JPH1173612A - 磁気抵抗効果型ヘッドの評価方法および評価装置 - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッドの評価方法および評価装置

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JPH1173612A
JPH1173612A JP23153397A JP23153397A JPH1173612A JP H1173612 A JPH1173612 A JP H1173612A JP 23153397 A JP23153397 A JP 23153397A JP 23153397 A JP23153397 A JP 23153397A JP H1173612 A JPH1173612 A JP H1173612A
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啓介 深町
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 永久磁石バイアス方式MRヘッドについて、
永久磁石膜の保磁力や角形性を実際の素子形状で測定可
能であり、製造工程中で製品不良を発見して適正な工程
管理を行うことができ、製造効率を著しく向上させる事
のできる磁気抵抗効果型ヘッドの評価装置を提供する。 【解決手段】 MRヘッドに縦バイアスを与えるために
形成される永久磁石の磁化状態を着磁磁界または減磁磁
界により変化させ、縦方向の抵抗変化から計算される縦
バイアス磁界の着磁磁界依存性または減磁磁界依存性か
ら永久磁石の特性を測定するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハードディスク装
置、VTRなどの磁気記録装置に使用される磁気ヘッド
に係り、特に磁気ヘッドの信号検出部に磁気抵抗効果素
子を用いた磁気抵抗効果型ヘッドの評価方法および評価
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク装置、VTR等の磁気記
録装置の小型大容量化は急激な勢いで進展している。こ
のような動向に呼応して磁気ヘッドの高性能化が進めら
れ、電磁誘導方式である薄膜磁気ヘッドに代わるものと
して、強磁性体の薄膜による磁気抵抗効果現象を利用し
た磁気抵抗効果型磁気ヘッド(Magneto Resistive he
ad 以下、MRヘッドと称す。)へと発展してきた。M
Rヘッドはパーマロイなどの強磁性体薄膜の磁気抵抗効
果を利用したもので、記録媒体との相対速度に依らず大
きな再生出力が得られ、高密度記録の再生に適している
が、その反面バルクハウゼンノイズ等による不安定な再
生特性を有するヘッドが生成される場合がある。
【0003】バルクハウゼンノイズは、強磁性体内の磁
壁が薄膜の欠陥や夾残物などにひっかかりながら移動す
ることに起因するが、この様なバルクハウゼンノイズが
生じるヘッドでは、再生動作に信頼性が期待できない。
このバルクハウゼンノイズを抑制するため、縦バイアス
を印加する磁区制御膜をMR層の両側に配置し、MR層
を単磁区化する素子構造が考案されている。
【0004】図10は永久磁石バイアス方式のMRヘッ
ドを記録媒体が対面する側から示した拡大正面図であ
る。永久磁石バイアス方式のMRヘッドでは、磁気抵抗
効果を発揮するMR層1、非磁性層であるスペーサ層
2、MR層1に対してSALバイアス(y方向の横バイ
アス磁界)を与えるSAL(Soft Adjacent Layer)
3を備えている。この3層構造は上部絶縁層4と下部絶
縁層5との間に設けられている。MR層1にx方向の縦
バイアス磁界を与えるための永久磁石層7の積層方法に
アバッテド接合と呼ばれるものがある。これは、MR層
1/スペーサ層2/SAL3の3層にテーパー部を形成
し、その上に永久磁石層7を成膜するもので、再生の安
定性を向上させる上で有効な構造の一つである。永久磁
石層7はx方向へ磁化されており、永久磁石層7からM
