1の実施の形態では、図示の如く、
例えば、紫外線レーザー源3からの紫外線レーザーを、
コリメーターレンズ4及びシリンドリカルレンズ5によ
り、図の紙面に垂直な方向に延びる線状に集光させ、そ
の線状のレーザー光L1 により、プラスチック光ファイ
バー1を切断加工する。なお、2は、プラスチック光フ
ァイバー1を被覆して保護する、例えば、ポリエチレン
等からなるジャケットである。
【0012】紫外線レーザーは、その波長が短いため
に、光子エネルギーが高く、プラスチック光ファイバー
を構成する高分子の化学結合を直接切断する、所謂、レ
ーザーアブレーションによる加工が可能である。このレ
ーザーアブレーションによる加工では、通常の炭酸ガス
レーザー(波長が約10.6μmと長く、光子エネルギ
ーは低い。)やYAGレーザー(波長約1.06μm)
を用いた加工に比べ、熱による影響が殆ど無い高精度で
平滑な切断面が得られる。
【0013】即ち、プラスチック光ファイバーは、一般
に、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)やPC
(ポリカーボネート)等で構成され、これらの高分子の
主鎖中にはC−O結合やC−C結合が有る。C−O結合
の結合エネルギーは、約76kcal /mol 、C−C結合
の結合エネルギーは、約84kcal /mol であり、例え
ば、波長0.3μmの紫外線レーザーであれば、その光
子エネルギーは約95kcal /mol に相当するので、こ
れらの結合を切ることができる。
【0014】そこで、上述した高分子中の、少なくとも
C−O結合を切る必要性から、使用するレーザー光の波
長は、380nm以下であることが要求される。一方、
レーザー光の波長が190nmより短いと、酸素による
吸収が有って、空気中での使用が難しくなるという問題
が生じる。即ち、好適に使用できる紫外線レーザーの波
長は、190〜380nmの範囲となる。なお、高分子
中で最も多いC−C結合を確実に切ることを考えると、
レーザー光の波長は、340nm以下であるのがより好
ましい。
【0015】使用可能な紫外線レーザーの例としては、 ArFエキシマレーザー 波長約193nm KrFエキシマレーザー 波長約248nm XeClエキシマレーザー 波長約308nm XeFエキシマレーザー 波長約351nm 等が挙げられる。
【0016】また、 Arレーザー+SHG(第2高調波発生器) 波長約257nm YAGレーザー+5HG(第5高調波発生器) 波長約213nm YAGレーザー+FHG(第4高調波発生器) 波長約266nm YAGレーザー+THG(第3高調波発生器) 波長約355nm 等の高調波レーザーを使用することもできる。
【0017】この第1の実施の形態のように、レーザー
光を線状に集光させて用いると、例えば、径約1mmの
プラスチック光ファイバーの場合、1mm以上の長さの
線状に集光させたレーザー光を用いることにより、レー
ザー光や光ファイバーを動かすこと無く、殆ど瞬時に切
断加工を行うことができる。
【0018】〔第2の実施の形態〕図1(b)に、本発
明の第2の実施の形態によるプラスチック光ファイバー
の切断方法を概略的に示す。
【0019】この第2の実施の形態では、図示の如く、
例えば、上述した第1の実施の形態と同様の紫外線レー
ザー源3からの紫外線レーザーを、コリメーターレンズ
4、6により点(スポット)状に集光させ、そのスポッ
ト状のレーザー光L2 を用いて、プラスチック光ファイ
バー1を切断加工する。
【0020】この第2の実施の形態では、例えば、図の
矢印Aで示すように、レーザー光L2 を直線状に移動さ
せるか、或いは、図の矢印Bで示すように、プラスチッ
ク光ファイバー1を回転させながら、切断加工を行う。
レーザー光L2 を直線状に移動させる手段としては、例
えば、ガルバノミラー、ポリゴンミラー、AOD(音響
光学偏向器)等が有る。
【0021】なお、レーザー光L2 を直線状に移動させ
る代わりに、プラスチック光ファイバー1の方、或い
は、レーザー光L2 とプラスチック光ファイバー1の両
方を(但し、両方の場合は、互いに逆方向に)直線状に
移動させるようにしても良い。また、プラスチック光フ
ァイバー1を回転させる場合も、その代わりに、或い
は、それと同時に(但し、同時の場合は、互いに逆回転
で)、レーザー光L2 の方を、プラスチック光ファイバ
ー1の回りに公転移動させるようにしても良い。
【0022】この第2の実施の形態によっても、上述し
た第1の実施の形態と同様、熱による影響が殆ど無い高
精度で平滑な切断面を有する切断加工を行うことができ
る。
【0023】〔第3の実施の形態〕図2に、本発明の第
3の実施の形態によるプラスチック光ファイバーの切断
方法を概略的に示す。
【0024】この第3の実施の形態では、図示の如く、
プラスチック光ファイバー1を被覆するジャケット2も
紫外線レーザーにより切断する。即ち、一般に、ジャケ
