JPH1172027A - 排気再循環型コンバインドプラント - Google Patents

排気再循環型コンバインドプラント

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JPH1172027A
JPH1172027A JP18189798A JP18189798A JPH1172027A JP H1172027 A JPH1172027 A JP H1172027A JP 18189798 A JP18189798 A JP 18189798A JP 18189798 A JP18189798 A JP 18189798A JP H1172027 A JPH1172027 A JP H1172027A
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recirculation
exhaust gas
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真記 片岡
Motoaki Utamura
元昭 宇多村
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孝明 桑原
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]

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  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた排
熱回収型コンバインドサイクルプラントの部分負荷運転
の範囲を拡大すると共に熱効率向上を図る。 【解決手段】部分負荷時のガスタービン排気を再循環し
て圧縮機に戻す際に圧縮機内部ガス温度を抑制して排気
再循環量を増大させる。 【効果】部分負荷運転の範囲を拡大できると共に、熱効
率向上ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービン装置
に係り、排気を圧縮機空気入口側に循環する排気再循環
型のコンバインドサイクルプラントに関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンの排気の一部を圧縮機入口
に戻し圧縮機吸気温度を上昇させ、部分負荷時の燃焼温
度ひいてはガスタービン排出ガス温度が低下することを
抑止することにより、部分負荷時のサイクル熱効率の低
下を防ぐ排気再循環型コンバインドプラントに関して特
開平7−34900号公報に記載されている。
【0003】また、再循環されたガスタービン排ガスが
圧縮機に入る前に水を噴霧して蒸発させ、圧縮機を出た
圧縮空気の経路に冷却器を設け、冷却媒体を供給して熱
回収させ、排ガスからの熱回収比を向上させることが特
開昭56−141040号に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平7−349
00号公報では、安定して排気再循環させて高効率で部分
負荷運転できる範囲を広くできることについて何ら開示
されていない。また、特開昭56−141040号公報では、部
分負荷運転について触れていない。
【0005】またコンバインドサイクルプラントでは、
プラント効率が最高となる大気温度が存在し、その大気
温度以外ではプラント効率が低下するという特性を有す
る。そこで、本発明は、高効率で運転できる部分負荷運
転範囲の広い排気再循環型ガスタービン装置を提供する
ことにある。
【0006】また、外気温度が変動した場合であって
も、所望の出力を高効率で得ることができる排気再循環
型ガスタービン装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する第1
の発明は、空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐出
される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、該燃焼
器からの燃焼ガスにより駆動されるガスタービンと、ガ
スタービン排ガスの一部を前記圧縮機入口に再循環させ
る再循環経路と、前記ガスタービンの負荷変化に対応し
て圧縮機入口に戻すガスタービン排ガス量を調整する再
循環量制御装置と、前記再循環経路を経たガスタービン
排ガスと空気との混合ガスが流れる圧縮機内に液滴を導
入させて前記圧縮機内を流下中に前記導入させた液滴が
気化するようにした噴霧装置と、を備えたことを特徴と
する排気再循環型ガスタービン装置である。
【0008】これにより、圧縮機で空気を圧縮し、該圧
縮した空気と燃料とを燃焼器で燃焼させ、該燃焼器から
の燃焼ガスによりガスタービンを駆動し、ガスタービン
排ガスの一部を再循環経路を経て前記圧縮機入口に再循
環させ、前記ガスタービンの負荷変化に対応して圧縮機
入口に戻すガスタービン排ガス量を調整し、噴霧装置か
ら液滴を噴霧して前記再循環経路を経たガスタービン排
ガスと空気との混合ガスが流れる圧縮機内に液滴を導入
させて前記圧縮機内を流下中に前記導入させた液滴が気
化するように運転できる。
【0009】圧縮機内で液滴を蒸発させて、圧縮機出口
温度の上昇を抑制しつつ、圧縮機に入る混合ガス温度を
高くできるので、再循環量を増加させることができ、ま
た、圧縮機の効率を改善できるので、圧縮機の効率低下
を防ぎ、部分負荷運転範囲を広くできる。
【0010】また、一例としては、空気を圧縮する圧縮
機と、該圧縮機から吐出される圧縮空気と燃料とを燃焼
させる燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスにより駆動さ
れるガスタービンと、ガスタービン排ガスの一部を前記
圧縮機入口に再循環させる再循環経路と、前記ガスター
ビンの負荷変化に対応して圧縮機入口に戻すガスタービ
ン排ガス量を調整する再循環量制御装置と、前記圧縮機
に供給される空気又は前記再循環経路を経たガスタービ
ン排ガスに液滴を噴霧して、前記空気及び前記ガスター
ビン排ガスとが流れる圧縮機内に液滴を導入させて、前
記圧縮機内を流下中に前記導入させた液滴が気化するよ
うにした噴霧装置と、を備えるようにする。これによ
り、前記に加えて、圧縮機内の比較的上流側で液滴を蒸
発させて、圧縮機内の温度を連続的に変化させることが
できる。
【0011】圧縮機内で液滴を蒸発させて、圧縮機出口
温度の上昇を抑制しつつ、圧縮機に入る混合ガス温度を
高くできるので、再循環量を増加させることができ、ま
た、圧縮機内での効率が改善できるので、圧縮機の効率
低下を防ぎ部分負荷運転範囲を広くできる。
【0012】第2の発明は、空気を圧縮する圧縮機と、
該圧縮機から吐出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる
燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスにより駆動されるガ
スタービンと、ガスタービン排ガスの一部を前記圧縮機
入口に再循環させる再循環経路と、前記ガスタービンの
負荷変化に対応して圧縮機入口に戻すガスタービン排ガ
ス量を調整する再循環量制御装置と、前記再循環経路を
経たガスタービン排ガスと空気との混合ガスが流れる圧
縮機内に液滴を導入させて前記圧縮機内を流下中に前記
導入させた液滴が気化するようにした噴霧装置と、前記
再循環量に対応して前記液滴の噴霧量を制御する噴霧量
制御装置と、を備えたことを特徴とする排気再循環型ガ
スタービン装置である。
【0013】圧縮機内で液滴を蒸発させて、圧縮機出口
温度の上昇を抑制しつつ、圧縮機に入る混合ガス温度を
高くできるので、再循環量を増加させることができ、ま
た、圧縮機内での効率が改善できるので、圧縮機の効率
低下を防ぎ、部分負荷運転範囲を広くできる。
【0014】そして、圧縮機入口温度や出口温度は再循
環量により変動するので、適切な噴霧量の調整ができ
る。
【0015】これにより実用に適する簡単な設備によっ
て、随時需要に応じて圧縮機内に導入される吸気に液滴
を噴霧して圧縮機内で液滴を蒸発させることで、コンバ
インドサイクルプラントの部分負荷運転範囲拡大と効率
向上が実現できる。
【0016】第3の発明は、空気を圧縮する圧縮機と、
該圧縮機から吐出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる
燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスにより駆動されるガ
スタービンと、ガスタービン排ガスの一部を前記圧縮機
入口に再循環させる再循環経路と、前記再循環経路を経
たガスタービン排ガスと空気との混合ガスが流れる圧縮
機内に液滴を導入させて前記圧縮機内を流下中に前記導
入させた液滴が気化するようにした噴霧装置と、圧縮機
に供給される空気温度を検知する温度検知装置と、前記
検知温度が設定された第1の温度領域の場合に前記再循
環を行い、前記噴霧装置からの液滴の噴霧を停止し、前
記検知温度が前記第1の温度領域より高い第2の温度領
域の場合に、前記再循環を行い、前記噴霧装置からの液
滴の噴霧を行い、前記第2の温度領域より高い第3の温
度領域の場合に、前記再循環を停止し、前記噴霧装置か
らの液滴の噴霧を行うよう制御する制御装置と、を備え
たことを特徴とする排気再循環型ガスタービン装置であ
る。
【0017】これにより、外気温度が変動しても、円滑
に所望の負荷を高効率で得ることができる。
【0018】また、前記噴霧装置の液滴噴霧量を圧縮機
に供給される空気の湿度に応じて制御する制御装置と、
を有することが好ましい。
【0019】第4の発明は、第3の発明の前記制御装置
に代えて、前記検知温度が設定された第1の温度領域の
場合に前記再循環を行い、前記噴霧装置からの液滴の噴
霧を停止し、前記検知温度が前記第1の温度領域より高
い第2の温度領域の場合に、前記再循環を停止し、前記
噴霧装置からの液滴の噴霧を停止し、前記第2の温度領
域より高い第3の温度領域の場合に、前記再循環を停止
し、前記噴霧装置からの液滴の噴霧を行うよう制御する
制御装置と、を備えたことを特徴とする排気再循環型ガ
スタービン装置である。
【0020】これにより、外気温度が変化した場合であ
っても、高効率で所望の出力を容易に制御しつつ得るこ
とができる。
【0021】また、前記噴霧装置の液滴噴霧量を圧縮機
に供給される空気の湿度に応じて制御する制御装置と、
を有することが好ましい。
【0022】第5の発明は、空気を圧縮する圧縮機と、
