JPH1176100A - 仮設便所 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は仮設便所に関し、直接地面上に置い
ても、石などの突起物により破損するようなことがな
く、持ち運びが便利で、且つ安価に製造できる仮設便所
を実現することを目的とする。 【解決手段】 上部が開口した金属製の便槽２０と、該
便槽２０の上部を覆う蓋２３と、前記便槽２０を第１、
第２の２つの槽２０ａ，２０ｂに仕切る金属網２１と、
前記蓋２３の、第１の槽２０ａに対応する部分に設けら
た便器２４と、第２の槽２０ｂに設けられたオーバーフ
ロー用排水管２２と、を具備してなるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は仮設便所にに関す
る。詳しくは、災害時、イベント時等において、簡易に
組立て使用できる仮設便所に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の仮設便所の１例として特開昭５８
−４７５３４号に記載された仮設便所を図４に示す。同
図（ａ）は外観図、（ｂ）は（ａ）図の縦断面図であ
る。この仮設便所は床２と便器本体３とにより基体１が
構成され、該基体１にはきんかくし４と４本の脚５と、
可撓性材料で形成された便壺袋６と、ステップ７とが取
り付けられている。８は囲いである。

【０００３】また、便壺袋６は頂部を基体１により支持
されると共に、便所が設置される平坦な場所の面１１
（地面）上に底１０を着座させられる。便壺袋６の上記
支持のため、基体１にはフック１３を取付けられた環状
の支持材１２が接合され、一方、便壺袋６にはフック１
３が係合する孔６ａが設けられている。

【０００４】１４は便壺袋６の底１０上に載置された固
液分離器で、液体分の流入を許容する孔１５を持つ外筒
１６と、頂部より液体分を流下させる内筒１７と、該内
筒１７内に流入した液体分を便壺袋６の外部に流出させ
る流路１８と、重錘１９とより成る。２０は排出口、２
１は排出口２０に連なるホースで、ホース２１は付近の
下水道に連通させられる。

【０００５】固液分離器１４は浄化槽内に設けられる固
液分離器と同様の構造をもつが、このものは浄化のため
のものではなく、便壺袋６内に可成りの量の液体分を保
有させる状態において過剰の液体分を排出させるための
ものである。便壺袋６内の汚物の汲み取りは一連のフッ
ク１３のうちの若干個をはずして行うようになってい
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の仮設便所で
は、便壺袋を直接地面上に置くため、石などの突起物に
より孔があけられる恐れがある。また、便壺袋内に溜ま
った汚物を固体と液体とに分離するための固液分離器を
設けているため、高価になるという問題がある。

【０００７】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、直接
地面上に置いても、石などの突起物により破損するよう
なことがなく、持ち運びが便利で、且つ安価に製造でき
る仮設便所を実現することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１の発明
は、上部が開口した金属製の便槽２０と、該便槽２０の
上部を覆う蓋２３と、前記便槽２０を第１、第２の２つ
の槽２０ａ，２０ｂに仕切る金属網２１と、前記蓋２３
の、第１の槽２０ａに対応する部分に設けらた便器２４
と、第２の槽２０ｂに設けられたオーバーフロー用排水
管２２と、を具備してなることを特徴とする。この構成
により、持ち運びの便利な仮設便所が得られ、便槽に溜
まった汚物は網により水分と固形物に分離され水分はオ
ーバーフロー用排水管から外部に排水されるため大量の
糞尿の処理が可能となる。

【０００９】また、請求項２の発明は、請求項１におい
て、前記第２の槽２０ａの排水管入口部分にストレーナ
ー２６を設けたことを特徴とする。この構成により、汚
物の外部への流出を抑えることができる。

【００１０】また、請求項３の発明は、請求項２におい
て、前記ストレーナー２６の前面に付着した汚物を除去
できるスクレーパー２７を前記蓋２３に設けた孔２８を
通して操作可能に設けたことを特徴とする。この構成に
よりストレーナーが汚物により詰まっても、スクレーパ
ーを操作することにより簡単に除去することができる。

【００１１】また、請求項４の発明は、請求項１，２又
は３において、前記便槽２０を覆う組立分解可能な囲い
３０を設けけたことを特徴とする。この構成により、外
部に対する目隠しができる。また、保管時は囲いを分解
することにより小さくすることができ、便槽と共に保管
が容易となる。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は本発明の第１の実施の形態
を示す図で、（ａ）は分解斜視図、（ｂ）は断面図であ
る。同図において、２０は上部が開口した金属製の便槽
であり、該便槽２０の中には固形物は阻止し、水分は通
過させる金属網２１が設けられ、該網２１により便槽２
０は第１の槽２０ａと、該第１の槽より小さい第２の槽
２０ｂとに仕切られている。なお、便槽２０の材料には
アルミニュウムが好ましく、金属網２１の材料にはステ
ンレスが好ましい。また、金属網２１は便槽２０に固定
されてもよいが、着脱自在にすることがさらに好まし
い。

【００１３】また、便槽２０の第２の槽２０ａにはオー
バーフロー用の排水管２２が所定の高さに設けられてい
る。また便槽２０には、該便槽２０の開口部を覆うよう
に金属製の蓋２３が着脱可能に設けられ、該蓋２３の第
１の槽２０ａに位置する部分に便器２４が設けられてい
る。なお、この蓋２３は使用時には床となるものであ
る。