R層1に磁気異方性磁界を与え、MR層1をx方向へ単
磁区化する働きをする。MRヘッドの再生動作の際に
は、リード層8および永久磁石層7からMR層1にx方
向へ定常電流が与えられる。電流がMR層1を流れる際
にSAL3がもたらす静磁結合エネルギーにより、MR
層1に対して横バイアス磁界がy方向に与えられる。永
久磁石層7によりMR層1がx方向に単磁区化され且つ
SAL3から横バイアス磁界が与えられることにより、
MR層1の磁界変化に対する抵抗変化が直線性を有する
状態に設定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、MRヘッド
は記録媒体上を数十nmと非常に低い所を浮上しながら
記録再生動作を行うものである。図11は記録媒体上を
浮上している時の再生ヘッドの模式図である。記録媒体
29上に書き込まれた記録ビット30からの漏れ磁界3
1は記録媒体近傍では非常に大きい。このため、ABS
(Air BearingSurface)面近傍の永久磁石の磁化状態
が、記録ビット30からの漏れ磁界31により変化し、
再生の安定性を劣化させる可能性がある。これを回避す
るためには永久磁石の保磁力を向上させる必要がある。
【0006】従来、永久磁石の保磁力の測定は、モニタ
用のダミー基板上に成膜した永久磁石の単層膜(下地が
ある場合は下地と永久磁石の2層膜)のB−H曲線を測
定するという方法が採られてきた。しかし、縦バイアス
に影響を与えるのは、図10のMR層1/スペーサ層2
/SAL3の近傍の永久磁石であり、微少な領域の永久
磁石の特性が重要になる。また、硬磁性体は軟磁性体と
接した状態で形成されると接合界面で交換結合し、保磁
力や角形性が低下するという現象がある。このため、M
R層1、SAL3に接した永久磁石は前記B−H曲線と
は異なる特性を示す可能性がある。
【0007】更に、MR層1/スペーサ層2/SAL3
と永久磁石層7のアバッテッド接合の形成工程は、例え
ば図5に示す様なリフトオフ法で行われる。図12
(a)において、まずSAL3/スペーサ層2/MR層
1の上に感光性レジスト9をコートした後、Si02
0をスッパタなどにより成膜する。次にSiO210の
余分な部分をエッチングで除去したあと、RIE(Reac
tive Ion Eching)などによりレジストを選択的にエ
ッチングし、図12(b)の様な形状を形成する。その
後イオンミリングでテーパー部を形成した後、下地膜6
および永久磁石膜7、電極膜8を順次スパッタなどで成
膜し(図12(c))、最後にレジスト9とSiO2
0を有機溶剤などで除去し、アバッテド接合が形成され
る(図12(d))。この時問題になるのは、図12
(c)の工程でイオンミリングが不十分でSAL3の残
りがあると、前述のように保磁力や角形性が劣化する可
能性がある。
【0008】また、永久磁石の特性はその下地となる表
面の清浄度や結晶構造などにより敏感に変化する。その
ため、永久磁石膜が成膜される表面にSiO210やレ
ジスト9などがミリングにより再付着した場合も、同様
に永久磁石の特性が劣化することが考えられる。このた
め、実素子形状の永久磁石の特性は前記単層膜のB−H
曲線で測定できない場合がある。本発明は、かかる従来
例の問題点に鑑み創作されたものであり、再生安定性に
影響を及ぼす永久磁石の保磁力や角形性などの特性を、
実素子形状で測定する評価装置および評価方法を提供す
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のMRヘッドの第
1の評価装置は、前記MRヘッドの縦方向に磁界を印加
して永久磁石の着磁状態を変化させるための着磁磁界発
生用コイルと、前記MRヘッドの縦方向に交番磁界を印
加する手段と、前記交番磁界の変化に対するMRヘッド
の抵抗変化を測定する測定手段とを備えたことを特徴と
する。
【0010】本発明のMRヘッドの第2の評価装置は、
前記MRヘッドの縦方向に磁界を印加して永久磁石の着
磁状態を変化させるための着磁磁界発生用コイルと、前
