JPH1172622A - 光ファイバ型無反射終端およびその製造装置と製造方法 - Google Patents

光ファイバ型無反射終端およびその製造装置と製造方法

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JPH1172622A
JPH1172622A JP9280916A JP28091697A JPH1172622A JP H1172622 A JPH1172622 A JP H1172622A JP 9280916 A JP9280916 A JP 9280916A JP 28091697 A JP28091697 A JP 28091697A JP H1172622 A JPH1172622 A JP H1172622A
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reflection
bare optical
bare
terminal
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JP9280916A
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Kenji Nishide
研二 西出
Hideki Sasaki
佐々木  秀樹
Yoshio Umeda
淑夫 梅田
Isao Suzuki
功 鈴木
Fumio Suzuki
文生 鈴木
Ryozo Yamauchi
良三 山内
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバの終端において反射光を有効かつ
安定して抑えることができるとともに、製造が容易で、
また光部品のコンパクト化も実現できるようにした光フ
ァイバ型無反射終端とその製造装置と製造方法、および
これを用いた光通信システムを提供する。 【解決手段】 光ファイバ裸線20の端末が、球状ある
いは楕円球状に加工されてなる無反射処理部20bを有
し、この無反射処理部20bの長軸直径Dはその短軸直
径D1の1〜2倍であり、かつこの長軸直径Dは、光フ
ァイバ裸線20の外径の1.5倍以上であることを特徴
とする光ファイバ型無反射終端を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は光ファイバ端末にお
ける反射光を抑える技術に関し、光ファイバを用いた各
種光通信システムに利用することができる。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ型無反射終端は光ファイバの
開放端における反射光を抑えることができるようにした
ものであり、光ファイバ干渉計や光ファイバ増幅器など
の光回路を構成するうえで必要不可欠なものである。以
下光ファイバとは光ファイバ素線、光ファイバ心線な
ど、光ファイバ裸線上に被覆層を設けたものを示すもの
とする。特に、例えば複数本の光ファイバ素線の中途部
分の被覆層を除去して露出させた光ファイバ裸線を平行
に添接させて加熱し、融着延伸してなり、光の合波、分
岐に用いられる光ファイバ型カプラにおいては、光の入
射にも出射にも使用されない不要ポートが存在する場合
がある。そして、このような不要ポートに出射された光
がポートの端末で反射して入射ポートあるいは他の出射
ポートにもどると、光の合波、分岐を精度良く行うこと
ができなくなる。これを防止するために、不要ポートの
終端は無反射となるように構成される。
【0003】従来の光ファイバ型無反射終端の構造の例
を図13〜図14に示す。図13に示した構造は、光フ
ァイバ素線の被覆層を除去した光ファイバ裸線13の端
面に整合剤14によって処理したものである。光ファイ
バ裸線13はその中心に位置するコア11と、その外周
に設けられたクラッド12とからなるものである。この
整合剤14は、一般にマッチングジェルあるいはマッチ
ングオイルとよばれるもので、光ファイバ裸線13を構
成する石英系ガラスとほぼ等しい屈折率を有するもので
ある。ここで石英系ガラスとは、純石英ガラス、あるい
はこれに各種添加剤を加えた石英ガラスを主成分とする
ものである。マッチングジェルは粘度が高いため、図1
3に示すように光ファイバ裸線13の終端面に塗布する
ことができる。マッチングオイルは粘度が低い液体状の
ものなので、光ファイバ裸線13の終端をこのマッチン
グオイルに浸すことによって、前記マッチングジェルを
塗布するのと同様の効果が得られる。このように整合剤
14によって処理された構造においては、コア11を進
行する入射光は光ファイバ裸線13から出射し、導波構
造をもたない整合剤14において放射され、コア11に
反射光が入射しないようになっている。
【0004】図14に示した構造は、光ファイバ裸線1
3の終端に傾斜面を形成したものである。このような構
造にあっては、光ファイバ裸線13のコア11を伝搬し
てきた光は傾斜端面にて反射光を生じ、この反射光は入
射光に対して角度を有する方向へもどるので、コア11
に反射光が入射するのが防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
整合剤14で処理した構造においては、長時間使用する
と整合剤14が酸化反応などによって経時変化を生じ、
特性が変化するという問題がある。また整合剤14の厚
さaが10mm以上である必要があり、十分に厚くない
と効果が得られないため、スペース効率が悪いという問
題もある。また、光ファイバ裸線13の終端に傾斜面を
形成するには、光ファイバ裸線13が脆弱なため、光フ
ァイバ裸線13を金属あるいはセラミックスなどからな
るフェルールと呼ばれる管状の補助部材に挿入、固定
し、このフェルールごと光ファイバ裸線13の端面を研
磨する方法がとられる。このため作業に熟練と手間を要
し、製造効率が低く、またフェルールは消耗材なので、
コストが高いという問題がある。また、光ファイバ裸線
