JPH1171664A - 内燃機関用摺動部材 - Google Patents
内燃機関用摺動部材Info
- Publication number
- JPH1171664A JPH1171664A JP23501097A JP23501097A JPH1171664A JP H1171664 A JPH1171664 A JP H1171664A JP 23501097 A JP23501097 A JP 23501097A JP 23501097 A JP23501097 A JP 23501097A JP H1171664 A JPH1171664 A JP H1171664A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coating
- resistance
- weight
- alloy
- test piece
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02F—CYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
- F02F1/00—Cylinders; Cylinder heads
- F02F1/004—Cylinder liners
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】使用条件の過酷なディーゼルエンジンにも使用
可能な高度な耐摩耗性を有する内燃機関用摺動部材を提
供する。 【解決手段】内燃機関用摺動部材（１、２）の母材
（Ｍ）摺動面にＣｒ3 Ｃ2３０〜８０重量％、Ｎｉ−Ｃ
ｒ合金残部からなる炭化物サーメットの溶射皮膜（Ｃ）
を高速酸素火炎（ＨＶＯＦ）溶射により形成した。
可能な高度な耐摩耗性を有する内燃機関用摺動部材を提
供する。 【解決手段】内燃機関用摺動部材（１、２）の母材
（Ｍ）摺動面にＣｒ3 Ｃ2３０〜８０重量％、Ｎｉ−Ｃ
ｒ合金残部からなる炭化物サーメットの溶射皮膜（Ｃ）
を高速酸素火炎（ＨＶＯＦ）溶射により形成した。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピストンリング、
シリンダライナ等の内燃機関用摺動部材に関する。
シリンダライナ等の内燃機関用摺動部材に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、高度な耐摩耗性、耐焼付性が要求
される内燃機関用摺動部材は、その摺動面に硬質クロム
めっきが施されていた。又、使用条件が特に過酷な内燃
機関用摺動部材については、クロムめっきの代わりに、
摺動面に高速酸素火炎（ＨＶＯＦ）溶射皮膜を形成する
ことも提案されている。（特開平８−２１０５０４号）
この提案のＨＶＯＦ溶射皮膜はアンダコートの第一層と
トップコートの第２層とからなり、第１層はＣｒ3 Ｃ2
３０〜８０重量％とＮｉ−Ｃｒ合金残部から、第２層は
Ｍｏ、Ｃｒを主成分とするコバルト基もしくはニッケル
基摺動面材料からそれぞれ構成されていた。
される内燃機関用摺動部材は、その摺動面に硬質クロム
めっきが施されていた。又、使用条件が特に過酷な内燃
機関用摺動部材については、クロムめっきの代わりに、
摺動面に高速酸素火炎（ＨＶＯＦ）溶射皮膜を形成する
ことも提案されている。（特開平８−２１０５０４号）
