JPH1176868A - サイクロン及び静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

サイクロン及び静電荷像現像用トナーの製造方法

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JPH1176868A
JPH1176868A JP23879097A JP23879097A JPH1176868A JP H1176868 A JPH1176868 A JP H1176868A JP 23879097 A JP23879097 A JP 23879097A JP 23879097 A JP23879097 A JP 23879097A JP H1176868 A JPH1176868 A JP H1176868A
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cyclone
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powder
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JP23879097A
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Hiroshi Nakazawa
博 中沢
Susumu Yoshino
進 吉野
Jun Igarashi
潤 五十嵐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トナーの融着を低減し、粗大粉・中粉の発生を
防ぎ、長期にわたり安定した生産性を維持することがで
きる静電荷像現像用トナー製造方法およびその際にトナ
ー粉を捕集するための耐融着性および耐摩耗性に優れた
サイクロンを提供する。 【解決手段】気相中の粉体を捕集するサイクロンであっ
て、サイクロン内部の粉体との接触面、すなわち、渦室
24内壁面および流出管22表面および内壁面に、含フ
ッ素化合物、例えばフッ素樹脂、フッ化黒鉛またはフッ
化ピッチ等の微粒子を分散含有する複合メッキ皮膜25
を設ける。このサイクロンを、静電荷像現像用トナーの
製造に際して、粉砕および/または分級により生成する
トナー粉体の捕集に使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電荷像現像用ト
ナーを効率よく安定的に製造するためのトナー製造方法
およびそのために使用するのに適したサイクロンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真法による画像形成に用いられる
トナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤が含有されて
いる。電子写真用トナーは、潜像保持体上に形成された
静電荷像を現像し、形成されたトナー像が中間転写体に
転写され、その後普通紙、プラスチックフィルム等の如
き被転写材に再転写され、被転写材上のトナー像が加熱
定着ロールまたはベルトをもつ定着装置によって加熱お
よび/または加圧定着され、画像が形成される。それゆ
えに電子写真法の画像形成方法に用いられるトナー粒子
は、熱および/または圧力に対し、塑性変形する特性を
有することが必要である。
【0003】近年のトナーに対するニーズとしては、複
写速度の高速化、低消費電力化の観点及びインスタント
・オンの観点から、従来より低い温度で溶融し得るもの
が要求される。この様なトナーを製造する場合、トナー
の製造装置内にトナーが融着するという問題が発生す
る。特に、トナーを空気で輸送する配管部材の内壁面或
いはトナー製品を捕集する為のサイクロンの内壁面にお
いて融着が起こりやすい。トナーの融着が発生すると、
トナー製造プロセス内の製造条件のバランスがくずれ、
同一品質のトナーを安定的に製造することが困難にな
り、その融着の度合いにあわせて製造条件を再設定する
か、または融着したトナーを除去せねばならず、検査費
用が増大し、装置稼動率が装置の分解或いは清掃等によ
り大幅に低下する。
【0004】さらに近年のトナーに対するニーズとし
て、高画質の要求があるが、トナーの融着が発生すると
融着物の剥がれ等により、トナー中に粗大粒子及び篩分
では除去できない中粉(20μm程度の粒径)が混入
し、白抜け、粒状性の悪化等の画質欠陥を生じる。近年
高画質化のために行われている施策として、トナーの小
粒径化および狭粒度分布化があるが、その施策を、粉砕
・分級・篩分を駆使して実施しても、トナーの融着がプ
ロセス内で生じると、その融着が主因となって発生する
中粉のために、それらの操作が無駄になるというのが現
状である。
【0005】それらの問題を解決する方法の1つとし
て、配管部材の内壁面あるいはサイクロン捕集機の内壁
面にカーボンを分散させたフッ素樹脂をコーティングす
ることが検討されている。しかしながら、トナー粉体の
製造過程においては、10〜30m/secの速度の粉
体混入空気、場所によっては100〜200m/sec
という非常に高い速度の粉体混入空気が絶えず壁面に衝
突し、或いは壁面を摩擦するため、フッ素樹脂の様な柔
らかい樹脂では耐摩耗性が劣るために、コーティングを
施しても瞬く間にコーティングが剥がれ、実用化するに
は至っていない。また、フッ素樹脂そのものも絶縁性で
あるため、防爆上の観点からも使用は困難である。特
に、最近のトナーに関しては、高画質化の要求から、粒
径が小粒径化する傾向にあるが、トナーの小粒径化によ
り上記の問題はより一層顕著にあらわれる。
【0006】また、特開平9−106103号公報に
は、配管内壁面またはサイクロン内壁面にポリベンゾイ
ミダゾールを主成分とする樹脂をコーティングしたもの
を用いてトナーを製造する方法が開示され、また樹脂に