13からの出射光の進行方向前方に障害物があった場
合、この障害物に反射した光がコア11に入射して影響
することがある。
【0006】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、光ファイバの終端において反射光を有効かつ安定し
て抑えることができるとともに、製造が容易で、また光
部品のコンパクト化も実現できるようにした光ファイバ
型無反射終端およびその製造装置と製造方法、さらには
これを用いた光通信システムを提供することを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の第1の発明は、光ファイバ裸線の端末が、
球状あるいは楕円球状に加工されてなる無反射処理部を
有し、この無反射処理部の長軸直径はその短軸直径の1
〜2倍であり、かつこの長軸直径は、光ファイバ裸線の
外径の1.5倍以上であることを特徴とする光ファイバ
型無反射終端である。第2の発明は、光ファイバ裸線の
端末が、球状あるいは楕円球状に加工されてなる無反射
処理部を有し、この無反射処理部の長軸直径はその短軸
直径の1〜2倍であり、かつこの無反射処理部が光ファ
イバ裸線の中心軸に対して2度以上の角度で曲げられて
いることを特徴とする光ファイバ型無反射終端である。
また、光ファイバ裸線の端末が、球状あるいは楕円球状
に加工されてなる無反射処理部を有し、この無反射処理
部の長軸直径はその短軸直径の1〜2倍であり、かつこ
の長軸直径は、光ファイバ裸線の外径の1.5倍以上で
あり、かつこの無反射処理部が光ファイバ裸線の中心軸
に対して2度以上の角度で曲げられていることを特徴と
する光ファイバ型無反射終端であってもよい。第3の発
明は、前記第1の発明あるいは第2の発明に記載の光フ
ァイバ型無反射終端を用いたことを特徴とする光通信シ
ステムである。第4の発明は、光ファイバ本体を支持す
る支持手段と、この光ファイバ本体からのびる光ファイ
バ裸線を加熱する加熱手段と、この光ファイバ裸線と前
記加熱手段を支持するとともに、これらの位置決めを行
うガイドを有することを特徴とする光ファイバ型無反射
終端の製造装置である。第5の発明は、光ファイバ裸線
の端末を、加熱手段による加熱位置にむかって徐々に送
り出しつつ加熱することにより、この光ファイバ裸線の
端末が球状、あるいは楕円球状に加工された無反射処理
部を形成することを特徴とする光ファイバ型無反射終端
の製造方法である。第6の発明は、加熱手段による加熱
予定位置に光ファイバ裸線の中途部分を配置し、この光
ファイバ裸線を前記加熱手段にて加熱することにより、
この光ファイバ裸線の端末が球状、あるいは楕円球状に
加工された無反射処理部を形成することを特徴とする光
ファイバ型無反射終端の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明の光ファイバ型無反射終端の例を示したも
のである。符号20は光ファイバ裸線であって、光ファ
イバ干渉計、光ファイバ増幅器などの光回路を構成する
光ファイバの端末の被覆層を除去したものである。光フ
ァイバ裸線20は、中心のコアとその外周に設けられた
クラッドとからなり、コアの外径は通常10μm程度で
光ファイバ裸線20の外径(クラッド外径)は125μ
mとされる。
【0009】この例の光ファイバ型無反射終端は、この
ような光ファイバ裸線20の端末付近を加熱溶融し、ガ
ラスの表面張力によりその終端20aに球面状の無反射
処理部20bを形成したもので、この無反射処理部20
bは球状あるいは、楕円球状(ラグビーボール状)とな
っている。もっとも加熱溶融によって形成されたものな
ので、無反射処理部20bの形状は、やや歪んだ略球状
あるいは、略ラグビーボール状となってる。略ラグビー
ボール状の場合、光ファイバ裸線20の中心軸と直交す
る方向の無反射処理部20bの直径D1のほうが、前記
中心軸と平行方向の直径Dよりも短くなっている。以下
光ファイバ裸線20の中心軸と直交する方向の無反射処
理部20bの直径D1を短軸直径、前記中心軸と平行方
向の無反射処理部20bの直径Dを長軸直径とよぶ。
【0010】この長軸直径Dは、光ファイバ裸線20の
外径D0に対して1.5倍以上であると好ましいことが
実験的に確かめられている。以下D/D0を正規加工係
数とよぶ。図3はこの正規加工係数と光ファイバ型無反
射終端の反射減衰量の関係を示したものである。本発明
の光ファイバ型無反射終端において前記反射減衰量と
は、光ファイバ裸線20を無反射処理部20bの手前か
ら無反射処理部20bにむかって伝搬する光の強度と、
この光の一部が無反射処理部20bにて反射する反射光
の強度の比率として定義する。このとき無反射処理部2
0bにむかって伝搬する光の強度をP1、反射光の強度
をP2とすると、反射減衰量は10log(P1/P2)
と表される。この反射減衰量は50dB以上であると好
ましい。すなわち通常反射減衰量は、光ファイバ型無反
射終端を組み込む光ファイバ型カプラなどのデバイスに
おける設計条件などの影響を考慮して設定される。しか
し本発明の光ファイバ型無反射終端においては上述のよ
うに定義することによって、デバイスにおける影響を考
慮せずに光ファイバ型無反射終端自体の特性を評価する
ことができる。
【0011】図3のグラフより、正規加工係数が1.5
以上になると反射減衰量が大きく上昇し、無反射処理部
20bにおける反射特性が著しく改善されることが明ら
かである。ただし、正規加工係数が大きすぎるとスペー
ス効率が悪くなり、また無反射処理部20bの光ファイ
バ裸線20側の付け根に歪みが生じて破断が生じやすく
なるので実質的には8.0以下とされる。また上述のよ
うに、一般に用いられる光ファイバ裸線20の外径は1
25μmであり、光ファイバ裸線20の導波路を形成し
ているコアの外径は約10μmである。したがって長軸
直径Dと光ファイバ裸線20との関係を、長軸直径Dと
導波路であるコアとの関係におきかえると、一般にコア
