JPH1171571A - 粘度調整剤 - Google Patents

粘度調整剤

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JPH1171571A
JPH1171571A JP23401997A JP23401997A JPH1171571A JP H1171571 A JPH1171571 A JP H1171571A JP 23401997 A JP23401997 A JP 23401997A JP 23401997 A JP23401997 A JP 23401997A JP H1171571 A JPH1171571 A JP H1171571A
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JP
Japan
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carbon atoms
viscosity
viscosity modifier
group
compound
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Application number
JP23401997A
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English (en)
Inventor
Atsushi Shida
敦 志田
Takeo Hasegawa
剛夫 長谷川
Tomoya Maeda
朋哉 前田
Tsuyoshi Sugitani
強志 杉谷
Toshio Genshiyou
俊男 玄正
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIKKA CHEM CO Ltd
Nikka Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
NIKKA CHEM CO Ltd
Nikka Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料を初めとする水系エマルジョン等と馴染
みのよい水溶性もしくは水分散性の粘度調整剤、また粘
度調整剤を調製する際に分散剤等の補助的薬剤をあまり
必要としない、新規な水系の粘度調整剤を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 本発明は、下記一般式(1)で表される
非イオン化合物及び/又は下記一般式(2)で表される
非イオン化合物と、エチレン系不飽和基を有するエポキ
シ化合物との反応で得られるマクロマーを単独重合して
得られる高分子化合物を含有する水系の粘度調整剤。 R1O(AO)mH (1)(式中、R
1は炭素数1〜22の炭化水素残基、Aは炭素数2〜4
のアルキレン基、mは5〜500の整数。) R2COO(BO)nH (2)(式中、R
2は炭素数1〜22のアルキル基等、Bは炭素数2〜4
のアルキレン基、nは5〜500の整数。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性エマルジョン
の粘度を調整するために使用する水系の粘度調整剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】水系の粘度調整剤は種々の目的に対して
使用されている。例えば、水系の粘度調整剤の1つであ
る増粘剤は水系エマルジョン塗料に使われて所望の粘度
を与え、塗料中のエマルジョンおよび分散された顔料を
安定化させる。また、水系の粘度調整剤は、化粧品や顔
料ペーストの製造、織物の製造、石油掘削や油回収操業
などの水処理を含む多くの工程に使用されている。
【0003】従来より一般に用いられる水系の粘度調整
剤として、ヒドロキシメチルセルロース、ポリアクリル
アミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール
などのポリマー類が知られている。しかしながら、この
ような水系の粘度調整剤を上記の製造時や工程で使用し
た場合に、しばしば使用量が過剰であったり、増粘した
系の流動性が不十分であるという問題を生じている。
【0004】上記の水系の粘度調整剤以外のものとし
て、アルカリ溶解型粘度調整剤がある。この粘度調整剤
は、アルカリを添加していくことで増粘してくるが、こ
のような粘度調整剤はそれ自身がイオン性を有するた
め、水系エマルジョンに対して馴染みにくいという問題
点を有している。
【0005】また、いわゆる会合型と呼ばれるウレタン
ポリエーテル系の水系の粘度調整剤がある。この粘度調
整剤は、基本的にイオン性が無いため水系エマルジョン
に対して馴染みがよいが、粘度調整剤を合成する際に反
応を容易に完結させる目的で大量の芳香族系あるいは脂
肪族系の溶剤を反応溶媒として用いて反応させている。
用いられた溶剤は反応終了後に反応系から除く必要があ
り、工業的には高コストの原因となっている。また、こ
の反応に使われている溶剤は人体に対して有害なものが
多く、作業環境上においても問題を生じている。さら
に、この粘度調整剤は、ウレタン結合部の結晶性が強い