はカーボンを添加することも記載されているが、この方
法は、カーボンを分散させているため、導電性に優れ、
耐防爆性に優れ、かつポリベンゾイミダゾールが有する
硬度により、耐磨耗性に優れている。しかしながら、低
融点トナーが付着しやすいという問題点を有している。
【0007】以上に述べたように、トナーの製造におい
ては、トナー製造用部材の耐融着性、耐摩耗性、導電性
が要求されるが、これら全てを十分に満足するものは未
だ実用化されるに至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、従来の技術における上記の様な問題点を解決
し、トナーの融着を低減し、さらには、粗大粉・中粉の
発生を防ぎ、長期にわたって安定した生産性を維持でき
るトナー製造方法を提供することにある。本発明の他の
目的は、トナー等の粉体の融着が低減され、トナーの製
造に用いるのに適した優れた耐摩耗性を有するサイクロ
ンを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々の実
験を行い鋭意検討した結果、以下のような知見を得、そ
れに基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、少
なくとも結着樹脂および着色剤を含有する混合物を、溶
融混練、粉砕、分級、(外添混合)、篩分してトナーを
製造するに際して、使用する製造装置における空気輸送
配管内壁、およびトナー粉体を捕集するためのサイクロ
ンの内壁面に体積平均粒径2μm以下のフッ素化合物微
粒子を分散含有させた複合メッキ皮膜を設けることによ
って、従来の技術における上記の問題を解決するに至っ
た。
【0010】したがって、本発明の静電荷像現像用トナ
ーの製造方法は、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有す
る混合物を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、粉砕
物を分級することよりなる静電荷像現像用トナーの製造
方法であって、混練物を粉砕する粉砕工程および/また
は粉砕物を分級する分級工程におけるトナー粉体の捕集
に際して、サイクロン内部のトナー粉体との接触面に微
粒子を分散含有する複合メッキ皮膜を設けたサイクロン
を用いることを特徴とする。本発明において、トナー粉
体の捕集を、混練物を粉砕した後および粉砕物を分級し
た後に行うのが好ましい。また、トナー粉体をサイクロ
ンに空気輸送するための配管部材の内壁面に微粒子を分
散含有する複合メッキ皮膜を設けるのが好ましい。さら
に粉砕物を分級するために風力篩分機を使用しその風力
篩分機と篩分品を捕集するためのサイクロンとを連結す
る配管部材の内壁面に微粒子を分散含有する複合メッキ
皮膜を設けるのが好ましい。
【0011】また、本発明のサイクロンは、上部に吸入
口および流出管を備え、下部に排出口を設けた渦室より
なる気相中の粉体を捕集するためのものであって、サイ
クロン内部の粉体との接触面に、微粒子を分散含有する
複合メッキ皮膜を設けてなることを特徴とする。本発明
において、微粒子は体積平均粒径が2μm以下であるの
が好ましく、また微粒子として含フッ素化合物を使用す
るのが好ましい。含フッ素化合物としては、フッ素樹
脂、フッ化黒鉛及びフッ化ピッチから少なくとも選ばれ
るものが使用される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、以下
に詳細に説明する。図1は、本発明のトナー製造方法を
説明するためのフロー図であって、本発明のトナー製造
法の一例を簡単に説明するものである。しかしながら、
本発明は、このフロー図によって限定されるものではな
い。また、図2〜4はサイクロンの斜視図、横断面図お
よび縦断面図である。
【0013】図1において、1は結着樹脂、着色剤等の
トナー原料を所定の重量比に計量する計量工程であり、
2は計量された原料を均一に混合する原料混合工程であ
り、3は溶融混練工程であり、4は得られた混練物を粉
砕機で粉砕され易いようにする圧延・冷却・粗砕する圧
延冷却工程である。また、5はトナーを所定の粒径に粉
砕する粉砕工程であり、7は粉砕物を捕集するサイクロ
ン、8は不要な微粉・粗粉を分級して除去する分級工
程、10は分級製品を捕集するサイクロン、11はシリ
カ、チタニア等の微粒子をトナー表面に付着させるため
の外添混合工程であり、更に12はトナー中の粗大粒子
を篩分によって除去する篩分工程であり、14は篩分品
を回収するサイクロンである。これらの粉砕工程5の粉
砕機と粉砕物捕集のためのサイクロン7の間は、パイプ
等の配管部材6で連結されている。また、分級工程8の
分級機と分級製品捕集のためのサイクロンは配管部材9
で連結されている。さらに、篩分工程12の風力篩分機
と篩分品捕集サイクロン14は、配管部材13によって
連結されている。
【0014】サイクロン7、10および14は、図2〜
4に示すように、上部に吸入口21および流出管22を
備え、下部に排出口23を設けた渦室24より構成され
ている。本発明においては、サイクロン内部の粉体との
接触面には、微粒子を分散含有する複合メッキ皮膜2
5、例えば、体積平均粒径2μm以下の含フッ素化合物
微粒子を分散含有する複合メッキ皮膜が設けられている
点に特徴を有している。すなわち、サイクロンの渦室2
4の内壁面および流出管22の表面および内壁面に微粒
子を分散含有する複合メッキ皮膜25が設けられてい
る。
【0015】さらにまた、本発明においては、パイプ等
の配管部材6、9および13についても、その内壁面に
は、微粒子を分散含有する複合メッキ皮膜、例えば、上
記体積平均粒径2μm以下の含フッ素化合物微粒子を分
散含有する複合メッキ皮膜が設けられているのが好まし
い。
【0016】これらのパイプ等の配管部材6、9および
