JPH1175535A - 緑化資材用マット - Google Patents

緑化資材用マット

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JPH1175535A
JPH1175535A JP9262780A JP26278097A JPH1175535A JP H1175535 A JPH1175535 A JP H1175535A JP 9262780 A JP9262780 A JP 9262780A JP 26278097 A JP26278097 A JP 26278097A JP H1175535 A JPH1175535 A JP H1175535A
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fiber
mat
fibers
greening
fineness
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JP9262780A
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Inventor
Teruaki Sekiguchi
輝明 関口
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JNC Corp
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保水性、シルト以下の粒径(約0.08m
m)の粒子によって引き起こされる目詰まりの防止機
能、砂(粒径約0.08mm以上)の流出防止機能等に
優れ、かつ長期間使用可能な緑化資材用マットの提供す
ること。 【解決手段】 繊維接合点が熱接合された、少なくとも
2種の熱可塑性繊維の異繊度混繊不織成形体内に保水材
が分散されていることを特徴とする緑化資材用マットに
よる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、草木、花などの植
物を植生させる緑化資材用マットに関し、さらに詳しく
は砂漠地等の非緑地帯を緑化させることを目的とした、
緑化資材用マットに関する。
【0002】
【従来の技術】砂漠地等を緑化する方法としては、例え
ばフッ素系撥水材で処理された土壌層を構築する人工土
壌構造体(特開平7−50925号公報)や、高分子吸
収体を含む発泡体を用いる方法(特開平6−31531
7号公報)等が提案されている。しかし、人工土壌を構
築する場合、大規模な土質変化が起きることとなり、そ
の土地の生態系や環境を破壊してしまうというリスクを
伴う。また、高分子吸収体を含む発泡体を用いる方法で
は、ウレタンなど新規な公害を発生する物質が使われる
ために、施工地の環境破壊を引き起こしてしまう。さら
に、発泡体では素材自体に堅度を保持することができな
いため、家畜等により容易に掘り起こされ、資材中の植
根を食い尽くされてしまう。さらに、不織布を資材の一
部に組み込んだ緑化資材用マットも存在するが、不織布
の存在がシルトやクレイと言われる砂以下の粒径をもつ
粒子によって容易に目詰まりするといった問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を解決するためになされたものであり 保水
性、シルト以下の粒径(約0.08mm)の粒子によっ
て引き起こされる目詰まりの防止機能、砂(粒径約0.
08mm以上)の流出防止機能等に優れ、かつ長期間使
用可能な緑化資材用マットの提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下の構成を有する。 (1)繊維接合点が熱接合された、少なくとも2種の熱
可塑性繊維の異繊度混繊不織成形体内に保水材が分散さ
れていることを特徴とする緑化資材用マット。 (2)細繊度繊維が繊維長20〜128mmの短繊維で
ある(1)項に記載の緑化資材用マット。 (3)保水材が、高分子吸収体、ベントナイト、ゼラチ
ンから選ばれた少なくとも1種である(1)項に記載の
緑化資材用マット。 (4)異繊度混繊不織成形体に、親水性繊維若しくは親
水化処理された細繊度繊維が混繊されている(1)項に
