JPH1174667A - 放熱シート - Google Patents

放熱シート

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JPH1174667A
JPH1174667A JP6431098A JP6431098A JPH1174667A JP H1174667 A JPH1174667 A JP H1174667A JP 6431098 A JP6431098 A JP 6431098A JP 6431098 A JP6431098 A JP 6431098A JP H1174667 A JPH1174667 A JP H1174667A
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JP
Japan
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heat
viscous layer
filler
frame
thermal conductivity
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JP6431098A
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English (en)
Inventor
Shigeki Ishiguro
繁樹 石黒
Kenji Kaneko
健治 金子
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱体とヒートシンクの双方に対する密着性
に優れて発熱体がトランジスタ等の凹凸変形が大きい場
合などにも密着不良を生じにくく、放熱シートが具備す
る本来の伝熱能力の発揮性に優れると共に、必要に応じ
難燃性も容易に付与できて伝熱性と難燃性の両方に優れ
る放熱シートを得ること。 【解決手段】 難燃剤を兼ねることもある良熱伝導性の
充填剤を少なくとも含有し、押圧により塑性変形する粘
性層(1,3)を少なくとも有してなり、必要に応じて
その粘性層が難燃剤を兼ねることもある良熱伝導性の充
填剤を少なくとも含有する弾性基材(2)の片面又は両
面に付設されてなる放熱シート。 【効果】 粘性層の塑性変形による発熱体やヒートシン
クに対する広面積良密着で熱伝導率の低下による熱抵抗
値の低下を補償して優れた伝熱性を示し、かつ難燃剤兼
用の充填剤の使用でUL94燃焼試験のV−0レベルの
難燃性も達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、伝熱性に優れ、必要に応
じ難燃性も付与できて電気機器や電子機器等の発熱体の
放熱処理に好適な放熱シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気機器や電子機器等の発熱体の
放熱処理に用いる放熱シートとしては、酸化アルミニウ
ムや窒化硼素の粉末を含有するシリコーンゴムシート又
はポリイミド(アミド)フィルムの表面に薄層の粘着剤
層又はシリコーンゴム組成物を設けたものが知られてい
た(特開昭56−161699号公報、特公平2−24
383号公報)。
【0003】放熱シートは通例、発熱体と放熱フィン等
のヒートシンクの間に介在させる方式で用いられる。従
って、伝熱による良好な放熱処理には発熱体とヒートシ
ンクの双方に良好に密着することが要求される。しかし
ながら、従来の放熱シートでは、基材に薄層の粘着剤層
を設けたものにおいても密着不良が発生する問題点があ
った。特に、トランジスタの如く凹凸等の変形が大きい
発熱体の場合に密着不良が発生し易い。隙間等が介在し
た密着不良は、伝熱効率を大きく低下させ、放熱シート
の能力が充分に発揮されずに放熱効率に乏しくなる。
【0004】一方、放熱シートには、発熱体と接するこ
とより前記の伝熱性と共に、安全性等の点より蓄熱によ
る温度上昇に耐える難燃性が望まれ、その難燃レベルと
してUL−94燃焼試験におけるV−0レベルの難燃性
が要求されることも多い。しかしながら、前記した従来
の放熱シートにあっては、難燃性に劣り、難燃剤を加え
ても窒化硼素等の熱伝導性粉末と併用して伝熱性と難燃
性をバランスさせる必要のあることから、UL−94燃
焼試験におけるV−0レベルの難燃性を達成することが
困難な問題点があった。
【0005】