13、およびサイクロン7、10および14の内部で
は、粉体材料が高速で移動しているため、粉体が接する
これらの内壁面はスコトニッキー効果により、融着が発
生する。特に粒子の流れ(空気の流れ)が、乱気流、渦
流になりやすい粉砕機の出口付近の配管内、分級機の出
口付近の配管内、更に高速渦流になるサイクロンの渦室
内壁面には、壁面に当たるトナー粒子の運動エネルギー
が極大になり、融着が特に激しく発生する。これらの内
壁面では、粉体を含む空気が高速で流れているため、絶
えず内壁に当たることにより、柔らかい部材を内壁面に
用いるとたちまち摩耗が発生してしまうが、本発明によ
れば、これら配管部材及びサイクロンの渦室の内壁面等
に微粒子を分散含有する複合メッキ皮膜を設けることに
よって、内壁面は耐融着性に優れ、且つ耐摩耗性に優れ
たものとなるのである。さらにまた、トナー等の製造に
際しては、粉体を高濃度で輸送・捕集するために、防爆
上、導電性でなければならないが、複合メッキ皮膜は金
属マトリックスが形成されていて導電性であるので、こ
の問題を解決することもできる。すなわち、本発明にお
ける微粒子を含む複合メッキ皮膜は、微粒子のもつ耐融
着特性と金属の持つ耐摩耗・導電性を併せ持つものであ
り、従来の問題とされていたトナーの融着の発生を防止
し、耐摩耗性に優れた内壁面が形成されるため、その効
果が長期にわたり保たれ、また、導電性を有するため、
防爆上にも優れたものとなる。さらにまた、トナー製造
に際して、トナーの融着の発生が防止されるために、ト
ナー中に融着物の剥がれによる粗大粉および中粉の発生
もなくなり、その結果、長期にわたり高画質を維持する
トナーの作製が可能になるのである。
【0017】本発明において、複合メッキ皮膜に含有さ
せる微粒子としては、トナー原料に対する付着性が低い
物質であれば、特に制限はないが、その中でも、自己潤
滑性、低摩擦性、はっ水性、はつ油性、非粘着性等の諸
特性に優れた含フッ素化合物の微粒子が特に好ましい。
【0018】含フッ素化合物は、特に制限はなく目的に
応じて適宜選択することができるが、例えば、フッ化黒
鉛、フッ素樹脂、フッ化ピッチ等が好適に使用される。
これらの含フッ素化合物はいずれも公知であり、その原
料、製造方法等については特に制限はなく、適宜合成し
たものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
【0019】フッ化黒鉛は、ポリカーボンモノフルオラ
イド(一般式:(CF)n で表される。n:整数)を意
味する。このフッ化黒鉛としては、特に制限はなく、そ
れ自体公知のものの中から選択できるが、本発明におい
ては、前記一般式においてn>1000程度のものが好
ましい。これらフッ化黒鉛は、適宜合成したものを用い
てもよいし、市販品を用いてもよい。
【0020】フッ素樹脂は、特に制限はなく、それ自体
公知のものから選択できるが、例えば、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−
パーフルオロアルキルビフェニルエーテル共重合体(P
FA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(FEP)等が好ましいものとしてあげ
られる。これらフッ素樹脂は、適宜合成したものを用い
てもよいし、市販品を用いてもよい。
【0021】フッ化ピッチは、一般に芳香族縮合六員環
平面が積層した層構造を有し、且つ、六員環平面を構成
する芳香族がメチレン等の脂肪族炭化水素基により架橋
した構造を有している。このフッ化ピッチは、特に制限
はなくそれ自体公知のものから選択でき、適宜合成した
ものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。フッ化
ピッチの製造例としては、例えば、特開昭62−275
190号公報等に開示されており、ピッチをフッ素ガス
を用いてフッ素化することにより得ることができる。
【0022】上記フッ化ピッチの製造原料としては、例
えば、石油蒸留残渣、ナフサ熱分解残渣、エチレンボト
ム油、石炭液化油、コールタール等の石油系または石炭
系重質油を蒸留して、沸点200℃未満の低沸点成分を
除去したピッチ、更に、このピッチを熱処理および/ま
たは水添処理したもの等があげられる。より具体的に
は、フッ化ピッチの製造原料としてのピッチには、例え
ば、等方性ピッチ、メソフェーズピッチ、水素化メソフ
ェーズピッチ、メソカーボンマイクロビーズ等が含まれ
る。フッ化ピッチは、例えば、上記の原料ピッチとフッ
素とを0〜350℃程度の温度で直接反応させる方法等
によって製造することができる。
【0023】本発明においては、前記含フッ素化合物の
微粒子は、単一種の微粒子のみを含んでいてもよいし、
複数種の微粒子を含んでいてもよい。換言すると、前記
フッ素化合物については、1種単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。後者の場合において
は、併用する複数種の含フッ素化合物の微粒子の混合割
合については、特に制限はなく、適宜任意に選択するこ
とができる。
【0024】複数種の含フッ素化合物の微粒子を用いる
場合、フッ素化合物の微粒子の組合せとしては、特に制
限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、
その好ましい具体例としては、フッ化黒鉛微粒子とフッ
化ピッチ微粒子との組合せ、フッ化黒鉛微粒子とPTF
E微粒子の組合せ、フッ化黒鉛微粒子とPFA微粒子の
組合せ、フッ化黒鉛微粒子とFEP微粒子との組合せ、
フッ化ピッチ微粒子とPTFE微粒子の組合せ、フッ化
ピッチ微粒子とPFA微粒子の組合せ、フッ化ピッチ微
粒子とFEP微粒子の組合せ、PTFE微粒子とPFA
微粒子の組合せ、PTFE微粒子とFEP微粒子の組合
