JPH1171383A - アルキルハロシランの製造方法 - Google Patents

アルキルハロシランの製造方法

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JPH1171383A
JPH1171383A JP24964297A JP24964297A JPH1171383A JP H1171383 A JPH1171383 A JP H1171383A JP 24964297 A JP24964297 A JP 24964297A JP 24964297 A JP24964297 A JP 24964297A JP H1171383 A JPH1171383 A JP H1171383A
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filter
gas
alkylhalosilane
reactor
powder
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JP24964297A
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Kazumasa Kioka
一正 槻岡
Tetsuo Nakanishi
鉄雄 中西
Tetsuya Inukai
鉄也 犬飼
Hiroshi Nakayama
宏 中山
Yukinori Sato
行徳 佐藤
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/08Compounds having one or more C—Si linkages
    • C07F7/12Organo silicon halides
    • C07F7/16Preparation thereof from silicon and halogenated hydrocarbons direct synthesis

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 金属珪素粉末及びハロゲン化アルキルから特
にジアルキルジハロシランを高い選択率及び速い生成速
度で効率的に製造する方法の提供。 【解決手段】 流動層反応器内に金属珪素粉末と銅触媒
とを含む触体を仕込んだ後、原料供給口からアルキルハ
ライドを含むガスを導入して接触反応させ、生成ガスを
生成ガス排出口から排出させて直接合成法により一般式
1 RaSiX4-a
(1) (RはC1〜4のアルキル基、Xはハロゲン、aは0〜
4の整数である。)のアルキルハロシランを得る製造方
法において、生成ガス排出口にフィルタを被覆設置し、
生成ガス中の同伴触体粉末をフィルタ通過時にフィルタ
表面に積層させて気固分離すると共に、反応進行中にフ
ィルタに逆流ガスを流し、フィルタ表面に積層した触体
を再度流動層反応器へ戻しながら製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属珪素粉末及び
銅触媒を含む触体とアルキルハライドとを使用して直接
法によりアルキルハロシランを効率良く製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アルキ
ルハロシランの合成法に関しては、米国特許第2380
995号にロコーが銅触媒による金属珪素とアルキルハ
ライドとの直接合成法を開示して以来、銅触媒の存在下
で用いる種々の助触媒に関するもの、銅触媒とその処理
に関するもの、反応装置に関するもの、反応時の添加物
に関するものなど、数多くの研究者によって、その成果
が報告されてきた。
【0003】この直接法は、金属珪素に銅触媒を添加し
た触体(contact mass)を活性化した後、
これにアルキルハライドを導入して金属珪素とアルキル
ハライドとを直接接触反応させることにより、アルキル
ハロシランを得る方法である。
【0004】アルキルハロシランの工業的合成は、一般
に流動層反応器を用いて実施されることがよく知られて
おり、この合成方法では、特に有用とされるジアルキル
ジハロシランの選択率及びアルキルハロシランの生成速
度が重要とされる。
【0005】ここで、ジアルキルジハロシランの選択率
は、生成アルキルハロシラン組成及びT/D比により表
わされる。生成アルキルハロシラン中に含まれる物質と
しては、ジアルキルジハロシラン、トリアルキルハロシ