記載の緑化資材用マット。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明における緑化資材用マットは、熱可塑性樹脂からな
る単一繊維や複合繊維等の熱可塑性繊維と保水材で構成
される。熱可塑性繊維同士接合点の接着固定効果を考慮
したとき、熱接着性複合繊維が好ましく用いられる。こ
こで熱接着性複合繊維とは、少なくとも融点差15℃以
上を有する低融点樹脂と高融点樹脂とからなり、繊維表
面の少なくとも一部に、低融点成分を形成する二成分系
以上の複合繊維である。
【0006】熱接着性繊維の原料となる熱可塑性樹脂と
して、各種のポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性
ポリエステル、ポリアミドを例示でき、とりわけ好まし
くはポリオレフィンである。複合繊維の組み合わせの例
として、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、直鎖状
低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチ
レン/ポリプロピレン、プロピレンと他のαオレフィン
との結晶性共重合体/ポリプロピレン、直鎖状低密度ポ
リエチレン/高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン
/高密度ポリエチレン、各種のポリエチレン/熱可塑性
ポリエステル、ポリプロピレン/熱可塑性ポリエステ
ル、プロピレンと他のαオレフィンとの結晶性共重合体
/熱可塑性ポリエステル、低融点熱可塑性ポリエステル
/熱可塑性ポリエステル、各種のポリエチレン/ナイロ
ン6、ポリプロピレン/ナイロン6、プロピレンと他の
αオレフィンとの結晶性共重合体/ナイロン6、ナイロ
ン6/ナイロン66、ナイロン6/熱可塑性ポリエステ
ルなどを挙げることができる。
【0007】これらの中ではポリオレフィン同士若しく
はポリオレフィンとポリエステルからなる組み合わせが
好ましく、その具体例としては高密度ポリエチレン/ポ
リプロピレン、エチレン・プロピレン・ブテン−1結晶
性三元共重合体/ポリプロピレンあるいは高密度ポリエ
チレン/ポリエチレンテレフタレート等を挙げることが
できる。更に、これらの中ではポリオレフィン同士、例
えば高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、エチレン・
プロピレン・ブテン−1結晶性三元共重合体/ポリプロ
ピレン等が耐薬品性の面から特に好ましい。これらの組
み合わせにおいて、該複合成分は融点差、または軟化点
差が15℃以上あればよい。また該複合繊維は、鞘芯
型、偏心鞘芯型、並列型、海島型の複合繊維が使用でき
る。また用途により、着色剤、耐光剤、難燃剤、抗菌剤
などが添加されていてもよい。
【0008】本発明に於いて、異繊度混繊不織成形体を
構成する熱可塑性繊維からなる太繊度繊維としては、前
記熱接着性繊維が用いられる。太繊度繊維は、捲縮があ
り、且つ繊度が100〜5000d/fの物が好まし
い。より好ましくは200〜5000d/fであり、さ
らに好ましくは500〜2500d/fである。一方、
細繊度繊維としては、繊度が2〜99d/fの物が好ま
しい。より好ましくは2〜64d/fであり、さらに好
ましくは2〜18d/fである。太繊度繊維及び細繊度
繊維は、各々1種類の繊度からなる繊維を用いることも
可能であり、また複数の繊度からなる繊維を用いること
も可能である。太繊度繊維の繊度が増大するにつれ、得
られた不織布は剛直になり、嵩高性、形状保持性に影響
する。細繊度繊維の繊度が減少するにつれ、太繊度繊維
との混合性が低下する傾向にあり、不織布の耐圧性能或
いは保持できる砂の量に影響を与える。太繊度繊維の捲
縮は二次元又は三次元捲縮で、捲縮数1〜12山/25
mmのものが好ましい。
【0009】細繊度繊維は、前記 太繊度繊維同様の熱
可塑性樹脂からなる単一繊維や複合繊維等の熱接着性繊
維が使用できる。太繊度繊維と細繊度繊維による異繊度
混繊は、両者共に長繊維の形態または短繊維の形態でも
混繊または混綿して使用することもできるが、緑化資材
用マットとしての機能性の点から、細繊度繊維は短繊維
