JPH1171411A - プロピレンの重合方法 - Google Patents

プロピレンの重合方法

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JPH1171411A
JPH1171411A JP17113798A JP17113798A JPH1171411A JP H1171411 A JPH1171411 A JP H1171411A JP 17113798 A JP17113798 A JP 17113798A JP 17113798 A JP17113798 A JP 17113798A JP H1171411 A JPH1171411 A JP H1171411A
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JP
Japan
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propylene
propane
polymerization
polymerization reactor
distillation
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JP17113798A
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English (en)
Inventor
Shigeki Hayashi
茂 樹 林
Hiroshi Nishikawa
河 博 史 西
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】重合反応器系のプロパンを蒸留により効率よく
抜き出してプロピレンを効率よく重合させることができ
るとともに、プロピレンの蒸留設備を小型化することが
できるプロピレンの重合方法。 【解決手段】プロパンを0.1重量%以上20重量%以
下の量で含有するプロピレンを重合反応器に供給すると
ともに、該重合反応器から排出される未反応プロピレン
の少なくとも一部を蒸留して、該未反応プロピレン中に
含まれるプロパンを除去するとともに、精製されたプロ
ピレンを上記重合反応器に循環させて、重合反応器系の
プロパンを抜き出す工程を含む。重合反応器から排出さ
れる未反応プロピレン中のプロパン濃度は、通常90〜
98重量%であり、蒸留後に反応器に循環される精製プ
ロピレン濃度は、60〜98重量%とすることができ
る。蒸留後のプロピレンの少なくとも一部は液状で反応
器に循環させることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、重合反応器から不純物と
してのプロパンを効率的に抜き出して、プロピレンを効
率よく重合させるプロピレンの重合方法に関し、さらに
重合熱を有効的に利用することもできるプロピレンの重
合方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】オレフィンの重合では、一般的に
重合原料は予め精製して重合系に供給されている。この
重合原料の精製では、通常、重合原料から重合反応に影
響を及ぼす不純物が除去されるだけでなく、重合反応に
不活性であって、かつ得られる重合体製品の品質に悪影
響を及ぼさない不純物も除去されている。
【0003】とくにプロピレンを重合原料とする場合に
は、上記のような重合反応には不活性な不純物としてプ
ロパンが挙げられる。すなわちプロピレンは通常不純物
としてプロパンを含んでおり、具体的に工業グレードの
プロピレン中には、5重量%程度のプロパンが含まれて
いる。
【0004】ところでプロピレンの重合においては、通
常、気相重合あるいは液相重合にかかわらず、重合反応
器から排出される未反応プロピレンを冷却して液状ある
いはガス状で重合反応器に循環させることにより、重合
反応に再利用している。
【0005】このような未反応プロピレンの循環では、
未反応プロピレンはプロパンを含んだまま循環される。
プロパンは重合反応に不活性であって重合では消費され
ないので、原料プロピレンに同伴して重合反応器内に混
入したプロパンは重合の進行とともに蓄積して重合反応
器内のプロパン濃度は高くなり、相対的にプロピレンの
反応容積(効率)を低下させるようになる。
【0006】これを防止するため、プロピレンは、通
常、上記のようにプロパンを除去してから重合反応器に
