JPH1172029A - 水噴霧による出力増加機構を備えたガスタービン - Google Patents

水噴霧による出力増加機構を備えたガスタービン

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JPH1172029A
JPH1172029A JP18367098A JP18367098A JPH1172029A JP H1172029 A JPH1172029 A JP H1172029A JP 18367098 A JP18367098 A JP 18367098A JP 18367098 A JP18367098 A JP 18367098A JP H1172029 A JPH1172029 A JP H1172029A
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compressor
air
water
spray
temperature
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JP18367098A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Horii
信之 堀井
Isao Takehara
竹原  勲
Eitaro Murata
英太郎 村田
Motoaki Utamura
元昭 宇多村
Takaaki Kuwabara
孝明 桑原
Tetsuo Sasada
哲男 笹田
Fumiyuki Hirose
文之 広瀬
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]

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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】実用に適する簡単な設備によって、圧縮機の入
口の導入される吸気中に液滴を噴霧して出力の向上と熱
効率の向上の双方を実現できるガスタービンと、それを
用いた安全な運転システムを提供する。 【解決手段】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
機,前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
ビンとを備えたガスタービンにおいて、前記圧縮機の上
流側に設置され、前記圧縮機に供給される空気に水滴を
噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を外気温度より低
下させ、この温度を低下させた空気と共に前記圧縮機に
導入される噴霧された前記水滴を前記圧縮機内を流下中
に気化するようにした噴霧装置と、前記圧縮機に供給さ
れる空気の湿度を検知する検知装置と、前記検知信号に
基づいて前記噴霧装置から噴霧する噴霧量を制御する制
御装置と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンに係
り、特にガスタービンの圧縮機の吸気中に液滴を噴霧す
るガスタービンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来ガスタービンは夏期に気温が上昇す
ると、ガスタービンの出力が低下するるが、出力回復の
方法として様々な構成が提案されている。
【0003】特開平7−97933号公報,実公昭61−37794
号公報、或いは特開平5−195809 号公報には、圧縮機の
吸気を冷却することが記載されている。
【0004】また、特開昭61−283723号公報には、ガス
化炉とガスタービンとの複合システムにおいて、圧縮機
入口及び圧縮機中間段から水を供給することが記載され
ている。
【0005】さらに、実開昭56−43433 号公報には、圧
縮機内に水滴の供給孔を設けることが記載されており、
特開平2−211331 号公報にはガスタービンが高圧及び低
圧の2つの圧縮機を備え、前記圧縮機間に中間冷却器を
備えたものが記載されている。また、特開平6−10702号
公報には、複数の圧縮機段を備えるコンプレッサーグル
ープについて、電力消費を低減するために上流の圧縮機
段と下流の圧縮機段との間の中間部に水を噴霧する技術
が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−97933号公報,実公昭61−37794号公報或いは特開平5
−195809号公報は単に圧縮機に導入される吸気温度を低
下させて出力を向上させることに関して開示されている
にすぎない。特開昭61−283723号公報には、圧縮中に液
滴を蒸発させタービンの羽根を冷却する媒体として利用
を図ること及びタービンサイクル特性を向上させること
に関して開示されているにすぎない。
【0007】また、特開平2−211331 号公報には高圧及
び低圧の2つの圧縮機間に中間冷却器を備えたガスター
ビンにおいて、高圧圧縮機入口の温度と湿度を検知する
手段を備え、中間冷却器の給水流量を制御することが記
載されているが、圧縮機本体に水滴が導入されない範囲
の制御でしかなく、また圧縮機入口での湿度制御とは無
関係である。
【0008】実際のガスタービン及びガスタービンと蒸
気タービンを用いたコンバインドプラントを考慮する
と、出力向上と熱効率向上を簡単な設備で、常にガスタ
ービン本体を保護しながら安全な運転が実現できる運転
システムが要求される。
【0009】そこで、本発明は実用に適する簡単な設備
によって、圧縮機の入口に導入される吸気中に液滴を噴
霧して出力の向上と熱効率の向上の双方を実現できるガ
スタービンと、それを用いた安全な運転システムを提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、供給された空
気を圧縮して吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した
空気と燃料とが燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼
ガスにより駆動されるタービンとを備えたガスタービン
において、前記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機
に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空
気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下させ
た空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前記水
滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴霧装
置と、前記圧縮機に供給される空気の湿度を検知する検
知装置と、前記検知信号に基づいて前記噴霧装置から噴
霧する噴霧量を制御する制御装置と、を備えることを特
徴とする。
【0011】例えば、前記検出した信号に応じて前記液
滴の噴霧量を制御することができる。
【0012】例えば、噴霧装置上流の取り込み空気の温
度を検出して、温度が高いときより低いときに前記液滴
噴霧量が多くなるよう制御する。
【0013】また、前記制御装置は、前記圧縮機に供給
される空気の温度及び湿度を検知する検知装置を有し、
前記検知信号に基づいて前記噴霧装置から噴霧する噴霧
量を制御することが好ましい。噴霧装置上流の取り込み
空気の温度を検出して、温度が高いときより低いときに
前記液滴噴霧量が多くなるよう制御し、噴霧装置上流の
取り込み空気の湿度が高いときより湿度が低いときに前
記液滴噴霧量が多くなるよう制御する。
【0014】また、前記噴霧量は出力等の値に基づいて
制御すると共に、前記検出した信号に基づき噴霧量の制
限値として使用することができる。前記制御装置は、前
記検知信号に基づいて前記噴霧装置から噴霧する噴霧量
の制限値を設定し、噴霧量を前記制限値以内になるよう
制御する。
【0015】例えば、前記液滴の水量は、例えば出力等
に応じて行う。その際、噴霧装置上流の取り込み空気の
温度を検出して、温度が高いときより低いときに前記制
限値が高くなるようにし、噴霧装置上流の取り込み空気
の湿度が高いときより湿度が低いときに前記制限値が高
くなるようにし、前記制限値を超えないように前記水滴
の噴霧量を制御(補正)する。
【0016】これにより、圧縮機の健全性を確保して高
出力のガスタービン運転ができる。取り込み空気に前記
液滴を噴霧する際に同空気の湿度を考慮して水噴霧量を
調整するので、圧縮機入口までに気化せずに圧縮機内に
導入される水滴量を適切に制御することができ、圧縮機
入口までに気化させる水滴量と圧縮機内で気化させる水
滴量を適切に制御することができる。このため、圧縮機
に与える影響を考慮してプラントの健全性を確保しつ
つ、高出力のガスタービン運転ができる。
【0017】これにより、ガスタービン本体の安全な運
転を確保しながら水噴霧を実施することができる。
【0018】例えば、圧縮機上流において気体の温度と
湿度を検出する手段を備え、前記温堂と湿度に関係させ
て噴霧水量制限値を設定し、水噴霧運転中に実際の有効
な噴霧水量が前記水量制限値を超えないように水量制御
するとき、有効な噴霧水量は圧縮機吐出部の気体の湿度
および水噴霧装置上流の気体の湿度から演算する場合
や、給水系統の水量計指示値と、圧縮機上流吸気ダクト
内におけるドレン発生量から演算する場合などが考えら
れるが、いずれでも良い。また圧縮機上流吸気ダクト内
におけるドレン発生量を、予め給水流量の関数としても
良い。圧縮機吐出空気の湿度は、湿度を検出する手段を
備えたサンプリング用タンクに空気を連続的に通気する
ことにより測定すればよい。
【0019】第2の発明は、供給された空気を圧縮して
吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料と
が燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆
動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、前
記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給される
空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を外
気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共に
前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧縮
機内を流下中に気化するようにした噴霧装置と、前記圧
縮機に設置される圧縮機入口案内翼開度を検知する検知
装置と、前記検知信号に基づいて前記噴霧装置からの前
記水滴噴霧量を制御する制御装置と、を備えることを特
徴とする。
【0020】例えば、前記検知信号に基づいて前記噴霧
装置から噴霧する噴霧量の制限値を設定し、噴霧量を前
記制限値以内になるよう制御することができる。前記開
度が小さいときより大きいときの方が前記制限値は大き
くなるよう設定することができる。
【0021】案内翼角度変化によって、空気量が減少す
るので、水も同様に減少させるようにする。
【0022】これにより、部分負荷運転時の圧縮機入口
空気量に見合った水量を投入できる。また、部分負荷運
転時に機器の健全性が確保できる。
【0023】圧縮機に導かれる空気量は案内翼を絞って
空気量が減少する場合や、気温が上昇して空気量が減少
した場合等があるが、本構成により、部分負荷運転時の
取り込み空気量の増減に応じて適切に水を噴霧すること
ができる。水噴霧過多等の状況を抑制でき、機器の保護
を図りつつ、高出力のガスタービン運転ができる。
【0024】また、前記入口案内翼角度と共に圧縮機入
口空気量を検知して、同空気量に応じて水噴霧量の制限
を加えることが好ましい。この場合、圧縮機入口空気量
に対する割合で水噴霧量を決めておけば、水噴霧量に同
一機種における個体差,経年劣化による圧縮機入口空気
量の減少,形状が相似な機種のスケール比を反映させる
ことができるため更に好ましい。
【0025】第3の発明は、供給された空気を圧縮して
吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料と
が燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆
動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、前
記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給される
空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を外
気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共に
前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧縮
機内を流下中に気化するようにした噴霧装置と、前記ガ
スタービンの起動時には前記噴霧装置からの水滴の噴霧
を停止し、ガスタービンが定格運転に移行してから前記
噴霧装置からの水滴の噴霧を開始するよう制御する制御
装置と、を備えることを特徴とする。
【0026】ガスタービンが定格運転に移行したこと
を、入口案内翼が所定開度(通常運転時の開度、例えば
全開等)で把握するようにできる。また、燃焼温度一定
運転になったことで把握してもよい。
【0027】定格運転に移行したら、例えば、出力要求
値と実出力とに差異が生じたら実出力が出力要求値にな
るよう前記水滴噴霧量を制御するよう運転することがで
きる。
【0028】これにより、ガスタービンの保護を図りつ
つ、安全な水噴霧による増出力機構を備えたガスタービ
ンを提供できる。また起動時の流体の状態の変動を抑制
して制御を容易にし、起動時の失火等を抑制して燃焼の
安定性を高めることができる。これにより、迅速な起動
を図り、早期に水噴霧による高出力運転ができるガスタ
ービンを提供することができる。
【0029】一方、ガスタービンが部分負荷で負荷一定
運転状態においても水噴霧運転を行うように制御するこ
とができる。これにより、部分負荷時の熱効率を改善す
ることができる。
【0030】第4の発明は、供給された空気を圧縮して
吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料と
が燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆
動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、前
記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給される
空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を外
気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共に
前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧縮
機内を流下中に気化するようにした噴霧装置を備え、前
記噴霧装置は前記水滴を噴霧する複数の噴霧ノズルを有
し、前記水噴霧量が所定値以下の時に前記水滴を噴霧す
る前記噴霧ノズル数に比べ、前記水滴量が所定値より上
の時に前記水滴を噴霧する前記噴霧ノズル数が多くなる
よう制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0031】また、例えば、前記噴霧装置は、水供給装
置と、前記水供給装置からの水を供給する水供給母配管
と、前記水供給母配管から供給される水を複数の水供給
配管に分岐する水供給ヘッダと、前記ヘッダで分岐され
た水が流れる水供給配管に設置され、前記水滴を噴霧す
るノズルとを有し、前記水噴霧量が所定値以下の時に前
記水を供給する水供給配管数より、前記水滴噴霧量が所
定値より上の時に前記水を供給する水供給配管数が多く
なるよう制御する制御装置を有するようにすることもで
きる。
【0032】また、前記噴霧ノズルが2流体ノズルの場
合、前記空気供給装置からの空気を供給する空気供給母
配管と、前記空気供給母配管から供給される空気を複数
の空気供給配管に分岐する空気供給ヘッダと、前記ヘッ
ダで分岐された空気が流れる空気供給配管に連絡して前
記噴霧ノズルが設置されるようになっていてもよい。
【0033】また、例えば前記噴霧装置の給水ヘッダの
構成については以下のようになっていてもよい。前記噴
霧装置は、水供給装置と、前記水供給装置からの水を供
給する水供給母配管と、前記水供給母配管から供給され
る水を複数の水供給子配管に分岐する主水供給ヘッダ
と、前記水供給子配管を流れる水を複数の水供給配管に
分岐する副水供給ヘッダと、前記副水供給ヘッダで分岐
された水が流れる水供給配管に設置され、前記水滴を噴
霧するノズルと、を備える。
【0034】これにより、前記水滴の噴霧量の増減が生
じる場合であっても、安定して水滴を噴霧することがで
き、安定して水噴霧による高出力運転ができる。
【0035】また、噴霧ノズルに供給する水量等に不均
一が生じることを抑制できる。このため、水噴霧時にガ
スタービンが不安定状態となることを抑制して安定運転
を図ることができる。
【0036】または、給水ヘッダ、または、給水主ヘッ
ダ上流に給水流量調節弁を設置し、前記給水流量調節弁
にて水噴霧量を制御することを特徴とする。これによ
り、水噴霧ノズルへ同時に一定量の水を供給できる。
【0037】また、流量の制御に関しては、給水主ヘッ
ダ下流と複数個の給水副ヘッダの上流間にそれぞれ給水
流量調節弁を設置し、水噴霧量により前記給水流量調節
弁にて水噴霧量を制御するようにすることができる。そ
して、水噴霧量により前記給水副ヘッダの運用台数を変
えて水噴霧量を制御しても良い。給水主ヘッダ、また
は、給水副ヘッダの下流と噴霧水配管上流間に給水流量
調節弁を設置し、水噴霧量を制御してもよい。また、噴
霧水配管下流と噴霧ノズル上流間に給水流量調節弁を設
置し、噴霧ノズルの噴霧量を制御してもよい。
【0038】第5の発明は、供給された空気を圧縮して
吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料と
が燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆
動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、前
記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給される
空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を外
気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共に
前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧縮
機内を流下中に気化するようにした噴霧装置を備え、前
記噴霧装置は、水供給系統と、空気供給系統と、前記水
供給系統と空気供給系統から水および空気が供給されて
前記液滴を噴霧する噴霧ノズルとを有し、前記水滴の噴
霧量が少ないときの前記噴霧ノズルに供給する水と空気
との比率と、前記水滴の噴霧量が多いときの前記噴霧ノ
ズルに供給する水と空気との比率と、の変動を抑制する
よう前記水供給量および前記空気供給量を制御する制御
装置と、を備えることを特徴とする。
【0039】このように、水噴霧量に応じて、気水比が
一定となるように(変動を抑制するように)水供給量の
増減に対応して空気供給量を増減させるよう制御する。
【0040】これにより、空気量を少なく抑制しつつ、
所望の粒径の水を得ることができる(比較的水量が多い
場合に好ましい)。空気を圧縮機から得る場合には、取
り込み空気のうちより多くを燃焼器へ供給することがで
き、前記水滴噴霧量を変動させた場合であっても高出力
或いは高効率運転ができる。
