JPH1175199A - 画像符号化装置及び画像符号化方法 - Google Patents

画像符号化装置及び画像符号化方法

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JPH1175199A
JPH1175199A JP23308297A JP23308297A JPH1175199A JP H1175199 A JPH1175199 A JP H1175199A JP 23308297 A JP23308297 A JP 23308297A JP 23308297 A JP23308297 A JP 23308297A JP H1175199 A JPH1175199 A JP H1175199A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MPEGの画像符号化において、動きベクト
ルを検出する範囲によらず共通のfコードを用いて符号
化回路を簡易化する。 【解決手段】 可変長符号化回路において動きベクトル
の差分値を可変長符号化する際に、従来のfコード値よ
りも大きなfコード値を用いて符号化する。例えば、動
き検出範囲が7×7画素の場合、従来のfコード値の1
に対してfコード値を4ないし5に固定して符号化す
る。これにより、動き検出範囲が15×15画素、ある
いは31×31画素の場合にも共通のfコードを用いて
符号化することができ、回路構成が簡略化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像符号化装置及び
画像符号化方法、特にMPEG2において動きベクトル
を符号化する際に用いられるパラメータであるfコード
値の設定に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、動画像信号を伝送するシステ
ムにおいて、伝送路を効率よく利用するため画像信号を
圧縮符号化する技術が開発されており、特に画像信号の
時間的冗長度を削減できるピクチャ間予測符号化が広く
用いられている。ピクチャ間予測符号化とは、時間的に
異なる2つの画像の差分データと、画像内の動きを表す
動きベクトルを求め、この差分データと動きベクトルを
符号化して伝送する方法である。
【0003】図12には、予測符号化に用いられる動き
ベクトルの算出方法が模式的に示されている。図におい
て、(a)は予測符号化すべき処理画像であり、(b)
は基準となる参照画像である。処理画像を複数のマクロ
ブロック(16×16画素)に分割し、任意の処理マク
ロブロック100と類似度の高いマクロブロックを参照
画像内でサーチし、両者の位置ずれを動きベクトル10
2として算出する。
【0004】図13には、動きベクトル102を算出す
る際に用いられるブロックマッチング法が模式的に示さ
れている。図において、(a)は処理画像、(b)〜
(d)は参照画像である。まず、(b)に示すように、
参照画像内で適当な検出範囲104を定め、この検出範
囲104内で処理マクロブロック100を1画素ずつ右
方向にずらしていく。横一列のサーチが終了した後、次
に(c)に示すように下方向に1画素ずらして再び左右
方向のサーチを行う。以上の処理を繰り返し、最終的に
検出範囲104内のすべてのサーチを行う(d)。各サ
ーチにおいては、所定の評価関数を用いて処理マクロブ
ロック100と参照画像のブロックとの差分を評価し、
この評価値が最小となる位置を求めることにより、処理
マクロブロック102の動きベクトルを算出する。
【0005】このようなブロックマッチング法において
は、一般に参照画像と処理画像の画像間距離が増大す
る、つまり両画像の時間差が大きくなるにつれて動きベ
クトルも大きくなることに鑑み、参照画像と処理画像の
画像間距離に応じて検出範囲104を変化させている。
【0006】図14には、画像間距離(フレーム間距
離)が1、2、3の場合に参照画像に設定される検出範
囲104が例示されている。図において、(a)はフレ
ーム間距離が1の場合の検出範囲であり、処理マクロブ
ロックの位置に対応する参照画像位置を中心とする上下
左右の±15画素が検出範囲である。(b)はフレーム
間距離が2の場合の検出範囲であり、処理マクロブロッ
ク位置を中心とする±31画素が検出範囲となる。