この提案のＨＶＯＦ溶射皮膜はアンダコートの第一層と
トップコートの第２層とからなり、第１層はＣｒ3 Ｃ2
３０〜８０重量％とＮｉ−Ｃｒ合金残部から、第２層は
Ｍｏ、Ｃｒを主成分とするコバルト基もしくはニッケル
基摺動面材料からそれぞれ構成されていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、硬質クロムめ
っきに比べると、第１層と第２層からなる複層の溶射皮
膜は、溶射皮膜形成に要する工数が多く、又、Ｍｏ、Ｃ
ｒを主成分とするコバルト基もしくはニッケル基摺動面
材料は材料費が比較的高価であるという問題があった。
っきに比べると、第１層と第２層からなる複層の溶射皮
膜は、溶射皮膜形成に要する工数が多く、又、Ｍｏ、Ｃ
ｒを主成分とするコバルト基もしくはニッケル基摺動面
材料は材料費が比較的高価であるという問題があった。
【０００４】本発明の課題はこの問題を解決することに
あり、このため、本出願の発明者は、単層のＨＶＯＦ溶
射皮膜について多くのテストをくり返し実施し、本願発
明に到達した。
あり、このため、本出願の発明者は、単層のＨＶＯＦ溶
射皮膜について多くのテストをくり返し実施し、本願発
明に到達した。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明が採用する手段は、図１（ａ）及び図１
（ｂ）に示すように、ピストンリング１又はシリンダラ
イナ２の母材Ｍの外周又は内周摺動面にＨＶＯＦ（高速
酸素火炎）溶射による炭化物サーメットの溶射皮膜Ｃを
形成したことにある。
に、本発明が採用する手段は、図１（ａ）及び図１
（ｂ）に示すように、ピストンリング１又はシリンダラ
イナ２の母材Ｍの外周又は内周摺動面にＨＶＯＦ（高速
酸素火炎）溶射による炭化物サーメットの溶射皮膜Ｃを
形成したことにある。
【０００６】上記炭化物サーメットは、炭化クロムが３
０〜８０重量％、Ｎｉ−Ｃｒ合金２０〜７０重量％であ
る。炭化クロムが３０重量％未満では十分な硬さが得ら
れず、８０重量％を超えると逆に硬くなりすぎて脆くな
る。Ｎｉ−Ｃｒ合金が２０重量％未満では十分な結合が
できず、Ｎｉ−Ｃｒ合金が７０重量％を超えると耐焼付
性に劣る。
０〜８０重量％、Ｎｉ−Ｃｒ合金２０〜７０重量％であ
る。炭化クロムが３０重量％未満では十分な硬さが得ら
れず、８０重量％を超えると逆に硬くなりすぎて脆くな
る。Ｎｉ−Ｃｒ合金が２０重量％未満では十分な結合が
できず、Ｎｉ−Ｃｒ合金が７０重量％を超えると耐焼付
性に劣る。
【０００７】上記Ｎｉ−Ｃｒ合金は、Ｎｉが４０〜９０
重量％、Ｃｒが１０〜６０重量％の合金である。Ｎｉが
４０重量％未満では十分な強度を得られず、又、９０重
量％を超えるとやわらかすぎる。Ｃｒが１０重量％未満
では十分な硬さが得られず、６０重量％を超えると硬く
なり、脆くなる。炭化物サーメットの溶射皮膜は単層で
あるが、耐摩耗性、耐焼付性に優れており、かつＭｏ、
Ｃｒを主成分とするコバルト基又はニッケル基摺動面材
料に比べると安価であるから、前記問題点を解決するの
に有効である。
重量％、Ｃｒが１０〜６０重量％の合金である。Ｎｉが
４０重量％未満では十分な強度を得られず、又、９０重
量％を超えるとやわらかすぎる。Ｃｒが１０重量％未満
では十分な硬さが得られず、６０重量％を超えると硬く
なり、脆くなる。炭化物サーメットの溶射皮膜は単層で
