JPH1170320A - ダイオキシン含有ガスの処理方法及び装置 - Google Patents

ダイオキシン含有ガスの処理方法及び装置

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JPH1170320A
JPH1170320A JP10117020A JP11702098A JPH1170320A JP H1170320 A JPH1170320 A JP H1170320A JP 10117020 A JP10117020 A JP 10117020A JP 11702098 A JP11702098 A JP 11702098A JP H1170320 A JPH1170320 A JP H1170320A
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JP
Japan
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gas
dioxin
water
liquid contact
contacting
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JP10117020A
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English (en)
Inventor
Noboru Fujiwara
昇 藤原
Takashi Tanabe
尚 田辺
Kenichi Nakagawa
健一 中川
Masahiko Tsunoda
昌彦 角田
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CHIYODA ENG KK
Kurita Water Industries Ltd
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CHIYODA ENG KK
Kurita Water Industries Ltd
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  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガス中のダイオキシンをきわめて効率良く
除去することができるダイオキシン除去方法及び装置を
提供する。 【解決手段】 排ガスは乾式集塵機1で粉塵が除去され
た後、前段液接触室2でポンプ3による水と接触してダ
イオキシンが吸収される。洗浄塔4内では、並列に2個
の液接触室6,6′が設けられ、活性炭分散水8,8′
を循環させるように循環ライン5C、5′Cが接続され
ている。循環ライン5′Cには水冷却器15が設けられ
ており、循環水が冷却される。このため、液接触室6′
を通過したガスは液接触室6を通過したガスよりも低温
となる。液接触室6、6′を通過したガスは水蒸気で飽
和しているので、液接触室6,6′を通過したガスを混
合室12で混合することにより大量の白煙が発生する。
これにより、ガス中の粒子が成長し、集塵機13で確実
に除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ごみ焼却場等で発
生する排ガス中のダイオキシンを捕集する方法及び装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ごみ焼却場等の排ガス中には有害なダイ
オキシンが含まれるので、その除去処理を行う必要があ
る。なお、この排ガスは、通常の場合150〜250℃
の温度であり、湿度は20〜30%程度である。
【0003】ダイオキシンの沸点は400〜450℃、
融点は300℃程度であるから、排ガス温度が70〜8
0℃程度にまで低下すればダイオキシンは固体となるは
ずであるが、排ガスに含まれるダイオキシンは数ng〜
数10ng(ナノグラム、10-9グラム)/Nm3程度
の微量であるから、蒸気圧から見て一部はガス状、一部
は固体もしくは液滴、一部は粉塵に吸着された固体とし
て共存するものと考えられる。
【0004】ダイオキシンの水に対する溶解度はきわめ
て低いが、上記程度の微量であれば、これを水と接触さ
せてガス状のダイオキシンを全て水に吸収させることが
可能である。
【0005】ダイオキシンを湿式で除去する湿式処理方