ために水に対しての相溶性が乏しく、粘度調整剤を分散
させるためには分散剤、溶剤などの薬剤を併用するなど
の工夫を必要とし、製剤化するのが煩雑となる問題点を
有している。
【0006】そこで水系エマルジョンに対して、従来の
水系の粘度調整剤と同等もしくはそれ以上に改良された
増粘効率を有し、製造方法が容易であり、水系の粘度調
整剤を調製する際に分散剤等の補助的薬剤を必要としな
い優れた水系の粘度調整剤が久しく望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗料を初め
とする水系エマルジョン等と馴染みのよい水溶性もしく
は水分散性の粘度調整剤、また粘度調整剤を調製する際
に分散剤等の補助的薬剤をあまり必要としない、新規な
水系の粘度調整剤を提供することを目的としたものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定の非イオン
化合物とエポキシ基を有するエチレン系不飽和化合物と
の反応により得られるマクロマーを単独重合した物、あ
るいは該マクロマーとエチレン系不飽和モノマーとを共
重合した物を含有する粘度調整剤が、使用するモノマー
の種類や割合を任意に設定することできて、塗料などに
使用されている分散剤と類似した構造を持たせるような
自由な分子設計が可能であり、水系エマルジョンとのな
じみが良く、粘度調整剤を調製する際に分散剤等の補助
的薬剤をほとんど必要としないことを見出し、この知見
に基づき本発明を完成させた。
【0009】すなわち本発明は、下記一般式(1): R1O(AO)mH (1) (式中、R1は炭素数1〜22の炭化水素残基を表し、
Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、mは5〜50
0の整数を表す。)で表される非イオン化合物(ポリオ
キシアルキレンモノエーテル化合物)及び/又は下記一
般式(2): R2COO(BO)nH (2) (式中、R2は炭素数1〜22のアルキル基またはアル
ケニル基を表し、Bは炭素数2〜4のアルキレン基を表
し、nは5〜500の整数を表す。)で表される非イオ
ン化合物(ポリオキシアルキレン脂肪酸モノエステル)
と、エチレン系不飽和基を有するエポキシ化合物との反
応で得られるマクロマーを、単独重合して得られる高分
子化合物を含有する水系の粘度調整剤を提供する。
【0010】また、本発明は、下記一般式(1): R1O(AO)mH (1) (式中、R1は炭素数1〜22の炭化水素残基を表し、
Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、mは5〜50
0の整数を表す。)で表される非イオン化合物及び/又
は下記一般式(2): R2COO(BO)nH (2) (式中、R2は炭素数1〜22のアルキル基またはアル
ケニル基を表し、Bは炭素数2〜4のアルキレン基を表
し、nは5〜500の整数を表す。)で表される非イオ
ン化合物とエチレン系不飽和基を有するエポキシ化合物
との反応で得られるマクロマーと、エチレン系不飽和モ
ノマーとを共重合して得られる高分子化合物を含有する
水系の粘度調整剤を提供する。
【0011】なお、本発明において、水系の粘度調整剤
とは、水溶性又は水分散性の粘度調整剤をいう。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる上記一般式
(1)で表される非イオン化合物は、炭素数1〜22の
炭化水素残基(例えば、アルキル基、アルケニル基、ア
ルキルフェノール基など)と、炭素数2〜4のアルキレ
ン基とを含有しており、この非イオン化合物は、上記の
炭化水素残基を含有するアルコールやフェノール化合物
へのアルキレンオキサイドやテトラヒドロフランなどの
付加反応により得られる。このとき用いられるアルコー
ルまたはフェノール化合物としては、炭素数が1〜22
のアルコール又はアルキルフェノールが使用され、具体
的にはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピル
アルコール、ブチルアルコール、オクチルアルコール、
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルア
ルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコー
ル、ベヘニルアルコール、オクチルフェノール、ノニル
フェノールなどが挙げられる。アルキレンオキサイドと
しては、炭素数2〜4のアルキレン基を有するものが使
用され、具体的にはエチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、ブチレンオキサイドなどが挙げられる。アル
キレンオキサイドやテトラヒドロフランは1種または2
種以上を用いることができ、2種以上を用いる場合には
ブロック付加あるいはランダム付加することができる。
上記一般式(1)で表される非イオン化合物の具体例と
しては、例えばポリオキシエチレンメチルエーテル、ポ
リオキシエチレンエチルエーテル、ポリオキシエチレン
プロピルエーテル、ポリオキシエチレンブチルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシ
エチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリス
チルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポ
リオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチ
レンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどが
挙げられる。また、上記化合物のポリオキシエチレンの
一部あるいは全部をポリオキシプロピレンやポリオキシ
ブチレンに変えた化合物が挙げられる。
【0013】なお、上記のアルコールまたはフェノール
化合物中の炭化水素残基の炭素数が22を超える場合、
市販品の入手が困難となる。さらに、上記一般式(1)
中のmが5未満の場合、十分な水溶性又は水分散性がな
くなり、mが500を超える場合、分子量が高くなるこ
とにより水溶性又は水分散性がなくなる。
【0014】本発明に用いられる上記一般式(2)で表
される非イオン化合物は、脂肪酸へのアルキレンオキサ
イドやテトラヒドロフランなどの付加反応または脂肪酸
とポリアルキレングリコールとの脱水反応によるモノエ
ステル化反応などで得られる。このとき用いられる脂肪
酸としては、炭素数1〜22のアルキル基またはアルケ
ニル基を有するものが使用され、具体的には酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸などが挙げられ
る。アルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜4のア
ルキレン基を有するものが使用され、具体的にはエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサ
イドなどが挙げられる。アルキレンオキサイドやテトラ
ヒドロフランは1種または2種以上を用いることがで
き、2種以上を用いる場合にはブロック付加あるいはラ
ンダム付加することができる。ポリアルキレングリコー
ルとしては、上記のアルキレンオキサイドやテトラヒド
ロフランを原料としたポリアルキレングリコールが挙げ
られ、この場合のアルキレンオキサイドやテトラヒドロ
フランも1種または2種以上を用いることができ、2種
以上を用いる場合にはブロック付加あるいはランダム付
加することができる。具体的には、例えばポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール・ポリエチレングリコール共重合物、
ポリブチレングリコール・ポリエチレングリコール共重
合物などが挙げられる。上記一般式(2)で表される非
イオン化合物の具体例としては、例えば、ポリエチレン
グリコールラウリン酸モノエステル、ポリエチレングリ
コールステアリン酸モノエステル、ポリエチレングリコ
ールオレイン酸モノエステル、ポリプロピレングリコー
ルラウリン酸モノエステル、ポリプロピレングリコール
ステアリン酸モノエステル、ポリプロピレングリコール
オレイン酸モノエステル、ポリプロピレングリコール・
ポリエチレングリコール共重合物のラウリン酸モノエス
テル、ポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコ
ール共重合物のステアリン酸モノエステル、ポリプロピ
レングリコール・ポリエチレングリコール共重合物のオ
レイン酸モノエステルや前記したその他の脂肪酸のモノ
エステルなどが挙げられ、これらは1種または2種類以
上を用いることができる。
【0015】なお、上記の脂肪酸中のアルキル基または
アルケニル基の炭素数が22を超える場合、市販品の入
手が困難となる。さらに、上記一般式(2)中のnが5
未満の場合、十分な水溶性又は水分散性がなくなり、n
が500を超える場合、分子量が高くなることにより水
溶性又は水分散性がなくなる。
【0016】本発明に用いられるエチレン系不飽和基を
有するエポキシ化合物としては、例えばグリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられ
る。
【0017】本発明のマクロマーは、前記一般式(1)
及び/又は(2)で表される非イオン化合物の水酸基
と、エチレン系不飽和基を有するエポキシ化合物のエポ
キシ基とを反応させることによってエーテル結合でつな
ぎ、非イオン化合物の末端にエチレン系不飽和基が導入
された化合物である。この化合物は、末端にラジカル重
合可能なエチレン系不飽和基を持つことで、このもの単
独での重合あるいは他の重合可能なエチレン系不飽和モ
ノマーを共重合させることのできるマクロマーである。
【0018】本発明のマクロマーは、上記一般式(1)
及び/又は(2)で表される非イオン化合物と、上記の
エチレン系不飽和基を有するエポキシ化合物とを反応さ
せて得られる。反応の際の上記一般式(1)及び/又は
(2)で表される非イオン化合物と上記エポキシ化合物
との反応モル比は好ましくは1:5〜5:1である。ま
た、反応の際の温度は好ましくは100〜150℃であ
り、反応時間は、好ましくは1〜10時間である。
【0019】本発明に用いられるエチレン系不飽和モノ
マーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル(例えばアクリ
ル酸n−ブチル)、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステ
ル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エステル類、
アクリル酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、
ビニルピロリドンなどのビニルアミン化合物、スチレ
ン、ビニルトルエン、塩化ビニリデン、酢酸ビニルなど
を挙げることができる。また、2官能のポリエチレン系
不飽和モノマー、例えばエチレングリコールジアクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、及び
これらと対応するメタクリレート類、ジアリルベンゼン
などのポリエチレン系不飽和モノマーも用いることがで
きる。これら上述したエチレン系不飽和モノマーを1種
単独で用いてもよいし、2種以上のモノマーを組み合わ
せて用いてもよい。
【0020】本発明の粘度調整剤に用いる高分子化合物
は、上記のマクロマーの単独重合又は上記のマクロマー
と上記のエチレン系不飽和モノマーとの共重合により得
られるが、その際、水溶液重合のみならず、有機溶剤中
での重合、乳化重合、逆転乳化(有機連続相)重合、懸
濁重合、沈殿重合、塊重合およびこれに類するその他の
重合方法で好適に合成できる。高分子化合物の重量平均
分子量は、好ましくは10000〜100000であ
り、より好ましくは10000〜30000である。
【0021】本発明の前記マクロマーとエチレン系不飽
和モノマーとを共重合する際の反応モル比は、99:1
〜1:99であり、好ましくは20:80〜60:40
である。エチレン系不飽和モノマーの含有量が著しく少
ない場合には、均一な共重合物が得にくく、安定な粘度
調整剤となりにくい。また、著しく多い場合には、共重
合物が水溶性を得にくく、本発明の粘度調整剤の特徴で
ある水系への馴染みが阻害される。共重合の際の反応温
度は、好ましくは80〜150℃であり、反応時間は、
好ましくは1〜10時間である。また、前記マクロマー
の種類によっては単独の重合物による粘度調整剤も可能
である。この際の反応温度は、好ましくは100〜15
0℃であり、反応時間は、好ましくは5〜10時間であ
る。
【0022】本発明の前記マクロマーの合成の際には、
キシレン、トルエン、クロロベンゼン、オルトジクロロ
ベンゼン、メシチレン、1−ブタノール、オクタン、酢
酸ブチル、シクロヘキサノンなどを反応溶媒として用い
れば簡便に行うことができる。マクロマーの単独重合や
共重合の際にも上記の有機溶剤を用いて行うことができ
る。また、マクロマーの合成の際には、苛性カリなどの
アルカリ溶剤、ハイドロキノンモノメチルエーテルなど
の重合禁止剤を用いてもよい。また、重合時の触媒には
通常のラジカル重合用の触媒が使用でき、例えばクメン
ヒドロペルオキシド、ターシャリーブチルヒドロペルオ
キシドなどのアルキルヒドロペルオキシド類、ジクミル
ペルオキシド、ジターシャリーブチルペルオキシドなど
の過酸化ジアルキル類、過酸化ベンゾイルなどの過酸化
ジアシル類、過酸化アセチル、過酸化ラウロイルなどの
過酸化エステル類が挙げられ、特に、重合時に有機溶剤
を使用する溶剤系であればアゾビスイソブチロニトリル
(AIBN)などを使用できる。
【0023】本発明の粘度調整剤は、上記の高分子化合
物に加えて溶剤(例えばブチルカルビトールのようなエ
ーテル類、メタノール又はエタノールのようなアルコー
ル類、水)を含有してもよい。この場合、粘度調整剤中
の高分子化合物の含有量は好ましくは80〜20重量
%、より好ましくは50〜30重量%である。また、粘
度調整剤中の溶剤の含有量は好ましくは10〜80重量
%であり、特に水の含有量は好ましくは30〜60重量
%である。
【0024】本発明の粘度調整剤の使用方法は、従来の
水系の粘度調整剤と同じであるが、粘度調整剤を攪拌し
ながら水系エマルジョンに投入したり必要に応じて粘度
調整剤を加温し水系エマルジョンに溶解させても良い。
また、粘度調整剤は、適切な溶剤及び/又は界面活性剤
を使用して低粘度化することにより取り扱いが容易とな
り、このような方法で使用してもよい。
【0025】
【実施例】次に、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるもの
ではない。
【0026】なお、高分子化合物の分子量測定は、ゲル
パーメーションクロマトグラフィー(以下GPCと略
す。)〔測定装置:HLC8020(東ソー)、カラ
ム:TSKgel G40000HHR(東ソー)、キ
ャリアー:テトラヒドロフラン、標準物質:ポリスチレ
ン〕で行った。
【0027】実施例1 容量3リットルのフラスコにポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル(重量平均分子量3000)500g、苛性
カリ4.2g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.