供給されている。しかしながらプロピレンからプロパン
を分離除去しようとすると、常圧では、プロピレン(沸
点−47.0℃)とプロパン(沸点−42.1℃)との沸
点が低く、これらを簡便な蒸留装置により分離すること
は困難である。このためプロピレンの蒸留精製は、通
常、高圧下で行なわれているが、蒸留圧力を高くするほ
どプロピレンとプロパンとの沸点差が小さくなるため、
還流比を大きくすることが必要となり、蒸留設備が大型
化する上に、エネルギ消費量も膨大化する。また大型の
高圧蒸留装置は極めて高価であるため、プロピレンの精
製コストがかかり、ポリプロピレンの製造コストが上昇
してしまうという問題点があった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、プロピレンとプロパンとの分
離に用いられる蒸留設備を小型化し、かつエネルギー消
費量を低減できるとともに、重合反応器からのプロパン
を効率よく抜き出して、プロピレンを効率よく重合させ
ることができるプロピレンの重合方法を提供することを
目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係るプロピレンの重合方法は、
重合反応器から排出される未反応プロピレンを重合反応
器に循環させながらプロピレンを重合させるに際して、
重合原料として、プロパンを0.1重量%以上20重量
%以下の量で含有するプロピレンを重合反応器に供給す
るとともに、該重合反応器から排出される未反応プロピ
レンの少なくとも一部を蒸留して、該未反応プロピレン
中に含まれるプロパンを除去するとともに、精製された
プロピレンを上記重合反応器に循環させて、重合反応器
系のプロパンを抜き出す工程を含むことを特徴としてい
る。
【0009】上記において、重合反応器から排出され蒸
留精製される未反応プロピレンは、重合反応器から排出
されるプロピレンとプロパンとの合計を100重量%と
するとき、通常プロパンを0.1〜60重量%の量で含
有していることが好ましい。
【0010】蒸留により除去されるプロパンは、蒸留に
より除去されるプロパンとプロピレンとの合計量を10
0重量%とするとき、90〜98重量%の濃度であるこ
とが望ましい。
【0011】また蒸留後に重合反応器に循環されるプロ
ピレンは、蒸留装置から重合反応器に循環されるプロパ
ンとプロピレンとの合計量を100重量%とするとき、
60〜98重量%の濃度であることが望ましい。
【0012】上記のように蒸留によりプロパンが除去さ
れ、精製されたプロピレンを重合反応器に循環させるこ
とにより、重合反応器内のプロピレン濃度(あるいはプ
ロパン濃度)を制御することができ、これにより重合圧
力を変更することができる。
【0013】蒸留後に重合反応器に循環される精製プロ
ピレンの少なくとも一部は、液状であることが好まし
い。本発明では、このように重合反応器に循環される精
製プロピレンの気液分率(液状化量)と、前記重合反応
器から排出される未反応プロピレン量とをコントロール
することによって、重合反応器内の重合温度を制御する
ことができる。本願製法を上述したような態様に基づい
て行うと、プロパンを効率よく重合反応系から除去する
ことができ、またプロピレンを効率よく重合することが
できる。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るプロピレンの
重合方法について具体的に説明する。なお本発明におい
て、「重合」という語は単独重合のみならず共重合を包
含した意味で用いられることがあり、また「重合体」と
いう語は単独重合体のみならず、共重合体を包含した意
味で用いられることがある。
【0015】本発明に係るプロピレンの重合方法は、重
合反応器から排出される未反応プロピレンを重合反応器
に循環させながらプロピレンを重合させるに際して、重
合原料として、プロパンを0.1重量%以上20重量%
以下の量で含有するプロピレンを重合反応器に供給する
とともに、該重合反応器から排出される未反応プロピレ
ンの少なくとも一部を蒸留して、該未反応プロピレン中
に含まれるプロパンを除去するとともに、精製されたプ
ロピレンを上記重合反応器に循環させて、重合反応器系
のプロパンを抜き出す工程を含むことを特徴としてい
る。
【0016】プロピレンの重合に用いられる原料プロピ
レンは、水分、一酸化炭素、二酸化炭素、アルコールな
どの重合反応に悪影響を与える不純物を含んでいること
がある。このような重合反応に悪影響を与える不純物
