JPH1176893A - 引上げ式コーティング装置 - Google Patents

引上げ式コーティング装置

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JPH1176893A
JPH1176893A JP23936197A JP23936197A JPH1176893A JP H1176893 A JPH1176893 A JP H1176893A JP 23936197 A JP23936197 A JP 23936197A JP 23936197 A JP23936197 A JP 23936197A JP H1176893 A JPH1176893 A JP H1176893A
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JP
Japan
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coating
coating liquid
dip tank
gel
tank
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JP23936197A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Fuchigami
泰宏 渕上
Akira Sonezaki
陽 曾根崎
Fujio Sawaragi
富士夫 椹
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NIPPON EE R C KK
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
NIPPON EE R C KK
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜欠点の発生を防止すべく、塗布液中の気
泡及びゲル状物を効率的に除去し得る引上げ式コーティ
ング装置を提供する。 【解決手段】 コーティング対象物1の表面に塗膜を形
成すべく、塗布液2を貯留し、且つ、コーティング対象
物1を浸漬するためのディップタンク3と、ディップタ
ンク3の上縁から前記塗布液2を排出するオーバーフロ
ー機構Fと、塗布液2の内部にコーティング対象物1を
浸漬し、および、引き上げる引上げ機構Hを備えた引上
げ式コーティング装置であって、塗布液2をディップタ
ンク3の内部に供給するための塗布液供給口4をディッ
プタンク3の側壁に設けると共に、塗布液2をディップ
タンク3から排出するための塗布液排出口10をディッ
プタンク3の最下位置に設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーティング対象
物の表面に塗膜を形成すべく、塗布液を貯留し、且つ、
コーティング対象物を浸漬するためのディップタンク
と、前記ディップタンクの上縁から前記塗布液を排出す
るオーバーフロー機構と、前記塗布液の内部に前記コー
ティング対象物を浸漬し、および、引き上げる引上げ機
構を備えた引上げ式コーティング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、引上げ式コーティング装置は、例
えば図6に示すものがあった。当該引上げ式コーティン
グ装置は、主に、ディップタンク3および引上げ機構H
で構成されている。ディップタンク3には、所定量の塗
布液2を貯留してある。当該塗布液2の内部に、例えば
レンズ等のコーティング対象物1を引上げ機構Hを用い
て所定時間浸漬し、コーティング処理を行うのである。
しかし、前記塗布液2には微細な気泡や空気中の塵等が
混入する場合があり、コーティングに際しては、これら
の異物を完全に除去する必要がある。従来のコーティン
グ装置では、塗布液2をディップタンク3の内部で対流
させつつ、これらの異物を塗布液2の内部で上昇させ、
ディップタンク3の上縁部3bからオーバーフローさせ
ることで除去していた。従来のディップタンク3では、
これらの異物を排出するために塗布液2をディップタン
ク3の下方から供給し、主に、下方から上方への対流を
形成させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のコ