記MRヘッドの横方向に磁界を印加して永久磁石を減磁
させるための減磁磁界発生用コイルと、前記MRヘッド
の縦方向に交番磁界を印加する手段と、前記交番磁界の
変化に対するMRヘッドの抵抗変化を測定する測定手段
とを備えたことを特徴とする。
【0011】本発明のMRヘッドの評価方法は、前記M
Rヘッドにおいて、縦バイアスを印加する手段である永
久磁石に対し外部から着磁磁界または減磁磁界を印加
し、前記永久磁石の磁化状態を変化させた後に、前記M
Rヘッドの縦方向の交番磁界の変化に対する前記MRヘ
ッドの抵抗変化を測定し、前記抵抗変化から計算される
縦バイアス磁界の前記着磁磁界依存性または減磁磁界依
存性を測定することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施形態】
(実施例1)以下図を用いて本発明の構成とその原理を
説明する。図3は永久磁石バイアス型MRヘッドの再生
部分の模式図である。MR層1の両側には永久磁石層7
があり、矢印の方向に着磁され、MR層1に対しトラッ
ク幅方向(以降、縦方向と称する)に縦バイアス磁界が
与えられる。MRヘッドにバイアス電流を通電すると、
SAL3がもたらす静磁結合エネルギーによりMR高さ
方向(以降、横方向と称する)に横バイアス磁界が発生
する。MR層1の磁化の向きθMRを図3のように定義す
ると、MRヘッドの抵抗はθMRに対して図4の様な関係
になるため、抵抗変化の線形性が良いθMR=45度の状
態になるように、前記縦バイアス磁界と横バイアス磁界
が設定される。図3で永久磁石の着磁の向きと逆方向に
外部磁界を加えていくと、θMRはプラス側に回転しθMR
=180度で回転は止まる。この時の抵抗は外部磁界が
増加するにしたがって図4の矢印のように変化し、θMR
=90度の時に最小値を示す。
【0013】図5は縦方向の外部磁界に対するMRヘッ
ドの抵抗変化の測定結果である。抵抗が最小値を示す状
態はθMRが90度であり、永久磁石からのバイアスが打
ち消された状態にあるので、この時の外部磁界の大きさ
が縦バイアス磁界である。縦バイアス磁界は永久磁石層
7からMR層1へ供給される磁束の総量に比例するた
め、永久磁石層の残留磁化膜厚積に比例すると推測され
る。図6に永久磁石の残留磁化膜厚積の変化による縦バ
イアス磁界の変化を示した。残留磁化膜厚積はモニタ用
のダミー基板のB−H曲線から計算される残留磁化の
値、縦バイアス磁界はMRヘッドの縦方向外部磁界に対
する抵抗変化曲線から計算した。図6のように縦バイア
ス磁界と永久磁石の残留磁化膜厚積が比例していること
から、縦バイアス磁界の測定により永久磁石の残留磁化
が把握できることが確認できた。このことより、MRヘ
ッド用ウェハ上にMR高さ加工後と同じ形状のテスト素
子を配置しておき、ウェハ製造の途中で縦バイアス磁界
を測定することで、永久磁石の残留磁化をウェハ段階で
モニタできる事が明らかである。
【0014】以上のように、本発明の第1の実施例によ
り縦バイアス磁界の測定により永久磁石の残留磁化をウ
ェハ段階で把握できることが示された。
【0015】(実施例2)図7は永久磁石の特性モニタ
用のダミー基板のB−H曲線である。保磁力が1.5k
Oeで保磁力角形比SR*も0.91を示しており十分
な特性が得られている。縦バイアス磁界は永久磁石の残
留磁化に比例すると考えられるため、外部から永久磁石
に縦方向の磁界(以降、着磁磁界と称する)を印加して
着磁状態をを変化させた後に、MRヘッドの縦バイアス
磁界を測定した。この時縦バイアス磁界の前記着磁磁界
の依存性を測定すれば永久磁石の保磁力および保磁力角
形比を測定できると考えられる。図8(a)は縦バイア
ス磁界の着磁磁界依存性の測定結果である。測定の手順
を以下に示す。まず初期状態として縦方向に+2.5k
Oeの磁界を与えた後、縦バイアス磁界を測定し、次に
−0.1〜−2.5kOeの間を0.1kOeステップ
で徐々に着磁磁界を減少させ、それぞれのステップで縦
バイアス磁界を測定する。つづいて、+0.1〜+2.
