JPH1171494A - アクリル系複合材料成形用樹脂組成物及びアクリル系複合材料成形体の製造方法 - Google Patents

アクリル系複合材料成形用樹脂組成物及びアクリル系複合材料成形体の製造方法

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JPH1171494A
JPH1171494A JP23411097A JP23411097A JPH1171494A JP H1171494 A JPH1171494 A JP H1171494A JP 23411097 A JP23411097 A JP 23411097A JP 23411097 A JP23411097 A JP 23411097A JP H1171494 A JPH1171494 A JP H1171494A
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JP
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carboxylic acid
composite material
resin
molding
unsaturated carboxylic
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JP23411097A
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English (en)
Inventor
Koji Matsumoto
晃治 松本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単純な押出成形法により、寸法安定性及び機
械的強度に優れ、かつ美麗な石目調模様を有する成形体
を得ることを可能とするアクリル系複合材料成形用樹脂
組成物及び該成形体の製造方法を得る。 【解決手段】アクリル系樹脂と、無機充填材と、α,β
不飽和カルボン酸系モノマーと、耐熱性が押出成形温度
以上の着色合成樹脂よりなる粒状体もしくは鱗片状体
と、重合開始剤とを含むアクリル樹脂系成形材料用樹脂
組成物、並びに該樹脂組成物を押出機で押出成形するこ
とを特徴とするアクリル樹脂系複合材料成形体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出成形によりア
クリル系複合材料成形体を得るのに用いられるアクリル
系複合材料成形用樹脂組成物及び該成形体の製造方法に
関し、例えば、洗面化粧台、流し台の天板、浴槽等とし
て用いるのに適しており、人工大理石として好適な成形
体を得ることができるアクリル系複合材料成形体用樹脂
組成物及びそのような成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、透明性、硬度、耐候性及び耐熱性
などの様々な特性において優れているアクリル系樹脂粉
末をマトリクスとし、これに粉末充填材として、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、
シリカなどを1種以上均一に分散させてなるものが人工
大理石と称されており、様々な用途に用いられている。
【0003】また、特開平2−38351号公報には、
上記アクリル系樹脂をマトリックスとする組成物に、さ
らに着色合成樹脂粒状体を添加することにより、御影石
調の模様を与え得る方法が開示されている。
【0004】しかしながら、この方法では、プレス成形
により成形体を得ているため、生産性が十分でないとい
う問題があった。他方、特開昭59−91109号公報
には、メタクリレートを主成分とする重合性シラップ
と、無機充填材と、シラップを重合するための触媒とし
ての熱硬化性触媒と、滑剤とを含む組成物を押出成形し
て賦形し、加熱により重合性シラップを重合し硬化する
方法が開示されている。この方法では、押出成形により
成形体が得られるため、生産性を高めることができると
されている。
【0005】しかしながら、この方法では、アクリル系
重合性シラップを含む組成物を押出機にて賦形した後に
加熱により重合硬化するため、押出機で賦形した後に、
硬化させるに際し、その賦形された形状を保持したまま
硬化させることが困難であるという問題があった。加え
て、硬化収縮により、成形品の表面性状が低下するとい
う問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、単純
な押出成形プロセスにより、表面性状が良好であり、か
つ御影石調のような美麗な模様を呈し得る成形体を容易
に得ることを可能とする押出成形用のアクリル系複合材
料成形用樹脂組成物及びアクリル系複合材料成形体の製
造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、アクリル系樹脂と、無機充填材と、α,β不飽和カ