あるが、耐摩耗性、耐焼付性に優れており、かつＭｏ、
Ｃｒを主成分とするコバルト基又はニッケル基摺動面材
料に比べると安価であるから、前記問題点を解決するの
に有効である。
【０００８】高速酸素火炎（ＨＶＯＦ）溶射は図２に示
すメテコ社製ダイヤモンドジェットガン（商品名）を用
いて実施する。ガン２０は二重構造のノズル２１と、そ
のノズルに外嵌したエアキャップ２３と、そのエアキャ
ップを支持するエアキャップボディ２４からなる。ノズ
ル２１は内側がインサート２５、外側がシェル２６であ
る。インサート２５の内部中央にパウダーインジェクタ
ー２２が挿入され、その内部に窒素ガスで搬送された溶
射材粉末が送入される。パウダーインジェクター２２と
インサート２５の間の環状空隙に送入された圧縮空気が
溶射材粉末をガン２０から噴出させる。
すメテコ社製ダイヤモンドジェットガン（商品名）を用
いて実施する。ガン２０は二重構造のノズル２１と、そ
のノズルに外嵌したエアキャップ２３と、そのエアキャ
ップを支持するエアキャップボディ２４からなる。ノズ
ル２１は内側がインサート２５、外側がシェル２６であ
る。インサート２５の内部中央にパウダーインジェクタ
ー２２が挿入され、その内部に窒素ガスで搬送された溶
射材粉末が送入される。パウダーインジェクター２２と
インサート２５の間の環状空隙に送入された圧縮空気が
溶射材粉末をガン２０から噴出させる。
【０００９】インサート２５とシェル２６の間の環状空
隙に酸素−プロパン、又は酸素−プロピレン、又は酸素
−水素の燃焼用ガスが送入され、そのガスはガン２０か
ら噴出し、出口で点火する。点火したガスは２７００℃
程度の円筒形火炎を形成して同じく噴出する溶射材粉末
を包む。この火炎により溶射材粉末は均一に加熱されて
溶融する。溶融した溶射材粉末は８００ｍ／ｓｅｃ以上
の高速でピストンリング外周摺動面母材に衝突する。衝
突した溶射材粉末は瞬時に偏平化し、母材温度まで急冷
し、そこに溶射皮膜を形成する。シェル２６とエアキャ
ップ２３の間の環状空隙にも圧縮空気が圧入される。こ
の圧縮空気は火炎を包み、ガン２０を冷却する。
隙に酸素−プロパン、又は酸素−プロピレン、又は酸素
−水素の燃焼用ガスが送入され、そのガスはガン２０か
ら噴出し、出口で点火する。点火したガスは２７００℃
程度の円筒形火炎を形成して同じく噴出する溶射材粉末
を包む。この火炎により溶射材粉末は均一に加熱されて
溶融する。溶融した溶射材粉末は８００ｍ／ｓｅｃ以上
の高速でピストンリング外周摺動面母材に衝突する。衝
突した溶射材粉末は瞬時に偏平化し、母材温度まで急冷
し、そこに溶射皮膜を形成する。シェル２６とエアキャ
ップ２３の間の環状空隙にも圧縮空気が圧入される。こ
の圧縮空気は火炎を包み、ガン２０を冷却する。
【００１０】ＨＶＯＦ（高速酸素火炎）溶射は、火炎温
度が２７００℃程度と比較的低温であるため、溶射粉末
が熱分解をおこしたり、気化してしまう可能性が少な
く、溶射材は本来の特徴を維持し発揮する。Ｃｒ3Ｃ2だ
けではＨＶＯＦ（高速酸素火炎）溶射でできないので、
炭化物サーメットとしてＮｉ−Ｃｒ合金を結合材として
いれることによって溶射が可能となり、耐摩耗性、耐ス
カッフィング性に優れた皮膜の形成が可能となる。
度が２７００℃程度と比較的低温であるため、溶射粉末
が熱分解をおこしたり、気化してしまう可能性が少な