【0041】第6の発明は、供給された空気を圧縮して
吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料と
が燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆
動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、前
記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給される
空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を外
気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共に
前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧縮
機内を流下中に気化するようにした噴霧装置を備え、前
記噴霧装置は、水供給系統と、空気供給系統と、前記水
供給系統と空気供給系統から水および空気が供給されて
前記液滴を噴霧する噴霧ノズルとを有し、前記水滴の噴
霧量が少ない時に比べ、噴霧量が多いときに、前記噴霧
ノズルに供給する空気に対する水の割合が多くなるよう
前記水供給量および前記空気供給量を制御する制御装置
と、を備えることを特徴とする。
【0042】これにより、空気量を少なく抑制しつつ、
所望の粒径の水を得ることができる(比較的水量が少な
い場合に好ましい)。空気を圧縮機から得る場合には、
取り込み空気のうちより多くを燃焼器へ供給することが
でき、前記水滴噴霧量を変動させた場合であっても高出
力或いは高効率運転ができる。
【0043】第7の発明は、供給された空気を圧縮して
吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料と
が燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆
動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、前
記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給される
空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を外
気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共に
前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧縮
機内を流下中に気化するようにした噴霧装置を備え、前
記噴霧装置は、水供給系統と、空気供給系統と、前記水
供給系統と空気供給系統から水および空気が供給されて
前記液滴を噴霧する噴霧ノズルとを有し、前記水滴の噴
霧量の増減に応じて、前記水供給量を増減させると共
に、前記空気供給流量を一定に維持するよう制御する制
御装置と、を備えることを特徴とする。
【0044】これにより、簡便な制御で、機器の健全性
を図りつつ、水噴霧による高出力運転ができる。
【0045】第8の発明は、供給された空気を圧縮して
吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料と
が燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆
動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、前
記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給される
空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を外
気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共に
前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧縮
機内を流下中に気化するようにした噴霧装置を備え、前
記噴霧装置は、水供給系統と、空気供給系統と、前記水
供給系統と空気供給系統から水および空気が供給されて
前記液滴を噴霧する噴霧ノズルとを有し、先に前記噴霧
ノズルに空気を供給開始し、次に前記ノズルに水を供給
開始して、前記水滴噴霧を開始するよう制御する制御装
置と、を備えることを特徴とする。
【0046】第9の発明は、供給された空気を圧縮して
吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料と
が燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆
動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、前
記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給される
空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を外
気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共に
前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧縮
機内を流下中に気化するようにした噴霧装置を備え、前
記噴霧装置は、水供給系統と、空気供給系統と、前記水
供給系統と空気供給系統から水および空気が供給されて
前記液滴を噴霧する噴霧ノズルとを有し、前記水滴の噴
霧状態から、先に前記噴霧ノズルに供給する空気量を絞
り、次に前記ノズルに供給する水を絞って、前記水滴噴
霧を停止するよう制御する制御装置と、を備えることを
特徴とする。
【0047】これにより、前記水滴噴霧開始時或いは前
記水滴噴霧停止時の機器の健全性を確保して、円滑な起
動,停止ができると共に、水噴霧運転による高出力を得
るガスタービンを提供できる。起動停止時に所望でない
粒径の発生を抑制できる。
【0048】第10の発明は、供給された空気を圧縮し
て吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料
とが燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより
駆動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、
前記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給され
る空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を
外気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共
に前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧
縮機内を流下中に気化するようにした噴霧装置と、前記
水滴噴霧運転時には、ガスタービントリップ信号に基づ
いて、先ず前記水噴霧を停止する指令を出し、その後圧
縮機入口案内翼開度を減少させる指令を出すよう制御す
る制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0049】これにより、水噴霧運転による高出力を得
ると共に、水噴霧運転時にガスタービントリップが生じ
ても、機器の健全性を確保して円滑なトリップができる
安全性の高いガスタービンを提供できる。
【0050】第11の発明は、供給された空気を圧縮し
て吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料
とが燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより
駆動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、
前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
霧装置と、前記水滴を噴霧する運転時に、前記吸気ダク
ト内に周方向に複数の空気温度検出装置を配置し、該検
出値の偏差が所定値になったら水噴霧量を減少するよう
制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0051】尚、アイシング等を考慮して設定した設定
温度に対して所定値以上になったら水噴霧量を減少する
よう制御するようにすることができる。水噴霧量を減少
させる際は、検出値に基づいて他の検出値の平均に対し
て所定値だけ大きく変化した検出値部位に相当する噴霧
ノズル部分に流す流量を増加させるようにしてもよい。
或いは複数の噴霧ノズル全体の噴霧量を減少させるよう
にしてもよい。
【0052】第12の発明は、供給された空気を圧縮し
て吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料
とが燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより
駆動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、
前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
霧装置と、前記水滴を噴霧する運転時に、前記圧縮機に
導かれる空気重量流量を監視し、該流量が所定値以下に
なったら、噴霧水量を減少させるよう制御する制御装置
と、を備えることを特徴とする。
【0053】これにより、変化をダイレクトに監視でき
るので、ストールやアイシングを精度高く抑制できる。
よって機器の健全性を確保しつつ、水噴霧による高出力
運転を図れるガスタービンを提供できる。
【0054】圧縮機入口空気量を計測する装置を備え、
水噴霧運転中に前記圧縮機入口空気量に対して水量を制
御する場合、許容変動範囲として任意の一定値を予め設
定しておき、許容変動範囲を超えないように水量を減少
させる運転や、許容変動範囲を超えた場合に給水停止す
る運転のいずれでも良い。また給水停止する場合には、
給水系統の給水遮断弁閉操作により給水停止する方法
や、給水系統の給水ポンプ停止により給水停止する方法
などが考えられるが、いずれの方法でも良い。
【0055】また、本制御は、前記水滴を噴霧したとき
に吸気ダクト内で未気化液滴が残り圧縮機内に液滴が導
入される程度の水量が噴霧される場合に適応することが
好ましい。
【0056】例えば、検知間隔は数分間隔程度(たとえ
ば2,3分間隔)監視して判断することができる。
【0057】また、大気温度が上がったときは空気量が
減るのでストールにより空気流量が減るのと混同を生じ
ないようにするために、空気温度を検出して空気量変化
を計算することが好ましい。大気温度が下がったときは
空気量が増えるので、同部分を補正してストール等を検
知することが好ましい。
【0058】尚、空気温度は、圧縮機入口部(例えば噴
霧装置下流から圧縮機入口との間)で検出することが好
ましい。
【0059】なお、圧縮機吐出圧力の検知装置を圧縮機
吐出空気流路に設置して圧縮機吐出圧力を検知して、入
口空気流量を検知することに代えてもよい。
【0060】また、ガスタービン吸い込み空気温度を検
出する手段を備え、前記空気温度が任意の一定値以上と
なる場合に、水を噴霧するよう制御する制御装置を備え
るようにしてもよい。このとき、水噴霧装置上流の気体
温度と水噴霧装置下流の気体温度が考えられるが、どち
らでも良い。また水噴霧装置下流で検出する場合には、
流れ方向に同一平面内で空気温度を複数点検出しても良
い。温度が下限値を下回った場合には、水量を温度に対
して制限する。或いは給水停止するようにしても良い。
【0061】これにより、圧縮機入口案内翼における氷
結現象を回避しながら、ガスタービンの安全な運転が達
成できる。
【0062】または、ガスタービン吸い込み空気温度お
よび湿度を検出する手段と前記空気温度,湿度から湿球
温度を算出する演算装置を備え、または、ガスタービン
吸い込み空気湿球温度を検出する手段を備え、湿球温度
が任意の一定値以上のときに、水を噴霧するよう制御す
る制御装置を備えるようにしても良い。このとき、水噴
霧装置上流の湿球温度と水噴霧装置下流の湿球温度が考
えられるが、どちらでも良い。湿球温度が下限値を下回
った場合には、水量を温度に対して制限する。或いは、
給水停止するようにしても良い。
【0063】これにより、圧縮機入口案内翼における氷
結現象を回避しながら、ガスタービンの安全な運転が達
成できる。
【0064】第13の発明は、供給された空気を圧縮し
て吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料
とが燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより
駆動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、
前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
霧装置と、前記圧縮機の入口案内翼部のケーシング壁圧
を検知する検知装置と、前記水滴を噴霧する運転時に、
検知された壁圧に基づいて噴霧水量を制御する制御装置
と、を備えることを特徴とする。
【0065】例えば、前記制御装置は、前記水滴を噴霧
する運転時に、圧縮機の入口案内翼入口のケーシング壁
圧を監視し、該流量が所定値以上になったら、噴霧水量
を減少させるよう制御する。
【0066】これにより、入口案内翼入口ケーシングの
壁圧を監視して空気流量変化を近似することもでき、状
態変化を容易に把握でき、容易に機器の健全性を確保し
つつ、水噴霧による高出力化を図ることができる。
【0067】また、他に、圧縮機内圧を検知し、同圧が
所定値より上がったことに基づき前記水滴の噴霧量を低
下するように制御するようにしてもよい。
【0068】これにより、検知手段の設置が容易であ
り、空気量の検知が容易にできる。
【0069】また、圧縮機壁圧変動を検知し、変動が所
定値より大きくなったとき、前記水滴の噴霧量を低下す
るように制御するようにしてもよい。
【0070】これにより、異常現象をよりダイレクトに
測定でき、事象の確実な把握ができる。
【0071】第14の発明は、供給された空気を圧縮し
て吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料
とが燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより
駆動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、
前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
霧装置と、前記水滴を噴霧する運転時に、圧縮機吐出圧
力を監視し、該吐出圧力が所定値以下になったら、噴霧
水量を減少させるよう制御する制御装置と、を備えるこ
とを特徴とする。
【0072】例えば、前記制御装置は、前記水滴を噴霧
する運転時に、圧縮機吐出圧力を監視し、該吐出圧力が
所定値以下になったら、噴霧水量を減少させるよう制御
する。
【0073】これにより、圧力レベルが高く、アイシン
グ或いはストール等の異常を迅速に検知できる。よっ
て、前記水滴噴霧による高出力運転を図ると共に、アイ
シング或いはストール等の発生を早期に検知でき機器の
健全性を維持することができる。
【0074】圧縮機吐出圧力を検出する手段を備え、水
噴霧運転中に前記圧縮機吐出圧力に対して水量を制御す
る際、許容変動範囲として任意の一定値を予め設定して
おき、許容変動範囲を超えないように水量を減少させる
運転でも、許容変動範囲を超えた場合に給水停止する運
転でも良い。
【0075】第15の発明は、供給された空気を圧縮し
て吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料
とが燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより
駆動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、
前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
霧装置と、前記水滴を噴霧する運転時に、圧縮機断熱効
率を監視し、該効率に基づいて噴霧水量を制御する制御
装置と、を備えることを特徴とする。
【0076】例えば、前記制御装置は、前記水滴を噴霧
する運転時に、圧縮機断熱効率を監視し、該効率が所定
値以下になったら、噴霧水量を減少させるよう制御す
る。
【0077】これにより、大気温度が変化しても、同値
を検知することができアイシングやストール等を検知で
きる。このため、大気温度が変動しても容易にアイシン
グストール等から機器の保護を図り、水噴霧によるガス
タービンの高出力化を図ることができる。また、圧縮機
内の段落間のミスマッチングを検知でき、更に安全な運
転を図ることができる。
【0078】圧縮機断熱効率を計測する手段を備え、水
噴霧運転中に前記圧縮機断熱効率に対して水量を制御す
る際、許容変動範囲として任意の一定値を予め設定して
おき、許容変動範囲を超えないように水量を減少させる
運転でも、許容変動範囲を超えた場合に給水停止する運
転でも良い。
【0079】第16の発明は、供給された空気を圧縮し
て吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料
とが燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより
駆動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、
前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
霧装置と、前記水滴を噴霧する運転時に、排ガス温度を
監視し、該排ガス温度に基づき噴霧水量を制御する制御
装置と、を備えることを特徴とする。
【0080】例えば、前記制御装置は、前記水滴を噴霧
する運転時に、排ガス温度を監視し、該排ガス温度が所
定値以上になったら、噴霧水量を減少させるよう制御す
る。これにより、事象の変化を迅速に検知して異常から
機器を適切に保護すると共に、水噴霧によるガスタービ
ンの高出力運転を得ることができ、燃焼排ガス温度を検
知する手段を備え、水噴霧運転中に前記燃焼排ガス温度
に対して水量を制御する際、許容変動範囲としての任意
の一定値を予め設定しておき、許容変動範囲を超えない
ように水量を減少させる運転でも、許容変動範囲を超え
た場合に給水停止する運転でも良い。
【0081】第17の発明は、供給された空気を圧縮し
て吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料
とが燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより
駆動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、
前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
霧装置と、前記水滴を噴霧する運転時に、ガスタービン
軸受け振動を監視し、該振動値を基に噴霧水量を制御す
る制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0082】例えば、前記制御装置は、前記水滴を噴霧
する運転時に、ガスタービン軸受け振動を監視し、該振
動が所定値以上になったら、噴霧水量を減少させるよう
制御する。
【0083】これにより、圧縮機の周方向に対して部分
的にストールが発生したことを直接検知でき、部分的ス
トール・アイシングを直接把握することができる。部分
的ストール・アイシングを把握して異常から機器を保護
すると共に、水噴霧によるガスタービンの高出力運転を
得ることができる。また、圧縮機に導入された水滴の周