該圧縮機から吐出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる
燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスにより駆動されるガ
スタービンと、ガスタービン排ガスの一部を前記圧縮機
入口に再循環させる再循環経路と、ガスタービン排ガス
の流路に設置され、前記再循環された前記排ガスを含む
空気が前記燃焼器に導入されて排出された燃焼排ガス中
の炭酸ガス濃度を減少させる炭酸ガス除去装置と、を備
えたことを特徴とする排気再循環型ガスタービン装置で
ある。
【0023】これにより、高効率運転を図りつつ、炭酸
ガス(例えば、二酸化炭素)を効率良く除去することが
でき、また、炭酸ガス除去設備の小型化も図ることがで
きる。小型化によりガスタービン排気経路の圧力損失を
低減することができるのでガスタービン運転時の効率低
下を抑制でき、更に高効率運転に寄与できる。
【0024】また、前記炭酸ガス除去手段は、前記排ガ
スの経路のうち前記再循環経路との分岐部と前記排ガス
を大気に放出する放出部との間に配置することができ
る。これにより、高濃度の炭酸ガスを含む排ガスを除去
できることに基づき、前述の効果に加えて、炭酸ガス除
去効率を高く維持できる。また、圧力損失をより少なく
できるので、更に高効率運転に寄与することができる。
【0025】或いは、前記炭酸ガス除去手段は、前記排
ガスの経路のうち前記ガスタービンと前記再循環経路と
の分岐部との間に配置されることができる。これによ
り、ガスタービン排ガス量を多く供給できることに基づ
き、前述の効果に加えて、炭酸ガス除去効率を高く維持
できる。
【0026】或いは、前記炭酸ガス除去手段は、前記再
循環経路に設置されることができる。これにより、炭酸
ガス除去装置の設置が容易である。また、同装置のメン
テナンスが容易となる。また、排ガスから大気への排気
部における圧力損失をより少なくできるので、ガスター
ビンの効率低下を更に抑制することができる。
【0027】炭酸ガス除去装置は例えば、アミン系吸収
剤を用いたものとすることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施例1を図1に示す。
ガスタービン吸気水噴霧システムを用いた排気再循環型
コンバインドプラントは空気を吸い込みこれを圧縮する
圧縮機(コンプレッサ)1と圧縮空気と燃料を混合させ
て燃焼させる燃焼器2,燃焼器2からの燃焼ガスで駆動
するガスタービン3,ガスタービン3からの排出ガスの
熱量を回収し、給水と熱交換することで蒸気を発生させ
る排熱回収ボイラ4,排熱回収ボイラ4で発生した蒸気
によって駆動する蒸気タービン5、さらに蒸気タービン
5に結合された発電機6、ガスタービン3の排出ガスの
一部を取り出して圧縮機入口に再循環させる再循環経路
を形成する再循環手段(配管)9ならびに前記再循環量
を制御する再循環量制御手段(排気再循環量調整弁)1
0を備える。
【0029】図1では圧縮機(コンプレッサ)1,ガス
タービン3,蒸気タービン5,発電機6が同軸上に連結
されているが、それぞれのタービンがそれぞれの発電機
を駆動するようにしてもよい。
【0030】燃焼器2への燃料供給量を制御する燃料量
制御弁(燃料供給系)7、これらの燃料量制御弁7や再
循環量制御手段10を制御する統括制御装置8を有す
る。
【0031】実施例1では更に、吸気ダクト17内に微
細液滴噴霧を行う噴霧ノズル11が配置される。噴霧ノ
ズルに水を供給する経路には噴霧量を制御する給水流量
調整弁12,水を貯蔵する給水タンク13ならびに給水
ポンプ14を配置する。また、微細液滴を得るために前
記ノズルに吸気供給手段が必要な場合は吸気の供給経路
に空気流量調整弁15を備える。
【0032】前記噴霧される微細液滴はZautor平均粒径
(S.M.D.)で約10μm程度である。
【0033】前記コンバインドプラントの発電出力は、
燃焼器2に投入する燃料量を制御する燃料量制御弁7,
再循環量制御手段10,噴霧流量(給水流量)調整弁1
2,空気流量調整弁15とを操作端とし、その開度調整
で決定される。これらの操作端は統括制御装置8からの
操作信号により制御され、統括制御装置8はコンバイン
ドプラントに対する中央給電指令所16からの負荷要求
信号Ldを入力として、プラント全体を制御し、空気
量,燃料量,水噴霧量を適正に制御する。
【0034】統括制御装置の制御の一例を図2を用いて
説明する。
【0035】燃料量の制御のために、まず負荷要求信号
Ldと実負荷Lとの偏差を減算器AD1で求め、調節器
PI1により燃料目標信号Fdを得る。そして燃料量目
標信号Fdと実燃料量Fの偏差を減算器AD2で求め、
調節器PI2により燃料量制御弁7を調節して燃焼器に
投入する燃料量を決定する。この制御では負荷が大きく
なるほど燃焼器2に投入される燃料量が増大する。
【0036】さらに再循環量の制御では負荷信号Ldを
入力とする関数発生器FG1において、低負荷であるほ
ど大きくなる出力信号S1が求められる。この信号S1
は調節器PI3に与えられ、再循環量制御手段10を制
御する。
【0037】なお、AD2又はAD3へは燃焼温度の演
算値が入力されて、AD2やAD3では演算される際、
燃焼温度の変動を抑制するように必要に応じて補正が加
えられる。燃焼温度の演算値は、排ガス温度と圧縮機出
口圧力とがFG2に入力され、ここで排ガス温度及び圧
力から燃焼温度を演算して出力される。
【0038】これは、負荷が小さい程再循環量を増大さ
せるため、燃焼温度ひいてはガスタービン排出ガス温度
が負荷の低下に伴い低下するのを抑止する、望ましくは
負荷と係わりなく燃焼温度(ガスタービン排出ガス温
度)をほぼ一定にすることが可能である。図1の関数発
生器FG1は負荷に応じて排出ガス量の再循環割合が決
定されており、従って関数発生器FG1の出力信号S1
は、図示の例ではガスタービン排出ガス温度を負荷と係
わりなくほぼ一定とすることができる。このように排気
のエンタルピを回収して部分負荷時の効率低下を押さえ
ることができる。こうしてガスタービン排出ガス温度を
負荷と係わりなくほぼ一定とすることができる。
【0039】圧縮機特性の改善に関しては、部分負荷運
転時の燃焼温度ひいてはガスタービン排出ガス温度の低
下を防ぐために、圧縮機入口において大気温度の外気と
高温のガスタービン排出ガスを混合して吸入空気とし、
さらに低負荷であるほど再循環させるガスタービン排出
ガス量が増大するわけであるが、ガスタービン排出ガス
が増大するにしたがって、当然吸気温度も上昇し、それ
に対応して圧縮機1内の温度も上昇する。図3に示すよ
うに圧縮機翼周辺での流体挙動に変化がおこる。まず通
常、圧縮機内部では動翼の周速度が一定で、軸流速度は
一定になるように設計されているならば、(A)のよう
に圧縮機動翼に流入するみかけの速度Bは翼に対して平
行になる。ところが、吸気温度が高くなり、圧縮機内部
ガス温度が上昇すると、(B)のように軸流速度A′が
増大するためみかけの速度Bの入射角であるインシデン
スαが負の方向に増大する。このため温度が高くなる圧
縮機後段側(例えば最後段動翼付近)では、翼で流れの
剥離が発生して失速状態となり、ひどい場合には負の失
速となって、ガスタービンの運転の安定運転が困難とな
る。したがってガスタービン負荷の低下に伴って再循環
量を増加したとしても排気再循環量に上限ができ、部分
負荷運転の範囲が制限される。
【0040】本実施例の場合は、大気温度の外気と高温
のガスタービン排出ガスが混合された吸込空気に圧縮機
内で気化する液滴を導入することで図3(C)のように
圧縮機内部ガスが冷却されて、圧縮機の後段側での軸流
速度A′が低下しこれによりインシデンスαも低下し、
みかけの速度Bは翼に対して平行となり、圧縮機特性の
安定化を得ることができる。圧縮機内部ガスを導入され
た液滴の圧縮機内での気化によって冷却することができ
るので、圧縮機吸気温度をより高くすることができ、す
なわちより排気再循環量をより多くすることができるの
で、高効率な部分負荷運転範囲を拡大することができ
る。
【0041】図4は噴霧量に対するインシデンスの変化
を示したものである。まず、ガスタービンは通常、大気
温度が0℃から50℃を運転範囲として設計されてお
り、この間であれば、圧縮機吸気温度の変化で、インシ
デンスも変化するが、圧縮機の特性は安定している。し
かし、圧縮機吸気温度がこの範囲を超えるとインシデン
スの絶対値は増大し、圧縮機の特性は不安定な状態とな
り、ひどい場合は、正の失速(ストール)や負の失速
(チョーク)といったことが起こる。
【0042】本発明では、圧縮機内で蒸発する液滴を導
入することで、圧縮機内部ガスを冷却し、インシデンス
を改善する。図3より、吸気温度が50℃の時、インシ
デンスは通常運転範囲の下限にあるが、圧縮機入口部で
液滴を噴霧し、圧縮機内部ガスを冷却することで、イン
シデンスは徐々に回復し、噴霧量1.5% でインシデン
スが0deg に回復する。しかし、噴霧量が多くなると、
今度は正の失速(ストール)が問題となるので適正な噴
霧量を選択する必要がある。
【0043】このように、圧縮機内で蒸発する液滴を導
入することにより、圧縮機入口と出口ガスの温度差を小
さくすることができる。入口温度はほぼ一定で、出口温
度が低下するか又は入口温度の低下量より出口温度の低
下量を大きくする。
【0044】このため、圧縮機出口温度をほぼ一定にし
つつ、再循環量を増加させることができる。
【0045】よって、低い部分負荷運転時にも再循環さ
せることができる。
【0046】前記混合ガスの流れる圧縮機内で気化する
液滴を導入させて、圧縮機内で液滴が蒸発することによ
り、部分負荷状況での効率を前記従来技術の場合よりさ
らに向上させることができる。圧縮機内に入った水滴は
気化し、気化が完了すると、圧縮機内の気体はさらに断
熱圧縮を受ける。その際水蒸気の定圧比熱は圧縮機内の
代表的な温度(300℃)付近では、混合気の約2倍の
値を有するので、熱容量的には混合気換算で、気化する
水滴の重量の約2倍の混合気が作動流体として増したの
と等価な効果がある。すなわち圧縮機の出口混合気温度
低下に効果(昇温抑制効果)がある。このようにして圧
縮機内での水滴の気化により圧縮機出口の混合気温度が
低下する作用が生じる。圧縮機の動力は、圧縮機出入口
の混合気のエンタルピの差に等しく混合気エンタルピは
温度に比例するので、圧縮機出口の混合気温度が下がる
と、圧縮機の所要動力を低減でき、効率を向上させるこ
とができる。
【0047】また、圧縮機入口吸気温度T1 ,圧縮機出