く、溶射材は本来の特徴を維持し発揮する。Ｃｒ3Ｃ2だ
けではＨＶＯＦ（高速酸素火炎）溶射でできないので、
炭化物サーメットとしてＮｉ−Ｃｒ合金を結合材として
いれることによって溶射が可能となり、耐摩耗性、耐ス
カッフィング性に優れた皮膜の形成が可能となる。
【００１１】
【発明の実施の形態】本発明の耐摩耗性摺動部材を各種
テストによって説明する。同一鋳鉄材の母材上に次の４
種類の皮膜を形成してテスト片とした。 テスト片No.１（比較例）：クロムめっき （２５０μ） テスト片No.２（実施例）：ＨＶＯＦ溶射 （２５０μ） Ｃｒ3Ｃ2／５０重量％ Ｎｉ−Ｃｒ テスト片No.３（実施例）：ＨＶＯＦ溶射 （２５０μ） Ｃｒ3Ｃ2／２０重量％、Ｎｉ−Ｃｒ テスト片No.１、No.２、No.３はいずれも固定片であ
り、ピストンリングを想定したものである。この相手材
（回転片）はシリンダライナを想定したものである。
テストによって説明する。同一鋳鉄材の母材上に次の４
種類の皮膜を形成してテスト片とした。 テスト片No.１（比較例）：クロムめっき （２５０μ） テスト片No.２（実施例）：ＨＶＯＦ溶射 （２５０μ） Ｃｒ3Ｃ2／５０重量％ Ｎｉ−Ｃｒ テスト片No.３（実施例）：ＨＶＯＦ溶射 （２５０μ） Ｃｒ3Ｃ2／２０重量％、Ｎｉ−Ｃｒ テスト片No.１、No.２、No.３はいずれも固定片であ
り、ピストンリングを想定したものである。この相手材
（回転片）はシリンダライナを想定したものである。
【００１２】ＨＶＯＦ（高速酸素火炎）溶射は図２に示
すガンを使用し、溶射条件は次のとおりである。 燃焼ガス：酸素−プロパン 溶射粉末：Ｃｒ3Ｃ2／５０重量％ Ｎｉ−Ｃｒ： スルザーメテコ ダイアマロイ３００６（商品名） Ｃｒ3Ｃ2：５０重量％、Ｎｉ−Ｃｒ：５０重量％ （Ｎｉ−Ｃｒ：Ｎｉ８０重量％、Ｃｒ２０重量％） Ｃｒ3Ｃ2／２０重量％ Ｎｉ−Ｃｒ： スルザーメテコ ダイアマロイ３００７（商品名） Ｃｒ3Ｃ2：８０重量％、Ｎｉ−Ｃｒ：２０重量％ （Ｎｉ−Ｃｒ：Ｎｉ８０重量％、Ｃｒ２０重量％） 各テスト片について各種の評価試験を実施した。 耐摩耗性及び耐相手攻撃性試験 図７に模式的に示すアムスラー型摩耗試験機により各テ
スト片と相手材の摩耗量を測定した。摩耗試験機の容器
１５内には潤滑油１４が溜められており、摩耗試験用の
回転片１２が潤滑油１４に部分的に浸されている。回転
片１２は円板状もしくはローラー状のものであり、一定
の速度で回転している。この状態で固定片１１を回転片
１２の外周面に接しさせた状態で回転軸に垂直に押圧
し、摩耗の程度を測定した。測定条件は以下のとおりで
ある。
すガンを使用し、溶射条件は次のとおりである。 燃焼ガス：酸素−プロパン 溶射粉末：Ｃｒ3Ｃ2／５０重量％ Ｎｉ−Ｃｒ： スルザーメテコ ダイアマロイ３００６（商品名） Ｃｒ3Ｃ2：５０重量％、Ｎｉ−Ｃｒ：５０重量％ （Ｎｉ−Ｃｒ：Ｎｉ８０重量％、Ｃｒ２０重量％） Ｃｒ3Ｃ2／２０重量％ Ｎｉ−Ｃｒ： スルザーメテコ ダイアマロイ３００７（商品名） Ｃｒ3Ｃ2：８０重量％、Ｎｉ−Ｃｒ：２０重量％ （Ｎｉ−Ｃｒ：Ｎｉ８０重量％、Ｃｒ２０重量％） 各テスト片について各種の評価試験を実施した。 耐摩耗性及び耐相手攻撃性試験 図７に模式的に示すアムスラー型摩耗試験機により各テ
スト片と相手材の摩耗量を測定した。摩耗試験機の容器
