JPH1172671A - 光ファイバケーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮および衝撃に対する耐性と可撓性とを同
時にケーブルに与え、かつケーブル製造が簡単になるよ
うな材料で構成された補強ゾーンを有する、光ファイバ
ケーブルを提供する。 【解決手段】 本発明による光ファイバケーブルは、少
なくとも一つの光ファイバ（５）を収納する内部ボア
（３）を規定する単一の管（１）によって構成され、補
強ゾーン（７）を組み込んだ壁部を有する。補強ゾーン
（７）は、圧縮および衝撃に対する耐性と可撓性とを同
時にケーブルに与える熱可塑性材料で構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも一つの
光ファイバを収納する内部ボアを規定する単一の管によ
って構成され、補強ゾーンを組み込んだ壁部を有する光
ファイバケーブルに関する。

【０００２】このような構造のケーブルは、これによっ
て、従来の構造のケーブルにおいて知られている管を取
り囲む補強ゾーンの使用、またはこの補強ゾーンを取り
囲むかまたは組み込む保護用外部シースの使用が不要に
なり、その結果、所与のファイバ容量に対してより小さ
な直径を有するケーブルが得られ、また従来の構造のケ
ーブルより軽くなるので、特に有利である。

【０００３】その上、この構造によって、特に接続を行
うために管中に収納された光ファイバまたは光ファイバ
テープにより容易にアクセスすることが可能となる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、少な
くとも一つの光ファイバを収納する内部ボアを規定する
単一の管によって構成される光ファイバケーブルであっ
て、圧縮および衝撃に対する耐性と可撓性との両方をケ
ーブルに与え、かつケーブル製造の際に取付けが簡単に
なるような材料で構成された補強ゾーンを有する、光フ
ァイバケーブルを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そのために、本発明は、
少なくとも一つの光ファイバを収納する内部ボアを規定
する単一の管によって構成され、補強ゾーンを組み込ん
だ壁部を有する光ファイバケーブルであって、補強ゾー
ンが、圧縮および衝撃に対する耐性と可撓性との両方を
ケーブルに与える熱可塑性材料で構成されることを特徴
とする、光ファイバケーブルを提供する。

【０００６】熱可塑性材料は、ケーブルの圧縮および衝
撃に対する耐性と可撓性との間の妥協を実現する。さら
に、補強ゾーンの材料の取付けは、すでに重合された材
料を軟化または硬化させるための加熱とそれに続く冷却
によって行われる。

【０００７】管が補強ゾーンと同様に熱可塑性材料で構
成されると有利である。本発明によるケーブルは例えば
同時押出し（co-extrusion）による一段階だけで製造さ
れ、製造の簡略化ならびに生産ライン速度の向上と製造
コストの低減がもたらされる。

【０００８】本発明のその他の特徴および利点は、図面
に示す本発明の二つの実施形態の説明を読むことによっ
て明らかに理解されよう。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明によるケーブルは、特に遠
距離通信の分野において使用される。このケーブルは、
少なくとも一つの光ファイバを収納する内部ボアを規定
する単一の管によって構成される。管と内部ボアとの典
型的な直径は、それぞれ１２．５〜１３ｍｍおよび４．
６〜４．７ｍｍである。

【００１０】管は例えば低密度、中密度、または高密度
のポリエチレン（ＬＤＰＥ、ＬＬＤＰＥ、ＭＤＰＥ、ま
たはＨＤＰＥ）によって、またさらに一般的には熱可塑
性材料によって構成される。この材料は８５０ＭＰａを
超える曲げ係数を有することが好ましい。

【００１１】管を構成するために選ばれたポリエチレン
または別の熱可塑性材料には、熱及び老化に対する高い
耐性をケーブルに与えるために、例えば粉末状のカーボ
ンブラックを添加する。酸化防止剤などの他の添加物も
加えることができる。

【００１２】内部ボアは、管の壁部によって規定され、
その中に収納される光ファイバを保護する例えばゲルな
どの充てん材料を含むことが好ましい。

【００１３】本発明によるケーブルはまた、管の壁部中
で管の内部ボアの周りに配置された連続または不連続の
補強ゾーンを含む。補強ゾーンは、例えばポリアミド
（ＰＡ）またはポリブチレンテレフタレート（ＰＢ
Ｔ）、またさらに一般的には熱可塑性材料によって構成
される。この材料は１０００ＭＰａを超える曲げ係数を
有することが好ましい。