(c)はフレーム間距離が3の場合であり、±47画素
が検出範囲となる。すなわち、画像間距離が増大するほ
ど、動きベクトルの検出範囲を大きく設定する。
【0007】もちろん、このような検出範囲の設定は画
像の性質に応じて設定することも可能であり、例えば動
きの大きな画像を予測符号化する際には、動きの小さい
画像よりもその検出範囲をさらに大きく設定することも
可能である。
【0008】図15には、参照画像と処理画像のフレー
ム間距離と検出範囲104との関係が示されており、一
般的な動きの画像の場合と大きな動きの画像の場合に分
けた場合である。例えば、フレーム間距離が2の場合、
一般的な動きの画像の場合は検出範囲104は±31画
素となり、大きな動きの画像の場合には検出範囲104
は±47画素となる。
【0009】以上のようにして検出範囲104を設定し
て動きベクトルを算出すると、処理画像のマクロブロッ
クごとに動きベクトルデータが得られるが、隣接するマ
クロブロックの動きは一般に類似していると考えられる
ので、動きベクトル値そのものを符号化するのではな
く、隣接するマクロブロックの動きベクトルとの差分を
求め、この差分動きベクトルを符号化することにより効
率よく圧縮することができる。
【0010】図16には、処理画像の隣接するマクロブ
ロック、及び各マクロブロックごとに算出された動きベ
クトル成分が示されている。図において、マクロブロッ
クMBi-1、MBi、MBi+1は互いに隣接するマクロブ
ロックであり、MBi-1の動きベクトル成分は(xi-1、
yi-1)、MBiの動きベクトル成分は(xi、yi)、M
Bi+1の動きベクトル成分は(xi+1、yi+1)であると
すると、i番目のマクロブロックであるMBiの差分動き
ベクトルは次式で示される。
【0011】
【数1】ΔMVi=MVi−MVi-1(Δxi=xi−xi-
1、Δyi=yi−yi-1) 以上のようにして差分動きベクトルが得られると、次に
この差分動きベクトルを可変長符号化(VLC)する。
【0012】差分動きベクトルのVLCは、固定のVL
Cテーブルによって符号化される部分(上位ビット)
と、fコードによって符号長が定められる部分(下位ビ
ット)から構成されている。すなわち、fコードとは、
動きベクトル(差分動きベクトル)を符号化する際に用
いられるパラメータであり、このfコードを用いてVL
Cを固定VLCテーブル部分と付加ビット部分に分ける
ことで符号化データの冗長度が軽減される。
【0013】図17及び図18には差分動きベクトルの
VLCの例が表形式で示されている。図17はfコード
が1の場合のVLCであり、ベクトルの差分値(Δ)が
±31以内、すなわちベクトル値自体が−16〜+15
の場合のVLCである。従って、図17のVLCを用い
ることができるのは、動きベクトルを検出したときの検
出範囲がこれらの値よりも小さい場合である。なお、符
号化される値はハーフペル(半画素)単位であるので、
整数画素単位で表すと−8〜+7.5画素となる。ま
た、図17において、例えば差分値が1の場合と−31
の場合とでは同じVLCを用いることになるが、ベクト
ル値は上述したように−16〜+15の範囲内であるの
で、直前の隣接マクロブロックのベクトル値がわかれば
一義的に決定することができる。例えば、直前の隣接マ
クロブロックのベクトル値が14であれば、ベクトルの
差分値は−31ではなく1である。
【0014】一方、図18はfコードが2の場合のVL
Cであり、ベクトルの差分値(Δ)が±63以内の場合
のVLCである。図17と図18を比較すると明らかな
ように、図18のVLCの上位ビット部分は図17のV
LCと同一である。すなわち、図18では、図17のV
LCにさらに下位の1ビットが付加される関係にある。
より広い検知範囲で動き検出を行った場合には、大きな
動きベクトル値が検出される場合があるため、さらに下
位ビット部分が長くなる(つまりfコード値が大きくな
る)。しかしながら、下位ビット部分が長くなればそれ
だけ全体の符号長が長くなるため符号化効率が低下する
ことになる。従って、fコード値は検出範囲増大に伴う
予測効率の向上と符号化効率の低下のバランスを考慮し
て設定する必要がある。
【0015】図19には、検出範囲と予測効率との関
係、及び検出範囲と動きベクトルの符号化効率との関係
が示されている。検出範囲が大きくなるほど類似度を大