ーティング装置によれば、次のような問題があった。コ
ーティング時に塗膜欠点を形成する原因として、前記異
物の他に、塗布液2の内部で発生するゲル状物が挙げら
れる。当該ゲル状物の生成機構については明らかではな
い。塗布液2に当該ゲル状物が生成し、ディップタンク
3の内部に浸漬したコーティング対象物1の表面に付着
すると、当該部分での塗膜が凸状となったり、コーティ
ング対象物1をディップタンク3から引き上げる際に、
前記ゲル状物の部分から塗布液2が流れ落ちて所謂「液
だれ」が生じ、塗膜欠点が生じる。また、前記異物およ
びゲル状物の比重は、塗布液2の比重に比べて僅かに大
きいため、通常、前記ゲル状物はディップタンク3の底
部に沈降する傾向がある。しかし、従来のディップタン
ク3では、ディップタンク3の最下部から塗布液2を供
給し、上縁部3bからオーバーフローによって塗布液2
を排出するものであったから、ディップタンク3の塗布
液2は主に下方から上方への流れを形成する。この流れ
は、ゲル状物の沈降を妨げ、ゲル状物をディップタンク
3の内部に拡散させる。一方、オーバーフロー部に注目
すると、ディップタンクの上縁部3bから盛り上がった
塗布液2の高さは僅かに数ミリ程度である。ディップタ
ンク3の内部の対流から外れてオーバーフローする塗布
液2は、前記対流の最上部を流れるものに限られる。し
かし、ゲル状物の比重は塗布液2の比重よりも大きく、
常に塗布液2の下方側に沈降しようとする。よって、ゲ
ル状物がディップタンクの上縁部3bの近傍に対流して
きた際に、オーバーフロー可能な対流の最上部に位置す
る確率は極めて低い。このため、前記異物をオーバーフ
ローによって除去するためには、塗布液2を長時間にわ
たってろ過循環させる必要があり、効率的な異物の除去
ができなかった。さらに、オーバーフローによってゲル
状物を効率的に排出させるには、例えば、ディップタン
ク3への塗布液2の供給量を増大させて、前記塗布液2
の高さを高く設定する方法も考えられる。しかし、この
方法では、大容量のろ過用フィルターと大容量の液送ポ
ンプが必要となり、ランニングコストが増大して経済性
に劣るものとなるばかりでなく、装置が大型化して過大
な設置用スペースが必要となる等の不都合が生じてい
た。以上のごとく、従来の引上げ式コーティング装置で
は、ゲル状物や異物を効率的に除去することができず、
これらのゲル状物等がディップタンク3の内部に長期間
に亘って対流する結果、上記塗膜欠点の発生を低減化す
るにも限界があった。本発明の目的は、このような従来
技術の欠点を解消し、塗膜欠点の発生を防止すべく、塗
布液中の気泡及びゲル状物を効率的に除去し得る引上げ
式コーティング装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の特徴構成を、図1から図3に示した例を参考
に説明する。
【0005】(構成1)本発明の引上げ式コーティング
装置は、請求項1に記載したごとく、塗布液をディップ
タンクの内部に供給するための塗布液供給口を前記ディ
ップタンクの側壁に設けると共に、前記塗布液を前記デ
ィップタンクから排出するための塗布液排出口を前記デ
ィップタンクの最下位置に設けた点に特徴を有する。 (作用・効果)一般に、前記塗布液には、塗布液中の成
分が固化したゲル状物や異物が混入している。コーティ
ングの際に塗膜欠点を形成させないためには、塗布液中
のゲル状物等を除去する必要がある。当該ゲル状物等の
比重は、塗布液の比重よりも僅かに大きい。本構成のご
とく、塗布液供給口をディップタンクの側壁に設け、デ
ィップタンクの最下位置に塗布液排出口を設けること
で、前記ディップタンクの内部において、ディップタン
クの上方から下方に向かう塗布液の流れを形成すること
ができる。つまり、ディップタンクの内部においてゲル
状物や塵の沈降方向と塗布液の対流方向とが一致するか
ら、ゲル状物は容易に前記塗布液排出口に向けて搬送さ
れる。さらに、塗布液排出口をディップタンクの最下位
置に設けてあるから、ディップタンクの底部に沈降した
ゲル状物が当該塗布液排出口の側に移動し易くなってい
る。このように、本構成の引上げ式コーティング装置に
よれば、ゲル状物や異物を効率的に排出することができ
る。
【0006】(構成2)本発明の引上げ式コーティング
装置は、請求項2に記載したごとく、前記塗布液の排出