せ、PFA微粒子とFEP微粒子の組合せ、フッ化黒鉛
微粒子とフッ化ピッチ微粒子とPTFE微粒子の組合
せ、フッ化ピッチ微粒子とフッ化黒鉛微粒子とPFA微
粒子の組合せ、フッ化ピッチ微粒子とPTFE微粒子と
FEP微粒子の組合せ、フッ化ピッチ微粒子とPTFE
微粒子とPFA微粒子の組合せ、フッ化黒鉛微粒子とフ
ッ化ピッチ微粒子とPTFE微粒子とPFA微粒子の組
合せ、フッ化ピッチ微粒子とフッ化黒鉛微粒子とPTF
E微粒子とFEP微粒子とPFA微粒子との組合せ等が
あげられるが、ここにあげた組合せに限定されるもので
はない。
【0025】本発明においては、これらの組合せの中で
も、フッ化黒鉛微粒子とPTFE微粒子の組合せ、フッ
化黒鉛微粒子とPFA微粒子の組合せ、フッ化ピッチ微
粒子とPTFE微粒子の組合せ、フッ化ピッチ微粒子と
PFA微粒子の組合せ、フッ化ピッチ微粒子とFEP微
粒子の組合せ、PTFE微粒子とPFA微粒子の組合
せ、PFA微粒子とFEP微粒子の組合せが特に好まし
い。
【0026】複合メッキ皮膜を形成するためには、公知
の無電解メッキ法および電解メッキ法のいずれを使用し
てもよい。使用するメッキ液としては、公知の組成のも
のならば如何なるものでも使用することができ、微粒子
をマトリックス金属を形成するための金属塩の水溶液中
に分散させ、メッキすべき基板上に、マトリックス金属
と共に微粒子を共析させればよい。マトリックス金属と
しては、例えばニッケル、銅、亜鉛、錫、クロム、カド
ミウム等の金属およびそれらの合金があげられる。メッ
キ液中に分散させる微粒子の粒径は、形成される複合メ
ッキ皮膜の膜厚にもよるが、2μm以下のものが使用さ
れ、好ましくは1μm以下のものが使用される。また、
メッキ液中の微粒子の添加量は、特に限定されるもので
はないが、通常200g/l以下、好ましくは1〜10
0g/lの範囲に設定される。また、メッキ液には、微
粒子を均一に分散させるために界面活性剤が添加され
る。界面活性剤としては、カチオン系、アニオン系およ
び両性界面活性剤が用いられ、これらは微粒子1gに対
して1〜100mgの範囲で添加される。
【0027】本発明において、形成される複合メッキ皮
膜の膜厚は、1〜50μmの範囲、好ましくは、2〜2
0μmの範囲に設定され、また、複合メッキ皮膜中の微
粒子は、25〜50容量%、好ましくは35〜45容量
%の範囲で含有されるように調整する。メッキによって
形成した皮膜は、加熱処理することによって複合メッキ
皮膜が完成する。
【0028】本発明において製造される静電潜像現像用
トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を主要成分とし
て構成される。原料としては公知のものが使用され、結
着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレ
ン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等
のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα
−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメ
チルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエ
ーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビ
ニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等の
ビニルケトン類、それら単独重合体あるいは共重合体を
例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、
ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合
体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレ
ン−アクリルニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等をあげることができる。さら
に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリ
コーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワッ
クス等をあげることができる。
【0029】特に結着樹脂として、ポリエステルが使用
される場合には、本発明の効果がより一層発揮されるの
で好ましい。すなわち、結着樹脂がポリエステルの場合
は、その構造内に−OH基、−COOH基等の極性基を
含み、更に極性基のような末端の構造以外の部分でも極
性を生じており、そのためポリエステル樹脂は静電的相
互作用が非常に強い。したがって、装置内壁へのトナー
の融着が生じ易いので、本発明の機能が効果的に発揮さ
れる。
【0030】また、着色剤としては、カーボンブラッ
ク、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロ
ー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キ
ノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシア
ニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプ
ブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッ
ド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.