きくできるため予測効率は向上するが、同時に差分値も
大きくなるため下位ビット部分が多く必要となって符号
化効率が低下する。従来においては、このような符号化
効率の低下が復号画像の画質劣化を招くと考え、検出範
囲に合わせてとり得る最小値を符号化時のfコード値と
して用いていた。
【0016】図20には、このようにして規定された従
来のMPEG規格のfコード値が示されている。なお、
フレーム構造でインタレース画像を符号化する場合、フ
レームベクトルとフィールドベクトルの2種類の動きベ
クトルが存在する。この2種類の動きベクトルはそれぞ
れ垂直方向の距離表現が異なる。図20において、同一
のfコード値に対して2種類の検出範囲が存在するのは
フレームベクトルとフィールドベクトルに対応したもの
である。具体的には、例えばフレーム予測符号化の場
合、検出範囲が−8〜+7.5の場合にはfコードは
1、検出範囲が−16〜+15.5の場合にはfコード
は2となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のM
PEG規格においては、検出範囲に応じた所定のfコー
ドが定められており、fコード値が大きくなると符号長
が増すため、許容されるうちで最小のfコード値を用い
るのが通常であった。従って、動画像を符号化するに際
しては、参照画像と処理画像の画像間距離に応じて検出
範囲を変化させるとともに、それぞれの検出範囲に応じ
て定められているうちで最小のfコード値でVLCして
いるので、検出範囲毎に異なるVLCが要求され、結果
として可変長符号化回路の構成が複雑化してしまう問題
があった。
【0018】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みなされたものであり、その目的は、動きベクトルを符
号化する際の動きベクトルの検出範囲によらずに符号化
回路を共通化でき、もって回路構成を簡易化できる画像
符号化装置及び画像符号化方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、入力画像の動きべクトルをfコード
を用いて符号化する画像符号化装置であって、入力画像
内の動き検出範囲に応じて予め定められたfコード値よ
りも大きな値を用いて動きベクトルを符号化する符号化
手段を有することを特徴とする。ここで、「fコード」
とは、MPEG2において動きベクトルを符号化する際
に用いられるパラメータであり、「動き検出範囲に応じ
て予め定められたfコード値」とは、MPEG規格にお
いて許容される最小のfコード値を意味する。MPEG
規格において許容される最小のfコードよりも大きめの
値を設定することで、より多様な動きベクトルの検出範
囲に対応することができる。
【0020】また、第2の発明は、第1の発明におい
て、前記fコード値よりも大きな値は、4乃至5である
ことを特徴とする。fコード値を4乃至5に固定するこ
とで、符号化の構成を簡略化できる。
【0021】また、第3の発明は、第1、第2の発明に
おいて、前記動き検出範囲は前記入力画像のサイズの3
%乃至4%に固定されることを特徴とする。動き検出範
囲を上記の範囲に固定することで、復号画像の画質を維
持しつつ演算時間を削減することができる。
【0022】また、第4の発明は、第1〜第3の発明に
おいて、前記動き検出範囲は、15×15画素または3
1×15画素のいずれかであることを特徴とする。この
範囲に制限することで、第3の発明と同様に画質向上と
演算時間縮小のバランスをとることができる。
【0023】また、第5の発明は、入力画像の動きベク
トルをfコードを用いて符号化する画像符号化方法であ
って、入力画像内の動きベクトル検出範囲に応じて定め
られたうちで最小のfコード値よりも大きな値を用いて
動きベクトルを符号化することを特徴とする。MPEG
規格において許容されるうちで最小のfコードよりも大
きめの値を設定することで、より多様な動きベクトルの
検出範囲に対応することができる。
【0024】また、第6の発明は、第5の発明におい
て、前記fコード値よりも大きな値は4乃至5であるこ
とを特徴とする。fコード値を4乃至5に固定すること
で、従来より簡易に動きベクトルを符号化することがで
きる。
【0025】また、第7の発明は、第5、第6の発明に