方向不均一に伴うガスタービン回転部の不釣り合い振動
を適切に検知でき、安全性の高い運転ができる。
【0084】ガスタービン軸受け振動を検知する手段を
備え、水噴霧運転中に前記軸受け振動に対して水量を制
御する際、許容変動範囲として任意の一定値を予め設定
しておき、許容変動範囲を超えないように水量を減少さ
せる運転でも、許容変動範囲を超えた場合に給水停止す
る運転でも良い。
【0085】第18の発明は、供給された空気を圧縮し
て吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料
とが燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより
駆動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、
前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
霧装置と、前記水滴を噴霧する運転時に、ガスタービン
スラスト軸受メタル温度を監視し、該メタル温度に基づ
き噴霧水量を制御する制御装置と、を備えることを特徴
とする。
【0086】例えば、前記制御装置は、前記水滴を噴霧
する運転時に、ガスタービンスラスト軸受メタル温度を
監視し、該メタル温度が所定値以上になったら、噴霧水
量を減少させるように制御する。
【0087】これにより、圧縮機部とタービン部の軸方
向スラスト力の変化を検知でき、アンバランスが生じた
場合を的確に検知できる。
【0088】このため、同アンバランスに基づく異常か
ら機器を保護すると共に、水噴霧によるガスタービンの
高出力運転を得ることができる。
【0089】スラスト軸受メタル温度を計測する手段を
備え、水噴霧運転中に前記メタル温度に対して水量を制
御する際、許容変動範囲として任意の一定値を予め設定
しておき、許容変動範囲を超えないように水量を減少さ
せる運転でも、許容変動範囲を超えた場合に給水停止す
る運転でも良い。
【0090】第19の発明は、供給された空気を圧縮し
て吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料
とが燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより
駆動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、
前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
霧装置と、前記水滴を噴霧する運転時に、流体の圧縮機
内軸流速度を監視し、該軸流速度に基づき噴霧水量を制
御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0091】例えば、前記制御装置は、前記水滴を噴霧
する運転時に、流体の圧縮機内軸流速度を監視し、該軸
流速度が所定値以下になったら、噴霧水量を減少させる
よう制御する。
【0092】これにより、大気温度等の条件にかかわら
ず決まるものであり、制御が容易になり、係る点で正確
な制御ができる。また、水噴霧量の制限値を本値に基づ
いて決めることができ、制御の根拠となるようなものと
もすることができ、ダイレクトな制御ができる。
【0093】これにより、アイシング等に基づく異常か
ら機器を保護すると共に、水噴霧によるガスタービンの
高出力運転を得ることができる。
【0094】圧縮機内軸流速度を演算する手段を備え、
水噴霧運転中に前記圧縮機内軸流速度に対して水量を制
御するとき、圧縮機内軸流速度は任意の段落で算出する
ことが考えられるが、圧縮機入口空気量,圧縮機吐出圧
力,圧縮機吐出温度から圧縮機最終段の軸流速度を演算
しても良い。許容変動範囲として任意の一定値を予め設
定しておき、許容変動範囲を超えないように水量を減少
させる運転方法や、許容変動範囲を超えた場合に給水停
止する運転方法が考えられるが、いずれの方法でも良
い。また給水停止する場合には、給水系統の給水遮断弁
閉操作により給水停止はる方法や、給水系統の給水ポン
プ停止により給水停止する方法などが考えられるが、い
ずれの方法でも良い。
【0095】または、圧縮機入口吸気部のドレン量を検
出する手段を備え、水噴霧運転中に前記ドレン量に対し
て水量を制御する制御装置を備えるようにすることがで
きる。許容変動範囲として任意の一定値を予め設定して
おき、許容変動範囲を超えないように水量を減少させる
運転方法や、許容変動範囲を超えた場合に給水停止する
運転方法が考えられるが、いずれの方法でも良い。ドレ
ン量の検知は、ドレンタンク内に高位レベルスイッチを
設置すれば良い。
【0096】また給水停止する場合には、給水系統の給
水遮断弁閉操作により給水停止する方法や、給水系統の
給水ポンプ停止により給水停止する方法などが考えられ
るが、いずれの方法でも良い。
【0097】これにより、圧縮機が大きい粒径の水滴を
吸い込まないようにできるため、圧縮機と燃焼器の安定
な作動と、圧縮機翼の摩耗の回避を達成できる。
【0098】第20の発明は、供給された空気を圧縮し
て吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料
とが燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより
駆動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、
前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
霧装置と、前記水滴噴霧停止時に燃焼器へ供給する燃料
供給量に対して、前記水滴噴霧時に燃焼器へ供給する燃
料供給量を増加させるよう制御する制御装置と、を備え
ることを特徴とする。
【0099】また、前記水滴噴霧開始に基づいて燃焼器
へ供給する燃料供給量が開始前より増加し、前記水滴噴
霧停止に基づいて燃焼器へ供給する燃料供給量が停止前
より減少させるよう制御する制御装置を有することが好
ましい。
【0100】また、前記水滴噴霧時においても、前記水
滴の噴霧量が少ないとより多いときに燃焼器への燃料投
入量を増加させるよう制御する制御装置を備えることが
好ましい。
【0101】また、湿度に応じて、燃料流量を制御する
(補正する)ことが好ましい。
【0102】タービン入口温度を一定に制御するためガ
スタービン排気ガス温度を利用する場合、ガスタービン
排気ガス温度の検出された値をタービン入口の湿分量に
対して補正する方法と、予め決められた排気ガス温度制
御線をタービン入口の湿分量に対して補正する方法が考
えられる。
【0103】具体的には、例えば、未水滴噴霧に基づい
て設定した排気温度制御線を、水滴噴霧時は高温側に補
正するようにして燃料投入量を増加させてもよい。
【0104】或いは、排気温度の実測値を補正して燃料
投入量を増加させるようにすることもできる。
【0105】圧縮機まわりの湿度の検出を圧縮機上流で
実施する場合には、水噴霧装置上流における気体の湿
度,水噴霧装置からの水噴霧量、および吸気ダクト内ド
レン発生量から演算する方法などが考えられる。また湿
度の検出を圧縮機吐出部で実施しても良い。
【0106】これにより、水噴霧による影響なしに燃焼
温度を常に一定に保持した運転が可能となり、水噴霧に
よる出力向上効果を最大限に達成することができる。
【0107】これにより、燃焼温度を適切に補正して
(例えば、高めに補正)、水噴霧運転時の更なる出力向
上を図ることができる。
【0108】第21の発明は、供給された空気を圧縮し
て吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料
とが燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより
駆動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、
前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
霧装置と、前記燃焼ガスのNOx濃度を検出する検出器
と、前記検出したNOx濃度に基づき前記水滴の噴霧量
を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0109】NOx対策を燃焼器への水噴霧や蒸気噴霧
で行うより、燃焼器内の水と空気とが均一に混合された
気体が燃焼器を流れるため、水と空気との混合状態が良
い。このため、簡易な装置により、燃焼振動を抑制し
て、安定燃焼を図りつつ低NOx化を図ることができる。
【0110】ガスタービン排気ガスNOx濃度を検出す
る値に基づき、目標NOx濃度と前記ガスタービン排気
ガスNOx濃度値との差により水量を制御し、目標NO
x濃度まで低減させるようにすることができる。
【0111】第22の発明は、供給された空気を圧縮し
て吐出する圧縮機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料
とが燃焼される燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより
駆動されるタービンとを備えたガスタービンにおいて、
前記燃焼器は、燃料と空気とを予混合させた予混合気を
燃焼する予混合器を有し、前記圧縮機の上流側の吸気ダ
クト内に設置され、前記圧縮機に供給される空気に水滴
を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を外気温度より
低下させ、この温度を低下させた空気と共に前記圧縮機
に導入される噴霧された前記水滴を前記圧縮機内を流下
中に気化するようにした噴霧装置と、前記水滴噴霧停止
時に対して前記水滴噴霧時に前記予混合気の空気に対す
る燃料の比率を増加するよう制御する制御装置と、を備
えることを特徴とする。
【0112】また、水噴霧量が少ないときより多いとき
に予混合気の空気に対する燃料の比率が高くなるよう制
御することが好ましい。
【0113】噴霧水量の変動により、流体の状態が大き
く変動する。
【0114】しかし、これにより前記水滴噴霧運転時に
燃焼状態が不安定になることを抑制することができる。
よって、燃焼安定性が高く、水噴霧によるガスタービン
の高出力運転を得ることができるガスタービンを提供で
きる。
【0115】また、前記制御装置に変えて、前記燃焼排
ガスのNOx濃度を検知するNOx濃度検知装置と、前
記燃焼器内の圧力変動を検知する圧力変動検知装置と、
前記NOx濃度が所定値以上になった前記水滴噴霧量を
増加させ、前記圧力変動が所定値以上になったら前記水
滴噴霧量を減少させるよう制御する制御装置と、を備え
るようにしてもよい。
【0116】これにより、水噴霧による高出力化を図り
つつ、排出NOx濃度が低く燃焼安定性が高い運転がで
きる。
【0117】また、ガスタービン排気ガスNOx濃度お
よび燃焼器内圧力変動を検出する手段を備え、水噴霧運
転中に前記ガスタービン排気ガスNOx濃度と燃焼器内
圧力変動を許容値内に抑えるように、圧縮機上流におけ
る水噴霧量を制御することができる。
【0118】また、燃焼器への蒸気噴射または水噴射を
実施する場合も同様に、圧縮機上流での水噴霧運転中に
前記ガスタービン排気ガスNOx濃度と燃焼器内圧力変
動を許容値内に抑えるように、圧縮機上流における水噴
霧量と燃焼器への蒸気または水噴射量を制御するように
することができる。これにより、燃焼器の安定な作動を
達成することができる。
【0119】また、ガスタービン排気ガスNOx濃度と
燃焼器内圧力変動を監視する手段を備え、水噴霧運転中
に前記ガスタービン排気ガスNOx濃度と燃焼器内圧力
変動をそれぞれ予め決められた任意の一定値を超えない
ように、燃焼器における予混合燃焼比率を制御するよう
にすることができる。これにより、燃焼器の安定な作動
を達成することができる。
【0120】以上説明したガスタービンに関して、新た
にガスタービンを設置する場合だけでなく、既設のガス
タービンの高出力化を図ることもできる。
【0121】その場合は、既設のガスタービンに前記水
噴霧装置及び目的に応じて何れかの前記制御装置、必要
に応じて関連機器をガスタービン出力増加装置として追
設する。
【0122】このように、既設のガスタービンであって
も前記噴霧装置や制御装置、或いはさらに必要な関連装
置をガスタービンの出力増加装置として追設することに
より、前記各発明の作用を得ることができる。
【0123】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施例を図1,図
2を用いて説明する。
【0124】本発明の実施例のガスタービンは、図1に
示すように、気体を圧縮して吐出する圧縮機1,圧縮機
により圧縮機された気体が供給される燃焼器2,燃焼器
2の燃焼ガスにより駆動されるタービン3,タービン3
軸に連結されている発電機4を備える。ガスタービン排
気ガスは排熱回収ボイラ72に導入され、蒸気タービン
73の作動媒体となる蒸気または水と熱交換を行った
後、大気へ排出される。ガスタービン排気ガスと熱交換
をし、加熱された蒸気により駆動される蒸気タービン7
3は発電機4と直結される。蒸気タービン73より排出
された蒸気は、復水器74で冷却され液体の水に凝縮さ
れる。圧縮機1には、圧縮機1に供給する空気を取り込
む吸気室11から吸気を取り入れている。また、吸気室
11の上流側には、ルーバ10が配置されているのが一
般的である。ルーバ10は圧縮機側(後流側)に空気フ
ィルタを配置する。ルーバ10の位置のすぐ後ろに空気
フィルタを設けているので記載を省略する。吸気室11
の下流に吸気ダクト13が接続されており、吸気ダクト
内にはサイレンサ12が設置されている。また、吸気ダ
クト13内には、サイレンサ下流に噴霧水配管15,噴
霧空気配管16を備え、噴霧水配管15および噴霧空気
配管16から水および空気が供給されて水滴を噴霧する
噴霧ノズル17が設置されている。吸気ダクト13は圧
縮機吸気部14と接続され、空気を圧縮機1へ導入す
る。尚、噴霧水配管15および噴霧空気配管16は複数
系統設置される。図ではその一系統を例示した。
【0125】噴霧水は補給水タンク18から、異物除去
用ストレーナ19,給水ポンプ20,給水遮断弁21,
給水流量調節弁22,水流量計23,異物除去用フィル
タ24を介し、給水を複数の噴霧水配管15に導く給水
ヘッダ25に供給される。給水ヘッダ25から、給水ヘ
ッダ出口流量調節弁26を介し噴霧水配管15へ水が供
給される。
【0126】2流体噴霧ノズルを使用する場合には、水
滴微粒化用噴霧空気系統が必要となり、噴霧空気として
圧縮機からの抽気空気を空気遮断弁27,空気圧力調節
弁28,異物除去用サイクロンセパレータ29,空気流
量計30,空気流量調節弁31を介して、噴霧空気ヘッ
ダ32に供給される。噴霧空気ヘッダ32から吸気ダク
ト13内に配置された各噴霧空気配管16へ空気が供給
される。
【0127】図1では圧縮機1の吐出部から空気を抽気
しているが、圧縮機中間段から抽気してもよい。
【0128】水流量計23,空気流量計30で計測され
た給水流量と噴霧空気量の信号は制御装置35に送信さ
れ、制御装置35はガスタービン本体の運転状態から必
要な水量及び空気量を演算し給水流量調節弁22,空気
流量調節弁31を制御する。また、ガスタービン本体の
運転制限と比較演算し給水ポンプ20,給水遮断弁21
に開閉操作信号を送る。
【0129】噴霧ノズル17からの水噴霧量に対するガ
スタービン増出力について以下説明する。噴霧ノズル1
7から噴霧された液滴は、圧縮機に入るまでの吸気ダク
トを流下中に一部が気化する。また、吸気室11から導
かれる空気と混合される。噴霧された液滴を含む吸気は
圧縮機1に導入され、該導入された液滴は圧縮機1内を
流下中に気化する。その後圧縮機から吐出された圧縮空
気と燃料が燃焼器2に供給され燃焼する。燃焼ガスはタ
ービン3に供給され、タービンを駆動する。該タービン
排ガスが導かれ、該タービン排ガスを熱源として排熱回
収ボイラ72で発生した蒸気は蒸気タービン73を駆動
する。以下詳述する。
【0130】前記混合ガスの流れる圧縮機内で気化する
液滴を導入させて、圧縮機内で液滴が蒸発することによ
り、部分負荷状況での効率を前記従来技術の場合よりさ
らに向上させることができる。圧縮機内に入った水滴は
気化し、気化が完了すると、圧縮機内の気体はさらに断
熱圧縮を受ける。その際水蒸気の定圧比熱は圧縮機内の
代表的な温度(300℃)付近では、混合気の約2倍の
値を有するので、熱容量的には混合気換算で、気化する
水滴の重量の約2倍の混合気が作動流体として増したの
と等価な効果がある。すなわち圧縮機の出口混合気温度
低下に効果(昇温抑制効果)がある。このようにして圧
縮機内での水滴の気化により圧縮機出口の混合気温度が
低下する作用が生じる。圧縮機の動力は、圧縮機出入口
の混合気のエンタルピの差に等しく混合気エンタルピは
温度に比例するので、圧縮機出口の混合気温度が下がる
と、圧縮機の所要動力を低減でき、効率を向上させるこ
とができる。
【0131】また、圧縮機入口吸気温度T1,圧縮機出
口温度T2,燃焼温度T3,ガスタービン出口温度T4
とすると、ガスタービンの効率ηは近瞭的に次式で与え
られる。
【0132】
【0133】圧縮機出口温度T2が、水噴霧の混入によ
る気化によりT2′(<T2)に低下すると、上式右辺
第2項は小さくなるので、水噴霧により効率も向上する
ことがわかる。別な言い方をすると、ガスタービンとい
う熱機関から系外に廃棄される熱エネルギーCp(T4
−T1)は本発明の適用前後で大差ない一方、投入され
る燃料エネルギーCp(T3−T2′)は本発明の適用時
は、Cp(T2−T2′)ほどすなわち圧縮機仕事の低下
分ほど増えている。圧縮機仕事の低下分は増出力に等し
いので、この燃料増加分は実質全部ガスタービンの出力
増加に寄与する。即ち、増出力分は熱効率が100%と
なる。このため、ガスタービンの熱効率を向上できる。
燃焼温度が一定に保たれているので、ボトミングサイク
ルの熱効率は本発明適用前と等しいので、コンバインド
サイクルトータルの熱効率を向上させることができる。
【0134】尚、噴霧液滴は粒径が大きいと圧縮機1の
翼やケーシングに衝突し、メタルから熱を得て気化する
ことになるので作動流体の減温効率が阻害されるおそれ
がある。このため、このような観点からは、液滴の粒径
は小さい方が好ましい。
【0135】噴霧液滴には粒径の分布が存在する。圧縮
機1の翼やケーシングに衝突することを抑制すること
や、翼のエロージョンを防酔するという観点から、噴霧
される液滴は主に50μm以下の粒径になるようにす
る。翼に作用する影響をより少なくする観点からは、最
大粒径で50μm以下にすることが好ましい。
【0136】更に、粒径が小さい方が流入空気中に液滴
をより均一に分布させることができ、圧縮機内の温度分
布が生じることを抑制する観点から、Sautor平均粒径
(S.D.M.)で30μm以下にすることが好まし
い。噴霧ノズルから噴出される液滴は粒度の分布である
ことから前記最大粒径では計測が容易ではないので、実
用上は前述のようにSautor平均粒径(S.D.M.)で
設定したものを適応できる。尚、粒径は小さい方が好ま
しいが、小さい粒径の液滴を作る噴霧ノズルは高精度な
製作技術が要求されるので、技術的に小さくできる下限
までが、前記粒径の実用範囲となる。よって、係る観点
からは、例えば、前記主な粒径,最大粒径、或いは平均
粒径がそれぞれ1μmが下限となる。又、原粒径の液滴
になる程生成するためのエネルギーが大きくなることが
多いので、液滴生成のための使用エネルギーを考慮して
前記下限を定めてもよい。大気中に浮遊し落下し難い程
度の大きさにすると、一般に、接触表面の状態も良い。
【0137】空気が圧縮機内を通過する時間はわずかで
あり、この間に液滴を良好に気化させ、気化効率を高め
る観点からは、平均粒径(S.D.M.)で30μm以
下が望ましい。
【0138】尚、小さい粒径の液滴を作る噴霧ノズルは
高精度な製作技術が要求されるので、技術的に小さくで
きる下限までが、前記粒径の下限となる。例えば、1μ
mである。
【0139】液滴が大きすぎると、圧縮機で液滴の良好
な気化をし難くなるからである。
【0140】液滴の導入量は、後述のように温度及び湿
度又は、出力増加の程度等により調整することができ
る。例えば、噴霧した液滴が噴霧箇所から圧縮機入口ま
での間で気化する量を考慮して、吸気重量流量の0.2