ラン、アルキルトリハロシランなどが挙げられるが、工
業的に最も有用とされているものはジアルキルジハロシ
ランである。従って、生成アルキルハロシラン中のジア
ルキルジハロシランの含有率が大きいほど好ましい。T
/D比とは、生成アルキルハロシラン中のアルキルハロ
シラン(T)とジアルキルジハロシラン(D)の重量比
である。T/D比が小さいほど、ジアルキルジハロシラ
ンの量が多く好ましい。また、アルキルハロシランの生
成速度はSTY(Space Time Yield)
値を用いる。STY値は、反応器内に保持される金属珪
素重量に対する単位時間当りの生成粗アルキルハロシラ
ン重量である。近年、これらアルキルハロシラン組成、
T/D比及びSTY値を向上させるため、触媒、促進剤
を中心とした種々の研究がなされてきた。
【0006】一方、流動層反応器において、反応器内の
触体の一部は生成したアルキルハロシランと未反応アル
キルハライドを含む混合ガスに同伴して反応器外へ運ば
れる。この固体含有ガスは気固分離装置を通過し、生成
アルキルハロシラン、未反応アルキルハライドなどから
なる気体と未反応金属珪素を含む触体に分離される。気
固分離装置としては、一般的には構造が簡単なサイクロ
ンが使用されていた。しかし、サイクロンの集塵効率は
100%ではなく、完全に気体中から固体を分離でき
ず、いくらかの触体粉末がアルキルハロシラン粗生成物
中に残留していた。
【0007】これらの残留触体粉末は更に下流に設けら
れた固液分離装置でアルキルハロシランから分離除去さ
れる。液分離装置の例としては、蒸発器が挙げられる。
この装置では、残留触体とアルキルハロシランからなる
スラリーを加熱し、蒸発させ、アルキルハロシランのみ
を再び気化することによって、スラリーを濃縮し、気固
分離を行うものである。
【0008】この濃縮されたスラリー中にはアルキルハ
ロシランと珪素、銅触媒が多く含まれているが、特開平
2−101084号公報に記載されているように、この
残留スラリーは焼却等適切な処理を施された後、廃棄処
分されることが一般的であった。この廃棄処理は、有用
なアルキルハロシランと金属珪素や銅触媒などを多く失
うものであり、これら原料を効率良く利用することを妨
げるものである。
【0009】更に、一度凝縮したアルキルハロシランを
蒸発させる蒸発工程は、かなりのエネルギーが必要とさ
れる上、固液分離装置を設置する上で多大な設備投資を
必要とするという問題もあった。
【0010】これらの欠点を改善するため、特開昭57
−176992号公報では、触体粉末を積載するオルガ
ノハロシラン気体生成物の気流を、少なくとも1個の焼
結金属フィルタよりなる整列体を内蔵したフィルタ容器
へ案内する工程、このオルガノハロシランガスを焼結金
属フィルタを通し、焼結金属フィルタの外側表面に粉末
を沈着させることにより、オルガノハロシランガスから
粉末を分離する工程、オルガノハロシランガスの流れを
止め、この流れと反対方向にフィルタを通して逆吹気流
を導くことによってフィルタ表面から粉末を回収する工
程、及びフィルタ容器から粉末を除去する工程からなる
オルガノハロシラン直接合成における、生成オルガノハ
ロシランの精製法が記載されている。
【0011】また、特表昭57−500333号公報に
は、平均粒径が40ミクロンより小さい珪素粒子及び銅
粒子から選んだ粒子を反応器から取り出し、研磨して表
面被覆を除去し、反応器に還付する方法が開示されてい
る。更に、特開昭57−135710号公報には、珪素
金属接触集合体を生成するため、反応器接触集合体の一
部を粒度分布について分析し、比較的純粋な第1部分と
比較的不純な第2部分とに分離する方法が開示されてい
る。これらの提案ではサイクロンで捕集された粒径の小
さい粒子は、反応により被覆或いは被毒されており、研
磨や分級により被覆の除去、或いは被毒された金属珪素
を除去する操作を行った後、再利用することが記載され
ている。以上のように、反応器から飛び出す粒径の小さ
い珪素粒子は、一般にそのままではアルキルハロシラン
原料として再利用が困難であるとされていた。
【0012】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
直接法を利用して、簡単な工程かつ設備で金属珪素の利
用率、アルキルハロシランの組成、T/D比、STY値
が向上し、効率的にアルキルハロシランを合成すること