の方が以下に述べる理由から好ましい。 (1)太繊度繊維と均一に混綿しやすい。 (2)得られる緑化資材用マットの構造も、太繊度繊維
の間にランダムに分散した細繊度繊維によって、植物に
水分を供給する保水材を保持でき、必然的に保水効果が
向上する。 (3)上記短繊維の分散によって空間が細分化され、砂
のブロッキング現象を促し、砂止効果が大きくなる。 (4)また、立体的な太繊度繊維の間に、ランダムに分
散することで、三次元的に空隙分布が存在し、シルト以
下の粒径を有する微細粒子が排出され、目詰まりを起こ
しにくくなる。
【0010】特に、均一な混綿を考慮した場合、太繊度
繊維も短繊維が好ましい。細繊度繊維の場合、短繊維の
繊維長は20〜128mmが好ましく、より好ましくは
38〜64mmである。細繊度繊維の捲縮はあった方
が、太繊度繊維との混綿による絡みが向上し、一層上記
効果を促進するので好ましい。細繊度繊維の捲縮数は、
1〜25山/25mmのものが好ましい。混合する異繊
度繊維の比率は、好ましくは太繊度繊維60〜95重量
%、細繊度繊維40〜5重量%、より好ましくは太繊度
繊維80〜90重量%、細繊度繊維20〜10重量%で
ある。また、太繊度繊維と細繊度繊維の繊度比((太繊
度d/f)/(細繊度d/f))は2以上、1250以
下が好ましい。この繊度比は、より好ましくは30〜1
50であり、施工すべき土壌の砂質により適宜選定する
ことができる。
【0011】保水剤としては、でんぷん−アクリロニト
リルグラフト共重合体架橋物や酢酸ビニル−アクリル酸
エステル共重合体のケン化物等の各種高分子吸収体、ベ
ントナイト(モンモリロナイト)に代表される鉱物性吸
水材、ゼラチン等の天然保水材等が使用できる。保水剤
の含有量は保水剤を含む全マットの重量の10〜90重
量%であり、好ましくは30〜80重量%である。
【0012】本発明でいう親水性繊維は、例えば綿、レ
ーヨン、キュプラ、アセテート等の親水性繊維の他、熱
可塑性繊維を界面活性剤やプラズマ処理等の親水化処理
を施した繊維等が挙げられる。これら親水性繊維は異繊
度混繊不織成形体に混繊されると、保水作用が向上す
る。熱可塑性繊維の親水化処理は細繊度繊維について行
うのが比表面積の面からみて効果的であり、また、上述
した熱可塑性でない親水性繊維は、太繊度繊維及び細繊
度繊維からなる熱可塑性繊維に対して40重量%以下添
加しても差し支えない。この様な親水化処理熱可塑性繊
維若しくは親水性繊維は、保水材を補完するために使用
するものである。
【0013】本発明の緑化資材用マットの構造について
説明する。本発明の緑化資材用マットは、異繊度繊維混
合ウエブが交絡し、繊維の交点が熱融着されている不織
成形体である。さらにその不織成形体中には、保水材が
分散されている。本発明の緑化資材用マットの製造方法
は、例えば目的に応じた比率で異繊度繊維を予めある程
度混ぜ合わせた後、カード機やランダムウエバー等を用
い混綿ウェブとした後、該ウェブを熱接着処理すること
により得られる。ランダムウェバーを用いる場合、この
ランダムウェバーで繊維を分断飛散させ、空中に飛散し
ている繊維を移動コンベア裏面よりコンベア上に強制的
に吸引し堆積させ、熱接着処理することで得られる。ま
た、太繊度繊維が長繊維の場合、長繊維不織布上に細繊
度繊維の短繊維または長繊維を均一に分散されるように
堆積するか、またはさらにその上に太繊度長繊維不織布
を積層して、異繊度混繊不織成形体とする。その後は前
記と同様に熱接着する事によって得ることもできる。
【0014】コンベア上に堆積されたウェブは、熱融着
性繊維の熱融着温度以上の温度で、複合繊維の場合低融
点成分の融点以上、高融点成分の融点以下の温度で熱接
着処理を行う。この熱接着処理により、繊維同士の接点
が接着固定される。また未捲縮の異繊度繊維を使用した
場合は、この熱処理で捲縮が発現する。かかる繊維同士
接合点の接着固定により耐圧性能、クッション性、形状
保持性が付与される。保水材は、ウェブ作成時に同時に
振り込まれるか、もしくは作成後のウェブに直接振り込
み、震動やニードルを用いて不織成形体中に分散され
る。
【0015】熱処理には、非加圧型、加圧型などいずれ
の装置を用いても行うことができる。例えば熱風エアス
ル−型、遠赤外加熱型、熱風循環型、あるいは、加熱
後、ロ−ル押圧型とを組み合わせた装置、型枠充填型な