おいて、前記動き検出範囲は、前記入力画像のサイズの
3%乃至4%に固定されることを特徴とする。動き検出
範囲を上記の範囲に固定することで、復号画像の画質を
維持しつつ演算時間を削減することができる。
【0026】また、第8の発明は、第5〜第7の発明に
おいて、前記動き検出範囲は、15×15画素または3
1画素×15画素であることを特徴とする。動き検出範
囲を上記の範囲に固定することで、第7の発明と同様に
復号画像の画質を維持しつつ演算時間を削減することが
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
形態について説明する。
【0028】図1には、本実施形態におけるMPEG2
画像符号化装置の全体構成が示されている。画像並び変
え回路110は、入力された動画像信号の画面順が並び
替える回路である。すなわち、時間的に後の画像を参照
画像として採用する場合、後の画像が先にメモりに格納
されている必要があるため、後の画像が先に処理される
ように画像の並び替えが行われる。前画像を参照してフ
レーム間予測符号化される画像をPピクチャ、前画像や
後画像を参照してフレーム間予測符号化される画像をB
ピクチャ、参照画像によるフレーム間予測符号化の行わ
れない画像をIピクチャとする。
【0029】走査変換マクロブロック化回路112は、
各画像を8×8画素のブロックに分割する回路で、動き
ベクトル等は4ブロックのマクロブロック単位で算出さ
れ、DCT、量子化はブロック単位で実行される。
【0030】減算器114は、走査変換マクロブロック
化回路112から供給された現画像の各画素データから
参照画像の各画素データを減算する回路であり、減算結
果である各画素の差分データはDCT回路116に供給
されてDCT(離散コサイン変換)される。
【0031】DCT回路116は、ブロック単位(8×
8画素)で離散コサイン変換を行う回路であり、8×8
画素の各ブロックを低周波数項〜高周波数項の8行8列
の係数行列Cijに変換する。各係数は、量子化回路11
8に供給される。
【0032】重み付量子化回路118は、各係数Cijを
Qijで除算し、その余りを丸めることにより量子化して
データ量を削減する回路である。なお、量子化ステップ
幅は、ビットレート制御回路124から供給される。
【0033】量子化後、低周波数項〜高周波数項の順番
で出力される係数データは、可変長符号化回路120に
て可変長符号化(VLC)され、さらにデータ量が削減
される。可変長符号化後のデータは、バッファメモリ1
22に一時的に蓄えられた後、所定のビットレートで読
み出され、ビットストリームとして出力される。
【0034】逆量子化回路126、逆DCT回路128
は、参照画像として供するための前画像及び後画像の画
像データを再現するためのローカルエンコーダであり、
再現された画像は、画像メモリ132に格納されて減算
器114に出力される。なお、加算器130は、ローカ
ルデコーダ126、128で復号された画像データが差
分データである場合に、該差分データに動き補償付きの
参照画像データを加算して画像を完成するための回路で
ある。
【0035】画像メモリ132は、少なくとも2画面分
の画像データを蓄えるメモリであり、端子132bから
は参照用の画像データがマクロブロック単位で出力され
る。また、端子132aからは動きベクトル算出のため
の画像データが動き検出回路138に供給される。
【0036】動き検出回路138は、現画像内の現マク
ロブロックに最も類似する参照マクロブロックを検出
し、その位置ずれを動きベクトルとして検出する。検出
された動きベクトルは、可変長符号化(VLC)回路1
20に出力され、定められたfコード値で符号化され
る。
【0037】また、動き補償回路134は、動きベクト
ル情報で指示される領域(参照マクロブロック領域)を
画像メモリ132の端子132bから出力させる。これ
により、参照マクロブロックの画像データが減算器11
4に供給され、上述したように現マクロブロックと参照
マクロブロックの差分が演算される。なお、動き補償回
路134の処理は、モード判定回路136から供給され
るマクロブロックタイプ情報MBTを参照して実行され
る。すなわち、画像メモリ132から前画像を出力する
か、後画像を出力するか、前画像及び後画像を出力する
