JPH1173658A - 光学ヘッド及び、情報記録・再生装置 - Google Patents

光学ヘッド及び、情報記録・再生装置

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JPH1173658A
JPH1173658A JP10181265A JP18126598A JPH1173658A JP H1173658 A JPH1173658 A JP H1173658A JP 10181265 A JP10181265 A JP 10181265A JP 18126598 A JP18126598 A JP 18126598A JP H1173658 A JPH1173658 A JP H1173658A
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Akihiro Arai
昭浩 荒井
Takuo Hayashi
卓生 林
Toru Nakamura
徹 中村
Takayuki Nagata
貴之 永田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光ディスクのラジアル方向の傾きや、対物レン
ズの移動を原因として生じるトラッキングエラー信号の
オフセットが少なく、小型化および集積化が可能な光学
ヘッドを提供すること。 【解決手段】対物レンズ2と、3つの分割線3a〜3c
により分割された6つの領域を有する複合回折素子3
と、発光素子および複数の受光素子が配置された基板5
により光学ヘッドが構成されており、複合回折素子3に
より分割された複数の光束のうち、分割線3bと3cの
間を通過して生成された光束を受光した受光素子からの
信号に基づいて、フォーカスエラー信号とトラッキング
エラー信号を生成し、そのトラッキングエラー信号の生
成に際し、分割線3bと3cの外側を通過して生成され
た光束を受光した受光素子からの信号を利用して、対物
レンズの移動に伴い生ずるトラッキングエラー信号のオ
フセットを補正する構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクなどの
情報記録媒体に光学的に情報を記録、再生、または消去
を行う光学ヘッド、及びそれを用いた情報記録・再生装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、プッシュプル信号によってト
ラッキングエラー信号を生成する方式の光学ヘッドは、
簡単な構成の光学系で実現できるという利点から広く採
用されているが、トラッキング方向の対物レンズ移動に
伴い、トラッキングエラー信号にオフセットが生じると
いう欠点がある。この欠点を補う技術が、特開平8−3
06057および特願平7−280372に開示されて
いる。
【0003】以下図面を参照しながら、従来の技術につ
いて説明する。図18に第1の従来の技術である特開平
8−306057の光学ヘッドの構成を示す。図18に
おいて、74は光学ヘッドの光軸、75は光源、76、
77はハーフミラー、78は対物レンズ、79は対物レ
ンズをXおよびY方向に移動させるアクチュエータ、8
0は情報記録媒体である光ディスク、81は6分割受光
素子(図中では、光軸74との位置関係を示す図と検出
状態を示す図とを並記している)、81a〜81cは6
分割受光素子81の分割線、82a〜82fは分割され
た各受光領域、83は演算回路である差動アンプ、84
は6分割受光素子81上の光束、88はフォーカス制御
部、89はトラッキング制御部である。
【0004】次に、以上のように構成された光学ヘッド
の動作を説明する。光源75より発せられた光は、ハー
フミラー76で反射後、対物レンズ78により光ディス
ク80の情報記録面に集光され、光スポットを形成す
る。光ディスク80上には情報トラックが形成されてお
り、この情報トラックの方向は、図18では紙面に垂直
方向である。光ディスク80からの反射光は、対物レン
ズ78およびハーフミラー76を透過後、ハーフミラー
77で2つの光束に分離される。ハーフミラー77で反
射した光束は、フォーカス制御部88に入射し、透過し
た光束は、6分割受光素子81に入射する。
【0005】図中の結線による加算と、差動アンプ83
による差動演算で、トラッキングエラー信号が生成さ
れ、トラッキング制御部89に導かれる。フォーカス制
御部88は、フォーカスエラー信号を検出し、光ディス
クの情報記録面に集光すべくアクチュエータ79を制御
する。トラッキング制御部89は、検出されたトラッキ
ングエラー信号により、情報トラックの中心に光スポッ
ト導くようにアクチュエータ79を制御し、対物レンズ
78を光学ヘッドの光軸74を基準としてX方向の+お
よび−の向きに移動させる。
【0006】図19(a)に、対物レンズ78が基準位
置にある場合、図19(b)に、対物レンズが、X方向
の+向きに移動した場合について、各々6分割受光素子
81上の光束84の位置を示す。光束84の2つの斜線
部は、光ディスク80で回折された0次の回折光束と+
1次および−1次回折光束とが干渉する領域を示す。
【0007】図19(a)において、光束84は分割線
81aに関して対称に位置するため、差動アンプ83の
出力信号はオフセットのないトラッキングエラー信号と
なる。一方、図19(b)では、光束84が右方向に移
動しているため分割線81aに関する対称性は崩れ、各
領域に含まれる光束の面積は、領域82b、82dおよ
び82fが増え、領域82a、82cおよび82eが減
る。各受光領域で検出された信号を各領域名で表し、ト
ラッキングエラー信号をTEとすると差動アンプ83に
よる演算は、
【0008】
【数3】TE=82a+82e+82d−k*(82b
+82f+82c) である。ここで、kは補正係数である。プッシュプル信
号成分は、斜線部の干渉領域を主に含む領域82cおよ
び82dに現れ、他の領域には主に光束の移動によるオ
フセット成分が現れている。従って、補正係数kに適切
な値を設定すると、(数3)の演算により、対物レンズ
の移動に伴い生じるオフセットが補正されたトラッキン
グエラー信号が得られる。
【0009】次に、第2の従来の技術である特願平7−
280372の光学ヘッドについて説明する。この光学
ヘッドの構成は、前述の第1の従来の技術の構成と、受
光素子の分割方法以外は同様であるため、その構成図を
省略し、多分割された受光素子の構成のみについて説明
する。
【0010】図20(a)は、8分割された受光素子の
上面図である。85a〜85cは、8分割受光素子85
の分割線、86aから86hは分割された各受光領域、
87は8分割受光素子85上の光束、同図中の斜線部は
遮光された領域である。
【0011】この第2の従来の技術の光学ヘッドの動作
は、ほとんど前述の第1の従来の技術の光学ヘッドと同
様であるから、その動作の説明は省略し、上記のように
8分割受光素子を構成したことにより備わった特徴につ
いてのみ説明する。図20(b)は、光ディスクがラジ
アル方向に傾いたときに生じる、光束87の光量分布
を、模式的に示したものであり、光強度の大きさを斜線
の濃度で表した。尚、同図においては、斜線の密度の高
い程、光強度が強いことを示している。同図は、光ディ
スクのラジアル方向の傾きにより、光束の中央部に、光
強度が非対称な部分が発生することを示しており、この
強度分布の非対称により、プッシュプル信号にオフセッ
トが発生する。このとき、図20(a)に示した斜線部
のように、遮光された領域が中央部に存在すると、図2
0(b)に示したような光強度が非対称な部分の影響を
低減できる。トラキングエラー信号TEは、各領域で検
出された信号を領域名で表すと、
【0012】
【数4】TE=86c+86e−(86d+86f)−
k*{86a+86g−(86b+86h)} という演算で得られる。ここで、kは補正係数である。
【0013】以上のように、第1の従来の技術によれ
ば、対物レンズのトラッキング方向の移動に伴い発生す
るトラッキング信号のオフセットを補正することが可能
となり、第2の従来の技術によれば、更に、光ディスク
のラジアル方向の傾きにより発生するトラッキング信号
のオフセット低減をも可能となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来の技術では、トラッキングエラー検出のため
の光束分割を受光素子上で行うため、フォーカスエラー
信号検出と、トラッキングエラー信号検出とで別々の光
学系を必要とする。従って、トラッキングエラー検出光
学系の構成は簡単であっても、光学ヘッドの小型化およ
び集積化は困難という課題を有していた。
【0015】本発明は、以上のような従来の課題を考慮
し、フォーカスエラー検出およびトラッキングエラー検
出のための光学系を共通化し、光ディスクのラジアル方
向の傾きや、対物レンズの移動を原因として生じる、ト
ラッキングエラー信号のオフセットを低減することによ
り、小型化および集積化が可能であり、且つ安定な動作
を特徴とする光学ヘッドを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために、本発明の光学ヘッド(請求項1記載の光学
ヘッドに対応)は、発光素子と、複数の受光素子と、前
記発光素子からの光を情報記録媒体の面に集光させる対
物レンズと、前記発光素子と前記対物レンズとの間の光
路中に配置され、前記情報記録媒体で反射し再び前記対
物レンズを通過した光束を、空間的に複数の光束に分割
し、前記複数の受光素子に導く複合回折素子と、前記複
数の受光素子で検出された信号の全部又は一部に基づい
て、フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号と
を生成する信号生成手段とを備え、前記トラッキングエ
ラー信号の前記生成に際し、前記対物レンズの移動に伴
い生ずる又は、前記情報記録媒体の面の傾きにより生じ
る、トラッキング信号のオフセットを補正することが考
慮されている光学ヘッドである。
【0017】又、本発明の光学ヘッド(請求項3記載の
光学ヘッドに対応)は、上記複合回折素子は、前記情報
記録媒体の情報トラックの方向と実質上平行な第1の分
割線と、その第1の分割線と実質上直交し且つ前記対物
レンズの光軸に対して実質上対称な第2および第3の分
割線とにより分割された6つの領域を有しており、前記
信号生成手段は、(1)前記6つの領域の内、前記第2
および第3の分割線の間に配置された2つの領域を通過
することにより生成された複数の光束の前記受光素子に
よる検出信号に基づいて、前記フォーカスエラー信号と
トラッキングエラー信号とを生成し、又、(2)前記6
つの領域の内、前記第2および第3の分割線の外側に配
置された4つの領域を通過することとにより生成された
複数の光束の前記受光素子による検出信号に基づいて、
前記対物レンズの移動に伴い生ずるトラッキングエラー
信号のオフセットを補正するオフセット補正信号を生成
し、前記トラッキングエラー信号の生成に際し、前記生
成されたオフセット補正信号を利用する光学ヘッドであ
る。
【0018】又、本発明の光学ヘッド(請求項4記載の
光学ヘッドに対応)は、上記第2および第3の分割線の
間の前記2つの領域の各々は、回折格子パターンにより
形成されており、これら2つの領域を通過した光束は、
+1次および−1次回折光として4つの光束に分割され
るものであり、前記信号生成手段は、これら4つの光束
の内、2つの光束を受光した前記受光素子による検出信
号に基づいて前記フォーカスエラー信号を生成し、他の
2つの光束を受光した前記受光素子による検出信号に基
づいて前記トラッキングエラー信号を生成する光学ヘッ
ドである。
【0019】又、本発明の光学ヘッド(請求項6に記載
の光学ヘッドに対応)は、上記複合回折素子は、前記情
報記録媒体の情報トラックの方向と実質上平行な第1の
分割線と、その第1の分割線と実質上直交し且つ前記対
物レンズの光軸に対して実質上対称な第2および第3の
分割線と、それら第2及び第3の分割線と平行で且つ等
距離に位置する第4の分割線と、により分割された8つ
の領域を有しており、前記信号生成手段は、(1)前記
8つの領域の内、前記第2および第3の分割線の間に配
置された4つの領域を通過することにより生成された光
束の前記受光素子による検出信号に基づいて、前記フォ
ーカスエラー信号とトラッキングエラー信号とを生成
し、又、(2)前記8つの領域の内、前記第2および第
3の分割線の外側に配置された4つの領域を通過するこ
とにより生成された光束の前記受光素子による検出信号
に基づいて、前記対物レンズの移動に伴い生ずるトラッ
キングエラー信号のオフセットを補正するオフセット補
正信号を生成し、前記トラッキングエラー信号の生成に
際し、前記生成されたオフセット補正信号を利用する光
学ヘッドである。
【0020】又、本発明の光学ヘッド(請求項7記載の
光学ヘッドに対応)は、上記第2および第3の分割線の
間の前記4つの領域の各々は、回折格子パターンにより
形成されており、これらの領域を通過する光束は、+1
次および−1次回折光として8つの光束に分割されるも
のであり、前記信号生成手段は、これら8つの光束の
内、4つの光束を受光した前記受光素子による検出信号
に基づいて前記フォーカスエラー信号を生成し、他の4
つの光束を受光した前記受光素子による検出信号に基づ
いて前記トラッキングエラー信号を生成する光学ヘッド
である。
【0021】又、本発明の光学ヘッド(請求項10記載
の光学ヘッドに対応)は、上記複合回折素子の前記第2
および第3の分割線との間の前記4つの領域に加え、更
に、前記第4の分割線に関して対称な第5および第6の
分割線と、前記第4の分割線とにより分割された2つの
領域を有しており、前記第5および第6の分割線の間の
領域内部の回折格子パターンの形成、及び前記受光素子
の配置は、前記2つの領域を通過して生成された複数の
光束が、前記フォーカスエラー信号を検出する受光素子
には受光され、且つ、前記トラッキングエラー信号を生
成するための受光素子には受光されないようになされて
いる光学ヘッドである。
【0022】又、本発明の光学ヘッド(請求項11に記