どの装置が使用できる。なかでも加熱とウェブの厚み調
節機能を備えた装置を使用し、適度の加圧をしながら加
熱するか、加熱後冷却以前にわずかに加圧することなど
により厚みの均一な不織成形体が得られる。本発明の効
果を十分に発揮するには、不織成形体の厚みは5mm以
上あれば良いが、経済性や施工性などの点で厚みの上限
は約1000mmである。しかし、好ましくは5〜50
0mm、更に好ましくは10〜250mmである。効果
と経済性を考慮して、その厚みを選択することが出来
る。本発明の塩害防止用成形体を土中に埋設すると、こ
の成形体が土壌の不連続層を形成し、この成形体の周
囲、特にその上部に水分が滞留するいわゆる滞留水域層
を形成することになる。この滞留水は、不織成形体に分
散された保水材、あるいは親水性繊維に保水され、植物
にこの滞留水を随時供給することができる。
【0016】本発明の施工方法は、施工すべき土壌を掘
り、前記緑化資材用マットを置き、更に土壌を埋め戻す
ことにより達成できる。埋め戻す土壌は、掘り起こした
土壌などが使用できる。施工深度は、農耕機器等が掘り
起こしうる深度より深ければ良く、土壌・農作物等の条
件によって適宜選定する。
【0017】
【実施例】以下、実施例で本発明を更に詳細に説明す
る。本発明は、これらの実施例に限定されるものではな
い。
【0018】(1)シルト通過率 直径100mm、深さ500mmの円筒中に直径100
mmの試料片を固定し、清水2.5リットルを加えて初
期水位を試料片よりも高いところにとった。次いでシル
トを含む赤土の3.5%懸濁水1リットルを注入し、2
4時間静置後の試料片中のシルトの乾燥重量(a)と試
料片を通過したシルトの乾燥重量(b)を測定した。こ
れより、以下の式を用いてシルトの通過率を算出した。 シルトの通過率=100×b/(a+b)(%)
【0019】(2)砂止性能(砂の流出阻止効果) 直径100mm、深さ350mmの円筒中に直径10
0mmの円柱状の試料片を固定し、砂を300mmの厚
さに投入した。これに200mmの距離を毎分40往復
させる横方向の振動を1分間与え、試料片から流出する
砂の乾燥重量を測定した。この操作を、砂の含水率0%
〜18%の範囲で順次行った。
【0020】直径100mm、深さ350mmの円筒
中に直径100mmの円柱状の試料片を固定し、砂を3
00mmの厚さに投入した。これに10分間かけて50
mmの散水を与え、試料片より流出する砂の乾燥重量を
測定した。この操作を、散水量100mm、200mm
と変えて行った。との結果から、非常に砂止効果の
高いものを◎、砂止効果のあるものを○、砂止効果があ
まり認められないものを×と表記し、評価した。
【0021】(3)植物の資材中での定着性(繁殖の様
子)・保水性 長さ250mm、幅250mm、深さ200mmの直方
体の容器に、空隙率が50%となるように山砂を詰め
た。この山砂の厚みは100mmとした。この山砂の上
部にサンプルを敷き、さらに空隙率が50%となるよう
に山砂を30mmの厚さに詰め、試験装置とした。試験
装置の表面には芝を播種し、これを育成した。供水は、
芽が出るまでの期間は毎日行い、その後は1週間に一
度、200ml与えた。2ヶ月後と6ヶ月後、供水前の
サンプルを取り出し、サンプル中の芝根の繁殖の状態を
観察した。さらに、サンプル中の保水材の様子を観察
し、保水性の評価を行った。芝根の量と保水性は、各々
非常に効果の高いものを◎、効果のあるものを○、効果
がやや少ないものを△、効果が認められないものを×と
表記し、評価した。
【0022】
【表1】
【0023】(実施例1)複合繊維の鞘成分が融点13
5℃のポリエチレン、芯成分が融点166℃のポリプロ
ピレンからなる、三次元捲縮の付与された500d/
f、繊維長128mmの太繊度繊維70重量%と、鞘成
分が融点135℃の高密度ポリエチレン、芯成分が融点
166℃のポリプロピレンからなる、二次元捲縮の付与
された18d/f、繊維長64mmの細繊度繊維30重
量%を混合し、ランダムウェバーを用いてウェブを作製
した。このウェブをネットコンベア狭持型の熱風エアス
ルー型の加熱機で、温度148℃、時間5分間加熱処理
し、冷却前に適度に加圧して、厚み10mmの繊維の交
点が接着した異繊度混繊不織成形体を作成した。この異