か、出力しないかの選択は、MBTに基づいて行われ
る。
【0038】以上のような符号化回路の構成において、
動きの異なる4種類の画像を用意し、これらの画像に対
して動きベクトルの検出範囲とfコード値を種々に変化
させて符号化し、さらに符号化された画像を従来と同様
の復号装置で復号してその画質を評価した。評価に用い
た画像は以下の通りである。
【0039】 画像A:人と車のすれ違い程度の動きのある画像 画像B:走行中の車両から見たトンネル出口の画像 画像C:精細なオブジェクトの動きがある画像 画像D:複数の人間が高速でランダムに動き、特に横方
向の動きが大きい画像 これらの画像の動き量を比較すると、おおよそ画像C<
画像B<画像A<画像Dとなる。また、各画像のサイズ
は704×480(画素)であり、ビットレートは3M
bps、ピクチャー構造はフレーム構造で予測方式はフ
レーム動き補償である。
【0040】図2には、画像Aの評価結果が示されてい
る。なお、検出範囲の表現として、−8〜+7画素を
「7×7画素」、−16〜+15画素を「15×15画
素」、−32〜+31画素を「31×31画素」などと
簡易的に表している。図において横軸はfコード値であ
り、縦軸は復号画像の輝度のS/Nである。また、折線
aは検出範囲が7×7画素のS/N、折線bは検出範囲
が15×15画素のS/N、折線cは31×31画素の
S/N、折線dは63×63画素のS/N、折線eは1
27×127画素のS/Nをそれぞれ示している。折線
a(7×7画素)に着目すると、MPEG規格において
従来用いられてきた最小のfコード値は1であり、この
場合のS/Nよりもfコード値が2乃至5の場合に同等
以上のS/Nが得られている。また、折線b(15×1
5画素)においても、MPEG規格において用いられて
きた最小のfコード値は2であり、この場合のS/Nよ
りもfコード値が3乃至5の場合に同等以上のS/Nが
得られている。
【0041】図3には、画像Bの評価結果が示されてい
る。図2と同様に、折線aは検出範囲が7×7画素のS
/N、折線bは検出範囲が15×15画素のS/N、折
線cは検出範囲が31×31画素のS/Nをそれぞれ示
している。この画像Bにおいても、折線aに着目すると
MPEG規格で従来用いられてきた最小のfコード値1
の場合のS/Nよりもfコード値が2乃至5の場合の方
が同等以上のS/Nが得られている。また、折線bにお
いても、MPEG規格で従来用いられてきた最小のfコ
ード値が2の場合のS/Nに比べて、fコード値が3乃
至5の場合に同等以上のS/Nが得られている。
【0042】図4には、画像Cの評価結果が示されてい
る。折線aは検出範囲が7×7画素のS/N、折線bは
検出範囲が15×15画素のS/N、折線cは検出範囲
が31×31画素のS/Nをそれぞれ示している。この
画像Cにおいても、折線aではfコード値が従来の1の
場合に比べて2乃至5の場合に同等以上のS/Nが得ら
れており、折線bの場合もfコード値が従来の2の場合
に比べて3乃至5の場合に同等以上のS/Nが得られて
いる。
【0043】図5には、画像Dの評価結果が示されてい
る。折線aは検出範囲が7×7画素のS/N、折線bは
検出範囲が15×15画素のS/N、折線cは検出範囲
が31×31画素のS/N、折線dは検出範囲が63×
63画素のS/N、折線eは検出範囲が127×127
画素のS/Nをそれぞれ示している。この画像Dにおい
ても、折線aではfコード値が従来の1の場合に比べて
2乃至5の場合に同等以上のS/Nが得られており、折
線bの場合にもfコード値が従来の場合に比べて3乃至
5の場合に同等以上のS/Nが得られている。さらに、
折線cの場合でも、MPEG規格で従来用いられてきた
最小のfコード値が3の場合に比べて4乃至5の場合に
同等以上のS/Nが得られている。
【0044】図6には、画像Dの他の評価結果が示され
ている。図において、折線aは検出範囲が7×3画素
(横が−8〜+7、縦が−4〜+3)のS/N、折線b
は検出範囲が15×7画素のS/N、折線cは検出範囲
が31×15画素のS/Nをそれぞれ示している。この
ような検出範囲を設定したのは、画像Dの性質、すなわ
ち横方向の動きが特に大きいという性質を考慮したもの
である。このような検出範囲を設定した場合でも、従来
のMPEG規格で用いられてきた最小のfコード値より