【発明の技術的課題】本発明は、発熱体とヒートシンク
の双方に対する密着性に優れて発熱体がトランジスタ等
の凹凸変形が大きい場合などにも密着不良を生じにく
く、放熱シートが具備する本来の伝熱能力の発揮性に優
れると共に、必要に応じ難燃性も容易に付与できて伝熱
性と難燃性の両方に優れる放熱シートを得ることを課題
とする。
【0006】
【課題の解決手段】本発明は、難燃剤を兼ねることもあ
る良熱伝導性の充填剤を少なくとも含有し、押圧により
塑性変形する粘性層を少なくとも有してなり、必要に応
じてその粘性層が難燃剤を兼ねることもある良熱伝導性
の充填剤を少なくとも含有する弾性基材の片面又は両面
に付設されてなることを特徴とする放熱シートを提供す
るものである。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、粘性層の塑性変形を介
してトランジスタの如き凹凸等の変形が大きい発熱体の
場合にも、発熱体とヒートシンクの双方に対して広い面
積で良好に密着して密着不良が生じにくく、放熱シート
が具備する本来の伝熱能力の発揮性に優れて高い伝熱効
率を示し、放熱効率に優れる放熱シートを得ることがで
きる。
【0008】また充填剤に難燃剤兼用物を用いること
で、容易に難燃性も付与できて伝熱性と難燃性の両方に
優れる放熱シートを得ることができる。これは、伝熱性
と難燃性に優れる伝熱難燃兼用の充填剤の使用と、前記
した塑性変形性の粘性層との組合せに基づく。すなわち
伝熱難燃兼用の充填剤は、酸化アルミニウムや窒化硼素
等の難燃化作用に乏しい熱伝導性粉末に比べて熱伝導率
に劣り、そのため従来の放熱シートに当該充填剤を用い
た場合には熱抵抗値が上昇する。
【0009】しかし本発明にては、塑性変形性の粘性層
を介した上記の広面積良密着性が前記の熱伝導率低下に
よる熱抵抗値の上昇を補償して、従来にほぼ匹敵する熱
抵抗値を示し、かつ伝熱難燃兼用の充填剤が良好な難燃
作用を示して伝熱性と難燃性の両方に優れる特性を発揮
する。その結果、UL−94燃焼試験におけるV−0レ
ベルの難燃性も容易に達成することができる。
【0010】従って、上記した粘性層の塑性変形による
発熱体とヒートシンクの双方に対する広面積良密着によ
る放熱効率の向上等の点よりは、変形拘束力を受けにく
い粘性層のみの放熱シートが有利であるが、その粘性層
を弾性基材と組合せることで、粘性層の塑性変形性を充
分に維持しつつ、弾性基材に基づく例えば容易な再剥離
性の付与による発熱体又はヒートシンクのリサイクルの
達成や、放熱シートの形状安定性ないし自己支持性の向
上などを達成できる新たな利点を具備させることができ
る。
【0011】
【発明の実施形態】本発明の放熱シートは、難燃剤を兼
ねることもある良熱伝導性の充填剤を少なくとも含有
し、押圧により塑性変形する粘性層を少なくとも有して
なり、必要に応じてその粘性層が難燃剤を兼ねることも
ある良熱伝導性の充填剤を少なくとも含有する弾性基材
の片面又は両面に付設されたものである。その例を図
1、図2、図3に示した。1,3が粘性層であり、2は
弾性基材である。
【0012】本発明による放熱シートを形成する粘性層
は、凹凸等の形状変化が大きい被着体の場合にも塑性変
形により広い面積で良好に密着して、優れた熱抵抗値を
発揮させることを目的とする。従って粘性層は、押圧に
より流動して塑性変形性を示す適宜な材料にて形成する
ことができる。一般には、分子量等の調節で塑性変形性
を示す組成としたゴム系や樹脂系のポリマーなどが用い
られる。
【0013】粘性層は、絶縁性や難燃性、耐熱性や耐腐
食性などに優れることが好ましい。かかる点より、例え
ば天然ゴムやシリコーンゴム、ポリイソブチレンやポリ
ブテン、スチレンブタジエンゴムやニトリルゴム、クロ
ロプレンゴムやブチルゴム、EPM、EPDMの如きエ
チレンプロピレン系ゴムやアクリル系ゴム等のゴム系材
料、ポリオレフィン系やポリエステル系、ポリスチレン
系やポリウレタン系の如きエラストマー系ポリマー、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体や軟質ポリ塩化ビニル等の
弾性に優れた合成樹脂などが好ましく用いられる。
【0014】前記のポリ塩化ビニルの如く本質的には硬
質系のポリマーであっても、可塑剤や柔軟剤等の適宜な
配合剤との組合せで粘性ないし押圧流動性をもたせた状