法の代表的な方法及び装置は、第7図で示したように、
湿式減温装置51で高温ガス中に水52をスプレーして
200〜300℃中間温度まで冷却し、ベンチュリース
クラバ53で洗浄水54と接触させて飽和温度まで冷却
し、充填層55で更に洗浄する。
【0006】この際に、排気の白煙発生量を減らす目的
から、充填層55の洗浄液56を冷却機57で冷却し、
その排気ガス58を加熱器59で加熱した後、より性能
の高いダイオキシン除去装置60(たとえば、集塵機、
活性炭層、等)に導入して放出させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のダイオキシ
ン含有の処理方法及び装置には次のような課題があっ
た。
【0008】 ダイオキシンは800〜850℃程度
以上で燃焼させれば発生せず、それが150〜500℃
程度まで低下するときに発生することが知られている。
【0009】ところが、従来の湿式減温装置51はその
ような配慮がなく、この区間をガスが数秒間の時間を経
て経過するため、これがむしろダイオキシンの発生を助
長している可能性すらある。
【0010】 従来のスクラバ53は、単にガスの温
度を後段の充填層55に安全な範囲まで下げることが主
目的であって、循環洗浄水54の量やそれによってガス
が十分に飽和しているか等については必ずしも安全な配
慮がされていない。
【0011】 充填層55の目的は充填層の構造その
ものでガスと粒子の吸収と捕集を行わせるもので、循環
洗浄液56によるガスの冷却は主目的が排気の白煙の減
少にあるから、その冷却温度差はせいぜい10〜15℃
である。
【0012】そして、この装置のみでダイオキシンを湿
式吸収させようとする場合には、洗浄液がダイオキシン
を吸収する能力を低下させないために、ダイオキシンの
溶解度に留意しつつ排水61の量を定め、それを系外に
排出させる必要があり、しかもこの排水61にはダイオ
キシンが含まれるため、その除去装置が必要である。
【0013】 このような理由から、従来の方法によ
るスクラバ53と充填層55だけでダイオキシンを完全
に除去することは困難であり、後段に性能の高いダイオ
キシン除去装置60を設置することが多い。
【0014】本発明は、上記〜の点を解決し、ダイ
オキシンを効率良く除去することができる方法及び装置
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明のダイ
オキシン含有ガスの処理方法は、ダイオキシン含有ガス
を、ダイオキシン吸着材を含み、かつ乾きガスの重量比
で7倍以上の量の水と接触させて急冷した後、45℃以
下の温度の水で洗浄するダイオキシン含有ガスの処理方
法であるこの急冷の程度は500℃以上のダイオキシン
含有ガスを1秒以内に100℃以下まで急冷するもので
あることが望ましい(請求項2)。
【0016】請求項3の本発明は、ダイオキシン含有ガ
スを、ダイオキシン吸着材を含み、かつ乾きガスの重量
比の7倍以上の量の水で急冷後、その一部を45℃以下
の温度の水で洗浄した後、残部のガスと混合するダイオ
キシン含有ガスの処理方法である。
【0017】本発明者が行った種々の研究の結果、この
請求項1〜3のガス処理方法のように、ダイオキシン含
有ガスを例えばスクラバによって大量のダイオキシン吸
着材含有水と接触させて急冷し、次いで45℃以下の水
で洗浄して冷却することによりダイオキシンを90〜9
5%程度除去できることが認められた。
【0018】請求項4の本発明のダイオキシン含有ガス
の処理方法は、ダイオキシン含有ガスとダイオキシン吸
着材の分散水とを接触させ、ダイオキシンを水に吸収さ
せると共に該吸着材に吸着させる接触工程と、この接触
工程からのガスを集塵処理する工程とを有するダイオキ
シン除去方法において、該接触工程後のガスを冷却する
ことにより水蒸気を凝縮させて白煙を発生させ、この白
煙を含むガスを前記集塵工程に供給することを特徴とす
るものである。
【0019】請求項5のダイオキシン含有ガスの処理方
法は、請求項4において、前記接触工程においてガスの
一部をガスの他部よりも低温の前記分散水と接触させ、
これによって該接触工程後に比較的低温のガスと比較的
高温のガスとを生じさせ、これらのガス同士を混合させ
ることにより前記白煙を発生させるようにしたことを特
徴とするものである。
【0020】請求項6のダイオキシン含有ガスの処理方
法は、請求項4において、前記接触工程は第1接触工程
