JPH1175342A - 重心の移動を大にした扁平コアレス振動モータ - Google Patents

重心の移動を大にした扁平コアレス振動モータ

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JPH1175342A
JPH1175342A JP19653998A JP19653998A JPH1175342A JP H1175342 A JPH1175342 A JP H1175342A JP 19653998 A JP19653998 A JP 19653998A JP 19653998 A JP19653998 A JP 19653998A JP H1175342 A JPH1175342 A JP H1175342A
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gravity
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Tadao Yamaguchi
忠男 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイズを変えることなく、また厚みも増やす
ことなく簡単な構成で振動量を大にしてしかも軽量化を
達成する。 【解決手段】 電機子コイルを片側に配置して合成樹脂
で一体成形してなる偏心ロータ(9,99)を構成する
前記合成樹脂として外周側を密度5以上の高密度複合エ
ンジニアリングプラスチック(M)とし、内側を密度
1.8以下の樹脂(L)にした。マグネット(3,3
3)の外径を前記偏心ロータの旋回外周より小にし、こ
の偏心ロータの外周のマグネット側に前記高密度複合エ
ンジニアリングプラスチックからなる凸部(A)を設
け、この凸部の少なくとも一部を前記マグネットの外周
とハウジングとの空間(123)に配した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、移動体通信機のサイ
レントコール手段として用いられる扁平コアレス振動モ
ータの改良に係り特に重心の移動を大にした扁平コアレ
ス振動モータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の扁平コアレス振動モータは、たと
えば特開昭63−290140号に開示されたように、
通常回転型のモータの出力軸に偏心板を設けたり、12
0゜毎に等分配置した3個の電機子コイルの一部を削除
したものがある。また従来の扁平コアレス振動モータと
して3個の電機子コイル内の1個を他のものより小さく
したものがある。このような振動モータはUSP486
4276に開示されている。
【0003】しかしながら、出力軸に偏心板を設けたも
のは、薄くすることが難しく、等分配置した3個の電機
子コイルの一部を削除したり、あるいは、短絡させた
り、または1個の電機子コイルを小にしたものでは、全
体として円盤状になってしまうことには変わりがないの
で、重心の移動量が少なく、回転時に発生する遠心力が
小さくなって、周波数の高い感じの悪い振動となってし
まう欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような欠陥を克
服するために、本出願人は先に実願昭63−11186
8号(特願平4−295503に出願変更)およびこれ
を原型としたUSP5036239に開示したように3
個の電機子コイルを互いに重畳しないように、かつ全体
として平面が略扇形になるように偏倚して配置したロー
タからなるものを提案している。
【0005】すなわち、図5、図6に示すように、3個
の電機子コイルa,bおよびcを片側に偏倚して配した
偏心ロータ9と、この偏心ロータ9の中心に配された軸
7と、この軸7および軸受12a、12bを介して前記
偏心ロータ9を回転自在に支承するケース1、ブラケッ
ト2からなるハウジングと、このハウジングの一部であ
るブラケット2に載置されて前記偏心ロータ9に磁束を
供給するマグネット3と、このマグネット3の内方にブ
ラシベース4を介して配されたブラシ6と、このブラシ
6の先端が摺接するように前記偏心ロータ9のマグネッ
ト3側に一面に配されたコンミテータ10とからなるも
のである。なお、図中8は黄銅製の抜け止めホルダであ
るが、軸自体にローレットなどの抜け止め手段を講じれ
ば不要となる。11は偏心ロータ9を一体モールド合成
樹脂で、通常はガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレ
ートが用いられる。13a,13bはスラストワッシャ
である。
【0006】このような構造の振動モータは、径方向に