態で本発明においては粘性層の形成に用いうる。なおゴ
ム系材料の場合には、加硫処理しない未加硫の状態とす
ることが塑性変形性などの点より好ましい。
【0015】前記した性能等の点より、粘性層の形成に
特に好ましく用いうる材料としては、例えばブチル系や
フッ素系、イソブチレン系やブテン系、シリコーン系や
エチレンプロピレン系等の合成ゴム、あるいは天然ゴム
やポリブタジエンなどがあげられる。
【0016】粘性層には、少なくとも良熱伝導性の充填
剤が配合される。これにより、伝熱性に優れる放熱シー
トとすることができる。良熱伝導性の充填剤としては、
適宜なものを用いることができ、特に限定はない。従っ
て例えば窒化硼素や窒化アルミニウム、酸化アルミニウ
ムなどの公知の熱伝導性粉末のいずれも用いうる。
【0017】好ましく用いうる良熱伝導性の充填剤は、
難燃剤を兼ねるものである。かかる伝熱難燃兼用の充填
剤を用いることにより、伝熱剤と難燃剤が別体であるた
めにそれらの配合量を調節して伝熱性と難燃性をバラン
スさせる必要を回避でき、伝熱難燃兼用の充填剤の配合
量を調節することで伝熱性と難燃性の両方に優れる放熱
シートを容易に形成することができる。
【0018】前記の伝熱難燃兼用の充填剤としては、熱
伝導性と難燃性付与性に優れる適宜なものを用いうる。
就中、熱伝導性と難燃性付与性の両立性や非腐食性など
の点より、例えば水酸化アルミニウムや水酸化マグネシ
ウムなどの金属水酸化物が好ましく用いることができ
る。金属水酸化物は、絶縁性にも優れる利点なども有す
る。
【0019】本発明における粘性層の塑性変形性は、小
さい力による良密着性や放熱シートの取扱性などの点よ
り、非押圧時には流動せずにその形状を維持し、押圧で
流動して塑性変形する程度が好ましく、従来の粘着剤か
らなる粘着層の粘性に準じた程度の粘性状態が好まし
い。
【0020】従ってフローテスター(例えば島津製作所
社製、CFT−500)による60℃での測定に基づい
て(ノズル径1.0mm、ノズル長1.0mm、荷重40k
g)、1×104〜1×107ポイズ、就中5×105
5×106ポイズ、特に1×105〜1×106ポイズの
粘度を示す状態としたものが好ましい。
【0021】よって、伝熱難燃兼用の充填剤を含めた良
熱伝導性の充填剤の配合量は、充填剤の形状や粒径、表
面処理の有無、あるいはベースとなる粘性物質の粘度な
どにより、また熱伝導性ないしそれと難燃化作用の両立
性や小さい力による塑性変形性ないし良密着性などの点
より、前記した目的とする粘度に基づいて適宜に決定す
ることができる。
【0022】放熱シートの良好な取扱性や伝熱性等を維
持しつつ、UL−94燃焼試験におけるV−0レベルの
難燃性を達成する点などよりは、伝熱難燃兼用の充填剤
(難燃剤)又はその他の難燃剤を含めた合計量に基づい
て、45容積%以上、就中50〜85容量%、特に55
〜75容量%の難燃剤を含有する組成の粘性層とするこ
とが好ましい。
【0023】なお本発明においては、1種又は2種以上
の良熱伝導性の充填剤ないし伝熱難燃兼用の充填剤を用
いることができる。また例えば燐化合物や有機ハロゲン
化物、三酸化アンチモンや白金ないし白金化合物などの
適宜な公知難燃剤を必要に応じ併用して粘性層に配合す
ることもできる。
【0024】さらに粘性層の形成に際しては、その形成
材に例えば低分子量ポリエチレンや酸化亜鉛、プロセス
オイルやステアリン酸、カーボンブラックや老化(酸
化)防止剤等の加工助剤や特性改良剤などの適宜な添加
剤を必要に応じて配合することもできる。
【0025】粘性層の形成、就中、粘性層の単独物から
なる放熱シートの形成は、例えばセパレータ上に粘性層
形成材を塗工する方式、押出成形方式にて粘性層形成材
をシート状に成形する方式などの適宜な方式で行うこと
ができる。なお粘性層の形成には、1種又は2種以上の
ゴム系材料や合成樹脂等を用いることができる。また粘
性層は、例えば重ね塗り方式や多層押出成形方式などに
より同種又は異種の2層以上の粘性層の重畳層として形
成することもできる。
【0026】粘性層の厚さは、使用目的などに応じて適
宜に決定することができる。塑性変形による被着体への
広面積良密着性や薄型化などの点よりは、0.1〜10
mm、就中0.3〜5mm、特に0.5〜3mmの厚さが好ま
しい。
【0027】本発明による放熱シートは、図2や図3に