は、プロピレンを重合反応器内に供給する前に、必要に
応じて吸着処理などにより除去することがある。ところ
が原料プロピレンは、重合反応には不活性な不純物たと
えばプロパンをかなり多量に含んでいる。蒸留効率を向
上させるためには、原料プロピレン中のプロピレンとプ
ロパンとの合計を100重量%とするとき、プロパンの
最小濃度は、0.1重量%、好ましくは0.5重量%、さ
らに好ましくは5重量%であることが望ましい。また重
合効率を向上させるためには、原料プロピレン中のプロ
ピレンとプロパンとの合計を100重量%とするとき、
プロパンの最大濃度は、20重量%、好ましくは10重
量%であることが望ましい。
【0017】前述のようにプロパンとプロピレンとの分
離は、蒸留によらなければならないが、本発明では原料
プロピレンから重合反応に悪影響を与える不純物は通常
吸着などによって除去するが、原料プロピレンからプロ
パンを実質的に除去せずに重合反応器に供給する。
【0018】本発明では、プロピレンの重合は、液相
(スラリーあるいは均一溶液)重合、あるいは気相重合
のいずれであってもよい。またプロピレンを単独重合さ
せてもよく、プロピレンと後述するような他のモノマー
とを共重合させてもよい。共重合モノマーに含まれる不
純物としてのプロパンはプロピレンと同様に供給前に予
め除去する必要はない。
【0019】反応系には、プロピレン、共重合モノマー
とともに分子量調節剤としての水素、ヘキサンなどの重
合不活性な炭化水素溶媒あるいは窒素などの不活性ガス
などが存在していてもよい。
【0020】重合条件は、プロピレン重合体の所望物
性、共重合モノマーの種類および共重合割合、重合形態
などによっても異なるが、通常、重合圧力は常圧〜10
0kg/cm2好ましくは常圧〜50kg/cm2であり、重合温
度は20〜200℃好ましくは40〜150℃である。
重合は2段以上で行うこともできる。生成するプロピレ
ン重合体の分子量は、水素(分子量調節剤)の使用量を
制御することにより、また重合温度などの重合条件を変
更することにより調節することができる。
【0021】以下に図を参照しながらより具体的に説明
する。図1に、本発明に係るプロピレンの重合方法を液
相重合で実施する例を模式的に示す。
【0022】上記のようにプロパンを0.1重量%以上
20重量%以下の量で含有する原料プロピレンを、原料
ライン1aから、通常液状で重合反応器1に供給する。
重合反応器1では、触媒ライン1bから供給された後述
するような触媒の存在下に、液相でプロピレンを重合
(またはプロピレンとたとえば原料ライン1aから供給
される共重合モノマーとを共重合)させる。重合反応器
1には、必要に応じてたとえばヘキサンなどの炭化水素
溶媒を任意の供給ライン(図示せず)から供給すること
もできる。
【0023】重合反応器1から排出される重合液は、プ
ロピレン重合体と未反応プロピレンとを含んでおり、こ
の重合液はライン1cから熱交換器2を介して分離器3
(たとえばフラッシュドラムまたはホッパー)に導か
れ、該分離器3でプロピレン重合体と未反応プロピレン
とに分離された後、プロピレン重合体はライン3bから
回収される。
【0024】一方、未反応プロピレンは、分離器3の循
環ライン3aから圧縮機4を介して重合反応器1に循環
されるが、該未反応プロピレンは、原料に同伴して混入
したプロパンを含有している。また未反応プロピレン
は、水素、共重合モノマー、触媒成分などを含有してい
てもよい。
【0025】本発明では、この未反応プロピレンを重合
反応器1に循環するに際して、未反応プロピレンの少な
くとも一部からプロパンを蒸留除去した後、重合反応器
1に循環させている。具体的には、循環ライン3aの未
反応プロピレンの少なくとも一部を、ライン5aを介し
て蒸留装置5に導き、蒸留によりプロピレンとプロパン
とを分離する。
【0026】この際未反応プロピレンは、重合反応器1
内のプロパン濃度に応じた量で循環ライン3aから蒸留
装置5に導けばよく、循環ライン3aの未反応プロピレ
ンの一部であってもまたは全部であってもよいが、通
常、循環ライン3aの未反応プロピレンのうちの50〜
100重量%程度を蒸留装置5に導くことが望ましい。
【0027】上記のように蒸留装置5で分離されたプロ
パンはライン5cから反応系外へ排出される。一方、精
製されたプロピレンは熱交換器6で冷却された後ライン
5bを介して重合反応器1に循環される。この際、精製