重心の移動量が大なので、回転時に発生する遠心力も大
きく、既に多量の市場実績があり好評であるが、最近の
コンパクト化志向に伴い、より超小型で遠心力のある振
動モータの要求が多くなっている。偏心(重心移動量)
を増加させるには、電機子コイルを除いた合成樹脂の部
分に鉛玉等のおもりを一体に成形させることも考えられ
るが、一体化させるサイズも思ったより大きくとれず効
果がうすい。また、最近においては、セット自体の軽量
化志向につれて搭載されるモータも軽量でしかも振動が
大なるものが要求されており、この相反する機能を両立
させる必要がある。
【0007】この発明は、上記のような市場ニーズに鑑
み創成したもので、サイズを変えることなく、また厚み
も増やすことなく簡単な構成で振動量を大にしてしかも
軽量化を達成するのを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記のよう
な従来の構成において、偏心ロータを構成する合成樹脂
として外周側を密度5以上の高密度複合エンジニアリン
グプラスチックとし、内側を密度1.8以下の樹脂にす
れば達成できる。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の好ましい実施の形態と
しては、請求項1に示すように電機子コイルを片側に配
置して合成樹脂で一体成形してなる偏心ロータと、この
偏心ロータの中心に配される軸と、この軸を介して前記
偏心ロータを回転自在に支承するハウジングと、このハ
ウジングの一部に配されて前記偏心ロータに磁束を供給
するマグネットと、このマグネットの内方において前記
ハウジングの一部に配されたブラシと、このブラシの先
端が摺接するように前記偏心ロータに配されたコンミテ
ータとを備えた扁平コアレス振動モータにおいて、前記
偏心ロータを構成する合成樹脂として外周側を密度5以
上の高密度複合エンジニアリングプラスチックとし、内
側を密度1.8以下の樹脂にしたものがよい。このよう
にすると、ロータの全体の重量を増加させずに重心の移
動量を大きくできる。
【0010】また、請求項2に示すよう前記マグネット
の外径を前記偏心ロータの旋回外周より小にし、この偏
心ロータの外周のマグネット側に前記高密度複合エンジ
ニアリングプラスチックからなる凸部を設け、この凸部
の少なくとも一部を前記マグネットの外周とハウジング
との空間に空隙を介して配されるようにしたものでもよ
い。このようにすると、さらに重心の移動量を大きくで
きる。
【0011】さらにまた、請求項3に示すよう前記軸を
ハウジングの一部に固定し、この軸に軸受を兼ねた密度
1.8以下の高摺動性樹脂を介して前記偏心ロータを回
転自在に装着したものでもよい。このようにすると、2
個の含油軸受を省くことができる。
【0012】そして、請求項4に示すように前記偏心ロ
ータに配されたコンミテータは印刷配線板からなり、外
周を前記電機子コイルの外周より内側になるようにして
このコンミテータの外側に密度5以上の高密度複合エン
ジニアリングプラスチックを配したものにするのがよ
い。このようにすると、さらに重心の移動量を大きくで
きる。
【0013】
【実施例】図1は、この発明の扁平コアレス振動モータ
のロータの実施例の要部平面図で偏心ロータ9は基本的
には、平面形状が従来と変わらず、すなわち、3個の電
機子コイルa,bおよびcを配置ピッチ60゜で互いに
重畳しないように片側に偏倚させてなるものであるが、
これらの電機子コイルa,bおよびcを一体成形する樹
脂として外周側を密度12の高密度複合エンジニアリン
グプラスチック(タングステン粉末をポリアミドでバイ
ンドしたもの)Mを用い、内側を密度1,4程度の樹脂
Lにしたことを特徴としている。図中、Kは高密度複合
エンジニアリングプラスチック(タングステン粉末をポ
リアミドでバインドしたもの)Mがはずれるのを防ぐ係
止部である。なお、この偏心ロータ9を用いる扁平コア
レス振動モータは、従来の図5と同様となるので、ここ
ではその説明を省略する。
【0014】図2、図3は、この発明の第2の実施例の
扁平コアレス振動モータの要部断面図と同モータのロー
タの平面図を示している。すなわち、ロータ99は3個
の電機子コイルa,bおよびcを配置ピッチ60゜で互
いに重畳しないように片側に偏倚して配されている。リ
ング状のネオジムマグネット33は、省資源化をねらっ
て図5に示した従来のものより外周が前記偏心ロータの
旋回外径より小としてあり接着剤(図示せず)を介して
ブラケット22に固着されている。したがって、このマ
グネット33の外径とケース1の内側との間に空間12
3が生ずることになる。
【0015】この空間123には前記偏心ロータ99の
外周に高密度な複合エンジニアリングプラスチックMで