載の光学ヘッドに対応)は、上記複合回折素子の前記第
2および第3の分割線との間の4つの領域に加え、更
に、前記第4の分割線に関して対称な第5および第6の
分割線と、前記第4の分割線とにより分割された2つの
領域を有しており、前記第4および第5の分割線の間の
領域を通過して生成された光束と、前記第4および第6
の分割線の間の領域を通過して生成された光束とが、プ
ッシュプル信号を検出する対となる受光素子に、各々均
等に受光されるように、前記第5および第6の分割線の
間の2つの領域内部の回折格子パターンが構成されてい
る光学ヘッドである。
【0023】尚、プッシュプル信号を検出する対となる
受光素子に、上記領域を通過した光束を、均等に入射さ
せ、差動演算により相殺されるようにする構成でもよ
い。
【0024】又、本発明の光学ヘッド(請求項12に記
載の光学ヘッドに対応)は、上記第2および第3の分割
線の間の2つの領域は、それぞれ複数の帯状分割部を有
し、前記2つの領域の内、(1)一方の領域における一
つおきに配置された帯状分割部の集合を第1の帯状分割
集合体とし、残りの帯状分割部の集合を第2の帯状分割
集合体とし、(2)他方の領域における一つおきに配置
された帯状分割部の集合を第3の帯状分割集合体とし、
残りの帯状分割部の集合を第4の帯状分割集合体とする
ものであり、前記複数の受光素子は、これら第1〜第4
の帯状分割集合体での回折光を受光する、第1の3分割
受光素子と第2の3分割受光素子と、第3から第6の受
光素子とを含むものであり、前記第1及び第4の帯状分
割集合体の領域内部の回折格子パターンは、(1)前記
第1の帯状分割集合体を通過した光束が、+1次および
−1次回折光として2つの光束に分割され、前記第4の
帯状分割集合体を通過した光束が、+1次および−1次
回折光として2つの光束に分割されるとともに、(2)
(a)前記第1の帯状分割集合体を通過した2つの光束
の内の一方の光束と、前記第4の帯状分割集合体を通過
した2つの光束の内の一方の光束とが前記第1の3分割
受光素子の異なる位置に入射し、(b)前記第1の帯状
分割集合体を通過した2つの光束の内の他方の光束は、
前記第3の受光素子に入射し、且つ、(c)前記第4の
帯状分割集合体を通過した2つの光束の内の他方の光束
は、前記第4の受光素子に入射するように、形成されて
おり、前記第2及び第3の帯状分割集合体の領域内部の
回折格子パターンは、(3)前記第2の帯状分割集合体
を通過した光束が、+1次および−1次回折光として2
つの光束に分割され、前記第3の帯状分割集合体を通過
した光束が、+1次および−1次回折光として2つの光
束に分割されるとともに、(4)(a)前記第2の帯状
分割集合体を通過した2つの光束の内の一方の光束と、
前記第4の帯状分割集合体を通過した2つの光束の内の
一方の光束とが前記第2の3分割受光素子の異なる位置
に入射し、(b)前記第2の帯状分割集合体を通過した
2つの光束の内の他方の光束は、前記第5の受光素子に
入射し、且つ、(c)前記第3の帯状分割集合体を通過
した2つの光束の内の他方の光束は、前記第6の受光素
子に入射するように、形成されており、前記第1および
第2の3分割受光素子で検出された信号に基づいて、前
記フォーカスエラー信号を生成し、前記第3〜第6の受
光素子で検出された信号に基づいて、前記トラッキング
エラー信号を生成し、前記複合回折素子の第2及び第3
の分割線の外側の4つの領域の回折光を受光し、検出さ
れた信号に基づいて、前記対物レンズの移動に伴い生ず
るトラッキングエラー信号のオフセットを補正するオフ
セット補正信号を生成する光学ヘッドである。
【0025】又、本発明の光学ヘッド(請求項15に記
載の光学ヘッドに対応)は、上記第2および第3の分割
線の間には、前記帯状分割集合体を分割する位置に、前
記双方の分割線に実質上平行な第5及び第6の分割線に
挟まれた領域が設けられており、前記第5及び第6の分
割線に挟まれた領域は複数の帯状分割部を有し、それら
複数の帯状分割部の内、一つおきに配置された帯状分割
部の集合を第5の帯状分割集合体とし、残りの帯状分割
部の集合を第6の帯状分割集合体とするものであり、前
記第5及び第6の帯状分割集合体を通過して生成された
光束が、前記フォーカスエラー信号を検出する受光素子
には受光され、且つ、前記トラッキングエラー信号を生
成するための受光素子には受光されないように、前記第
5及び第6の帯状分割集合体の領域内部の回折格子パタ
ーンと受光素子とが構成されている光学ヘッドである。
【0026】尚、プッシュプル信号を検出する対となる
受光素子に、上記領域を通過した光束を、均等に入射さ
せ、差動演算により相殺されるようにする構成でもよ
い。
【0027】又、本発明の光学ヘッド(請求項18に記
載の光学ヘッドに対応)は、上記複合回折素子における
光束分割は、通過する光束の直径をD、前記情報記録媒
体側の対物レンズの開口数をNA、波長をλ、情報トラ
ックのピッチをd、第2および第3の分割線の間隔をV
としたとき、
【0028】
【数5】 を満足する光学ヘッドである。
【0029】又、本発明の光学ヘッド(請求項19に記
載の光学ヘッドに対応)は、上記複合回折素子における
光束分割は、前記第5および第6の分割線の間隔をW、
前記対物レンズの情報媒体側の開口数をNA、波長を
λ、情報トラックのピッチをd、複合回折素子上での光
束直径をDとすると、
【0030】
【数6】 を満足する光学ヘッドである。
【0031】又、本発明の情報記録・再生装置(請求項
23に記載の情報記録・再生装置に対応)は、上記のい
ずれかの光学ヘッドと、その光学ヘッドからの信号に基
づき、制御を行う制御回路と、その制御回路からの制御
信号により機構的駆動を行う駆動部と、を備えた情報記
録・再生装置である。
【0032】尚、発光素子と、複数の受光素子とを同一
基板上に配置し、複合回折素子を、前記基板から所定の
間隔を隔てて、前記基板と一体に固定することにより、
上記のいずれかの光学ヘッドの信号検出光学系を集積化
することが出来る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて説明する。 (第1の実施の形態)図1(a)は、本発明の第1の実
施の形態における光学ヘッドの構成図、図1(b)は、
複合回折素子の上面概念図、図1(c)は、発光素子お
よび受光素子の配置を示す上面図である。
【0034】図1(a)において、1は情報記録媒体で
ある光ディスク、2は対物レンズ、3は複合回折素子、
4は発光素子としての、例えば半導体レーザー、5は発
光素子4と一体になった、受光素子が配置された基板で
ある。同図内の各矢印は、光の進む方向を示す。図1
(b)は、複合回折素子3の上面図であり、同図の3a
〜3cは領域分割線、6a〜6fは分割された領域、領
域内部の縞は、回折格子の方向を概念的に示すものであ
り、12は複合回折素子3を通過する光束の外形を示
す。図1(c)は、基板5の上面図であり、同図におい
て、7a〜7dは単体の受光素子、8〜11は、3分割
受光素子、8a〜8c,9a〜9c,10a〜cおよび
11a〜11cは、各々、3分割受光素子を構成する各
受光領域である。各受光素子内部に記した図形は、そこ
に入射する光束の形状を模式的に示す物である。
【0035】尚、本発明の光学ヘッドは、更に、信号生
成手段、フォーカス制御部およびトラッキング制御部等
を有するが、これらについては、図14〜図16で詳細
に説明する。
【0036】即ち、図14は、本実施の形態の光学ヘッ
ドの制御部を説明するための概略構成図である。又、図
15は、図14に示した、フォーカス制御部に入力され
るフォーカスエラー信号を生成する回路結線図を示す。
又、図16は、図14に示した、トラッキング制御部に
入力されるトラッキングエラー信号を生成する回路図を
示す。
【0037】図14において、アクチュエータ1041
は、対物レンズ2をXおよびY方向に移動させるための
手段である。又、トラッキング制御部1042は、トラ
ッキングエラー信号を利用して、情報トラックの中心に
光スポットを導くようにアクチュエータ1041を制御
する手段であり、図18で述べたトラッキング制御部8
9と基本的に同じ構成である。又、フォーカス制御部1
043は、フォーカスエラー信号を利用して、光ディス
ク1の情報記録面に集光させる様に、アクチュエータ1
041を制御する手段である。
【0038】尚、本発明の第1の分割線は、分割線3a
に対応しており、同様にして、本発明の第2〜第3の分
割線は、それぞれ、分割線3b,3cに対応している。
【0039】次に、以上のように構成された光学ヘッド
の動作を説明する。発光素子4から発せられた光は、複
合回折素子3を透過し、対物レンズ2により光ディスク
1の情報記録面に集光される。光ディスク1の情報記録
面には、情報トラックが形成されており、この情報トラ
ックの方向は、図1(a)では紙面に垂直な方向である
とする。光ディスク1からの反射光は、対物レンズ2を
通過後、再び発光素子4の近傍に向かって収束しながら
進み、複合回折素子3に入射する。複合回折素子3の分
割線3aから3cによって分割された各領域を通過した
光束は、+1次、0次、および−1次回折光として透過
する。その透過する光の内、+1次、および−1次回折
光が、対応する各受光素子に向けて回折される。
【0040】複合回折素子3の領域6aおよび6eでの
回折光は、例えば受光素子7aと7dに、領域6bおよ
び6fでの回折光は、例えば受光素子7bと7cに、領
域6cでの回折光は、例えば3分割受光素子9と10
に、領域6dでの回折光は、例えば3分割受光素子8と
11に、各々入射する。このとき、例えば、3分割受光
素子9および11に入射する光束は、その受光素子より
も遠いところに焦点を結び、3分割受光素子8および1
0に入射する光束は、その受光素子より複合回折素子3
に近いところで焦点を結び、更に、光ディスク1が対物
レンズ2の合焦点にあるときに、3分割受光素子8、
9、10および11上での光束の、受光素子の分割線に
直交する方向の長さが実質上等しくなるように、複合回
折素子3の領域6cおよび6dの回折格子パターンに、
レンズの屈折力を持たせると、対物レンズ2の合焦点ず
れに応じて、各3分割受光素子上で光束の大きさがそれ
ぞれ異なる大きさに変化するので、
【0041】
【数7】FE=9b+11b+8a+8c+10a+1
0c−(9a+9c+11a+11c+8b+10b) という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られ
る。
【0042】上記の演算を実現するための結線図を図1
5に示す。同図に示す結線による加算と、差動アンプ1
051による差動演算により、フォーカスエラー信号F
Eが生成され、フォーカス制御部1043に導かれる。
【0043】また、対物レンズ2が情報トラックに直交
する方向に移動したときに生じる、トラッキングオフセ
ットを補正する信号TE1は、前述の従来の技術の光束
分割に従って、複合回折素子3の領域分割線3bと3c
の外側の領域を通過した光束を検出して、
【0044】
【数8】TE1=7a+7d−(7b+7c) で得られ、プッシュプル信号TE2は、複合回折素子3
の領域分割線3bと3cの間の領域を通過した光束を検
出して、
【0045】
【数9】TE2=(9a+9b+9c+10a+10b
+10c)−(8a+8b+8c+11a+11b+1
1c) で得られる。従って、対物レンズ2の移動に伴い生じる
オフセットが補正されたトラッキングエラー信号TE
は、
【0046】
【数10】TE=TE2−k*TE1 となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式に
おいて、検出信号名を受光領域名で表した。
【0047】上記の演算を実現するための結線図を図1
6に示す。同図に示す結線による加算と、差動アンプ1
061,1062による差動演算により、トラッキング
オフセット補正信号TE1と、プッシュプル信号TE2
が生成される。それら各信号は、更に、差動アンプ10
63に入力されて、上述の様に差動演算される。このよ
うにして、差動アンプ1063は、トラッキングエラー
信号TEを生成して、トラッキング制御部1042に導
かれる。
【0048】本構成において、複合回折素子3の分割線
3bと3cの間隔をV、対物レンズの光ディスク側の開
口数をNA、波長をλ、情報トラックのピッチをd、複
合回折素子3を通過する光束の直径をDとすると、
【0049】
【数11】 を満足することが望ましい。この理由を、図19(a)
を用いて説明する。複合回折素子3の領域分割線3a〜
3cは、図19(a)の分割線81a〜81cに、各々
対応する。同図において、斜線部は、光ディスクの情報
トラックで回折された+1次および−1次回折光が、0
次回折光と干渉する領域を表しており、この領域にはプ
ッシュプル信号成分が含まれている。(数11)を満足
することは、分割線81bと81cの外側の領域に、斜
線部領域が混入する量を制限し、且つ、トラッキング信
号のオフセットを補正するのに十分な検出信号量を得ら
れることを意味している。逆に、(数11)を満足しな
いと、補正信号TE1の信号量が小さく、補正が十分に
行えないか、補正信号TE1へのプッシュプル信号の混
入量が多くなって、(数10)の演算により、信号TE
の振幅を低下させることになる。
【0050】以上のように、光学ヘッドを構成したこと
により、対物レンズの移動に伴い生じる、トラッキング
エラー信号のオフセットを補正する手段を有しながら、
フォーカスエラー信号と、トラッキングエラー信号とが
同一の検出光学系で検出可能となり、更に、それらが、
複合回折素子と、発光素子および受光素子が配置された
基板の2つの光学部品で実現されたことにより、光学ヘ
ッドの小型化を図ることができる。
【0051】尚、本実施の形態では、領域6c及び6d
で回折された4つの光束が受光される4つの3分割受光
素子からの信号に基づいて、フォーカスエラー信号を生
成するとしたが、これに限らず、例えば、2つの3分割
受光素子からの信号に基づいても、フォーカスエラー信