流量を調節するための開閉機構を、前記塗布液排出口に
連通する第1塗布液排出路に設けて構成することができ
る。 (作用・効果)コーティングに際しては、塗布液中の気
泡やゲル状物、異物等を除去する必要がある。このう
ち、気泡はディップタンクの液面から空気中に排出する
こと等が可能であるが、前記ゲル状物等については別途
設けたフィルター等を用いて除去する必要がある。当該
ゲル状物等は、特に新しい塗布液の使用開始時に多く存
在する。このため、本構成のごとく、塗布液の排出流量
を調節するための開閉機構を塗布液排出路に設けてお
き、上記新しい塗布液を投入した場合等には、前記開閉
機構の開度を大きくして塗布液の循環量を大きく設定
し、ゲル状物や異物を効率的に除去するのである。塗布
液中のゲル状物がある程度除去できたのちは、前記開閉
機構の開度を小さくする。これにより、塗布液の循環量
を、その後に発生するゲル状物を除去し得ると共に、コ
ーティングに最適となる範囲に設定する。以上のごと
く、本構成であれば、塗布液中のゲル状物や異物を効率
的に除去することができる。
【0007】尚、上記課題を解決するための手段の説明
中、図面を参照し、図面との対照を便利にするために符
号を記すが、当該記入により本発明が添付図面の構成に
限定されるものではない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0009】(概要)本発明の引上げ式コーティング装
置Sの概要を図1に示す。当該引上げ式コーティング装
置Sは、例えば、レンズ・板ガラス等のコーティング対
象物1の表面に塗膜を形成するための装置である。コー
ティングの際に用いる塗布液2としては、例えば、当該
出願人が製造するC−337を用いる。これは、シリカ
およびオルガノポリシロキサンよりなるハードコーティ
ング液である。この塗布液2は、例えばコーティング対
象物1であるアリルジグリコールカーボネート製のプラ
スチック基材にディップコートし、約120℃下で1時
間程度加熱乾燥することで、網目構造をなし、耐擦傷性
を有する強固な透明塗膜をプラスチック基材の表面に形
成することができる。当該引上げ式コーティング装置S
は、主に、コーティング対象物1を浸漬するために塗布
液2を貯留するディップタンク3と、当該ディップタン
ク3に塗布液2を供給するための循環機構Jと、前記塗
布液2の内部にコーティング対象物1を浸漬し、引き上
げるための引上げ機構Hとからなる。以下、夫々の構成
の詳細を示す。
【0010】(ディップタンク・リザーブタンク)当該
ディップタンク3は、塗布液2を貯留し、且つ、コーテ
ィング対象物1を浸漬するためのものである。前記塗布
液2は、前記ディップタンク3の内部を対流させると共
に、前記ディップタンク3の外部に循環させる必要があ
る。つまり、前記塗布液2には微細な気泡が混入してい
るばかりでなく、塗布液2中の成分が固化したゲル状物
や異物が混入している。コーティングの際に塗膜欠点を
形成させないためには、これらの気泡等を除去する必要
がある。
【0011】前記ディップタンク3への塗布液2の供給
は、図2および図3に示すごとく、ディップタンク3の
側壁3aの上部に設けた塗布液供給口4を用いる。当該
塗布液供給口4は、例えば図2に示すごとく、略矩形状
の平断面を有するディップタンク3の特定の側壁3aに
対し、略全幅に亘って水平方向に断続的に複数設ける。
本構成により、当該側壁3aの全幅に亘る部分から塗布
液2を供給し、ディップタンク3の全幅に亘って略均一
の対流を形成することができる。前記塗布液供給口4の
外側には、塗布液2を一旦貯留する塗布液供給室5を設
ける。当該塗布液供給室5への塗布液2の供給は、当該
塗布液供給室5の下方に接続した塗布液供給路6を用い
て行う。当該塗布液供給路6は、後述する循環機構Jの
一部をなす。当該塗布液供給室5を設けることにより、
夫々の塗布液供給口4からディップタンク3内への塗布
液2の供給を安定させることができる。
【0012】また、前記塗布液供給室5は、塗布液2の
内部に混入した気泡を除去する機能も有する。つまり、
前記塗布液供給室5に塗布液2を貯留した際に、塗布液
2中の気泡を天井部5aに上昇させる。この空気を空気
抜き機構Kによって排出する。当該空気抜き機構Kの構
成を図4に示す。当該空気抜き機構Kは、例えば、前記
塗布液供給室5の天井部5aに空気抜き弁7を設けて構
