JPH1171149A - セメント用添加剤 - Google Patents

セメント用添加剤

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JPH1171149A
JPH1171149A JP22996697A JP22996697A JPH1171149A JP H1171149 A JPH1171149 A JP H1171149A JP 22996697 A JP22996697 A JP 22996697A JP 22996697 A JP22996697 A JP 22996697A JP H1171149 A JPH1171149 A JP H1171149A
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vinyl
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哲史 林
Masahiro Nagao
昌浩 長尾
Toshiaki Sato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量の添加量で圧縮強度が飛躍的に向上する
セメント組成物を与えるセメント用添加剤を提供する。 【解決手段】 本発明のセメント用添加剤は,下記の化
1に示す構造単位を0.1〜45モル%含有するビニル
アルコール系重合体よりなるセメント用添加剤。 【化1】 ただし, R1,R2:HまたはCH3 X:COOH,CH2SO3HまたはCONHC(C
32CH2SO3H,CH2OH,CH2CH2OHまた
はCH2OCH2CH(OH)CH2OH,CONH2,C
ON(CH32,CH2+(C253Cl-またはCO
NH(CH23+(CH33Cl-

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセメント組成物,例
えば,コンクリート,モルタル,セメントペーストなど
に混入し,圧縮強度を向上させるセメント用添加剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来よりセメント成形物の機械的諸特性
を改良する目的で,高分子エマルジョン,ラテックス,
あるいはメチルセルロース等の水溶性高分子をセメント
に混和する方法が広く行われている。しかしながら,こ
れらの混和剤を用いて圧縮強度を向上させようとする
と,そのポリマー自身が強度を発現するまでの添加量を
必要とし,結果多量の使用が否めないため経済的にも好
ましくない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年,高性能AE減水
剤を用いて単位水量を少なくし,型枠充填性の良い高流
動−高強度コンクリートが多量に使用されるようになっ
た。このような高強度コンクリートが使用されている,
例えば,超高層住宅用の鉄筋コンクリートの最下層で
は,非常に大きな応力を受けるため,さらなる高強度
化,高耐久化が望まれている。本発明はこのような事情
のもとで,少量の添加量で圧縮強度が飛躍的に向上する
セメント組成物を与えるセメント用添加剤を提供するこ
とを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は,前記の好
ましい性質を有するセメント用添加剤を開発すべく鋭意
研究を重ねた結果,下記の化5に示す構造単位を0.1
〜45モル%含有するビニルアルコール系重合体よりな
るセメント用添加剤を使用することにより,少量の添加
でも圧縮強度が飛躍的に向上することを見いだし,本発
明を完成するに至った。
【0005】
【化5】
【0006】ただし, R1:HまたはCH32:HまたはCH3 X:COOH (塩または隣接する単位と分子内エステルを形成してい
てもよい), CH2SO3HまたはCONHC(CH32CH2SO3H (塩を形成していてもよい), CH2OH,CH2CH2OHまたはCH2OCH2CH
(OH)CH2OH,CONH2,CON(CH32,C
2+(C253Cl-またはCONH(CH23+
(CH33Cl-
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明のセメント用添加剤は,ビニルエス
テルと化2に示される構造単位との共重合体をけん化す
ることにより得られる。ビニルエステルとしては,蟻酸
ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,ピバリン酸
ビニル等が挙げられるが,酢酸ビニルが望ましい。本発
明に用いる化2に示される構造単位は,式中のXで示さ