の外径に対して前記長軸直径Dを18.75倍以上にす
ればよいことになる。
【0012】このように無反射処理部20bは球面状に
形成されているので、光ファイバ裸線20の終端20a
がその中心軸に対して垂直に切断された平面である場合
に比べて、終端20aでの反射光が光ファイバ裸線20
のコアへもどる量が少なく抑えられる。さらに、正規加
工係数を1.5以上に設定することによってこの光ファ
イバ型無反射終端の反射特性を著しく向上させることが
できる。
【0013】また図2に示すように、加熱溶融によって
形成した略球状あるいは略ラグビーボール状の無反射処
理部20bが、光ファイバ裸線20の中心軸に対して傾
斜角度θをもって曲げられた構造とすると、さらに光フ
ァイバ型無反射終端の反射特性を向上させることができ
る。図4は角度θと反射減衰量との関係を示したグラフ
である。このグラフより、角度θを2度以上とすること
によって、反射減衰量が大きく向上することがわかる。
しかし角度θが大きくなりぎると曲げ部分において生じ
る歪みによって強度が低下することがあるので、実質的
に角度θは15度以下とすると好ましいことが実験的に
確認されている。
【0014】このように上述の光ファイバ型無反射終端
は、光ファイバ裸線20を加熱しただけのものなので、
非常に小型で、光部品のコンパクト化に有利である。ま
た、整合剤のように経時変化をおこさないので長期間の
使用にも適用することができる。特に、無反射処理部2
0bの長軸直径Dと、光ファイバ裸線20の外径D0と
の比率(D/D0)を表す正規加工係数が1.5倍以上
に設定されているので、反射減衰量が大きく、非常に優
れた特性を有するものである。また、無反射処理部20
bを光ファイバ裸線20の中心軸に対して2度以上の角
度で曲げたものとすると、その特性はさらに向上する。
【0015】図1に示す光ファイバ型無反射終端は、以
下のようにして製造することができる。図5(a)はア
ーク放電を用いた光ファイバ型無反射終端の製造方法の
第1の例を示した説明図であり、図5(b)はこのとき
の光ファイバ裸線の終端の状態を時間をおって示したも
ので、この光ファイバ裸線の終端は、破線矢印に従って
加工時間とともに変化していく。
【0016】まず光ファイバの端末の被覆層22を20
mm程度除去した光ファイバ裸線20を用意し、その終
端20aを中心軸に対して垂直に、ファイバーカット専
用工具(ファイバ クリーバ)、機械工作用のニッパー
などを用いて切断する。このとき光ファイバ裸線20の
被覆層22終端からの長さは10mm程度とする。また
放電電極24,24は通電し、予めアーク放電によって
加熱可能な状態としておく。ついで図5(a)に示すよ
うに、光ファイバ裸線20を矢印A方向に移動させ、そ
の終端20aを、対をなす放電電極24,24の間に徐
々に送り出していく。このようにして光ファイバ裸線2
0を送り出しながら、放電電極24,24によってその
終端20aを加熱すると、ガラスの表面張力によって図
5(b)に破線矢印で示すように、徐々に略球状あるい
は略ラグビーボール状の無反射処理部20bが形成され
る。
【0017】このとき光ファイバ裸線20の送り出し量
(移動量)bと送り出し時間(加工時間)とによって決
定する送り出し速度を調整することによって、無反射処
理部20bの長軸直径D、短軸直径D1を調整すること
ができる。ここで、送り出し量bと送り出し時間とは、
図5(a)に示す放電電極24,24の先端24a,2
4aどうしを結ぶ直線に光ファイバ裸線20の終端20
aがはじめに到達したときを基準とし、ここから矢印A
方向に移動した量と時間を示すものとする。
【0018】例えば、光ファイバ裸線20として外径1
25μmの石英系ガラス製のシングルモード光ファイバ
を用い、送り出し量bが6mm、送り出し時間が5秒の
場合、長軸直径Dが350μm、短軸直径D1が350
μmの無反射処理部20bが得られた。また、光ファイ
バ裸線20として同様のシングルモード光ファイバを用
い、送り出し量bが3mm、送り出し時間が5秒の場
合、長軸直径Dが200μm、短軸直径D1が200μ
mの無反射処理部20bが得られた。この無反射処理部
20bの付け根20cから被覆層22の終端までの長さ
は4mm程度である。このように光ファイバ裸線20を
放電電極24,24側に徐々に移動させるので、この移
動手段としてモータ駆動機構を設けると、送り出し量b
と、送り出し時間の制御が容易である。
【0019】図6(a)はアーク放電を用いた光ファイ
バ型無反射終端の製造方法の第2の例を示した説明図で
あり、図6(b)はこのときの光ファイバ裸線の終端の
状態を時間をおって示したもので、この光ファイバ裸線
の終端は、破線矢印に従って加工時間とともに変化して
いく。まず上述の第1の例と同様に、光ファイバの端末
の被覆層22を20mm程度除去した光ファイバ裸線2
0を用意し、その終端20aを中心軸に対して垂直に切
断する。このとき被覆層22終端から光ファイバ裸線2
0の先端までの長さは10〜20mm程度で、用途によ
って調整する。通常は約12mmとする。ついで図6
(a)に示すように、光ファイバ裸線20をその終端2
0aから対をなす放電電極24,24の間(加熱予定位
置)に挿入し、この光ファイバ裸線20の中途部分をこ
れらの間に配置し、固定する。そして放電電極24,2
4に通電し、アーク放電によって光ファイバ裸線20の
中途部分を加熱すると、ガラスの表面張力によって図6
(b)に示すように加工時間に伴って、徐々にその終端
20aに無反射処理部20bが形成される。
【0020】このとき無反射処理部20bの長軸直径D
と短軸直径D1は、光ファイバ裸線20のはじめの挿入
長さcと加工時間(加工時間)を調整することによって
調節することができる。そしてこの方法によれば、この
挿入長さcを適切に設定しておくことによって、光ファ
イバ裸線20を移動せずに無反射処理部20bを形成す
ることができる。挿入長さcは、図6(a)に示す放電
電極24,24の先端24a,24aを結ぶ直線を基準