ット2もポリエチレン等の合成樹脂で構成されるので、
そのC−C結合を切ることにより、プラスチック光ファ
イバー1を切断加工するのと同じ紫外線レーザーで非熱
的に切断することができる。
【0025】そこで、この第3の実施の形態では、ま
ず、図2(a)に示すように、上述した第2の実施の形
態と同様、スポット状に集光させたレーザー光L2 を用
い、ジャケット2で被覆された状態のプラスチック光フ
ァイバー1を回転させながら、ジャケット2とプラスチ
ック光ファイバー1を一度に切断加工する。
【0026】次に、図2(b)に示すように、レーザー
光L2 又はプラスチック光ファイバー1の側を移動させ
て、レーザー光L2 の照射位置を変え、そのレーザー光
2により、図2(a)の工程における切断位置とは別
の位置で、ジャケット2のみを切断する。即ち、ジャケ
ット2とプラスチック光ファイバー1を回転させながら
切断を行い、ジャケット2のみが切断された時点でレー
ザー光L2 の照射を止める。
【0027】この第3の実施の形態では、ジャケット2
で被覆されたプラスチック光ファイバー1の切断加工
と、例えば、コネクタ等に接続するために光ファイバー
の端面を剥き出すべく行うジャケット2のみの切断工程
とを、例えば、同一の装置内で連続的に行うことができ
る。
【0028】なお、この第3の実施の形態における図2
(a)の工程は、上述した第1の実施の形態と同様に、
線状に収束させたレーザー光L1 を用い、ジャケット2
及びプラスチック光ファイバー1を回転させずに行って
も良い。
【0029】〔第4の実施の形態〕図3に、本発明の第
4の実施の形態によるプラスチック光ファイバーの切断
方法を概略的に示す。
【0030】この第4の実施の形態では、図示の如く、
紫外線レーザー源3からの紫外線レーザーを、例えば、
ビームスプリッター7及び反射ミラー8で、2つの光路
に分け、ジャケット2を含めたプラスチック光ファイバ
ー1の切断加工と、ジャケット2のみの切断加工とを同
時に行う。
【0031】即ち、ジャケット2とプラスチック光ファ
イバー1の切断加工には、コリメーターレンズ4及びシ
リンドリカルレンズ5により線状に集光させたレーザー
光L1 を用い、ジャケット2のみの切断加工には、コリ
メーターレンズ4、6によりスポット状に集光させたレ
ーザー光L2 を用いて、図示の如く、ジャケット2及び
プラスチック光ファイバー1を回転させながら、夫々の
切断加工を行う。すると、線状のレーザー光L1 による
切断の方が、点状のレーザー光L2 による切断よりも速
く進行するので、点状のレーザー光L2 によりジャケッ
ト2のみが切断された時に、線状のレーザー光L1 によ
るジャケット2とプラスチック光ファイバー1の切断加
工が終了しているようにすることができる。
【0032】なお、例えば、点状のレーザー光L2 によ
るジャケット2のみの切断加工の方が早く終了するよう
な場合には、適当な光シャッターを設けて、そのレーザ
ー光L2 の照射を停止するようにしても良い。また、線
状のレーザー光L1 によるジャケット2とプラスチック
光ファイバー1の切断加工が、点状のレーザー光L2
よるジャケット2のみの切断加工よりもかなり早く終了
するような場合には、やはり適当な光シャッターによ
り、その線状のレーザー光L1 の照射を停止するように
しても良い。
【0033】なお、図示の例では、1つの紫外線レーザ
ー源3からの紫外線レーザーを2つに分けて用いている
が、レーザー光L1 、L2 に、夫々別の紫外線レーザー
源を用いて、使用するレーザー光の波長や照射エネルギ
ー等を夫々適宜に制御するようにしても良い。
【0034】この第4の実施の形態では、ジャケット2
で被覆されたプラスチック光ファイバー1の切断加工
と、例えば、コネクタ等に接続するために光ファイバー
の端面を剥き出すべく行うジャケット2のみの切断工程
とを同時に行うことができるので、そのトータルの切断
加工時間を短縮することができて、量産性が更に向上す
る。
【0035】なお、以上に説明した第1〜第4の実施の
形態は、いずれもプラスチック光ファイバーを切断加工
する場合であるが、ガラス製の光ファイバーの場合も、
同様の構成により切断加工することが可能である。即
ち、Si−Oの結合エネルギーは約106kcal /mol
なので、270nm以下の波長の紫外線レーザーを用い
れば、ガラス製の光ファイバーでも、レーザーアブレー
ションにより非熱的に切断加工することが可能である。
【0036】
【発明の効果】本発明においては、プラスチック光ファ
イバー等の光ファイバーを、波長190〜380nmの
紫外線レーザーにより切断加工するので、高精度で平滑
な切断面を得ることができ、研磨や加熱処理といった後
工程が不要になる。また、切断面をそのまま種々の目的
に使用することができるため、その切断位置決めを高精
度に行うことにより、光ファイバーの寸法精度が向上す