口温度T2 ,燃焼温度T3 ,ガスタービン出口温度T4
とすると、ガスタービンの効率ηは近似的に次式で与え
られる。
【0048】
【数1】
【0049】圧縮機出口温度T2 が、水噴霧の混入によ
る気化によりT2′(<T2)に低下すると、上式右辺第
2項は小さくなるので、水噴霧により効率も向上するこ
とがわかる。別な言い方をすると、ガスタービンという
熱機関から系外に廃棄される熱エネルギーCp(T4
1)は本発明の適用前後で大差ない一方、投入される
燃料エネルギーCp(T3−T2′)は本発明の適用時
は、Cp(T2−T2′)ほどすなわち圧縮機仕事の低下
分ほど増えている。圧縮機仕事の低下分は増出力に等し
いので、この燃料増加分は実質全部ガスタービンの出力
増加に寄与する。即ち、増出力分は熱効率が100%と
なる。このため、ガスタービンの熱効率を向上できる。
燃焼温度が一定に保たれているので、ボトミングサイク
ルの熱効率は本発明適用前と等しいので、コンバインド
サイクルトータルの熱効率を向上させることができる。
【0050】一方、圧縮機に導入される混合ガス温度を
単に低下させる場合では、図3に示した圧縮機の特性の
多少の改善にはなるかもしれないが限度がある。
【0051】また、低い部分負荷運転状態においては、
吸気が冷却されて圧縮機1に導入される吸気の重量流量
が増大し、低負荷の状態で運転したいガスタービンの負
荷を増加させることにつながる可能性もでてくる。
【0052】噴霧液滴は粒径が大きいと圧縮機1の翼や
ケーシングに衝突し、メタルから熱を得て気化すること
になるので作動流体の減温効果が阻害されるおそれがあ
る。このため、このような観点からは、液滴の粒径は小
さい方が好ましい。
【0053】噴霧液滴には粒径の分布が存在する。圧縮
機1の翼やケーシングに衝突することを抑制すること
や、翼のエロージョンを防止するという観点から、噴霧
される液滴は主に50μm以下の粒径になるようにす
る。翼に作用する影響をより少なくする観点からは、最
大粒径で50μm以下にすることが好ましい。
【0054】更に、粒径が小さい方が流入空気中に液滴
をより均一に分布させることができ、圧縮機内の温度分
布が生じることを抑制する観点から、Sautor平均粒径
(S.M.D)で30μm以下にすることが好ましい。噴
霧ノズルから噴出される液滴は粒度の分布があることか
ら前記最大粒径では計測が容易ではないので、実用上は
前述のようにSautor平均粒径(SM.D.)で測定したも
のを適応できる。尚、粒径は小さい方が好ましいが、小
さい粒径の液滴を作る噴霧ノズルは高精度な製作技術が
要求されるので、技術的に小さくできる下限までが、前
記粒径の実用範囲となる。よって、係る観点からは、例
えば、前記主な粒径,最大粒径、或いは平均粒径がそれ
ぞれ1μmが下限となる。又、細粒径の液滴になる程生
成するためのエネルギーが大きくなることが多いので、
液滴生成のための使用エネルギーを考慮して前記下限を
定めてもよい。大気中に浮遊し落下し難い程度の大きさ
にすると、一般に、接触表面の状態も良い。
【0055】空気が圧縮機内を通過する時間はわずかで
あり、この間に液滴を良好に気化させ、気化効率を高め
る観点からは、Sautor平均粒径(S.D.M.)で30μm
以下が望ましい。
【0056】尚、小さい粒径の液滴を作る噴霧ノズルは
高精度な製作技術が要求されるので、技術的に小さくで
きる下限までが、前記粒径の下限となる。例えば、1μ
mである。
【0057】液滴が大きすぎると、圧縮機で液滴の良好
な気化をし難くなるからである。
【0058】液滴導入量は、ガスタービン排ガス再循環
量,混合気入口温度あるいは圧縮機出口温度により調整
することができる。圧縮機出口温度を一定に制御する観
点から噴霧量は再循環量の上限である7%を上限とし、
導入範囲をこれ以下にすることができる。再循環量が少
ない場合より多い場合に多く前記水滴を噴霧する。
【0059】噴霧ノズルの位置は、他に圧縮機内に設
け、圧縮ガスに液滴を噴霧するようにしてもよい。
【0060】噴霧ノズル11の位置を具体的に図6を用
いて説明する。ここで18はIGVを示す。
【0061】噴霧ノズルは11aから11dの何れかの
位置に設置する。噴霧ノズル11aは、圧縮機入口から
所定の間隔を介して設置したものである。但し吸気ダク
ト17内にサイレンサが設置される場合はそれより下流
側に設置する。これにより、前記のように、高効率の部
分負荷運転を得るだけでなく、高効率で増出力運転を図
る場合には、圧縮機に導入するまでの間に液滴の一部が
気化させ、さらに圧縮機に導入されて圧縮機を流下中に
さらに気化させることができる点で好ましい。
【0062】噴霧ノズル11bは、圧縮機入口に設置さ
れた圧縮機の導入部である最上流部に設置された導入翼
にノズルを設置したものである。同翼の内部に空気の供
給経路及び水の供給経路を設置する。これにより、噴霧
ノズルによる流れの抵抗となることを抑制し、ノズル設
置のためのスペースを改めて設けなくても、液滴を噴霧
することができる。
【0063】噴霧ノズル11cは、前記案内翼とIGV
との間に設置したものである。圧縮機1内に入るまでの
間に噴霧された液滴が蒸発し混合ガスの重量流量が増加
することを抑制できる。流れを乱さないという観点から
はIGVの近くに設けるほうが好ましい。
【0064】このように11a〜11cのようにするこ
とで、圧縮機内での連続的な気化が得られる。また、圧
縮機内の比較的上流側で多くを気化させることでより圧
縮機吐出温度を低下でき、圧縮機吐出温度の上昇を抑制
することができる。
【0065】噴霧ノズル11dは圧縮機の中間段に設け
たものである。圧縮機の翼の失速等の事象が生じやすい
のは後段側の翼であるため、近い圧縮機中間段に設置し
てもよい。係る場合は、拡大図のように静翼にノズルを
設置し、翼内に水供給手段及び空気供給手段を設ける。
【0066】このような、圧縮機内に流下する噴霧液滴
は流線に沿って圧縮機1の翼間を移動する。圧縮機内で
は、断熱圧縮により吸気は加熱され、この熱で液滴は表
面から気化しながら粒径を減少しつつ後段側翼へ輸送さ
れる。この過程で、気化に必要な気化潜熱は、圧縮機内
の混合気に依存するため圧縮機内の混合ガスの温度を低
下させる。
【0067】前記噴霧ノズル11の噴霧量は、ガスター
ビン排ガスの再循環量に対応するよう制御されている。
例えば、再循環量が多い場合を、再循環量が少ない場合
より噴霧量を多くするよう制御する。
【0068】コンバインドプラントのガスタービンが部
分負荷運転時に、再循環配管9を経たガスタービン排ガ
スと吸気ダクト17を経て供給される空気との混合ガス
が圧縮機1に導入され、圧縮機1内は前記混合ガスが圧
縮され吐出される。
【0069】かかる状態で前記噴霧ノズル11から前記
微細液滴を噴霧して圧縮機内に導入させ、圧縮機1内を
流下中に気化させる。
【0070】再循環量に応じて噴霧量を増減することに
より、単なる排気再循環を行うのに較べ、排気再循環を
して高効率に運転できる部分負荷運転の範囲を広くでき
る。さらに、部分負荷運転時においてより高効率の運転
ができる。
【0071】部分負荷のうち特に低負荷時の運転での再
循環量増大に伴う圧縮機入口吸気温度の上昇によって低
下した圧縮機の特性を改善することができる。
【0072】噴霧量の制御を図2を用いて説明する。
【0073】この制御では負荷要求信号Ldを入力とす
る関数発生器FG1において低負荷であるほど大きくな
る出力信号S1と実運転での燃焼温度変化を修正すべく
関数発生器FG2においてガスタービン排出ガス温度と
コンプレッサ出口圧力から推定される燃焼温度信号を減
算器AD3に印加して関数発生器FG1の修正再循環割
合信号を出力する。この信号を関数発生器FG3に入力
することで再循環量が増加するに従い噴霧量が増加する
ような再循環量に対する水滴噴霧量の出力信号S2を
得、この信号S2と実際に測定された圧縮機出口ガス温
度を減算器ADI4に印加して、関数発生器FG3の修正噴
霧量信号を出力する。この信号を調整器P14に与える
ことで噴霧流量(給水流量)調節弁12を制御する。こ
の制御によって再循環割合に応じて噴霧量を制御するこ
とができる。
【0074】微細液滴を作るのに必要であれば空気流量
調節弁15を開いてもよい。図5は排気温度を一定とし
た場合の再循環率に対する噴霧率の制御線を示してい
る。再循環率に対して噴霧率はほぼ直線的に増加してい
く。
【0075】再循環運転により、前記のように圧縮機内
の翼のインシデンスが変化するが、前記の制御線による
制御により、排気再循環前の状態まで戻すこともでき
る。例えば、大気温度15℃のとき排気重量流量ベース
10%の再循環量で約3%の噴霧量(外気重量べース)
や、20%の再循環量で約5.5% を噴霧量とする。
【0076】図9は、各負荷に対する混合気吸気温度と
再循環率の関係を示したものである。圧縮機1に吸入さ
れる混合気(体積流量)はガスタービン3が一定速度で
回転しているため、負荷に関係なく一定である。低負荷
になるほど排気再循環量が増大し、その分圧縮機入口吸
気温度が大きくなる。これに対して、ガスタービン出力
は再循環量が増大し、混合吸気温度が増大すると、圧縮
機入口吸込重量流量の減少で低下する。従来技術のよう
な単なる再循環ガスタービンでは最終段の翼の失速等を
考慮すると圧縮機吸気温度上限が50℃であり、このた
め再循環量が制限され、ガスタービン出力低下も制限を
受けることになる。しかし、本実施例により微細液滴を
圧縮機入口で噴霧し、圧縮機内部ガスを冷却することで
圧縮機翼周辺の流体挙動が改善されるため、排気再循環
量を増大でき、より低負荷での運転が可能となると共
に、更に高効率の部分負荷運転ができる。圧縮機1を出
た圧縮空気は圧縮機内での水滴の気化により温度降下し
ているが、この分は燃料投入量を増すことによって燃焼
温度を一定に保つことができる。次に燃焼ガスはガスタ
ービン3で断熱膨張する過程で仕事をし、その一部はコ
ンプレッサ1と発電機6を駆動するために消費されるた
め、正味出力はその差に相当する。
【0077】ガスタービン3の排気の一部は、排気再循
環手段9と制御手段(排気再循環量調整弁)10を経由
してコンプレッサ1の吸気の一部として再循環される。
排熱回収ボイラ4では高圧蒸気が生成され、これが蒸気
タービン5と発電機6を駆動して発電する。
【0078】図10にコンバインドサイクルにおける各
負荷に対する効率低下を通常のコンバインドサイクル,
排気再循環型コンバインドサイクル、本実施例の効率と
比較したものを示す。通常のコンバインドサイクルのサ