プロピレンの少なくとも一部を液状化して重合反応器1
に循環させることが好ましい。
【0028】図2には、本発明に係るプロピレンの重合
方法を気相重合で実施する例を模式的に示す。原料ライ
ン11aから図1と同様の原料プロピレンを重合反応器
11に供給する。
【0029】重合反応器11では、触媒ライン11bか
ら供給された触媒の存在下に、気相でプロピレンを重合
(またはプロピレンと他のモノマーとを共重合)させ
る。重合反応器11には、たとえば窒素などの不活性ガ
スを必要に応じて供給することもできる。
【0030】生成するプロピレン重合体は、ポリマー回
収口11cから連続的あるいは断続的に抜き出される。
一方、重合反応器11のライン11dから排出される未
反応プロピレンは、原料に同伴して混入したプロパンを
含有している。また水素、共重合モノマーおよび不活性
ガスさらに触媒成分などを含有していてもよい。
【0031】この未反応プロピレンは、通常、熱交換器
12で冷却された後、分離器(気液分離器)13で凝縮
液とガス相とに分離され、ガス相は圧縮機14を介して
ライン13aから重合反応器11に循環され、凝縮液は
ライン13bから重合反応器11に循環される。
【0032】本発明では、このライン13bの凝縮液
(未反応プロピレン)の少なくとも一部を、ライン5a
を介して蒸留装置5に導き、蒸留によりプロピレンとプ
ロパンとを分離する。以下図1と同様にしてプロピレン
を蒸留精製して、プロパンを系外へ排出するとともに精
製プロピレンを重合反応器11に循環させる。すなわ
ち、未反応プロピレン(凝縮液)は、重合反応器1内の
プロパン濃度に応じた量で循環ライン13bから蒸留装
置5に導けばよく、循環ライン13bの未反応プロピレ
ンの一部であってもまたは全部であってもよいが、通
常、循環ライン13bの未反応プロピレンのうちの50
〜100重量%程度を蒸留装置5に導くことが望まし
い。
【0033】蒸留装置5で分離されたプロパンはライン
5cから反応系外へ排出される。一方、精製されたプロ
ピレンは熱交換器6で冷却された後ライン5bを介して
重合反応器11に循環される。この際精製プロピレンの
少なくとも一部を液状化して重合反応器11に循環させ
ることが好ましい。
【0034】上記のような図1および図2において、蒸
留装置5での未反応プロピレンからプロパンの蒸留分離
についてより詳細に説明する。未反応プロピレンからプ
ロパンの蒸留分離は、重合反応の開始と同時に行なって
もよく、また重合反応が定常運転になってから行なって
もよいが、未反応プロピレン中のプロパンが高濃度であ
るほど蒸留効率はよい。したがって本発明では、重合開
始直後すなわち反応系のプロパン濃度が定常運転時より
も低いときから蒸留を開始してもよいが、反応系にプロ
パンが蓄積され、重合反応器から排出される未反応プロ
ピレン中のプロパン濃度がある程度高くなってから実施
する方が蒸留効率は向上する。また重合反応開始前に重
合反応器内のプロパン濃度が定常運転時と同じとなるよ
うに予めプロパンを仕込み、重合反応開始直後に蒸留を
開始することもできる。またこの蒸留は必要に応じて定
常状態に到達後も蒸留速度を変更し、場合によっては一
時的にトータリフラックスの状態を保ってもよい。
【0035】本発明では、具体的にプロパンを0.1〜
60重量%の量、好ましくは5〜60重量%、より好ま
しくは10〜50重量%、さらに好ましくは10〜40
重量%の量で含有する未反応プロピレンを蒸留すること
が望ましい。このプロパンの濃度は、未反応プロピレン
中のプロピレンとプロパンとの合計を100重量%とす
るときの値であり、また実質的に重合反応器1内のプロ
パンの濃度である。
【0036】蒸留装置5としては、一般的に公知の低圧
或いは高圧の精留塔を用いることができるが、上記のよ
うにプロパンを高濃度で含有する未反応プロピレンを蒸
留する本発明では、精留塔は、回収段(回収部)を有す
る構造であればよく、必要に応じて濃縮段(濃縮部)を
有していればよい。このような未反応プロピレンの蒸留
精製は、従来公知の条件下で行うことができる。
【0037】本発明では、上記のようにプロパンを除去
していない重合原料を重合反応器に供給しているので、
特にプロパンが重合反応器内で高濃度に濃縮されてお
り、プロパンを高濃度に含む未反応プロピレンを蒸留す
ると、未反応プロピレンからプロパンを効率良く蒸留除
去することができ、蒸留装置を小型化することができ
る。
【0038】すなわち本発明では、原料プロピレンを蒸