１５内には潤滑油１４が溜められており、摩耗試験用の
回転片１２が潤滑油１４に部分的に浸されている。回転
片１２は円板状もしくはローラー状のものであり、一定
の速度で回転している。この状態で固定片１１を回転片
１２の外周面に接しさせた状態で回転軸に垂直に押圧
し、摩耗の程度を測定した。測定条件は以下のとおりで
ある。
【００１３】周速：１ｍ／ｓ 荷重：４５ｋｇｆ 潤滑油：モーターオイル（日本石油Ｒ３０） 油温：７５℃ 時間：１００時間 相手材（回転片）：ターカロイ（日本ピストンリング
（株）の商品名として知られているボロン鋳鉄） この測定結果は図３に示すとおりである。
（株）の商品名として知られているボロン鋳鉄） この測定結果は図３に示すとおりである。
【００１４】この図から、耐摩耗性はテスト片No.３が
一番良く、次にテスト片No.２が良く、又、耐相手攻撃
性はテスト片No.３が一番強く、次にテスト片No.２が強
いという結果であったが、耐摩耗性及び耐相手攻撃性を
総合的に見ると、テスト片No.３が一番良好で、No.２が
次に良かった。 耐スカッフィング性試験 各テスト片の耐スカッフィング性は、図８に模式的に示
す回転式平面滑り摩擦試験機により測定した。摩擦試験
機は一定速度で回転する回転片１２の回転面に固定片１
１を一定時間所定の面圧（Ｐ）で圧接し、スカッフィン
グの発生した時の面圧を限界面圧として測定した。圧接
操作は初期面圧を２５ｋｇｆ／ｃｍ2とし、面圧を３０
分後に５０ｋｇｆ／ｃｍ2、それから５分毎に１０ｋｇ
ｆ／ｃｍ2づつ漸次増加させていく方法で行われた。測
定条件は以下のとおりである。
一番良く、次にテスト片No.２が良く、又、耐相手攻撃
性はテスト片No.３が一番強く、次にテスト片No.２が強
いという結果であったが、耐摩耗性及び耐相手攻撃性を
総合的に見ると、テスト片No.３が一番良好で、No.２が
次に良かった。 耐スカッフィング性試験 各テスト片の耐スカッフィング性は、図８に模式的に示
す回転式平面滑り摩擦試験機により測定した。摩擦試験
機は一定速度で回転する回転片１２の回転面に固定片１
１を一定時間所定の面圧（Ｐ）で圧接し、スカッフィン
グの発生した時の面圧を限界面圧として測定した。圧接
操作は初期面圧を２５ｋｇｆ／ｃｍ2とし、面圧を３０
分後に５０ｋｇｆ／ｃｍ2、それから５分毎に１０ｋｇ
ｆ／ｃｍ2づつ漸次増加させていく方法で行われた。測
定条件は以下のとおりである。
【００１５】滑り速度：５ｍ／ｓ 潤滑油：ＳＡＥ＃３０＋白灯油（１：１） 油量：無給油、初期塗布 相手材（回転片）：ターカロイ 測定結果は図４に示すとおりである。
【００１６】この図から、テスト片No.３が一番良く、
次にテスト片No.２が良い結果で、テスト片No.１をどち
らも上回っていた。以上の評価より、実施例No.２、No.
３は耐摩耗性、耐相手攻撃性及び耐スカッフィング性を
総合的に見ると、比較例No.１より優れているといえ
る。
次にテスト片No.２が良い結果で、テスト片No.１をどち
らも上回っていた。以上の評価より、実施例No.２、No.
３は耐摩耗性、耐相手攻撃性及び耐スカッフィング性を
総合的に見ると、比較例No.１より優れているといえ
る。
【００１７】
【実施例】他の実施例として、テスト片が回転片でシリ
ンダライナであり、相手材（固定片）がピストンリング
であると想定したものの説明を行う。次のテスト片No.