イクル熱効率はIGV等により燃焼温度一定運転が行わ
れている90%負荷までは効率低下はさほど大きくない
が、90%負荷以下の運転になると燃焼温度が下がるこ
とから、効率は急激に低下し、ボトミング側の制約条件
から決まる負荷である25%負荷では、効率は相対値で
4割ほど低下する。前記IGV等による燃焼温度一定運
転が行われるのは機器により多少範囲が異なる。但し、
多くの場合少なかったとしても80%負荷までである。
排気再循環型コンバインドサイクルは、通常のコンバイ
ンドサイクルに比べてサイクル熱効率の低下が小さい
が、圧縮機吸気温度の制約から約65%負荷までしか運
転することができない。これに対し本発明では圧縮機内
部ガスを冷却することによって圧縮機動力低減並びに増
出力による熱効率向上によって各負荷に対してさらに効
率低下が小さくなり、排気再循環型コンバインドサイク
ルに比べてもより低負荷まで運転することが可能であ
り、理論的にはガスタービン排気ガス中の酸素濃度ゼロ
になる約30%負荷まで運転が可能であり、効率低下は
約10%程度である。
【0079】下限は機器の設定等によって定めることが
好ましく、一般には少なくとも50%負荷位までは再循
環させる場合が多いと考える。
【0080】尚、図10はプラント負荷(コンバインド
サイクルプラントではなく、単なるガスタービン装置で
ある場合はガスタービン負荷。以下同様)100〜90
%もしくは80%の領域でIGV等の制御による運転を
考慮したものであるがこれに限らず、100%から負荷
が下がった場合にそれに対応して再循環量をコントロー
ルするようにしてもよい。負荷が低い程再循環量を増す
ようにすると燃焼温度を1430℃にするとし、圧縮機
出口温度を370℃より大きくならないようにするた
め、例えば370℃一定制御をした場合、プラント負荷
74%で圧縮機入口温度は150℃となり、負荷50%
では、112℃となり、負荷30%では240℃となっ
た。本実施例のように圧縮機内で蒸発する液滴を導入し
て圧縮機出口温度を低下させることにより圧縮機後段側
で生じる不都合をさけることができる。このため、圧縮
機内で蒸発する液滴の噴霧量を制御して再循環割合を上
げて圧縮機入口の混合ガスの温度を上げるよう制御する
ことができる。また、単に再循環したプラントより再循
環量を増大することができ、低い部分負荷領域まで再循
環量を増加させた運転ができる。
【0081】また、本実施例では、プラントの負荷が少
なくとも50%から80%の間で、前記噴霧量を再循環
量が多くなるに従い増加させて、負荷が低くなるに従い
再循環量が連続的に増加するよう制御することができ
る。
【0082】また、プラント負荷が少なくとも50%か
ら80%の間での燃焼器の燃焼温度の変動を抑制するよ
う負荷に対応して前記再循環量を制御し(例えば、負荷
が低くなるに従い再循環量を増加させるよう制御し)、
圧縮機内に液滴を導入して圧縮機出口の圧縮空気の温度
上昇を抑制することができる。
【0083】また、統括制御装置8では以下のような制
御を行うことができる。
【0084】プラント負荷が50%から80%の間での
燃焼器の燃焼温度の変動を抑制するよう負荷に対応して
前記再循環量と前記液滴の噴霧量とを制御する。負荷が
低くなるに従い再循環量を増加すると共に、噴霧量を増
加させるように制御して、燃焼温度の低下を抑制して高
く維持することで、部分負荷の広い範囲で高効率の運転
が可能となる。
【0085】また、プラント負荷が50%から80%の
間での燃焼器の燃焼温度の変動を抑制するよう負荷に対
応して前記再循環量を制御し、圧縮機内に液滴を導入し
て圧縮機出口の圧縮空気の温度上昇を抑制する。再循環
量を増加するに従い、圧縮機出口温度は上昇するため、
当該温度が許容範囲に維持するように圧縮機内に液滴を
導入して圧縮機内で蒸発させる。
【0086】また、前記プラント負荷変化に対応して圧
縮機入口に戻すガスタービン排ガス量を調整し、プラン
ト負荷が50%から80%の間での燃焼器の燃焼温度の
変動を抑制するよう負荷に対応して前記再循環量を制御
し、前記圧縮機内を流下中に気化する液滴の前記噴霧量
を制御して、負荷が低くなるに従い再循環量が連続的に
増加するよう抑制する。負荷が低くなるに従い再循環量
を増加するように制御しようとすると、圧縮機等の都合
により再循環量の増加量に上限ができるが、圧縮機内で
蒸発する液滴の導入量を調整して、負荷が低くなるに従
い液滴の導入量を増加するように制御することにより、
広い部分負荷範囲で負荷が低くなるに従い再循環量を連
続的に増加するよう制御することができる。
【0087】なお、前記上限は再循環をおこなう上限の
負荷であるため、100%より低くなった場合に再循環
させる場合は、前記上限範囲は大きくなる。また、下限
においては、機器の設定により定まるため、機器によっ
ては、より低い範囲まで再循環量を増加するよう制御す
ることもできる。
【0088】実施例2を図1等を用いて説明する。基本
的構成は実施例1と同様である。実施例1では排気再循
環量に応じて噴霧量を制御していたが、本実施例では排
気再循環量の制御は第1の実施例と同様であるが、噴霧
量制御に関して、圧縮機出口で測定されたガス温度によ
り、噴霧量を制御する方法が異なる。コンバインドプラ
ントの機器構成は第1の実施例と同じであるが、噴霧量
制御手段として、圧縮機出口ガス温度を計測し、この信
号を統括制御装置8に入力する手段が追加されている。
本実施例の統括制御装置8を図7に示す。本実施例で
は、図7に示すように測定された圧縮機出口ガス温度を
関数発生器FG3に入力して、排気再循環する前の圧縮
機出口ガス温度の変動を抑制すべく、好ましくは温度一
定となるような噴霧量を算出する。出口温度が高い方が
噴霧量が多くなるよう制御する。得られた噴霧量信号か
ら調節器PI4により、噴霧流量(給水流量)調整弁1
2を制御する。一方、噴霧することで燃焼温度が変化す
ることもあるため、負荷要求信号Ldと実負荷Lから得
られた燃料流量信号に噴霧量信号を印加することで液滴
噴霧した場合の燃料流量を修正制御し、燃焼温度一定を
実現する。図8は、一例として大気温度が15℃での圧
縮機出口ガス温度から、排気再循環を行う前の圧縮機出
口ガス温度を算出する制御線を示したものである。10
%の排気再循環量で、圧縮機出口ガス温度は、約450
℃になるが、圧縮機入口部で約2.5%の噴霧を行え
ば、排気再循環を行う前の圧縮機出口ガス温度一定運転
が可能となる。なお、圧縮機出口ガス温度は、排気再循
環量が一定でも大気温度の違いで変化するため、大気温
度をパラメータとした制御線とすることが望ましい。こ
れより、微小な出力変動や気温の変動には追随させない
運転も可能であり、運転制御が容易になるという効果が
ある。
【0089】圧縮の不都合の原因となる圧縮機後段側の
温度が直接反映されるので、より精度の高い運転ができ
る。
【0090】実施例3を図1等を用いて説明する。基本
的には実施例1と同様の構造を使用することができる。
【0091】本実施例の特徴は、圧縮機入口部に混合ガ
ス温度の検出装置を設け、当該温度検出装置の温度を基
に、噴霧量を制御するものである。
【0092】例えば、圧縮機に入る混合ガス温度が低い
時より高い場合により多くの液滴を噴霧するよう統括制
御装置8にて制御する。また、排気再循環を行う前の圧
縮機出口温度になるように噴霧量を制御する。
【0093】これにより、部分負荷運転時に低い部分負
荷時であっても高効率の運転ができる。
【0094】実施例4を図1等を用いて説明する。基本
的には実施例1と同様の構造を使用することができる。
【0095】本実施例の特徴は、プラント負荷の測定装
置から信号に基づいて、噴霧量を統括制御装置8にて制
御する。
【0096】例えば、負荷が高い場合より低い場合に、
より多くの液滴を噴霧するよう制御する。また、排気再
循環を行う前の圧縮機出口温度になるように噴霧量を制
御する。
【0097】これにより、部分負荷運転時に低い部分負
荷時であっても高効率の運転ができる。
【0098】これにより、負荷の測定は通常運転におい
ても測定される場合が多いので、係る信号を使用できる
ので、容易に制御することができる。
【0099】実施例5を図1等を用いて説明する。
【0100】基本的構成は実施例1と同様の構成を使用
できる。実施例と装置する点はガスタービン3排ガスが
供給される排熱回収ボイラ4及び廃熱回収ボイラ4で生
じた蒸気が供給される蒸気タービンがないガスタービン
装置である点である。
【0101】前記実施例1で述べたように、前記再循環
経路を経たガスタービン排ガスと空気との混合ガスが流
れる圧縮機内に液滴を導入させて前記圧縮機内を流下中
に前記導入させた液滴が気化するようにした噴霧装置と
を備える。これにより、前記ガスタービンの負荷変化に
対応して圧縮機入口に戻すガスタービン排ガス量を調整
し、噴霧装置から液滴を噴霧して前記再循環経路を経た
ガスタービン排ガスと空気との混合ガスが流れる圧縮機
内に液滴を導入させて前記圧縮機内を流下中に前記導入
させた液滴が気化するようにした。
【0102】また、前記再循環量に対応して前記液滴の
噴霧量を制御する噴霧量制御装置と、を備える。また、
プラント負荷に対応して、負荷が低い場合の方が負荷が
高い場合より多く噴霧するように制御する。
【0103】また、圧縮機の入口に導入される混合ガス
温度変化に対応して噴霧量を制御する。混合ガス温度が
高い方が低い場合より噴霧量が多くなるように制御す
る。
【0104】これにより前記のように、圧縮機内部ガス
温度を低下させ、圧縮機の特性を改善することができる
ため、排気再循環量を増大でき部分負荷運転範囲を拡大
することができる。また圧縮機吸気への水滴噴霧の効果
によって排気再循環型ガスタービン装置よりもさらに熱
効率を高くすることができる。
【0105】実施例6を図11〜図16を用いて説明す
る。
【0106】実施例6は、前記噴霧量と再循環量を圧縮
機取り入れ温度に基づき制御する。本実施例の概要図を
図11に示す。
【0107】基本的には、実施例1の概要図と同様の構
造をとることができる。
【0108】本実施例では、排熱回収ボイラ4の下流側
から再循環する排ガスを導いている。
【0109】ガスタービン3の排出ガスの一部を取り出
す排気再循環手段の一例である配管9は、排熱回収ボイ
ラ,排熱回収ボイラ入口部,出口部のいずれでもよい
が、排ガス中の熱を有効に利用するためには、本実施例
のように排熱回収ボイラ出口部から取り出すのがよい。
【0110】燃焼器2に投入する燃料量を制御する燃料
量制御弁7,再循環量制御手段としての排気再循環量調
整弁10,給水流量調整弁12,空気流量調整弁15と