5kOeの間を0.1kOeステップで徐々に着磁磁界
を増加させ、同様に縦バイアス磁界を測定する。このよ
うに測定した結果が図8(a)であり、縦バイアス磁界
が0となる時の着磁磁界の大きさを保磁力Hc、保磁力
角形比SR*を図中に示すように、保磁力Hcでの接線
および初期状態の縦バイアス磁界との交点と、初期状態
との距離をAとして SR* = A/Hc で定義した。この結果、保磁力は1.5kOe、保磁力
角形比は0.87と計算され、図7の特性モニタ用のダ
ミー基板とほぼ同様の結果が得られた。
【0016】次に、特性モニタ用のダミー基板上の永久
磁石膜の特性と実際のMRヘッドの永久磁石膜の特性と
の対応が取れない場合について示す。図8(b)はアバ
ッテト゛接合形成時に図12(c)のテーパー部を形成す
る工程において、イオンミリングが不十分な事によりS
AL3が完全に取り除かれていない状態で永久磁石を成
膜したウェハについての測定結果である。なお、この時
の特性モニタ用のダミーの特性は図10とほとんど同じ
である。図8(b)より保磁力が1.0kOeに低下し
ており、保磁力近傍の変化が2段になっている。これ
は、SAL3と永久磁石層7が交換結合をした事に原因
があると考えられる。
【0017】このようにして本発明の第2の実施例によ
り、MRヘッドに対して着磁磁界を印加した後に、MR
ヘッドの縦バイアス磁界を測定し、この縦バイアス磁界
の着磁磁界の依存性を測定することで、実素子形状の永
久磁石の保磁力および保磁力角形比などを測定できる事
が示された。また、この測定方法は前記MRヘッド用ウ
ェハ上のテスト素子に適用可能であり、ダミー基板上の
永久磁石膜のB−H測定よりも正確に永久磁石膜の特性
を測定できる評価方法である事が明らかになった。
【0018】(実施例3)図11のように記録媒体上の
記録ビットからの漏れ磁界はMRヘッドに対して横方向
に印加され、この影響で永久磁石が減磁し再生特性が不
安定になる可能性がある。このため、横方向の磁界(以
下、減磁磁界と称する)に対する永久磁石の保磁力も重
要である。図9は実施例2で測定した2つのMRヘッド
について、縦バイアス磁界の減磁磁界依存性の測定結果
である。測定手順は初期状態として、縦方向に+2.5
kOeの着磁磁界を与え正規の方向に着磁した後、縦バ
イアス磁界を測定し、次に横方向の減磁磁界を0.1〜
2.5kOeの間で0.1kOeステップで徐々に増加
させ、それぞれのステップで縦バイアス磁界を測定し
た。この後、再度+2.5kOeの着磁磁界を与え永久
磁石を正規の方向に着磁した後、今度は横方向の減磁磁
界を−0.1〜−2.5kOeの間を0.1kOeステ
ップで徐々に減少させ、実施例2と同様の測定を行っ
た。初期状態の縦バイアス磁界に対して縦バイアス磁界
が90%に減磁する時の減磁磁界をこの場合の保磁力と
すると、図9(a)の永久磁石の特性が良いヘッドは
1.0kOe、図9(b)の永久磁石の特性が悪いヘッ
ドでは0.6kOeの保磁力になる。これらの結果の違
いは実施例2と同じ理由によるものである。この測定方
法は実施例2の測定と比較して、永久磁石の外部磁界に
対する安定性をより現実に近い形で評価していると考え
られる。なお、図9の縦バイアス磁界は初期状態の縦バ
イアス磁界の値で規格化している。
【0019】このように本発明の第3の実施例によれ
ば、MRヘッドに対し減磁磁界を印加した後に、MRヘ
ッドの縦バイアス磁界を測定し、この縦バイアス磁界の
減磁磁界の依存性を測定することで、実素子形状の永久
磁石の外部磁界に対する安定性を現実のMRヘッドの動
作条件に近い形で評価できる事が示された。
【0020】(実施例4)図1は本発明の評価装置を概