れる官能基を有する。このXは,アクリル酸,メタクリ
ル酸で代表されるカルボキシル基(またはそのアルカリ
金属,アルカリ土類金属,およびアミンの塩,または隣
接する単位と分子内エステルを形成しているもの),ア
リルスルホン酸(またはそのアルカリ金属,アルカリ土
類金属,およびアミンの塩),および2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸(またはそのアルカ
リ金属,アルカリ土類金属,およびアミンの塩)のアニ
オン性基,アリルアルコール,3−ブテン−1−オー
ル,3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール,アク
リルアミド,およびN,N−ジメチルアクリルアミドの
ノニオン性基,およびアリルトリエチルアンモニウムク
ロリド,(メタ)アクリルアミドプロピル−トリメチル
アンモニウムクロリドのカチオン性基を示す。これらの
構造単位の含有量としては,0.1〜45モル%,好ま
しくは0.5〜35モル%,さらに好ましくは2〜30
モル%であることが必要である。含有量が0.1モル%
未満の場合には,圧縮強度向上効果が得られず,また4
5モル%を越える場合には,製造コストがかかりすぎる
ため好ましくない。
【0008】本発明に用いる上記ビニルアルコール系重
合体(以後変性PVAと略記する)においては,本発明
の効果を損なわない範囲でエチレン性不飽和単量体をさ
らに共重合しても良い。このようなエチレン性不飽和単
量体としては,例えばエチレン,プロピレン,アクリロ
ニトリル,メタクリロニトリル,メタクリルアミド,バ
ーサチック酸ビニル,エチルビニルエーテル,ブチルビ
ニルエーテル,N−ビニルピロリドン,塩化ビニル,臭
化ビニル,フッ化ビニル,塩化ビニリデン,フッ化ビニ
リデン,テトラフルオロエチレン等が挙げられる。さら
に連鎖移動剤を使用してポリマー末端を修飾したものや
PVAあるいはポリ酢酸ビニルの後反応による変性を行
っても良い。
【0009】本発明に用いる変性PVAの重合度は,ポ
リマー濃度4重量%の水溶液の粘度で表して60mPa
・s以下が,粉体添加時の溶解性および水溶液添加時の
作業性から考えて望ましい。さらに好ましくは,30m
Pa・s以下であり,最も好ましいのは15mPa・s
以下である。ただし,ここに規定しているこれらの粘度
はブルックフィールド型粘度計を用いて,ローターN
o.1で60rpm,20℃の条件下で測定した場合の
値である。また,変性PVAのビニルエステル部分の平
均けん化度については特に限定はないが,通常70モル
%以上,好ましくは80モル%以上,さらに好ましくは
90モル%以上である。平均けん化度が70モル%未満
になると,水溶性もしくは水分散性が低下して好ましく
ない。
【0010】本発明のセメント用添加剤は,セメント及
び必要に応じて細骨材または粗骨材など(例えば砂,砂
利,砕石など)を加えたものに混合され使用される。ま
た,セメントや骨材以外にシリカ質粉末や補強繊維など
とともに使用しても良い。さらに,近年コンクリートの
打ち込み後の締固め不要をもたらしたセメント混練物の
流動性改良剤である減水剤,高性能減水剤および高性能
AE減水剤等を併用してもかまわない。
【0011】本発明において変性PVAよりなる添加剤
の添加量は,使用する骨材量や水の量によっても異なる
が,セメント100重量部に対して0.01〜10重量
部が好ましく,0.05〜5重量部がより好ましく,
0.1〜3重量部が最も好ましい。添加量が0.01重
量部未満では添加効果が認められず,10重量部を越え
るとセメントの流動性が悪化するなどの問題が生じる。
【0012】該変性PVAよりなるセメント用添加剤の
添加方法には特に制限はなく,水溶液で添加する方法や
あらかじめ変性PVAの粉末をセメント粉末とドライブ
レンドしておく方法などが挙げられる。変性PVAの粉
末を使用する場合には,セメント中での分散性および溶
解性の観点より,粒径をJIS標準ふるいで好ましくは
8メッシュパス,さらに好ましくは16メッシュパス,
最も好ましくは60メッシュパスに調製したものが好適
である。
【0013】本発明の変性PVAよりなるセメント用添
加剤を添加したセメント組成物は,混練中に多量の泡を
発生させることがあり,成形物中に気泡を連行すること
で強度低下を起こすことがある。このような場合,該変
性PVAに対する消泡剤を添加して使用することが望ま
しい。消泡剤の添加量は,使用する消泡剤の性能によっ
ても異なるが,変性PVA100重量部に対して0.0
01〜10重量部が好ましく,0.005〜5重量部が
さらに好ましく,0.01〜3重量部が最も好ましい。