を操作端とし、これらの操作端は統括制御装置8からの
操作信号により制御される。かかる操作により、前記コ
ンバインドプラントの発電効率を制御できる。前記統括
制御装置には、圧縮機に供給される空気温度を検出する
温度検出器18の信号が伝達される。好ましくはさら
に、湿度検出器19の信号が伝達されるようにする。温
度検出器18や湿度検出器19は再循環排ガスの合流部
或いは噴霧ノズル11の上流部に設置することができ
る。
【0111】統括制御装置8からの指令により、プラン
ト全体を制御し、再循環量,燃料量,空気量,水噴霧量
を適正に制御する。たとえば、圧縮機入口温度を入力と
してプラント効率を高くし、プラント負荷が一定となる
ように制御する。
【0112】図12に統括制御装置の制御機構概要の一
例を示す。まず負荷要求信号Ldと実負荷Lとの偏差を
減算器AD1で求め、調節器PI1により燃料目標信号
Fdを得る。そして燃料量目標信号Fdと実燃料量Fの
偏差を減算器AD2で求め、調節器PI2により燃料量
制御弁7を調節して燃焼器に投入する燃料量を決定す
る。このようにして燃料量の制御をすることができる。
例えば、この制御では負荷が大きくなるほど燃焼器2に
投入される燃料量が増大するようにすることができる。
【0113】また、圧縮機入口温度から、好ましくは更
に、圧縮機入口湿度から関数発生器3(FG12)で再循
環量の指令信号S1が出される。この信号は、調節器P
13に与えられ、再循環制御手段10を制御する。ま
た、関数発生器3(FG12)から噴霧ノズル11から
の噴霧量の指令信号S2が出される。この信号は、調節
器P14に与えられ、給水流量調整弁12と空気流量調
整弁15を制御して、噴霧ノズル11からの液滴の噴霧
推量を制御する。
【0114】また、燃焼温度をガスタービン排出ガス温
度とコンプレッサ出口圧力から関数発生器4(FG1
2)において推定し、減算器AD2に印加して燃料量の
修正制御を行うことが好ましい。
【0115】圧縮機入口温度や外気温度が変動した場合
に変動に応じて燃料を調整して、燃焼温度変動を抑制し
燃焼温度一定になるために寄与する。これは、高プラン
ト効率運転の実現のためには燃焼温度を一定に保つこと
も重要であるが、実運転では燃焼温度が変化することも
有るために、たとえば、ガスタービンの実排ガス温度と
圧縮機吐出圧力から推定した実際の燃焼温度を基に、燃
焼温度の変動を抑制するように運転すると、水噴霧や再
循環時に燃焼温度低下を抑制しつつ運転を図ることがで
きる。これにより、燃料温度が低下して、効率が低下す
ることを防止する。
【0116】また、減算器AD1で負荷要求信号Ldと
実負荷Lとの偏差を求め関数発生器3の出力を修正する
ことが好ましい。負荷一定を図るために寄与する。
【0117】関数発生器3の出力によって最高プラント
効率運転を実現することが好ましい。
【0118】実運転ではプラント効率が変化することも
有るため、要求プラント効率ηdと実プラント効率ηの
偏差を減算器AD5において算出し、減算器AD5の出
力を減算器AD3,減算器AD4に印加して関数発生器
1の出力を修正することが好ましい。これにより、実運
転時であっても高効率運転を図ることができる。
【0119】関数発生器3は、排ガス温度検出器24か
らの信号や圧縮機吐出空気の温度検出器23からの信号
に基づいて、燃焼温度を算出して信号をAD2に出す。
例えば、排ガス温度が低い場合より高い方が燃焼温度が
高くなり、また、圧縮機吐出圧力が低い場合より高い場
合燃焼温度が高くなるよう計算するようにすることがで
きる。
【0120】また、燃焼温度に相当する数値を他の手段
により出力することも考えられる。関数発生器4は、圧
縮機入口温度に基づき、噴霧ノズル11の噴霧量を制御
する。また、再循環量を制御する。噴霧量等は、圧縮機
入口空気湿度に基づいて補正されることが好ましい。気
温が高くなるに従い、噴霧量(或いは噴霧量の制限値)
は大きくなり、湿度が高い場合より低い場合に噴霧量
(或いは噴霧量の制限値)は大きくなるようにすること
ができる。
【0121】圧縮機に供給される空気の検知温度が設定
された第1の温度領域の場合に前記再循環を行い、前記
噴霧装置からの液滴の噴霧を停止し、前記検知温度が前
記第1の温度領域より高い第2の温度領域の場合に、前
記再循環を停止し、前記噴霧装置からの液滴の噴霧を停
止し、前記第2の温度領域より高い第3の温度領域の場
合に、前記再循環を停止し、前記噴霧装置からの液滴の
噴霧を行うよう制御する。
【0122】コンバインドプラントの効率が高い領域の
上限と下限の温度を設定し、前記第1の温度域と第2の
温度域との切換え温度、第2の温度域と第3の温度域と
の切換え温度とすることが好ましい。コンバインドプラ
ントの効率が高い15℃以上22℃以下の温度から前記
各温度を設定することが好ましい。プラントによっては
この領域から外れる場合は、プラントに応じて設定する
ことが好ましい。
【0123】圧縮機入口温度を監視して、プラント効率
が最高となる圧縮機入口温度となり且つプラント負荷が
常に一定となるように、再循環量と水噴霧量を制御する
ことにある。
【0124】前記第1の温度領域の場合、例えば、圧縮
機入口温度がプラント効率が高効率となる吸気温度域よ
りも低い場合、圧縮機入口温度を入力とする関数発生器
FG3において吸気温度が低いほど再循環率が大きくなる
信号S1が求められる。
【0125】この信号S1は調節器PI3に与えられ、
再循環量制御手段10を制御する。前記信号S1は、再
循環量を所望出力等により制御し、再循環量の制限値と
して利用することもできる。
【0126】前記第2の温度領域の場合は、再循環及び
噴霧ノズル11からの液滴噴霧を停止する。第3の温度
領域の場合、例えば圧縮機入口温度がプラント効率が高
効率となる吸気温度よりも高い場合、圧縮機入口温度,
湿度を入力とする関数発生器FG1において吸気温度が
高い、相対湿度が低いほど噴霧率が大きくなる信号S2
が求められる。
【0127】この信号S2は調節器PI4に与えられ、
給水流量調整弁12と空気流量調整弁15を制御する。
【0128】これにより、外気温度は変動しても再循環
量制御と噴霧量制御によって圧縮機入口温度を一定にす
ることができるために、或いは変動を良好に抑制するこ
とができるので、大気温度が変動してもコンバインドプ
ラントを高いプラント効率で運転することができる。
【0129】その際、前記第2の温度域を介して、第1
の温度域と第3の温度域を設けたので、相対湿度によっ
てプラント効率が高い大気温度が変化するが、第2の温
度域を設定することで、相対湿度によるプラントが最高
となる大気温度の変化を考慮しなくて良いため、プラン
トの運転制御を容易にし、より現実に即した運転を行う
ことができる。また、外気温度が変動した場合にコンバ
インドプラントの効率が高い第2の温度域での制御を容
易化することができる。外気温度変化があっても安定し
て高効率で所望の出力を得ることができる。
【0130】これにより、温度変化に対して信頼性の高
いプラントを形成することができる。
【0131】また、場合によっては、前記第2温度領域
を狭めて、ある設定温度の場合とすることもできる。か
かる場合は、より高効率運転を図る際に適応することが
できる。プラント効率が高い大気温度を境界として排気
再循環システムと水噴霧システムを切換えて使用でき
る。これにより、制御システムが容易となる。
【0132】高効率運転に関して以下詳述する。プラン
ト効率はプラント出力(ガスタービン出力と蒸気タービ
ン出力)と燃料流量によって決定される。図14に大気
温度による効率特性を示す。大気温度がプラント効率が
最高となる大気温度より低くなると圧縮機吸込重量流量
が増加する。一方、燃焼温度は一定であるので燃料流量
は増加しガスタービン出力は増加する。
【0133】蒸気サイクルへの影響としては圧縮機吸込
重量流量の増加に伴うガスタービン排ガス流量の増加と
大気温度が低くなることによるガスタービン排ガス温度
の低下があるが、ガスタービン排ガス流量の影響が大き
いため、蒸気タービン出力も増加する。
【0134】但し、ガスタービン出力の増加割合に対し
蒸気タービン出力の増加割合が小さいため、プラント出
力としての増加割合は小さくなりプラント効率としては
低下することになる。
【0135】一方、大気温度がプラント効率が最高とな
る大気温度より高くなると、圧縮機吸込重量流量の減少
に伴い、燃料流量も減少し、ガスタービン出力,蒸気タ
ービン出力が低下するが、ガスタービン出力の低下割合
が大きく、プラント効率は低下する。
【0136】図15は大気温度とプラント出力の関係を
示したものである。プラント出力は大気温度によって変
化し、大気温度が低くなるにつれてプラント出力は増大
し、破線のようになる。しかし、実際の発電プラントで
は認可出力が定められており、その出力を超えるような
運転はされないと考えられる。従って、認可出力になる
と実線のように大気温度に関わらず認可出力一定運転と
なり、この時カスタービンは部分負荷で運転される。ま
た、大気温度が高くなると、ガスタービン圧縮機吸込重
量流量、燃料流量が減少するためプラント出力は低下す
る。
【0137】図16は大気温度によるプラント効率特性
を示したものである。
【0138】前記説明したコンバインドプラントでは、
認可出力一定運転になるとガスタービンが部分負荷運転
となるので、プラント効率が極端に低下する。しかし、
本実施例により、ガスタービン吸気温度をプラント効率
が高い大気温度と同じ状態にすることができる。
【0139】例えば、ガスタービン排ガス流量に対して
再循環率0〜40%でプラント効率を相対値で約0〜
1.5% 改善することが可能である。また、プラント効
率が高くなる領域の大気温度よりも圧縮機入口温度が高
い場合、ガスタービン吸気に水噴霧ノズル11から液滴
を噴霧しガスタービン吸気流量に対し、0〜0.2% の
噴霧量でプラント効率を相対値で約0.1% 改善するこ
とが可能である。
【0140】したがって、大気温度が低い場合には排気
再循環システムによりガスタービン排ガスの一部を圧縮
機入口に戻すことで圧縮機吸込重量流量を減少させプラ
ント出力を低下することができるので、ガスタービンを
部分負荷運転することなく、認可出力一定運転が可能と
なる。また、大気温度が高い場合には、吸気水噴霧シス
テムにより、圧縮機吸込重量流量を増加させ、プラント
出力を増加することができ、大気温度に依らず高効率で
一定負荷運転を図ることができる。実施例7を図11〜
図16を用いて説明する。
【0141】実施例7は、基本的に実施例6の構造を有