例示した如く、粘性層1を弾性基材2の片面又は両面に
付設した形態のものとすることもできる。かかる弾性基
材は、粘性層の保持を目的とし、弾性基材を用いること
によりその弾性変形に基づいて上記した粘性層の塑性変
形による被着体への広面積良密着性が大きく低下するこ
とを防止でき、その広面積良密着性が保証される。
【0028】弾性基材は、弾性を示す適宜な材料にて形
成することができる。ちなみにその例としては、上記の
粘性層で例示したゴム系材料や合成樹脂などがあげられ
る。柔軟性や難燃性、耐熱性や耐腐食性、絶縁性や耐汚
染性などに優れる弾性基材が好ましい。
【0029】弾性基材の形成には、1種又は2種以上の
ゴム系材料や合成樹脂等を用いうる。その際、ゴム系材
料を用いる場合には、弾性や形状の維持性などの点より
加硫ゴムとすることが好ましい。また合成樹脂、就中、
熱可塑性樹脂を用いる場合には、耐熱性の向上などの点
より電子線照射等の適宜な方式で部分架橋させることが
好ましい。
【0030】前記したゴム系材料の加硫処理には、硫黄
系や樹脂系等の適宜な加硫剤を用いうるが、耐腐食性等
の点より過酸化物系加硫剤が好ましく用いうる。ちなみ
にその過酸化物系加硫剤としては、ジ−t−ブチルパー
オキシドやジクミルパーオキシド、α,α'−ビス(t
−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼンな
どが代表例としてあげられるが、本発明にてはこれに限
定されず、公知の過酸化物系加硫剤のいずれも用いう
る。
【0031】また加硫処理に際しては、例えばトリアリ
ルイソシアヌレートやエチレングリコールアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレートやN,
N'−m−フェニレンビスマレイミドなどの適宜な加硫
助剤を併用することもできる。
【0032】弾性基材を用いる場合、粘性層の伝熱性等
を充分に発揮させて放熱効率に優れるシート等とするこ
とを目的に、本発明においてはその弾性基材にも少なく
とも良熱伝導性の充填剤が配合され、難燃性も付与する
場合には伝熱難燃兼用の充填剤が必要に応じ他の難燃剤
と共に配合される。
【0033】前記の良熱伝導性の充填剤や伝熱難燃兼用
の充填剤、さらにはその他の難燃剤としては、上記した
粘性層の場合に準じることができ、従ってその伝熱難燃
兼用の充填剤としては、水酸化アルミニウムが好ましく
用いうる。なお弾性基材の場合にも、伝熱難燃兼用の充
填剤は、シリコーン成分不含有の非シリコーン系のもの
からなる場合に特に有利性を発揮する。
【0034】前記した充填剤等の配合量については、粘
性層の場合に準じうるが、放熱シートの良好な取扱性や
伝熱性等を維持しつつ、UL−94燃焼試験におけるV
−0レベルの難燃性を達成する点などよりは、伝熱難燃
兼用の充填剤(難燃剤)又はその他の難燃剤を含めた合
計量に基づいて、50重量%以上、就中60〜80重量
%、特に65〜75重量%の難燃剤を含有する組成の弾
性基材とすることが好ましい。
【0035】弾性基材の形成は、カレンダー加工方式や
押出成形方式等の適宜な方式でシート状物を得ることに
より行うことができる。その場合、加硫ゴムシートは、
カレンダー加工方式等で形成した未加硫ゴムシートを加
熱処理する方式などの、配合の加硫剤に応じた適宜な加
硫処理を施すことにより得ることができる。なお弾性基
材の形成に際しても、上記した粘性層の場合に準じて加
工助剤や特性改良剤などの適宜な添加剤を配合すること
ができる。
【0036】弾性基材の厚さは、使用目的などに応じて
適宜に決定でき、粘性層より薄くてもよいし、厚くても
よい。粘性層の塑性変形による被着体への広面積良密着
性などの点よりは、粘性層と同厚以下、就中、粘性層の
1/1.1〜1/5倍厚、特に1/2〜1/3倍厚の弾
性基材とすることが好ましい。
【0037】前記の点や薄型化などの点より、弾性基材
の一般的な厚さは、0.1〜3mm、就中0.2〜2mm、
特に0.3〜1mmとされる。なお薄型化の点よりは、放
熱シート全体の厚さを10mm以下、就中5mm以下、特に
1〜3mmとすることが好ましい。
【0038】弾性基材上への粘性層の付設は、例えば弾
性基材上に粘性層形成材を塗工する方式や、セパレータ
上に塗工形成した粘性層を弾性基材上に移着する方式、
二層又は三層の多層押出成形方式等により弾性基材と粘