I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント
・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、
C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメ
ント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示する
ことができる。
【0031】また、本発明におけるトナーの製造に際し
ては、必要に応じて帯電制御剤を添加してもよい。帯電
制御剤としては、公知のものを使用できるが、フッ素系
界面活性剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系金属化合物の
ような含金属染料、マレイン酸を単量体成分として含む
共重合体のごとき高分子酸、四級アンモニウム塩、ニグ
ロシン等のアジン系染料、カーボンブラック、および帯
電制御樹脂等が用いられるが、特にZn、Alのサリチ
ル酸錯体、四級アンモニウム塩が好ましい。これらのも
のは、0.1〜10重量%の範囲で用いられる。
【0032】また、本発明によるトナーの製造に際して
は、耐オフセット性をより良好にする目的で、離型剤を
添加してもよい。離型剤としては、炭素数8以上のパラ
フィン、ポリオレフィン等が好ましく、例えば,パラフ
ィンワックス、パラフィンラテックス、マイクロクリス
タリンワックス等、またはポリプロピレン、ポリエチレ
ン等があげられ、これらを単独あるいは併用することが
できる。これらの添加量は0.3〜10重量%の範囲が
好ましい。
【0033】本発明は、まず、上記のトナー製造原料を
溶融混練し、混練物を粉砕する。本発明において用いら
れる溶融混練機としては、ニーダー、エクストルーダー
およびバンバリーミキサー等の公知の混練機が使用され
る。更に本発明において、粉砕機としては、通常のジェ
ットミルが一般的に使用できるが、粉砕機の内部に粗粉
分級機を内蔵している粉砕機であっても、粉砕機の外部
に遠心式の粗粉分級機を配し、システムとして閉回路を
組み込んだものであっても何等差支えない。
【0034】粉砕された粉砕物は、サイクロンによって
捕集されて、次いで分級されるが、分級工程は、分級お
よび篩分の2つの工程よりなっていてもよい。本発明に
使用される分級機は、アキュカットの様な遠心式分級機
であっても、エルボージェットのような慣性力を使った
分級機であってもかまわない。分級された分級物はサイ
クロンによって捕集され、分級製品となるが、本発明に
おいては、さらに、トナー流動性向上及び帯電性付与を
目的にシリカまたはチタニア等の無機微粒子を外添剤と
して添加混合してもよい。これら無機微粒子は、その表
面をシリカ化合物等を用いて処理したものが好適に使用
される。
【0035】外添混合は、例えばV型ブレンダーやヘン
シェルミキサー、レディゲミキサー等によって行うこと
ができる。また、この際必要に応じて種々の添加剤を添
加してもよい。これらの添加剤としては、他の公知の流
動化剤、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレー
ト微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニン
グ助剤または転写助剤等があげられる。
【0036】本発明においては、トナー製造プロセスの
最終工程として、篩分工程を設けてもよい。トナーの篩
分に風力篩分機を用いる場合には、本発明を適用するこ
とによりその効果を十分に発揮する。すなわち、トナー
小粒径化に伴い篩分機の網目開きの要求もより小さくな
ってきているが、この網目開き小径化に伴い、高効率の
篩分を行えることより、篩分機としては、風力篩分機が
好んで使用される様になってきている。風力篩分機は小
径の網目でも高効率に篩分を行うことができるが、篩分
後に配管及びサイクロンのような捕集装置を有する為、
せっかく小径の網により、トナーを篩分しても、トナー
粉体が高速に流れる配管及び捕集サイクロンの内壁で融
着が発生し、融着が著しくなると、ついには製品に中粉
や粗大粉が入り込むことになる。したがって、本発明に
おける上記の複合メッキ皮膜を空気輸送のための配管の
内壁面及び粉体捕集のためのサイクロンの渦室内壁面に
施すことにより、長期にわたり、融着の発生もなく、す
なわち、トナー製品中に中粉および粗大粉の混入を防ぐ
ことができる。
【0037】本発明においては、得られる静電荷像現像
用トナーは、そのガラス転移点(Tg)が50〜70℃
であるのが好ましい。前記ガラス転移点が50〜70℃
であると、内壁との衝突によって生じる発熱で、内壁へ