とし、ここから光ファイバ裸線20の終端20aまでの
長さをいうものとする。この挿入長さcは、光ファイバ
裸線20として外径125μmの石英系ガラス製のシン
グルモード光ファイバを用いる場合3〜10mmとす
る。3mm未満であると無反射処理部20bの長軸直径
Dが小さく、また10mmをこえると無反射処理部20
bが重くなり、加熱中に落ちてしまうなどして加工が難
しくなることがある。例えば、光ファイバ裸線20とし
て外径125μmの石英系ガラス製のシングルモード光
ファイバを用い、挿入長さcが4mm、加工時間が6秒
の場合、長軸直径Dが420μm、短軸直径D1が38
0μmの無反射処理部20bが得られた。
【0021】このように、上述の第1ないし第2の例の
ように加熱溶融したガラスの表面張力を利用する方法に
おいては、光ファイバ裸線20を加熱する工程のみで無
反射処理部20bを形成することができ、非常に簡便
で、熟練や他の消耗部材を必要としない。また精度よく
無反射処理部20bのサイズを調整することができ、非
常に再現性がよい。
【0022】また図2に示すように、加熱溶融によって
形成した略球状あるいは略ラグビーボール状の無反射処
理部20bを、光ファイバ裸線20の中心軸に対して角
度θをもって曲げた構造とするには、光ファイバ裸線2
0を加熱して無反射処理部20bを形成すると同時に、
耐火性の鏝などの道具を用いて終端20aをおし曲げ
る。あるいは、無反射処理部20bが自らの重さによっ
て曲がるようにする。また、無反射処理部20b上部か
らガスをふきつけて曲げるなどの方法を採用することが
できる。この操作は、無反射処理部20bを形成した後
に新たに無反射処理部20bを加熱して行うこともでき
る。
【0023】また端末を球面状に加工するために用いら
れる加熱手段は、光ファイバ裸線20を加熱溶融できる
ものであれば適宜のものを用いることができる。例えば
上述した放電電極によるアーク放電の他、ガスバーナを
用いた酸素炎、電気ヒータなどの各種の手段を用いるこ
とができる。例えば光ファイバ型カプラの場合には、加
熱融着、延伸によりカプラの結合部を形成するための加
熱手段と同様のものを用いるなど、それぞれの光部品の
構成に応じて、他の部位の製造に用いられる加熱手段を
兼用すれば、新たな設備の導入を必要とせず、製造を簡
単に行うことができる。
【0024】図7は、本発明の光ファイバ型無反射終端
を光ファイバ型カプラに用いた例を示したもので、2×
2型光ファイバ型カプラのひとつのポートが切断され、
その終端に無反射処理部が形成されて1×2型光ファイ
バ型カプラとされたものである。すなわち、2×2型光
ファイバ型カプラは、2本の光ファイバ素線31の被覆
層32を中途部分で一部除去して光ファイバ裸線33を
露出させ、これらの光ファイバ裸線33どうしを融着延
伸して融着延伸部(結合部)34を形成し、収納ケース
などの補強器35に接着剤36によって固定されて補強
が図られたもので、この2×2光ファイバ型カプラに
は、合計で4個のポート41,ポート42,ポート4
3,ポート44がある。そしてこのうちポート44が不
要ポートとされ、補強器35の近傍で切断されるととも
に、その端末の被覆層32が除去され、光ファイバ裸線
20が露出され、その終端20aに無反射処理部20b
が形成され、反射光の影響がないように処理されて1×
2型光ファイバ型カプラとされている。この無反射処理
部20bは、そのままでは機械的な強度が弱いので、無
反射処理部20bを形成したポート44の外周を、とな
りあうポート43とともに終端保護用樹脂37で被覆、
補強することが好ましい。このとき、終端保護用樹脂3
7として石英系ガラスの屈折率とほぼ等しい透明樹脂を
用いると、光学特性に影響が少なく好ましい。
【0025】図8は、図7に示すように、2×2型光フ
ァイバ型カプラのひとつのポートを切断し、その終端に
無反射処理部を形成して1×2型光ファイバ型カプラと
する光ファイバ型無反射終端の製造装置の一例を示す斜
視図であって、2×2型光ファイバ型カプラ(以下単に
光ファイバ型カプラと記す)をセットした状態を示して
いる。図9は図8に示す装置の光ファイバ型カプラの中
心軸方向にそう一部断面図である。
【0026】図中符号51はカプラ本体(光ファイバ本
体)であり、このカプラ本体51の外装は円筒状の補強
器からなり、この補強器内には2本の光ファイバ素線の
中途部分の被覆層が除去され、その中央部で融着延伸さ
れてなる融着延伸部を有する光ファイバ裸線部分と、そ
の両側の前記光ファイバ素線の被覆層の終端部分がおさ
められている。そして、このカプラ本体51の両端部か
らはそれぞれ2本ずつのポート(光ファイバ素線)が伸
びている。ここでは、このカプラ本体51の一方の端部
からのびる2本のポートのうち、不要ポート58の端末
に無反射処理部を形成する。図10(a)に示すよう
に、この光ファイバ型カプラの不要ポート58は、この
製造装置にセットする前に予めその端末の被覆層58a
が除去され、光ファイバ裸線58bが露出された状態と
されている。
【0027】この製造装置はカプラ本体把持具(支持手
段)52と、これとはなれて設けられた処理用ファイバ
ガイド(ガイド)56と、この処理用ファイバガイド5
6にて支持されている放電電極(加熱手段)54,55
から概略構成されている。
【0028】カプラ本体把持具52は直方体状で、その
上面にはカプラ本体51をおさめるU字溝52aが設け
られている。またこのカプラ本体把持具52には、前記
U字溝52aの上面開口部の処理用ファイバガイド56
側にかけ渡され、このカプラ本体把持具52と一体化し
てカプラ本体51を固定する開閉可能な蓋53が設けら
れている。処理用ファイバガイド56は厚みのある長方
形板状のもので、中央部に上面と下面に開口する略長方
形の貫通穴56aを有している。この処理用ファイバガ
イド56の上面には、一対の放電電極54,55が電極
用溝56b,56bにおさめられ、支持されており、こ