ルボン酸系モノマーと、押出成形に際しての押出成形温
度以上の耐熱性を有する着色合成樹脂よりなる粒状体も
しくは鱗片状体と、重合開始剤とを含むことを特徴とす
る押出成形用のアクリル系複合材料成形用樹脂組成物で
ある。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、ポリメタ
クリル酸メチル樹脂100重量部と、無機充填材50〜
500重量部と、沸点が140℃以上のα,β不飽和カ
ルボン酸系モノマー5〜40重量部と、押出成形に際し
ての押出成形温度以上の耐熱性を有する着色合成樹脂か
らなる粒状体もしくは鱗片状体1〜150重量部と、重
合開始剤とを含むことを特徴とする押出成形用アクリル
系複合材料成形用樹脂組成物である。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明に係るアクリル系複合材料成形用樹脂組成物を用
いて押出成形によりアクリル系複合材料成形体を製造す
る方法である。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
のアクリル系複合材料成形用樹脂組成物を押出温度14
0〜199℃で押出成形するに際し、押出成形品中の
α,β不飽和カルボン酸系モノマー残存量が、添加した
α,β不飽和カルボン酸系モノマー量の20重量%以下
となるように押出成形することを特徴とするアクリル系
複合材料成形体の製造方法である。以下、本発明の詳細
を説明する。
【0011】(アクリル系樹脂)本発明においては、上
記アクリル系複合材料成形用樹脂組成物には、アクリル
系樹脂が用いられる。アクリル系樹脂としては、単一の
熱可塑性アクリル系樹脂もしくは熱可塑性メタクリル系
樹脂を用いることができるが、複数種の熱可塑性(メ
タ)アクリル系樹脂を併用してもよく、好ましくは、コ
ストを低減し得るため、ポリメタクリル酸メチルが用い
られる。
【0012】なお、本発明明細書において、(メタ)ア
クリルは、アクリル及びメタクリルを総称するものとす
る。上記アクリル系樹脂の形状はペレット状であっても
よく、パウダー状であってもよいが、好ましくは、平均
粒径(メジアン系)D50が、160〜2000μmのも
のが用いられる。平均粒径が160μmより小さいと、
アクリル系樹脂間の凝集力が大きくなりすぎ、押出成形
時に無機充填材の充填量が低下することがある。200
0μmを超えると、無機充填材とアクリル系樹脂粉末と
を十分に混練することが難しくなり、まだら模様が生じ
ることがある。
【0013】(無機充填材)上記無機充填材としては、
特に限定されず、水酸化アルミニウム、エトリンガイ
ト、硅砂、ホウ砂、アルミナ、タルク、カオリン、炭酸
カルシウム、シリカ、水酸化マグネシウム、マイカ、フ
ライアッシュ、ケイ酸カルシウム、雲母、二酸化モリブ
デン、滑石、ガラス繊維、ガラスビーズ、酸化チタン、
アスベスト、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、クレ
イ、ドロマイト、ケイ酸カルシウム、カルシウム・アル
ミネート水和物等の適宜の無機充填材を用いることがで
き、これらの無機充填材の市販品を使用することができ
る。
【0014】上記無機充填材は単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。上述した無機充填材のなかで
も、コストが低く、アクリル系樹脂との屈折率が近いた
め、水酸化アルミニウムを用いることが好ましく、それ
によって大理石状の深みのある成形体を得ることがで
き、人工大理石として最適なアクリル系複合材料成形体
を得ることができる。
【0015】無機充填材の平均粒径は、1〜100μm
の範囲であることが好ましい。1μmより小さいと、押
出機内での材料粘度が上昇し、均一に混練することがで
きないことがある。100μmを超えると、成形品の表
面性状が低下することがある。
【0016】無機充填材の添加量は、上記アクリル系樹
脂100重量部に対し、50〜500重量部とすること
が好ましい。50重量部より少ないと、アクリル系樹脂
の配合割合が相対的に高くなり、コストが高くつくと共
に機械的特性が低下することがある。500重量部より
多いと、アクリル系樹脂との混練が不十分となり、押出
成形性が低下することがある。また、上記無機充填材
は、必要に応じて、シランカップリング剤やチタンカッ
プリング剤などにより表面処理されたものであってもよ
い。
【0017】(α,β不飽和カルボン酸系モノマー)上
記α,β不飽和カルボン酸系モノマーは、アクリル系樹
脂を可塑化し、無機充填材の充填割合を高くする作用、
並びに加熱により高分子化し、押出成形に際して賦形さ
れた形状を維持する作用を果たす。
【0018】上記α,βカルボン酸系モノマーとして
は、市販のα,β不飽和カルボン酸、あるいはα,β不
飽和カルボン酸エステルモノマーを用いることができ