も大きなfコード値を設定することにより同等以上のS
/Nが得られることがわかる。すなわち、折線aの場合
では、fコード値が1の場合に比べて2乃至5の場合に
同等以上のS/Nが得られ、折線bの場合にもfコード
値が2の場合に比べて3乃至5の場合に同等以上のS/
Nが得られている。また、折線cの場合には他の検出範
囲に比べて特にS/Nが大きく、またfコード値が3の
場合に比べて4乃至5の場合に同等以上のS/Nが得ら
れている。
【0045】以上の評価結果から明らかなように、従来
のMPEG規格で用いられてきた最小のfコード値より
も大きなfコード値を設定しても、画質は劣化すること
なくむしろ良好となる場合があり、特にfコード値が4
乃至5の場合にその傾向が顕著であることがわかる。
【0046】この事実は、fコード値が大きくなればデ
ータの冗長度が増大し、符号化効率が低下するので復号
画像の画質も劣化するとした従来の考えが必ずしも妥当
でなく、むしろfコード値としては検出範囲に応じてと
り得る最小値(図20参照)よりも大きな値を設定した
方が好ましいことを意味している。このようにfコード
値を従来のMPEG規格で用いられてきた最小値よりも
大きめに設定することで以下のような利点が生じる。す
なわち、従来においては、検出範囲に応じた最小のfコ
ード値を用いていたため、検出範囲に応じて異なるVL
C(下位ビット長の長さが異なる)を行っていたが、f
コード値を大きめに設定し、特に4乃至5に設定するこ
とで、検出範囲が7×7画素、15×15画素、31×
31画素と変化しても共通のfコード値を用いて共通の
VLCを行うことが可能となる。
【0047】なお、従来のMPEG規格のfコード値よ
りも大きめのfコード値(特に4乃至5)に設定するこ
とにより復号画像の画質が向上する理由は、以下のよう
に考えられる。すなわち、実際に符号化される値は、上
述したように動きベクトル値ではなく直前に符号化した
マクロブロックの動きベクトル値と符号化するマクロブ
ロックの動きベクトル値との差分であり、画像シーケン
ス内のオブジェクトやカメラの動きが単純で検出した動
きベクトルの向きが揃っていれば差分値はゼロに近い値
になる。一方、複数のオブジェクトがランダムに動くシ
ーケンスでは差分の絶対値が大きくなる。従って、動き
ベクトルデータの符号長は、この差分値の大きさとfコ
ードによって定まり、差分値分布に適応したfコード値
を設定することで符号化効率が向上し、復号画像の画質
も向上すると考えられる。
【0048】図7〜図12には、上述の画像A、B、
C、Dの差分値分布が示されている。図7は画像Aの差
分値分布であり、(a)は検出範囲が7×7画素の差分
値分布、(b)は検出範囲が15×15画素の差分値分
布、(c)は検出範囲が31×31画素の差分値分布で
ある。各図において、横軸は差分値Δ、縦軸は分布数で
ある。図からわかるように、差分値がゼロとなる場合が
かなり多く、また絶対値が小さいところに集中してい
る。
【0049】図8は画像Bの差分値分布であり、(a)
は検出範囲が7×7画素の差分値分布、(b)は検出範
囲が15×15画素の差分値分布、(C)は検出範囲が
31×31画素の差分値分布である。この画像Bも画像
Aと同様に差分値ゼロとなる場合がかなり多く、また絶
対値が小さいところに集中する傾向がある。
【0050】図9は画像Cの差分値分布であり、(a)
は検出範囲が7×7画素の差分値分布、(b)は検出範
囲が15×15画素の差分値分布、(c)は検出範囲が
31×31画素の差分値分布である。画像AまたはBの
場合に比べて差分値がゼロとなる場合が少なく、絶対値
が大きいところにも分布している。
【0051】図10は画像Dの差分値分布であり、
(a)は検出範囲が7×7画素の差分値分布、(b)は
検出範囲が15×15画素の差分値分布、(c)は検出
範囲が31×31画素の差分値分布である。この画像D
でも、画像A、Bに比べて差分値がゼロとなる場合が少
なく、また絶対値が大きい付近にも分布が多くなってい
る。
【0052】一方、図11にはfコード値が1及び2の
場合の動きベクトル(実際には差分動きベクトル)の符
号長が示されている。(a)はfコード値が1の場合で
あり、横軸は差分値(Δ)、縦軸は符号長である。図よ
り、動きベクトルの符号量を少なくするためには、差分
値の絶対値が10〜8以下であるか、または25以上で