号が生成できることを以下に示す。
【0052】上述した様に、フォーカスエラー信号は、
3分割受光素子の分割線に垂直な方向の光束の長さの変
化に従って発生するため、例えば、入射する光束がその
受光素子の位置よりも遠いところで焦点を結んでいる3
分割受光素子9での検出信号と、入射する光束がその受
光素子よりも複合回折素子に近いところで焦点を結んで
いる3分割受光素子10での検出信号とを用いれば、
【0053】
【数53】 FE=9b+10a+10c−(9a+9c+10b) 上記数53により、フォーカスエラー信号が得られる。
4つの3分割受光素子から2つの3分割受光素子を選ぶ
組み合わせは、一方に入射する光束の焦点を結ぶ位置
が、その受光素子より近いものと、遠いものとの組み合
わせであるため、他の組み合わせも可能である。 (第2の実施の形態)図2(a)は、本発明の第2の実
施の形態における光学ヘッドの構成図、図2(b)は、
複合回折素子の上面概念図、図2(c)は、発光素子お
よび受光素子の配置を示す上面図である。本光学ヘッド
の構成は、前述の第1の実施の形態と類似しているた
め、同じ構成要素には同じ番号を付け、その説明を省略
し、異なるものについてのみ、その構成を説明する。
【0054】図2(a)において、13は複合回折素
子、14は発光素子4と一体になった、受光素子が配置
された基板である。図2(b)において、13a〜13
cは複合回折素子13の領域分割線、15a〜15fは
分割された領域、領域内部の縞は、回折格子の方向を概
念的に示すものである。図2(c)は、基板14の上面
図であり、同図において、16a〜16dは単体の受光
素子、17〜20は、3分割受光素子、17a〜17
c,18a〜18c,19a〜19cおよび20a〜2
0cは、各々、3分割受光素子を構成する各受光領域で
ある。各受光素子内部に記した図形は、そこに入射する
光束の形状を模式的に示す。
【0055】次に、以上のように構成された光学ヘッド
の動作を説明する。この動作も、前述の第1の実施の形
態と共通点が多いため、異なるところのみ説明する。光
ディスク1で反射し、再び複合回折素子3に入射した光
束は、3つの分割線13aから13cにより分割された
各領域で、+1次および−1次回折光として光束が分割
され、対応する各受光素子に向けて回折される。
【0056】複合回折素子13の領域15aおよび15
cでの回折光は、例えば受光素子16aと16dに、領
域15bおよび15fでの回折光は、例えば受光素子1
6bと16cに、領域15cでの回折光は、例えば3分
割受光素子17と20に、領域15dでの回折光は、例
えば3分割受光素子18と19に、各々入射する。この
とき、例えば、3分割受光素子17および18に入射す
る光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点を結
び、3分割受光素子19および20に入射する光束は、
その受光素子より複合回折素子13に近いところで焦点
を結び、更に、光ディスク1が対物レンズ2の合焦点に
あるときに、3分割受光素子17、18、19および2
0上での光束の、3分割受光素子の分割線に直交する方
向の大きさが、実質上等しくなるように、領域15cお
よび15d内部の回折格子パターンに、レンズの屈折力
を持たせると、対物レンズ2の合焦点ずれに応じて、各
3分割受光素子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大き
さに変化するので、
【0057】
【数12】FE=17b+18b+19a+19c+2
0a+20c−(17a+17c+18a+18c+1
9b+20b) という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られ
る。
【0058】また、第1の実施の形態と同様に、トラッ
キングエラー信号オフセットを補正する信号TE1は、
【0059】
【数13】 TE1=16a+16d−(16b+16c) で得られ、プッシュプル信号TE2は、
【0060】
【数14】TE2=(17a+17b+17c+20a
+20b+20c)−(18a+18b+18c+19
a+19b+19c) となるため、対物レンズ移動に伴い生じるオフセットを
補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0061】
【数15】TE=TE2−k*TE1 となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式に
おいて、検出信号名を受光領域名で表した。
【0062】本構成において、複合回折素子13の領域
分割線13bと13cの間隔をVとしたとき、前記(数
11)を満足することが望ましいことは、第1の実施の
形態と同様である。
【0063】以上に示した第2の実施の形態の特徴は、
第1の実施の形態と比べ、各3分割受光素子の配置を、
発光素子から等距離としたことである。こうすると、受
光素子14の横方向の幅が小さくなるという利点があ
る。また、複合回折素子の製造過程におけるエッチング
条件等のばらつきがあって、回折格子のピッチに依存し
て回折効率が変わっても、本実施の形態では、各領域毎
の回折格子ピッチが等しくなっているために、検出信号
のバランス変化が小さくなる利点がある。 (第3の実施の形態)図3(a)は、本発明の第3の実
施の形態の、複合回折素子の上面概念図、図3(b)
は、発光素子および受光素子の配置を示す上面図であ
る。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と
類似しているため、その構成図を省略し、異なる構成要
素である複合回折素子と受光素子の配置についてのみ、
その構成を説明する。
【0064】図3(a)において、21a〜21dは複
合回折素子の領域分割線、23a〜23hは分割された
各領域、領域内部の縞は回折格子の方向を概念的に示す
ものである。図3(b)において、22は発光素子およ
び受光素子が配置された基板、24a〜24dは単体の
受光素子、25〜28は、2分割受光素子、25a〜2
5b,26a〜26b、27a〜27bおよび28a〜
28bは、各々、2分割受光素子を構成する各受光領域
である。各受光素子内部に記した図形は、そこに入射す
る光束の形状を模式的に示す。
【0065】尚、本発明の第1の分割線は、分割線21
aに対応しており、同様にして、本発明の第2〜第4の
分割線は、それぞれ、分割線21b、21c、21dに
対応している。
【0066】次に、以上のように構成された光学ヘッド
の動作を説明する。この動作も、前述の第1の実施の形
態と共通点が多いため、異なるところのみ説明する。光
ディスクで反射し、再び複合回折素子に入射した光束
は、3つの分割線21a〜21dにより分割された各領
域で、+1次および−1次回折光として光束が分割さ
れ、対応する各受光素子に向けて回折される。領域23
aおよび23gでの回折光は、例えば受光素子24aと
24dに、領域23bおよび23hでの回折光は、例え
ば受光素子24bと24cに、領域23cでの回折光
は、例えば2分割受光素子25と受光領域28bに、領
域23dでの回折光は、例えば2分割受光素子25と受
光領域28aに、領域23eでの回折光は、例えば2分
割受光素子27と受光領域26bに、領域23fでの回
折光は、例えば2分割受光素子27と受光領域26a
に、各々入射する。このとき、例えば、2分割受光素子
25に入射する光束は、その受光素子よりも遠いところ
に焦点を結び、2分割受光素子27に入射する光束は、
その受光素子より複合回折素子に近いところで焦点を結
び、更に、光ディスクが対物レンズの合焦点にあるとき
に、2分割受光素子25および27上での光束の、2分
割受光素子の分割線に直交する方向の大きさが、実質上
等しくなるように、領域23c、23d、23eおよび
23fの回折格子パターンにレンズの屈折力を持たせる
と、対物レンズの合焦点ずれに応じて、各2分割受光素
子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大きさに変化する
ので、
【0067】
【数16】 FE=25a+27b−(25b+27a) という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られ
る。
【0068】また、第1の実施の形態と同様に、トラッ
キングエラー信号オフセットを補正する信号TE1は、
【0069】
【数17】 TE1=24a+24d−(24b+24c) で得られ、プッシュプル信号TE2は、
【0070】
【数18】 TE2=26b+28b−(26a+28a) となるため、対物レンズの移動に伴うオフセットが補正
されたトラッキングエラー信号TEは、
【0071】
【数19】TE=TE2−k*TE1 となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式に
おいて、検出信号名を受光領域名で表した。
【0072】本構成において、複合回折素子の分割線2
1bと21cの間隔をVとしたとき、前記(数11)を
満足することが望ましいことは、前述の各実施の形態と
同様である。
【0073】以上に示した第3の実施の形態の特徴は、
第1および第2の実施の形態と比べ、2分割受光素子を
使った検出方式としたため、配置される受光領域数が減
った上、フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信
号とで、全く別々の受光素子の検出信号を演算に使用す
るため、受光素子間の結線による信号加算演算も可能と
なり、検出された受光信号を演算部に導くための信号配
線が単純化されるという利点がある。 (第4の実施の形態)図4は、本発明の第4の実施の形
態の、発光素子および受光素子の配置を示す上面図であ
る。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と
類似しているため、その構成図を省略する。また、前述
の第3の実施の形態とは、受光素子の配置のみ異なり、
他は同一であるため、複合回折素子の説明を省略し、各
受光素子の番号も第3の実施の形態と対応させて記し、
その説明を省略する。
【0074】次に、本光学ヘッドの動作について説明す
るが、第3の実施の形態と共通点が多いため、異なると
ころのみについて説明する。複合回折素子の領域23c
〜23fの内部の回折格子パターンが有するレンズの屈
折力は、第3の実施の形態とは異なり、図4の各受光素
子配置において、2分割受光素子25に入射する光束
は、その受光素子よりも遠いところに焦点を結び、2分
割受光素子27に入射する光束は、その受光素子より複
合回折素子に近いところで焦点を結び、更に、光ディス
クが対物レンズの合焦点にあるときに、2分割受光素子
25および27上での光束の、2分割受光素子の分割線
に直交する方向の大きさが、実質上等しくなるように、
各々設定される。こうして、前述したのと同様に、フォ
ーカスエラー信号は、
【0075】
【数20】 FE=25a+27b−(25b+27a) という演算により得られる。
【0076】また、トラッキングエラー信号オフセット
を補正する信号TE1は、
【0077】
【数21】 TE1=24a+24d−(24b+24c) で得られ、プッシュプル信号TE2は、
【0078】
【数22】 TE2=26b+28b−(26a+28a) となるため、対物レンズの移動に伴い生じるオフセット
が補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0079】
【数23】TE=TE2−k*TE1 となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式に
おいて、検出信号名を、受光領域名で表した。
【0080】以上に示した第4の実施の形態は、第3の
実施の形態と同様の特徴を持つ。尚、各信号演算におい
て、受光領域25bと27a、26bと28bおよび2
6aと28aは、それぞれ2つづつが加算される信号で
あり、且つ受光領域が隣り合っているため、それらを連
続した1つの受光領域に変えて、更に受光領域配置の単
純化を図ることもできる。 (第5の実施の形態)図5(a)は、本発明の第5の実
施の形態の、複合回折素子の上面概念図、図5(b)
は、発光素子および受光素子の配置を示す上面図であ
る。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と
類似しているため、その構成図を省略し、異なる構成要
素である複合回折素子と受光素子の配置についてのみ、
その構成を説明する。
【0081】図5(a)において、29a〜29cは複
合回折素子の領域分割線、31a〜31d、32a〜3
2dは分割された各領域、領域内部の縞は、回折格子の
方向を概念的に示すものである。ここで、領域32a〜
32dは、領域分割線29bと29cの間を、領域分割
線29aに平行な複数の帯状分割部に分割したものを、
一つおきに交互にまとめた帯状分割集合体である。図5
(b)において、30は発光素子および受光素子が配置
された基板、33a〜33dは単体の受光素子、34お
よび36は3分割受光素子、35および37は2分割受
光素子、34a〜34c、36a〜36c、35a〜3
5bおよび37a〜37bは、各々、3分割または2分
割の受光素子を構成する各受光領域である。各受光素子
内部に記した図形は、そこに入射する光束の形状を模式
的に示す。
【0082】尚、本発明の第1の帯状分割集合体は、例
えば、領域32aに対応しており、同様にして、本発明
の第2〜第4の帯状分割集合体は、それぞれ、領域32
b、32c、32dに対応している。
【0083】次に、以上のように構成された光学ヘッド
の動作を説明する。この動作も、前述の第1の実施の形
態と共通点が多いため、異なるところのみ説明する。光
ディスクで反射し、再び複合回折素子に入射した光束
は、3つの分割線29a〜29cにより分割された各領
域で、+1次および−1次回折光として光束が分割さ
れ、対応する各受光素子に向けて回折される。領域31