wt% 以上導入することができる。上限についても後
述するように圧縮機の機能を良好に維持できる程度にす
る観点から上限を定める。例えば、上限を5wt%と
し、導入範囲をこれ以下にすることができる。
【0141】吸気ダクトでは、空気を冷却し、空気密度
を高めてガスタービンの吸い込み空気流量を増大する。
圧縮機内部では、圧縮空気を冷却し、圧縮機の動力を低
減する。圧縮機出口ガス温度を低下できる。また、圧縮
機内の水滴気化により、タービン作動流体が増大する。
【0142】このため、タービン軸出力増大に対して圧
縮機動力を低減できるので、高出力を得ることができ
る。また、効率向上に寄与することができる。
【0143】噴霧ノズル17から水噴霧量を増加させて
ゆくと、はじめは(第1段階として)圧縮機入口温度低下
に伴う圧縮機入口空気量の増加によって出力が増加す
る。更に水噴霧量を増加して行くと(第2段階として)
出力増加割合の増加率が変わり、圧縮機内温度を低下さ
せることによる圧縮機動力の低減,気化した水滴による
タービン作動媒体の増加により出力が増加する傾向にあ
る。
【0144】図1ではガスタービンと蒸気タービンのコ
ンバインドサイクルについて例示したが、ガスタービン
単体のプラントにおいても適用される。
【0145】また、噴霧される水は純水だけでなく、大
気温度が低い時は考慮した不凍液との混合容液,メタノ
ール等のアルコールとの混合液など、他の物質との水溶
液でも良い。
【0146】水噴霧によるガスタービンを増出力させる
際に、水噴霧量を水滴が圧縮機上流で気化する範囲に止
め、圧縮機内に水滴を導入せず、圧縮機入口温度の低下
のみによって出力増加を達成しても良い。この場合、前
記第1段階までの出力増加しか得られず、大気温度が低
い場合や大気湿度が高い場合には、圧縮機上流吸気ダク
ト内での水滴気化量が少ないため得られる出力増加量が
少ないが、圧縮機内の気体の流れが設計状態から変化せ
ず、圧縮機の安定な作動が得られる。
【0147】また、水噴霧によるガスタービンを増出力
させる際に、吸気ダクト13の下流側で圧縮機吸気部1
4部のように圧縮機1入口に噴霧ノズル17を設置し、
噴霧された水をほぼ全量水滴の状態で圧縮機1に導入
し、水滴が圧縮機内を流下中に気化することにより周囲
空気の熱を吸収して圧縮機内温度を低下させ、圧縮機動
力の低減によって出力増加を達成しても良い。この場
合、圧縮機入口温度低下による増出力効果がない分だけ
出力増加量は小さくなり、圧縮機内での水滴の作用で出
力が増加する。この方法は水噴霧条件が大気湿度に関係
ないため制御が簡単になり、また水滴径が大きくてすむ
ので噴霧ノズルの数を減らすことができる。従って、水
噴霧によるガスタービン増出力機構としては最も単純な
設備ですむ。このとき、図2(a)に示すように、水噴
霧を実施しない通常の運転では、大気温度の上昇と共に
作動媒体である圧縮機入口空気量が減少するため、図2
(a)中A線のようにガスタービン出力も低下する。ここ
で、ガスタービン出力の低下を回復させるために、圧縮
機上流で水を噴霧すると図2(a)中B線のように同じ
大気温度に対して、ガスタービン出力が増加する。水噴
霧の方法としては、B線を予め決めておき、発電機4の
出力がある大気温度で要求された出力に到達するまで、
制御装置35は給水流量調節弁22に開操作信号を送り
噴霧水量を増加させる。同時に噴霧粒径を一定に維持す
るため、水量増加に比例して噴霧空気流量調節弁31に
も開操作信号を送り、噴霧空気を増加させる。
【0148】または、図2(b)に示すように、機器の
保全等の観点から設定された噴霧量の制限線で示した水
滴制限量に対して、一定の裕度をとって投入計画線で示
した投入計画量を設定し、当該投入計画量に対応して水
を噴霧する。図の場合は、大気温度に対して設定された
水滴制限量(制限線)と投入計画量(投入計画線)の場
合を示す。この場合、ガスタービン出力は、運転時の大
気温度および投入水量に対応した出力増加が得られる。
【0149】図2(a)の出力特性、(b)の水噴霧量
は、圧縮機入口温度に対して設定しても良い。大気温度
に対して設定する場合は、図1に示すように水噴霧装置
上流の大気条件検出器(温度検出器)38,大気湿度計
(湿度検出器)75を使用し、圧縮機入口温度に対して
設定する場合は、水噴霧装置下流から圧縮機上流間の温
度検出器(例えば吸気ダクト空気温度検出器)36,湿
度検出器(湿度検出センサ)61を使用する。精度を上
げるため、複数点検出しても良い。
【0150】また、ガスタービン起動から、ガスタービ
ン回転数上昇,部分負荷運転から負荷上昇し、通常運転
(例えば定格運転)を鑑みると、圧縮機上流での水噴霧
が出力増加を図る際、起動時から負荷上昇時は水噴霧を
停止し、通常運転に移行してから水噴霧を開始するよう
に起動する。
【0151】例えば、ガスタービン起動から負荷上昇中
の部分負荷運転までの間は、噴霧ノズル17からの水噴
霧を停止し、ガスタービンの運転状態が圧縮機入口案内
翼開度全開及び最大燃焼温度で、燃焼温度を一定運転に
維持した状態になったことを検知し、噴霧ノズル17か
ら水噴霧を実施する。
【0152】或いは、圧縮機入口案内翼開度を検知し、
起動時から入口案内翼が通常運転時の開度になるまで
は、水噴霧を停止し、同開度になったら噴霧ノズル17
から水噴霧を開始する。
【0153】これにより、起動時の失火防止を図り安定
性の高い起動を図る。また、水噴霧運転を行うガスター
ビンの起動時間の短縮を図ることができる。
【0154】本発明の第2の実施例を図1,図3を用い
て説明する。
【0155】本実施例は、圧縮機1に設置される入口案
内翼の開度に応じて噴霧量を制御する。
【0156】具体的には、圧縮機入口案内翼開度が大き
い場合の水噴霧量を同開度が小さい場合より多くする。
【0157】本実施例は、基本的には第1の実施例と同
様の構造を有する。
【0158】第1の実施例の構造に加えて、圧縮機入口
案内翼の開度の信号は制御装置35に入力され、該信号
に基づいて水噴霧量が制御される制御装置を備えてい
る。
【0159】図3は、水噴霧量を大気温度に応じて制御
した場合の、水噴霧量計画線を示したものであり、圧縮
機入口案内翼の角度に応じて水量噴霧量が異なるように
制御する。本実施例では圧縮機入口案内翼の角度が中間
開度、すなわち部分負荷状態で水噴霧を実施する。
【0160】プラントからの電力要求によっては、部分
負荷での負荷一定運転が考えられる。この場合も、圧縮
機1の上流で噴霧ノズル17から水滴を噴霧することに
より、圧縮機1の駆動動力減少とタービン3の作動流体
増加により、同一負荷を維持するのに必要な燃料が少な
くてすむ。すなわち部分負荷での熱効率を水噴霧によっ
て向上させることができる。
【0161】圧縮機入口案内翼が中間開度である場合に
は、圧縮機入口空気流量の減少に比例させて噴霧水量も
減少させる。例えば、噴霧水量の圧縮機入口空気量に対
する割合を定格負荷運転状態とは別に圧縮機入口案内翼
の角度に対応し設定する。或いは補正する。これによ
り、部分負荷状態で圧縮機と燃焼器の特性が定格負荷運
転状態からそれぞれ変化することに対応して安定な運転
を図ることができる。
【0162】図3では開度が大きい場合の方が、噴霧水
量割合を大きくとれるように示しているが、これはガス
タービンの機種と搭載されている燃焼器の特性や運用方
法に依存するので、個々の機種に対して各要素の特性を
反映させて設定すれば良い。また、噴霧ノズル17の水
噴霧量は、出力や大気温度等に基づいて制御し、噴霧量
が入口案内翼開度に基づく制限値を超えないように制御
することもできる。
【0163】例えば、大気温度に基づいて噴霧量を制御
する場合、図3の各圧縮機入口案内翼開度に対する噴霧
量の値を図2(b)の水噴霧量制限線として設定し、所
定の裕度をとって水噴霧投入計画線を決定するようにす
ることができる。実際の運用にあたり、噴霧水量制限値
が決定されると、実際の有効な水噴霧量が制限値を超え
ないように、制御装置35は、給水流量調節弁22と噴
霧空気流量調節弁31の開度を制御する信号を送る。
【0164】これにより、水噴霧投入計画線に基づく制
御の際、急激な負荷変動や何らかの理由による噴霧水量
の急増などが起こっても、当該水噴霧量制限線を利用し
てガスタービン本体を保護できる。
【0165】本発明の第3の実施例を図1,図2,図
4,図5,図6を用いて説明する。
【0166】本実施例は、大気温度および湿度に基づい
て噴霧ノズル17からの水滴量を制御する。
【0167】具体的には、大気温度が低いときより高い
ときに水噴霧量を多くすると共に、湿度が高いときより
低いときに水噴霧量を多くするよう制御する。
【0168】本実施例は、基本的には第1の実施例と同
様の構造を有する。
【0169】第1の実施例の構造に加えて、噴霧ノズル
17の上流に、例えば吸気室11内に、温度検出器38
や湿度検出器75を設置する。該検出器の信号を制御装
置35に入力し、該信号に基づいて噴霧ノズル17の水
量を制御する。図4は大気温度と湿度に対する水噴霧量
制御線を示したものである。
【0170】水噴霧の方法として、図2(a)中のB線
を予め設定しておき、ある大気温度で要求された出力が
得られるまで噴霧水量を増加する。しかし、ガスタービ
ン本体の圧縮機汚れなどによる経年劣化の度合いが激し
い場合や、同一機種における機械加工公差などに起因す
る個体差が大きい場合などは、B線の出力をとるために
より多くの水を投入しなければならない。ガスタービン
に水を過剰に投入すると、圧縮機内の流れの状態が設計
状態から変化し、サージングに対する裕度が減少した
り、燃焼器の不安定な作動の原因となる。従って、図4
(b)に示す大気温度と湿度に対して決定される水量制
限線によって保護する。この場合、前述の経年劣化や機
械の個体差が大きい場合には、B線の出力に到達する前
に水量制限線に到達する場合もあり、目標の出力は得ら
れないが、ガスタービンに過剰な水噴霧を実施しないよ
う保護される。
【0171】また、水噴霧の方法として、図2(b)の
ように大気温度に対して投入計画水量を予め決めておく
場合にも、給水流量調節弁22の開度異常など、何らか
の理由による噴霧水量の急増に対してガスタービン本体
を保護することができる。
【0172】図6に示すように、噴霧水量制限線は大気
温度と湿度によって決定される。噴霧水量を制限する項
目としては、圧縮機内に導入される水滴量,燃焼器内に
流入する湿分量,圧縮機入口温度,給水系統のポンプ容
量,給水配管の設計圧力,給水タンク容量,純水装置供
給容量などが考えられる。このうち、給水系統のポンプ
容量,給水配管の設計圧力,給水タンク容量,純水装置
供給容量については、通常は設計時に十分な容量を検討
するものとしてここでは言及しない。従って、ガスター
ビン本体から与えられる制約条件として、圧縮機内に導
入される水滴量,燃焼器内に流入する湿分量,圧縮機入
口温度を総合して図6の噴霧水量制限線を決定する。
【0173】圧縮機内に導入された水滴は、圧縮機内を
流下中に気化することにより、周囲空気から熱を吸収
し、圧縮機内の温度が低下する。温度が低下すると空気
の密度が増加するため、圧縮機内の軸流速度が低下し、
圧縮機の後段側では速度三角形が設計点からずれる。通
常運転時において、圧縮機後段側の軸流速度が低下する
のは、大気温度が低い時である。従って水噴霧によって
圧縮機内の作動状態は、水噴霧をしない通常運転の大気
温度低時に近い状態に変化する。従って、もともと大気
温度が低い時には少ない水投入量で圧縮機内の作動状態
が本来の設計許容範囲を超えてしまい、逆に大気温度が
高い場合には水噴霧量を多くすることができる。このよ
うな設計点からずれた運転状態は圧縮機内のミスマッチ
ングと呼ぶが、サージングに対する裕度を低下させてし
まう。この圧縮機内のミスマッチングは、水滴が圧縮機
内で気化することにより生じるため、吸気ダクト13内
で気化しきれずに圧縮機内に持ち越された水滴量が問題
となり、吸気ダクト内で気化した水分による圧縮機入口
の湿度には影響されない。しかし、大気温度と湿度によ
って吸気ダクト内における水滴気化量が決まり、吸気ダ
クト内の水滴気化量によって圧縮機入口温度が決まる。
さらに、圧縮機入口温度によって圧縮機内に導入される
水滴量の許容値が決まるので、結局圧縮機に関する噴霧
水量制限線は、大気温度と湿度に関係させて決定され
る。
【0174】一方、燃焼器内に流入する湿分量は、燃焼
の不安定をもたらす。さらに圧縮機内で水滴が気化する
ことにより、燃焼器に流入する空気温度が低下するた
め、同一の燃焼温度でガスタービンを運用しようとする
と、投入する燃料流量が増加し、火炎が逆火しやすくな
ってしまう。従って、燃焼器に流入した全湿分量が燃焼
器の作動に影響を与えるため、燃焼器に関する噴霧水量
制限線は、大気の温度と湿度に関係させて決定される。
【0175】圧縮機入口温度は、冬場のように大気温度
が低い場合に圧縮機入口で氷結現象を生ずることがあ
り、これは大気温度と湿度によって決まる。
【0176】以上を総合して水量制限線を設定するが、
ガスタービンの機種によって、運用大気温度全体にわた
り圧縮機の特性が支配的になる場合、逆に燃焼器の特性
が支配的になる場合、または大気温度低時には圧縮機の
特性が支配的になり、大気温度高時には燃焼器の特性が
支配的になる場合などが考えられる。いずれの場合でも
噴霧水量制限線は大気温度と大気湿度によって決定され
る。
【0177】ガスタービン運転時の大気温度と大気湿度
から噴霧水量制限が決定とれると、実際の有効な水噴霧
量が制限値を超えないように、図1の制御装置35は、
給水流量調節弁22と噴霧空気流量調節弁31の開度を
制御する信号を送る。
【0178】圧縮機上流吸気ダクト13で噴霧した水の
内、吸気ダクトで発生するドレンを差し引いた水噴霧量
が有効な水量である。この有効水量は図5(b)中、Gw
3で現される。さらに、有効水量Gw3中、吸気ダクト
内で気化する水量がGw2である。残りのGw1が圧縮
機内に水滴の状態で導入される。図5(b)の湿り空気
線図中、例えば水噴霧前に圧縮機入口状態がA点である
場合、水噴霧により吸気ダクト内でGw2に相当する水
滴が気化し、周囲の空気温度を低下させ、圧縮機入口状
態はB点に移行する。さらに水噴霧量を増加すると、吸
気ダクト内で気化しきれない水滴量Gw1が圧縮機内へ
導入される。
【0179】従って、有効な噴霧量は、図6に示すよう
に圧縮機吐出空気の湿度検出器湿度センサ55の指示値
Xs3と、圧縮機上流水噴霧装置上流の湿度検出器75
の指示値Xs1から求めることができる。湿度検出器の
指示値は相対湿度でも良いが、予め絶対湿度を出力する
よう設定すれば、圧縮機吐出空気の湿度検出器55の指
示値Xs3から水噴霧装置上流の湿度検出器75の指示
値Xs1を差し引くだけで有効な水噴霧量が求まる。湿
度の検出信号は制御装置35に伝達され、有効水量Gw
3が演算される。
【0180】図6は圧縮機吐出空気の湿度の検出装置の
一例について説明する。水滴微粒化用噴霧空気に圧縮機
の吐出空気を使用している場合は、図6に示すように空
気遮断弁27,空気圧力調節弁28の下流において、配
管の途中から分岐する。分岐配管59は、絶対湿度測定
用サンプリング用タンク56に下側より接続される。流
量調節弁58でサンプル空気量を調節し、湿度センサ5
5の雰囲気温度がセンサの耐熱温度以上に上昇しないよ
うにする。ドレンが発生した場合を考慮し、ドレン排出
弁57をサンプリング用タンク56の下側に設置する。
サンプリング用タンク56に供給された空気は、タンク
内を通気孔76まで上昇する。供給された空気が常に湿
度センサ55に触れるよう、前記湿度センサ55を通気
孔76の位置まで差し込む。運転中は常にこの状態で連
続的に、サンプリング用タンク56に空気を通気して測
定する。また、水滴微粒化用噴霧空気に圧縮機中間段か
らの抽気を利用している場合には、圧縮機の吐出ケーシ
ングまたは、燃焼器取り付けケーシングから直接湿度測
定用の計装配管を接続してもよい。
【0181】また、水流量計指示値から吸気ダクト内ド
レン量を差し引くことにより、有効な水噴霧量を直接求
めても良い。この場合、実際には吸気ダクト内に発生し
たドレン量の瞬時値を検出することは難しく、通常は積
算値となる。従って、ガスタービンの性能試験などで1
時間から2時間にわたり同一の条件で連続運転し、時間
平均して性能を割り出す場合などは有効であるが、ガス
タービンの運転状態を監視するには適さない。この問題
を解決するため、予め噴霧水量に対して吸気ダクト内で
発生するドレン量を関数化しておけば良い。
【0182】例えば、噴霧水量が増加すると発生ドレン
量も増加するように関数化しておく。
【0183】本発明の第4の実施例を図1,図5,図6
を用いて説明する。
【0184】本実施例は、圧縮機に入る空気(入口空
気)の温度に基づいて噴霧ノズル17からの水滴量を制
御する。
【0185】具体的には、例えば、圧縮機入口温度が低
いときより高いときに噴霧ノズル17からの水噴霧量を
多くする。或いは、水噴霧量の制限値を、圧縮機入口温
度が低いときより高いときに高くなるよう可変にする。
【0186】また、圧縮機入口温度,圧縮機吐出湿度お
よび圧縮機吐出空気の湿度とを入力し、該値に基づいて
噴霧ノズル17からの水噴霧量を制御する。
【0187】本実施例は、基本的には第1の実施例と同
様の構造を有することができる。
【0188】第1の実施例の構造に加えて、噴霧ノズル
17の下流に、例えば吸気ダクト13の圧縮機入口近傍
に、温度検出器36,湿度検出器61を設置する。圧縮
機吐出空気に連通して湿度検出器55を設置する。該検
出器の信号を制御装置35に入力し、該信号に基づいて
噴霧ノズル17の水量を制御する。
【0189】ガスタービンの機種によっては、燃焼器の
安定性が極めて良く、水量制限線を決定する支配的な要
因が圧縮機内のミスマッチングにある場合がある。例え
ば、燃焼器が比較的簡単な構造の油焚き拡散燃焼方式の
燃焼器である場合には、油焚き予蒸発・予混合燃焼方式
や、ガス焚き予混合希薄燃焼方式の燃焼器と比較して、
燃焼用空気が含有する蒸気量にあまり影響を受けずに安
定な作動を示すことが考えられる。このような場合に
は、噴霧水量を制限するのは、圧縮機内のミスマッチン
グと冬場の圧縮機入口温度低である。
【0190】図5(a)のような圧縮機入口温度に対す
る圧縮機内水滴導入量制限線を設定する。これにより、
噴霧量を圧縮機入口温度に応じて可変にする。吸気ダク
ト内で気化しきれずに水滴状態で圧縮機の導入される水
滴が圧縮機内で気化することによる圧縮機内のミスマッ
チングが生じさせることを抑制することができる。これ
により、ガスタービン本体を保護することができる。圧
縮機入口温度を基に図5(b)に示すGw1に相当する
湿分量を制限する。
【0191】また第2の実施例と同様に、圧縮機内水滴
導入量制限線を圧縮機入口温度に基づくと共に、圧縮機
入口案内翼7の角度にも基づいて関数として設定しても
良い。
【0192】実際の運用にあたり、ガスタービン運転時
の圧縮機入口温度に基づいて圧縮機内水滴導入量制限値
が決定されると、水噴霧運転中に圧縮機内に導入された
正味の水滴量が制限値を超えないように、図1の制御装
置35は、給水流量調節弁22と噴霧空気流量調節弁3
1の開度を制御する信号を送る。
【0193】圧縮機入口温度は、水噴霧装置下流と圧縮
機入口間に設置した気体温度検出器36によって検出す
る。
【0194】図5中Gw1で表される圧縮機内水滴導入
量Gw1は、図6に示すように圧縮機吐出空気の湿度検
出器55の指示値と、水噴霧装置下流と圧縮機入口間に
設置された湿度検出器61の指示値から求めることがで
きる。湿度検出器の指示値は相対湿度でも良いが、予め
絶対湿度を出力するよう設定すれば、圧縮機吐出空気の
湿度検出器55の指示値Xs3から水噴霧装置下流の湿
度検出器61の指示値Xs2を差し引いてGw1が求ま
る。湿度の検出信号は制御装置35に伝達され、圧縮機
内水滴導入量Gw1が演算される。
【0195】図6を用いて、圧縮機吸気部14の絶対湿
度の測定装置の一例を説明する。
【0196】湿度サンプリング用計装配管60を、サン
プリング用タンク62に下側から接続し、前記サンプリ
ング用タンク62の上側から計装配管を真空ポンプ66
に接続して、圧縮機吸気部14内の空気をサンプリング
用タンク62に誘引して計測する。計装配管60を下側
からサンプリング用タンク62に接続して、上側から誘
引するのはドレンが湿度検出センサ61に触れないよう
にするためである。また、前記計装配管60には、サン
プリング空気の流量調節弁63を設置し、ドレン排出弁