の融着が生じ易いので、本発明の機能が効果的に発揮さ
れるからである。更に得られる静電荷像現像用トナー
は、その平均粒径が9μm以下であるのが好ましい。平
均粒径が9μm以下であると、重力、受ける風力よりも
粒子間凝集力や、内壁への付着力が相対的に高まり、付
着し易くなり、したがって、本発明の機能が効果的に発
揮されるからである。また、本発明は、トナーの軟化温
度(Ts)が120℃以下、好ましくは、85〜115
℃の範囲にあるものを製造する場合に好適である。
【0038】以上のように、本発明は、図1に示される
構成を有するトナー製造工程に限定されるものではな
く、他のトナー製造工程にも適用でき、また、トナー用
粉体材料を輸送するための各種輸送用配管、及びトナー
製品を捕集するための各種サイクロン捕集機を使用する
トナー製造工程およびトナー処理工程のいずれにも使用
可能である。
【0039】
【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例を挙げて
本発明を具体的に説明する。なお、「部」は「重量部」
を意味する。 実施例1 線状ポリエステル樹脂 100部 (テレフタル酸/ビスフェノールA/エチレンオキサイド 付加物/シクロヘキサンジメタノールから得られた 線状ポリエステル、Tg:65℃、Ts:115℃、 Mw25000、酸価12、水酸価24) マゼンタ顔料(C.I.ピグメント・レッド57) 5部 静電荷像現像用トナーの材料である上記材料を、ヘンシ
ェルミキサー(FM−75型:三井三池化工機社製)に
て混合した後、温度150℃に設定した2軸押し出し機
(TEM48BS:東芝機械社製)にて、混練し、得ら
れた混練物を圧延・冷却した後、ハンマーミルにて粗粉
砕し、トナー粉砕原料を得た。得られたトナー粉砕原料
を図1に示されるプロセスによって、粉砕、分級、混
合、篩分を行い、平均粒径7.1μmのトナーを得た。
【0040】使用した粉砕機は、粗粉分級機内蔵ジェッ
ト式粉砕機(SJ45:富士ゼロックス製)であり、分
級機は、日本ドナルドソン社製ドナセレック500であ
った。また、外添混合には、ヘンシェルミキサー(FM
75)を、篩分機には、風力篩分機ハイボルター300
型(新東京機械社製)を使用した。なお外添混合は、得
られた分級品100部に対し、イソブチルトリメトキシ
シランを20%処理した粒径20nmの酸化チタン微粒
子1.0部を使用した。更に篩分機には、網目開き45
μmの網を使用した。
【0041】また、粉砕物捕集用のサイクロン、分級品
捕集用のサイクロンおよび篩分品捕集用のサイクロンと
して、それら各サイクロン内部のトナー粉体と接触する
面、すなわち渦室の内壁面および流出管の表面および内
壁面(それぞれの母材:SUS304)に、複合メッキ
処理を施して、フッ化黒鉛微粒子(粒径1μm以下、旭
ガラス社製)とPTFE(粒径2μm以下、ダイキン工
業社製)を分散含有させた複合メッキ皮膜を形成したも
のを使用した。また、粉砕機と粉砕物捕集用のサイクロ
ンとを連結する配管部、分級機と分級品捕集用のサイク
ロンを連結する配管、および篩分機と篩分品捕集用のサ
イクロンを連結する配管部についても、それらの内壁面
に上記と同様に複合メッキ処理を施して、上記のフッ化
黒鉛微粒子およびPTFEを分散含有させた複合メッキ
皮膜を形成したものを使用した。なお、上記の複合メッ
キ処理は以下のようにして行った。
【0042】(メッキ液の調製)上記のフッ素化合物微
粒子5重量%を下記の組成を有するスルファミン酸ニッ
ケル電解浴に添加した。なお、界面活性剤[商標名:メ
ガファックF150、大日本インキ化学社製、第3パー
フルオロアンモニウム塩:C8 17SO2 NH(C
2 3 + (CH3 3 ・Cl- ]を含フッ素化合物
1gに対して40.0mgの割合で添加した。 (スルファミン酸ニッケル電解浴組成) スルファミン酸ニッケル 350g/l 塩化ニッケル 45g/l ほう酸 40g/l 前記複合メッキ皮膜を形成させる内壁面を負極とし、下
記の組成を有するウッド浴を用いて、液温25℃、電流
密度10A/dm2 の条件下に膜厚1〜3μmの下地ニ
ッケルメッキ膜の形成処理を行った。
【0043】(ウッド浴組成) 塩化ニッケル 245g/l 塩酸 120g/l 次いで、上記のようにして下地ニッケルメッキ膜が形成
された配管及びサイクロン内部壁面のニッケルメッキ膜
上に、それぞれ液温45±5℃、pH3.8〜4.2、
電流密度3A/dm2 の条件下、スクリュー攪拌しつ
つ、上記のスルファミン酸ニッケル電解浴を用いて、膜
厚が20μmとなるまで電解メッキを行って、ニッケル
−含フッ素化合物複合メッキ皮膜を形成させた。その後
熱風循環乾燥炉の中で300℃にて熱処理を行い、次い
で常温で約2時間室内放置し乾燥させて、ニッケル−含