れらの対峙する放電電極54,55の先端が前記貫通穴
56a内に位置し、かつこれらの先端を結ぶ線が、カプ
ラ本体1の中心軸方向に対して直交方向になるように、
かつこれらの先端間の距離が所望の距離になるように位
置決めされている。
【0029】また、前記処理用ファイバガイド56のカ
プラ本体把持具52側には、側面と上面と下面とに開口
する凹溝56cが設けられており、ここにU字溝52a
から突出するカプラ本体51の先端部分が配置されるよ
うになっている。また処理用ファイバガイド56の上面
には、凹溝56cから貫通穴56aにかけてV溝56d
が設けられており、図10(b)に示されるように、前
記カプラ本体51からのびる不要ポート58の光ファイ
バ裸線58bがこのV溝56dにおさめられ、支持され
るようになっている。すなわち光ファイバ裸線58b
は、このV溝56dによってその配置位置の高さと移動
方向が決定されており、このV溝56dにそって、前記
光ファイバ裸線58bをその長さ方向にほぼ一定の高さ
で貫通穴56a内を移動させることができるようになっ
ている。実際に光ファイバ裸線58bをその長さ方向に
移動させるには、カプラ本体把持具52を前記長さ方向
にそって移動させればよい。
【0030】一方、処理用ファイバガイド56の上に
は、長方形棒状の無処理用ファイバガイド57が貫通穴
56aにかけわたされるように、取り外し自在に設けら
れている。この無処理用ファイバガイド57は、その長
さ方向が光ファイバ裸線58bの長さ方向と平行に、か
つその先端(カプラ本体把持具52側)が凹溝56cと
一致するようになっている。さらにこの無処理用ファイ
バガイド57の先端の中央部には、斜めに切りかかれた
傾斜面57aが形成されており、この傾斜面57aには
溝57bが設けられている。そして前記凹溝56cに配
置されたカプラ本体51からのびるポート59が、この
溝57bにおさめられることによって、無理なくポート
59が上方向にむかって配置され、処理中邪魔になった
り、これを傷つけたりすることがないようになってい
る。
【0031】この無反射処理装置を用いて光ファイバ型
カプラの無反射処理部を形成するには、まず最初に図1
0(a)に示すように、不要ポート58の被覆層58a
を必要な長さだけ剥離し、光ファイバ裸線58bを露出
させる。そして図8、図9に示すように、蓋53を開
き、U字溝52aにカプラ本体51をおさめ、このU字
溝52aから処理用ファイバガイド56側にむかってカ
プラ本体51の一部が突出した状態で、前記蓋53をと
じてカプラ本体51を固定する。
【0032】さらにこのU字溝52aから突出した部分
のカプラ本体51を、処理用ファイバガイド56の凹溝
56cに配置する。そして無処理用ファイバガイド57
をはずした状態で、このカプラ本体51からのびる光フ
ァイバ裸線58bを、図10(b)に示すようにV溝5
6dに配して位置決めするとともに、無処理用ファイバ
ガイド57を処理用ファイバガイド56の上に取り付け
てその溝57aにポート59をおさめる。
【0033】ついで放電電極54,55に通電し、これ
らの間にアーク放電をおこさせることによって、前記光
ファイバ裸線58bを加熱し、無反射処理部を形成す
る。このとき、光ファイバ裸線58bをはじめに位置決
めする際に、図5(a)、図5(b)に示す方法と同様
に、加熱時に光ファイバ裸線58bを放電電極54,5
5間に徐々に送り出していく場合には、この光ファイバ
裸線58bの端末が、放電電極54,55による加熱位
置よりもカプラ本体把持具52側に位置するように、カ
プラ本体把持具52を移動させつつ調整する。
【0034】そしてカプラ本体把持具52を処理用ファ
イバガイド56側に徐々に移動させ、光ファイバ裸線5
8bを前記V溝56dにそって放電電極54,55間に
送り出ながら加熱することにより、その端末に球状ある
いはラグビーボール状の無反射処理部を形成する。この
ときの送り出し量、送り出し時間などの条件は、図5
(a)、図5(b)に示した方法と同様である。また、
放電電極54,55に印加する電圧によって加熱条件を
調整することもできる。またカプラ本体把持具52に
は、その移動手段としてモータ駆動機構を設けると、送
り出し量と、送り出し時間の制御が容易であり、好まし
い。
【0035】一方、図6(a)、図6(b)に示す方法
と同様にして、予め放電電極54,55間(加熱予定位
置)に光ファイバ裸線58bを挿入しておき、この位置
に固定した状態で放電電極54,55によって前記光フ
ァイバ裸線58bの中途部分を加熱することにより、こ
の光ファイバ裸線58bの端末に球状あるいはラグビー
ボール状の無反射処理部を形成することもできる。この
ときに挿入長さ、加工時間などの条件は、図6(a)、
図6(b)に示した方法と同様である。また、放電電極
54,55に印加する電圧によって加熱条件を調整する
こともできる。また、無反射処理部を中心軸に対して2
度以上の角度で曲げる際には、端末に無反射処理部を形
成する加熱時に、この無反射処理部自体の重さで曲がる
ようにするか、この製造装置にて無反射処理部を製造後
に、再度加熱して耐火性の鏝などの道具を用いておし曲
げたり、上部からガスをふきつけて曲げるなどの方法を
採用することができる。
【0036】ところで、この製造装置を用いて製造され
る光ファイバ裸線58bの端末の無反射処理部は、基本
的には上述の送り出し量、送り出し時間、あるいは挿入
長さ、加工時間などを制御することによって、その形
状、サイズなどを制御することができるので、必ずしも
操作中にこれらをモニターする必要はない。しかし、こ
の製造装置に放電電極54,55間に位置する光ファイ
バ裸線58bを観察することができる顕微鏡カメラを設
け、無反射処理部の形成状態を観察しながら行うと、こ
の観察した結果と得られた無反射処理部の特性との関係
をもとめることができる。そしてつぎの製造において、
これらの関係にもとづいて、微妙な製造条件を調整し、
さらに無反射処理部を所望の特性に近づけることができ