することができる。実施例6の制御に対して、圧縮機に
供給される空気温度の検知温度が設定された第1の温度
領域の場合に前記再循環を行い、前記噴霧装置からの液
滴の噴霧を停止し、前記検知温度が前記第1の温度領域
より高い第2の温度領域の場合に、前記噴霧装置からの
液滴の噴霧の両方を起動し、前記第2の温度領域より高
い第3の温度領域の場合に、前記再循環を停止し、前記
噴霧装置からの液滴の噴霧を行うよう制御する点が相違
する。
【0142】第1の温度領域と第2の温度領域との切換
え温度や、第2の温度領域と第3の温度領域との切換え
温度は実施例6と同様に設定することもできる。図13
に制御線の一例を示す。
【0143】まず、第1の温度域(例えば、圧縮機入口
温度がプラント効率が最高となる圧縮機入口温度よりも
低い場合)には、圧縮機入口温度が低いほど、再循環量
が多くなる制御とすることができる。
【0144】第2の温度域(例えば、圧縮機入口温度が
プラント効率が最高となる圧縮機入口温度を含む温度
域)では、ガスタービン排ガスを再循環させ、水噴霧ノ
ズル11からの前記液滴噴霧を行う。
【0145】本実施例では、図13では第2温度域は1
9℃以上25℃以下の場合を示す。好ましくは、第2温
度域を設定値の高温側領域と低温側領域とに分ける。設
定値はコンバインプラントの効率が高い値を基に設定す
ることが好ましい。例えば、15℃から22℃とするこ
とができる。設定値からプラスマイナス2℃〜3℃程度
をもって第2の温度領域を設定することもできる。
【0146】前記第2の温度域は、プラントが安定して
運転できる温度域を設定するとよい。具体的には圧縮機
入口温度幅が5℃程度にすることもできる。
【0147】前記低温側領域では、再循環量を一定に保
持すると共に吸気水噴霧システムを作動させる。水噴霧
ノズルからの前記液滴の噴霧量(或いは噴霧量の制限
値)は温度が低い場合より高い場合に高くなるように設
定することが好ましい。プラント負荷を一定、プラント
効率が高くなる圧縮機入口温度となるように噴霧量を制
御することができる。圧縮機入口温度がプラント効率が
最高となる圧縮機入口温度となるまでは再循環量は一
定、噴霧量は圧縮機入口温度が高くなるほど増加する制
御とすることができる。
【0148】前記高温側領域では、噴霧量を一定にし、
圧縮機に供給される空気温度が低い場合より高い場合に
再循環量が少なくなるよう制御することが好ましい。
【0149】第3の温度域(例えば、圧縮機入口温度が
プラント効率が最高となる圧縮機入口温度よりも高い場
合)には、ガスタービン排ガスの再循環を停止し、水噴
霧ノズル11からの水噴霧を行う。例えば、圧縮機入口
温度が高くなるほど噴霧量が多くなる制御とすることが
できる。
【0150】これにより、外気温度が変動した場合であ
っても、高効率で一定不可運転ができる。
【0151】外気温度が変動した場合であっても、燃焼
排ガスの再循環と水噴霧ノズル11からの前記液滴噴霧
を共に行う領域を有するので、第2の温度域での切換え
をスムーズに行う。
【0152】また、プラント効率の高い温度域での効率
や出力が変動する恐れを抑制することができる。スムー
ズに前記液適噴霧や再循環を図り、出力変動を抑制し、
所望の出力からの変動を抑制できる。
【0153】前記第2温度領域、水噴霧ノズル11から
の水噴霧とガスタービン排ガスの再循環との切換えが本
温度領域近傍で生じる領域で(例えば、コンバインドプ
ラントが高効率運転ができる温度域)、本実施例のよう
な前記水滴噴霧と再循環を行う温度領域を形成すること
により、外気温度が急変しても迅速に応答して高効率運
転ができる。また、外気温度が変動しても、高効率で負
荷変動を抑えた運転(好ましくは一定負荷運転)に大き
く寄与することができる。特に第2温度域での外気温度
変動による前記液適噴霧量の変動や再循環量の変動させ
る際の出力の変動を抑制することが容易となる。
【0154】実施例8を図17を用いて説明する。
【0155】実施例8は、ガスタービン排ガス中の炭酸
ガス(例えば、二酸化炭素)を減少させるに際して、炭
酸ガスを濃縮させる炭酸ガス濃縮機構と、濃縮された炭
酸ガスを含有する排ガスを供給して含まれる炭酸ガス濃
度を減少させる炭酸ガス除去装置41を備えるものであ
る。
【0156】上記により、炭酸ガスを濃縮させた炭酸ガ
ス含有排ガスを炭酸ガス除去装置41に導入して炭酸ガ
スを減小することができるので、例えば単にガスタービ
ンプラントに炭酸ガス除去装置を設置した場合に比べて
高効率で炭酸ガスを除去できる。また、従来型プラント
設置される炭酸ガス除去装置と同じ除去性能を有する場
合は炭酸ガス除去装置の小型化を図ることができる。
【0157】このため、ガスタービン排ガスの流れる流
路に設置する炭酸ガス除去装置が小型化できるので、圧
力損失を抑制でき、ガスタービンの高効率運転に寄与で
きる。
【0158】加えて、前記炭酸ガス濃縮機構として、本
実施例のようにガスタービン排ガスを再循環させてガス
タービンを運転して、高濃度の炭酸ガス排ガスを生成
し、該高濃度のガスタービン排ガスが炭酸ガス除去装置
に導入されるように形成することにより、更にガスター
ビンの高効率運転ができる。
【0159】このように、ガスタービンの高効率運転を
図りつつ、高効率で炭酸ガス除去ができるので、環境に
配慮して環境にやさしいガスタービン或いはコンバイン
ドプラントを形成するという基本効果を有する。
【0160】また、前記噴霧ノズル11を前述の実施例
のように運転することがさらに好ましい。
【0161】ここで、図18に再循環率に対する排気ガ
ス中の二酸化炭素の割合を示す。このように、排気再循
環型プラントではガスタービン排ガスをガスタービン吸
気側に戻してガスタービンサイクル内で循環させること
で二酸化炭素の濃度が従来型プラントに比べて高くな
る。再循環量が多くなるに従い排ガス中の炭酸ガス濃度
も高くなる。このため、二酸化炭素の除去効率も高くな
る。ガスタービン排ガス中の酸素濃度がゼロとなる条
件、すなわち排気再循環割合を75%とした場合、排ガ
ス中の二酸化炭素濃度は従来型プラントに比べ約4倍と
なる。尚、高効率に炭酸ガスの除去を図りつつ、ガスタ
ービンの燃焼安定性の高い再循環運転を図るためには、
再循環量をガスタービン排ガスの流量の75%より少な
くすることが好ましい。
【0162】炭酸ガス除去装置の性能は炭酸ガスの濃
度,体積流量,伝達面積に比例するので、炭酸ガス除去
装置の性能が同じであれば、炭酸ガスの濃度が4倍にな
れば、伝達面積を1/4にすることができる。また、例
えば再循環率はガスタービン排ガスの3/4以下であっ
て再循環率が高い領域で運転することにより、より効率
的に炭酸ガスを除去でき、プラントへの熱回収量が多く
なり高効率運転に寄与できる。
【0163】実施例8は、基本的に実施例6の構造を有
することができる。実施例6の構造に加えて、排気経路
31に炭酸ガス除去装置41aを設定している例を示
す。
【0164】ガスタービン3で排出された排ガスは、再
循環手段9を経てコンプレッサ1上流側に供給される。
大気と再循環された排気ガスとの混合ガスはコンプレッ
サ1に導入され昇圧される。コンプレッサ1から吐出さ
れる前記混合ガスと燃料は燃焼器2に導入されて燃焼さ
れる。再循環手段9を持たない単なるガスタービンより
炭酸ガス濃度の高い燃焼排ガスが燃焼器2から排出され
ガスタービン3を駆動する。高炭酸ガス濃度の排ガスの
一部は再循環手段9へ分岐され、残りは該分岐部より下
流側の排ガス経路31に設置された炭酸ガス除去装置4
1aに導入されて炭酸ガス濃度を減少させる。炭酸ガス
濃度を減少した排ガスは煙突等から大気へ排出される。
【0165】これにより、前記基本効果に加えて、本炭
酸ガス除去装置41をガスタービンと再循環手段9との
分岐部との間の排ガス経路32や再循環手段9に設置す
るのと比較しても、炭酸ガス除去装置41に供給する排
ガス中の炭酸ガス濃度を高く維持することができる。こ
のため、かかる点で高効率に炭酸ガスを除去する運転が
できる。また、このため、それほど高効率を求めない場
合は、所望の性能を得つつ、炭酸ガス除去装置41を小
型化することができる。また、小型化のためにガスター
ビン排ガス経路での圧力損失を低減でき、係る点におい
てもガスタービンの高効率運転に寄与することができ
る。また、ガスタービン排ガス流量のうち、再循環手段
9で分岐された残りの大気へ排出される流量が炭酸ガス
除去装置9に導入されるので、流量が少なくてすみ、係
る点においても圧力損失を抑制することができ、ガスタ
ービンの高効率運転に寄与する。
【0166】また、再循環量を変動するよう制御した場
合であっても、大気に排出する炭酸ガスの制御が容易と
なる。
【0167】炭酸ガス除去装置41は、例えば、炭酸ガ
ス除去装置に供給される炭酸ガス濃度を5%から10%
程度減少させる炭酸ガス除去性能を有するものを使用す
ることができる。例えば、アミン系吸収剤を用いたもの
とすることができる。
【0168】また、例えば再循環手段9の分岐部より下
流側に排熱回収ボイラ4がある場合は、よりコンパクト
化を図る点や材料強度等の観点から炭酸ガス除去装置は
排熱回収ボイラの下流側であることが好ましい。排ガス
経路の機器の簡素化からは排熱回収ボイラ内に設置する
ことも考えられる。
【0169】実施例9を図17を用いて説明する。
【0170】実施例9は、基本的には実施例8の構造を
採用することができる。
【0171】実施例9は実施例8の炭酸ガス除去装置4
1aに代えて、ガスタービンと再循環手段9への分岐部
との間の排ガス経路32に炭酸ガス除去装置41bを設
置する。
【0172】ガスタービン3で排出された排ガスは、再
循環手段9を経てコンプレッサ1上流側に供給される。
大気と再循環された排気ガスとの混合ガスはコンプレッ
サ1に導入され昇圧される。コンプレッサ1から吐出さ
れる前記混合ガスと燃料は燃焼器2に導入されて燃焼さ
れる。再循環手段9を持たない単なるガスタービンより
炭酸ガス濃度の高い燃焼排ガスが燃焼器2から排出され
ガスタービン3を駆動する。高炭酸ガス濃度の排ガスは
炭酸ガス除去装置41bに導入されて炭酸ガス濃度を減
少させる。炭酸ガス濃度を減少した排ガスの一部は再循
環手段9へ分岐され、残りは煙突等から大気へ排出され
る。
【0173】このように、前述の実施例8の基本効果に
加えて、再循環手段9や排ガス経路31に炭酸ガス除去
手段41を設置する場合より、大流量の高炭酸ガス濃度
の排ガスを炭酸ガス除去装置41bに供給することがで
きる。このため、炭酸ガス除去装置41bの単位体積当
りの炭酸ガス捕捉量が多くなり、炭酸ガス除去効率を向
