JPH1174207A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH1174207A
JPH1174207A JP23551597A JP23551597A JPH1174207A JP H1174207 A JPH1174207 A JP H1174207A JP 23551597 A JP23551597 A JP 23551597A JP 23551597 A JP23551597 A JP 23551597A JP H1174207 A JPH1174207 A JP H1174207A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不純物活性化アニールの際に、熱処理用保護
膜による基板表面への熱応力の集中を緩和する。 【解決手段】 不純物活性化のための活性化アニールに
先立ち、半導体基板(例えばGaAs基板10)の第1
面には、熱処理用第1保護膜として、活性化アニール時
における化学的安定性が高くかつアニール後における基
板からの剥離性の高い材料、例えばSiN膜12を形成
する。更に、基板10の第2面には、熱処理用保護膜と
して半導体基板と熱膨張係数の類似した材料、例えばA
lN膜14を形成する。そして、第1及び第2面にそれ
ぞれ熱処理用保護膜を形成した後、活性化アニールを行
う。このように第2面には、第1面とは異なり、基板と
熱膨張係数の近似した材料を用いた保護膜を形成するこ
とで、半導体基板の変形を積極的に促し熱応力の集中が
軽減する。よって、基板結晶への欠陥の導入が減少し、
注入不純物の化活性化能率の向上が図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置の製
造方法に係るものであり、注入した不純物を活性化する
ためのアニール処理、特に、化合物半導体に注入した不
純物活性化のための活性化アニールを基板表面に熱処理
用保護膜を形成して行うキャップアニール処理に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電界効果トランジスタなどの半導体素子
の活性層(チャネル層)などは、半導体基板に不純物を
イオン注入して形成することが多いが、注入した不純物
をキャリアとして機能させるには、注入不純物を所望の
結晶格子位置に配置し、かつ注入時に生じた半導体基板
の結晶欠陥を回復しなければならない。このため、従来
より不純物注入層を機能させるために、活性化アニール
処理と称される高温の熱処理が行われている。ところ
が、化合物半導体に対してこのような高温熱処理を直接
施そうとした場合、化合物構成元素の物性の違い、即
ち、解離圧力の差などにより、化合物半導体自身の組成
バランスが失われてしまう。その結果、本来の目的であ
る不純物の活性化が全く起こらないことになってしまう
可能性がある。
【0003】例えば、GaAs化合物半導体の場合、n
型の活性層を得ようとする際には、通常、不純物として
Siをイオン注入し、Ga格子位置にSiイオンを配置
させることになる。この際に必要な活性化アニール処理
温度は850℃程度となる。ところが、GaAsを構成
するGaとAsの平衡蒸気圧は、850℃にてそれぞれ
Ga:1×10-7torr、As:1.5×10-6to
rrであり、As圧の方が約1桁高い。このため850
℃の加熱を行うと、その際Asが、GaAs結晶表面か
ら蒸散することになり、熱処理の後は、GaとAsのス
トイキオメトリ(化学量論組成)がズレてしまうという
結果となる。これらの事情を回避する手法としては、瞬
時アニール法や、構成元素の解離を防止するための熱処
理用保護膜を基板表面に形成してアニールを行うキャッ
プアニール法、又は解離性の強い構成元素(GaAsの
場合As)の蒸気圧下で熱処理するキャップレスアニー
ル法などが知られている。
【0004】これらの内、キャップアニール法は、最も
簡単な熱処理炉を用いて処理でき、広く採用されてい
る。従来、このキャップアニール法で用いられる熱処理
用保護膜の構成は、加熱時の基板変形を避けるため、表
裏、つまり第1面及び第2面に同種類の膜を被覆させて
いる。また、その膜材料としては、SiNが良いと考え
られている。その理由としては、保護膜として採用され
る条件が次のようなものであり、SiN膜がこれらの条
件の多くを満たしているからである。
【0005】(i)高温でのアニール処理時に、基板結
晶の表面から構成元素が蒸散するのを防止し、基板構成
元素の外部拡散や保護膜中への拡散に対しても十分な障