成する。当該空気抜き弁7は、塗布液供給室5と後述す
る案内溝部とを連通・遮断するものである。前記空気抜
き弁7は、略筒状を呈する部材であり、その内部に空気
抜き通路8を形成してある。この空気抜き通路8は、そ
の一端が前記空気抜き弁7の下端面7aに開口し、他端
が空気抜き弁7の側面7bの上方部に開口する略L字状
を呈する。前記空気抜き弁7は、前記天井部5aに設け
た弁保持部9に取り付けてある。図4には、前記空気抜
き弁7の側面7bに雄ねじ部7cを形成し、前記弁保持
部9の内面に雌ねじ部9aを形成した例を示す。本構成
の場合、前記空気抜き弁7を螺進させることで、前記空
気抜き通路8を前記塗布液供給室5と外部とに亘って連
通させ、或いは、当該連通を遮断することができる。
尚、前記塗布液供給口4は、前記塗布液供給室5からデ
ィップタンク3内に侵入する空気の量を抑えるために、
できるだけ前記塗布液供給室5の下方位置に設けるのが
望ましい。
【0013】前記ディップタンク3からの塗布液2の排
出は、図1に示したごとく、ディップタンク3の傾斜し
た底部のうち、最下位置に設けた塗布液排出口10を用
いて行う。このように、塗布液排出口10をディップタ
ンク3の下方位置に設けると、ディップタンク3の上方
から下方に向かう塗布液2の流れが形成される。また、
塗布液排出口10をディップタンク3の最下位置に設け
ると、塗布液2の内部に存在するゲル状物を当該塗布液
排出口10に集めることができ、ゲル状物を効率的に排
出することができる。尚、ディップタンク3の下方部お
よび前記塗布液排出口10の開口部には、仮にディップ
タンク3の内部にコーティング対象物1を落下させた場
合などに備えて網部材10aを設けてある。
【0014】一方、ディップタンク3の側壁3aの上縁
部3bには、図1から図3に示すごとく、前記塗布液2
を溢れ出させるオーバーフロー機構Fを形成する。当該
オーバーフロー機構Fは、主に、塗布液2の内部の微細
な気泡を除去する機能と、ディップタンク3の内壁およ
び上縁が乾燥するのを防止する機能とを有する。当該オ
ーバーフロー機構Fは、波状に切欠加工した前記上縁部
3bと、当該上縁部3bから溢れ出た塗布液2を受ける
案内溝部11、および、当該案内溝部11で集められた
塗布液2を貯留するリザーブタンク12とで構成する。
波状の前記上縁部3bはディップタンク3の全周に亘っ
て設ける。本構成であれば、仮にディップタンク3が幾
分傾斜した状態に設置された場合にも、特定の側からの
み塗布液2が溢れ出ることを防止でき、ディップタンク
3の全域に分布する気泡を効率的に除去することができ
る。図2に示すごとく、前記上縁部3bから溢れ出た塗
布液2は、ディップタンク3の周囲に設けた案内溝部1
1で受け止められる。前記上縁部3bから当該案内溝部
11の底面11aまでの落差は、落下に際する空気の巻
き込みを防止するために50mm以下となるように設定
してある。当該案内溝部11で受け止めた塗布液2は、
ディップタンク3を挟んで前記塗布液供給口4と反対側
に設けたリザーブタンク12に集められる。
【0015】前記ディップタンク3およびリザーブタン
ク12は各種の材料で構成することができる。例えば、
SUS316あるいはSUS304等のステンレス鋼材
や、硬質塩化ビニル、ポリプロピレン等が使用可能であ
る。また、一般鋼材、アルミニウム、銅、しんちゅう等
にテフロン加工を施して使用することもできる。
【0016】(循環機構)循環機構Jは、前記ディップ
タンク3からオーバーフローした塗布液2、および、前
記塗布液排出口10から排出された塗布液2を再び前記
ディップタンク3に供給するための機構である。図1に
示すごとく、当該循環機構Jには、ディップタンク3お
よびリザーブタンク12からの塗布液2の排出量を調節
するための開閉機構Bを設けてある。当該開閉機構B
は、ディップタンク3の下方に接続してある第1塗布液
排出路13に設けた第1開閉弁14と、リザーブタンク
12の下方に接続してある第2塗布液排出路15に設け
た第2開閉弁16とからなる。第1開閉弁14は、ディ
ップタンク3からの塗布液2の排出流量を調節するもの
であり、第2開閉弁16は、リザーブタンク12からの
塗布液2の排出流量を調節するものである。塗布液2
は、前記開閉機構Bの下流の循環経路17に設けた液送
ポンプPで循環させる。当該液送ポンプPとしては、ダ