１、No.４はいずれも回転片である。 テスト片No.１（比較例）：ターカロイ テスト片No.４（実施例）：ＨＶＯＦ溶射 （２５０μｍ） Ｃｒ3 Ｃ2 ／５０重量％ Ｎｉ−Ｃｒ 母材は前記実施例と同じ鋳鉄母材である。溶射条件は次
のとおりである。 燃焼ガス：酸素−プロパン 溶射粉末：Ｃｒ3Ｃ2／５０重量％ Ｎｉ−Ｃｒ： スルザーメテコ ダイアマロイ３００６（商品名） Ｃｒ3Ｃ2：５０重量％、Ｎｉ−Ｃｒ：５０重量％ （Ｎｉ−Ｃｒ：Ｎｉ８０重量％、Ｃｒ２０重量％） テスト片について各種の評価試験を実施した。 耐摩耗性及び耐相手攻撃性試験 測定条件は次のとおりである。
ンダライナであり、相手材（固定片）がピストンリング
であると想定したものの説明を行う。次のテスト片No.
１、No.４はいずれも回転片である。 テスト片No.１（比較例）：ターカロイ テスト片No.４（実施例）：ＨＶＯＦ溶射 （２５０μｍ） Ｃｒ3 Ｃ2 ／５０重量％ Ｎｉ−Ｃｒ 母材は前記実施例と同じ鋳鉄母材である。溶射条件は次
のとおりである。 燃焼ガス：酸素−プロパン 溶射粉末：Ｃｒ3Ｃ2／５０重量％ Ｎｉ−Ｃｒ： スルザーメテコ ダイアマロイ３００６（商品名） Ｃｒ3Ｃ2：５０重量％、Ｎｉ−Ｃｒ：５０重量％ （Ｎｉ−Ｃｒ：Ｎｉ８０重量％、Ｃｒ２０重量％） テスト片について各種の評価試験を実施した。 耐摩耗性及び耐相手攻撃性試験 測定条件は次のとおりである。
【００１８】周速：１ｍ／ｓ 荷重：４５ｋｇｆ 潤滑油：モーターオイル（日本石油Ｒ３０） 油温：７５℃ 時間：１００時間 相手材（固定片）：クロムめっき 母材は前記実施例と同じ鋳鉄母材である。
【００１９】測定結果は図５に示すとおりである。この
図から、テスト片No.４（実施例）はテスト片No.１（比
較例）と比べて、耐相手攻撃性は若干劣るが、耐摩耗性
は格段に良い結果であった。 耐スカッフィング試験 測定条件は次のとおりである。
図から、テスト片No.４（実施例）はテスト片No.１（比
較例）と比べて、耐相手攻撃性は若干劣るが、耐摩耗性
は格段に良い結果であった。 耐スカッフィング試験 測定条件は次のとおりである。
【００２０】滑り速度：５ｍ／ｓ 潤滑油：ＳＡＥ＃３０＋白灯油（１：１） 油量：無給油、初期塗布 相手材（固定片）：クロムめっき 測定結果は図６に示すとおりである。
【００２１】この図から、テスト片No.４（実施例）は
テスト片No.１（比較例）と比べて、耐スカッフィング
性は優れていた。以上より、比較例No.１より実施例No.
４は総合的に優れているといえる。
テスト片No.１（比較例）と比べて、耐スカッフィング
性は優れていた。以上より、比較例No.１より実施例No.