留精製する場合に比べて、濃縮段を必要に応じて設けれ
ばよいだけでなく、回収段も著しく低減することがで
き、蒸留装置を著しく小型化することができるととも
に、また還流比を小さくできるのでプロパンを除去する
ためのエネルギー消費量を低減することができる。
【0039】上記のような蒸留によりライン5cから反
応系外へ排出されるプロパンの濃度は、ライン5cから
排出されるプロパンとプロピレンとの合計を100重量
%とするとき、プロパンを90〜98重量%、好ましく
は94〜98重量%であること望ましい。
【0040】また蒸留装置5で精製され、ライン5bか
ら重合反応器に循環されるプロピレンの濃度は、蒸留装
置5から重合反応器に循環されるプロピレンとプロパン
との合計を100重量%とするとき、60〜98重量
%、好ましくは70〜95重量%であることが望まし
い。
【0041】このように精製されたプロピレンを重合反
応器に循環させることにより、重合反応器内のプロピレ
ン濃度(あるいはプロパン濃度)を制御することがで
き、これによって重合圧力を変更することができる。ま
たライン5bから循環させるプロピレンの液状化量すな
わちプロピレンの気液分率をコントロールし、かつ重合
反応器から排出される未反応プロピレン量をコントロー
ルすることによって重合反応器内の重合温度を制御する
ことができる。
【0042】なお上記には、本発明に係るプロピレンの
重合方法の液相重合例と気相重合例についての模式図を
示したが、本発明はこれら図に限定されるものではな
い。本発明では、上記のようなプロピレンの重合では、
プロピレンと他のモノマーとを共重合させることがで
き、具体的に、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘ
キセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン
などの炭素数2〜18のα−オレフィン、炭素数2〜1
8のシクロオレフィン、スチレンなどのCR2=CR−
Ph(Rはそれぞれ独立に水素またはメチルであり、P
hはフェニル基またはp-アルキル置換フェニル基であ
り、これらはハロゲン置換基を有していてもよい。)で
示されるビニリデン芳香族モノマー類、塩化ビニル、酢
酸ビニル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸メチル、テ
トラフルオロエチレン、ビニルエーテル、アクリロニト
リルなどのビニル型モノマー類、ブタジエン、イソプレ
ンなどの共役ジエン類、1,4-ヘキサジエン、ジシクロペ
ンタジエン、5-ビニル-2-ノルボルネンなどの非共役ポ
リエン類、アセチレン、メチルアセチレンなどのアセチ
レン類、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類などを共
重合させてもよい。
【0043】上記のような他のモノマーを2種以上併用
してもよい。また触媒としては、メタロセン触媒、チー
グラー型チタン触媒、フィリップ型酸化クロム触媒など
のプロピレン重合用触媒として公知の触媒を特に限定す
ることなく用いることができる。
【0044】このようなプロピレン重合用触媒は、通
常、遷移金属触媒成分と、助触媒成分と、好ましくは電
子供与体とから形成される。遷移金属触媒成分として
は、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属化合物
[A]が用いられ、この遷移金属化合物は、たとえば下
記式(i) で示される。
【0045】MLx …(i) 式中、MはZr、Ti、Hf、V、Nb、TaおよびC
rから選ばれる遷移金属である。Lは遷移金属に配位す
る配位子であり、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、
置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキルシリ
ル基、SO3R基(ここで、Rはハロゲンなどの置換基
を有していてもよい炭素数1〜8の炭化水素基)であ
る。xは遷移金属の原子価である。
【0046】ハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素などが挙げられる。炭素数1〜30の炭化水素基と
しては、具体的に、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、