上させることができる。また、それほど高効率を求めな
いならば、所望の性能を得つつ、炭酸ガス除去装置41
の小型化を図ることができる。
【0174】実施例10を図17を用いて説明する。
【0175】実施例10は、基本的には実施例8の構造
を採用することができる。
【0176】実施例10は実施例8の炭酸ガス除去装置
41aに代えて、再循環手段9に炭酸ガス除去装置41
cを設置する。
【0177】ガスタービン3で排出された排ガスは、再
循環手段9を経てコンプレッサ1上流側に供給される。
大気と再循環された排気ガスとの混合ガスはコンプレッ
サ1に導入され昇圧される。コンプレッサ1から吐出さ
れる前記混合ガスと燃料は燃焼器2に導入されて燃焼さ
れる。再循環手段9を持たない単なるガスタービンより
炭酸ガス濃度の高い燃焼排ガスが燃焼器2から排出され
ガスタービン3を駆動する。高炭酸ガス濃度の排ガスの
一部は再循環手段9へ分岐され、残りは煙突等から大気
へ排出される。再循環手段9へ分岐された排ガスは、炭
酸ガス除去装置41bに導入されて炭酸ガス濃度を減少
させる。炭酸ガス濃度を減少した排ガスのは再びコンプ
レッサ1へ供給される。
【0178】このように、前述の実施例8の基本効果に
加えて、排ガスから大気へ放出する経路に圧力損失を生
じる炭酸ガス除去装置41を設置しなくともよいので、
ガスタービン高効率運転に寄与する事ができる。また、
既に設置されたガスタービンプラントに追加設置する場
合も含めて、炭酸ガス除去装置41cの設置が容易であ
る。また、再循環手段を必要に応じて使用するガスター
ビンプラントにおいては、ガスタービン排ガスが常に流
れる系統とは別に炭酸ガス除去装置41cを設置したの
で、メンテナンスが容易となる。たとえば、炭酸ガス除
去装置41cをメンテナンスする場合であっても、再循
環ラインに流れ込む排ガスを閉止することにより、ガス
タービン運転を継続しつつメンテナンスができることも
考えられる。
【0179】
【発明の効果】本発明により、高効率で運転できる部分
負荷運転範囲の広い排気再循環型ガスタービン装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の概要図。
【図2】統括制御装置の制御概要図。
【図3】圧縮機内部の翼周辺流体挙動を示す図。
【図4】水噴霧による圧縮機内のインシデンス変化を示
す図。
【図5】再循環率と噴霧率の関係を示す図。
【図6】噴霧ノズル位置概要図。
【図7】統括制御装置の制御概要図。
【図8】圧縮機出口温度と噴霧率の関係を示す図。
【図9】負荷ー再循環率ー混合気温度の関係を示す図。
【図10】負荷に対する熱効率を示す図。
【図11】本発明の実施例の概要図。
【図12】統括制御装置の制御概要図。
【図13】制御線の概要図。
【図14】大気温度による効率特性を示す概要図。
【図15】大気温度とプラント出力を示す概要図。
【図16】大気温度によるプラント効率を示す概要図。
【図17】本発明の実施例の概要図。
【図18】再循環率に対する排ガス中の酸素および二酸
化炭素の割合を示す概要図。
【符号の説明】
1…コンプレッサ、2…燃焼器、3…ガスタービン、4
…排熱回収ボイラ(HRSG)、5…蒸気タービン、6
…発電機、7…燃料供給系、8…統括制御装置、9…排
気再循環手段、10…排気再循環量調整弁、11…噴霧
ノズル、12…給水流量調整弁、13…給水タンク、1
4…給水ポンプ、15…空気流量調整弁、16…中央給
電指令所。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // F02C 3/30 F02C 3/30 D B

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐
    出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、該燃
    焼器からの燃焼ガスにより駆動されるガスタービンと、
    ガスタービン排ガスの一部を前記圧縮機入口に再循環さ
    せる再循環経路と、前記ガスタービンの負荷変化に対応
    して圧縮機入口に戻すガスタービン排ガス量を調整する
    再循環量制御装置と、前記再循環経路を経たガスタービ
    ン排ガスと空気との混合ガスが流れる圧縮機内に液滴を
    導入させて前記圧縮機内を流下中に前記導入させた液滴
    が気化するようにした噴霧装置と、を備えたことを特徴
    とする排気再循環型ガスタービン装置。
  2. 【請求項2】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐
    出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、該燃
    焼器からの燃焼ガスにより駆動されるガスタービンと、
    ガスタービン排ガスの一部を前記圧縮機入口に再循環さ
    せる再循環経路と、前記ガスタービンの負荷変化に対応
    して圧縮機入口に戻すガスタービン排ガス量を調整する
    再循環量制御装置と、前記圧縮機に供給される空気又は
    前記再循環経路を経たガスタービン排ガスに液滴を噴霧
    して、前記空気及び前記ガスタービン排ガスとが流れる
    圧縮機内に液滴を導入させて、前記圧縮機内を流下中に
    前記導入させた液滴が気化するようにした噴霧装置と、
    を備えたことを特徴とする排気再循環型ガスタービン装
    置。
  3. 【請求項3】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐
    出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、該燃
    焼器からの燃焼ガスにより駆動されるガスタービンと、
    ガスタービン排ガスの一部を前記圧縮機入口に再循環さ
    せる再循環経路と、前記ガスタービンの負荷変化に対応
    して圧縮機入口に戻すガスタービン排ガス量を調整する
    再循環量制御装置と、前記再循環経路を経たガスタービ
    ン排ガスと空気との混合ガスが流れる圧縮機内に液滴を
    導入させる、平均粒径が30μm以下の液滴を噴霧する
    噴霧装置を、前記圧縮機の上流側に配置したことを特徴
    とする排気再循環型ガスタービン装置。
  4. 【請求項4】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐
    出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、該燃
    焼器からの燃焼排ガスにより駆動されるガスタービン
    と、ガスタービン排ガスの一部を前記圧縮機入口に再循
    環させる再循環経路と、前記ガスタービンの負荷変化に
    対応して圧縮機入口に戻すガスタービン排ガス量を調整
    する再循環量制御装置と、前記再循環経路を経たガスタ
    ービン排ガスと空気との混合ガスが流れる圧縮機内に液
    滴を導入させて前記圧縮機内を流下中に前記導入させた
    液滴が気化するようにした噴霧装置と、前記再循環量に
    対応して前記液滴の噴霧量を制御する噴霧量制御装置
    と、を備えたことを特徴とする排気再循環型ガスタービ
    ン装置。
  5. 【請求項5】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐
    出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、該燃
    焼器からの燃焼ガスにより駆動されるガスタービンと、
    ガスタービン排ガスの一部を前記圧縮機入口に再循環さ
    せる再循環経路と、前記ガスタービンの負荷変化に対応
    して圧縮機入口に戻すガスタービン排ガス量を調整する
    再循環量制御装置と、前記再循環経路を経たガスタービ
    ン排ガスと空気との混合ガスが流れる圧縮機内に液滴を
    導入させて前記圧縮機内を流下中に前記導入させた液滴
    が気化するようにした噴霧装置と、ガスタービン装置の
    負荷の変動に対応して前記液滴の噴霧量を制御する噴霧
    量制御装置と、を備えたことを特徴とする排気再循環型
    ガスタービン装置。
  6. 【請求項6】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐
    出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、該燃
    焼器からの燃焼ガスにより駆動されるガスタービンと、
    ガスタービン排ガスの一部を前記圧縮機入口に再循環さ
    せる再循環経路と、前記ガスタービンの負荷変化に対応
    して圧縮機入口に戻すガスタービン排ガス量を調整する
    再循環量制御装置と、前記再循環経路を経たガスタービ
    ン排ガスと空気との混合ガスが流れる圧縮機内に液滴を
    導入させて前記圧縮機内を流下中に前記導入させた液滴
    が気化するようにした噴霧装置と、前記圧縮機に導入さ
    れる混合ガス温度変化に対応して前記液滴の噴霧量を制
    御する噴霧量制御装置と、を備えたことを特徴とする排
    気再循環型ガスタービン装置。
  7. 【請求項7】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐
    出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、該燃
    焼器からの燃焼ガスにより駆動されるガスタービンと、
    ガスタービン排ガスの一部を前記圧縮機入口に再循環さ
    せる再循環経路と、前記ガスタービンの負荷変化に対応
    して圧縮機入口に戻すガスタービン排ガス量を調整する
    再循環量制御装置と、前記再循環経路を経たガスタービ
    ン排ガスと空気との混合ガスが流れる圧縮機内に液滴を
    導入させて前記圧縮機内を流下中に前記導入させた液滴
    が気化するようにした噴霧装置と、コンバインドプラン
    トの負荷が50%から80%の間での燃焼器の燃焼温度
    の変動を抑制するよう負荷に対応して前記再循環量と前
    記液滴の噴霧量とを制御する制御装置と、を備えたこと
    を特徴とする排気再循環型ガスタービン装置。
  8. 【請求項8】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐
    出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、該燃
    焼器からの燃焼ガスにより駆動されるガスタービンと、
    ガスタービンからの排ガスを熱源として蒸気を発生させ
    る排熱回収ボイラと、該排熱回収ボイラで発生した蒸気
    により駆動する蒸気タービンと、ガスタービン排ガスの
    一部を前記圧縮機入口に再循環させる再循環経路と、前
    記ガスタービンの負荷変化に対応して圧縮機入口に戻す
    ガスタービン排ガス量を調整する再循環量制御装置と、
    前記再循環経路を経たガスタービン排ガスと空気との混
    合ガスが流れる圧縮機内に液滴を導入させて前記圧縮機
    内を流下中に前記導入させた液滴が気化するようにした
    噴霧装置と、コンバインドプラントの負荷が50%から
    80%の間で前記噴霧量を制御して、負荷が低くなるに
    従い再循環量が連続的に増加するよう制御する制御装置
    と、を備えたことを特徴とするコンバインドプラント。
  9. 【請求項9】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐
    出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、該燃
    焼器からの燃焼ガスにより駆動されるガスタービンと、
    ガスタービン排ガスの一部を前記圧縮機入口に再循環さ
    せる再循環経路と、前記再循環経路を経たガスタービン
    排ガスと空気との混合ガスが流れる圧縮機内に液滴を導
    入させて前記圧縮機内を流下中に前記導入させた液滴が
    気化するようにした噴霧装置と、 圧縮機に供給される空気温度を検知する温度検知装置
    と、 前記検知温度が設定された第1の温度領域の場合に前記
    再循環を行い、前記噴霧装置からの液滴の噴霧を停止
    し、前記検知温度が前記第1の温度領域より高い第2の
    温度領域の場合に、前記再循環を行い、前記噴霧装置か
    らの液滴の噴霧を行い、前記第2の温度領域より高い第
    3の温度領域の場合に、前記再循環を停止し、前記噴霧
    装置からの液滴の噴霧を行うよう制御する制御装置と、
    を備えたことを特徴とする排気再循環型ガスタービン装
    置。
  10. 【請求項10】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から
    吐出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、該
    燃焼器からの燃焼ガスにより駆動されるガスタービン
    と、ガスタービン排ガスの一部を前記圧縮機入口に再循
    環させる再循環経路と、前記再循環経路を経たガスター
    ビン排ガスと空気との混合ガスが流れる圧縮機内に液滴
    を導入させて前記圧縮機内を流下中に前記導入させた液
    滴が気化するようにした噴霧装置と、 圧縮機に供給される空気温度を検知する温度検知装置
    と、 前記検知温度が設定された第1の温度領域の場合に前記
    再循環を行い、前記噴霧装置からの液滴の噴霧を停止
    し、前記検知温度が前記第1の温度領域より高い第2の
    温度領域の場合に、前記再循環を停止し、前記噴霧装置
    からの液滴の噴霧を停止し、前記第2の温度領域より高
    い第3の温度領域の場合に、前記再循環を停止し、前記
    噴霧装置からの液滴の噴霧を行うよう制御する制御装置
    と、を備えたことを特徴とする排気再循環型ガスタービ
    ン装置。
  11. 【請求項11】請求項1の排気再循環型ガスタービン装
    置において、 前記噴霧装置の液滴噴霧量を圧縮機に供給される空気の
    湿度に応じて制御する制御装置と、を有することを特徴
    とする排気再循環型ガスタービン装置。
  12. 【請求項12】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から
    吐出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、該
    燃焼器からの燃焼ガスにより駆動されるガスタービン
    と、ガスタービン排ガスの一部を前記圧縮機入口に再循
    環させる再循環経路と、 ガスタービン排ガスの流路に設置され、前記再循環され
    た前記排ガスを含む空気が前記燃焼器に導入されて排出
    された燃焼排ガス中の炭酸ガス濃度を減少させる炭酸ガ
    ス除去装置と、を備えたことを特徴とする排気再循環型
    ガスタービン装置。
  13. 【請求項13】前記請求項12の排気再循環型ガスター
    ビン装置において、 前記炭酸ガス除去手段は、前記排ガスの経路のうち前記
    再循環経路との分岐部と前記排ガスを大気に放出する放
    出部との間に配置されることを特徴とする排気再循環型
    ガスタービン装置。
  14. 【請求項14】前記請求項12の排気再循環型ガスター
    ビン装置において、 前記炭酸ガス除去手段は、前記排ガスの経路のうち前記
    ガスタービンと前記再循環経路との分岐部との間に配置
    されることを特徴とする排気再循環型ガスタービン装
    置。
  15. 【請求項15】前記請求項12の排気再循環型ガスター
    ビン装置において、 前記炭酸ガス除去手段は、前記再循環経路に設置される
    ことを特徴とする排気再循環型ガスタービン装置。
  16. 【請求項16】圧縮機で空気を圧縮し、該圧縮した空気
    と燃料とを燃焼器で燃焼させ、該燃焼器からの燃焼ガス
    によりガスタービンを駆動し、ガスタービン排ガスの一
    部を再循環経路を経て前記圧縮機入口に再循環させ、前
    記ガスタービンの負荷変化に対応して圧縮機入口に戻す
    ガスタービン排ガス量を調整し、噴霧装置から液滴を噴
    霧して前記再循環経路を経たガスタービン排ガスと空気
    との混合ガスが流れる圧縮機内に液滴を導入させて前記
    圧縮機内を流下中に前記導入させた液滴が気化するよう
    にした、ことを特徴とする排気再循環型ガスタービン装
    置の運転方法。
  17. 【請求項17】圧縮機で空気を圧縮し、該圧縮した空気
    と燃料とを燃焼器で燃焼させ、該燃焼器からの燃焼ガス
    によりガスタービンを駆動し、ガスタービン排ガスの一
    部を再循環経路を経て前記圧縮機入口に再循環させ、前
    記ガスタービンの負荷変化に対応して圧縮機入口に戻す
    ガスタービン排ガス量を調整し、ガスタービン装置の負
    荷が50%から80%の間での燃焼器の燃焼温度の変動
    を抑制するよう負荷に対応して前記再循環量を制御し、
    圧縮機内に液滴を導入して圧縮機出口の圧縮空気の温度
    上昇を抑制することを特徴とする排気再循環型ガスター
    ビン装置の運転方法。
  18. 【請求項18】圧縮機で空気を圧縮し、該圧縮した空気
    と燃料とを燃焼器で燃焼させ、該燃焼器からの燃焼ガス
    によりガスタービンを駆動し、前記ガスタービン排ガス
    を熱源として蒸気を発生させ、発生した蒸気により蒸気
    タービンを駆動させると共に、前記ガスタービン排ガス
    の一部を再循環経路を経て前記圧縮機入口に再循環さ
    せ、前記ガスタービンの負荷変化に対応して圧縮機入口
    に戻すガスタービン排ガス量を調整し、コンバインドプ
    ラントの負荷が50%から80%の間での燃焼器の燃焼
    温度の変動を抑制するよう負荷に対応して前記再循環量
    を制御し、前記圧縮機内を流下中に気化する液滴の前記
    噴霧量を制御して、負荷が低くなるに従い再循環量が連
    続的に増加するよう抑制することを特徴とする排気再循
    環型ガスタービン装置の運転方法。
  19. 【請求項19】圧縮機で空気を圧縮し、該圧縮した空気
    と燃料とを燃焼器で燃焼させ、該燃焼器からの燃焼排ガ
    スによりガスタービンを駆動し、前記排ガスの一部を再
    循環経路を経て前記圧縮機入口に再循環させ、噴霧装置
    から液滴を噴霧して前記再循環経路を経た燃焼排ガスと
    空気との混合ガスが流れる圧縮機内に液滴を導入させて
    前記圧縮機内を流下中に前記導入させた液滴が気化する
    ようにし、 圧縮機に供給される空気温度を検知し、 前記検知温度が設定された第1の温度領域の場合に前記
    再循環を行い、前記噴霧を停止し、前記検知温度が前記
    第1の温度領域より高い第2の温度領域の場合に、前記
    再循環を行い、前記噴霧を行い、前記第2の温度領域よ
    り高い第3の温度領域の場合に、前記再循環を停止し、
    前記噴霧を行う、ことを特徴とする排気再循環型ガスタ
    ービン装置の運転方法。
  20. 【請求項20】圧縮機で空気を圧縮し、該圧縮した空気
    と燃料とを燃焼器で燃焼させ、該燃焼器からの燃焼排ガ
    スによりガスタービンを駆動し、前記排ガスの一部を再
    循環経路を経て前記圧縮機入口に再循環させ、噴霧装置
    から液滴を噴霧して前記再循環経路を経た燃焼排ガスと
    空気との混合ガスが流れる圧縮機内に液滴を導入させて
    前記圧縮機内を流下中に前記導入させた液滴が気化する
    ようにし、 圧縮機に供給される空気温度を検知し、 前記検知温度が設定された第1の温度領域の場合に前記
    再循環を行い、前記噴霧を停止し、前記検知温度が前記
    第1の温度領域より高い第2の温度領域の場合に、前記
    再循環を停止し、前記噴霧を停止し、前記第2の温度領
    域より高い第3の温度領域の場合に、前記再循環を停止
    し、前記噴霧を行う、ことを特徴とする排気再循環型ガ
    スタービン装置の運転方法。
  21. 【請求項21】圧縮機で空気を圧縮し、該圧縮した空気
    と燃料とを燃焼器で燃焼させ、該燃焼器からの燃焼排ガ
    スによりガスタービンを駆動し、前記排ガスの一部を再
    循環経路を経て前記圧縮機入口に再循環させ、 前記再循環された前記排ガスを含む空気を用いて燃料を
    前記燃焼器で燃焼させ、該燃焼させて排出された燃焼排
    ガス中の炭酸ガス濃度を減少させることを特徴とする排
    気再循環型ガスタービン装置の運転方法。
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