４は総合的に優れているといえる。
【００２２】
【発明の効果】上記のとおり、本発明の耐摩耗性摺動部
材は少なくとも摺動面にＣｒ3 Ｃ2 ／Ｎｉ−ＣｒをＨＶ
ＯＦ（高速酸素火炎）溶射で形成したから、公知の複層
のＨＶＯＦ溶射皮膜のものに比べると、コストが安くな
り、従来のクロムめっきのものに比べると、耐摩耗性、
耐相手攻撃性及び耐スカッフィング性の総合的性能が優
れているので、自動車用ディーゼルエンジンはもとよ
り、燃料が粗悪な舶用ディーゼルエンジンにも使用でき
るという格別の効果を奏する。
材は少なくとも摺動面にＣｒ3 Ｃ2 ／Ｎｉ−ＣｒをＨＶ
ＯＦ（高速酸素火炎）溶射で形成したから、公知の複層
のＨＶＯＦ溶射皮膜のものに比べると、コストが安くな
り、従来のクロムめっきのものに比べると、耐摩耗性、
耐相手攻撃性及び耐スカッフィング性の総合的性能が優
れているので、自動車用ディーゼルエンジンはもとよ
り、燃料が粗悪な舶用ディーゼルエンジンにも使用でき
るという格別の効果を奏する。
【図１】本発明の実施例を示す断面図であり、（ａ）は
ピストンリングを、（ｂ）はシリンダライナを示す。
ピストンリングを、（ｂ）はシリンダライナを示す。
【図２】高速酸素火炎溶射用ガンの模式的断面図であ
る。
る。
【図３】本発明の実施例及び比較例の耐摩耗性及び耐相
手攻撃性試験の結果を示すグラフであり、テスト片はピ
ストンリングを想定して固定したものである。
手攻撃性試験の結果を示すグラフであり、テスト片はピ
ストンリングを想定して固定したものである。
【図４】本発明の実施例及び比較例の耐スカッフィング
性試験結果を示すグラフであり、テスト片はピストンリ
ングを想定して固定したものである。
性試験結果を示すグラフであり、テスト片はピストンリ
ングを想定して固定したものである。
【図５】図３に相当するグラフであり、テスト片はシリ
ンダライナを想定して回転したものである。
ンダライナを想定して回転したものである。
【図６】図４に相当するグラフであり、テスト片はシリ
ンダライナを想定して回転したものである。
ンダライナを想定して回転したものである。
【図７】耐摩耗性及び耐相手攻撃性試験に用いられた試
験機の略図である。
験機の略図である。
【図８】耐スカッフィング試験に用いた試験機の略図で
ある。
ある。
Ｃ：溶射皮膜 Ｍ：母材 １：ピストンリング ２：シリンダライナ
Claims (2)
- 【請求項１】 摺動面にＣｒ3 Ｃ2３０〜８０重量％、
Ｎｉ−Ｃｒ合金残部からなる炭化物サーメットの溶射皮
膜が高速酸素火炎（ＨＶＯＦ）溶射により形成されたこ
とを特徴とする内燃機関用摺動部材。 - 【請求項２】 Ｎｉ−Ｃｒ合金はＮｉが４０〜９０重量
％、残部Ｃｒからなることを特徴とする請求項１記載の
内燃機関用摺動部材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23501097A JPH1171664A (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 内燃機関用摺動部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23501097A JPH1171664A (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 内燃機関用摺動部材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1171664A true JPH1171664A (ja) | 1999-03-16 |
Family
ID=16979738
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23501097A Pending JPH1171664A (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 内燃機関用摺動部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1171664A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004239284A (ja) * | 2003-02-03 | 2004-08-26 | Nippon Steel Corp | 高濁度流体用シリンダバルブ |
| WO2006117177A1 (de) * | 2005-05-03 | 2006-11-09 | Alfred Flamang | Verfahren zur beschichtung von verschleissbeaufschlagten bauteilen und beschichtetes bauteil |
| JP2008545065A (ja) * | 2005-07-04 | 2008-12-11 | コリア インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー | 耐熱、耐摩耗、低摩擦特性を有するコーティング剤及びそのコーティング方法 |
| WO2011154606A1 (en) * | 2010-06-08 | 2011-12-15 | Wärtsilä Finland Oy | Cylinder liner of a reciprocating engine |
| KR20120055575A (ko) * | 2009-07-29 | 2012-05-31 | 페데랄-모굴 부르샤이트 게엠베하 | 열 분무된 코팅을 지닌 슬라이딩 부재 및 이를 생산하는 방법 |
| EP2565290B1 (de) * | 2011-08-30 | 2018-08-01 | Rheinmetall Waffe Munition GmbH | Ballistisches Schutzsystem |