83g、キシレン600gを仕込み、窒素気流下、昇温
して還流により脱水する。
【0028】次いで、キシレン250gに溶解したグリ
シジルメタクリレート35.5gを滴下し、5時間反応
後酢酸でpH7になるように中和する。その後還流によ
り水分を除去した後、キシレン150gで溶解したジタ
ーシャリーブチルペルオキシド1.5gを滴下し反応す
る。9時間反応後、減圧にて脱溶媒を行い、キシレンの
流出が止まった後、内容物を金属製バットに空け、冷却
し、高分子化合物521gを得た。この高分子化合物の
重量平均分子量をGPCで測定した結果、約15000
であった。この高分子化合物30gに、ブチルカルビト
ール13g、水57gを加えて溶解し、粘度調整剤を得
た。
【0029】実施例2 容量3リットルのフラスコにポリエチレングリコールス
テアリン酸モノエステル(重量平均分子量10000)
1000g、苛性カリ24g、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル0.84g、キシレン1200gを仕込み、
窒素気流下、昇温して還流により脱水する。
【0030】次いで、キシレン200gに溶解したグリ
シジルメタクリレート32.1gを滴下し、5時間反応
後酢酸でpH7になるように中和する。その後還流によ
り水分を除去した後6時間反応し、その後減圧にて脱溶
媒を行い、キシレンの流出が止まった後、内容物を金属
製バットに空け、冷却し、高分子化合物1004gを得
た。この高分子化合物の重量平均分子量をGPCで測定
した結果、約12000であった。この高分子化合物3
0gに、ブチルカルビトール13g、水57gを加えて
溶解し、粘度調整剤を得た。
【0031】実施例3 容量3リットルのフラスコにポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル(重量平均分子量4000)500g、苛性
カリ12g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.3
8g、キシレン600gを仕込み、窒素気流下、昇温し
て還流により脱水する。
【0032】次いで、キシレン200gに溶解したグリ
シジルメタクリレート19.6gを滴下し、5時間反応
後酢酸でpH7になるように中和する。その後還流によ
り水分を除去した後、キシレン300gで溶解したジタ
ーシャリーブチルペルオキシド2.7g、さらにキシレ
ン100gに溶解したアクリル酸2−エチルヘキシル2
4.5gを滴下し反応する。6時間反応後、減圧にて脱
溶媒を行い、キシレンの流出が止まった後、内容物を金
属製バットに空け、冷却し、高分子化合物575gを得
た。この高分子化合物の重量平均分子量をGPCで測定
した結果、約13000であった。この高分子化合物3
0gに、ブチルカルビトール13g、水57gを加えて
溶解し、粘度調整剤を得た。
【0033】実施例4 容量3リットルのフラスコにポリエチレングリコールス
テアリン酸モノエステル(重量平均分子量10000)
500g、苛性カリ3g、ハイドロキノンモノメチルエ
ーテル0.15g、キシレン500gを仕込み、窒素気
流下、昇温して還流により脱水する。
【0034】次いで、キシレン150gに溶解したグリ
シジルメタクリレート7.6gを滴下し、5時間反応後
酢酸でpH7になるように中和する。その後還流により
水分を除去した後、キシレン150gで溶解したジター
シャリーブチルペルオキシド1.2g、さらにキシレン
100gに溶解したアクリル酸n−ブチル6.8gを滴
下し反応する。9時間反応後、減圧にて脱溶媒を行い、
キシレンの流出が止まった後、内容物を金属製バットに
空け、冷却し、高分子化合物530gを得た。この高分
子化合物の重量平均分子量をGPCで測定した結果、約
30000であった。この高分子化合物30gに、ブチ
ルカルビトール13g、水57gを加えて溶解し、粘度
調整剤を得た。
【0035】実施例5 容量3リットルのフラスコにポリオキシエチレンブチル
エーテル(重量平均分子量2000)500g、苛性カ
リ28g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.24
g、キシレン800gを仕込み、窒素気流下、昇温して
還流により脱水する。
【0036】次いで、キシレン400gに溶解したグリ
シジルメタクリレート88.8gを滴下し、7時間反応
後酢酸でpH7になるように中和する。その後還流によ
り水分を除去した後、キシレン300gで溶解したジタ
ーシャリーブチルペルオキシド2.8g、さらにキシレ
ン100gに溶解したアクリル酸n−ブチル32.0g
を滴下し反応する。7時間反応後、減圧にて脱溶媒を行
い、キシレンの流出が止まった後、内容物を金属製バッ
トに空け、冷却し、高分子化合物685gを得た。この
高分子化合物の重量平均分子量をGPCで測定した結
果、約14000であった。この高分子化合物30g
に、ブチルカルビトール13g、水57gを加えて溶解
し、粘度調整剤を得た。
【0037】実施例6 容量3リットルのフラスコにポリオキシエチレンオクチ
ルエーテル(重量平均分子量3000)500g、苛性