繊度混繊不織成形体にベントナイト粉末を振り込み、緑
化資材用マットを作成した。マット中のベントナイト含
量は40重量%である。緑化資材用マットの物性や効果
等の測定結果を表1に示す。この緑化資材用マットは、
シルト通過率が優れ、資材中に進入した芝根も良好に繁
茂し、かつ保水性が優れたものであった。
【0024】(実施例2〜3)複合繊維の鞘成分が融点
131℃のエチレン−ブテンー1−プロピレン共重合
体、芯成分が融点166℃のポリプロピレンからなる、
三次元捲縮の付与された1000d/f、繊維長128
mmの太繊度繊維を80(実施例2)若しくは70(実
施例3)重量%と鞘成分が135℃の高密度ポリエチレ
ン、芯成分が融点166℃のポリプロピレンからなる、
二次元捲縮の付与された32d/f、繊維長64mmの
細繊度繊維20(実施例2)若しくは30(実施例3)
重量%をそれぞれ混合し、ランダムウェバーを用いて種
々のウェブを得た。このウェブをネットコンベア狭持型
の熱風エアスルー型の加熱機で、温度148℃、時間5
分間加熱処理し、冷却前に適度に加圧条件を変え加圧し
て、厚み10mmの繊維の交点が接着した異繊度混繊不
織成形体2種を作成した。保水材としては、実施例1と
同様な方法でマット中の含量が40重量%になるように
ベントナイトを使用した。この緑化資材用マットの物性
や、効果等の測定結果を表1に示す。実施例2及び実施
例3の緑化資材用マットは、いずれもシルト通過率等が
優れ、資材中に進入した芝根も良好に繁茂し、かつ保水
性が優れたものであった。
【0025】(実施例4〜5)実施例1で作成した異繊
度混繊不織成形体に、保水材としてでんぷん−アクリロ
ニトリルグラフト共重合体架橋物からなる高分子吸収体
(実施例4)及びゼラチン(実施例5)を使用した緑化
資材用マットを作成した。使用した該高分子吸収体、及
びゼラチンのマット中の含量は、各々20及び40重量
%である。この緑化資材用マットの物性や、効果等の測
定結果を表1に示す。実施例4及び実施例5の緑化資材
用マットは、いずれもシルト通過率等が優れ、資材中に
進入した芝根も良好に繁茂し、かつ保水性が優れたもの
であった。
【0026】(実施例6)複合繊維の鞘成分が融点13
5℃のポリエチレン、芯成分が融点166℃のポリプロ
ピレンからなる、三次元捲縮の付与された500d/
f、繊維長128mmの太繊度繊維70重量%と、鞘成
分が融点135℃の高密度ポリエチレン、芯成分が融点
166℃のポリプロピレンからなる、二次元捲縮の付与
された18d/f、繊維長64mmの細繊度繊維15重
量%および、上記細繊度繊維と同一の繊維を脂肪酸とソ
ルビタンのエステルをその一成分に含む界面活性剤で処
理した親水性繊維15重量%を混合し、ランダムウェバ
ーを用いてウェブを作製した。このウェブをネットコン
ベア狭持型の熱風エアスルー型の加熱機で、温度148
℃、時間5分間加熱処理し、冷却前に適度に加圧して、
厚み10mmの繊維の交点が接着した異繊度混繊不織成
形体を作成した。この異繊度混繊不織成形体にマット中
の含量が30重量%になるように、ベントナイト粉末を
振り込み、緑化資材用マットを作成した。緑化資材用マ
ットの物性や効果等の測定結果を表1に示す。この緑化
資材用マットは、シルト通過率が優れ、資材中に進入し
た芝根も良好に繁茂し、かつ保水性が優れたものであっ
た。
【0027】(実施例7〜9)複合繊維の鞘成分が融点
135℃のポリエチレン、芯成分が融点166℃のポリ
プロピレンからなる、三次元捲縮の付与された500d
/f、繊維長128mmの太繊度繊維70重量%と鞘成
分が融点135℃の高密度ポリエチレン、芯成分が融点
166℃のポリプロピレンからなる、二次元捲縮の付与
された18d/f、繊維長20(実施例7)、38(実
施例8)、128(実施例9)mmの細繊度繊維30重
量%を混合し、ランダムウェバーを用いてウェブを作製
した。このウェブをネットコンベア狭持型の熱風エアス
ルー型の加熱機で、温度148℃、時間5分間加熱処理
し、冷却前に適度に加圧して、厚み10mmの繊維の交
点が接着した異繊度混繊不織成形体を作成した。この異
繊度混繊不織成形体にマット中の含量が40重量%にな
るように、ベントナイト粉末を振り込み、緑化資材用マ