ができるアルキルハロシランの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため、工業的に有効な直
接法によるアルキルハロシランの製造方法、特に、生成
アルキルハロシラン中の飛散触体の効率的分離方法につ
いて鋭意検討を行った結果、原料供給口と生成ガス排出
口とを備えた流動層反応器内に金属珪素粉末と銅触媒と
を含む触体を仕込んだ後、原料供給口からアルキルハラ
イドを含むガスを導入して接触反応させ、生成ガスを生
成ガス排出口から排出させて直接合成法により下記一般
式(1) RaSiX 4-a (1) (但し、式中Rは炭素数1〜4のアルキル基、Xはハロ
ゲン原子を示し、aは0〜4の整数である。)で示され
るアルキルハロシランを製造する方法において、流動層
反応器の生成ガス排出口にセラミック等の好ましくはフ
ィルタ細孔径が5μm以下のフィルタを被覆設置し、生
成したアルキルハロシランと未反応アルキルハライド、
及びこれらガスに同伴して反応器外へ飛散しようとする
金属珪素粉末と銅触媒とを含む触体粉末を上記フィルタ
に通過させると、金属珪素粉末と銅触媒を含む触体粉末
がフィルタ表面に積層して気固分離し得ると共に、反応
途中で上記フィルタに生成ガスの流れと反対の逆流ガス
を流す逆流工程を行うことで分離した触体粉末が再度流
動層反応器に戻り、再利用できること、従って、この方
法によってアルキルハロシランを製造することにより、
従来の方法では通常行われているその後の気固分離及び
固液分離工程を省略することが可能となり、生成アルキ
ルハロシランの精製工程を著しく効率化できること、更
に、驚くべきことに上記フィルタによって分離された触
体を逆洗して直接反応器に戻すことにより、アルキルハ
ロシランの生成速度及び工業的に最も有用とされるジア
ルキルジハロシランの選択率を著しく向上させることが
でき、それ故、アルキルハロシランを生産性良く製造す
ることができることを知見し、本発明をなすに至った。
【0014】従って、本発明は、原料供給口と生成ガス
排出口とを備えた流動層反応器内に金属珪素粉末と銅触
媒とを含む触体を仕込んだ後、原料供給口からアルキル
ハライドを含むガスを導入して接触反応させ、生成ガス
を生成ガス排出口から排出させて直接合成法により上記
一般式(1)で示されるアルキルハロシランを製造する
方法において、流動層反応器の生成ガス排出口にフィル
タを被覆設置し、アルキルハロシランを含む生成ガス中
に同伴した触体を該フィルタ通過時にフィルタ表面に積
層させることで気固分離すると共に、反応進行中に該フ
ィルタに生成ガスに対する逆流ガスを流し、フィルタ表
面に積層した触体を再度流動層反応器へ戻しながらアル
キルハロシランを製造することを特徴とするアルキルハ
ロシランの製造方法を提供する。
【0015】以下、本発明を更に詳しく説明すると、本
発明のアルキルハロシランの製造方法では、原料供給口
と生成ガス排出口とを備えた流動層反応器内に金属珪素
粉末と銅触媒とを含む触体を仕込んだ後、原料供給口か
らアルキルハライドを導入して接触反応させ、生成ガス
を生成ガス排出口から排出・採取することで、下記一般
式(1) RaSiX 4-a (1) (但し、式中Rは炭素数1〜4のアルキル基、具体的に
はメチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基であり、
Xは塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を示し、aは
0〜4の整数である。)で示されるアルキルハロシラン
を製造するものである。
【0016】ここで、金属珪素粉末としては、通常珪素
の純度が97重量%以上、特に98重量%以上のものを
用いることが好ましい。
【0017】更に、本発明の製造方法においては銅触媒
を使用するが、銅触媒としては、銅粉末、スタンピング
銅等の単体銅、酸化第一銅、酸化第二銅、ハロゲン化銅
等の銅化合物など種々の形態のものを用いることができ
る。また、これらの銅触媒は反応器中に単独で仕込んで
もよいし、金属珪素粉末と共に合金として仕込んでもよ
い。
【0018】これら銅触媒の配合量は、金属珪素粉末1
00部(重量部、以下同じ)に対して銅量に換算して
0.1〜10部、特に2〜8部とすることが好ましい。
【0019】また、銅触媒と共に、公知の方法に基づ
き、金属アンチモン粉、金属亜鉛粉、金属スズ粉等の種
々の促進剤を用いてもよく、これらは単独で用いて銅触
媒との混合粉として使用しても銅触媒との合金として用