64をサンプリング用タンク62の下側に設置する。
【0197】圧縮機内水滴導入量Gw1の演算に用い
る、前記圧縮機吸気部14の絶対湿度Xs2は、サンプ
リング用タンクに連続的に通気することにより測定され
る。圧縮機の吸気部では、吸気ダクト13の圧力損失の
ため大気圧に対し負圧となる。本構造の測定手段を用い
ることにより、大気から圧縮機吸気部14内に空気が逆
流し、圧縮機吸気部14の絶対湿度の測定ができなくな
ることを抑制し、適切な計測ができるようにする。
【0198】また、圧縮機内水滴導入量Gw1は、水流
量計指示値から吸気ダクト内ドレン量を差し引くことに
より、有効な水噴霧量を直接求め、さらに吸気ダクト内
で気化した水分を差し引くことによって演算することも
できる。この場合、吸気ダクト内で気化した水分量は、
水噴霧装置下流の湿度検出器61の指示値Xs2から水
噴霧装置上流の湿度検出器75の指示値Xs1を差し引
いて算出される。吸気ダクト内で発生するドレン量は、
例えば予め噴霧水量の増大対応して増大するように関数
化しても良い。
【0199】また、月日や時刻により水噴霧するモード
スイッチを備えることが好ましい。月日や時刻の条件に
は、予め電力需要の大きい時期、あるいは、大気温度上
昇に伴いガスタービン出力が低下する時期として、例え
ば、4月から11月、9時から18時などを条件とす
る。このようにすれば、出力増加装置の使用時期を明確
にできるので、設備の維持管理がし易くなる。
【0200】本発明の第5の実施例を図1,図8,図
9,図10,図11を用いて説明する。
【0201】本実施例は、吸気ダクト13に多数の噴霧
ノズル17を備え、水供給装置と、該水供給装置からの
水が流れる供給母管と、供給母管から供給される水を複
数の供給配管に分岐する給水ヘッダと、給水配管に接続
される水噴霧ノズルを有する。
【0202】2流体のノズルの場合は、水噴霧ノズルに
供給する空気も、水同様、空気供給装置と、該空気供給
装置からの空気が流れる供給母管と、供給母管から供給
される空気を複数の空気供給配管に分岐する空気供給ヘ
ッダとを備え、前記水噴霧ノズルに空気供給配管を連絡
する構成にすることができる。
【0203】このように、噴霧ノズル17を複数の系統
に分割しておき、水噴霧量が少ないときより多いとき
に、水を供給する該系統の数が多くなるように使用する
系統(水噴霧ノズル数)を制御する。
【0204】水噴霧量に対応して、噴霧に使用する噴霧
ノズル17数を変動させるよう制御する。
【0205】本実施例は、基本的には第1の実施例と同
様の構造を有することができる。
【0206】第1の実施例の構造に加えて、噴霧ノズル
17の下流に、例えば吸気ダクト13の圧縮機入口近傍
に、温度検出器36,湿度検出器61を設置する。圧縮
機吐出空気に連通して湿度検出器55を設置する。該検
出器の信号を制御装置35に入力し、該信号に基づいて
噴霧ノズル17の水量を制御する。
【0207】2流体ノズルを使用する場合の噴霧特性を
図13に示す。気水比は、噴霧空気量と噴霧水量の体積
比で定義され、気水比一定では水量の減少に伴い噴霧圧
力が低下するため、粒径が大きくなる。また、1流体ノ
ズルを使用する場合にも水量の減少に伴い噴霧圧力が低
下するため、粒径が大きくなる。
【0208】噴霧ノズル17から噴霧される水滴が大き
くなると水滴が圧縮機翼に衝突することによりエロージ
ョンが発生し、圧縮機の性能を悪化させる可能性があ
る。しかし、水滴径が十分に小さければ圧縮機翼へ衝突
せずに気流に乗って流れ、圧縮機内で蒸発する。水滴を
圧縮機翼へ衝突せずに翼間を通過させるには、圧縮機内
の空気流速や形状などの設計条件によって変わるが、前
記のように平均粒径を一定の粒径以下にする。例えば2
0μm以下等にする。従って、吸気加湿冷却システムに
おいて、噴霧水量が変化する場合でも、噴霧水量の増減
にかかわらず、噴霧水の粒径を一定値以下にすることが
好ましい。
【0209】上記の課題を解決するために、図1に示す
ように、噴霧水量が少ない場合は、給水ヘッダ25から
連絡する多数の噴霧水配管15のうち、一部の所定の噴
霧水配管15に水を供給するよう各噴霧水配管に連絡す
る流量調整弁26のうち一部を開とし、他を閉じるよう
制御し、同様に、噴霧空気ヘッダ32から分岐される空
気を空気流量調整弁33を制御する。噴霧水量を増す場
合は、各噴霧水配管に連絡する流量調整弁の開数を増
す。空気流量調整弁33の数も対応させて増す。また、
噴霧ノズルに至る構成を、図9に示すように給水ヘッダ
の数を増やし、給水主ヘッダ77と給水副ヘッダ78,
79の構成にし、各給水副ヘッダ78,79に供給する
ラインに給水流量調節弁80,81と給水流量計82,
83を設置するようにしてもよい。
【0210】本図においても、給水副ヘッダ78,79
から分岐した一の噴霧水配管を図示した。
【0211】噴霧水量が少ない場合には、給水副ヘッダ
78の1台のみ使用し、噴霧水量が所定量より増加する
場合に、給水副ヘッダ78及び79を共に使用する。
【0212】このように、噴霧水量が少ない場合には、
給水副ヘッダ78の1台のみ使用する等、定格運転時よ
り少ない数での運転により、設置した噴霧ノズル17の
うち一部の数の噴霧ノズル17から水噴霧し、噴霧ノズ
ルの噴霧圧力を高く維持することによって、図8のノズ
ル噴霧特性で一定粒径以下の給水量範囲となるよう制御
可能となる。また、噴霧水量を増加させると共に噴霧圧
力が高くなるが、給水系統の設計圧力以上にならないよ
う、ある一定圧力を超える場合には、副給水ヘッダ7
8,79の2台を使用する等して、水噴霧させる噴霧ノ
ズル17数を増加する。副給水ヘッダの設置台数は、最
大水量,噴霧ノズルの個数、最低および最大噴霧圧力等
の設計条件によって決められるが、図9では2台使用す
る場合の系統を示している。
【0213】また、全体としては噴霧される前記水滴量
が少ない場合であっても、噴霧ノズル1個あたりの噴霧
水量の増加を図り、噴霧水量の変動に伴う前記水滴の平
均粒径の変動を抑制して安定した出力増加運転ができ
る。
【0214】図10に副給水ヘッダを2台使用する場合
の運用法を示す。最大水量を100%とし、50%水量
までは1台のみ使用する。50%水量を切替点とし、2
台目の副給水ヘッダを使用し、2台の副給水ヘッダに同
一水量を供給しながら100%水量まで使用する。
【0215】このように、本実施例により、噴霧水量の
変動があった場合であっても、所望の粒径の液滴を安定
して得ることができ、機器の健全性を得つつ、可変の出
力増加運転ができる。また、給水副ヘッダを設置せず、
給水ヘッダに複数の給水配管15を連絡するようにし
て、給水系統の給水主ヘッダ下流に給水流量調節弁,流
量計を設置し、また、空気系統も同様に主ヘッダ下流に
空気流量調節弁を設置し、噴霧ノズル配管の運用台数を
変えるようにしてもよい。
【0216】また、給水副ヘッダを設置せず、給水系統
の噴霧ノズル毎に、給水流量調節弁を設置し、空気系統
の噴霧ノズル毎に、空気流量調節弁を設置し、噴霧ノズ
ルの運用台数を変えるようにしてもよい。
【0217】本発明の第6の実施例を図1,図5,図6
を用いて説明する。
【0218】本実施例では、水噴霧量に対応して噴霧ノ
ズル17に供給する水量或いは空気量を制御する。
【0219】本実施例は、基本的には第1の実施例と同
様の構造を有することができる。第1の実施例の構造に
加えて水噴霧量に応じて、気水比が一定となるように
(変動を抑制するように)水供給量の増減に対応して空
気供給量を増減させるよう給水ヘッダ出口流量調節弁2
6及び噴霧空気ヘッダ流量調節弁33を制御する。
【0220】これにより、空気量を少なく抑制しつつ、
ある程度の粒径の水を得ることができる(比較的水量が
多い場合に顕著となる)。空気を圧縮機から得る場合に
は、取り込み空気のうち多量を燃焼器側にまわすことが
でき、出力や効率を向上させる運転ができる。
【0221】または、水噴霧量に応じて、気水比の変動
を抑制するように、好ましくは一定になるように、水供
給量の増減に対応して空気供給量を増減させるよう給水
ヘッダ出口流量調節弁26及び噴霧空気ヘッダ流量調節
弁33を制御する。
【0222】具体的には、噴霧水量が少ない場合より多
い場合の方が気水比が小さくなるよう制御する。
【0223】これにより、空気量を少なく抑制しつつ、
ある程度の粒径の水を得ることができる(比較的水量が
少ない場合に顕著となる)。空気を圧縮機から得る場合
には、取り込み空気のうち多量を燃焼器側にまわすこと
ができ、出力や効率を向上させる運転ができる。
【0224】液滴の粒径を同一とするときのノズル噴霧
特性を図11(a)に示す。粒径を一定とするには噴霧
水量の減少に伴い、気水比を大きくする必要があるの
で、例えば、演算装置内に粒径を一定とする噴霧水量と
噴霧空気量の関係または気水比を入力しておき、噴霧水
量を給水流量計で計測し、必要噴霧空気量を演算し、噴
霧空気量を制御する。これにより、噴霧液滴の噴霧水量
による粒径の変動を抑制することができる。よって、水
滴の翼への衝突による翼のエロージョンを防ぎ機器の健
全性を図りつつ、可変の出力増加運転ができる。
【0225】または、水噴霧量に応じて、水供給量を増
減させても、空気供給量を一定とするよう給水ヘッダ出
口流量調節弁26を変動させても噴霧空気ヘッダ流量調
節弁33を一定にするよう制御する。
【0226】これにより、簡便な制御で、機器の健全性
を図りつつ、可変の出力増加運転ができる。
【0227】例えば、噴霧空気量を一定とした場合の噴
霧ノズル特性を図11(b)に示すように、噴霧ノズル
水量が100%のときの気水比に基づいて空気流量を定
めておき、水噴霧量の変動に関わらず一定の空気を水噴
霧ノズルに供給する。これにより、噴霧水の液滴は常に
定格の粒径以下となり、比較的簡便な制御でエロージョ
ンを防止しつつ、可変出力増加運転ができる。
【0228】本発明の第7の実施例を図1,図9を用い
て説明する。
【0229】本実施例は、水噴霧開始時に、先に微粒化
空気を供給開始し、次に微粒化水を供給開始するよう制
御する。また、水噴霧停止時に、先に微粒化水を供給停
止し、次に微粒化空気を供給停止するよう制御する。ま
た、水噴霧運転時に、ガスタービントリップ信号に基づ
いて、噴霧ノズルに供給する供給水及び供給空気の制御
装置を絞るよう制御する。
【0230】本実施例は、基本的には第1の実施例と同
様の構造を有することができる。
【0231】具体的には、以下のように制御を行う。
【0232】水投入指令値に基づき水噴霧を開始する場
合は、まず噴霧空気系統の抽気空気遮断弁27を開す
る。この時、空気はサイクロンセパレータ29からの排
出量分だけが流れる。続いて、空気流量調節弁84を初
期設定流量流し噴霧ノズル17へ通気する。通気完了
後、給水系統を起動する。給水ポンプ20を起動し、給
水遮断弁21を開し、給水流量調節弁80にて初期設定
流量を流す。本手順により、噴霧水は水滴微粒化用噴霧
空気により微粒化され、噴霧ノズル17から噴霧され
る。その後、水投入指令値まで、噴霧水量を徐々に増加
させる。
【0233】なお、図9のように、複数の副給水ヘッダ
と副噴霧空気ヘッダを使用する場合は、噴霧水量の増加
に伴い、図10の50%水量で切替操作を行い、空気流
量調節弁84を開し設定流量を通気した後、給水流量調
節弁81を開操作する。このように、噴霧空気を先に設
定流量通気することにより、水量増加過程においても水
滴の微粒化特性を保つことができる。
【0234】水噴霧を停止する場合の手順を図9を用い
て説明する。まず、給水遮断弁21を閉し、給水流量調
節弁80,81を全閉する。ここで、数分間給水流量調
節弁下流の水が噴霧空気により噴霧される場合があるた
め、給水停止後のある一定時間を置いて、抽気空気遮断
弁27を閉じ、空気流量調節弁84,85を全閉する。
このように、水噴霧停止操作手順において、給水停止後
に噴霧空気を停止することにより、停止時においても水
滴の微粒化特性を保つことができる。
【0235】これにより、機器の健全性を得つつ、水噴
霧開始或いは水噴霧停止運転ができる。
【0236】また、水噴霧運転中のガスタービントリッ
プ時には、トリップ信号により、給水遮断弁21,抽気
空気遮断弁27を全閉する。この場合、噴霧空気喪失
し、給水配管の水が重力差により粗い粒径の水が噴霧ま
たは液垂れを起こすが、短時間であり、圧縮機の翼のエ
ロージョンの問題はない。
【0237】さらに、具体的には、ガスタービントリッ
プ信号に基づいて、まず水噴霧を停止する指命を出す。
その後入口案内翼開度を減少させる指令を出す。
【0238】これにより、更に、ガスタービントリップ
時にプラント健全性を確保することができる。
【0239】本発明の第8の実施例を図1,図12を用
いて説明する。
【0240】本実施例は、圧縮機1入口空気の周方向の
温度分布を検知し、所定の温度偏差が所定値を超えない
よう制御する。
【0241】本実施例は、基本的には実施例1と同様の
構造を有することができる。
【0242】本実施例では、更に、吸気ダクト13に図
12のA−A断面図のように複数の空気温度検出器36
を配置する。
【0243】噴霧ノズル17から噴霧された水滴40
は、吸気ダクト13内を一部気化して周囲の空気温度を
低下させながら圧縮機1へと導入される。このとき、噴
霧ノズル17の目詰まり等で、ある一連の噴霧水配管1
5から供給される水量が不十分である場合、空気温度検
出器36を複数点配置した場合に、温度に偏差が生じ
る。圧縮機は一般に吸気部における流れの不均一がある
不安定な作動の原因となるため、温度の均一性も確保し
ておく必要がある。圧縮機の吸気部で周方向に温度が不
均一であることは、圧縮機の修正回転数が周方向に異な
ることであり、これは圧縮機内の段落特性のミスマッチ
ングが生じさせてしまう。
【0244】また、圧縮機入口の温度偏差が前記水量偏
差に基づくものである場合、吸気ダクト13内で気化し
きれずに圧縮機1へ導入される水滴量にも吸気部で周方
向偏差を生じてしまう。圧縮機1内に導入された水滴
は、圧縮機1内で気化しながら周囲の主流空気温度を低
下させるので、周方向に水滴分布の偏差が大きいと、圧
縮機内においてある部分は温度低下が大きく、逆にある
部分は温度低下が小さくなり、圧縮機内の周方向温度偏
差をさらに悪化させてしまう。従って、噴霧水量制限線
以内で運転しているつもりが、圧縮機内では部分的に制
限値以上の水量が、偏って流入してしまうことが考えら
れる。
【0245】さらに、水量の制御を圧縮機1の入口温度
と湿度を利用することを考慮すると、前記の温度偏差は
水量制御に影響を与え、水量制限値以上に水を投入して
しまう場合や、逆に目標とするガスタービン出力を得る
ために必要な水量まで水を投入できない場合が生じてし
まう。
【0246】温度偏差の許容値として予め任意の一定値
を決めておき、図12に示す空気温度検出器36で検出
された複数点の温度信号は制御装置35へ伝達され、温
度の偏差が予め決められた許容値を超える場合に、各噴
霧水配管15から噴霧ノズル17への供給水量が一定と
なり偏差が許容値以下になるよう、給水ヘッダ出口流量
調節弁26の開度を制御する。例えば、噴霧ノズル17
が配管に蓄積した錆などの異物により閉塞された場合、
各噴霧水配管15の給水圧力は同じなため、閉塞したノ
ズルが多い噴霧水配管に流れる水量が、他の噴霧水配管
よりも減ってしまうため、温度偏差を生じてしまう。従
って、噴霧水配管の流量のバランスをとるために、閉塞
のない噴霧水配管について給水ヘッダ出口流量調節弁2
6の開度を小さくする。各噴霧水配管15の流量バラン
スがとれて圧縮機入口の温度偏差が無くなるが、給水ヘ
ッダ出口流量調節弁26の開度を小さくしたことにより
水量が減少するため、制御装置35は水流量計23の指
示が目標水量となるよう、給水流量調節弁22に開操作
信号を送り、給水ヘッダの圧力を上昇させる。また、給
水圧力が上昇すると、水滴の微粒化用噴霧空気の量が減
少するため、空気流量調節弁31にも開操作信号を送
り、供給圧力を上昇させて空気流量を目標値に制御す
る。
【0247】これにより、部分的に、アイシング或いは
ストールが生じることを抑制し、機器の健全性を得つつ
高出力運転ができる。
【0248】また、前記A−A断面で示した構造の代わ
りに、B−B断面で示すように、圧縮機入口案内翼上流
における、空気温度検出器37を配置するようにしても
よい。
【0249】断面B−Bは、圧縮機入口案内翼7上流部
の断面を示す。
【0250】前記A−Aの構造と同様の効果を奏するこ
とができる。圧縮機入口案内翼7の入口に空気温度検出
器37を周方向に所定の間隔を介して配置する、好まし
くは均等に配置することにより、より正確な温度偏差を
検出でき、機器の異常を的確に検知し、機器の保全を図
ることができる。
【0251】予め設定する温度偏差の許容値はガスター
ビンの機種によって異なる値を設定するべきであるが、
本発明では15℃以下に設定することができる。
【0252】本発明の運転例を図1および図13を用い
て説明する。
【0253】本実施例は、圧縮機1入口空気の周方向の
温度分布を検知し、所定の温度偏差を所定値を超えない
よう制御する。
【0254】本実施例は、基本的には第1の実施例1同
様の構造を有することができる。
【0255】本実施例では、更に、吸気ダクト13に図
12のように複数の温度検出器36を配置する。
【0256】図13は圧縮機1入口におけるアイシング
制限を示したものである。
【0257】例えば、大気条件が10℃、相対湿度が3
0%の場合、図13中A点に位置する。噴霧された水の
一部が、水噴霧装置下流と圧縮機上流間で気化すること
により、理論的には圧縮機1の入口では温度は3.5℃
まで下がり、相対湿度100%のC点になる。しかし、
圧縮機入口案内翼7付近では空気の流速が約200m/
sまで加速され、空気の静温が低下し、ケーシング壁面
および圧縮機入口案内翼7の翼表面の回復温度も2〜3
℃低下する。従って、圧縮機内に導入される水滴がケー
シング壁面および圧縮機入口案内翼7に氷結する可能性
がある。
【0258】氷結現象が発生すると、圧縮機1の吸込み
空気量が低下することによりガスタービン出力が低下す
る。また、成長した氷が周期的に飛散することにより圧
縮機翼を損傷する可能性がある。また、圧縮機の入口で
周方向に部分的に氷結した場合には、圧縮機の吸込み空
気量が周方向に不均一となるため、ガスタービン回転部
分の不釣り合い振動や圧縮機の不安定な作動をもたらす
可能性がある。
【0259】実際の運用にあたり、予め温度の下限値を
設定する必要があるが、これは運転状態の圧縮機入口案
内翼7の角度や、前記実施例6で記載したような圧縮機
1の入口における周方向の温度偏差、及び空気温度検出
器36の個々のばらつきや測定精度を考慮して裕度をと
る必要があり、本実施例では15℃とする。図13で
は、例として下限値を5℃に設定し、5℃以下の領域3
を水噴霧禁止領域としている。従って、図13の例の場
合、圧縮機1の入口で5℃、相対湿度75%のB点まで
水噴霧可能である。
【0260】図13において、大気条件が領域1に位置
する場合は、圧縮機1の入口温度が5℃以下になること
は理論的に有り得ないので、アイシングに関する水噴霧
量制限は無い。また、大気条件が領域2に位置する場合
は、圧縮機1の入口温度が5℃以下になり領域3に入る
ことが有り得るので、圧縮機1の入口温度が5℃以下に
ならないよう水量制御する。このとき圧縮機入口の部分
的な氷結も許容してはならないので、空気温度検出器3
6の温度信号の全ての検出値が5℃以下にならないよう
に、前記第1の実施例等に記載したものと同様な水量制
御を実施する。運転中に大気条件が図13の領域3に入
った場合、すなわち大気条件の乾球温度が5℃以下にな
った場合、氷結現象は2〜3分で発生するため給水を速
く停止する必要があり、制御装置35は給水遮断弁21
に閉操作信号を送る。または、給水ポンプ20を非常停
止する。
【0261】前記図6の大気条件が領域2すなわち大気
の湿球温度が5℃以下である場合、実際の運用にあたっ
ては水噴霧量が少なく制御するため、ガスタービンの出
力増加量もごく限られてしまい、あまり利点がない。そ
こで、氷結ぎりぎりまで水量制御せずに、湿球温度が5
℃以下になった場合、制御装置35は給水遮断弁21に
閉操作信号を送る。または、給水ポンプ20を非常停止
する。この場合氷結の可能性は全く無く、より安定な運
転が可能となる。
【0262】図1では吸気室11に大気温度検出器38
と大気湿度検出器75を設置してある。大気温度検出器
38と大気湿度検出器75は水噴霧装置の上流で、雨天