壁となること (ii)保護膜と結晶界面が熱的に安定で、基板と反応し
たり、保護膜自身の結晶内部への散拡がないこと (iii)半導体基板結晶に対する密着性がよく、保護膜
にピンホールやクラックが発生しないこと (iv)アニール後の保護膜の除去が容易であること 図3は、実際にSiN膜をGaAs基板に被覆した状態
を示している。図3において、SiN膜の膜厚は100
0Åとしている。この保護膜の膜厚は、保護膜として膜
厚が厚ければ厚いほど信頼できるものとなるが、膜自身
の耐熱性から1500Å程度が限界となる。図3に示す
ように、SiN膜は、基板の第1面及び第2面の両方に
形成されている。これは、活性化アニール時には基板全
体が加熱されるので第1面及び第2面の両方を保護する
ためである。
【0006】このようにGaAs基板の表面をSiN膜
で被覆して加熱処理を行うと、図4に示すように保護膜
とGaAs結晶基板表面との間(界面)では、基板中の
Asの解離圧を支える形で保護膜が作用する。このた
め、界面からのAsの離脱を押さえながら加熱処理でき
ることになる。つまり、GaAs母体結晶のストイキオ
メトリが維持されることになり、母体結晶の崩壊を伴わ
ず、アニール処理を行うことが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、デバイ
ス設計上の理由などから、活性層を表面のごく近傍(浅
い所)に形成しようとした場合、上述の方法では注入不
純物の活性化能率が著しく低下することが知られてい
る。
【0008】この原因は、図5に示すように、第1面と
第2面に同じSiN膜を形成していることにある。つま
り、図3に示した構造で基板が加熱されると、第1面、
第2面の保護膜内にそれぞれ生ずる熱応力が釣り合う形
となり、GaAs基板の加熱変形が全く生じないことに
なる。その結果、加熱処理時に生じた熱応力は、全て基
板表面と保護膜との界面をせん断する方向に集中してし
まい、結果として、GaAs基板表面に熱応力が集中す
ることとなる。このように界面に応力が生ずることで、
GaAs基板の結晶内に欠陥が導入されてしまい、最終
的に、不純物の所望の活性化が達成されなくなるのであ
る。
【0009】上記課題を解決するために、この発明は、
半導体基板に注入された不純物を活性化するための活性
化アニールの際に、熱処理用保護膜による基板表面への
熱応力の集中を緩和する方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明は、半導体基板に注入された不純物を活性化
するための活性化アニールに先立ち、前記半導体基板の
第1面に、前記活性化アニール時における化学的安定性
が高くかつアニール後における基板からの剥離性の高い
材料からなる熱処理用第1保護膜を形成し、更に、前記
半導体基板の第2面に前記半導体基板と熱膨張係数の類
似した材料からなる熱処理用第2保護膜を形成し、前記
第1及び第2面にそれぞれ前記保護膜を形成した後、前
記活性化アニールを行う。
【0011】また、この発明では、半導体基板は、例え
ば、化合物半導体基板であり、この化合物半導体基板の
第2面に、化合物半導体基板と熱膨張係数の類似した材
料からなる熱処理用第2保護膜を形成する。
【0012】この発明では、上記のように基板の表裏面
である第1面、第2面に同種類の保護膜を成膜するので
はなく、異なる種類の保護膜を第1面と第2面とに形成
する。そして、第2面には基板と熱膨張係数の類似した
材料を用いた保護膜を形成することで、半導体基板の変
形を積極的に促し、熱応力の集中を軽減させる。特に、
上述のGaAs基板のアニールキャップ方法における条
件を満足する膜としては、SiN膜が有望である点を考
慮し、第1面、例えば半導体素子の活性層などを形成す
るための不純物の注入層面側に、SiN膜を形成する。
また基板の第2面には、GaAs基板の熱膨張係数に近
い膨張係数を有する膜としてAlN膜を形成し、アニー
ル時に、第1面側のSiN膜とGaAs表面とが密着し
て変形することを妨害しないようにする。
【0013】このようにそれぞれ特性の異なる熱処理用
保護膜を第1面及び第2面に形成することで、熱処理用
保護膜と半導体基板(例えば、GaAs基板)の表面と
の密着構造による基板の熱変形が許容され、加熱処理中
においても、その変形により、熱応力の集中を分散・軽
減できる。従って、界面に働く応力を低下させて、基板
表面からの結晶欠陥の導入を回避することが可能とな
る。結晶欠陥の導入が回避されることは、半導体素子の
活性層などを基板の第1面の表層付近に構成しようとす