フッ素化合物複合メッキ皮膜を完成させた。
【0044】上記したトナー製造方法において、10日
間連続運転を行い、トナー製造後に装置を分解して、連
結配管部材の内部およびサイクロンの内部のトナーの融
着を確認したところ、トナーの融着現象は全く認められ
ず、粉砕機出口配管部の融着量を測定したところ、1.
3gであった。さらに製品トナーの中粉量(≧25μ
m)を測定したところ、12mg/1kgであった。
【0045】比較例1 上記ニッケル−含フッ素化合物複合メッキ皮膜を配管お
よびサイクロンの内壁面に形成しない以外(母材SUS
304のまま)は、実施例1と全く同様なトナー製造方
法、およびトナー組成を用いて10日間の連続運転を行
った。トナー製造後に装置を分解して、連結配管部及び
サイクロン内面の融着度合いを確認したところ、特に粉
砕機出口側に近い配管内および分級機出口部に近い配管
内にかなりひどいトナーの融着が認められた。粉砕機出
口部の配管内融着を剥がし、その重量を測定したとこ
ろ、188.6gあった。さらにトナー製品中の中粉量
を測定したところ、385mg/1kgの中粉が混入し
ていた。
【0046】比較例2 実施例1のニッケル−含フッ素化合物複合メッキの代わ
りに、カーボンを分散させて導電性にしたフッ素コーテ
ィングを実施した以外は、実施例1と全く同じトナーの
製造方法によってトナーを作製し、同様のテストを行
い、融着の度合い、およびトナー製品中の中粉量の測定
を行った。サイクロン内部を観察したところ、導電性フ
ッ素コーティングは剥がれ、その上にトナーがかなり融
着していた。粉砕機出口部のトナー融着量を測定したと
ころ、106.3gであった。更にトナー製品中の中粉
量を測定したところ、2日目までの中粉量は少なく、1
5mg/1kgであったが、3日目のサンプルより増加
が始まり、10日目のトナーサンプル中には、297m
g/1kgの中粉量が含まれていた。操作開始後2日目
までに上記コーティングは剥がれたものと推測される。
【0047】実施例2 静電荷像現像用トナーの原材料を下記の通りに変更し、
更に複合メッキ皮膜の原材料としてフッ化ピッチ(平均
粒径1.3μm)とFEP(粒径0.2〜0.3μm:
ダイキン工業(株)製)を用いた以外は、実施例1と全
く同様な方法でトナーを連続10日間製造した。
【0048】 原材料 結着樹脂 線状ポリエステル樹脂 89部 (テレフタル酸/ビスフェノールA/プロピレンオキサイド 付加物/シクロヘキサンジメタノールから得られた 線状ポリエステル、Tg:60℃、Ts:107℃、 Mw16000) シアン顔料(C.I.ピグメント・ブルー15:3) 6部 帯電制御剤(ボントロンE−84、オリエント化学(株)社製) 5部 トナー製造後に、装置の分解を行い、配管及びサイクロ
ンの内部の融着程度及びトナー製品中の中粉量の測定を
行った。配管内の融着は、全く認められず、粉砕機出口
部の融着を測定したところ、3.2gであった。さらに
トナー製品中の中粉量を測定したところ、8mg/1k
gであった。
【0049】比較例3 配管およびサイクロン捕集機の内部に導電性シリコン樹
脂を塗布した以外は、実施例2と全く同様の製造方法で
10日間の連続トナー製造を行った。製造後装置を分解
し、内部観察したところ、シリコーン樹脂皮膜は剥が
れ、その上にトナーの融着が発生していた。粉砕機出口
部の配管内の融着の量を測定したところ、123gであ
った。さらに製品中の中粉量を測定したところ、比較例
2と同様に製造後2日目までは28mg/1kgと少な
かったが、その後増加していき、10日後の中粉量は2
56mg/1kgであった。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のサイクロ
ンは、サイクロン内部の粉体との接触面に、微粒子を分
散含有する複合メッキ皮膜を設けたから、粉体に対する
耐融着性に優れ、且つ耐摩耗性に優れたものである。し
たがって、このサイクロンを使用してトナー等の製造に
おいて粉体の捕集に使用すれば、従来から課題であっ
た、耐融着性および耐摩耗性を両立させることが可能と
なる。また、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法
は、上記のサイクロンを用いるので、サイクロンにおい
てトナー融着の発生が低減し、また、粗大粉・中粉の発
生が防止され、且つ粉体プラントには必要な導電性をも
併せ持たせることができる。さらに、トナー製品中の中
粉量も低減できることより、長期にわたって安定した生
産性を維持することができ、且つ、得られるトナーの品
質向上および品質維持が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトナー製造工程のフロー図である。