aおよび31cでの回折光は、例えば受光素子33aと
33dに、領域31bおよび31dでの回折光は、例え
ば受光素子33bと33cに、各々入射する。また、帯
状分割集合体32aでの回折光は、例えば3分割受光素
子34と受光領域37bに、帯状分割集合体32bでの
回折光は、例えば3分割受光素子36と受光領域35b
に、帯状分割集合体32cでの回折光は、例えば3分割
受光素子36と受光領域35aに、帯状分割集合体32
dでの回折光は、3分割受光素子34と受光領域37a
に、各々入射する。このように各帯状分割集合体の回折
光を各受光素子に分配すると、領域分割線29bと29
cの間を通過した光束が、帯状に空間的に半分に分割さ
れて、それらが各々、2つの3分割受光素子34および
36に入射することになる。これは、帯状の分割が充分
細かければ、この光束分割が、いわゆる振幅分割に同等
となることを意味し、その場合、第1及び第2の実施の
形態と同様に扱うことができる。
【0084】このとき、例えば、3分割受光素子34に
入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点
を結び、3分割受光素子36に入射する光束は、その受
光素子より複合回折素子に近いところで焦点を結び、更
に、光ディスクが対物レンズの合焦点にあるときに、3
分割受光素子34および36上での光束の、その受光素
子分割線に直交する方向の大きさが、実質上等しくなる
ように、各帯状分割集合体32a〜dの内部の回折格子
パターンに、レンズの屈折力を持たせると、対物レンズ
の合焦点ずれに応じて、各3分割受光素子上で光束の大
きさがそれぞれ異なる大きさに変化するので、
【0085】
【数24】FE=34b+36a+36c−(34a+
34c+36b) という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られ
る。
【0086】また、トラッキングエラー信号のオフセッ
トを補正する信号TE1は、以前と同様に、
【0087】
【数25】 TE1=33a+33d−(33b+33c) で得られ、プッシュプル信号TE2は、
【0088】
【数26】 TE2=35b+37b−(35a+37a) となるため、対物レンズ移動に伴い生じるオフセットが
補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0089】
【数27】TE=TE2−k*TE1 となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式に
おいて、検出信号を受光領域信号で表した。
【0090】本構成において、複合回折素子の分割線2
9bと29cの間隔をVとしたとき、前記(数11)を
満足することが望ましいことは、前述の各実施の形態と
同様である。
【0091】以上に示した第5の実施の形態の特徴は、
第1の実施の形態と比べ、3分割受光素子を使った検出
方式でありながら、配置される受光領域数が減った上、
フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号とで、
全く別々の受光素子の検出信号を演算に使用するため、
受光素子間の結線による信号加算演算も可能となり、検
出された受光信号を演算部に導くための信号配線が単純
化されるという利点がある。 (第6の実施の形態)図6は、本発明の第6の実施の形
態の、発光素子および受光素子の配置を示す上面図であ
る。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と
類似しているため、その構成図を省略する。また、前述
の第5の実施の形態とは、受光素子の配置のみ異なり、
他は同一であるため、複合回折素子の説明を省略し、各
受光素子の番号も第5の実施の形態と対応させて記し、
その説明を省略する。
【0092】次に、本光学ヘッドの動作について説明す
るが、第5の実施の形態と共通点が多いため、異なると
ころのみについて説明する。帯状分割集合体32a〜3
2dの内部の回折格子パターンが有するレンズの屈折力
は、第5の実施の形態とは異なり、図6の各受光素子配
置において、3分割受光素子34に入射する光束は、そ
の受光素子よりも遠いところに焦点を結び、3分割受光
素子36に入射する光束は、その受光素子より複合回折
素子に近いところで焦点を結び、更に、光ディスクが対
物レンズの合焦点にあるときに、3分割受光素子34お
よび36上での光束の、その受光素子分割線に直交する
方向の大きさが、実質上等しくなるように、各々設定さ
れる。このとき、前述したのと同様に、フォーカスエラ
ー信号は、
【0093】
【数28】FE=34b+36a+36c−(34a+
34c+36b) という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られ
る。
【0094】また、トラッキングエラー信号のオフセッ
トを補正する信号TE1は、以前と同様に、
【0095】
【数29】 TE1=33a+33d−(33b+33c) で得られ、プッシュプル信号TE2は、
【0096】
【数30】 TE2=35b+37b−(35a+37a) となるため、補正されたトラッキングエラー信号TE
は、
【0097】
【数31】TE=TE2−k*TE1 となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式に
おいて、検出信号名を受光領域名で表した。
【0098】以上に示した第6の実施の形態は、第5の
実施の形態と同様の特徴を持つ。尚、各信号演算におい
て、受光領域35bと37b、および35aと37a
は、それぞれ2つづつが加算される信号であり、且つ受
光領域が隣り合っているため、それらを連続した1つの
受光領域に変えて、更に受光素子配置の単純化を図るこ
ともできる。 (第7の実施の形態)図7(a)は、本発明の第7の実
施の形態の、複合回折素子の上面概念図、図7(b)
は、発光素子および受光素子の配置を示す上面図であ
る。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と
類似しているため、その構成図を省略し、異なる構成要
素である複合回折素子と受光素子の配置についてのみ、
その構成を説明する。
【0099】図7(a)において、38a〜38fは複
合回折素子の領域分割線、40a〜40hおよび41a
〜41bは分割された各領域、領域内部の縞は、回折格
子の方向を概念的に示すものである。図7(b)におい
て、39は発光素子および受光素子が配置された基板、
42a〜42dは単体の受光素子、43および45は、
2分割受光素子、44および46は3分割受光素子、4
3a〜43b,44a〜44c、45a〜45bおよび
46a〜46cは、各々、2分割および3分割受光素子
を構成する各受光領域である。各受光素子内部に記した
図形は、そこに入射する光束の形状を模式的に示す。
【0100】次に、以上のように構成された光学ヘッド
の動作を説明する。この動作も、前述の第1の実施の形
態と共通点が多いため、異なるところのみ説明する。光
ディスクで反射し、再び複合回折素子に入射した光束
は、6つの分割線38a〜38fにより分割された各領
域で、+1次および−1次回折光として光束が分割さ
れ、対応する各受光素子に向けて回折される。領域40
aおよび40gでの回折光は、例えば受光素子42aと
42dに、領域40bおよび40hでの回折光は、例え
ば受光素子42bと42cに、領域40cでの回折光
は、例えば2分割受光素子43と受光領域46cに、領
域40dでの回折光は、例えば2分割受光素子43と受
光領域46aに、領域40eでの回折光は、例えば2分
割受光素子45と受光領域44cに、領域40fでの回
折光は、例えば2分割受光素子45と受光領域44a
に、また、領域41aでの回折光は、例えば2分割受光
素子43と受光領域46bに、領域41bでの回折光
は、例えば2分割受光素子45と受光領域44bに、各
々受光される。このとき、例えば、2分割受光素子43
に入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦
点を結び、2分割受光素子45に入射する光束は、その
受光素子より複合回折素子に近いところで焦点を結び、
更に、光ディスクが対物レンズの合焦点にあるときに、
2分割受光素子43および45上での光束の、2分割受
光素子の分割線に直交する方向の大きさが、実質上等し
くなるように、領域40c、40d、40e、40f、
41aおよび41bの回折格子パターンにレンズの屈折
力を持たせると、対物レンズの合焦点ずれに応じて、各
2分割受光素子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大き
さに変化するので、
【0101】
【数32】 FE=43a+45b−(43b+45a) という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られ
る。
【0102】また、トラッキングエラー信号のオフセッ
トを補正する信号TE1は、以前と同様に
【0103】
【数33】 TE1=42a+42d−(42b+42c) で得られ、プッシュプル信号TE2は、
【0104】
【数34】 TE2=44c+46c−(44a+46a) となるため、対物レンズの移動に伴い生じるオフセット
が補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0105】
【数35】TE=TE2−k*TE1 となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式に
おいて、検出信号名を受光領域名で表した。
【0106】ここで、上記式において、受光領域44b
および46bの検出信号は、トラッキングエラー信号演
算には用いていない。つまり、本実施の形態の信号検出
方式は、複合回折素子の領域分割線38eと38fの間
の光束は、フォーカスエラー信号検出には使用するが、
トラッキングエラー信号検出には使用しない。これは、
従来の第2の技術で説明した、光ディスクのラジアル方
向の傾きによって生じる、トラッキングエラー信号のオ
フセットを低減する技術に相当する。
【0107】本構成において、複合回折素子の分割線3
8bと38cの間隔をVとしたとき、前記(数11)を
満足することが望ましいことは、前述の各実施の形態と
同様であるが、更に、分割線38eと38fの間隔を
W、対物レンズの光ディスク側の開口数をNA、波長を
λ、情報トラックのピッチをd、複合回折素子上での光
束直径をDとすると、
【0108】
【数36】 を満足することが望ましい。逆に、(数36)を満足せ
ずに、間隔Wが大きくなると、プッシュプル信号成分を
検出するための、領域40c,40d,40eおよび4
0fの面積が小さくなり、検出されるプッシュプル信号
の振幅が低下し、充分なトラッキングエラー信号が得ら
れなくなる。一方、(数36)を満たさずに、間隔Wが
小さくなると、光ディスクのラジアル方向の傾きに対す
るオフセット低減の効果が低下する。
【0109】以上に示した第7の実施の形態の特徴は、
類似の構成である第3または第4の実施の形態の特徴に
加え、光ディスクのラジアル方向の傾きにより発生す
る、トラッキングエラー信号のオフセットを低減するこ
とが可能となり、一層安定に動作する光学ヘッドの実現
を図ることができる。
【0110】尚、本実施の形態では、受光素子の配置を
前述のごとくとしたが、第3と第4の実施の形態の類似
性のように、受光素子の単純な位置の置き換えと複合回
折素子の各領域内部の回折格子パターンの変更のみによ
り、同様の信号検出が可能であることは言うまでもな
い。 (第8の実施の形態)図8(a)は、本発明の第8の実
施の形態の、複合回折素子の上面概念図、図8(b)
は、発光素子および受光素子の配置を示す上面図であ
る。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と
類似しているため、その構成図を省略し、異なる構成要
素である複合回折素子と受光素子の配置についてのみ、
その構成を説明する。
【0111】図8(a)において、47a〜47fは複
合回折素子の領域分割線である。分割線47eは分割線
47aの右側のみ、分割線47fは分割線47aの左側
のみとなっている。49a〜49hは分割された各領
域、領域内部の縞は、回折格子の方向を概念的に示すも
のである。図8(b)において、48は発光素子および
受光素子が配置された基板、50a〜50dは単体の受
光素子、51〜54は2分割受光素子、51a〜51
b,52a〜52b、53a〜53bおよび54a〜5
4bは、各々、2分割受光素子を構成する各受光領域で
ある。各受光素子内部に記した図形は、そこに入射する
光束の形状を模式的に示す。
【0112】次に、以上のように構成された光学ヘッド
の動作を説明する。この動作も、前述の第1の実施の形
態と共通点が多いため、異なるところのみ説明する。光
ディスクで反射し、再び複合回折素子に入射した光束
は、6つの分割線47a〜47fにより分割された各領
域で、+1次および−1次回折光として光束が分割さ
れ、対応する各受光素子に向けて回折される。複合回折
素子の領域49aおよび49gでの回折光は、例えば受
光素子50aと50dに、領域49bおよび49hでの
回折光は、例えば受光素子50bと50cに、領域49
cでの回折光は、例えば2分割受光素子51と受光領域
54bに、領域49dでの回折光は、例えば2分割受光
素子51と受光領域54aに、領域49eでの回折光
は、例えば2分割受光素子53と受光領域52bに、領
域49fでの回折光は、例えば2分割受光素子53と受
光領域52aに、各々受光される。このとき、例えば、
2分割受光素子51に入射する光束は、その受光素子よ
りも遠いところに焦点を結び、2分割受光素子53に入
射する光束は、その受光素子より複合回折素子に近いと
ころで焦点を結び、更に、光ディスクが対物レンズの合
焦点にあるときに、2分割受光素子51および53上で