る。もっとも、本発明においては、α,β不飽和カルボ
ン酸系モノマーは、沸点が140℃以上のものであるこ
とが好ましい。沸点が140℃未満の場合には、押出成
形時に揮発し、成形品の表面に気泡を残すことがあり、
好ましくない。
【0019】具体的には上記α,β不飽和カルボン酸と
しては、(メタ)アクリル酸などを挙げることができ、
α,β不飽和カルボン酸エステルモノマーとしては、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブ
チル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリ
ル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
アルキル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)ア
クリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルク
ロライド塩、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル
酸テトロヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸アリ
ル、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メ
タ)アクリル酸ポリエチレングリコール、ジ(メタ)ア
クリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリ
ル酸1,3−ブチレングリコール、ジメタクリル酸1,
6−ヘキサンジオール、トリメタクリル酸トリメチロー
ルプロパン、メタクリル酸2−エトキシエチル、アクリ
ル酸β−ハイドロキシエチル、アクリル酸2,2,2−
トリフルオロエチル、アクリル酸ハイドロオキシプロピ
ルなどを例示することができる。
【0020】上記α,β不飽和カルボン酸系モノマーの
沸点は、押出機の押出温度以下であることが必要であ
る。例えば、150℃で押出成形する場合、沸点が15
0℃以下であるメタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸
イソブチル、メタクリル酸t−ブチルなどを用いること
が好ましい。
【0021】上記α,β不飽和カルボン酸系モノマー
は、好ましくは、上述したアクリル系樹脂100重量部
に対し、5〜40重量部の範囲で用いられる。5重量部
より少ないと、アクリル系樹脂を十分に可塑化できず、
無機充填材を高充填することができず、押出成形性が低
下することがあり、40重量部より多いと、材料粘度が
低下しすぎ、気泡などを噛み混み、成形品の表面性状や
物性等が低下することがある。
【0022】(着色合成樹脂よりなる粒状体もしくは鱗
片状体)本発明では、得られる熱可塑性樹脂成形体に御
影石調などのような石目調の模様を表すために、着色合
成樹脂よりなる粒状体もしくは鱗片状体が用いられる。
この粒状体もしくは鱗片状体としては、押出成形時の成
形温度において、溶融しない程度の耐熱性を有するもの
であることが必要であり、α,β不飽和カルボン酸系モ
ノマーで可塑化され難いことが望ましい。押出成形時に
着色合成樹脂粒状体もしくは鱗片状体が溶融すると、ア
クリル系樹脂と混ざり合い、御影石調の外観が得られ難
くなる。
【0023】請求項4に記載の発明では、押出成形温度
が140〜199℃であるため、この温度で溶融しない
着色合成樹脂が用いられる。具体的には、上記着色合成
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートなどの熱可塑性ポリエステル類、塩
化ビニル樹脂、ポリイミド、ポリスルホン酸樹脂などの
熱可塑性樹脂、フェノール、メラミン、不飽和ポリエス
テル、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化体などに顔
料を練り混んだり、これらの表面を着色したものを用い
ることができる。
【0024】粒状体の場合、その粒径は特に限定される
わけではないが、0.1〜5mmであることが好まし
く、鱗片状体の場合では、最大長が0.1〜5mmの範
囲にあることが好ましい。粒径や最大長が0.1mmよ
り小さいと、模様が不鮮明となることがあり、5mmよ
り大きいと押出成形時にバレル内で詰まり易くなること
がある。
【0025】着色合成樹脂よりなる粒状体もしくは鱗片
状体としては、径や色の異なるものを複数種用いてもよ
く、それによって、より美麗な石目調の模様を得ること
ができる。
【0026】粒状体もしくは鱗片状体の配合割合は、ア
クリル系樹脂100重量部に対し、1〜150重量部と
することが好ましい。配合割合が1重量部未満では石目
調の模様を得ることが困難であり、150重量部より多
いと成形品の物性が低下することがある。