ットを作成した。緑化資材用マットの物性や効果等の測
定結果を表1に示す。これらの緑化資材用マットは、シ
ルト通過率が優れ、資材中に進入した芝根も良好に繁茂
し、かつ保水性が優れたものであった。
【0028】(実施例10)複合繊維の鞘成分が融点1
35℃のポリエチレン、芯成分が融点166℃のポリプ
ロピレンからなる、三次元捲縮の付与された180d/
f、繊維長128mmの太繊度繊維70重量%と鞘成分
が融点135℃の高密度ポリエチレン、芯成分が融点1
66℃のポリプロピレンからなる、二次元捲縮の付与さ
れた90d/f、繊維長64mmの細繊度繊維30重量
%を混合し、ランダムウェバーを用いてウェブを作製し
た。このウェブをネットコンベア狭持型の熱風エアスル
ー型の加熱機で、温度148℃、時間5分間加熱処理
し、冷却前に適度に加圧して、厚み10mmの繊維の交
点が接着した異繊度混繊不織成形体を作成した。この異
繊度混繊不織成形体にマット中の含量が40重量%にな
るように、ベントナイト粉末を振り込み、緑化資材用マ
ットを作成した。緑化資材用マットの物性や効果等の測
定結果を表1に示す。この緑化資材用マットは、シルト
通過率が良好で、資材中に進入した芝根も繁茂し、かつ
保水性が優れたものであった。
【0029】(実施例11)複合繊維の鞘成分が融点1
35℃のポリエチレン、芯成分が融点166℃のポリプ
ロピレンからなる、三次元捲縮の付与された2500d
/f、繊維長128mmの太繊度繊維70重量%と鞘成
分が融点135℃の高密度ポリエチレン、芯成分が融点
166℃のポリプロピレンからなる、二次元捲縮の付与
された2d/f、繊維長64mmの細繊度繊維30重量
%を混合し、ランダムウェバーを用いてウェブを作製し
た。このウェブをネットコンベア狭持型の熱風エアスル
ー型の加熱機で、温度148℃、時間5分間加熱処理
し、冷却前に適度に加圧して、厚み10mmの繊維の交
点が接着した異繊度混繊不織成形体を作成した。この異
繊度混繊不織成形体にマット中の含量が40重量%にな
るようにベントナイト粉末を振り込み、緑化資材用マッ
トを作成した。緑化資材用マットの物性や効果等の測定
結果を表1に示す。この緑化資材用マットは、シルト通
過率が優れ、資材中に進入した芝根も良好に繁茂し、か
つ保水性が優れたものであった。
【0030】(実施例12)複合繊維の鞘成分が融点1
35℃のポリエチレン、芯成分が融点166℃のポリプ
ロピレンからなる、三次元捲縮の付与された500d/
f、繊維長128mmの太繊度繊維70重量%と鞘成分
が融点135℃の高密度ポリエチレン、芯成分が融点1
66℃のポリプロピレンからなる、二次元捲縮の付与さ
れた18d/f、繊維長180mmの細繊度繊維30重
量%を混合し、ランダムウェバーを用いてウェブを作製
した。このウェブをネットコンベア狭持型の熱風エアス
ルー型の加熱機で、温度148℃、時間5分間加熱処理
し、冷却前に適度に加圧して、厚み10mmの繊維の交
点が接着した異繊度混繊不織成形体を作成した。この異
繊度混繊不織成形体にマット中の含量が40重量%にな
るようにベントナイト粉末を振り込み、緑化資材用マッ
トを作成した。緑化資材用マットの物性や効果等の測定
結果を表1に示す。これらの緑化資材用マットは、砂止
効果、保水性は良好であったが、シルト通過率が劣り、
資材中に進入した芝根も良好に繁茂し、かつ保水性が優
れたものであった。
【0031】(比較例1)複合繊維の鞘成分が融点13
5℃のポリエチレン、芯成分が融点166℃のポリプロ
ピレンからなる、三次元捲縮の付与された1000d/
f、繊維長128mmの太繊度繊維100%で構成し、
ランダムウェバーを用いてウェブを得た。このウェブを
ネットコンベア狭持型の熱風エアスルー型の加熱機で、
温度148℃、時間5分間加熱処理し、冷却前に適度に
加圧して、厚み10mmの繊維の交点が接着した成形体
を作成した。保水材にはマット中の含量が40重量%に
なるようにベントナイトを使用し、実施例1と同様の方
法で振り込んだ。この成形体は、表1に示したようにシ
ルトの通過率に優れるが、資材中の芝根の繁殖はあまり
良くなかった。しかも、砂止効果が非常に劣り、多くの
含水率及び全ての散水量で砂の流出がみられた。さら
に、保水材の保持が難しく、緑化資材用マットとして使
用不可能であった。