時の雨滴の影響さえ受けなければ、基本的にどこに配置
してもよい。この大気温度検出器38と大気湿度検出器
75の検出結果によって、図13中のどの領域に位置す
るかわかる。また、図13は圧縮機入口温度検出器36
と圧縮機入口湿度検出器61の検出結果を使用してもよ
い。また、検出された湿度の信号が相対湿度である場合
には、制御装置35内で絶対湿度に換算すれば良い。
【0263】本発明の第9の実施例を図1,図14,図
15,図16を用いて説明する。
【0264】図14は水量制御に関してガスタービン本
体まわりの運転状況検出器の一例を示したガスタービン
の概要図である。
【0265】本実施例は基本的には第1の実施例の構成
を有することができる。同構成に加えて、図に例示する
ように、圧縮機吸気部14の上部に圧縮機入口全圧管3
9,圧縮機入口案内翼7の入口部ケーシングに壁圧検出
器43,圧縮機中間段に圧縮機壁圧変動検出用圧力セン
サ44,圧縮機1の吐出部に圧縮機吐出部温度検出器4
5,圧縮機吐出圧力検出器46,ガスタービン排気ディ
フューザ8にガスタービン排気ガス温度検出器47,圧
縮機前側軸受6に軸受振動検出器42,タービン排気側
軸受9に軸受振動検出器52,スラスト軸受5にメタル
温度検出器41,圧縮機吸気部にドレン検出用レベルス
イッチ48を設置することができる。尚、上記検出器等
をすべて備えなければならないわけではない。
【0266】図15は氷結現象発生時のガスタービン全
体の運転状態の変化を示す。
【0267】図15中A点から水噴霧を開始し、噴霧水
量増加に従い、圧縮機入口温度が低下する。しかし、大
気温度が低すぎる条件ではB点から氷結現象が始まりガ
スタービンの全体性能に影響を与える。圧縮機入口にお
いて氷結現象が発生すると、入口案内翼7の表面及びケ
ーシング表面に氷が成長し、圧縮機前面の環帯面積を減
少させるため、圧縮機入口空気量が減少する。圧縮機入
口空気量が低下すると、ガスタービン出力が低下する。
また、圧縮機入口での空気の流速が低下するため、圧縮
機入口案内翼7の入口部ケーシング壁圧は上昇する。圧
縮機入口空気量の低下はタービン入口空気量の低下をも
たらすため、一定の燃焼温度で運転している限り、圧縮
機の吐出圧力も低下する。燃焼温度が一定で、圧縮機の
吐出圧力が低下すると、ガスタービン排気ガス温度は上
昇する。氷結現象が引き金となって、圧縮機内の段落間
ミスマッチングが生じた場合には圧縮機の断熱効率が著
しく低下し、圧縮機の吐出温度が上昇する。
【0268】図16は失速現象発生時のガスタービン全
体の運転状態の変化を示す。
【0269】図16中A点から水噴霧を開始し、噴霧水
量増加に従い、圧縮機入口温度が低下し、出力が増加し
始める。しかし、圧縮機入口の温度分布の不均一、圧縮
機に導入された水滴分布の周方向の不均一,水噴霧量過
剰により圧縮機内の段落間ミスマッチングが生じた場合
等に、圧縮機内で翼の失速現象が発生する可能性があ
る。翼の失速現象が発生すると、失速という不安定な流
れにより圧縮機壁圧変動値が上昇する。翼の失速領域は
空気の流れを阻害するので、圧縮機入口空気量が減少す
る。圧縮機入口空気量が減少すると、ガスタービン出力
が低下する。また、圧縮機入口での空気の流速が低下す
るため、圧縮機入口案内翼7の入口部ケーシング壁圧は
上昇する。圧縮機入口空気量の低下はタービン入口空気
量の低下をもたらすため、一定の燃焼温度で運転してい
る限り、圧縮機の吐出圧力も低下する。燃焼温度が一定
で、圧縮機の吐出圧力が低下すると、ガスタービン排気
ガス温度は上昇する。失速現象により圧縮機の断熱効率
が著しく低下し、圧縮機の吐出温度が上昇する。圧縮機
壁圧変動レベルの上昇により、ガスタービン回転部の振
動も大きくなるため軸受け振動値が上昇する。
【0270】前述したように噴霧水量制限線によってガ
スタービン本体は基本的には保護されているが、圧縮機
の経年劣化によるサージマージンの低下などの影響を考
慮すると、長期にわたって同じ制限線を使用しているだ
けでは、ガスタービン本体の保護にならないことが考え
られる。従って、ガスタービン本体のまわりの運転状況
を検出し、各検出した項目に対して予め変動許容値を設
定しておき、監視することが好ましい。
【0271】(1)圧縮機内の失速現象および圧縮機入
口案内翼7における氷結現象を、圧縮機入口空気量の低
下をもたらすので前記圧縮機入口空気量を監視すること
で検出する。実際の運用にあたっては、水噴霧運転中に
ある一定時間内に予め決められた許容値以上に前記圧縮
機入口空気量が低下した場合に、制御装置35が給水流
量調節弁22開度を減少させる信号を送り、水噴霧量を
減少させる。
【0272】また、変動許容値を超えた場合は水を遮断
してガスタービン本体を保護しても良い。この場合、制
御装置35は給水遮断弁21に閉操作信号を送る。また
は、給水ポンプ20を非常停止しても良い。
【0273】ここで、圧縮機入口空気量は、例えば、圧
縮機吸気部14の上部に設置した圧縮機入口全圧管3
9,圧縮機入口案内翼7の入口部ケーシング壁圧検出器
43,空気温度検出器36の温度信号を用いて演算する
ことができる。
【0274】これにより、アイシング或いはストール現
象を的確に把握することができるので、的確にガスター
ビンの健全性を確保することができる。
【0275】(2)圧縮機内の失速現象および圧縮機入
口案内翼における氷結現象を、圧縮機入口案内翼7の入
口部ケーシング壁圧の監視して検知して、ガスタービン
の安全な運用を図る。圧縮機入口流量が低下すると、前
記圧縮機案内翼入口ケーシング壁圧は上昇する。これ
は、例えばガスタービン停止時には圧縮機入口流量が0
であり、このときのケーシング壁圧は大気圧状態で、こ
れが最大値となる。ガスタービンの回転数が上昇し、入
口空気量の増加に伴い、空気の流速も上昇するので静圧
すなわちケーシング壁圧は低下する。
【0276】前記圧縮機案内翼入口ケーシング壁圧は、
圧縮機入口空気量の演算に使用されており、さらに実際
のガスタービン運用範囲では両者が1次関数の関係で近
似しても充分な精度がある。従って、圧縮機1の運転状
態が不安定になった場合に圧縮機入口空気量の演算結果
を実施なくても、圧縮機案内翼入口ケーシング壁圧だけ
で迅速に給水を遮断できる利点がある。
【0277】実際の運用にあたっては、圧縮機入口案内
翼7の入口部にケーシング壁圧検出器43を設置し、あ
る一定時間内に予め決められた制限値以上に前記圧縮機
入口ケーシング壁圧が上昇した場合に、制御装置35が
給水流量調節弁22開度を減少させる信号を送り、水噴
霧量を減少させる。また、変動許容値を超えた場合は水
を遮断してガスタービン本体を保護しても良い。この場
合、制御装置35は給水遮断弁21に閉操作信号を送
る。または、給水ポンプ20を非常停止しても良い。
【0278】これにより、検知器を比較的容易に設置で
き、アイシング或いはストール現象を容易に把握するこ
とができ、ガスタービンの健全性を確保することができ
る。 (3)圧縮機内の失速現象および圧縮機入口案内翼にお
ける氷結現象を圧縮機吐出圧力の監視して検知しガスタ
ービンの安全な運用を図る。圧縮機入口流量が低下する
と、燃焼温度一定の運転をする限り、前記圧縮機吐出圧
力は低下する。圧縮機入口空気量と圧縮機吐出圧力の関
係は、燃焼温度一定の運転の場合、1次関数の関係で近
似しても充分な精度がある。従って、圧縮機1の運転状
態が不安定になった場合に圧縮機入口空気量の演算結果
を実施なくても、圧縮機吐出圧力で迅速に給水を遮断で
きる利点がある。
【0279】実際の運用にあたっては、圧縮機1の吐出
部に圧縮機吐出圧力検出器46を設置し、ある一定時間
内に予め決められた制限値以上に前記圧縮機吐出圧力が
低下した場合に、制御装置35が給水流量調節弁22開
度を減少させる信号を送り、水噴霧量を減少させる。ま
た、変動許容値を超えた場合は水を遮断してガスタービ
ン本体を保護しても良い。この場合、制御装置35は給
水遮断弁21に閉操作信号を送る。または、給水ポンプ
20を非常停止しても良い。
【0280】圧力レベルが高く、アイシング或いはスト
ール発生に対して迅速に変化を把握することができるの
で、迅速にガスタービンの健全性を確保することができ
る。 (4)圧縮機内の失速現象および圧縮機入口案内翼にお
ける氷結現象を圧縮機吐出温度を監視して検出し、ガス
タービンの安全な運用を図る。水噴霧量の増加に伴い、
失速現象または氷結現象が発生した場合、圧縮機の断熱
効率が低下するので、水量の増加にもかかわらず、圧縮
機吐出温度は低下せず一定または上昇する。本来、水噴
霧によって圧縮機の入口温度が低下し、さらに圧縮機内
に導入された水滴が圧縮機内で気化することにより、主
流空気の温度を低下させるため、圧縮機吐出温度は水噴
霧量にほぼ一次の関係で低下するはずである。従って、
圧縮機吐出温度が低下しないのは圧縮機内の不安定な動
作により圧縮機効率が低下していることを示す。
【0281】実際の運用にあたっては、圧縮機1の吐出
部に圧縮機吐出温度検出器45を設置し、ある一定時間
内に予め決められた制限値以上に前記圧縮機吐出圧力が
低下した場合に、制御装置35が給水流量調節弁22開
度を減少させる信号を送り、水噴霧量を減少させる。ま
た、変動許容値を超えた場合は水を遮断してガスタービ
ン本体を保護しても良い。この場合、制御装置35は給
水遮断弁21に閉操作信号を送る。または、給水ポンプ
20を非常停止しても良い。
【0282】(5)圧縮機内の失速現象および圧縮機入
口案内翼における氷結現象、さらには圧縮機内の段落間
のミスマッチングを圧縮機断熱効率を監視してガスター
ビンの安全な運用を図る。水噴霧量の増加に伴い、圧縮
機吐出温度が低下するため、見かけ上、圧縮機断熱効率
は上昇する。しかし、水噴霧量の増加に伴い、失速現象
または氷結現象が発生した場合、圧縮機の断熱効率が低
下する。また、前記圧縮機入口流量,吐出圧力,吐出温
度のみの検出では顕著に現れない圧縮機内の微妙な段落
間のミスマッチングは、圧縮機断熱効率によって検出す
ることが可能である。圧縮機吐出温度は演算の必要が無
いので単純ではあるが、圧縮機の性能低下を検知する場
合に圧縮機吐出圧力の低下の影響を受けてしまうため、
結局圧縮機断熱効率を計算しないと圧縮機の性能低下を
検知できない場合である。
【0283】実際の運用にあたっては、圧縮機吸気部1
4の上部に設置した圧縮機入口全圧管39,空気温度検
出器36、及び圧縮機1の吐出部に圧縮機吐出温度検出
器45,圧縮機吐出圧力検出器46を設置し、ある一定
時間内に予め決められた制限値以上に前記圧縮機断熱効
率が低下した場合に、制御装置35が給水流量調節弁2
2開度を減少させる信号を送り、水噴霧量を減少させ
る。また、変動許容値を超えた場合は水を遮断してガス
タービン本体を保護しても良い。この場合、制御装置3
5は給水遮断弁21に閉操作信号を送る。または、給水
ポンプ20を非常停止しても良い。
【0284】これにより、大気温度が変化しても容易
に、アイシング或いはストール現象を把握することがで
きるので、係る点で容易にガスタービンの健全性を確保
することができる。
【0285】(6)圧縮機内の失速現象および圧縮機入
口案内翼における氷結現象をガスタービン排気ガス温度
を監視して検出し、ガスタービンの安全な運用を図る。
圧縮機入口流量が低下すると、燃焼温度一定の運転をす
る限り、前記圧縮機吐出圧力は低下し、ガスタービン排
気ガス温度は上昇する。従って、圧縮機1の運転状態が
不安定になった場合にガスタービン排気ガス温度で迅速
に給水を遮断できる利点がある。
【0286】実際の運用にあたっては、ガスタービン排
気ディフューザ8にガスタービン排気ガス温度検出器4
7を設置し、ある一定時間内に予め決められた制限値以
上に前記排気ガス温度が上昇した場合に、制御装置35
が給水流量調節弁22開度を減少させる信号を送り、水
噴霧量を減少させる。また、変動許容値を超えた場合は
水を遮断してガスタービン本体を保護しても良い。この
場合、制御装置35は給水遮断弁21に閉操作信号を送
る。または、給水ポンプ20を非常停止してもよい。
【0287】ガスタービン排気ガス温度の偏差の監視
は、圧縮機内に導入された水滴の周方向不均一、燃焼器
の不安定な作動を検知し、ガスタービンの安全な運用を
達成するために実施する。圧縮機入口温度分布の不均
一、及び圧縮機に導入された水滴分布が周方向に不均一
である場合、燃焼器に供給される空気量と蒸気量に偏差
が生じるため、燃焼器の安定な作動を妨げ、タービン入
口温度の偏差すなわち排気ガス温度の偏差増大として現
れる。
【0288】実際の運用にあたっては、ガスタービン排
気ディフューザ8にガスタービン排気ガス温度検出器4
7を設置し、予め決められた制限値以上に前記排気ガス
温度の偏差が上昇した場合に、制御装置35が給水流量
調節弁22開度を減少させる信号を送り、水噴霧量を減
少させる。また、変動許容値を超えた場合は水を遮断し
てガスタービン本体を保護しても良い。この場合、制御
装置35は給水遮断弁21に閉操作信号を送る。また
は、給水ポンプ20を非常停止しても良い。
【0289】これにより、アイシング或いはストール現
象の発生に対して、迅速に把握することができるので、
迅速ガスタービンの健全性を確保することができる。
【0290】(7)圧縮機内の失速現象、または圧縮機
入口案内翼における氷結現象による圧縮機入口空気量の
周方向不均一、及び圧縮機内に導入された水滴の周方向
不均一を軸受け振動を監視して検出し、ガスタービンの
安全な運用を図る。失速現象が発生すると、それが旋回
失速のような圧縮機翼に対する強制振動でも、速失フラ
ッタのように圧縮機翼の自励振動でも、回転体の振動レ
ベルを上昇させる。従って、圧縮機1の運転状態が不安
定になった場合に軸受け振動で迅速に給水を遮断できる
利点がある。
【0291】実際の運用にあたっては、圧縮機前側軸受
6に軸受振動検出器42,タービン排気側軸受9に軸受
振動検出器52を設置し、予め決められた制限値以上に
前記軸受け振動値が上昇した場合に、制御装置35が給
水流量調節弁22開度を減少させる信号を送り、水噴霧
量を減少させる。また、変動許容値を超えた場合は水を
遮断してガスタービン本体を保護しても良い。この場
合、制御装置35は給水遮断弁21に閉操作信号を送
る。または、給水ポンプ20を非常停止しても良い。
【0292】これにより、部分的なアイシング或いはス
トール現象の発生を直接把握できる。係る事象に対する
ガスタービンの健全性を確保することができる。
【0293】(8)水噴霧による圧縮機及びタービンの
軸方向スラスト力の変化をスラスト軸受けメタル温度の
監視して検出して、ガスタービンの安全な運用を図る。
水噴霧により、圧縮機内の段落間の仕事配分は本来の設
計状態からずれるため、圧縮機内の圧力分布も設計状態
からずれる。そのため、圧縮機とタービンの軸方向スラ
スト力のバランスが崩れ、スラスト軸受けに働く面圧が
増加し、軸受けメタル温度が上昇する可能性がある。
【0294】実際の運用にあたっては、スラスト軸受5
にメタル温度検出器41を設置し、予め決められた制限
値以上に前記スラスト軸受けメタル温度が上昇した場合
に、制御装置35が給水流量調節弁22開度を減少させ
る信号を送り、水噴霧量を減少させる。また、変動許容
値を超えた場合は水を遮断してガスタービン本体を保護
しても良い。この場合、制御装置35は給水遮断弁21
に閉操作信号を送る。または、給水ポンプ20を非常停
止しても良い。圧縮機1とタービン3とのアンバランス
を的確に把握することができるので、的確にガスタービ
ンの健全性を確保することができる。
【0295】(9)圧縮機内の失速現象を圧縮機壁圧変
動を監視して検出し、ガスタービンの安全な運用を図
る。前記圧縮機入口空気量,圧縮機案内翼入口ケーシン
グ壁圧,圧縮機吐出圧力,吐出温度,圧縮機断熱効率,
ガスタービン排気ガス温度では、大気条件が図6で示し
た前記第2の実施例の領域2,3に相当する場合に、失
速現象か氷結現象かを区別することは困難である。ま
た、失速領域の数が多く、しかも失速領域が周方向に均
等に配置している場合には、軸受け振動には顕著に現れ
ない可能性もある。失速現象が発生すると、それが旋回
失速のような圧縮機翼に対する強制振動の場合、周方向
に失速領域が移動するため、失速に伴う圧力変動を直接
検知することができる。
【0296】実際の運用にあたっては、圧縮機中間段に
圧縮機壁圧変動検出用圧力センサ44を設置し、予め決
められた制限値以上に前記圧縮機壁圧変動値が上昇した
場合に、制御装置35が給水流量調節弁22開度を減少
させる信号を送り、水噴霧量を減少させる。また、変動
許容値を超えた場合は水を遮断してガスタービン本体を
保護しても良い。この場合、制御装置35は給水遮断弁
21に閉操作信号を送る。または、給水ポンプ20を非
常停止しても良い。
【0297】失速現象を直接把握することができるの
で、的確にガスタービンの健全性を確保することができ
る。
【0298】(10)圧縮機入口案内翼における氷結現
象による圧縮機入口空気量の周方向不均一、及び圧縮機
内に導入された水滴の周方向不均一を圧縮機吐出温度を
周方向に複数点監視して検出し、ガスタービンの安全な
運用を図る。圧縮機入口温度だけでは、圧縮機内に導入
された水滴の周方向分布までは検出できない。また、圧
縮機内の周方向不均一を検出する手段としては、ガスタ
ービン排気ガス温度、及び軸受け振動より直接的であ
る。
【0299】実際の運用にあたっては、圧縮機1の吐出
部に圧縮機吐出部温度検出器45を流路の周方向に間隔
を置いて、好ましくは均等に、複数点設置し、予め決め
られた制限値以上に前記圧縮機吐出温度の偏差が上昇し
た場合に、制御装置35が給水流量調節弁22開度を減
少させる信号を送り、水噴霧量を減少させる。また、変
動許容値を超えた場合は水を遮断してガスタービン本体
を保護しても良い。この場合、制御装置35は給水遮断
弁21に閉操作信号を送る。または、給水ポンプ20を
非常停止しても良い。
【0300】これにより、部分的に生じるアイシングや
ストールを適切に検知することができる。
【0301】(11)圧縮機内のミスマッチングを圧縮
機最終段の軸流速度に基づいて検知し、ガスタービンの
安全な運用を図る。図17(a)は圧縮機の上流の水噴
霧が有りと無しの場合について、圧縮機動翼における速
度三角形を示している。図17(b)は、圧縮機内に導
入された水滴量に対する、圧縮機動翼の入射角の関係を
示している。
【0302】圧縮機内に導入された水滴は、圧縮機内で
気化し、周囲の主流空気から熱を奪い、主流空気の温度
を低下させ、空気の体積流量が減少する。体積流量が減
少することは、主流空気の軸流速度が低くなることであ
り、圧縮機の最終段でその影響が最も大きく現れる。軸
流速度が低下すると、図17(a)に示すように圧縮機
動翼入口の翼に対する入射角が大きくなり、正の失速を
生じ易くなる。失速が生じると、圧縮機効率の著しい低
下をもたらし、失速フラッタによる翼の破損の恐れもあ
り、実際の運転にあたり必ず回避しなければならない。
【0303】そこで、圧縮機動翼の入射角度変化を許容
範囲となるよう制限値を定める。一例として図17
(b)に示すように、圧縮機動翼の入射角変化の許容範
囲を、通常運転の大気温度変化の範囲で生じる入射角の
変化に留めるように制限値を設定する。通常の圧縮機の
運用では、後段側の圧縮機動翼の入射角が最大となるの
は、大気温度が最低となる場合であり、図17(b)に
示す実施例では大気温度0℃における入射角を、水噴霧
時の制限値としている。圧縮機内の軸流速度は、どこの
段落で演算しても良いが、最終段が最もミスマッチング
を生じやすいので、本実施例では最終段を選択する。
【0304】図18は、圧縮機最終段のミスマッチング
を、圧縮機最終段の軸流速度を検知し、同値に基づき噴
霧ノズル17の噴霧水量を制御する制御装置を示す。言
い換えれば、圧縮機出口流量および、気体出口気体密度
を検知し、同値に基づいて噴霧水量を制御する。
【0305】前記図17に示した入射角は、回転数が定
格回転数で一定である以上、ほぼ軸流速度のみで決まる
と考えてよい。従って、圧縮機最終段の軸流速度が、予
め決められた制限値、例えば通常運転における大気温度
0℃の軸流速度以下とならないよう、水量を制御する。
圧縮機最終段の軸流速度の代わりに、入射角または流量
係数を演算して水量制御しても良いが、いずれの方法で
も軸流速度の算出が必要となる。
【0306】圧縮機最終段の軸流速度は、圧縮機出口流
量Gcd,圧縮出口気体密度ρ,圧縮機出口環帯面積によ
り演算される。このうち、圧縮機出口環帯面積は各機種