性層を有するラミネート体を同時形成する方式などの適
宜な方式で行うことができる。
【0039】本発明による放熱シートは、例えば電気部
品や電子部品等の発熱体と放熱フィン等のヒートシンク
の間に介在させる方式等の如く、各種の発熱体とヒート
シンクを放熱シートを介し圧接する方式などの適宜な方
式で用いることができる。その場合、放熱シートの適用
面については特に限定はないが、粘性層を弾性基材の片
面のみに設けたものの場合には、発熱体とヒートシンク
における凹凸の大きい面に粘性層を接着することが好ま
しい。
【0040】
【実施例】
実施例1 高分子量ポリイソブチレン75部(重量部、以下同
じ)、低分子量ポリイソブチレン40部、ポリブテン5
0部、パラフィン系プロセスオイル15部、カーボンブ
ラック2部、ステアリン酸0.5部、及び水酸化アルミ
ニウム粉末450部を混練してなる組成物をベント式押
出機を介し厚さ1.3mmのシートに成形し、その粘性層
からなる放熱シートを得た。
【0041】実施例2 実施例1に準じ水酸化アルミニウム粉末の配合量を35
0部とした混練組成物を得て厚さ1.3mmの粘性層から
なる放熱シートを得た。
【0042】実施例3 EPDM100部、低分子量ポリエチレン10部、酸化
亜鉛5部、パラフィン系プロセスオイル5部、カーボン
ブラック2部、過酸化物系加硫剤2部、トリアリルイソ
シアヌレート1部、フェノール系老化防止剤1部、及び
水酸化アルミニウム粉末300部を混練してなるゴム系
組成物をカレンダーロールを介し厚さ0.7mmのシート
に成形し、それを180℃以下で加熱して加硫ゴムシー
トからなる弾性基材を得、それと実施例1で得た粘性層
をラミネートして二層構造で総厚2mmの放熱シートを得
た。
【0043】実施例4 EPDM100部、低分子量ポリエチレン10部、酸化
亜鉛5部、パラフィン系プロセスオイル5部、カーボン
ブラック2部、過酸化物系加硫剤2部、加硫助剤1部、
フェノール系老化防止剤1部及びチタン系カップリング
剤で表面処理した水酸化アルミニウム粉末200部を混
練してなるゴム系組成物をカレンダーロールを介し厚さ
0.5mmのシートに成形し、それを180℃以下で加熱
して加硫ゴムシートからなる弾性基材を得た。
【0044】高分子量ポリイソブチレン75部、低分子
量ポリイソブチレン40部、ポリブテン50部、パラフ
ィン系プロセスオイル15部、カーボンブラック2部、
ステアリン酸0.5部及びチタン系カップリング剤で表
面処理した水酸化アルミニウム粉末350部を混練して
なる組成物をベント式押出機を介し厚さ1.5mmのシー
トに成形して粘性層を形成し、それを前記弾性基材の片
面にラミネートして放熱シートを得た。
【0045】実施例5 水酸化アルミニウム粉末の配合量を450部とした粘性
層を用いたほかは実施例4に準じて放熱シートを得た。
【0046】実施例6 水酸化アルミニウム粉末の配合量を300部とした弾性
基材を用いたほかは実施例5に準じて放熱シートを得
た。
【0047】比較例1 窒化硼素配合の市販シリコーンゴム系シートからなる厚
さ2mmの放熱シートを用いた。
【0048】比較例2 比較例1に同じ。
【0049】評価試験 実施例、比較例で得た放熱シートの厚さ方向における熱
抵抗値と熱伝導率、及びUL−94燃焼試験による難燃
性(Vレベル)を調べた。なお熱抵抗値は、放熱シート
をトランジスタとヒートシンクの間に配置し0.4kgf
/cm2の圧力で固定して(実施例1〜3、比較例1)、
又はトランジスタに接触させて(実施例4〜6、比較例
2)、そのトランジスタに電流を流して発熱させ放熱シ
ートの表裏面における温度差を測定し、それを入力電力
で割った値を熱抵抗値とするトランジスタ法により調べ
た。また熱伝導率は、レーザーフラッシュ法(実施例1
〜3、比較例1:理学電気社製、熱定数測定装置LF/
TCM−FA8510B(全自動型)、試験温度30
℃)、又は熱伝導率計(実施例4〜6、比較例2:京都
電子工業社製、Kemtherm QTM−D3)にて調べた。
【0050】前記の結果を次表に示した。
【0051】表における実施例1と2、実施例5と4の
対比より、伝熱難燃兼用の充填剤の配合量が多いほど、
伝熱性と難燃性の両方を向上させうることがわかる。ま
た実施例では、比較例に比べて熱伝導率が低いにも拘ら
ず、熱抵抗値は殆ど差がなく、実用性の点では熱抵抗値