イアフラム式、ギア式、遠心式のもの等、各種の形式の
ものを用いることができる。特に、メカニカルシールを
用いない、例えば、マグネットの回転によってインペラ
を誘導回転させるマグネットポンプであれば、塗布液2
の流路をポンプの駆動部と完全に分離することができ、
駆動部への塗布液2の進入を確実に防止することができ
る。
【0017】前記液送ポンプPの下流側にはゲル状物あ
るいは微小な気泡等を除去するためのフィルタfを設け
る。フィルタfの材質、設置個数、フィルタfの能力等
については、塗布液2の種類の違いによるゲル状物の発
生態様等に応じて適宜変更する。フィルタfの材質とし
ては、例えば、テフロン、ポリプロピレン、コットン等
を使用することができる。
【0018】さらに、前記フィルタfの下流の循環経路
17中には熱交換器18を設けてある。当該熱交換器1
8は、前述のごとく、塗布液2の温度を所定の温度に維
持するためのものである。例えば、コーティングの際に
は、塗布液2の温度をコーティングに最適な温度である
約18度に保持し、コーティング作業を中断する場合に
は、塗布液2の劣化を防止する等の目的で約4度に保持
する。前記熱交換器18は、循環経路17を溶媒中に通
すものや、循環経路17の内部に冷媒配管を設けるもの
など各種の形式で実施することができる。図1において
は循環経路17中に熱交換器18を独立して設けるよう
に示してあるが、例えば、ディップタンク3の周囲に水
冷ジャケットを設けるものであってもよい。
【0019】図1では、二つのフィルタfの下流側に熱
交換器18を配置した例を示したが、これは熱交換器1
8の目詰まりの防止を考慮したものである。即ち、一般
に、熱交換器18を構成する伝熱部材どうしの隙間は狭
いため、当該隙間にゲル状物が目詰まりするのを防止す
るためには、熱交換器18の上流側にフィルタfを配置
しておくのが好ましいからである。尚、図示は省略する
が、前記二つのフィルタfの間に熱交換器18を配置す
る場合もある。この場合には、仮に熱交換器18で何ら
かの異物が生じた場合でも、後方のフィルタfによって
当該異物を除去することができ、ディップタンク3への
異物の混入を防止することができる。
【0020】(引上げ機構)当該引上げ機構Hは、図1
に示すごとく昇降部19と昇降機20とからなる。昇降
部19はコーティング対象物1を吊り下げる部分であ
る。昇降機20は、前記昇降部19を上昇・下降させる
ためのものである。昇降機20は、例えば、油圧式、圧
空式、ねじ式、或いはモーターでダイレクトに駆動する
方式など各種の形式のものを用いることができる。
【0021】(コーティング要領)コーティングに際し
ては、塗布液2の内部に存在する気泡およびゲル状物や
異物を除去する必要がある。そのため、例えば、新しい
塗布液2を使用する場合には、以下の要領で塗布液2を
循環させる。前記フィルタfを新しいものと交換したの
ち、塗布液2をリザーブタンク12の壁面12aに沿わ
せて静かに投入する。このとき、前記第2開閉弁16は
全開にしておき、一方の前記第1開閉弁14は全閉にし
ておく。リザーブタンク12が満たされた時点で液送ポ
ンプPを運転して塗布液2をディップタンク3へ供給す
る。この操作を繰り返してディップタンク3およびリザ
ーブタンク12を塗布液2で満たす。次に前記第1開閉
弁14を開き、前記液送ポンプPを連続運転させなが
ら、第1開閉弁14と第2開閉弁16との開度を調節す
る。運転開始後の約1時間は、第1開閉弁14の開度を
第2開閉弁16の開度よりも大きくする。これにより、
塗布液2中のゲル状物を効率的に除去することができ
る。その後は、主に気泡を除去すべく、第2開閉弁16
の開度を第1開閉弁14の開度よりも大きく設定する。
尚、第1開閉弁14と第2開閉弁16とを通過する塗布
液2の流量は、一回のコーティング作業中にディップタ
ンク3内の塗布液2が一回循環する程度とする。例え
ば、一回のコーティングにはおよそ4分必要である。デ
ィップタンク3の容量を60リットルとすると、循環経
路中の塗布液2の量などを考慮すると、塗布液2の流量
は25リットル/分程度になる。
【0022】コーティング対象物1は、塗布液2による
コーティングに先立って8%の水酸化ナトリウム水溶液
中に常温下で約10分浸漬し、多槽洗浄を行ったのちデ
ィップタンク3に浸漬する。コーティング対象物1を塗