【0027】(重合開始剤)本発明において、上記重合
開始剤は、上述したα,β不飽和カルボン酸系モノマー
を加熱により重合させるために用いられ、該不飽和カル
ボン酸系モノマーの重合を誘発し得る限り、任意の重合
開始剤を用いることができる。
【0028】請求項4に記載の発明では、140〜19
9℃の押出温度で成形が行われるため、重合開始剤とし
ては、この温度範囲でα,β不飽和カルボン酸系モノマ
ーの重合を誘発し得るものであることが必要である。
【0029】好ましくは、重合開始剤としては、10時
間半減期温度が80〜130℃のものが用いられる。1
0時間半減期温度が80℃未満の場合には、押出成形時
のモノマーが急速に硬化しすぎ、押出成形することがで
きないことがあり、130℃を超えると押出成形時にモ
ノマーを硬化することができないことがある。
【0030】上記重合開始剤としては、具体的には、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケ
トンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキ
サイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジクミルパ
ーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミル
パーオキサド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、Tri
s(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、1,1−ジ−
t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘ
キサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、
4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリック−n−ブ
チル酸エステル、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチ
ルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチ
ルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチル
パーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、
t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシ
カルボニルオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコールビ
ス(t−ブチルパーオキシカーボネート)等が挙げられ
る。
【0031】上記重合開始剤の配合割合については、
α,β不飽和カルボン酸系モノマーの組み合わせによっ
て異なるため、一義的には定め得ないが、通常、α,β
不飽和カルボン酸系モノマー20重量部に対し、0.0
1〜0.5重量部程度の範囲で用いられる。
【0032】(請求項2に記載の発明に係る樹脂組成
物)請求項2に記載の発明に係る押出成形用のアクリル
系複合材料成形用樹脂組成物は、請求項1に記載の発明
に係る樹脂組成物の好ましい態様であり、アクリル系樹
脂としては、ポリメタクリル酸メチル樹脂100重量
部、無機充填材50〜500重量部、沸点が140℃以
上のα,β不飽和カルボン酸系モノマー5〜40重量
部、押出成形に際しての押出成形温度以上の耐熱性を有
する着色合成樹脂からなる粒状体もしくは鱗片状体1〜
150重量部と、重合開始剤とを含む。使用し得る各成
分については、上述した説明の通りである。
【0033】(請求項3に記載の発明に係るアクリル系
複合材料成形体の製造方法)請求項3に記載の発明に係
るアクリル系複合材料の成形体の製造方法は、請求項1
に記載の発明に係るアクリル系複合材料成形用樹脂組成
物を押出機を用いて押出成形することを特徴とする。こ
の押出成形の方法自体については、特に限定されず、従
来より一般的に公知の押出成形法により行うことがで
き、上述した各成分を予め均一に混合した後、粉体状と
して押出機に投入したり、あるいはα,β不飽和カルボ
ン酸系モノマーを除く配合物を混合した後ホッパーより
投入し、次にα,β不飽和カルボン酸系モノマーをポン
プで押出機内へ直接滴下したりする方法などを用いるこ
とができる。
【0034】押出に際しての成形温度については、使用
するアクリル系樹脂、α,β不飽和カルボン酸系モノマ
ー等によって異なるが、140〜199℃の範囲とする
ことが好ましい。140℃より低いと、無機充填材を十
分に混練できず、押出成形性が低下することがあり、1