の寸法から決まる一定値であり、圧縮機出口流量Gcd,
圧縮出口気体密度ρを演算出来れば良い。
【0307】圧縮出口気体密度ρは、圧縮機出口の圧
力,温度,気体定数がわかれば演算できる。圧力は圧縮
機吐出圧力Pcd,温度は圧縮機吐出温度Tcdの検出値を
使用すれば良い。気体定数Rwet は、圧縮機内で水滴が
気化することにより、圧縮機出口の気体の成分が若干異
なるため、乾燥空気の気体定数Rdry を圧縮機吐出空気
の絶対湿度Xs3により補正して求めることができる。
また、噴霧水流量の圧縮機入口空気量に対する割合が小
さい状場合は、気体定数に与える影響が小さいため、演
算を単純にするため乾燥空気の気体定数Rdry を湿度補
正せずにそのまま使用しても良い。
【0308】圧縮機出口流量Gcdは、湿り状態の圧縮機
入口空気量Gwet に圧縮機内で気化した水滴量Gw1を
加算することで演算される。これは圧縮機に導入された
水滴が圧縮機吐出部までには全て気化しているので、圧
縮機最終段の軸流速度を計算するには、この気化した水
分による作動気体流量増加を考慮する必要があるからで
ある。また、圧縮機の中間段からタービン翼の冷却用,
軸受けシール用などに抽気を実施する場合は、抽気流量
を差し引く。
【0309】圧縮機内で気化した水滴量Gw1とは、第
4の実施例で記載した圧縮機内水滴導入量のことであ
り、第4の実施例に示したものと同様の方法で演算され
る。また、第3の実施例に記載した有効な水噴霧量で代
用しても良いし、最も簡単もするには水流量計23の指
示値をそのまま使用しても良い。
【0310】湿り状態の圧縮機入口空気量Gwet は、通
常の計測器で演算される圧縮機入口空気流量が乾燥状態
であるので、圧縮機の上流吸気ダクト内で水滴が気化し
たことによって、気体の成分が若干異なる分を補正する
ことで演算される。この補正のため、圧縮機水噴霧装置
下流と圧縮機上流間で絶対湿度Xs2を検出し、湿り空
気の比重で湿り状態の圧縮機入口流量Gwet を演算す
る。演算を簡単にするため、乾燥状態の圧縮機入口流量
Gdry をそのまま補正せずに使用してもよい。
【0311】制御装置35は、演算された圧縮機出口流
量Gcd,圧縮出口気体密度ρから、圧縮機最終段の軸流
速度を演算し、予め設定された制限値以上に軸流速度が
低下した場合には、制御装置35が給水流量調節弁22
開度を減少させる信号を送り、水噴霧量を減少させる。
また、変動許容値を超えた場合は水を遮断してガスター
ビン本体を保護しても良い。この場合、制御装置35は
給水遮断弁21に閉操作信号を送る。または、給水ポン
プ20を非常停止しても良い。
【0312】圧縮機入口吸気部のドレン量の監視は、何
らかの理由で吸気ダクト内のドレンが排出できなくなっ
た場合に、圧縮機がドレンを吸込まないようにし、ガス
タービンの安定な作動と圧縮機翼の摩耗を回避するため
に実施する。
【0313】ガスタービンの圧縮機上流側吸気ダント1
3が図14のような上方向配置の場合、ドレン非出系統
のドレン排出弁53,54が誤作動して閉じてしまった
場合等に、圧縮機吸気部のドレンレベルが上昇し、放置
すると圧縮機内にドレンが流入してしまう。ドレンが流
入すると圧縮機翼の摩耗,圧縮機の不安定な作動,燃焼
振動の増大,燃焼器の吸き消え、軸受け振動の増大等の
深刻な状況に陥り、ガスタービン本体の損傷につながる
事故を発生させる可能性がある。
【0314】ドレン検出装置の一例を図14を用いて説
明する。圧縮機吸気部の最下部にドレン排出孔を開け、
ドレン排出配管50はドレンを排出しやすいようにドレ
ン勾配をつける。排出されたドレンは排水溝に回収され
る。ドレン排出配管50から垂直に立ち上げた、ドレン
レベル検出配管49にはレベルスイッチ48を設置し、
予め決められた制限値以上に前記ドレンレベルが上昇し
た場合に、制御装置35が給水流量調節弁22開度を減
少させる信号を送り、水噴霧量を減少させる。また、変
動許容値を超えた場合は水を遮断してガスタービン本体
を保護しても良い。この場合、制御装置35は給水遮断
弁21に閉操作信号を送る。または、給水ポンプ20を
非常停止しても良い。
【0315】本発明の第10の実施例を図1,図19,
図20を用いて説明する。
【0316】水噴霧ノズルからの水噴霧量が少ないとき
より、多いときの方が燃焼器2への燃料投入量を増加さ
せるよう制御する。このように水噴霧ノズルからの噴霧
量に応じて、燃焼器燃料流量を補正する。
【0317】図19は、圧縮機に供給される空気の湿度
及び噴霧ノズル17の水噴霧量を検知して、それに基づ
いて燃焼器2への燃料投入量を制御(或いは補正)する
一例を示す。図20は圧縮機吐出湿度を検知して、それ
に基づいて燃焼器2への燃料投入量を制御(或いは補
正)する一例を示す。
【0318】圧縮機吐出の絶対湿度と燃焼器の蒸気また
は水噴射量による、ガスタービン排気ガス温度を補正す
る。排ガス温度制御線を高めに設定変更するか、或いは
排気ガス温度計測値を補正して、燃料投入量を増加させ
る。
【0319】ガスタービンは、定格負荷では燃焼温度一
定に維持して運転するのが一般的である。しかし、直接
燃焼温度を計測するのは燃焼温度が極めて高く困難であ
るため、燃焼温度の代わりにガスタービン排気ガス温度
を計測する。燃焼温度を一定にするため、圧縮機吐出圧
力または圧縮機圧力比と関係させて排気ガス温度制御線
を予め決めておき、制御線上に計測値が乗るように、燃
料流量を制御する。圧縮機上流で水噴霧を実施するガス
タービンでは、吸気ダクト13内と圧縮機1内で気化し
た水により、圧縮機吐出空気の絶対湿度は通常より増加
し、増加した湿分によってタービン入口のガス成分が変
わり、タービン内の作動媒体となるガスの比熱比が変化
する。この場合、湿分の増加がタービン効率に与える影
響は小さいが、ガス成分の変化による比熱比の低下が支
配的であり、燃焼温度を一定に維持しようとすると排気
温度が上昇する。
【0320】従って、実際のガスタービンの制御におい
て、比熱比の違いとは無関係に同一の排気温度制御線を
使用すると、タービン入口で湿分が多い場合に設計値よ
り低い燃焼温度で運転することになり、出力向上効果を
最大限に発揮することができない。
【0321】そこで、水噴霧ノズルからの水噴霧量が少
ないときより、多いときの方が燃焼器2への燃料投入量
を増加させるよう制御する。
【0322】例えば、図20に示すように圧縮機の吐出
空気の絶対湿度を測定し、その湿分により生じる燃焼温
度変化に相当する排気ガス温度補正量を演算する。実測
の排気ガス温度から、前記排気ガス温度補正量を差し引
くことにより、燃焼温度制御用の排気ガス温度補正値が
演算される。これにより、いかなる水噴霧量に対しても
一定の燃焼温度でガスタービンを運転することが可能と
なり、増出力効果を最大限に発揮することができる。
【0323】さらに、燃焼器によっては、NOx低減用
に燃焼器に対し蒸気噴射または水噴射を実施する場合が
ある。この場合も、タービン入口における湿分量を増加
させ、タービン内の作動媒体となるガスの比熱比が変化
し、燃焼温度を一定に維持しようとすると排気温度が上
昇する。従って、燃焼器の蒸気噴射量または水噴射量と
圧縮機吐出空気の絶対湿度の合計から、タービン入口の
正味の絶対湿度を演算し、その湿分により生じる燃焼温
度変化に相当する排気ガス温度補正量を演算する。実測
の排気ガス温度から、前記排気ガス温度補正量を差し引
くことにより、燃焼温度制御用の排気ガス温度補正値が
演算される。これにより、いかなる水噴霧量、及び燃焼
器の蒸気・水噴射量に対しても一定の燃焼温度でガスタ
ービンを運転することが可能となり、増出力効果を最大
限に発揮することができる。
【0324】また、実測の排気ガス温度を補正する代わ
りに、排気ガス温度制御線を補正しても良い。
【0325】圧縮機吐出空気の絶対湿度の検出手段は第
3実施例に記載したものと同様にすることができる。ま
た、圧縮機吐出空気の絶対湿度を直接検出する手段の代
わりに、図19に示すように、運転状態における大気の
絶対湿度と有効な水噴霧量から演算する方法でも良い。
この場合、有効な水噴霧量の演算は第3の実施例と同様
にすることができる。
【0326】本発明の第11の実施例を図1および図2
1を用いて説明する。
【0327】本実施例は基本的には、実施例1と同様の
構成を有することができる。同構成に加えて、タービン
3の排ガス流路にNOxを検知する検出装置を備える。
【0328】NOx濃度を検知して、制限値を超えない
ように噴霧ノズル17からの水噴霧量を制御する。制御
例を図7−dに示す。図7−dでは、ガスタービン出口
NOx濃度が目標NOx濃度より高い場合に、水を噴霧す
ることにより、目標NOx濃度まで低減させる。ただ
し、水噴霧量は、図7−cの最大水投入指令値以下の範
囲の水噴霧量とする。
【0329】水を噴霧することにより、燃焼器の燃焼用
空気である圧縮機吐出空気の湿分が増え、燃焼器水噴射
や燃焼器蒸気噴射による湿分増加によるNOxを低減す
る効果と同じであるが、圧縮機へ水噴霧する方法は、吸
気ダクト内での空気温度を低下、また、圧縮機動力低減
によりガスタービン出力をより増加することができる。
【0330】また、NOx対策を燃焼器への水噴霧や蒸
気噴霧で行うより、燃焼器内の水と空気とが均一に混合
された気体が燃焼器を流れるため、水と空気との混合状
態が良い。よって、簡易な装置により、燃焼振動を抑制
して、安定燃焼を図りつつ低NOx化を図ることができ
る。
【0331】また、噴霧ノズル17により水噴霧に加え
て、燃焼器内に蒸気を噴霧する機構を備える場合を以下
に示す。
【0332】図21(a)に、水噴霧量とガスタービン
排気ガスNOx濃度、図21(b)に水噴霧量と燃焼振
動の関係を示す。
【0333】図21では圧縮機上流の水噴霧量0の運転
状態をA点としており、燃焼器への蒸気噴射量及び水噴
射量が一定の場合、圧縮機上流で水噴霧量を増加させる
とガスタービン排気ガスNOx濃度は低下するが、燃焼
器の燃焼振動が上昇する。そこで、制御装置35はNO
x濃度と燃焼振動の両者を許容値内に抑えるよう、給水
流量調節弁22開度を減少させる信号を送り、水噴霧量
を減少させる。
【0334】または、圧縮機上流の水噴霧量を増加させ
ながら燃焼振動を一定に保持するためには、燃焼器への
蒸気噴射量及び水噴射量を低下させても良い。しかし、
燃焼器への蒸気噴射量及び水噴射量を減少させると、ガ
スタービン排気ガスNOx濃度は上昇するという相反す
る関係にあるため、前記燃焼振動と排気ガスNOx濃度
の両者を監視して、両者を許容値以内に抑えながら、燃
焼器への蒸気噴射及び水噴射量を制御し、図21中の運
転点がA点から、水噴射量の増加に伴いB点,C点へと
移行するようにする。
【0335】本発明の第12の実施例を図1および図2
2を用いて説明する。
【0336】本実施例は、水噴射量が多いときと少ない
ときとでガスタービンの予混合比率を変動するよう制御
する。水噴射量が少ない場合より多い場合に、拡散燃焼
割合を増加させるよう制御する。
【0337】本実施例は、基本的には第1の実施例の構
成を有することができる。同構成に加え、タービン3か
ら排出される排ガス中のNOx濃度を検出する検知装置
を備え、該信号が制御装置35に入力される。また、燃
焼振動を検知し、該検知信号が制御装置35に入力され
る。例えば、起動が終了して通常運転状態のときに、制
御装置35では、NOx排出量を低減するように、好ま
しくは加えて燃焼振動を抑制するよう、噴霧ノズル17
からの水噴霧停止時より水噴霧時に拡散燃焼割合が多く
なるよう制御する。また、水噴霧量が少ない場合より多
い場合に、拡散燃焼割合を増加させるよう制御する。
【0338】図22(a)は燃焼器の予混合燃焼比率と
ガスタービン排気ガスNOx濃度、図22(b)は予混
合燃焼比率と燃焼振動の関係を示す。
【0339】燃焼器が燃料に液化天然ガス等のガス燃料
を使用する場合、一般的に予混合燃焼と拡散燃焼を併用
する。ガスタービンの負荷上昇に伴い、予混合燃焼比率
を上昇させてゆくと、ガスタービン排気ガスNOx濃度
は低下するが、燃焼振動が増係する運転点が存在する。
従って、実際のガスタービンの運用において、前記排気
ガスNOx濃度と燃焼振動の両者を許容値に抑える最適
な予混合燃焼比率を設定している。通常ガスタービンに
おける運転点を図30中A点で現す。しかし、圧縮機の
上流で水噴霧を実施する場合に、同一の予混合燃焼比率
では燃焼振動が通常の運転より発生しやすくなり、運転
状態がB点へ移行する。従って、燃焼振動を、通常ガス
タービンの運転点であるA点と同レベルに抑えるには、
予混合燃焼比率を下げ、拡散燃焼の比率を高める必要が
ある。しかし、予混合燃焼比率を低くし過ぎると排気ガ
スNOx濃度が高くなるため、前記燃焼振動と排気ガス
NOx濃度の両者を許容値以内に抑えられる運転点Cま
で予混合燃焼比率を下げる。
【0340】噴霧ノズル17からの水噴霧の有無或いは
噴霧水量の変動により、流体の状態が大きく変動する。
しかし、本実施例により、燃焼状態が不安定になること
を抑制し、NOx濃度と燃焼器圧力変動を抑制してプラ
ントの健全性を図りつつ高出力運転ができるガスタービ
ンとすることができる。
【0341】圧縮機の上流の水噴霧量または水滴微粒化
用噴霧空気量と、水または噴霧空気の供給圧力はおおよ
そ比例関係を示している。
【0342】噴霧ノズル17の特性上、上噴霧量と水の
供給圧力,噴霧空気量と空気の供給圧力は一義的に決定
される。しかし、噴霧ノズル17が目詰まりを起こした
場合に、ノズルの開口面積が減少するため、同じ流量を
噴霧するためには供給圧力が高くなる。実際の運用にあ
たり、連続運転中に噴霧ノズルの目詰まりを目視確認す
ることはできないため、供給圧力の計画値からの偏差に
より、噴霧ノズルの閉塞率を演算する。予め決められ
た、閉塞率の許容値を超えた場合に噴霧ノズルの交換を
実施するようにすることが好ましい。
【0343】図14を用いて圧力検出配管のドレン防止
装置について説明する。
【0344】ガスタービン本体まわりの圧力計装配管
で、ドレン防止手段の必要があるのは圧縮機吸気部14
の上部に設置した圧縮機入口全圧管39,圧縮機入口案
内翼7の入口部ケーシングの壁圧検出器43,圧縮機1
吐出部の圧縮機吐出圧力検出器46である。図14で
は、圧縮機入口全圧管39の実施例のみ示している。計
装配管67は途中にドレンが残留しないように、ドレン
勾配をつけ、計装配管の最下部にドレン回収タンク69
を設置する。計装配管67と68は、共にドレン回収タ
ンク69の上部に接続され、前記計装配管68は圧力変
換器71に接続する。ドレン回収タンク69の下側に
は、ドレン排出弁70を設置する。本実施例は、圧縮機
入口の分岐配管として湿度検出配管59、および圧縮機
吐出空気の計装配管としての湿度検出配管60にも適用
する。
【0345】
【発明の効果】本発明により、実用に適する運転制御方
法によって、圧縮機入口に導入される吸気中に水滴を噴
霧して出力の向上と熱効率の向上の双方を実現できるガ
スタービン及びその制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例のガスタービンを示す概要図。
【図2】(a)大気温度に対するガスタービン出力特性
を示す図。 (b)大気温度に対する水噴霧量を示す図。
【図3】大気温度と圧縮機入口案内翼の角度に対する水
噴霧量を示す図。
【図4】大気温度と湿度に対する水噴霧量を示す図。
【図5】(a)圧縮機内水滴導入量の制限値を示す図。 (b)湿り空気線図上の運転状態を示す図。
【図6】一実施例のガスタービンを示す概要図。
【図7】一実施例の制御内容を示す概要図。
【図8】気水比一定時の水量と粒径,空気量の関係を示
す図。
【図9】一実施例のガスタービンを示す概要図。
【図10】噴霧水量と副ヘッダ給水量の関係を示す図。
【図11】(a)粒径一定時の水量と粒径,空気量の関
係を示す図。 (b)空気量一定時の水量と粒径,気水比の関係を示す
図。
【図12】一実施例のガスタービンを示す概要図。
【図13】大気温度低時の圧縮機入口温度に関する水噴
霧制限を示す図。
【図14】一実施例のガスタービンを示す概要図。
【図15】圧縮機入口における氷結現象発生時のガスタ
ービンの運転状態を示す図。
【図16】圧縮機内における失速現象発生時のガスター
ビンの運転状態を示す図。
【図17】(a)圧縮機内の水滴導入による圧縮機動翼
の速度三角形の変化を示す図。 (b)圧縮機内水滴導入量に対する圧縮機動翼の入射角
変化を示す図。
【図18】水量制限のための、圧縮機最終段における軸
流速度を演算する方法を示す図。
【図19】燃焼器への燃料投入量を制御する制御概要
図。
【図20】燃焼器への燃料投入量を制御する制御概要
図。
【図21】圧縮機入口おける水噴霧量とガスタービン排
気ガスNOx濃度及び燃焼振動の関係を示す図。
【図22】燃焼器における予混合燃焼比率とガスタービ
ン排気ガスNOx濃度及び燃焼振動の関係を示す図。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…燃焼器、3…タービン、4…発電機、
5…スラスト軸受、6…圧縮機前側軸受、7…圧縮機入
口案内翼、8…ガスタービン排気ディフューザ、9…タ
ービン排気側軸受、10…ルーバ、11…吸気室、12
…サイレンサ、13…吸気ダクト、14…圧縮機吸気
部、15…噴霧水配管、16…噴霧空気配管、17…噴
霧ノズル、18…給水タンク、19…ストレーナ、20
…給水ポンプ、21…給水遮断弁、22…給水流量調節
弁、23…水流量計、24…フィルタ、25…給水ヘッ
ダ、26…流量調節弁、27…抽気空気空気遮断弁、2
8…空気圧力調節弁、29…サイクロセパレータ、30
…空気流量計、31…空気流量調節弁、32…噴霧空気
ヘッダ、33…空気流量調節弁、34…給水系統乾燥空
気供給ライン、35…制御装置、36…吸気ダクト空気
温度検出器、37…圧縮機案内翼入口部空気温度検出
器、38…大気条件検出器、39…圧縮機入口全圧管、
40…水滴、41…スラスト軸受メタル温度検出器、4
2…圧縮機前側軸受振動検出器、43…圧縮機案内翼入
口ケーシング壁圧検出器、44…圧縮機壁圧変動検出用
圧力センサ、45…圧縮機吐出部温度検出器、46…圧
縮機吐出圧力検出器、47…ガスタービン排気ガス温度
検出器、48…圧縮機吸気部ドレン検出用レベルスイッ
チ、49…ドレンレベル検出配管、50…ドレン排出配
管、51…排水溝、52…タービン排水側軸受振動検出
器、53…排出溝入口ドレン排出弁、54…排水溝出口
ドレン排出弁、55…湿度センサ、56…サンプリング
用タンク、57,64,70…ドレン排出弁、58,6
3…流量調節弁、59…分岐配管、60,67,68…
計装配管、61…湿度検出センサ、62…サンプリング
用タンク、66…真空ポンプ、69…ドレン回収タン
ク、71…圧力変換器、72…排熱回収ボイラ、73…
蒸気タービン、74…復水器、75…大気湿度計、76
…サンプリング用タンク通気孔、77…給水主ヘッダ、
78…給水副ヘッダ1、79…給水副ヘッダ2、80…
給水流量調節弁1、81…給水流量調節弁2、82…給
水流量計1、83…給水流量計2、84…噴霧空気流量
調節弁1、85…噴霧空気流量調節弁2、86…噴霧空
気流量計1、87…噴霧空気流量計2、88…噴霧空気
副ヘッダ1、89…噴霧空気副ヘッダ2、90…噴霧空
気主ヘッダ。
フロントページの続き (72)発明者 宇多村 元昭 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 桑原 孝明 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 笹田 哲男 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 広瀬 文之 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給され
    る空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を
    外気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共
    に前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧
    縮機内を流下中に気化するようにした噴霧装置と、 前記圧縮機に供給される空気の湿度を検知する検知装置
    と、 前記検知信号に基づいて前記噴霧装置から噴霧する噴霧