布液2中に30秒〜1分浸漬した後、2cm/分〜20
0cm/分の速度でコーティング対象物1を引き上げ
る。この時の引上げ速度は、コーティング対象物1への
塗布液2の付着状態などに応じて任意に設定する。例え
ば、引上げ当初は引上げ速度を大きく設定すると共に、
引上げ後半にかけて引上げ速度を漸減させる。これによ
り、レンズの表面に付着させる塗膜の厚みを、上側部分
から下側部分にかけて次第に薄くする。この膜厚の差
は、この後の搬送等に伴って上方の厚膜部分の塗膜が下
方に移行することで解消され、結果的に均一な厚みのコ
ーティング層を得ることができる。尚、コーティング対
象物1の引き上げは、前記液送ポンプPを停止させた状
態で行う場合と、液送ポンプPの運転を継続したままで
行う場合とがある。引上げ後は、約120℃下で1時間
程度加熱乾燥することにより、1〜10μmの塗膜をコ
ーティング対象物1の表面に形成する。
【0023】本発明の引上げ式コーティング装置Sを用
い、塗布液2の循環時間を変えてアリルジグリコールカ
ーボネスレンズにコーティングを施した場合の塗膜欠点
の発生状況を図5に示す。図5には、従来の装置を用い
た場合の塗膜欠点の発生状況を併せて示した。ここで、
横軸は、ディップタンク3内に塗布液2を投入した後の
塗布液循環時間であり、縦軸は、コーティングを施した
レンズのうち塗膜欠点が発生したレンズの個数割合であ
る。図5から明らかなごとく、塗布液2の循環時間が長
くなるほど塗膜欠点の発生率は低下する。何れの時点に
おいても、本発明の装置を用いた場合の塗膜欠点発生率
は、従来の装置を用いた場合よりも低い値を示してい
る。特に、塗布液2を一日以上循環させた場合には、本
発明の装置を用いた場合の塗膜欠点発生率は、従来の装
置を用いた場合のおよそ半分に低減した。
【0024】(効果)以上のごとく、本発明の引上げ式
コーティング装置Sであれば、オーバーフロー機構Fお
よび空気抜き機構K等を用いることで、塗布液2の内部
に存在する気泡を効率的に除去することができ、上方か
ら下方への塗布液2の対流を形成するディップタンク3
およびフィルタfによって塗布液2に含まれるゲル状物
を迅速に除去することができる。この結果、コーティン
グに際して塗膜欠点の発生が極めて少ない引上げ式コー
ティング装置Sを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の引上げ式コーティング装置の構成を示
す説明図
【図2】本発明に係るディップタンク及びリザーブタン
クを示す斜視図
【図3】本発明に係るディップタンク及びリザーブタン
クを示す斜視図
【図4】空気抜き機構を示す縦断面図
【図5】本発明の引上げ式コーティング装置による塗膜
欠点発生率を示す説明図
【図6】従来の引上げ式コーティング装置の構成を示す
説明図
【符号の説明】
1 コーティング対象物 2 塗布液 3 ディップタンク 4 塗布液供給口 10 塗布液排出口 13 第1塗布液排出路 B 開閉機構 F オーバーフロー機構 H 引上げ機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 椹 富士夫 千葉県市原市姉崎海岸136番 日本エーア ールシー株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーティング対象物の表面に塗膜を形成
    すべく、塗布液を貯留し、且つ、コーティング対象物を
    浸漬するためのディップタンクと、 前記ディップタンクの上縁から前記塗布液を排出するオ
    ーバーフロー機構と、 前記塗布液の内部に前記コーティング対象物を浸漬し、
    および、引き上げる引上げ機構を備えた引上げ式コーテ
    ィング装置であって、 前記塗布液を前記ディップタンクの内部に供給するため
    の塗布液供給口を前記ディップタンクの側壁に設けると
    共に、 前記塗布液を前記ディップタンクから排出するための塗
    布液排出口を前記ディップタンクの最下位置に設けてあ
    るコーティング装置。
  2. 【請求項2】 前記塗布液の排出流量を調節するための
    開閉機構を、前記塗布液排出口に連通する第1塗布液排
    出路に設けてある請求項1に記載のコーティング装置。
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