の光束の、2分割受光素子の分割線に直交する方向の大
きさが、実質上等しくなるように、領域49c、49
d、49e、49fの回折格子パターンにレンズの屈折
力を持たせると、対物レンズの合焦点ずれに応じて、各
2分割受光素子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大き
さに変化するので、
【0113】
【数37】 FE=51a+53b−(51b+53a) という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られ
る。
【0114】また、トラッキングエラー信号オフセット
を補正する信号TE1は、以前と同様に
【0115】
【数38】 TE1=50a+50d−(50b+50c) で得られ、プッシュプル信号TE2は、
【0116】
【数39】 TE2=54b+52b−(52a+54a) となるため、対物レンズの移動に伴い生じるオフセット
が補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0117】
【数40】TE=TE2−k*TE1 となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つ式のに
おいて、検出信号名を受光領域名で表した。
【0118】本実施の形態の信号検出方式は、複合回折
素子の領域分割線47eと47fの間の領域を通過した
光束を領域分割線47dで2つの領域に分け、プッシュ
プル信号を検出する信号52aと54bに、それら2つ
の領域が各々1つづつ均等に含まれるように回折され、
(数39)における差動演算により相殺し、トラッキン
グ信号から、それらの領域の信号を除いている。これ
は、光ディスクからの反射光の光量分布が、複合回折素
子の領域分割線47dに関して実質上対称であるため、
空間的には異なる2つの領域ではあっても、良好に相殺
できる。この信号検出方式は、前述の第7の実施の形態
と同じ目的、即ち、光ディスクのラジアル方向の傾きに
よって生じる、トラッキングエラー信号のオフセットを
低減する目的を、第7の実施の形態とは異なる方法で実
現したものである。
【0119】また、本構成において、複合回折素子の分
割線47bと47cの間隔をVとしたとき、前記(数1
1)を満足することが望ましいことは、前述の各実施の
形態と同様であるが、更に、分割線47eと47fの間
隔をWとしたとき、前記(数36)を満足することが望
ましいことは、前述の第7の実施の形態と同様である。
【0120】以上に示した第8の実施の形態の特徴は、
類似の構成である第7の実施の形態の特徴に加え、検出
すべき光束の数を減らしたため、受光領域の数および面
積が減り、光学ヘッドの内部で散乱した光、いわゆる迷
光の影響を低減できることである。これにより、より品
質の高い検出信号を生成する光学ヘッドの実現が図れ
る。
【0121】尚、本実施の形態では、受光素子の配置を
前述のごとくとしたが、第3と第4の実施の形態の類似
性のように、受光素子の位置の置き換えと、複合回折素
子の各領域内部の回折格子パターンの変更のみで、同様
の信号検出が可能であることは言うまでもない。 (第9の実施の形態)図9(a)は、本発明の第9の実
施の形態の、複合回折素子の上面概念図、図9(b)
は、発光素子および受光素子の配置を示す上面図であ
る。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と
類似しているため、その構成図を省略し、異なる構成要
素である複合回折素子と受光素子の配置についてのみ、
その構成を説明する。
【0122】図9(a)において、55a〜55eは複
合回折素子の領域分割線、57a〜57d、58a〜5
8hおよび59a〜59dは分割された各領域、各領域
内部の縞は、回折格子の方向を概念的に示すものであ
る。ここで、領域58a〜58hおよび59a〜59d
は、分割線55bと55cの間を、分割線55aに平行
な複数の帯状分割部に分割し、分割線55a、55dお
よび55eにより分割された6つの領域ごとに、一つお
きに交互にまとめた帯状分割集合体である。この帯状分
割集合体のまとまりは、分割線55bと55dの間に4
つ、分割線55dと55eの間に4つ、および分割線5
5eと55cの間に4つ、の計12個である。
【0123】図9(b)において、56は発光素子およ
び受光素子が配置された基板、60a〜60dは単体の
受光素子、61および62は3分割受光素子、63およ
び64は2分割受光素子、61a〜61c、62a〜6
2c、63a〜63bおよび64a〜64bは、各々、
3分割または2分割の受光素子を構成する各受光領域で
ある。各受光素子内部に記した図形は、そこに入射する
光束の形状を模式的に示す。
【0124】尚、本発明の第5の帯状分割集合体は、例
えば、領域59aと領域59cに対応しており、本発明
の第6の帯状分割集合体は、領域59bと領域59dに
対応している。
【0125】次に、以上のように構成された光学ヘッド
の動作を説明する。この動作も、前述の第1の実施の形
態と共通点が多いため、異なるところのみ説明する。光
ディスクで反射し、再び複合回折素子に入射した光束
は、5つの分割線55a〜55eにより分割された各領
域で、+1次および−1次回折光として光束が分割さ
れ、対応する各受光素子に向けて回折される。領域57
aおよび57cでの回折光は、例えば受光素子60aと
60dに、領域57bおよび57dでの回折光は、例え
ば受光素子60bと60cに、各々入射する。また、帯
状分割集合体58aでの回折光は、例えば3分割受光素
子62と受光領域63bに、帯状分割集合体58bでの
回折光は、例えば3分割受光素子61と受光領域64a
に、帯状分割集合体58cでの回折光は、例えば3分割
受光素子61と受光領域64bに、帯状分割集合体58
dでの回折光は、3分割受光素子62と受光領域63a
に、帯状分割集合体58eでの回折光は、3分割受光素
子62と受光領域63bに、帯状分割集合体58fでの
回折光は、3分割受光素子61と受光領域64aに、帯
状分割集合体58gでの回折光は、3分割受光素子61
と受光領域64bに、帯状分割集合体58hでの回折光
は、3分割受光素子62と受光領域63aに、各々入射
する。
【0126】また、帯状分割集合体59aおよび59c
での回折光は、3分割受光素子61と、2分割受光素子
64の隣の、受光領域の無い場所に、帯状分割集合体5
9bと59dでの回折光は、3分割受光素子62と、2
分割受光素子63の隣の、受光領域の無い場所に、に各
々入射する。このように光束を分割すると、領域分割線
55bと55cの間の光束が、帯状に空間的に均等に半
分に分割されて、2つの3分割受光素子に、それらが分
配されることになる。これは、帯状の分割が充分細かけ
れば、この光束分割は、いわゆる振幅分割と同等になる
ことを意味し、その場合、第1及び第2の実施の形態と
同様に扱うことができる。
【0127】このとき、例えば、3分割受光素子61に
入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点
を結び、3分割受光素子62に入射する光束は、その受
光素子より複合回折素子に近いところで焦点を結び、更
に、光ディスクが対物レンズの合焦点にあるときに、3
分割受光素子61および62上での光束の、その受光素
子分割線に直交する方向の大きさが、実質上等しくなる
ように、各帯状分割集合体58a〜58gおよび59a
〜59dの内部の回折格子パターンに、レンズの屈折力
を持たせると、対物レンズの合焦点ずれに応じて、各3
分割受光素子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大きさ
に変化するので、
【0128】
【数41】FE=61b+62a+62c−(61a+
61c+62b) という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られ
る。
【0129】また、トラッキングエラー信号オフセット
を補正する信号TE1は、以前と同様に、
【0130】
【数42】 TE1=60a+60d−(60b+60c) で得られ、プッシュプル信号TE2は、複合回折素子の
領域分割線55aの左側にある帯状分割集合体58a、
58b、58eおよび58fを通過した光束の検出信号
と、分割線55aの右側にある帯状分割集合体58c、
58d、58gおよび58hを通過した光束の検出信号
との差動検出により得るため、
【0131】
【数43】 TE2=63b+64a−(63a+64b) となり、対物レンズの移動に伴い生じるオフセットが補
正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0132】
【数44】TE=TE2−k*TE1 となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式に
おいて、検出信号名を受光領域名で表した。
【0133】本実施の形態の信号検出方式は、分割線5
5dと55eの間の領域を通過した光束が、プッシュプ
ル信号を検出する受光素子に入射しないように、回折角
と受光素子配置を設定している。従って、この信号検出
方式は、前述の第7の実施の形態と同じ目的、即ち、光
ディスクのラジアル方向の傾きによって生じる、トラッ
キングエラー信号のオフセットを低減する目的を、第7
の実施の形態とは異なる方法で実現したものである。
【0134】また、本構成において、複合回折素子の分
割線55bと55cの間隔をVとしたとき、前記(数1
1)を満足することが望ましく、更に、分割線55dと
55eの間隔をWとしたとき、前記(数36)を満足す
ることが望ましいことは、前述の第7の実施の形態と同
様である。
【0135】以上に示した第9実施の形態は、前述の第
7の実施の形態と同様に、光ディスクのラジアル方向の
傾きにより発生する、トラッキングエラー信号のオフセ
ットをも低減し、また、領域分割線55aの左右の領域
に、回折格子のピッチが密と粗の2種類の帯状分割集合
体を形成しているため、複合回折素子の製造過程におい
てエッチング条件等のばらつきがあって、回折格子のピ
ッチに依存して回折効率が変わってしまったときにも、
プッシュプル信号を検出する領域の回折効率のバランス
は実質上均等となるため、トラッキング信号のバランス
変化が小さくなるという特徴を有している。尚、領域5
8b,58d,58f,58hのそれぞれは、回折格子
のピッチが密の帯状分割集合体である。又、領域58
a,58c,58e,58g,59a〜59dのそれぞ
れは、回折格子のピッチが粗の帯状分割集合体である。
【0136】尚、ここでは各帯状分割集合体を構成する
複数の帯状分割部を、第1の分割線55aに平行とな矩
形としたが、帯状分割部の形状が、三角形、平行四辺形
または台形であっても、或いは、それらの形状の組み合
わせであっても、同様の機能を実現し得る。 (第10の実施の形態)図10は、本発明の第10の実
施の形態の、発光素子および受光素子の配置を示す上面
図である。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の
形態と類似しているため、その構成図を省略し、また、
複合回折素子の分割領域は、前述の第9の実施の形態と
等しいため、その上面概念図も省略し、第9の実施の形
態と異なるところのみ、その構成を説明する。
【0137】複合回折素子において、図9(a)におけ
る、分割線55dと55eの間の4つの帯状分割集合体
の内部に形成された回折格子による回折角が、前述の第
9の実施の形態と異なる。この回折角については、本発
明の動作の説明の中で説明する。
【0138】図10において、65は発光素子および受
光素子が配置された基板、66a〜66dは単体の受光
素子、67および68は3分割受光素子、69および7
0は2分割受光素子、67a〜67c、68a〜68
c、69a〜69bおよび70a〜70bは、各々、3
分割または2分割の受光素子を構成する各受光領域であ
る。各受光素子内部に記した図形は、そこに入射する光
束の形状を模式的に示す。
【0139】尚、本発明の第5の帯状分割集合体は、例
えば、領域59bに対応しており、同様にして、本発明
の第6〜第8の帯状分割集合体は、それぞれ、領域59
a、59c、59dに対応している。
【0140】次に、以上のように構成された光学ヘッド
の動作を説明する。この動作も、前述の第1の実施の形
態と共通点が多いため、異なるところのみ説明する。ま
た、複合回折格子での光束の分割については、図9
(a)を参照して説明する。光ディスクで反射し、再び
複合回折素子に入射した光束は、5つの分割線55a〜
55eにより分割された各領域で、+1次および−1次
回折光として光束が分割され、対応する各受光素子に向
けて回折される。領域57aおよび57cでの回折光
は、例えば受光素子66aと66dに、領域57bおよ
び57dでの回折光は、例えば受光素子66bと66c
に、各々入射する。また、帯状分割集合体58aでの回
折光は、例えば3分割受光素子68と受光領域69b
に、帯状分割集合体58bでの回折光は、例えば3分割
受光素子67と受光領域70aに、帯状分割集合体58
cでの回折光は、例えば3分割受光素子67と受光領域
70bに、帯状分割集合体58dでの回折光は、3分割
受光素子68と受光領域69aに、帯状分割集合体58
eでの回折光は、3分割受光素子68と受光領域69b
に、帯状分割集合体58fでの回折光は、3分割受光素
子67と受光領域70aに、帯状分割集合体58gでの
回折光は、3分割受光素子67と受光領域70bに、帯
状分割集合体58hでの回折光は、3分割受光素子68
と受光領域69aに、各々入射する。また、帯状分割集
合体59aおよび59cでの回折光は、3分割受光素子
67と、受光領域70bに、帯状分割集合体59bと5
9dでの回折光は、3分割受光素子68と、受光領域6
9bに、に各々入射する。
【0141】このように光束を分割すると、領域分割線
55bと55cの間の光束が、帯状に空間的に均等に半
分に分割されて、2つの3分割受光素子67と68に、