あればよい。特に、差分値がゼロとなる場合には、他の
場合よりも少なくとも2ビット軽減できるため非常に有
利である。
【0053】また、(b)はfコード値が2の場合であ
り、動きベクトルの符号量を少なくするためには、差分
値の絶対値が20以下であるか、または50以上であれ
ばよい。
【0054】このような差分値と符号長との関係、並び
に図7から図10に示された差分値分布を考慮すると以
下のことが明らかとなる。すなわち、画像Aにおいては
差分値がゼロとなる場合が他の画像に比べて極端に多い
ので、符号長が少なく、符号化効率がよい。一方、画像
Dの差分値分布は画像Aに比べてフラットであり、差分
値がゼロとなる場合の数が少ない。しかし、差分値の絶
対値が大きい部分の個数も多いため、符号量を少なくす
るのに役立っている。
【0055】また、画像Cは差分値の絶対値が大きくな
るにつれ個数が減少する傾向にあるが、差分値がゼロの
場合の数も少ない。このため、従来のfコード値では十
分に符号量を少なくすることができない。そこで、fコ
ード値を従来より大きめに設定することで符号効率を向
上させ、S/Nを改善することができる。
【0056】また、画像Bの場合は差分値がゼロの場合
の個数が多い点では画像Aと似ており、その他の傾向で
は画像Cと似ている。従って、画像Bは画像Aと画像C
の中間の傾向をとり、画像Cと同様に従来のMPEG規
格におけるfコード値よりも大きなfコード値を設定す
ることで符号効率が向上する。
【0057】このように、従来のMPEG規格のfコー
ド値よりも大きいfコード値を設定して予測符号化する
ことにより、復号画像の画質を劣化させることなく、動
きベクトルを符号化することが可能となる。好適には、
fコード値を4乃至5に設定することにより、S/Nを
従来と同等以上に保持しつつ、任意の検出範囲から算出
された動きベクトルを符号化することができる。
【0058】具体的な回路構成としては、図1において
可変長符号化回路120が従来のように動き検出回路1
38からの動き検出範囲情報に応じたfコード値(MP
EG規格の中で従来用いられてきた最小値)でVLCを
行うのではなく、固定のfコード値でVLCを行うこと
になる。従って、従来の可変長符号化回路120におい
ては、fコード値が変数であるためこれを処理するため
の演算回路が必要であったところ、本実施形態の可変長
符号化回路120ではこのような演算回路が不要とな
り、構成が簡略化される。
【0059】また、検出範囲はフレーム間距離に応じて
設定することができるが、図2〜図6から明らかなよう
に、検出範囲を15×15画素に制限しても十分なS/
Nが得られるので、フレーム間距離によらず検出範囲を
この値に固定するのも好ましい。一般に、動き検出範囲
の面積が2倍になると、動きベクトルを算出するための
演算量は面積に比例して2倍となる。従って、動き検出
範囲を15×15画素に固定することにより、演算処理
時間の削減を図ることが可能となる。
【0060】また、特に画像Dのように横方向の動きが
大きい画像に対しては、31×15画素のような横長の
検出範囲に固定することがS/N及び演算時間の観点か
ら好ましい。これら15×15画素または31×15画
素はフレームサイズの約3〜4%に相当する大きさであ
り、一般にこの範囲に動き検出範囲を制限することによ
り、復号画像の画質を劣化させることなく演算時間の短
縮を図ることができる。
【0061】具体的な回路構成としては、図1において
動き検出回路138が従来のようにフレーム間距離に応
じて動き検出範囲を変化させて動きベクトルを検出する
のではなく、動き検出範囲を入力画像サイズの約3%〜
4%に相当する範囲に固定して処理することになる。従
って、従来の動き検出回路138においては、フレーム
間距離に応じて動き検出範囲を設定する処理回路及び処
理する画像データ分を格納するメモリ容量が必要であっ
たところ、本実施形態の動き検出回路138ではこのよ
うな処理回路が不要となるとともに一定の小容量メモリ
で済むことになり、構成が簡略化されることになる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像符号
化装置及び画像符号化方法によれば、従来のMPEG規
格のfコード値よりも大きなfコード値、好ましくは4