カリ11.2g、ハイドロキノンモノメチルエーテル
0.83g、キシレン600gを仕込み、窒素気流下、
昇温して還流により脱水する。
【0038】次いで、キシレン250gに溶解したグリ
シジルメタクリレート35.5gを滴下し、5時間反応
後酢酸でpH7になるように中和する。その後還流によ
り水分を除去した後、キシレン150gで溶解したジタ
ーシャリーブチルペルオキシド1.5g、さらにキシレ
ン300gに溶解したアクリル酸n−ブチル42.7g
を滴下し反応する。9時間反応後、減圧にて脱溶媒を行
い、キシレン流出が止まった後、内容物を金属製バット
に空け、冷却し、高分子化合物590gを得た。この高
分子化合物の重量平均分子量をGPCで測定した結果、
約16000であった。この高分子化合物30gに、ブ
チルカルビトール13g、水57gを加えて溶解し、粘
度調整剤を得た。
【0039】比較例1 ネオステッカーA−150(アルカリ溶解型増粘剤:日
華化学(株)製)を粘度調整剤として用いた。
【0040】性能評価 実施例1〜6および比較例1で得られた粘度調整剤を用
いて、下記の塗料配合処方(単位は重量部)で塗料を作
成し、塗料の粘度及び塗料に対する溶解性を評価した。
その結果を表1に記す。なお、粘度の測定方法及び溶解
性の評価方法は以下の通りである。
【0041】1)塗料の粘度 BH形粘度計を用いて25℃、2rpmで測定する。
【0042】2)塗料に対する溶解性 塗料に添加後および経時での外観変化を目視で判定し
た。
【0043】 (塗料配合処方) 粘度調整剤 20 溶剤 :エチレングリコール 80 分散剤 :ディスパッテクスSMA(日華化学(株)製) 10 浸透剤 :ポリオキシエチレン(9モル)ノニル フェニルエーテル 2 顔料 :酸化チタン 230 (タイペークR−930:白石工業(株)製) バインダー:アクロナールYJ−1510D 628 (三菱化学(株)製) 造膜助剤 :キョーワノールM(協和発酵(株)製) 30 合 計 1000
【0044】
【表1】
【0045】表1に示すように、実施例1〜6で得られ
た粘度調整剤は、塗料に対して十分な増粘効果および溶
解性を有することが分かった。一方、比較例1で得られ
た粘度調整剤は、塗料に対して十分な増粘効果を有しか
つ塗料中に分散されたが、しばらく放置すると分離する
ことが分かった。
【0046】
【発明の効果】本発明の粘度調整剤を用いれば、従来の
粘度調整剤に比較して、水への溶解性、分散性及び製剤
後の増粘性、経時安定性に優れるなどの特徴を有するこ
とから、水性エマルジョンへの馴染みがよく容易に系内
に配合することが可能である。また、粘度調整剤の構造
を目的に合わせて変更することにより、所望の粘度に調
整が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉谷 強志 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内 (72)発明者 玄正 俊男 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される非イオン化
    合物及び/又は下記一般式(2)で表される非イオン化
    合物と、エチレン系不飽和基を有するエポキシ化合物と
    の反応で得られるマクロマーを、単独重合して得られる
    高分子化合物を含有する水系の粘度調整剤。 R1O(AO)mH (1) (式中、R1は炭素数1〜22の炭化水素残基を表し、
    Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、mは5〜50
    0の整数を表す。) R2COO(BO)nH (2) (式中、R2は炭素数1〜22のアルキル基またはアル
    ケニル基を表し、Bは炭素数2〜4のアルキレン基を表
    し、nは5〜500の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(1)で表される非イオン化
    合物及び/又は下記一般式(2)で表される非イオン化
    合物とエチレン系不飽和基を有するエポキシ化合物との
    反応で得られるマクロマーと、エチレン系不飽和モノマ
    ーとを共重合して得られる高分子化合物を含有する水系
    の粘度調整剤。 R1O(AO)mH (1) (式中、R1は炭素数1〜22の炭化水素残基を表し、
    Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、mは5〜50
    0の整数を表す。) R2COO(BO)nH (2) (式中、R2は炭素数1〜22のアルキル基またはアル
    ケニル基を表し、Bは炭素数2〜4のアルキレン基を表
    し、nは5〜500の整数を表す。)
  3. 【請求項3】 マクロマーとエチレン系不飽和モノマー
    とを共重合する際のの反応モル比が99:1〜1:99
    である請求項2記載の水系の粘度調整剤。
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