【0032】(比較例2)複合繊維の鞘成分が融点13
5℃のポリエチレン、芯成分が融点166℃のポリプロ
ピレンからなる、三次元捲縮の付与された500d/
f、繊維長128mmの太繊度繊維70重量%と鞘成分
が融点135℃の高密度ポリエチレン、芯成分が融点1
66℃のポリプロピレンからなる、二次元捲縮の付与さ
れた18d/f、繊維長12mmの細繊度繊維30重量
%を混合し、ランダムウェバーを用いてウェブを作製し
た。このウェブをネットコンベア狭持型の熱風エアスル
ー型の加熱機で、温度148℃、時間5分間加熱処理
し、冷却前に適度に加圧して、厚み10mmの繊維の交
点が接着した異繊度混繊不織成形体を作成した。この異
繊度混繊不織成形体にマット中の含量が40重量%にな
るようにベントナイト粉末を振り込み、緑化資材用マッ
トを作成した。緑化資材用マットの物性や効果等の測定
結果を表1に示す。これらの緑化資材用マットは、シル
ト通過率は全体的には良好であるが、部分的に細繊度繊
維の密集化が起こるために、そのような所から長期的に
は目詰まりを起こすこともあり得る。さらに土砂や保水
材の保持性が劣るため、保水性に劣り、緑化資材用マッ
ト中に進入した芝根の繁殖があまり良くなかった。よっ
て、緑化資材用マットとしては、使用に適さなかった。
【0033】(実施例13)本発明の塩害防止用成形体
の目詰まり性能を調査するため、以下の実験を行った。
なお、試料は実施例1〜11で得たものを用いた。直径
100mm、深さ350mmの円筒中に直径100m
m、厚さ10mmの試料片を固定し、この表面上に球径
5mmのガラスビーズによる厚さ30mmの層を形成し
た。これにシルトを含む赤土の1%懸濁水を注水し、排
水に要する時間を測定した。繰り返しの注水に対して1
時間以上の排水時間を要するとき、目詰まりと判断し
た。懸濁水の注水回数は、20回までとした。その結
果、本発明の緑化資材用マットは目詰まりを起こさなか
った。
【0034】
【発明の効果】上述したように本発明の緑化資材用マッ
トは、従来から課題であった保水性不良、シルト以下の
粒子による目詰まり、砂の流出等を解決したものであ
り、従来緑化の難しかった地域、例えば砂漠地等に於い
ても、その緑化を行うことが出来る。よって、緑化を目
的とした土壌安定材、農業用資材、その他土木分野等多
方面において、緑化資材用マットとして多くの用途に有
効に活用することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C09K 101:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維接合点が熱接合された、少なくとも
    2種の熱可塑性繊維の異繊度混繊不織成形体内に保水材
    が分散されていることを特徴とする緑化資材用マット。
  2. 【請求項2】 細繊度繊維が繊維長20〜128mmの
    短繊維である請求項1に記載の緑化資材用マット。
  3. 【請求項3】 保水材が、高分子吸収体、ベントナイ
    ト、ゼラチンから選ばれた少なくとも1種である請求項
    1に記載の緑化資材用マット。
  4. 【請求項4】 異繊度混繊不織成形体に、親水性繊維若
    しくは親水化処理された細繊度繊維が混繊されている請
    求項1に記載の緑化資材用マット。
JP9262780A 1997-09-10 1997-09-10 緑化資材用マット Withdrawn JPH1175535A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001333636A (ja) * 2000-05-29 2001-12-04 Unitica Fibers Ltd 生分解性植生マット
JP2014161290A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Totetsu Kogyo Co Ltd 難燃性マット及び難燃性マットの製造方法
CN107059835A (zh) * 2016-12-16 2017-08-18 亿利生态修复股份有限公司 一种利用河道淤泥治理沙漠的方法及系统

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