それらが均等に分配されることになる。これは、帯状の
分割が充分細かければ、この光束分割が、いわゆる振幅
分割と同等になることを意味し、その場合、第1及び第
2の実施の形態と同様に扱うことができる。
【0142】このとき、例えば、3分割受光素子67に
入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点
を結び、3分割受光素子68に入射する光束は、その受
光素子より複合回折素子に近いところで焦点を結び、更
に、光ディスクが対物レンズの合焦点にあるときに、3
分割受光素子67および68上での光束の、その受光素
子分割線に直交する方向の大きさが、実質上等しくなる
ように、各帯状分割集合体58a〜58hおよび59a
〜59dの内部の回折格子パターンに、レンズの屈折力
を持たせると、対物レンズの合焦点ずれに応じて、各3
分割受光素子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大きさ
に変化するので、
【0143】
【数45】FE=67b+68a+68c−(67a+
67c+68b) という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られ
る。
【0144】また、トラッキングエラー信号オフセット
を補正する信号TE1は、以前と同様に、
【0145】
【数46】 TE1=66a+66d−(66b+66c) で得られる。
【0146】プッシュプル信号TE2は、複合回折素子
の領域分割線55aの左側にある帯状分割集合体58
a、58b、58eおよび58fを通過した光束の検出
信号と、分割線55aの右側にある帯状分割集合体58
c、58d、58gおよび58hを通過した光束の検出
信号との差動検出により得るため、
【0147】
【数47】 TE2=69b+70a−(69a+70b) と演算する。このとき、プッシュプル信号検出に使う領
域以外の領域、即ち、複合回折素子の領域分割線55d
と55eの間の4つの帯状分割集合体59a〜59dの
うち、受光領域69bには、帯状分割集合体59bと5
9dでの回折光束が、受光素子70bには、帯状分割集
合体59aと59cでの回折光束が、各々入射してい
る。しかしながら、帯状分割集合体の帯状分割が充分細
かければ、いわゆる振幅分割と同等となるため、領域分
割線55dと55eの間の領域を通過した光束が、空間
的に均等に2分割され、受光領域69bと70bに入射
することになるから、(数47)の差動検出で、それら
の光束の影響は相殺される。
【0148】対物レンズの移動に伴い生じるオフセット
が補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0149】
【数48】TE=TE2−k*TE1 となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式に
おいて、検出信号名を受光領域名で表した。
【0150】本実施の形態の信号検出方式は、分割線5
5dと55eの間の領域を通過した光束が、プッシュプ
ル信号を検出する受光素子に均等に入射するように、複
合回折素子の回折角と、受光素子配置を設定している。
これは、前述の第7の実施の形態と同じ目的、即ち、光
ディスクのラジアル方向の傾きによって生じる、トラッ
キングエラー信号のオフセットを低減する目的を、第7
の実施の形態とは異なる方法で実現したものである。
【0151】また、本構成において、複合回折素子の分
割線55bと55cの間隔をVとしたとき、前記(数1
1)を満足することが望ましく、更に、分割線55dと
55eの間隔をWとしたとき、前記(数36)を満足す
ることが望ましいことは、前述の第7の実施の形態と同
様である。
【0152】以上に示した本実施の形態の光学ヘッドに
よれば、前述の第7の実施の形態と同様に、光ディスク
のラジアル方向の傾きにより発生する、トラッキングエ
ラー信号のオフセットをも低減することが可能であり、
また、領域分割線55aの左右の領域に、回折格子のピ
ッチが密と粗の2種類の帯状分割集合体を形成したた
め、複合回折素子の製造過程においてエッチング条件等
のばらつきがあって、回折格子ピッチに依存して回折効
率が変わってしまったときにも、プッシュプル信号を検
出する領域の回折効率のバランスは実質上均等となるた
め、トラッキング信号のバランス変化を小さくすること
ができる。 (第11の実施の形態)図11は、本発明の第11の実
施の形態の、発光素子および受光素子の配置を示す上面
図である。本実施の形態は、第9および10の実施の形
態と類似しているため、複合回折素子については、図9
(a)を参照しながら、異なるところのみ、その構成を
説明する。
【0153】複合回折素子において、図9(a)におけ
る、分割線55dと55eの間の4つの帯状分割集合体
の内部に形成された回折格子による回折角が、前述の第
10の実施の形態と異なる。この回折角については、本
発明の動作の説明の中で説明する。
【0154】図11において、101は発光素子および
受光素子が配置された基板、102a〜102dは単体
の受光素子、103および104は3分割受光素子、1
05および106は2分割受光素子、103a〜103
c、104a〜104c、105a〜105bおよび1
06a〜106bは、各々、3分割または2分割の受光
素子を構成する各受光領域である。各受光素子内部に記
した図形は、そこに入射する光束の形状を模式的に示
す。
【0155】次に、以上のように構成された光学ヘッド
の動作を説明する。この動作も、前述の第9および10
の実施の形態と共通点が多いため、異なるところのみ説
明する。光ディスクで反射し、再び複合回折素子に入射
した光束は、5つの分割線55a〜55eにより分割さ
れた各領域で、+1次および−1次回折光として光束が
分割され、対応する各受光素子に向けて回折される。領
域57aおよび57cでの回折光は、例えば受光素子1
02aと102dに、領域57bおよび57dでの回折
光は、例えば受光素子102bと102cに、各々入射
する。また、帯状分割集合体58aでの回折光は、例え
ば3分割受光素子104と受光領域105bに、帯状分
割集合体58bでの回折光は、例えば3分割受光素子1
03と受光領域106aに、帯状分割集合体58cでの
回折光は、例えば3分割受光素子103と受光領域10
6bに、帯状分割集合体58dでの回折光は、3分割受
光素子104と受光領域105aに、帯状分割集合体5
8eでの回折光は、3分割受光素子104と受光領域1
05bに、帯状分割集合体58fでの回折光は、3分割
受光素子103と受光領域106aに、帯状分割集合体
58gでの回折光は、3分割受光素子103と受光領域
106bに、帯状分割集合体58hでの回折光は、3分
割受光素子104と受光領域105aに、各々入射す
る。また、帯状分割集合体59aでの回折光は、3分割
受光素子103と、受光領域106aに、帯状分割集合
体59bでの回折光は、3分割受光素子104と、受光
領域105aに、帯状分割集合体59cでの回折光は、
3分割受光領域103と、受光領域106bに、帯状分
割集合体59dでの回折光は、3分割受光素子104
と、受光領域105bに、各々入射する。このとき、第
9および第10の実施の形態と同様に、フォーカスエラ
ー信号は、
【0156】
【数49】FE=103b+104a+104c−(1
03a+103c+104b) という演算により得られる。
【0157】また、トラッキングエラー信号オフセット
を補正する信号TE1は、以前と同様に、
【0158】
【数50】 TE1=102a+102d−(102b+102c) で得られる。
【0159】プッシュプル信号TE2は、複合回折素子
の領域分割線55aの左側にある帯状分割集合体58
a、58b、58eおよび58fを通過した光束の検出
信号と、分割線55aの右側にある帯状分割集合体58
c、58d、58gおよび58hを通過した光束の検出
信号との差動検出により得るため、
【0160】
【数51】 TE2=105b+106a−(105a+106b) と演算する。このとき、プッシュプル信号検出に使う領
域以外の領域、即ち、複合回折素子の領域分割線55d
と55eの間の4つの帯状分割集合体59a〜59dの
うち、(数51)において、正の符号を持つ項である受
光領域に、分割線55aの両側に位置する59aと59
dでの回折光が、負の符号を持つ項である受光領域に
は、同じく分割線55aの両側に位置する59bと59
cでの回折光束が、各々入射している。ところで、帯状
分割集合体の帯状分割が充分細かければ、いわゆる振幅
分割と同等となるため、領域分割線55dと55eの間
の領域を通過した光束が、空間的に均等に2分割され、
(数51)における正と負の符号を持つ項である受光領
域に均等に入射することになるから、(数51)の差動
検出で、それらの光束の影響は相殺される。
【0161】対物レンズの移動に伴い生じるオフセット
が補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0162】
【数52】TE=TE2−k*TE1 となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式に
おいて、検出信号名を受光領域名で表した。
【0163】本実施の形態の信号検出方式は、分割線5
5dと55eの間の領域を通過した光束が、プッシュプ
ル信号を検出する受光素子に均等に入射するように、複
合回折素子の回折角と、受光素子配置を設定している点
では、前述の第10の実施の形態と同様であるが、受光
素子上の光束の形状を揃え、回折による広がりがあって
も、3分割受光素子に入射する各光束が同じ様な光量分
布を有するようにした点を特徴とする。これにより、光
スポットのトラック横断時に光束が変調を受けても、そ
の変調は各受光領域に均等に受光されるため、フォーカ
スエラー信号は、その変調の影響を受けにくい。
【0164】また、本構成において、複合回折素子の分
割線55bと55cの間隔をVとしたとき、前記(数1
1)を満足することが望ましく、更に、分割線55dと
55eの間隔をWとしたとき、前記(数36)を満足す
ることが望ましいことは、前述の第7の実施の形態と同
様である。
【0165】以上に示した本実施の形態の光学ヘッドに
よれば、前述の第10の実施の形態が有する効果に加
え、光スポットのトラック横断時の変調成分の混入が少
ないフォーカスエラー信号を得ることができる。 (第12の実施の形態)図12(a)は、本発明の第1
2の実施の形態の、複合回折素子の上面概念図である。
図12(b)は、図12(a)における、分割線107
dと107eの間の帯状分割集合体の概念図である。本
実施の形態は、前述の第10または第11の実施の形態
の帯状分割集合体の構成を変えたものであるため、その
構成について説明する。
【0166】図12(a)において、107aから10
7fは、複合回折素子の領域分割線である。本複合回折
素子は、図9(a)と共通点が多いため、図12(a)
において、領域分割線以外は、その構成を省略し、前述
の第10および第11の実施の形態と異なる点である、
分割線107dと107eの間の帯状分割集合体の構成
を、図12(b)に示す。図12(b)において、10
7a、107d、107eおよび107fは複合回折素
子の領域分割線、108a〜108dは分割された各領
域、各領域内部の縞は、回折格子の方向を概念的に示す
ものである。ここで、領域108a〜108dは、分割
線107dと107eの間を、分割線107aに平行な
複数の帯状分割部に分割し、更に、それらの帯状分割部
を、分割線107fによって半分に分割し、分割線10
7fの上下の帯状分割部の並びが、一つずつずれるよう
にまとめた、4つの帯状分割集合体である。
【0167】尚、本発明の第4の分割線は、分割線10
7fに対応し、又、本発明の第5及び第6の分割線は、
それぞれ、分割線107d,107eに対応する。
【0168】以上のように構成された光学ヘッドの動作
は、前述の第10および第11の実施の形態と共通であ
るため省略し、分割線107dと107eの間の帯状分
割集合体と、前記2つの実施の形態の帯状分割集合体と
の対応についてのみ説明する。
【0169】例えば、領域108a〜108dを、各々
順に図9(a)における領域59a〜59dに対応させ
る。領域108a〜108dでの回折光は、前述の第1
0または第11の実施の形態の対応する領域での回折光
と同様に、所定の受光素子に入射し、各信号が得られ
る。
【0170】次に、分割線107dと107eの間の帯
状分割集合体を、以上のような構成としたことによる効
果を説明する。仮に、帯状分割集合体の各帯状分割部
を、実質的に振幅分割と同等になるように、十分に細か
なピッチで形成すれば、前述の第10または第11の実
施の形態のような帯状分割集合体でも、なんら不具合は
発生しない。ところが、実際の光学ヘッドの構成では、
複合回折素子と受光素子の距離を小さな値に制限される
ことがあり、そのため複合回折素子上の光束径が小さく
って、光束径に対して十分細かな帯状分割集合体とする
ことが難しい場合がある。図13(a)は、第10の実
施の形態における、(数47)により相殺されるべき信
号を発生させる帯状分割集合体、即ち、領域59aと5
9cの和と、領域59bと59dの和を説明する概念図
である。複合回折素子に入射する光束の光量分布は、一
般に均一でなく、特に、分割線55aに垂直な方向に大
きな変化がある。仮に、図13(a)の概念図のような
目の粗い帯状分割集合体で複合回折素子を構成すると、
分割線55aに関する光束の光量分布の非対称性によっ
て、それらの帯状分割集合体を通過する光量に差が出
て、(数47)による精度の良い相殺が出来なくなる。
【0171】一方、本実施の形態の帯状分割集合体は、
図13(b)に示すように、分割線107aに垂直な方
向には、どちらも隙間なく配置されているため、分割線
107aに関する光束の光量分布の非対称性の影響は受
けない。また、光ディスクからの反射光束は、分割線1
07aに平行な方向、即ち、トラック方向には概ね対称