【００１４】このように構成された本第１の実施の形態
は、便槽２０が金属製であるため突起物などに当たって
も破損することはなく、設置場所を選ばず、設置は容易
である。使用時は、図１（ｂ）に示すように、排水管２
２に可撓性ホース２５を接続し、その先端を排水溝、下
水道のマンホール等へ誘導しておく。そして便槽２０の
第１の槽２０ａに溜まった汚物は、金属網２１によって
水分と固形物に分離され、水分のみが第２の槽２０ｂに
移行する。そして第２の槽２０ｂに移行した水分が排水
管２２を越えるとオーバーフローしてホース２５を介し
て外部に放出される。通常、汚物中の水分は９０％以上
であるので、第１の槽２０ａには固形物のみが溜まるの
で、大量の糞尿の処理が可能となる。

【００１５】図２は本発明の第２の実施の形態を示す断
面図である。本実施の形態は、ほぼ第１の実施の形態と
同様であり、異なるところは、第２の槽２０ａにストレ
ーナー２６およびスクレーパー２７を設けたことであ
る。ストレーナー２６は細かい金属網で形成され、排水
管２２の入口部分を覆うようにして設けられている。ま
たスクレーパー２７はストレーナー２６の前面を摺動で
きるようにした逆Ｔ字型をしており、蓋２３に設けられ
た孔２８を挿通して設けられている。なお、ストレーナ
ー２６には消臭剤、殺菌剤等を投入することができる入
口を設けておくことも良い。

【００１６】このように構成された本第２の実施の形態
は、第１の槽２０ａから第２の槽２０ｂに金属網２１を
通過した若干の固形物をストレーナー２６により捕捉す
ることができ、外部へ放出する水分に固形物が混入する
ことを防止することができる。また、スクレーパー２７
はストレーナー２６に付着した固形物を随時かきおとす
ことができストレーナー２６の目詰まりを防止すること
ができる。

【００１７】図３は本発明の第３の実施の形態を示す斜
視図である。同図において２９は第１または第２の実施
の形態と同様な便槽組立体であり、本実施の形態は、こ
の上を覆うように囲い３０を設けたものである。この囲
い３０は、複数の門型の支柱３１と、袖金具３２と、屋
根部分および左右および後部を覆うシート３３と、前面
を覆う開閉可能なドアカーテン３４とを具備して構成さ
れている。なお支柱３１は複数個に分解され、図示なき
継手により接続されるようになっている。また、シート
３３には不透明なターポリンシートが用いられクリップ
状のシートおさえパッカー（図示なし）により支柱３１
に固定されるようになっている。

【００１８】このような各部材は図３の如くに組立られ
る。なお３５は換気用網である。また袖金具３２は図に
おいては便槽に固定されているが、固定されなくとも良
い。このように構成された本実施の形態は、分解すれば
小さくなり、保管に便利となる。また使用時は第１、第
２の実施の形態と同様な効果を発揮することができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、持ち運びの便利な仮設
便所が得られ、便槽に溜まった汚物は金属網により水分
と固形物に分離され水分はオーバーフロー用排水管から
外部に排水されるため大量の糞尿の処理が可能となる。
また、ストレーナーが汚物により詰まっても、スクレー
パーを操作することにより簡単に除去することができ
る。更に囲いを設けたことにより、外部に対する目隠し
ができ、保管時には囲いを分解することにより小さくす
ることができ、便槽と共に保管、持ち運びが容易となる
り、地震等の災害に対する備蓄用に好適となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態を示す図で、（ａ）
は分解斜視図、（ｂ）は断面図である。

【図２】本発明の第２の実施の形態を示す断面図であ
る。

【図３】本発明の第３の実施の形態を示す斜視図であ
る。

【図４】従来の仮設便所の１例を示す図である。

【符号の説明】

２０…便槽 ２１…金属網 ２２…排水管 ２３…蓋 ２４…便器 ２５…ホース ２６…ストレーナー ２７…スクレーパー ２８…孔 ２９…便槽組立体 ３０…囲い ３１…支柱 ３２…袖金具 ３３…シート ３４…ドアカーテン ３５…換気用網

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部が開口した金属製の便槽（２０）
   と、該便槽（２０）の上部を覆う蓋（２３）と、前記便
   槽（２０）を第１、第２の２つの槽（２０ａ，２０ｂ）
   に仕切る金属網（２１）と、前記蓋（２３）の、第１の
   槽（２０ａ）に対応する部分に設けらた便器（２４）
   と、第２の槽（２０ｂ）に設けられたオーバーフロー用
   排水管（２２）と、を具備してなることを特徴とする仮
   設便所。
2. 【請求項２】 前記第２の槽（２０ａ）の排水管入口部
   分にストレーナー（２６）を設けたことを特徴とする請
   求項１に記載の仮設便所。
3. 【請求項３】 前記ストレーナー（２６）の前面に付着
   した汚物を除去できるスクレーパー（２７）を前記蓋
   （２３）に設けた孔（２８）を通して操作可能に設けた
   ことを特徴とする請求項２に記載の仮設便所。
4. 【請求項４】 前記便槽（２０）を覆う組立分解可能な
   囲い（３０）を設けけたことを特徴とする請求項１，２
   又は３に記載の仮設便所。