99℃より高いと着色合成樹脂粒状体もしくは鱗片状体
が溶融し易くなり、石目調の模様を得ることができない
ことがある。
【0035】(請求項4に記載の発明に係るアクリル系
複合材料成形体の製造方法)請求項4に記載の製造方法
では、請求項2に記載のアクリル系複合材料成形用樹脂
組成物を、押出温度140〜199℃で押出成形するに
際し、押出成形品調のα,β不飽和カルボン酸系モノマ
ー残存量が、添加したα,β不飽和カルボン酸系製造方
法の20重量%以下となるように押出成形する。
【0036】押出成形の具体的な工程については、従来
より一般的な押出成形方法により行うことができる。も
っとも、押出温度は、140〜199℃とすることが必
要であり、140℃より低いと無機充填材を十分に混練
できず、押出成形が低下し、199℃より高いと着色合
成樹脂粒状体もしくは鱗片状体が溶融し易くなり、石目
調の模様を得難くなる。
【0037】また、押出成形により得られた成形品中の
不飽和カルボン酸系モノマー残存割合が20重量%を超
えると、得られる成形品の物性が低下する。従って、請
求項4に記載の発明では、上記α,β不飽和カルボン酸
系モノマーの残存割合が20重量%以下とされる。
【0038】(用途)本発明では、上記製造方法によ
り、押出成形され、成形品が得られるが、この成形品
は、例えば、洗面化粧台、流し台の天板、浴槽などの人
工大理石を用いることが望ましい各種用途に用いること
ができる。
【0039】(作用)請求項1に記載の発明に係るアク
リル系複合材料成形用樹脂組成物では、アクリル系樹脂
及び無機充填材を含む組成に、α,β不飽和カルボン酸
系モノマーと、上記着色合成樹脂よりなる粒状体もしく
は鱗片状体と、重合開始剤とが加えられているため、押
出成形した場合、α,β不飽和カルボン酸系モノマーが
押出機の上流部で可塑剤として作用し、無機充填材の高
充填化及びアクリル系樹脂の低温押出化を図ることがで
き、押出機の下流部では、α,β不飽和カルボン酸系モ
ノマーが重合・硬化し、高分子となり、押出成形された
成形品の形状を維持するように作用する。しかも、α,
β不飽和カルボン酸系モノマーは、押出機の下流部で
は、上記のように高分子となるため、最終的な成形品の
物性等に悪影響を与えない。
【0040】さらに、上記着色合成樹脂よりなる粒状体
もしくは鱗片状体が、溶融することなく成形体に分散さ
れることになるため、例えば成形品表面に美麗な石目調
の模様を表すことができる。
【0041】請求項2に記載の発明に係るアクリル系複
合材料成形用樹脂組成物では、ポリメタクリル酸メチル
樹脂、無機充填材、沸点が140℃以上のα,β不飽和
カルボン酸系モノマー、着色合成樹脂よりなる粒状体も
しくは鱗片状体及び重合開始剤が、上述した特定の割合
で配合されているため、140〜199℃の温度で押出
成形することができ、それによって請求項1に記載の発
明と同様に、所望の形状の成形品であって、物性が安定
であり、かつ表面に美麗な石目調の模様が表された成形
体を得ることができる。
【0042】請求項3に記載の発明に係るアクリル系複
合材料成形体の製造方法では、請求項1に記載のアクリ
ル系複合材料成形用樹脂組成物を押出成形するものであ
るため、上述した通り、α,β不飽和カルボン酸系モノ
マーの作用により所望の形状の成形品を安定に得ること
ができるとともに、着色合成樹脂よりなる粒状体もしく
は鱗片状体の作用により表面に美麗な模様が付された成
形品を容易に得ることができる。
【0043】請求項4に記載の発明においても、請求項
2に記載の発明に係るアクリル系複合材料成形用樹脂組
成物を押出温度140〜199℃で押出成形するに際
し、上記α,β不飽和カルボン酸系モノマーの残存割合
を20重量%となるように押出成形が行われるため、得
られる成形品中におけるα,β不飽和カルボン酸系モノ
マー含有量が少なくされており、従って、物性等におい
てより一層優れた成形体を得ることができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を説明する。なお、以下において、部
は重量部を意味するものとする。
【0045】(実施例1) ポリメタクリル酸メチル樹脂(住友化学社製、商品名:
スミペックBLG6A、平均粒径D50=300μm)1
00部 無機充填材として、水酸化アルミニウム(住友化学社
製、商品名:CW308)400部 α,β不飽和カルボン酸系モノマーとして、メタクリル
酸シクロヘキシル20部 着色合成樹脂粒状体あるいは鱗片状体として、ポリエス
テル着色粒状体(三洋化成社製、商品名:サンカラーS
T 白0.3mm粉)10部、ポリエステル着色鱗片状
体(三洋化成社製、商品名:サンカラーST 白2mm
粉)10部、ポリエステル着色粒状体(三洋化成社製、
商品名:サンカラーST 黒0.3mm粉)10部、ポ
リエステル着色鱗片状体(三洋化成社製、商品名:サン
カラーST 黒2mm粉)10部 重合開始剤として、クメンハイドロパーオキサイド0.