の方が実際の使用状態に近い特性を示すことより、熱伝
導率の低さを粘性層による広面積良密着性が補償して、
比較例にほぼ匹敵する伝熱性を示すことがわかる。
【0052】一方、難燃性の点では、比較例が良伝熱性
達成のため熱伝導性粉末を多量に含有して難燃材として
の特性を実質的に示さなかったのに対し、実施例では優
れた難燃性を示し、伝熱難燃兼用の充填剤を用いること
で伝熱性と難燃性が両立した放熱シートが得られ、UL
−94におけるV−0レベルの難燃性も達成できること
がわかる。
【0053】特に実施例1,3,5,6で明らかなよう
に、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物からなる伝熱
難燃兼用充填剤の単独系にて、従って有害物質発生の懸
念があるハロゲン系やリン系やアンチモン系の難燃剤を
併用する必要なくV−0レベルの難燃性を達成できてお
り、これより環境問題対策としても有用であることがわ
かる。さらに金属水酸化物の単独使用によるV−0レベ
ルの達成には大量配合の必要があり、通例そのような組
成物の調製は困難であるが、本発明にてはその点にても
大量配合の必要なくV−0レベルの難燃性を達成できて
いることがわかる。
【0054】なお実施例1と2と3、実施例4と5と6
の対比より、前記のUL−94:V−0レベルは、各実
施例の組成で伝熱難燃兼用の充填剤の配合量、特に粘性
層におけるその配合量を約65重量%以上、就中約70
重量%以上とすることで達成できることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の説明図
【図2】他の実施例の説明図
【図3】さらに他の実施例の説明図
【符号の説明】
1,3:粘性層 2:弾性基材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 良熱伝導性の充填剤を少なくとも含有
    し、押圧により塑性変形する粘性層を少なくとも有する
    ことを特徴とする放熱シート。
  2. 【請求項2】 請求項1において、粘性層が良熱伝導性
    の充填剤を少なくとも含有する弾性基材の片面又は両面
    に付設されてなる放熱シート。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、粘性層又は弾
    性基材が含有する充填剤が難燃剤を兼ねるものである放
    熱シート。
JP6431098A 1997-06-16 1998-02-26 放熱シート Pending JPH1174667A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6431098A JPH1174667A (ja) 1997-06-16 1998-02-26 放熱シート

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-176459 1997-06-16
JP17645997 1997-06-16
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7254035B2 (en) 2000-10-25 2007-08-07 Sony Computer Entertainment Inc. Circuit substrate unit and electronic equipment
US7709098B2 (en) 2004-06-14 2010-05-04 3M Innovative Properties Company Multi-layered thermally conductive sheet
WO2014155977A1 (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 パナソニック株式会社 放熱シートおよびこれを用いた放熱構造体
US10091868B2 (en) 2014-09-17 2018-10-02 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Heat dissipating sheet and heat dissipating structure using same

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