フェニル基、トリル基、シクロペンタジェニル基などの
アリール基、ベンジル基、ネオフィル基などアラルキル
基などが挙げられる。
【0047】シクロアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基は、その一部がハロゲン原子、アルキル基、トリア
ルキルシリル基などで置換されていてもよい。また炭化
水素基が、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基であり、かつ複数配位している場合には、エチレン、
プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデン、ジ
フェニルメチレン基などの置換アルキレン基、シリレン
基またはジメチルシリレン、ジフェニルシリレン、メチ
ルフェニルシリレン基などの置換シリレン基などを介し
て結合されていてもよい。
【0048】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、ブトキシ基などが挙げられ、アリーロキシ基と
しては、フェノキシ基などが挙げられる。これら化合物
を2種以上組み合わせて用いてもよく、また炭化水素あ
るいはハロゲン化炭化水素に希釈して用いてもよい。
【0049】上記のような遷移金属化合物は固体状で重
合系に供することができ、たとえば上記遷移金属化合物
を粒子状担体化合物と接触させて、粒子状担体化合物と
ともに用いることができる。担体化合物としては、具体
的に、SiO2、Al23、B23、MgO、ZrO2
CaO、TiO2、ZnO、Zn2O、SnO2、Ba
O、MgCl2、NaClなどの無機化合物、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、ポリ4-メチル-
1-ペンテン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体など
の樹脂を用いることができる。担体は2種以上組み合わ
せて用いることもできる。なおこの粒子状担体化合物
は、遷移金属化合物との接触過程において粒子状に形成
されてもよい。
【0050】また固体状遷移金属触媒成分は、たとえば
マグネシウム化合物、チタン化合物、および電子供与体
などを接触させて得られ、マグネシウム、チタン、ハロ
ゲンおよび電子供与体を含有する固体状チタン触媒成分
であってもよい。
【0051】またオレフィン重合用触媒を形成する助触
媒成分としては、[B]有機アルミニウム化合物、有機
アルミニウムハロゲン化合物、アルミニウムハロゲン化
合物、有機ホウ素化合物、有機ホウ素オキシ化合物、有
機ホウ素ハロゲン化合物、ホウ素ハロゲン化合物および
有機アルミニウムオキシ化合物から選ばれる化合物が用
いられる。
【0052】このような化合物群[B]は、上記のうち
有機アルミニウムオキシ化合物を除いては具体的に下記
式(ii)で示される。 BRx …(ii) 式中Bは、アルミニウム原子あるいはホウ素原子であ
る。
【0053】式(ii)で示される化合物が、有機アルミニ
ウム化合物あるいは有機ホウ素化合物の場合には、Rは
炭素数1〜30のアルキル基であり、アルミニウムハロ
ゲン化合物あるいはホウ素ハロゲン化合物の場合には、
Rはハロゲン原子であり、有機アルミニウムハロゲン化
物あるいは有機ホウ素ハロゲン化物の場合には、Rは炭
素数1〜30のアルキル基とハロゲン原子との両者であ
る。
【0054】上記ハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素などが挙げられ、炭素数1〜30のアルキル
基としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基などが挙
げられる。
【0055】また有機アルミニウムオキシ化合物は、具
体的には下記式(iii) または(iv)で示される。
【0056】
【化1】
【0057】これら式において、Rはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であり、m
は2以上、好ましくは5〜40の整数である。上記アル
ミノキサンは、式(OAl(R1))で示されるアルキ
ルオキシアルミニウム単位(R1は上記Rと同様の基)
と、式(OAl(R2))で示されるアルキルオキシア
ルミニウム単位(R2はR1と異なる上記Rと同様の基)