05部 以上の成分を均一となるように混合した後、押出機のホ
ッパーに投入し、押出成形温度180℃でシート状(1
50mm幅×3mm厚)に押し出した。
【0046】(実施例2) ポリメタクリル酸メチル樹脂(住友化学社製、商品名:
スミペックBLG6A、平均粒径D50=300μm)1
00部 無機充填材として、炭酸カルシウム(日東粉化社製、商
品名:NS−100)400部 α,β不飽和カルボン酸系モノマーとして、アクリル酸
nブチル20部 着色合成樹脂粒状体あるいは鱗片状体として、ポリエス
テル着色粒状体(三洋化成社製、商品名:サンカラーS
T 白0.3mm粉)10部、ポリエステル着色鱗片状
体(三洋化成社製、商品名:サンカラーST 白2mm
粉)10部、ポリエステル着色粒状体(三洋化成社製、
商品名:サンカラーST 黒0.3mm粉)10部、ポ
リエステル着色鱗片状体(三洋化成社製、商品名:サン
カラーST 黒2mm粉)10部 重合開始剤として、t−ブチルパーオキシベンゾエート
0.05部 以上の成分を均一となるように混合した後、押出機のホ
ッパーに投入し、押出成形温度150℃でシート状(1
50mm幅×3mm厚)に押し出し、成形体を得た。
【0047】(比較例1) アクリル系樹脂として、ポリメクタリル酸メチル樹脂
(住友化学社製、商品名:スミペックBLG6A、平均
粒径D50=300μm)100部 無機充填材として、炭酸カルシウム(日東粉化社製、商
品名:NS−100)200部 以上の成分を均一となるように混合した後、押出機にホ
ッパーから投入した。押出成形温度210℃とし、シー
ト状(150mm幅×3mm厚)に押し出し、成形体を
得た。
【0048】(比較例2) アクリル系樹脂として、ポリメタクリル酸メチル樹脂
(住友化学社製、商品名:スミペックBLG6A、平均
粒径D50=300μm)100部 無機充填材として、炭酸カルシウム(日東粉化社製、商
品名:NS−100)400部 α,β不飽和カルボン酸系モノマーとして、メタクリル
酸シクロヘキシル20部 着色合成樹脂粒状体あるいは鱗片状体として、ポリエス
テル着色粒状体(三洋化成社製、商品名:サンカラーS
T 白0.3mm粉)10部、ポリエステル着色鱗片状
体(三洋化成社製、商品名:サンカラーST 白2mm
粉)10部、ポリエステル着色粒状体(三洋化成社製、
商品名:サンカラーST 黒0.3mm粉)10部、ポ
リエステル着色鱗片状体(三洋化成社製、商品名:サン
カラーST 黒2mm粉)10部 重合開始剤として、クメンハイドロパーオキサイド0.
01部 以上の成分を均一となるように混合した後、押出機のホ
ッパーに投入し、押出成形温度210℃でシート状(1
50mm幅×3mm厚)に押し出した。
【0049】(評価)実施例1,2及び比較例1,2で
得た成形体、すなわちシートについて、押出成形性及
び成形品の成形表面性、成形品の残存α,β不飽和カ
ルボン酸系モノマー量(重量%)、及び曲げ試験を以
下の要領で評価した。
【0050】押出成形性及び成形品の表面性…押出成
形性及び成形品の表面性について、下記のA〜Cの3段
階評価した。 A:押出成形可能であり、成形品の表面性が良好。 B:押出成形可能であったが、成形品表面に気泡が見ら
れ、混練不良等が認められた。 C:押出成形できなかった。
【0051】残存モノマー量…成形体シート中のα,
β不飽和カルボン酸系モノマー量を、アセトンを用いて
抽出し、ガスクロマトグラフィーで測定し、このモノマ
ー量の添加したα,β不飽和カルボン酸系モノマーに対
する割合を重量百分率で表した。
【0052】曲げ試験…得られた成形体を、JIS
K7055に準じて曲げ試験を行い、評価した。実施例
及び比較例の配合割合を表1に、評価結果を表2に示
す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】表2から明らかなように、比較例1では、
α,β不飽和カルボン酸系モノマーを配合しなかったた
め、押出成形できなかった。比較例2では、着色合成樹
脂の耐熱温度よりも成形押出温度が高かったためか、ポ
リメタクリル酸メチル樹脂と着色合成樹脂とが完全に混
合して表面に石目調模様が形成できなかった。
【0056】これに対して、実施例1,2では、押出成
形性が良好であり、成形品表面に石目調の模様が形成さ
れていた。また、得られたシート状成形体の曲げ強度も
60MPa以上と高かった。
【0057】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係るアクリル系