変性PVAに対する消泡剤としては特に制限はなく,シ
リコン系,アマイド系,ポリエーテル系,エステル系,
ウレタン系,(ポリ)アルキレングリコール系等および
これらにイオン性基が導入されたものが使用でき,1種
または2種以上の消泡剤を組み合わせて使用しても良
い。
【0014】本発明における変性PVAを用いたセメン
ト成形物の成形方法には制限はなく,例えば,抄造法や
押出法,フローオン法,鋳込み法等で成形できる。ま
た,養生方法にも特に制限はなく,例えば,自然養生
法,水中養生法,スチーム養生法,オートクレーブ養生
法等が採用できる。中でも自然養生法において効果的に
その性能を発揮する。
【0015】本発明におけるセメント組成物に加える水
量は,セメント組成物の配合比や成形物の強度および耐
久性等から規定され,水/セメント比が0.1〜2.0
の範囲で使用されるのが一般的であり,好適には0.2
〜0.7の範囲が使用されるが,これらの数値に限定さ
れるものではない。
【0016】また本発明のセメント用添加剤には,効果
を損なわない範囲で各種添加剤を併用しても良い。その
一例としては,メチルセルロース等の流動性改良剤,澱
粉系化合物,多価アルコール,硼酸,硼砂,硼酸カルシ
ウム,硼酸エステルなどの硼素系化合物,ステアリン酸
カルシウム,パラフィン等の撥水剤,気泡連行剤,滑剤
等が挙げられる。
【0017】
【実施例】以下,実施例により本発明をより具体的に説
明するが,本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。なお以下で,「部」および「%」は
特に断らない限り,それぞれ「重量部」および「重量
%」を意味する。
【0018】実施例1 メタクリル酸単位4.4モル%と酢酸ビニル単位95.
6モル%とからなる共重合体をけん化することにより,
酢酸ビニル単位のけん化度が99.6モル%,20℃,
4%の水溶液粘度が11.5mPa・sである変性PV
Aを得た。 <混練方法>20℃,65%RH条件下で,普通ポルト
ランドセメント(株式会社トクヤマ製)3000gに対
し,上記で得られた変性PVAの10%水溶液調製品を
300g(固形分換算で1.0%/セメント),高性能
AE減水剤(マイティ3000S(20%水溶液);花
王株式会社製)を75g(固形分換算で0.5%/セメ
ント),および水570g(最終的な水/セメント比が
0.3になるように)をモルタルミキサーで3分間混練
した。 <セメントペーストの粘度測定>上記混練方法により得
られたセメントペーストの粘度を,注水10分後にBL
型粘度計(トキメック製)を用いてローター回転数60
rpm,ローターN0.4で20℃条件下で測定し,流
動性の指標として代用した。結果を表1に示す。 <空気量の測定>上記混練方法により得られたセメント
ペーストを用いて,JIS A 1174に基づき,単
位容積質量とそのセメントペーストの構成材料の比重よ
り計算する方法から算出した。結果を表1に示す。 <型枠充填および養生方法>上記混練方法により得られ
たセメントペーストを20℃,65%RH条件下で5φ
×10cmの型枠に充填し,48時間後に脱型した後
(脱型までの間は型枠中で完全密封状態),20℃,6
5%RH下で養生した。 <圧縮強度の測定>上記で作製したセメント成形物を,
20℃,65%RH下で養生し,7日後および28日後
に圧縮強度を測定した。圧縮強度は島津製作所製の万能
試験機を使用し,ヘッドスピード1mm/minで載荷
したときの最大荷重より求めた。結果を表1に示す。
【0019】実施例2 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナ
トリウム単位4モル%と酢酸ビニル単位96モル%とか
らなる共重合体をけん化することにより,酢酸ビニル単
位のけん化度が96.5モル%,20℃,4%の水溶液
粘度が5.3mPa・sである変性PVAを得た。上記
の変性PVAの添加量を0.5%/セメント,および高
性能AE減水剤の添加量を0.25%/セメントにする
以外は,実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に
示す。
【0020】実施例3 実施例2で用いた変性PVAを家庭用ミキサーで粉砕
し,60メッシュパス品を作製し,添加量および混練方
法を以下に示すように変更した以外は実施例1と同様の
試験を行った。結果を表1に示す。 <混練方法>20℃,65%RH条件下で,普通ポルト
ランドセメント(株式会社トクヤマ製)3000gに対
し,上記で得られた変性PVA粉砕品を30gをあらか
じめドライブレンドしておき,これらに高性能AE減水
剤(マイティ3000S(20%水溶液);花王株式会