る場合などにおいて、特に有利となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いてこの発明の好
適な実施の形態(以下実施形態という)について説明す
る。
【0015】図1は、この発明の実施形態に係る活性化
アニール前の半導体基板の構成を示している。半導体基
板、ここではGaAs基板10の第1面側には不純物
(例えばSi)がイオン注入されて注入層16が形成さ
れており、その第1面を覆うように熱処理用第1保護膜
として1000Åの厚さにSiN膜12が形成されてい
る。また、裏面である第2面側には熱処理用第2保護膜
として1000Åの厚さにAlN膜14が形成されてい
る。なお、これらの膜厚は、一例であって、必ずしも1
000Åとする必要はない。
【0016】第1面側の保護膜にSiN膜12を選択し
た理由は、SiN膜12がアニール時に化学的安定性に
優れていることと、処理後の基板10からの剥離性が良
いためである。また、第2面側の保護膜にAlN膜14
を用いたのは、AlNの熱膨張係数がGaAs結晶のそ
れと類似しているためである。GaAsと、SiNであ
るSi34、AlNの各熱膨張係数は下記表1の通りで
ある。GaAsの熱膨張係数6.8×10-6/℃に対
し、Si34は3.2×10-6/℃、そしてAlNは
6.1×10-6/℃であり、AlNの熱膨張係数は、G
aAs母体結晶に非常に近い。このため、AlN膜14
の形成された第2面側は、あたかも保護膜が無いかのよ
うに変形することが可能となる。
【0017】
【表1】 上記AlN膜14を第1面側の熱処理用保護膜として採
用しなかったのは、膜の剥離性があまり良くないためで
ある。剥離性が悪いと活性化アニールによって例えば注
入層16が活性層となっても、アニール後に表面にAl
N膜14が残存して、デバイス構造を構築しようとした
際に不都合となるためである。
【0018】図2は、図1に示したGaAs基板を加熱
した際の基板の挙動を示している。実際にどのような変
形が生じ、どの程度の界面の応力を軽減し得るかという
ことについては、採用するSiN膜やAlN膜の特性・
膜厚に繊細に依存するが、該略すると図2のようになる
と考えられる。第1面に形成されたSiN膜12は、熱
膨張係数がGaAsと異なっているので、アニール時に
SiN膜12とGaAs基板10との界面に応力が働
き、これによりGaAs基板10は変形しようとする。
従来のように第2面にも同じSiN膜が形成されている
と、基板の変形が妨げられるが、この実施形態の場合に
は、第2面にGaAsと熱膨張係数の類似したAlN膜
14が形成されている。よって、GaAs基板10の第
1面と第2面とで生ずる応力は釣り合わず、またAlN
膜14はGaAs基板10とほぼ同じように熱膨張す
る。従って、GaAs基板10は、AlN膜14の存在
によって妨げられることなく図2のように変形できる。
このため基板10の界面をせん断するような熱応力の集
中が緩和される。
【0019】実際に、アニール時におけるGaAs基板
10がどのように変形するかは、実測する以外に手段が
ないが、850℃といった熱雰囲気で基板の変形を直接
観察することは困難である。そこで、この実施形態の構
成と従来の構成について、基板の変形が可能かどうかに
より不純物活性化能率にどのような差が現れるかを評価
してみた。
【0020】この評価では、67KeVでSiを3×1
12 atoms/cm-2注入したGaAsウェハー(厚み6
00μm)を用い、図3に示すような両面にSiN膜を
形成して得たサンプル(従来型サンプル)と、図1に示
すような第1面にSiN膜、第2面にAlN膜を形成し
たサンプル(本発明型サンプル)とを形成し、2種類の
サンプルを同時にアニール加熱処理を施した。また、活
性化能率の評価は、ホール効果測定によりキャリア総量
を測定し、これとSiの注入総量との比を採って行って
いる。結果は、下記表2に示すようになっている。
【0021】
【表2】 従来型サンプルが活性化能率41%であるのに対し、本
発明型サンプルでは45%の活性化能率が得られてお
り、上述のように第2面に基板と熱膨張係数の類似した
材料からなる熱処理用第2保護膜を形成することによ
り、活性化能率の向上が図られていることがわかる。ま
た、第1面には化学的安定性と剥離性に優れた材料から
なる熱処理用第1保護膜を形成する。この熱処理用第1
保護膜として要求される条件を満たすような保護膜、例
えばSiN膜を用いることでGaAsの界面が汚染され
ることがなく、そGaAsのストイキオメトリを維持し