略的に表すブロック図である。図1において、13と1
4はMRヘッドに対しそれぞれ縦方向、横方向に外部磁
界を印加するためのヘルムホルツコイルであり、本実施
例では上下が横方向、左右が縦方向となるように設定さ
れている。縦および横方向の外部磁界はヘルムホルツコ
イル用電源19、20で駆動され、制御用コンピュータ
27から設定できるようになっている。ヘルムホルツコ
イル内にはX−Y−Z−θステージ17があり、その上
にMRヘッド用ウェハ11を固定できるようになってい
る。プローブ12はヘルムホルツコイルの中心部分に設
けられており、ウェハ上のMRヘッドの各電極端子に電
気的に接触できるようになっている。このプローブ12
と各電極端子とは、X−Y−Z−θステージ17および
これを制御するX−Y−Z−θコントローラ23によっ
て位置合わせされる。この部分を光学系18を介してC
CDカメラ24で撮像し、得られた情報を画像処理など
を用いて位置を認識できるようにすれば、位置合わせの
自動化も可能となる。
【0021】プローブ12を位置合わせした後、定電流
源25からMRヘッドの電流端子に対しバイアス電流が
通電される。つづいてヘルムホルツコイル13、14に
よりMRヘッドに縦方向、もしくは横方向の磁界を変化
させ、そのときどきにおける出力電圧をプローブ12を
介して電圧計26で読み取り、抵抗値の外部磁界依存性
を測定する。測定したデータは制御用コンピュータ27
に取り込まれ縦バイアス磁界や再生出力、再生波形の対
称性などの値が計算され結果表示部28に表示される。
【0022】着磁磁界用コイル15、および減磁磁界用
コイル16はヘルムホルツコイル中央の磁界分布を乱さ
ないように、ヘルムホルツコイル中心から離れた場所に
設置されており、それぞれ着磁磁界用コイル電源22、
減磁磁界用コイル電源21により駆動される。また、コ
イルギャップの先端がウェハ上のMRヘッドに物理的に
接触しないよう、コイルギャップの先端がプローブ12
の先端よりわずかに高い位置になるように設置されてい
る。プローブ位置から着磁磁界用コイル15、減磁磁界
用コイル16までのX方向、Y方向の距離に関する情報
は、予め制御用コンピュータ27のメモリーに格納され
ている。実際にウェハ上のMRヘッドに着磁磁界、減磁
磁界を印加する場合は、まず対象とするMRヘッドをプ
ローブ12に位置合わせした後、制御用コンピュータの
メモリー上に格納された情報を基にX方向、Y方向の距
離だけ移動するようX−Y−Z−θコントローラ23へ
命令し、続いて、着磁用コイル電源22、減磁用コイル
電源21が任意強度の磁界を発生させることで実現でき
る。なお、ウェハ上のヘッド位置における着磁磁界と減
磁磁界は予め校正されている。
【0023】本実施例でのMRヘッドの評価装置は、M
Rヘッドの縦バイアス磁界の着磁磁界依存性、および減
磁磁界依存性を測定する事を目的としている。このた
め、前述のように着磁用コイルおよび減磁用コイルでヘ
ッドの永久磁石の磁化状態を変化させながら、縦方向の
外部磁界に対する抵抗変化の測定することで、図11、
図12に示す縦バイアス磁界の着磁磁界および減磁磁界
依存性を測定でき、永久磁石の保磁力、保磁力角形比な
どの特性を実素子形状で測定可能となる。
【0024】このように本発明の第4の実施例によれ
ば、MRヘッドの永久磁石の磁化状態を変化させながら
外部磁界に対する抵抗変化を測定し、この抵抗変化から
得られる縦バイアス磁界の着磁磁界依存性および減磁磁
界依存性を測定することで、永久磁石の保磁力、保磁力
角形比などの特性を実素子形状で測定可能となるMRヘ
ッド用ウェハの評価装置が提供できることが示された。