    量を制御する制御装置と、を備えることを特徴とするガ
    スタービン。
  2. 【請求項2】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給され
    る空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を
    外気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共
    に前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧
    縮機内を流下中に気化するようにした噴霧装置と、 前記圧縮機に設置される圧縮機入口案内翼開度を検知す
    る検知装置と、 前記検知信号に基づいて前記噴霧装置からの前記水滴噴
    霧量を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする
    ガスタービン。
  3. 【請求項3】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給され
    る空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を
    外気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共
    に前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧
    縮機内を流下中に気化するようにした噴霧装置と、 前記ガスタービンの起動時には前記噴霧装置からの水滴
    の噴霧を停止し、ガスタービンが定格運転に移行してか
    ら前記噴霧装置からの水滴の噴霧を開始するよう制御す
    る制御装置と、を備えることを特徴とするガスタービ
    ン。
  4. 【請求項4】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給され
    る空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を
    外気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共
    に前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧
    縮機内を流下中に気化するようにした噴霧装置を備え、 前記噴霧装置は、前記水滴を噴霧する複数の噴霧ノズル
    を有し、 前記水噴霧量が所定値以下の時に前記水滴を噴霧する前
    記噴霧ノズル数に比べ、前記水滴量が所定値より上の時
    に前記水滴を噴霧する前記噴霧ノズル数が多くなるよう
    制御する制御装置と、を備えることを特徴とするガスタ
    ービン。
  5. 【請求項5】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給され
    る空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を
    外気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共
    に前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧
    縮機内を流下中に気化するようにした噴霧装置を備え、 前記噴霧装置は、 水供給系統と、 空気供給系統と、 前記水供給系統と空気供給系統から水および空気が供給
    されて前記液滴を噴霧する噴霧ノズルとを有し、 前記水滴の噴霧量が少ないときの前記噴霧ノズルに供給
    する水と空気との比率と、前記水滴の噴霧量が多いとき
    の前記噴霧ノズルに供給する水と空気との比率と、の変
    動を抑制するよう前記水供給量および前記空気供給量を
    制御する制御装置と、を備えることを特徴とするガスタ
    ービン。
  6. 【請求項6】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給され
    る空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を
    外気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共
    に前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧
    縮機内を流下中に気化するようにした噴霧装置を備え、 前記噴霧装置は、 水供給系統と、 空気供給系統と、 前記水供給系統と空気供給系統から水および空気が供給
    されて前記液滴を噴霧する噴霧ノズルとを有し、 前記水滴の噴霧量が少ない時に比べ、噴霧量が多いとき
    に、前記噴霧ノズルに供給する空気に対する水の割合が
    多くなるよう前記水供給量および前記空気供給量を制御
    する制御装置と、を備えることを特徴とするガスタービ
    ン。
  7. 【請求項7】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給され
    る空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を
    外気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共
    に前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧
    縮機内を流下中に気化するようにした噴霧装置を備え、 前記噴霧装置は、 水供給系統と、 空気供給系統と、 前記水供給系統と空気供給系統から水および空気が供給
    されて前記液滴を噴霧する噴霧ノズルとを有し、 前記水滴の噴霧量の増減に応じて、前記水供給量を増減
    させると共に、前記空気供給流量を一定に維持するよう
    制御する制御装置と、を備えることを特徴とするガスタ
    ービン。
  8. 【請求項8】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給され
    る空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を
    外気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共
    に前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧
    縮機内を流下中に気化するようにした噴霧装置を備え、 前記噴霧装置は、 水供給系統と、 空気供給系統と、 前記水供給系統と空気供給系統から水および空気が供給
    されて前記液滴を噴霧する噴霧ノズルとを有し、 先に前記噴霧ノズルに空気を供給開始し、次に前記ノズ
    ルに水を供給開始して、前記水滴噴霧を開始するよう制
    御する制御装置と、を備えることを特徴とするガスター
    ビン。
  9. 【請求項9】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給され
    る空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を
    外気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共
    に前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧
    縮機内を流下中に気化するようにした噴霧装置を備え、 前記噴霧装置は、 水供給系統と、 空気供給系統と、 前記水供給系統と空気供給系統から水および空気が供給
    されて前記液滴を噴霧する噴霧ノズルとを有し、 前記水滴の噴霧状態から、先に前記噴霧ノズルに供給す
    る空気量を絞り、次に前記ノズルに供給する水を絞っ
    て、前記水滴噴霧を停止するよう制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とするガスタービン。
  10. 【請求項10】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側に設置され、前記圧縮機に供給され
    る空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入る空気の温度を
    外気温度より低下させ、この温度を低下させた空気と共
    に前記圧縮機に導入される噴霧された前記水滴を前記圧
    縮機内を流下中に気化するようにした噴霧装置と、 前記水滴噴霧運転時には、 ガスタービントリップ信号に基づいて、先ず前記水噴霧
    を停止する指令を出し、その後圧縮機入口案内翼開度を
    減少させる指令を出すよう制御する制御装置と、を備え
    ることを特徴とするガスタービン。
  11. 【請求項11】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
    縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
    る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
    させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
    記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
    霧装置と、 前記水滴を噴霧する運転時に、前記吸気ダクト内に周方
    向に複数の空気温度検出装置を配置し、該検出値の偏差
    が所定値になったら水噴霧量を減少するよう制御する制
    御装置と、を備えることを特徴とするガスタービン。
  12. 【請求項12】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
    縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
    る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
    させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
    記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
    霧装置と、 前記水滴を噴霧する運転時に、前記圧縮機に導かれる空
    気重量流量を監視し、該流量が所定値以下になったら、
    噴霧水量を減少させるよう制御する制御装置と、を備え
    ることを特徴とするガスタービン。
  13. 【請求項13】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
    縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
    る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
    させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
    記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
    霧装置と、 前記圧縮機の入口案内翼部のケーシング壁圧を検知する
    検知装置と、 前記水滴を噴霧する運転時に、検知された壁圧に基づい
    て噴霧水量を制御する制御装置と、を備えることを特徴
    とするガスタービン。
  14. 【請求項14】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
    縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
    る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
    させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
    記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
    霧装置と、 前記水滴を噴霧する運転時に、圧縮機吐出圧力を監視
    し、該吐出圧力が所定値以下になったら、噴霧水量を減
    少させるよう制御する制御装置と、を備えることを特徴
    とするガスタービン。
  15. 【請求項15】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
    縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
    る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
    させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
    記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
    霧装置と、 前記水滴を噴霧する運転時に、圧縮機断熱効率を監視
    し、該効率に基づいて噴霧水量を制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とするガスタービン。
  16. 【請求項16】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
    縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
    る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
    させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
    記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
    霧装置と、 前記水滴を噴霧する運転時に、排ガス温度を監視し、該
    排ガス温度に基づき噴霧水量を制御する制御装置と、を
    備えることを特徴とするガスタービン。
  17. 【請求項17】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
    縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
    る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
    させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
    記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
    霧装置と、 前記水滴を噴霧する運転時に、ガスタービン軸受け振動
    を監視し、該振動値を基に噴霧水量を制御する制御装置
    と、を備えることを特徴とするガスタービン。
  18. 【請求項18】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
    縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
    る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
    させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
    記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
    霧装置と、 前記水滴を噴霧する運転時に、ガスタービンスラスト軸
    受メタル温度を監視し、該メタル温度に基づき噴霧水量
    を制御する制御装置と、を備えることを特徴とするガス
    タービン。
  19. 【請求項19】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
    縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
    る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
    させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
    記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
    霧装置と、 前記水滴を噴霧する運転時に、流体の圧縮機内軸流速度
    を監視し、該軸流速度に基づき噴霧水量を制御する制御
    装置と、を備えることを特徴とするガスタービン。
  20. 【請求項20】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
    縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
    る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
    させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
    記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
    霧装置と、 前記水滴噴霧停止時に燃焼器へ供給する燃料供給量に対
    して、前記水滴噴霧時に燃焼器へ供給する燃料供給量を
    増加させるよう制御する制御装置と、を備えることを特
    徴とするガスタービン。
  21. 【請求項21】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
    縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
    る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
    させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
    記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
    霧装置と、 前記燃焼ガスのNOx濃度を検出する検出器と、 前記検出したNOx濃度に基づき前記水滴の噴霧量を制
    御する制御装置と、を備えることを特徴とするガスター
    ビン。
  22. 【請求項22】供給された空気を圧縮して吐出する圧縮
    機、前記圧縮機から吐出した空気と燃料とが燃焼される
    燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるター
    ビンとを備えたガスタービンにおいて、 前記燃焼器は、燃料と空気とを予混合させた予混合気を
    燃焼する予混合器を有し、 前記圧縮機の上流側の吸気ダクト内に設置され、前記圧
    縮機に供給される空気に水滴を噴霧して前記圧縮機に入
    る空気の温度を外気温度より低下させ、この温度を低下
    させた空気と共に前記圧縮機に導入される噴霧された前
    記水滴を前記圧縮機内を流下中に気化するようにした噴
    霧装置と、 前記水滴噴霧停止時に対して前記水滴噴霧時に前記予混
    合気の空気に対する燃料の比率を増加するよう制御する
    制御装置と、を備えることを特徴とするガスタービン。
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