る。更に、ジャケットと光ファイバーの同時切断が可能
であり、また、ジャケットのみを切断して光ファイバー
の端面を剥き出しにすることも容易である。更に、本発
明による切断加工方法は、短時間で行うことができ、量
産性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2の実施の形態による光フ
ァイバーの切断加工方法を示す概略図である。
【図2】本発明の第3の実施の形態による光ファイバー
の切断加工方法を示す概略図である。
【図3】本発明の第4の実施の形態による光ファイバー
の切断加工方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1…プラスチック光ファイバー、2…ジャケット、3…
紫外線レーザー源、4、6…コリメーターレンズ、5…
シリンドリカルレンズ、7…ビームスプリッター、8…
反射ミラー、L1 …線状に集光されたレーザー光、L2
…スポット状に集光されたレーザー光

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバーを、波長190〜380n
    mの紫外線レーザーにより切断加工することを特徴とす
    る、光ファイバーの切断方法。
  2. 【請求項2】 前記切断加工が、主として、前記紫外線
    レーザーの光子エネルギーで前記光ファイバーの構成材
    料の化学結合を切ることにより行われる、請求項1に記
    載の光ファイバーの切断方法。
  3. 【請求項3】 プラスチック光ファイバーを切断加工す
    る、請求項2に記載の光ファイバーの切断方法。
  4. 【請求項4】 ガラス製の光ファイバーを、波長190
    〜270nmの紫外線レーザーにより切断加工する、請
    求項2に記載の光ファイバーの切断方法。
  5. 【請求項5】 線状に集光させた前記紫外線レーザーに
    より前記光ファイバーを切断加工する、請求項2に記載
    の光ファイバーの切断方法。
  6. 【請求項6】 点状に集光させた前記紫外線レーザー
    を、前記光ファイバーに対し相対的に移動させながら、
    前記光ファイバーの切断加工を行う、請求項2に記載の
    光ファイバーの切断方法。
  7. 【請求項7】 前記紫外線レーザーを、前記光ファイバ
    ーに対し直線的に相対移動させながら前記切断加工を行
    う、請求項6に記載の光ファイバーの切断方法。
  8. 【請求項8】 前記紫外線レーザーに対し前記光ファイ
    バーを回転させながら前記切断加工を行う、請求項6に
    記載の光ファイバーの切断方法。
  9. 【請求項9】 前記光ファイバー及びそれを被覆するジ
    ャケット部を第1の紫外線レーザーにより切断加工する
    工程と、その工程における切断位置とは異なる位置で前
    記ジャケット部のみを第2の紫外線レーザーにより切断
    加工する工程とを有する、請求項2に記載の光ファイバ
    ーの切断方法。
  10. 【請求項10】 前記光ファイバー及びそれを被覆する
    ジャケット部を第1の紫外線レーザーにより切断加工す
    る間に、その切断位置とは異なる位置で前記ジャケット
    部のみを第2の紫外線レーザーにより切断加工する、請
    求項2に記載の光ファイバーの切断方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも前記第2の紫外線レーザー
    を、前記光ファイバー及び前記ジャケット部の回りに相
    対的に公転移動させながら前記切断加工を行う、請求項
    10に記載の光ファイバーの切断方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の紫外線レーザーとして、線
    状に集光させたものを用い、前記第2の紫外線レーザー
    として、点状に集光させたものを用いる、請求項11に
    記載の光ファイバーの切断方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6774341B2 (en) * 2002-07-31 2004-08-10 Moritex Corporation Method of severing an optical fiber using a laser beam

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6774341B2 (en) * 2002-07-31 2004-08-10 Moritex Corporation Method of severing an optical fiber using a laser beam

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