【0025】(実施例5)図2は本発明の第4の実施例
にかかわるMRヘッド用ウェハの評価装置の測定手順を
表すフローチャートである。フローチャート1は縦バイ
アス磁界の着磁磁界依存性の測定手順である。まず、S
1においてウェハをX−Y−Z−θステージ上に載せ、
X−Y−Z−θコントローラでθを調節し平行出しを行
い、続いてS2でウェハ上の測定場所の指定および測定
素子数Nmaxの設定を行う。S3ではN個目のヘッド
とプローブとを位置合わせを行い、これを基準位置とす
る。この基準位置から予め設定されている着磁コイルと
プローブ位置の距離だけ、X方向、Y方向へウェハを移
動し、N個目のヘッドを着磁コイルに位置合わせするの
がS4である。その後S5で着磁磁界を印加するが、こ
の時の設定磁界は測定プログラムの内部変数Mの値で表
1に示した設定値が与えられるようになっている。な
お、M=0のときは初期状態として所定の方向に2.5
kOe与えるようにしている。その後ヘッドを動かさな
いで着磁磁界をゼロに設定し、S6でプローブに位置合
わせし、S7で縦方向の外部磁界に対する抵抗変化を測
定する。この抵抗変化から縦バイアス磁界を計算するの
がS8である。S9で内部変数Mのインクリメントを行
い、S4に戻る。S4からS10の間をMの値がこの場
合50になるまで繰り返しN個目のヘッドの測定は終了
する。2個以上のヘッドを測定する場合には、S3から
S12を内部変数NがNmaxに達するまで繰り返し、
その後S13で良否判定および結果表示が行われ、すべ
ての測定が終了する。このようにフローチャート1の手
順で測定すれば、図8の様な縦バイアス磁界の着磁磁界
依存性が測定可能となる。
【0026】フローチャート2は縦バイアス磁界の減磁
磁界依存性の測定手順である。手順は前述の縦バイアス
磁界の着磁磁界依存性の測定とほとんど同じであるの
で、異なる部分だけ説明する。S4の設定磁界はM=0
およびM=26のときに永久磁石を初期の着磁状態に設
定するために+2.5kOeの磁界を着磁コイルにより
与えている。表2はこの時の設定磁界を示しており、M
=0とM=26以外は減磁コイルで徐々に永久磁石を減
磁するよう設定した。このようにフローチャート2の手
順で測定すれば、図9の様な縦バイアス磁界の減磁磁界
依存性が測定可能となる。
【0027】以上本発明の第5の実施例に示す測定手順
により、MRヘッドの永久磁石の磁化状態を変化させな
がら外部磁界に対する抵抗変化を測定し、この抵抗変化
から得られる縦バイアス磁界の着磁磁界依存性および減
磁磁界依存性を測定することが可能となり、永久磁石の
保磁力、角形性などの特性を実素子形状で測定できるM
Rヘッド用ウェハの評価装置が提供できることが示され
た。
【0028】
【発明の効果】本発明の評価方法および評価装置によれ
ば、縦バイアスを印加する手段として永久磁石を用いた
MRヘッドについて、永久磁石の着磁状態を変化させな
がら縦バイアス磁界を測定することにより、永久磁石の
保磁力、角形性などの特性を実素子形状で測定できる。
また、MRヘッド用ウェハ上に配置されたMR高さ加工
後と同じ形状のテスト素子を、本評価方法および評価装
置で測定することにより、前記永久磁石の特性をウェハ
段階で測定可能となる。このため、永久磁石の特性不良
に伴うMRヘッドの再生不安定性をMRヘッド用ウェハ
製造工程の早い段階で把握でき、MRヘッドを単体とし
て完成させる前に特性の不良なウェハを選別できるた
め、不良品に伴う後工程の製造コストが低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるMRヘッドの評価装置の構成の概
略ブロック図