【００１４】補強ゾーンの構成材料に、例えばグラスフ
ァイバを４０重量％を超えない比率で添加することは好
ましい。その他の添加物、例えばガラスビーズ、滑石、
雲母、炭酸カルシウム、またはこれらの要素の組合せも
適している。

【００１５】同じように、高い引張り強さをケーブルに
与えるために、ケーブルのジェネレータラインに平行に
補強素子を配置する。このような補強素子を構成する材
料の例として、アラミドまたはポリエステルの糸、単一
ガラスせんい、または編まれたガラスせんいがある。

【００１６】本発明の特定の第一実施形態によれば、ケ
ーブルは、少なくとも一つの光ファイバ５を収納する内
部ボア３を規定する単一の管１によって構成され（図
１）、管の壁部は内部ボア３の周囲に補強ゾーン７を組
み込み、補強ゾーン７は横断面が連続した環状の断面を
有する。補強素子９は補強ゾーン７の中に規則的な間隔
を置いて配置されている。

【００１７】補強ゾーン７が、高い強度と可撓性をケー
ブルに与えるために管１のジェネレータライン１１に平
行な方向にらせん配向を有することが好ましい。

【００１８】図１の例では、連続した環状の補強ゾーン
７は管１の壁部中に組み込まれ、その結果、管１は、補
強ゾーン７によって分けられた管１と同じ構成材料の二
つの層１Ａ、１Ｂを含む。また、二つの異なる材料から
これら二つの層１Ａ、１Ｂを形成することも可能であ
る。

【００１９】本発明の特定の第二実施形態によれば、そ
の三つの変形例がそれぞれ図２、３、４に図示されてい
るが、本発明によるケーブルは、横断面において、好ま
しくは管の内部ボアの両側に対称的に配置された少なく
とも二つの離れたセクタを有する補強ゾーンを含む。

【００２０】二つの離れたセクタによって構成される補
強ゾーンには多くの利点がある。

【００２１】一方では、ケーブルの圧縮および衝撃に対
する耐性と可撓性との間の妥協が、低温および高温にお
ける屈曲、周期的な曲げ、またはケーブルのねじれなど
満たすべき他の制約を考慮して最適化される。

【００２２】他方では、ケーブルの内部ボアの中に収納
された光ファイバには、補強ゾーンの二つの離れたセク
タの間の管を通して直接アクセスできる。この第二実施
形態では、分岐した複数のケーブルへの接続（スパン間
アクセス）が、特に容易になる。さらにケーブルの切開
には、設置コストを高くする特別の道具は必要でない。
ケーブルを切開するためには一つの簡単な刃で十分であ
り、内部ボアの両側に配置された離れたセクタは、切開
道具を進めるガイドとして役立ち、こうしてファイバを
損傷の危険から保護する。

【００２３】第一変形例（図２）によれば、ケーブル
は、少なくとも一つの光ファイバ５を収納する内部ボア
３を規定する単一の管１によって構成され、管の壁部
は、二つの離れたセクタ７２Ａ、７２Ｂによって形成さ
れた補強ゾーンを含み、各セクタは横断面がほぼ環状の
半円筒形状を有する。二つのセクタ７２Ａ、７２Ｂ中に
は、補強素子９が規則的な間隔を置いて配置されてい
る。

【００２４】図３と図４は、二つの離れたセクタからな
るケーブル補強ゾーンの二つの別の変形例を図示する。
特に図３では、各セクタは横断面がほぼ長円形の半円筒
形状を示し、図４では、ほぼ三日月形の半円筒形状を示
す。

【００２５】本発明によるケーブルは、例えば管と補強
ゾーンとの同時押出しによって製造される。さまざまな
寸法の押出しヘッドによって、前述のような連続した環
状の補強ゾーンまたは二つのセクタからなる補強ゾーン
を得ることができる。所望の補強ゾーンに応じて選択さ
れ、ケーブルのジェネレータラインの方向に連続した環
状の補強ゾーンをらせん状に配向するために押出された
ケーブルのジェネレータラインに平行な軸の周囲を回転
する押出しヘッドを介して、補強素子が同時に導入され
る。

【００２６】こうして、本発明によるケーブルは、ただ
一つの段階で製造され、生産ライン速度の向上と製造コ
ストの低減が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】連続した環状の補強ゾーンを備えた本発明によ
るケーブルの第一実施形態の横断面図である。