ながらアニール処理を行うことが可能となる。また、ア
ニール後に半導体素子が形成される第1面の保護膜の剥
離性が良い、保護膜が一部残存するといった問題が防止
され、半導体素子製造の上で有利となっている。
【0022】
【発明の効果】以上、説明したようにこの発明によれ
ば、同一種類の熱処理用保護膜を半導体基板の第1面と
第2面に形成する従来のキャップアニール法に比して、
本発明によるキャップアニール法の方が高い活性化能率
が得られている。このように高い活性化能率が得られれ
ば、活性化能率に見合った注入量の再調整を行うこと
で、不純物の注入総量を低減でき、また活性化に寄与し
ないSiの残留量も小さく抑えられる。よって、アニー
ル後に得られるキャリアとしてのモビリティーも高い状
態で得られることになる。そして、このような活性化ア
ニールによって形成された活性層を用いてMESFET
(Metal Semiconductor 電界効果トランジスタ)などの
素子を形成した半導体装置では、その動作速度をより高
速とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る熱処理用保護膜で被
覆したGaAs基板を示す図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る熱処理用保護膜で被
覆した場合の界面応力軽減機構を示す概念図である。
【図3】 GaAs基板の両面をSiN膜で被覆した従
来のGaAs基板を示す図である。
【図4】 850℃熱雰囲気中における従来のGaAs
基板の表面を説明する図である。
【図5】 加熱中に従来のGaAs基板の界面に働く膜
応力を説明する図である。
【符号の説明】
10 GaAs基板、12 SiN膜、14 AlN
膜、16 注入層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板に注入された不純物を活性化
    するための活性化アニールに先立ち、 前記半導体基板の第1面に、前記活性化アニール時にお
    ける化学的安定性が高くかつアニール後における基板か
    らの剥離性の高い材料からなる熱処理用第1保護膜を形
    成し、更に、前記半導体基板の第2面に前記半導体基板
    と熱膨張係数の類似した材料からなる熱処理用第2保護
    膜を形成し、 前記第1及び第2面にそれぞれ前記保護膜を形成した
    後、前記活性化アニールを行う半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 化合物半導体基板に注入された不純物を
    活性化するための活性化アニールに先立ち、 前記化合物半導体基板の第1面に、前記活性化アニール
    時における化学的安定性が高くかつアニール後における
    基板からの剥離性の高い材料からなる熱処理用第1保護
    膜を形成し、更に、前記化合物半導体基板の第2面に前
    記化合物半導体基板と熱膨張係数の類似した材料からな
    る熱処理用第2保護膜を形成し、 前記第1及び第2面にそれぞれ前記保護膜を形成した
    後、前記活性化アニールを行う半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 GaAs半導体基板に注入された不純物
    を活性化するための活性化アニールに先立ち、 前記GaAs半導体基板の第1面に熱処理用第1保護膜
    としてSiN膜を形成し、前記GaAs半導体基板の第
    2面に熱処理用第2保護膜としてAlN膜を形成し、 その後前記活性化アニールを行う半導体装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか一つに記
    載の半導体装置の製造方法において、 前記半導体基板の第1面は、不純物注入層の形成面であ
    る半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112687526A (zh) * 2020-12-25 2021-04-20 广东省科学院半导体研究所 氮化物半导体材料的制备方法及其退火处理方法

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CN112687526A (zh) * 2020-12-25 2021-04-20 广东省科学院半导体研究所 氮化物半导体材料的制备方法及其退火处理方法

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