いてもよい。なお、触体の平均粒径は1〜150μm、
特に4〜100μmとすることが好ましい。
【0020】金属珪素と反応させてアルキルハロシラン
を得るためのアルキルハライドとしては、具体的に塩化
メチル、塩化プロピル、臭化メチル、臭化エチルなどを
例示することができる。この中で工業的に最も有用なも
のは塩化メチルであり、これを用いて製造されるジメチ
ルジクロロシランは多くのシリコーン樹脂の原料として
幅広い用途がある。
【0021】本発明のアルキルハロシランの製造方法に
おいて使用する反応器としては、流動層反応器を用い
る。流動層反応器には、原料供給口と生成ガス排出口が
設置されており、更に流動状態を補助するための撹拌機
が設置されていてもよい。また、この反応器は、未反応
アルキルハライドガスを再循環するためのコンデンサ
ー、配管が備え付けられているものであればより好適で
ある。
【0022】本発明においてアルキルハロシランを製造
するには、アルキルハライドを反応器内に導入する前
に、まず、金属珪素粉末及び銅触媒、更には必要により
促進剤を含有する触体を反応器に仕込み、反応器内温を
定常反応温度の範囲に加熱することが好ましい。更に、
触体の加熱の際に不活性ガスを導入し、触体を流動化し
ておくことにより、触体を迅速に加熱することができ
る。
【0023】ここで、「定常反応温度」とは、連続反応
装置において、金属珪素とアルキルハライドとの反応が
定常的に進行している期間、即ち運転開始操作中及び運
転終了操作中以外の期間の触体温度をいう。定常反応温
度は、公知の製造方法では250〜350℃とされる
が、本発明では、280〜300℃とすることがより好
ましい。
【0024】触体の加熱又は触体への触媒活性付与工程
において、反応器内の触体の流動化に用いる不活性ガス
としては、窒素ガス、アルゴンガス等が例示されるが、
経済性の点から、窒素ガスを用いることが好ましい。ま
た、不活性ガスのロスを防止するため、不活性ガスを循
環使用することがより好ましい。
【0025】上述のようにして触体への触媒活性付与を
行った後、反応器に原料供給口からアルキルハライドを
導入し、アルキルハライドと金属珪素とを気−固接触反
応させる。
【0026】この場合、アルキルハライドは予め昇温
し、ガス化した後、流動層反応器に原料供給口から送入
することが望ましい。この際、アルキルハライドガスを
単独で送入してもよいし、窒素、アルゴンなどの不活性
ガスとの混合ガスとしてもよい。アルキルハライドの流
量は、アルキルハロシラン類の生成に必要な理論量以上
で、不活性ガスと合わせて反応器内の触体を流動化する
流量以上であればよい。
【0027】上記接触反応は公知の方法と同様の条件で
行うことができ、反応器内の圧力は1〜10atmが好
適である。なお、この反応においては、反応器から排出
された不活性ガス及び未反応アルキルハライドガスは循
環させて再利用することができ、更に、反応によって消
費された量に相当する一定量の触体を反応器内に供給す
ることによって反応を継続させることができる。
【0028】而して、本発明では、上記アルキルハロシ
ランの製造方法において、流動層反応器の生成ガス出口
にフィルタを被覆設置し、アルキルハロシランを含む生
成ガス中に同伴した触体を該フィルタ通過時にフィルタ
表面に積層させることで気固分離すると共に、反応進行
中に該フィルタに生成ガスに対する逆流ガスを流し、フ
ィルタ表面に積層した触体を再度流動層反応器へ戻しな
がらアルキルハロシランを製造する。
【0029】ここで、本発明で使用するフィルタは、ム
ライト、コージェライト、アルミナなどのセラミック製
のもの、或いはステンレス等の焼結金属製のものが例示
される。腐食性ガスを原料として使用及び生成する本発
明の製造方法においては、耐食性の面からセラミック製
フィルタがより好ましい。また、長時間反応を継続する
ことにより高沸点生成物などが付着してフィルタが閉塞
した場合、高温で加熱処理することにより付着物質を除
去でき、フィルタの再生が容易である点でもセラミック
フィルタが優れており、経済的にも好ましい。
【0030】フィルタは1個又は複数個を反応器の生成
ガス出口に設置するもので、このようにフィルタを設置
することにより、反応器から飛び出そうとする金属珪素
含有触体粉末を生成アルキルハロシランガス中から分離
すると同時に反応器へ戻すことができる。更に、反応器
内にインナーサイクロンを設置し、インナーサイクロン
の出口にフィルタを設置し、サイクロンで捕集できなか