で変化の小さい光量分布を有するため、分割線107d
と107eの間の帯状分割集合体の信号は、(数47)
により精度よく相殺できる。従って、目の粗い帯状分割
集合体で構成された複合回折素子であっても、第10お
よび第11の実施の形態が意図するトラッキングエラー
信号が検出できる。
【0172】また、本構成において、複合回折素子の分
割線107bと107cの間隔をVとしたとき、前記
(数11)を満足することが望ましく、更に、分割線1
07ddと107eの間隔をWとしたとき、前記(数3
6)を満足することが望ましいことは、前述の第7の実
施の形態と同様である。
【0173】以上に示した本実施の形態の複合回折素子
によれば、光学ヘッドの小型化により複合回折素子と受
光素子の距離が小さくなっても、前述の第10および第
11の実施の形態の光学ヘッドが有する本来の性能およ
び特徴を確保することができる。 (第13の実施の形態)図17は、本発明の、第13の
実施の形態の光学ヘッドの構成図である。本実施の形態
の構成は、前述の第1の実施の形態と類似しているた
め、異なるところのみ説明する。図17において、71
は、前述した各実施の形態における本発明の複合回折素
子、72は、発光素子4と受光素子が、前述した実施の
形態に於ける本発明のごとく配置された基板、73は、
金属または樹脂などの剛性を持つ材料で形成された部材
であり、複合回折素子71と基板72は、部材73によ
って一体に固定されている。
【0174】以上のように構成された本実施の形態の光
学ヘッドの動作は、前述の各実施の形態に従うものであ
るから省略する。
【0175】本実施の形態の光学ヘッドは、前述した各
実施の形態の光学ヘッドの特徴に加え、複合回折素子7
1と、発光素子と受光素子が配置された基板72が、一
体となって1つの信号検出素子に集積化されたことを特
徴とする。よって、本実施の形態によれば、対物レンズ
と、前記1つの信号検出素子との2つの光学部品からな
る光学系により、光学ヘッドが構成されるため、組立工
程の簡単化と、光学ヘッドの小型化が容易に実現され
る。
【0176】尚、以上に述べた各実施の形態では、複合
回折素子の各領域と、その回折光が受光される受光素子
との対応を前述のごとくとしたが、受光素子の配置と、
複合回折素子の各領域内部の回折格子パターンの単純な
置き換えによって、異なる対応の組み合わせでも、同様
の信号検出が可能であることは言うまでもない。
【0177】また、2光束干渉による干渉縞の生成を、
例えば第1の光束と第2の光束との干渉とすると、この
干渉縞を回折格子パターンとして有する回折素子は、第
1の光束と同じ収束または発散状態、の光束が入射した
ときには、第2の光束と同じ方向に、それと同一の波面
を有する回折光束を生じるという、一般的な原理が知ら
れている。
【0178】そこで、以上の各実施の形態において、そ
の複合回折素子の各領域内部の回折格子パターンを、発
光素子位置付近に向かって収束する球面波と、所定の位
置に向かって収束する球面波との2光束干渉によって、
回折格子が形成される面上に生じる干渉縞パターンとす
ることにより、光線収差の少ない回折光束が得られる。
【0179】または、以上の各実施の形態において、そ
の複合回折素子の各領域内部の回折格子パターンを、発
光素子位置付近から発散する球面波と、所定の位置から
発散する球面波との2光束干渉によって、回折格子が形
成される面上に生じる干渉縞パターンとすることによ
り、光線収差の少ない回折光束が得られる。
【0180】また、以上説明した本発明にかかる光学ヘ
ッドと、その光学ヘッドからの信号に基づき、制御を行
う制御回路と、その制御回路からの制御信号により機構
的駆動を行う駆動部とを備えることによって、より優れ
た光ディスク装置などの情報記録・再生装置を実現でき
る。
【0181】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、対物レン
ズのトラッキング方向の移動や、情報記録媒体のラジア
ル方向の傾きによって生じる、トラッキングエラー信号
のオフセットの発生が少ない、安定な光学ヘッドを簡単
な構成で実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明の第1の実施の形態の光学ヘッ
ドの構成図 (b):本実施の形態の複合回折素子の概念を説明する
ための平面図 (c):本実施の形態の発光素子および受光素子の配置
を示す平面図
【図2】(a):本発明の第2の実施の形態の光学ヘッ
ドの構成図 (b):本実施の形態の複合回折素子の概念を説明する
ための平面図 (c):本実施の形態の発光素子および受光素子の配置
を示す平面図
【図3】(a):本発明の第3の実施の形態の複合回折
素子を説明するための平面図 (b):本実施の形態の発光素子および受光素子の配置
を示す平面図
【図4】本発明の第4の実施の形態の受光素子配置を説
明する平面図
【図5】(a):本発明の第5の実施の形態の複合回折
素子を説明するための平面図 (b):本実施の形態の発光素子および受光素子の配置
を示す平面図
【図6】本発明の第6の実施の形態の受光素子配置を説
明する図
【図7】(a):本発明の第7の実施の形態の複合回折
素子を説明する平面図 (b):本実施の形態の発光素子および受光素子の配置
を示す平面図
【図8】(a):本発明の第8の実施の形態の複合回折
素子を説明する平面図 (b):本実施の形態の発光素子および受光素子の配置
を示す平面図
【図9】(a):本発明の第9の実施例形態の複合回折
素子と受光素子配置を説明する平面図 (b):本実施の形態の発光素子および受光素子の配置
を示す平面図
【図10】本発明の第10の実施の形態の受光素子配置
を説明する図
【図11】本発明の第11の実施の形態の受光素子を説
明する図
【図12】(a):本発明の第12の実施の形態の、複
合回折素子を説明する平面図 (b):図12(a)における、分割線107dと10
7eの間の帯状分割集合体の概念図
【図13】(a):目の粗い帯状分割集合体で複合回折
素子を構成した場合の概念図 (b):第12の本実施の形態における、分割線107
aに垂直な方向に隙間なく配置された帯状分割集合体を
説明する図
【図14】本発明の第1の実施の形態の光学ヘッドの概
略構成図
【図15】本発明の第1の実施の形態のフォーカスエラ
ー信号を生成する概略回路図
【図16】本発明の第1の実施の形態のトラッキングエ
ラー信号を生成する概略回路図
【図17】本発明の第13の実施の形態の光学ヘッドの
構成図
【図18】従来の光学ヘッドの構成図
【図19】(a):対物レンズが基準位置にある場合に
おける、第1の従来の技術の受光素子分割方法を説明す
る図 (b):対物レンズが、X方向の+向きに移動した場合
における、第1の従来の技術の受光素子分割方法を説明
する図
【図20】(a):第2の従来の技術の受光素子分割方
法を説明する図であり、8分割された受光素子の平面図 (b):図20(a)に示す受光素子において、光ディ
スクがラジアル方向に傾いたときに生じる、光束の光量
分布の模式的に示した図
【符号の説明】
1、80: 光ディスク 2、78: 対物レンズ 3、13、71: 複合回折素子 3a〜3c、13a〜13c、21a〜21d、29a
〜29c、38a〜38f、47a〜47f、55a〜
55e: 複合回折素子の領域分割線 4: 発光素子 5、14、22、30、39、48、56、65、7
2: 発光素子と受光素子が配置された基板 6a〜6f、15a〜15f、23a〜23h、31a
〜31d、32a〜32d、40a〜40h、41a〜
41b、49a〜49h、57a〜57d、58a〜5
8g、59a〜59d: 複合回折素子の分割された領
域 7a〜7d、16a〜16d、24a〜24d、33a
〜33d、42a〜42d、50a〜50d、60a〜
60d、66a〜66d:受光素子 8〜11、17〜20、34、36、44、46、6
1、62、67、68:3分割受光素子 25〜28、35、37、43、45、51〜54、6
3、64、69、70:2分割受光素子 12: 複合回折素子上の光束外形 73: 固定部材 74: 光軸 79: アクチュエータ 76、77: ハーフミラー 81: 6分割受光素子 82a〜83f: 6分割受光素子の受光領域 83: 差動アンプ 84: 6分割受光素子上の光束外形 85: 8分割受光素子 86a〜86h: 8分割受光素子の受光領域 87: 8分割受光素子上の光束外形 101: 発光素子と受光素子が配置された基板 102a〜102d: 受光素子 103,104: 3分割受光素子 105、106: 2分割受光素子 107a〜107f: 複合回折素子の分割線 108a〜108d: 複合回折素子の分割された領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永田 貴之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光素子と、 複数の受光素子と、 前記発光素子からの光を情報記録媒体の面に集光させる
    対物レンズと、 前記発光素子と前記対物レンズとの間の光路中に配置さ
    れ、前記情報記録媒体で反射し再び前記対物レンズを通
    過した光束を、空間的に複数の光束に分割し、前記複数
    の受光素子に導く複合回折素子と、 前記複数の受光素子で検出された信号の全部又は一部に
    基づいて、フォーカスエラー信号とトラッキングエラー
    信号とを生成する信号生成手段とを備え、 前記トラッキングエラー信号の前記生成に際し、前記対
    物レンズの移動に伴い生ずる又は、前記情報記録媒体の
    面の傾きにより生じる、トラッキング信号のオフセット
    を補正することが考慮されていることを特徴とする光学
    ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記トラッキングエラー信号の前記生成
    に際し、前記対物レンズの移動に伴い生ずるトラッキン
    グ信号のオフセットを補正することが考慮されている場
    合、 前記信号生成手段が、前記複数の受光素子で検出された
    信号に基づいて、前記オフセットを補正するオフセット
    補正信号を生成することを特徴とする請求項1記載の光
    学ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記複合回折素子は、前記情報記録媒体
    の情報トラックの方向と実質上平行な第1の分割線と、
    その第1の分割線と実質上直交し且つ前記対物レンズの
    光軸に対して実質上対称な第2および第3の分割線とに
    より分割された6つの領域を有しており、 前記信号生成手段は、(1)前記6つの領域の内、前記
    第2および第3の分割線の間に配置された2つの領域を
    通過することにより生成された複数の光束の前記受光素
    子による検出信号に基づいて、前記フォーカスエラー信
    号とトラッキングエラー信号とを生成し、又、(2)前
    記6つの領域の内、前記第2および第3の分割線の外側
    に配置された4つの領域を通過することとにより生成さ
    れた複数の光束の前記受光素子による検出信号に基づい
    て、前記対物レンズの移動に伴い生ずるトラッキングエ
    ラー信号のオフセットを補正するオフセット補正信号を
    生成し、前記トラッキングエラー信号の生成に際し、前
    記生成されたオフセット補正信号を利用するものである
    ことを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記第2および第3の分割線の間の前記
    2つの領域の各々は、回折格子パターンにより形成され
    ており、これら2つの領域を通過した光束は、+1次お
    よび−1次回折光として4つの光束に分割されるもので
    あり、 前記信号生成手段は、これら4つの光束の内、2つの光
    束を受光した前記受光素子による検出信号に基づいて前
    記フォーカスエラー信号を生成し、他の2つの光束を受
    光した前記受光素子による検出信号に基づいて前記トラ
    ッキングエラー信号を生成することを特徴とする請求項
    3に記載の光学ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記第2および第3の分割線の間の前記
    2つの領域の各々は、回折格子パターンにより形成され
    ており、これら2つの領域を通過した光束は、+1次お
    よび−1次回折光として4つの光束に分割されるもので
    あり、 前記分割された4つの光束のそれぞれは、対応する受光
    素子で受光されるものであり、それら対応する4つの受
    光素子の内、少なくとも2つは受光領域が3分割された
    受光素子であって、 前記4つの受光素子で検出された信号に基づいて、前記
    フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号が
    生成されることを特徴とする請求項3に記載の光学ヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 前記複合回折素子は、前記情報記録媒体
    の情報トラックの方向と実質上平行な第1の分割線と、
    その第1の分割線と実質上直交し且つ前記対物レンズの
    光軸に対して実質上対称な第2および第3の分割線と、
    それら第2及び第3の分割線と平行で且つ等距離に位置
    する第4の分割線と、により分割された8つの領域を有
    しており、 前記信号生成手段は、(1)前記8つの領域の内、前記
    第2および第3の分割線の間に配置された4つの領域を
    通過することにより生成された光束の前記受光素子によ
    る検出信号に基づいて、前記フォーカスエラー信号とト
    ラッキングエラー信号とを生成し、又、(2)前記8つ
    の領域の内、前記第2および第3の分割線の外側に配置
    された4つの領域を通過することにより生成された光束