るので、このような微調整のためには有効である。また
加熱手段としては、上述した放電電極放電電極54,5
5によるアーク放電の他、これらの放電電極54,55
にかわってガスバーナを配置し、このガスバーナを用い
た酸素炎を利用する手段、あるいは電気ヒータを加熱手
段として配置するなど、各種の手段を用いることができ
る。
【0037】この製造装置は、2×2型光ファイバ型カ
プラを1×2型光ファイバ型カプラとする場合のみなら
ず、各種の光ファイバ型カプラ、あるいは光ファイバの
無反射終端処理を行う場合に用いることができる。例え
ば1本の光ファイバの端末に無反射処理部を形成すると
きには、光ファイバの端末の被覆層を除去し、光ファイ
バ裸線を露出させ、被覆層を除去しない部分(光ファイ
バ本体)をカプラ本体把持具52にて固定するようにす
る。そして前記光ファイバ裸線を処理用ファイバガイド
56にて位置決めするとともに放電電極54,55によ
って加熱するようにすればよい。この場合は無処理用フ
ァイバガイド57を設ける必要はない。
【0038】上述のようにこの製造装置は、カプラ本体
把持具52にてカプラ本体51を支持するとともに、処
理用ファイバガイド56によって放電電極54,55に
よる加熱位置と、これらによって加熱される光ファイバ
裸線58bの位置決めを行うものである。このように、
カプラ本体把持具52にてカプラ本体51を安定に支
持、固定し、さらに、処理用ファイバガイド56にて光
ファイバ裸線58bと放電電極54,55との細かい位
置決めを行い、また、前記カプラ本体把持具52ごと光
ファイバ裸線58bを安定して移動させることができる
ので、加工精度と再現性を向上させることができる。
【0039】図11、図12は上述の光ファイバ型無反
射終端を用いた光通信システムの例を示したものであ
る。図11は光通信システムとして双方向通信システム
の一例を示したもので、双方の送信機(レーザダイオー
ド)と受信機(フォトディテクタ)は、それぞれ2×1
型光ファイバ型カプラ(図中カプラと示す)によって1
本の通信線路光ファイバと接続されている。図12は光
通信システムとして多分岐加入者通信網の一例を示した
もので、通信会社中央基地に設置された送信機(レーザ
ダイオード)と受信機(フォトディテクタ)は、2×2
型光ファイバ型カプラと1×2型光ファイバ型カプラを
介して複数の通信網加入者に接続されている。上述の2
×1型光ファイバ型カプラと1×2型光ファイバ型カプ
ラは、2×2型光ファイバ型カプラの不要ポートを切断
したものである。この不要ポートの終端部分は図中に便
宜上●で示されている。そしてこの終端部分に本発明の
光ファイバ型無反射終端が設けられている。このような
光通信システムにおける不要ポートに本発明の光ファイ
バ型無反射終端を用いることにより、光ファイバの終端
において反射光を有効かつ安定して抑えることができる
とともに、製造が容易である。また光部品のコンパクト
化によって光通信システム自体のスペース効率を向上さ
せることができる。本発明の光ファイバ型無反射終端
は、図11、図12に示す光通信システムに限らず、各
種の構成の光通信システムに用いることができることは
言うまでもないことである。
【0040】
【実施例】以下実施例を示してさらに本発明の効果を明
らかにする。 (実施例1)光ファイバ素線の端末の被覆層20mmを
除去して光ファイバ裸線を露出させ、その終端を中心軸
に対して垂直に、ファイバーカット専用工具(ファイバ
クリーバ)を用いて切断した。光ファイバ裸線は外径
125μm、コア径10μmの石英系ガラスからなるも
のであった。このように光ファイバ裸線を切断しただけ
の状態の反射減衰量は14.2dBで、フレネル反射の
理論値とほぼ一致した。また、光ファイバ素線の被覆層
終端から光ファイバ裸線の終端までの長さは12mm程
度とした。
【0041】ついで図5(a)、図5(b)に示すよう
に、光ファイバ裸線を対をなす放電電極間に送り出す方
法によって無反射処理部を形成した。このとき送り出し
量を6mm、送り出し時間を7秒としたところ、長軸直
径が420μm、短軸直径が370μmのややゆがんだ
略ラグビーボール状の無反射処理部が形成された。この
無反射処理部の正規加工係数は3.36であった。この
無反射処理部の付け根から光ファイバの被覆層の終端ま
での長さは5mmであった。この無反射処理部の反射減
衰量を測定したところ54dBであり良好であった。ま
た、この無反射処理部をさらに加熱し、耐火性の鏝を用
いて角度θが約3度となるように加工した。この後反射
減衰量を測定したところ64dBになり、その特性が向
上した。
【0042】(実施例2)光ファイバ素線の端末の被覆
層20mmを除去して光ファイバ裸線を露出させ、機械
工作用のニッパーを用いて切断した。光ファイバ裸線は
外径125μm、コア径10μmの石英系ガラスからな
るものであった。このように光ファイバ裸線を切断した
だけの状態の反射減衰量は20.2dBで、フレネル反
射の理論値よりも大きい値となった。これはニッパーで
切断することによって、切断面が傾いたためであると推
測される。また、光ファイバ素線の被覆層終端から光フ
ァイバ裸線の終端までの長さは8mm程度とした。
【0043】ついで図5(a)、図5(b)に示すよう
に、光ファイバ裸線を対をなす放電電極間に送り出す方
法によって無反射処理部を形成した。このとき送り出し
量を5mm、送り出し時間を5秒としたところ、長軸直
径が400μm、短軸直径が350μmのややゆがんだ
略ラグビーボール状の無反射処理部が形成された。この
無反射処理部の正規加工係数は3.2である。この無反
射処理部の付け根から光ファイバの被覆層の終端までの
長さは4.5mmであった。この無反射処理部の反射減
衰量を測定したところ48dBであり、十分実用に耐え
るものであった。また、この無反射処理部をさらに加熱
し、無反射処理部が自らの重さによって曲がるようにし
て加工した。この加工操作の後、顕微鏡で観察したとこ