社製)を75g(固形分換算で0.5%/セメント),
および水840g(最終的な水/セメント比が0.3に
なるように)をモルタルミキサーで3分間混練した。
【0021】実施例4 3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール単位5モル
%と酢酸ビニル単位95モル%とからなる共重合体をけ
ん化することにより,酢酸ビニル単位のけん化度が9
6.7モル%,20℃,4%の水溶液粘度が4.9mP
a・sである変性PVAを得た。上記の変性PVAの添
加量を0.5%/セメント,および高性能AE減水剤の
添加量を0.25%/セメントにする以外は,実施例1
と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
【0022】実施例5 実施例4に規定した変性PVAを用いる以外は,実施例
1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
【0023】実施例6 (メタ)アクリルアミド−プロピル−トリメチルアンモ
ニウムクロリド単位1モル%と酢酸ビニル単位99モル
%とからなる共重合体をけん化することにより,酢酸ビ
ニル単位のけん化度が94.3モル%,20℃,4%の
水溶液粘度が8.0mPa・sである変性PVAを得
た。上記の変性PVAの添加量を0.5%/セメント,
および高性能AE減水剤の添加量を0.25%/セメン
トにする以外は,実施例1と同様の試験を行った。結果
を表1に示す。
【0024】比較例1 PVAを添加しない系で,かつ高性能AE減水剤の添加
量を0.1%/セメントにする以外は,実施例1と同様
の試験を行った。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明のセメント用添加剤は,少量の添
加量で圧縮強度が飛躍的に向上するセメント組成物を与
えることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の化1に示す構造単位を0.1〜4
    5モル%含有するビニルアルコール系重合体よりなるセ
    メント用添加剤。 【化1】 ただし, R1:HまたはCH32:HまたはCH3 X:COOH (塩または隣接する単位と分子内エステルを形成してい
    てもよい)
  2. 【請求項2】 下記の化2に示す構造単位を0.1〜4
    5モル%含有するビニルアルコール系重合体よりなるセ
    メント用添加剤。 【化2】 ただし, R1:HまたはCH32:HまたはCH3 X:CH2SO3HまたはCONHC(CH32CH2
    3H (塩を形成していてもよい)
  3. 【請求項3】 下記の化3に示す構造単位を0.1〜4
    5モル%含有するビニルアルコール系重合体よりなるセ
    メント用添加剤。 【化3】 ただし, R1:HまたはCH32:HまたはCH3 X:CH2OH,CH2CH2OHまたはCH2OCH2
    H(OH)CH2OH
  4. 【請求項4】 下記の化4に示す構造単位を0.1〜4
    5モル%含有するビニルアルコール系重合体よりなるセ
    メント用添加剤。 【化4】 ただし, R1:HまたはCH32:HまたはCH3 X:CONH2,CON(CH32,CH2+(C
    253Cl-またはCONH(CH23+(CH33
    Cl-
  5. 【請求項5】 20℃の4%水溶液粘度が60mPa・
    s以下である請求項1から4のいずれか1 項に記載のビ
    ニルアルコール系重合体よりなるセメント用添加剤。
JP22996697A 1997-08-26 1997-08-26 セメント用添加剤 Pending JPH1171149A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001083859A1 (fr) 2000-05-01 2001-11-08 Komatsu Denshi Kinzoku Kabushiki Kaisha Procede et appareil de mesure du niveau de bain de fusion
US6458203B1 (en) 1999-04-28 2002-10-01 Tadayuki Hanamoto System for manufacturing a single-crystal ingot employing czochralski technique, and method of controlling the system

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