乃至5に固定することで動き検出範囲によらず共通の符
号化回路を用いることが可能となり、装置構成の簡略化
を図ることができる。
【0063】また、動き検出範囲を特にフレームサイズ
の3〜4%に制限することにより復号画像の画質を維持
しつつ演算処理時間の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の全体構成図である。
【図2】 実施形態の画像AのfコードとS/Nの関係
を示すグラフ図である。
【図3】 実施形態の画像BのfコードとS/Nの関係
を示すグラフ図である。
【図4】 実施形態の画像CのfコードとS/Nの関係
を示すグラフ図である。
【図5】 実施形態の画像DのfコードとS/Nの関係
を示すグラフ図である。
【図6】 実施形態における画像Dの他の検出範囲にお
けるfコードとS/Nの関係を示すグラフ図である。
【図7】 実施形態の画像Aの差分値分布を示すグラフ
図である。
【図8】 実施形態の画像Bの差分値分布を示すグラフ
図である。
【図9】 実施形態の画像Cの差分値分布を示すグラフ
図である。
【図10】 実施形態の画像Dの差分値分布を示すグラ
フ図である。
【図11】 実施形態のfコード値が1の場合の動きベ
クトル符号長を示すグラフ図である。
【図12】 動きベクトル算出処理を示す説明図であ
る。
【図13】 ブロックマッチング法の説明図である。
【図14】 フレーム間距離と検出範囲との関係を示す
説明図である。
【図15】 フレーム間距離と検出範囲との関係を示す
表図である。
【図16】 差分動きベクトル算出説明図である。
【図17】 動きベクトルのVLC説明図(fコード=
1の場合)である。
【図18】 動きベクトルのVLC説明図(fコード=
2の場合)である。
【図19】 検出範囲と予測効率及び符号化効率との関
係を示すグラフ図である。
【図20】 従来のMPEG規格における検出範囲とf
コード値との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
110 画像並び変え、112 走査変換マクロブロッ
ク化、116 DCT、118 重み付量子化、120
可変長符号化、122 バッファ、124ビットレー
ト制御、126 逆量子化、128 逆DCT、132
画像メモリ、134 動き補償、136 モード判
定、138 動き検出。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力画像の動きべクトルをfコードを用
    いて符号化する画像符号化装置であって、 入力画像内の動き検出範囲に応じて予め定められたfコ
    ード値よりも大きな値を用いて動きベクトルを符号化す
    る符号化手段を有することを特徴とする画像符号化装
    置。
  2. 【請求項2】 前記fコード値よりも大きな値は4乃至
    5であることを特徴とする請求項1記載の画像符号化装
    置。
  3. 【請求項3】 前記動き検出範囲は、前記入力画像のサ
    イズの3%乃至4%に固定されることを特徴とする請求
    項1、2のいずれかに記載の画像符号化装置。
  4. 【請求項4】 前記動き検出範囲は、15×15画素ま
    たは31×15画素のいずれかであることを特徴とする
    請求項1、2、3のいずれかに記載の画像符号化装置。
  5. 【請求項5】 入力画像の動きベクトルをfコードを用
    いて符号化する画像符号化方法であって、 入力画像内の動きベクトル検出範囲に応じて定められた
    fコード値よりも大きな値を用いて動きベクトルを符号
    化することを特徴とする画像符号化方法。
  6. 【請求項6】 前記fコード値よりも大きな値は4乃至
    5であることを特徴とする請求項5記載の画像符号化方
    法。
  7. 【請求項7】 前記動き検出範囲は、前記入力画像のサ
    イズの3%乃至4%に固定されることを特徴とする請求
    項5、6のいずれかに記載の画像符号化方法。
  8. 【請求項8】 前記動き検出範囲は、15×15画素ま
    たは31×15画素のいずれかであることを特徴とする
    請求項5、6、7のいずれかに記載の画像符号化方法。
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