一体に成形してなる凸部Aを延在させ空隙を介して配さ
れるようにしたものである。その他の構成は従来の図5
と同様なのでその説明を省略する。
【0016】図4は、この発明の第3の実施例とした軸
固定型扁平コアレス振動モータの要部断面図である。す
なわち、ブラケット222の中央に細手の軸77を固定
し、この軸77に低摩擦係数でかつ密度1.5程度の高
摺動性樹脂て内側を一体化した偏心ロータ999を回転
自在に支承している。この偏心ロータ999には、さら
に3個の電機子コイルa,bおよびcが配置ピッチ60
゜で互いに重畳しないように片側に偏倚して配されるの
は上記と同様で、これらの電機子コイルa,bおよびc
の外周よりでないようにした印刷配線板からなる平板コ
ミュテータ110を一体化し、その外方に高密度複合エ
ンジニアリングプラスチックMを凸部Aを延在させるよ
うに配するのは、前記の第2実施例と同様である。な
お、細手の軸77の先端は、ケース1の透孔1aに摺動
性ワッシャを介して食い込ませることにより側方の衝撃
に耐えられるようになっている。その他の構成は前記と
同様なため同一符号を記してその説明を省略する。この
ようにすると、2個の軸受が不要となり、組付けが容易
となる。
【0017】
【発明の効果】この発明は、上記のように、偏心ロータ
を構成する合成樹脂として外周側を密度5以上の高密度
複合エンジニアリングプラスチックとし、内側を密度
1.8以下の樹脂にしたので、サイズを変えることなく
重心の移動量を大にすることができることになる。した
がって、振動量を確保しながらも内側の樹脂で軽量化が
できることになるので、モータ自体の軽量化要求に応え
ることができる。特に外周に凸部Aを設けたものでは更
に重心が半径方向に移動するので効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の扁平コアレス振動モータの偏心ロータ
の第1実施例の平面図である。
【図2】同第2実施例の平面図である。
【図3】図2の実施例の偏心ロータを用いた扁平コアレ
ス振動モータの要部断面図である。
【図4】本発明の第2実施例の同モータの要部断面図で
ある。
【図5】従来の同モータの要部断面図である。
【図6】図5の偏心ロータの平面図である。
【符号の説明】
1 ケース 2,22,222 ブラケット 3,33 マグネット 6 ブラシ 7 シャフト 9,99 偏心ロータ 10,110 コンミテータ A 凸部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電機子コイルを片側に配置して合成樹脂
    で一体成形してなる偏心ロータと、この偏心ロータの中
    心に配される軸と、この軸を介して前記偏心ロータを回
    転自在に支承するハウジングと、このハウジングの一部
    に配されて前記偏心ロータに磁束を供給するマグネット
    と、このマグネットの内方において前記ハウジングの一
    部に配されたブラシと、このブラシの先端が摺接するよ
    うに前記偏心ロータに配されたコンミテータとを備えた
    扁平コアレス振動モータにおいて、前記偏心ロータを構
    成する合成樹脂として外周側を密度5以上の高密度複合
    エンジニアリングプラスチックとし、内側を密度1.8
    以下の樹脂にしたことを特徴とする重心の移動を大にし
    た扁平コアレス振動モータ。
  2. 【請求項2】 前記マグネットの外径を前記偏心ロータ
    の旋回外周より小にし、この偏心ロータの外周のマグネ
    ット側に前記高密度複合エンジニアリングプラスチック
    からなる凸部を設け、この凸部の少なくとも一部を前記
    マグネットの外周とハウジングとの空間に空隙を介して
    配されるようにした請求項1記載の重心の移動を大にし
    た扁平コアレス振動モータ。
  3. 【請求項3】 前記軸をハウジングの一部に固定し、こ
    の軸に軸受を兼ねた密度1.8以下の高摺動性樹脂を介
    して前記偏心ロータを回転自在に装着した請求項1また
    は2に記載の重心の移動を大にした扁平コアレス振動モ
    ータ。
  4. 【請求項4】 前記偏心ロータに配されたコンミテータ
    は印刷配線板からなり、外周を前記電機子コイルの外周
    より内側になるようにしてこのコンミテータの外側に密
    度5以上の高密度複合エンジニアリングプラスチックを
    配した請求項1ないし3のいずれか1に記載の重心の移
    動を大にした扁平コアレス振動モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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