った触体をフィルタにより捕集することも可能であり、
これによりフィルタの集塵負荷を下げることができる。
【0031】本発明で使用するフィルタの平均細孔径は
5μm以下、特に0.2〜4μmであることが望まし
い。フィルタの平均細孔径を5μm以下とすることによ
り、フィルタ目詰まりによる圧力損失の上昇が小さくな
り、後述する逆洗工程の間隔が長くなり、長時間運転が
可能となる。なお、5μmより大きいと触体がフィルタ
層内部に侵入して目詰まりを早く起こすという不利が生
ずるおそれがある。
【0032】本発明では、触体を同伴した生成アルキル
ハロシランガスを含む混合ガスがフィルタを通過する
と、触体粉末はフィルタの表面に粉体層を形成する。生
成アルキルハロシランガスと未反応アルキルハライドガ
スなどの気体が通過し、触体が分離されるに従い、フィ
ルタの外表面に形成された粉体層が厚くなり、フィルタ
の圧力損失が大きくなる。フィルタの圧力損失が大きく
なると、反応器内の圧力が上昇し、反応成績に悪影響を
及ぼす。これを防止するため、定期的或いはフィルタの
圧力損失がある程度大きくなったところで、生成アルキ
ルハロシランガスを含む混合ガスの流れと反対方向から
不活性ガス、アルキルハライドなどのガスを導入し、フ
ィルタ表面の粉体を除去するフィルタから除去された粉
体は反応器に戻り、再び反応に関与する。本工程を逆洗
工程と呼ぶ。
【0033】この場合、上記逆洗工程は、反応中に定期
的に行ってもよいが、フィルタの圧力損失が一定値以上
(反応を阻害する圧力より低いところ)になったところ
で行うことが好ましい。
【0034】更に、上記逆洗工程は、数十秒間連続的に
行ってもよいが、パルス的に逆洗用のガスを噴出し行う
ことが反応器内の反応を妨げない点、粉体除去効果の点
でより好ましい。また、逆洗用ガスは予め反応温度付近
に加熱しておくことが、反応器内温の低下を防止する点
で好ましい。
【0035】逆洗工程によりフィルタから除去された触
体は再び反応器に戻されるもので、驚くべきことに、こ
れらの触体の全てが反応器に戻り、これにより金属珪素
の利用率の向上、アルキルハロシランの生成速度、ジア
ルキルジハロシランの選択率の大幅な向上を実現でき
る。
【0036】
【発明の効果】本発明のアルキルハロシランの製造方法
によれば、簡単な工程かつ設備でアルキルハロシランの
組成、T/D比、STY値が向上し、効率的にアルキル
ハロシランを製造することができる。特に本発明では、
金属珪素の利用率を向上させると同時に、アルキルハロ
シランの生成速度、ジアルキルジハロシランの選択率の
大幅な向上を実現し得るもので、最も利用範囲が広く有
用であるとするジアルキルジハロシランの選択率を向上
させ得ることから経済的に非常に有利である。
【0037】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0038】〔実施例1〕生成ガス出口に平均細孔径1
0〜15μm、濾過面積(ガスが通過するフィルタの面
積)0.06m2のセラミックフィルタ(商品名:セラ
レック、材質:コージェライト、日本ガイシ株式会社
製)を設置した内径80mm、高さ1140mmの流動
層反応器に窒素ガスを流量14.0×10-33/mi
nで導入し、反応器の内温が290℃となるまで加熱し
た。
【0039】次いで、予め調製した100部の工業用金
属珪素粉(純度98%)と、金属銅粉、金属アンチモン
粉及び金属亜鉛粉からなる混合粉を4部反応器内に仕込
み、流動化させた。この混合粉は平均粒径90μmを有
していた。2時間後、窒素ガスを止めると同時にメチル
クロライドを反応器へ導入し、反応を開始した。反応開
始時のセラミックフィルタの圧力損失は200mmH2
Oであった。メチルクロライドの流量は19.8×10
-33/minとした。反応中、10分に1回の頻度で
逆洗工程を行った。
【0040】4時間後、塩化メチルの供給を停止し、窒
素ガスの供給を開始した。セラミックフィルタで捕集し
た触体は全量を反応器へ戻した。反応中に生成したメチ
ルクロロシラン中には、金属珪素等の飛散触体は含まれ
ておらず、透明であることを目視により確認した。更
に、10分後、加熱を停止し、反応器の冷却を行った。
生成物中への飛散触体の混入は全く見られなかった。
【0041】反応中単位時間当りの粗メチルシランの生
成量を測定し、STY値を求めた。STY値は300k
g−粗シラン/(kg−金属珪素・時間)であった。生