【図2】 サイクロンの斜視図である。
【図3】 図2のサイクロンの横断面図である。
【図4】 図2のサイクロンの縦断面図である。
【符号の説明】
1…計量工程、2…原料混合工程、3…溶融混練工程、
4…圧延冷却工程、5…粉砕工程、6…配管、7…サイ
クロン、8…分級工程、9…配管、10…サイクロン、
11…外添混合工程、12…篩分工程、13…配管、1
4…サイクロン、21…吸入口、22…流出管、23…
排出口、24…渦室、25…複合メッキ皮膜。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相中の粉体を捕集するサイクロンにお
    いて、サイクロン内部の粉体との接触面に、微粒子を分
    散含有する複合メッキ皮膜を設けてなることを特徴とす
    るサイクロン。
  2. 【請求項2】 微粒子の体積平均粒径が2μm以下であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のサイクロン。
  3. 【請求項3】 微粒子が含フッ素化合物よりなることを
    特徴とする請求項1に記載のサイクロン。
  4. 【請求項4】 含フッ素化合物が、フッ素樹脂、フッ化
    黒鉛及びフッ化ピッチから選ばれることを特徴とする請
    求項3に記載のサイクロン。
  5. 【請求項5】 フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチ
    レン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
    レン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
    ビニルエーテルから選ばれることを特徴とする請求項4
    に記載のサイクロン。
  6. 【請求項6】 微粒子が、複数の含フッ素化合物よりな
    ることを特徴とする請求項3に記載のサイクロン。
  7. 【請求項7】 複数の含フッ素化合物がフッ素樹脂、フ
    ッ化黒鉛及びフッ化ピッチから選ばれることを特徴とす
    る請求項6に記載のサイクロン。
  8. 【請求項8】 少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する
    混合物を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、粉砕物
    を分級することよりなる静電荷像現像用トナーの製造方
    法において、混練物を粉砕する粉砕工程および/または
    粉砕物を分級する分級工程におけるトナー粉体の捕集に
    際して、サイクロン内部のトナー粉体との接触面に微粒
    子を分散含有する複合メッキ皮膜を設けたサイクロンを
    用いることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 トナー粉体の捕集を、混練物を粉砕した
    後および粉砕物を分級した後に行うことを特徴とする請
    求項8に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  10. 【請求項10】 トナー粉体をサイクロンに空気輸送す
    るための配管部材の内壁面に微粒子を分散含有する複合
    メッキ皮膜を設けたことを特徴とする請求項8に記載の
    静電荷像現像用トナーの製造方法。
  11. 【請求項11】 粉砕物を分級するために風力篩分機を
    使用し、該風力篩分機と篩分品を捕集するためのサイク
    ロンとを連結する配管部材の内壁面に微粒子を分散含有
    する複合メッキ皮膜を設けたことを特徴とする請求項8
    に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  12. 【請求項12】 トナーのガラス転移温度が50ないし
    65℃であることを特徴とする請求項8に記載の静電荷
    像現像用トナーの製造方法。
  13. 【請求項13】 トナーの軟化温度が120℃以下であ
    ることを特徴とする請求項8に記載の静電荷像現像用ト
    ナーの製造方法。
  14. 【請求項14】 トナーの結着樹脂がポリエステルであ
    ることを特徴とする請求項8に記載の静電荷像現像用ト
    ナーの製造方法。
  15. 【請求項15】 トナーの平均粒径が9μm以下である
    ことを特徴とする請求項8に記載の静電荷像現像用トナ
    ーの製造方法。
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