ろ、角度θは約3度であった。この後反射減衰量を測定
したところ66dBになり、その特性が向上した。
【0044】(実施例3)実施例2と同様の方法で10
0サンプル作成した。これらのサンプルの反射減衰量の
平均値は62.3dBで、標準偏差は2.5dBであ
り、非常に良好な再現性が確認できた。
【0045】上述の実施例1〜2の結果より、光ファイ
バ裸線の終端に、加熱溶融して略ラグビーボール状の無
反射処理部を形成することによって、光ファイバ裸線を
その中心軸に対して垂直に切断したときと比較して、格
段に反射減衰量が増加し、かつこの無反射処理部を曲げ
たものは、さらに反射減衰量が増加し、好ましい特性が
得られることが明らかである。また実施例3の結果より
再現性が良好であることが確認できた。
【0046】(実施例4)図8、図9に示す装置を用
い、2×2型光ファイバ型カプラのひとつのポート(光
ファイバ素線)を不要ポートとして2×1型光ファイバ
型カプラとするために無反射処理部を形成した。不要ポ
ートの端末の被覆層20mmを除去して光ファイバ裸線
を露出させ、その終端を中心軸に対して垂直に、ファイ
バーカット専用工具を用いて切断した。光ファイバ裸線
は外径125μm、コア径10μmの石英系ガラスから
なるものであった。このように光ファイバ裸線を切断し
ただけの状態の反射減衰量は20.2dBで、フレネル
反射の理論値よりもやや良い値であった。このとき不要
ポートの被覆層終端から光ファイバ裸線の終端までの長
さは12mm程度とした。
【0047】ついで光ファイバ裸線を一対の放電電極間
に送り出す方法によって無反射処理部を形成した。この
とき、図8、図9に示す装置においてカプラ本体把持具
にモータ駆動機構を設けた構成とした。送り出し量を
2.5mmとしたところ、長軸直径が400μm、短軸
直径が350μmのややゆがんだ略ラグビーボール状の
無反射処理部が形成された。この無反射処理部の正規加
工係数は3.2であった。この無反射処理部の付け根か
ら光ファイバの被覆層の終端までの長さは5mmであっ
た。この無反射処理部の反射減衰量を測定したところ6
6dBであり良好であった。
【0048】(実施例5)実施例4と同様の方法で10
0サンプル作成した。これらのサンプルの反射減衰量の
平均値は62.3dBで、標準偏差は2.5dBであ
り、非常に良好な再現性が確認できた。
【0049】上述の実施例4〜5の結果より、図8、9
に示す製造装置を用いて、特性の優れた光ファイバ型無
反射終端を、良好な再現性で製造することができること
が確認できた。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光ファイバ
型無反射終端は、光ファイバ裸線の終端を球状あるいは
楕円球状に加工し、球面状の無反射処理部を形成したも
のである。このような球面状の終端を有する無反射処理
部は、これが平面である場合に比べて、端面で反射した
光が光ファイバ裸線のコアへもどる量が少なく抑えら
れ、反射減衰量が増加し、反射光による影響を小さくす
ることができる。特に、光ファイバ裸線の外径に対する
無反射処理部の長軸直径の比率を表す正規加工係数が
1.5倍以上に設定されているので、反射減衰量が大き
く、非常に優れた特性を有するものである。また、無反
射処理部を光ファイバ裸線の中心軸に対して2度以上の
角度で曲げたものとすると、その特性はさらに向上す
る。このように上述の光ファイバ型無反射終端は、光フ
ァイバ裸線の端末部を加熱しただけのものなので、非常
に小型で、光部品のコンパクトに有利である。また、整
合剤のように経時変化をおこさないので長期間の使用に
も適用することができる。また、光ファイバ裸線を加熱
溶融するのみで製造することができるので、簡便で生産
性が高く、消耗部材を必要とせず、さらに製造における
精度と再現性が良好である。このような本発明の光ファ
イバ型無反射終端を光通信システムにおける不要ポート
に用いることにより、光ファイバの終端において反射光
を有効かつ安定して抑えることができるとともに、製造
が容易である。また光部品のコンパクト化によって光通
信システム自体のスペース効率を向上させることができ
る。また、光ファイバ本体を支持する支持手段と、光フ
ァイバ裸線を加熱する加熱手段と、光ファイバ裸線と加
熱手段を支持するとともにこれらの位置決めを行うガイ
ドを有する光ファイバ型無反射終端処理装置を用いるこ
とによって、加工精度と再現性を向上させ、さらに製造
効率を向上させることができる。また、光ファイバ裸線
の端末を、加熱手段による加熱位置にむかって徐々に送
り出すことにより、前記光ファイバ裸線の端末を加熱
し、球状、あるいは楕円球状に加工する光ファイバ型無
反射終端の製造方法においては、光ファイバ裸線の送り
出し量と送り出し速度を制御、調整することによって、
光ファイバ型無反射終端の形状とサイズ、すなわち光フ
ァイバ型無反射終端の光学特性を制御、調整することが
できる。また、加熱手段による加熱予定位置に予め所定
の挿入長さで挿入しておいた光ファイバ裸線を、前記加
熱手段によって加熱し、その端末を球状、あるいは楕円
球状に加工する光ファイバ型無反射終端の製造方法にお
いては、前記挿入長さと加工時間を調整、制御すること
によって、光ファイバ型無反射終端の形状とサイズ、す
なわち光ファイバ型無反射終端の光学特性を制御、調整
することができる。したがって、再現性が良好で、かつ
無反射処理部の形状、サイズなどを必ずしもモニターす
る必要がないので装置が簡便となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバ型無反射終端の一例を示
す概略構成図である。
【図2】 本発明の光ファイバ型無反射終端の他の例を
示す概略構成図である。
【図3】 本発明の光ファイバ型無反射終端の正規加工
係数と反射減衰量との関係を示すグラフである。
【図4】 本発明の光ファイバ型無反射終端において、