成物をガスクロマトグラフにより分析したところ、ジメ
チルジクロロシランが84.0重量%、トリメチルトリ
クロロシランが5.9重量%、T/D比が0.07であ
った。
【0042】〔比較例1〕実施例1で使用した流動層反
応器からフィルタを取り除いて、反応器から金属珪素が
飛散するようにし、実施例1と同一条件で反応を行っ
た。反応中に生成したメチルクロロシラン中には、金属
珪素等の固体不純物が含まれていた。更に、10分後、
加熱を停止し、反応器の冷却を行った。
【0043】反応中の平均STY値は200g−シラン
/(kg−珪素・時間)であった。また、粗メチルクロ
ロシラン中のジメチルジクロロシランは80.5重量
%、メチルトリクロロシランは6.8重量%であり、T
/D比は0.085であった。また、生成した粗メチル
クロロシラン中には触体が懸濁しており、該粗メチルク
ロロシランを気固分離装置及び固液分離装置を用いて固
液分離し、固体量を測定したところ、240gの触体が
含まれていた。
【0044】〔実施例2〕実施例1と同じ流動層反応器
に平均細孔径0.2μm、濾過面積0.01m2のセラ
ミックフィルタ(商品名:セフィルト、材質:アルミ
ナ、日本ガイシ株式会社製)を設置した。平均粒径45
μmの混合粉を使用し、メチルクロライド流量は11.
3×10-33/minとした。他の条件は実施例1と
同一とし反応を行った。反応開始時のセラミックフィル
タの圧力損失は324mmH2Oであった。反応中、4
5分に1回の頻度で逆洗工程を行った。セラミックフィ
ルタで捕集した触体は全量を反応器へ戻した。反応中に
生成したメチルクロロシラン中には、金属珪素等の固体
不純物は含まれておらず、透明であることを目視により
確認した。更に、10分後、加熱を停止し、反応器の冷
却を行った。反応器内温が室温となったところで、反応
器を開け、反応器内に残留した未反応金属珪素含有触体
を取り出した。
【0045】反応中単位時間当りの粗メチルシランの生
成量を測定し、STY値を求めた。反応を通しての平均
STY値は215g−粗シラン/(kg−金属珪素・時
間)であった。生成物をガスクロマトグラフにより分析
したところ、ジメチルジクロロシランが86.0重量
%、トリメチルトリクロロシランが6重量%、T/D比
が0.07であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 犬飼 鉄也 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 中山 宏 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社群馬事業所内 (72)発明者 佐藤 行徳 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社群馬事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料供給口と生成ガス排出口とを備えた
    流動層反応器内に金属珪素粉末と銅触媒とを含む触体を
    仕込んだ後、原料供給口からアルキルハライドを含むガ
    スを導入して接触反応させ、生成ガスを生成ガス排出口
    から排出させて直接合成法により下記一般式(1) RaSiX 4-a (1) (但し、式中Rは炭素数1〜4のアルキル基、Xはハロ
    ゲン原子を示し、aは0〜4の整数である。)で示され
    るアルキルハロシランを製造する方法において、流動層
    反応器の生成ガス排出口にフィルタを被覆設置し、アル
    キルハロシランを含む生成ガス中に同伴した触体粉末を
    該フィルタ通過時にフィルタ表面に積層させることで気
    固分離すると共に、反応進行中に該フィルタに生成ガス
    に対する逆流ガスを流し、フィルタ表面に積層した触体
    を再度流動層反応器へ戻しながらアルキルハロシランを
    製造することを特徴とするアルキルハロシランの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 フィルタがセラミックフィルタである請
    求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 フィルタの平均細孔径が5μm以下であ
    る請求項1又は2記載の製造方法。
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