【図２】ほぼ環形の二つの半円筒形セクタを有する補強
ゾーンを備えた本発明によるケーブルの第二実施形態の
第一変形例の横断面図である。

【図３】ほぼ長円形の二つの半円筒形セクタを有する補
強ゾーンを備えた本発明によるケーブルの第二実施形態
の第二変形例の横断面図である。

【図４】ほぼ三日月形の二つの半円筒形セクタを有する
補強ゾーンを備えた本発明によるケーブルの第二実施形
態の第三変形例の横断面図である。

【符号の説明】

１ 管 ３ 内部ボア ５ 光ファイバ ７ 補強ゾーン ９ 補強素子 １１ ジェネレータライン １Ａ、１Ｂ 層 ７２Ａ、７２Ｂ セクタ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジヤン−ピエール・ボニセル フランス国、92500・リユエイユ・マルメ ゾン、アブニユ・ドユ・18・ジユワン・ 1940、21 (72)発明者 ピエール・ガイヤール アメリカ合衆国、ノース・カロライナ・ 28601、ノース・イースト・ヒツコリー、 トウエンテイフオース・アベニユー・コー ト・1760 (72)発明者 オリビエ・タタ アメリカ合衆国、ノース・カロライナ・ 28601、ノース・イースト・ヒツコリー、 フオツクスボロウ・レイン、3720 (72)発明者 クリストフアー・マツクナツト アメリカ合衆国、ノース・カロライナ・ 28602、ヒツコリー、マツテイングリー・ ドライブ・3886

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも一つの光ファイバ（５）を収
   納する内部ボア（３）を規定する単一の管（１）によっ
   て構成され、補強ゾーン（７）を組み込んだ壁部を有す
   る光ファイバケーブルであって、 補強ゾーン（７）が、圧縮および衝撃に対する耐性と可
   撓性との両方をケーブルに与える熱可塑性材料で構成さ
   れていることを特徴とする光ファイバケーブル。
2. 【請求項２】 管（１）が８５０ＭＰａを超える曲げ係
   数を有する熱可塑性材料によって構成され、補強ゾーン
   （７）が１０００ＭＰａを超える曲げ係数を有する熱可
   塑性材料によって構成される、請求項１に記載のケーブ
   ル。
3. 【請求項３】 熱及び老化に対する耐性をケーブルに与
   えるために、管（１）を構成する材料中に添加物が加え
   られる、請求項１または２に記載のケーブル。
4. 【請求項４】 圧縮および衝撃に対する高い耐性をケー
   ブルに与えるために、補強ゾーン（７）を構成する材料
   中に添加剤が加えられる、請求項１から３のいずれか一
   項に記載のケーブル。
5. 【請求項５】 引張り強さをケーブルに与えるために、
   補強ゾーン（７）がケーブルのジェネレータライン（１
   １）と平行に延びる補強素子（９）を含む、請求項１か
   ら４のいずれか一項に記載のケーブル。
6. 【請求項６】 補強ゾーン（７）がケーブルのジェネレ
   ータライン（１１）と平行な方向にらせん配向を有す
   る、請求項１から５のいずれか一項に記載のケーブル。
7. 【請求項７】 補強ゾーン（７）がケーブルの横断面に
   おいて連続した環状であり、管（１）の二つの層（１
   Ａ、１Ｂ）に囲まれた一つのセクションを有する、請求
   項１から６のいずれか一項に記載のケーブル。
8. 【請求項８】 補強ゾーン（７）がケーブルの横断面に
   おいてケーブルのボアの両側に配置された少なくとも二
   つの離れたセクタ（７２Ａ、７２Ｂ、７３Ａ、７３Ｂ、
   ７４Ａ、７４Ｂ）を有する、請求項１から６のいずれか
   一項に記載のケーブル。
9. 【請求項９】 各セクタ（７２Ａ、７２Ｂ）がほぼ環状
   の半円筒形状を有する請求項８に記載のケーブル。
10. 【請求項１０】 各セクタ（７３Ａ、７３Ｂ）がほぼ長
    円形の半円筒形状を有する請求項８に記載のケーブル。
11. 【請求項１１】 各セクタ（７４Ａ、７４Ｂ）がほぼ三
    日月形の半円筒形状を有する請求項８に記載のケーブ
    ル。