無反射処理部を曲げたときの角度と反射減衰量との関係
を示したグラフである。
【図5】 図5(a)は本発明の光ファイバ型無反射終
端の製造方法の一例を示す説明図である。図5(b)は
本発明の光ファイバ型無反射終端の製造方法の一例にお
いて、無反射処理部の形成状態を時間をおって示す説明
図である。
【図6】 図6(a)は本発明の光ファイバ型無反射終
端の製造方法の他の例を示す説明図である。図6(b)
は本発明の光ファイバ型無反射終端の製造方法の他の例
において、無反射処理部の形成状態を時間をおって示す
説明図である。
【図7】 本発明の光ファイバ型無反射終端を適用した
光ファイバ型カプラを示す一部側断面図である。
【図8】 本発明の光ファイバ型無反射終端の製造装置
の、光ファイバ型カプラ用の一例を示す斜視図である。
【図9】 図8において、光ファイバ型カプラの中心軸
方向に切断した一部断面図である。
【図10】 図10(a)は光ファイバ型カプラの不要
ポートの被覆層を除去した状態を示す平面図である。図
10(b)は図8、図9に示す装置において、処理用フ
ァイバガイドのV溝に不要ポートの光ファイバ裸線をお
さめた状態を示す断面図である。
【図11】 本発明の光ファイバ型無反射終端を用いた
光通信システムの一例を示す概略構成図である。
【図12】 本発明の光ファイバ型無反射終端を用いた
光通信システムの他の例を示す概略構成図である。
【図13】 従来の光ファイバ型無反射終端の例を示す
もので、整合剤で処理された例の概略構成図である。
【図14】 従来の光ファイバ型無反射終端の例を示す
もので、端面を斜めに切断した例の概略構成図である。
【符号の説明】
20…光ファイバ裸線、20a…終端、20b…無反射
処理部、D…無反射処理部の長軸直径、D0…光ファイ
バ裸線の外径、D1…無反射処理部の短軸直径、51…
カプラ本体(光ファイバ本体)、52…カプラ本体把持
具(支持手段)、52a…U字溝、53…蓋(支持手
段)、54,55…放電電極(加熱手段)、56…処理
用ファイバガイド(ガイド)、56a…貫通穴、56b
…電極用溝、56c…凹溝、56d…V溝、58…不要
ポート(光ファイバ、光ファイバ素線)、58a…被覆
層、58b…光ファイバ裸線、59…ポート(光ファイ
バ、光ファイバ素線)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 功 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 鈴木 文生 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 山内 良三 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ裸線の端末が、球状あるいは
    楕円球状に加工されてなる無反射処理部を有し、 この無反射処理部の長軸直径は、前記光ファイバ裸線の
    外径の1.5倍以上であることを特徴とする光ファイバ
    型無反射終端。
  2. 【請求項2】 光ファイバ裸線の端末が、球状あるいは
    楕円球状に加工されてなる無反射処理部を有し、 この無反射処理部が、前記光ファイバ裸線の中心軸に対
    して2度以上の角度で曲げられていることを特徴とする
    光ファイバ型無反射終端。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の光ファイ
    バ型無反射終端を用いたことを特徴とする光通信システ
    ム。
  4. 【請求項4】 光ファイバ本体を支持する支持手段と、 この光ファイバ本体からのびる光ファイバ裸線を加熱す
    る加熱手段と、 この光ファイバ裸線と前記加熱手段を支持するととも
    に、これらの位置決めを行うガイドを有することを特徴
    とする光ファイバ型無反射終端の製造装置。
  5. 【請求項5】 光ファイバ裸線の端末を、加熱手段によ
    る加熱位置にむかって徐々に送り出しつつ加熱すること
    により、この光ファイバ裸線の端末が球状、あるいは楕
    円球状に加工された無反射処理部を形成することを特徴
    とする光ファイバ型無反射終端の製造方法。
  6. 【請求項6】 加熱手段による加熱予定位置に光ファイ
    バ裸線の中途部分を配置し、この光ファイバ裸線を前記
    加熱手段にて加熱ことにより、この光ファイバ裸線の端
    末が球状、あるいは楕円球状に加工された無反射処理部
    を形成することを特徴とする光ファイバ型無反射終端の
    製造方法。
JP9280916A 1997-06-18 1997-10-14 光ファイバ型無反射終端およびその製造装置と製造方法 Withdrawn JPH1172622A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6934478B2 (en) 2001-04-24 2005-08-23 Sharp Kabushiki Kaisha Bidirectional optical communication device and bidirectional optical communication apparatus
CN102354030A (zh) * 2011-11-01 2012-02-15 浙江富春江光电科技股份有限公司 分光路光纤及其制造方法

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US6934478B2 (en) 2001-04-24 2005-08-23 Sharp Kabushiki Kaisha Bidirectional optical communication device and bidirectional optical communication apparatus
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