【図2】本発明による評価方法を示すフローチャート
【図3】永久磁石バイアス型MRヘッドの再生部分の模
式図
【図4】MR層の磁化の向きと素子抵抗の関係
【図5】縦方向の外部磁界に対する素子抵抗の変化
【図6】永久磁石の残留磁化膜厚積と縦バイアス磁界と
の関係
【図7】永久磁石の特性モニタ用ダミー基板のB−H曲
【図8】本発明による実素子形状での永久磁石の着磁磁
界依存性
【図9】本発明による実素子形状での永久磁石の減磁磁
界依存性
【図10】MRヘッド再生部分の記録媒体対向面から見
た拡大図
【図11】MRヘッドの再生動作時の模式図
【図12】アバッテド接合の形成工程
【符号の説明】 1 MR層、2 スペーサ層、3 SAL、4 上部絶
縁層、5 下部絶縁層、6 下地層、7 永久磁石層、
8 電極層、9 レジスト層、10 SiO2層、11
MRヘッド用ウェハ、12 プローブ、13 縦方向
磁界用ヘルムホルツコイル、14 横方向磁界用ヘルム
ホルツコイル、15 着磁磁界用コイル、16 減磁磁
界用コイル、17 X−Y−Z−θステージ、18
光学系、19 縦方向磁界用ヘルムホルツコイル電源、
20 横方向磁界用ヘルムホルツコイル電源、21 着
磁磁界用コイル電源、22 減磁磁界用コイル電源、2
3X−Y−Z−θコントローラ、24 CCDカメラ、
25 定電流源、26電圧計、27 制御用コンピュー
タ、28 結果表示部、29 記録媒体、30記録ビッ
ト、31 漏れ磁界

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石を用いて磁気抵抗効果素子に縦
    バイアスを印加する手段を有する磁気抵抗効果型ヘッド
    の評価装置であって、前記縦バイアスに同方向で前記永
    久磁石の磁化状態を変化させるための着磁磁界発生用コ
    イルと交番磁界を印加する手段を持ち、この交番磁界の
    変化に対する前記磁気抵抗効果型ヘッドの磁気抵抗効果
    素子の抵抗変化を計測する測定手段とを備えたことを特
    徴とする磁気抵抗効果型ヘッドの評価装置。
  2. 【請求項2】 前記縦バイアスにほぼ垂直方向に磁界を
    印加することによって前記永久磁石を減磁させる減磁磁
    界発生用コイルを備えたことを特徴とする請求項1に記
    載の磁気抵抗効果型ヘッドの評価装置。
  3. 【請求項3】 縦バイアスを印加する手段として永久磁
    石を用いた磁気抵抗効果型ヘッドの評価方法であって、
    前記永久磁石に対し外部から着磁磁界または減磁磁界を
    印加して前記永久磁石の磁化状態を変化させた後に、前
    記縦バイアス方向に交番磁界を印加しながらその変化に
    対する磁気抵抗効果素子の抵抗変化を計測し、その抵抗
    変化値から算出される縦バイアスに対する前記着磁磁界
    依存性または前記減磁磁界依存性を算定することを特徴
    とする磁気抵抗効果型ヘッドの評価方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8066897B2 (en) 2007-12-28 2011-11-29 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Dynamic hard magnet thickness adjustment for reduced variation in free layer stabilization field in a magnetoresistive sensor

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