複合材料成形用樹脂組成物によれば、アクリル系樹脂
と、無機充填材と、α,β不飽和カルボン酸系モノマー
と、重合開始剤とを含むため、請求項3に記載のように
押出成形に用いた場合、α,β不飽和カルボン酸系モノ
マーが押出し当初には可塑剤として作用するため無機充
填材を高充填することができ、かつ押出しプロセスの後
段においては、該α,β不飽和カルボン酸性モノマーが
重合硬化して高分子となるため、賦形された形状を維持
した所望の形状通りの成形品を確実に得ることが可能と
なる。加えて、上記着色合成樹脂よりなる粒状体及び/
または鱗片状体により石目調の美しい外観を成形品に与
えることができる。
【0058】請求項2に記載の発明に係るアクリル系複
合材料成形用樹脂組成物では、ポリメタクリル酸メチル
樹脂、無機充填材、沸点が140℃以上のα,β不飽和
カルボン酸系モノマー、着色合成樹脂よりなる粒状体も
しくは鱗片状体及び重合開始剤が、上述した特定の割合
で配合されているため、請求項4に記載の発明のよう
に、140〜199℃の温度で押出成形することがで
き、それによって請求項1に記載の発明と同様に、所望
の形状の成形品であって、物性が安定であり、かつ表面
に美麗な石目調の模様が表された成形体を得ることがで
きる。
【0059】また、請求項4に記載の発明では、140
〜199℃の温度で押出成形により得られた成形体の
α,β不飽和カルボン酸系モノマー残存量が添加したモ
ノマー量の20重量%以下とされているので、該α,β
不飽和カルボン酸系モノマーの残存量が少ない成形体を
得ることができ、従って、物性の良好なアクリル系複合
材料成形体を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系樹脂と、無機充填材と、α,
    β不飽和カルボン酸系モノマーと、押出成形に際しての
    押出成形温度以上の耐熱性を有する着色合成樹脂よりな
    る粒状体もしくは鱗片状体と、重合開始剤とを含むこと
    を特徴とする押出成形用のアクリル系複合材料成形用樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリメタクリル酸メチル樹脂100重量
    部と、 無機充填材50〜500重量部と、 沸点が140℃以上のα,β不飽和カルボン酸系モノマ
    ー5〜40重量部と、 押出成形に際しての押出成形温度以上の耐熱性を有する
    着色合成樹脂からなる粒状体もしくは鱗片状体1〜15
    0重量部と、 重合開始剤とを含むことを特徴とする押出成形用のアク
    リル系複合材料成形用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のアクリル系複合材料成
    形用樹脂組成物を押出機を用いて押出成形することを特
    徴とするアクリル系複合材料成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のアクリル系複合材料成
    形用樹脂組成物を押出温度140〜199℃で押出成形
    するに際し、押出成形品中のα,β不飽和カルボン酸系
    モノマー残存量が、添加したα,β不飽和カルボン酸系
    モノマー量の20重量%以下となるように押出成形する
    ことを特徴とするアクリル系複合材料成形体の製造方
    法。
JP23411097A 1997-08-29 1997-08-29 アクリル系複合材料成形用樹脂組成物及びアクリル系複合材料成形体の製造方法 Pending JPH1171494A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015086358A (ja) * 2013-09-26 2015-05-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 熱硬化性(メタ)アクリル樹脂組成物及び成形体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015086358A (ja) * 2013-09-26 2015-05-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 熱硬化性(メタ)アクリル樹脂組成物及び成形体

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