| WO2019224861A1 (ja) * | 2018-05-21 | 2019-11-28 | Ｔｐｒ株式会社 | シリンダライナ、及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-08-29 JP JP23501097A patent/JPH1171664A/ja active Pending
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004239284A (ja) * | 2003-02-03 | 2004-08-26 | Nippon Steel Corp | 高濁度流体用シリンダバルブ |
| WO2006117177A1 (de) * | 2005-05-03 | 2006-11-09 | Alfred Flamang | Verfahren zur beschichtung von verschleissbeaufschlagten bauteilen und beschichtetes bauteil |
| JP2008545065A (ja) * | 2005-07-04 | 2008-12-11 | コリア インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー | 耐熱、耐摩耗、低摩擦特性を有するコーティング剤及びそのコーティング方法 |
| JP4917095B2 (ja) * | 2005-07-04 | 2012-04-18 | コリア・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー | 耐熱、耐摩耗、低摩擦特性を有するコーティング剤及びそのコーティング方法 |
| KR20120055575A (ko) * | 2009-07-29 | 2012-05-31 | 페데랄-모굴 부르샤이트 게엠베하 | 열 분무된 코팅을 지닌 슬라이딩 부재 및 이를 생산하는 방법 |
| JP2013500392A (ja) * | 2009-07-29 | 2013-01-07 | フェデラル−モーグル ブルシェイド ゲーエムベーハー | 溶射被膜を有する摺動部材およびその製造方法 |
| WO2011154606A1 (en) * | 2010-06-08 | 2011-12-15 | Wärtsilä Finland Oy | Cylinder liner of a reciprocating engine |
| EP2565290B1 (de) * | 2011-08-30 | 2018-08-01 | Rheinmetall Waffe Munition GmbH | Ballistisches Schutzsystem |
| WO2019224861A1 (ja) * | 2018-05-21 | 2019-11-28 | Ｔｐｒ株式会社 | シリンダライナ、及びその製造方法 |
| CN112135919A (zh) * | 2018-05-21 | 2020-12-25 | 帝伯爱尔株式会社 | 气缸套及其制造方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4612256A (en) | Wear-resistant coating | |
| US5592927A (en) | Method of depositing and using a composite coating on light metal substrates | |
| US3936295A (en) | Bearing members having coated wear surfaces | |
| US4756841A (en) | Friction-reducing coating compositions and coated machine part | |
| KR100531995B1 (ko) | 내마모성 슬라이딩 부재 | |
| JPH0763266A (ja) | ピストンリング | |
| JPH1171664A (ja) | 内燃機関用摺動部材 | |
| JP3582684B2 (ja) | 摺動部材の耐摩耗性溶射被覆層 | |
| US4387140A (en) | Slide member | |
| US11976732B2 (en) | Low friction, wear resistant piston seal | |
| JPH09196176A (ja) | ピストンリング | |
| US4092158A (en) | Spray powder for the manufacture of layers having high resistance to wear and burn traces | |
| JPH08210504A (ja) | ピストンリング | |
| JPH1150908A (ja) | 耐摩耗性摺動部材 | |
| KR100543675B1 (ko) | 내연기관용 슬라이딩 부품 | |
| JPH10183327A (ja) | 摺動部材のなじみ性溶射被膜層 | |
| JP3547583B2 (ja) | シリンダーライナー | |
| KR100304299B1 (ko) | 슬라이딩부재의융합성용사피막층 | |
| JP2004060873A (ja) | ピストンリングおよびその製造方法 | |
| JP2000017419A (ja) | 耐摩耗性摺動部材 | |
| JPS59100263A (ja) | 溶射ピストンリング | |
| JPS5993865A (ja) | 摺動部材 | |
| JPS5850310B2 (ja) | 摺動部材 | |
| JPS6026827B2 (ja) | 摺動部材 | |
| KR19990013380A (ko) | 슬라이딩 부재의 피복성 용사피막층 |