との混合アルキルオキシアルミニウム単位から形成され
ていてもよい。
【0058】またアルキルオキシアルミニウム単位中の
Rは、一部であれば、ハロゲンまたは水素アルコキシ
基、アリーロキシ基、水酸基であってもよい。また有機
アルミニウムオキシ化合物としては、具体的に特開平2
−78687号公報に例示されているようなベンゼン不
溶性の有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもで
きる。
【0059】これらの助触媒成分(B)は2種以上併用
することもできる。また炭化水素あるいはハロゲン化炭
化水素に希釈して用いてもよい。本発明では、プロピレ
ン重合用触媒として、上記のような遷移金属触媒成分と
助触媒成分とともに必要に応じて電子供与体を用いるこ
ともできる。電子供与体としては、エーテル化合物、カ
ルボニル化合物、アルコキシ化合物などを例示すること
ができる。
【0060】また上記のような触媒成分にオレフィンを
予備重合させて、予備重合触媒を形成して用いることも
できる。
【0061】
【発明の効果】本発明に係るプロピレンの重合方法によ
れば、重合反応系からプロパンを効率よく抜き出してプ
ロピレンを効率よく重合させることができる。本発明で
は、このプロパンの除去に際して、蒸留装置を著しく小
型化することができるとともに、また還流比を小さくで
きるのでプロパンの抜き出しエネルギー消費量を低減さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るプロピレンの重合方法の液相重
合例を模式的に示す。
【図2】 本発明に係るプロピレンの重合方法の気相重
合例を模式的に示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合反応器から排出される未反応プロピレ
    ンを重合反応器に循環させながらプロピレンを重合させ
    るに際して、 重合原料として、プロパンを0.1重量%以上20重量
    %以下の量で含有するプロピレンを重合反応器に供給す
    るとともに、 該重合反応器から排出される未反応プロピレンの少なく
    とも一部を蒸留して、該未反応プロピレン中に含まれる
    プロパンを除去するとともに、精製されたプロピレンを
    上記重合反応器に循環させて、重合反応器系のプロパン
    を抜き出す工程を含むことを特徴とするプロピレンの重
    合方法。
  2. 【請求項2】前記重合反応器から排出され蒸留精製され
    る未反応プロピレンが、未反応プロピレン中のプロピレ
    ンとプロパンとの合計を100重量%とするとき、プロ
    パンを0.1〜60重量%の量で含有していることを特
    徴とする請求項1に記載のプロピレンの重合方法。
  3. 【請求項3】前記蒸留により除去されるプロパンが、蒸
    留により除去されるプロパンとプロピレンとの合計量を
    100重量%とするとき、90〜98重量%の濃度であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のプロピレンの重合
    方法。
  4. 【請求項4】前記蒸留後に重合反応器に循環されるプロ
    ピレンが、蒸留装置から重合反応器に循環されるプロパ
    ンとプロピレンとの合計量を100重量%とするとき、
    60〜98重量%の濃度であることを特徴とする請求項
    1に記載のプロピレンの重合方法。
  5. 【請求項5】前記蒸留によりプロパンが除去され、精製
    されたプロピレンを重合反応器に循環させることによ
    り、重合反応器内のプロピレン濃度を制御することを特
    徴とする請求項1に記載のプロピレンの重合方法。
  6. 【請求項6】前記蒸留後に重合反応器に循環されるプロ
    ピレンを冷却して該プロピレンの少なくとも一部を液状
    とすることを特徴とする請求項1に記載のプロピレンの
    重合方法。
  7. 【請求項7】前記重合反応器から排出される未反応プロ
    ピレン量をコントロールするとともに、請求項6に記載
    されるようにして得られるプロピレンの気液分率をコン
    トロールすることによって、重合反応器内の重合温度を
    制御することを特徴とする請求項6に記載のプロピレン
    の重合方法。
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