    の前記受光素子による検出信号に基づいて、前記対物レ
    ンズの移動に伴い生ずるトラッキングエラー信号のオフ
    セットを補正するオフセット補正信号を生成し、前記ト
    ラッキングエラー信号の生成に際し、前記生成されたオ
    フセット補正信号を利用するものであることを特徴とす
    る請求項1に記載の光学ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記第2および第3の分割線の間の前記
    4つの領域の各々は、回折格子パターンにより形成され
    ており、これらの領域を通過する光束は、+1次および
    −1次回折光として8つの光束に分割されるものであ
    り、 前記信号生成手段は、これら8つの光束の内、4つの光
    束を受光した前記受光素子による検出信号に基づいて前
    記フォーカスエラー信号を生成し、他の4つの光束を受
    光した前記受光素子による検出信号に基づいて前記トラ
    ッキングエラー信号を生成することを特徴とする請求項
    6に記載の光学ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記第2及び第3の分割線の間の前記4
    つの領域を通過することにより生成された前記8つの光
    束のそれぞれは、対応する前記受光素子で受光されるも
    のであり、それら対応する8つの受光素子の内、2つの
    受光素子は、それぞれの受光領域が2分割された第1及
    び第2の2分割受光素子であり、他の受光素子は、第3
    から第6の受光素子であり、 前記第2及び第4の分割線の間の前記2つの領域を通過
    した光束は、+1次および−1次回折光として4つの光
    束に分割されるとともに、これら4つの内の2つの光束
    が前記第1の2分割受光素子の分割線上の異なる位置に
    入射し、且つ、他の2つの光束は各々前記第3及び第4
    の受光素子に入射するように、前記第2及び第4の分割
    線の間の前記2つの領域内部に、回折格子パターンが形
    成されており、 前記第3及び第4の分割線の間の前記2つの領域を通過
    した光束は、+1次および−1次回折光として4つの光
    束に分割されるとともに、これら4つの内2つの光束が
    前記第2の2分割受光素子の分割線上の異なる位置に入
    射し、且つ、他の2つの光束は各々前記第5及び第6の
    受光素子に入射するように、前記第3及び第4の分割線
    の間の前記2つの領域内部に回折格子パターンが形成さ
    れており、 前記第1および第2の2分割受光素子で検出された信号
    に基づいて、前記フォーカスエラー信号を生成し、前記
    第3から第6の4つの受光素子で検出された信号に基づ
    いて、前記トラッキングエラー信号を生成することを特
    徴とする請求項7記載の光学ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記第3から第6の4つの受光素子を、
    それらと等価な受光領域を有する2つの受光素子に置き
    換えたものであり、 これら2つの受光素子で受光された信号の差動演算によ
    りプッシュプル信号が検出されるように、前記複合回折
    素子の第2及び第3の分割線の間の4つの領域内部の回
    折格子パターンが形成されていることを特徴とする請求
    項8記載の光学ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記複合回折素子の前記第2および第
    3の分割線との間の前記4つの領域に加え、更に、前記
    第4の分割線に関して対称な第5および第6の分割線
    と、前記第4の分割線とにより分割された2つの領域を
    有しており、 前記第5および第6の分割線の間の領域内部の回折格子
    パターンの形成、及び前記受光素子の配置は、 前記2つの領域を通過して生成された複数の光束が、前
    記フォーカスエラー信号を検出する受光素子には受光さ
    れ、且つ、前記トラッキングエラー信号を生成するため
    の受光素子には受光されないようになされていることを
    特徴とする請求項8に記載の光学ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記複合回折素子の前記第2および第
    3の分割線との間の4つの領域に加え、更に、前記第4
    の分割線に関して対称な第5および第6の分割線と、前
    記第4の分割線とにより分割された2つの領域を有して
    おり、 前記第4および第5の分割線の間の領域を通過して生成
    された光束と、前記第4および第6の分割線の間の領域
    を通過して生成された光束とが、プッシュプル信号を検
    出する対となる受光素子に、各々均等に受光されるよう
    に、前記第5および第6の分割線の間の2つの領域内部
    の回折格子パターンが構成されていることを特徴とする
    請求項8に記載の光学ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記第2および第3の分割線の間の2
    つの領域は、それぞれ複数の帯状分割部を有し、 前記2つの領域の内、(1)一方の領域における一つお
    きに配置された帯状分割部の集合を第1の帯状分割集合
    体とし、残りの帯状分割部の集合を第2の帯状分割集合
    体とし、(2)他方の領域における一つおきに配置され
    た帯状分割部の集合を第3の帯状分割集合体とし、残り
    の帯状分割部の集合を第4の帯状分割集合体とするもの
    であり、 前記複数の受光素子は、これら第1〜第4の帯状分割集
    合体での回折光を受光する、第1の3分割受光素子と第
    2の3分割受光素子と、第3から第6の受光素子とを含
    むものであり、 前記第1及び第4の帯状分割集合体の領域内部の回折格
    子パターンは、 (1)前記第1の帯状分割集合体を通過した光束が、+
    1次および−1次回折光として2つの光束に分割され、
    前記第4の帯状分割集合体を通過した光束が、+1次お
    よび−1次回折光として2つの光束に分割されるととも
    に、 (2)(a)前記第1の帯状分割集合体を通過した2つ
    の光束の内の一方の光束と、前記第4の帯状分割集合体
    を通過した2つの光束の内の一方の光束とが前記第1の
    3分割受光素子の異なる位置に入射し、(b)前記第1
    の帯状分割集合体を通過した2つの光束の内の他方の光
    束は、前記第3の受光素子に入射し、且つ、(c)前記
    第4の帯状分割集合体を通過した2つの光束の内の他方
    の光束は、前記第4の受光素子に入射するように、形成
    されており、 前記第2及び第3の帯状分割集合体の領域内部の回折格
    子パターンは、 (3)前記第2の帯状分割集合体を通過した光束が、+
    1次および−1次回折光として2つの光束に分割され、
    前記第3の帯状分割集合体を通過した光束が、+1次お
    よび−1次回折光として2つの光束に分割されるととも
    に、 (4)(a)前記第2の帯状分割集合体を通過した2つ
    の光束の内の一方の光束と、前記第4の帯状分割集合体
    を通過した2つの光束の内の一方の光束とが前記第2の
    3分割受光素子の異なる位置に入射し、(b)前記第2
    の帯状分割集合体を通過した2つの光束の内の他方の光
    束は、前記第5の受光素子に入射し、且つ、(c)前記
    第3の帯状分割集合体を通過した2つの光束の内の他方
    の光束は、前記第6の受光素子に入射するように、形成
    されており、 前記第1および第2の3分割受光素子で検出された信号
    に基づいて、前記フォーカスエラー信号を生成し、前記
    第3〜第6の受光素子で検出された信号に基づいて、前
    記トラッキングエラー信号を生成し、 前記複合回折素子の第2及び第3の分割線の外側の4つ
    の領域の回折光を受光し、検出された信号に基づいて、
    前記対物レンズの移動に伴い生ずるトラッキングエラー
    信号のオフセットを補正するオフセット補正信号を生成
    することを特徴とする請求項3に記載の光学ヘッド。
  13. 【請求項13】 前記第1の3分割受光素子の異なる位
    置に入射するそれぞれの光束は、何れも3分割された各
    領域にまたがって入射することを特徴とする請求項12
    に記載の光学ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記第2の3分割受光素子の異なる位
    置に入射するそれぞれの光束は、何れも3分割された各
    領域にまたがって入射することを特徴とする請求項12
    に記載の光学ヘッド。
  15. 【請求項15】 前記第2および第3の分割線の間に
    は、前記帯状分割集合体を分割する位置に、前記双方の
    分割線に実質上平行な第5及び第6の分割線に挟まれた
    領域が設けられており、 前記第5及び第6の分割線に挟まれた領域は複数の帯状
    分割部を有し、それら複数の帯状分割部の内、一つおき
    に配置された帯状分割部の集合を第5の帯状分割集合体
    とし、残りの帯状分割部の集合を第6の帯状分割集合体
    とするものであり、 前記第5及び第6の帯状分割集合体を通過して生成され
    た光束が、前記フォーカスエラー信号を検出する受光素
    子には受光され、且つ、前記トラッキングエラー信号を
    生成するための受光素子には受光されないように、前記
    第5及び第6の帯状分割集合体の領域内部の回折格子パ
    ターンと受光素子とが構成されていることを特徴とする
    請求項12に記載の光学ヘッド。
  16. 【請求項16】 前記第2および第3の分割線の間に
    は、前記帯状分割集合体を分割する位置に、前記双方の
    分割線に実質上平行な第5及び第6の分割線に挟まれた
    2つの領域が設けられており、 前記2つの領域は、前記第1の分割線に関して対象であ
    り、且つ、その2つの領域は、それぞれ複数の帯状分割
    部を有し、 前記2つの領域の内、(1)一方の領域における一つお
    きに配置された帯状分割部の集合を第5の帯状分割集合
    体とし、残りの帯状分割部の集合を第6の帯状分割集合
    体とし、(2)他方の領域における一つおきに配置され
    た帯状分割部の集合を第7の帯状分割集合体とし、残り
    の帯状分割部の集合を第8の帯状分割集合体とするもの
    であり、 前記第5から第8の帯状分割集合体の領域内部の回折格
    子パターンは、 (1)前記第5の帯状分割部集合体を通過して生成され
    た光束と、前記第7の帯状分割集合体を通過して生成さ
    れた光束とが、プッシュプル信号を検出する一方の受光
    素子に受光され、又、(2)前記第6の帯状分割集合体
    を通過して生成された光束と、前記第8の帯状分割集合
    体を通過して生成された光束とが、前記プッシュプル信
    号を検出する他方の受光素子に受光されるように、形成
    されていることを特徴とする請求項12に記載の光学ヘ
    ッド。
  17. 【請求項17】 前記第5及び第6の分割線に挟まれた
    領域が、前記それら双方の分割線に実質上平行な第4の
    分割線により更に2つの領域に分割されており、 前記2分割された一方の領域における帯状分割部の並び
    と、他方の領域における帯状分割部の並びとが、ずれて
    いることを特徴とする請求項16に記載の光学ヘッド。
  18. 【請求項18】 前記複合回折素子における光束分割
    は、通過する光束の直径をD、前記情報記録媒体側の対
    物レンズの開口数をNA、波長をλ、情報トラックのピ
    ッチをd、第2および第3の分割線の間隔をVとしたと
    き、 【数1】 を満足することを特徴とする請求項2〜17のいずれか
    に記載の光学ヘッド。
  19. 【請求項19】 前記複合回折素子における光束分割
    は、前記第5および第6の分割線の間隔をW、前記対物
    レンズの情報媒体側の開口数をNA、波長をλ、情報ト
    ラックのピッチをd、複合回折素子上での光束直径をD
    とすると、 【数2】 を満足することを特徴とする請求項10、11、15〜
    18のいずれかに記載の光学ヘッド。
  20. 【請求項20】 前記発光素子と、前記複数の受光素子
    とが同一基板上に配置され、 前記複合回折素子は、前記基板から所定の間隔を隔て
    て、前記基板と一体となって固定されていることを特徴
    とする請求項1〜19のいずれかに記載の光学ヘッド。
  21. 【請求項21】 前記複合回折素子の各領域内部に形成
    された前記回折格子パターンは、前記発光素子付近に向
    かって収束する球面波と、所定の位置に向かって収束す
    る球面波とが干渉して、回折格子が形成されている面上
    に生じる干渉縞パターンであることを特徴とする請求項
    1〜20のいずれかに記載の光学ヘッド。
  22. 【請求項22】 前記複合回折素子の各領域内部に形成
    された前記回折格子パターンは、前記発光素子付近から
    発散する球面波と、所定の位置から発散する球面波とが
    干渉して、回折格子が形成されている面上に生じる干渉
    縞パターンであることを特徴とする請求項1〜20のい
    ずれかに記載の光学ヘッド。
  23. 【請求項23】 請求項1〜22のいずれかに記載の光
    学ヘッドと、 その光学ヘッドからの信号に基づき、制御を行う制御回
    路と、 その制御回路からの制御信号により機構的駆動を行う駆
    動部と、を備えたことを特徴とする情報記録・再生装
    置。
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