と第2接触工程からなり、被処理ガスを第1接触工程に
て処理し、この第1接触工程からのガスの一部を第2接
触工程にて処理すると共に冷却し、第1接触工程からの
ガスの他部を該第2接触工程からのガスと混合して前記
白煙を生じさせるようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0021】請求項7の本発明のダイオキシン含有ガス
の処理装置は、ダイオキシン含有ガスとダイオキシン吸
着材の分散水とを接触させる気液接触手段と、該気液接
触手段からのガスを冷却することにより水蒸気を凝縮さ
せて白煙を発生させる手段と、この白煙を含むガスを集
塵処理する手段とを備えてなることを特徴とするもので
ある。
【0022】請求項8のダイオキシン含有ガスの処理装
置は、ダイオキシン含有ガスとダイオキシン吸着材の分
散水とを接触させる第1の気液接触手段と、該第1の気
液接触手段からのガスの一部を比較的低温のダイオキシ
ン吸着材分散水と接触させる第2の気液接触手段と、該
第1の気液接触手段からのガスの他部を比較的高温のダ
イオキシン吸着材分散水と接触させる第3の気液接触手
段と、該第2の気液接触手段からの比較的低温のガスと
第3の気液接触手段からの比較的高温のガスとを混合
し、これにより水蒸気を凝縮させて白煙を発生させる手
段と、この白煙を含むガスを集塵処理する手段とを備え
てなるダイオキシン含有ガスの処理装置である。
【0023】請求項9のダイオキシン含有ガスの処理装
置は、ダイオキシン含有ガスとダイオキシン吸着材分散
水とを接触させる第1の気液接触手段と、該第1の気液
接触手段からのガスの一部をダイオキシン吸着材分散水
と接触させる第2の気液接触手段と、該第1の気液接触
手段からのガスの他部と該第2の気液接触手段からのガ
スとを混合し、これにより水蒸気を凝縮させて白煙を発
生させる手段と、この白煙を含むガスを集塵処理する手
段と、を備えてなるダイオキシン含有ガスの処理装置で
ある。
【0024】かかる請求項4〜9のダイオキシン含有ガ
スの処理方法及び装置にあっては、気液接触処理により
大部分のダイオキシンを吸収除去する。また、この気液
接触処理により、ほぼ水分が飽和状態となっているガス
をその後冷却して白煙(大量の微小水滴)を発生させ
る。この水滴が固体を包み込むように発生するところか
ら、粒子の見かけの粒径(表面に付着した水分を含めた
粒子径)が大きくなる。また、この水分付着により粒子
同士が結合(凝集、会合)して粒子が成長する。このよ
うに粒径が大きくなった粒子は後段の集塵手段で確実に
捕集され、これによりダイオキシンの大気放出量が著し
く減少する。
【0025】白煙を効率良く発生させるには、例えば排
ガスを吸着材分散水と1次接触させた後、一部のガスを
低温の吸着材分散水と2次接触させて低温のガスとし、
他部のガスをそれよりも温度の高い吸着材分散水と2次
接触させてそれよりも高温のガスとし、これらの2次接
触後の比較的低温のガス及び比較的高温のガス同士を混
合する。この比較的高温のガス中の水蒸気が比較的低温
のガスによって急速に冷却され、多量の白煙が効率良く
発生する(請求項5、8)。
【0026】また、白煙を発生させる別の方法にあって
は、排ガスを吸着材分散水と1次接触させた後、一部の
ガスを吸着材分散水と2次接触させて比較的低温にする
と共に、他部のガスは2次接触させず、比較的高温のま
まとしておく。そして、該他部の比較的高温のガスを該
2次接触後の比較的低温のガスと混合させる。これによ
り、比較的高温のガス中の水蒸気が比較的低温のガスに
よって急速に冷却され、多量の白煙が効率良く発生する
(請求項6、9)。
【0027】
【発明の実施の形態】第1図を参照して実施の形態に係
るダイオキシン含有ガスの処理方法及び装置について説
明する。
【0028】ダイオキシンを含む排ガス1は、前段液接
触室(スクラバ)2でポンプ3による循環水(ダイオキ
シン吸着材としての粉末活性炭の分散水)7と接触して
ダイオキシンが吸収される。このガスは、水蒸気の飽和
状態となって洗浄塔4に流入する。
【0029】洗浄塔4内には充填層6bが設けられてい
る。充填層6bには循環水(粉末活性炭の分散水)8を
循環させるように循環水ポンプ5を有した循環ライン5
Cが接続されている。
【0030】前記前段液接触室2の循環水7及び該循環
水8の双方又はどちらか一方には、補給ポンプ10によ
って、タンク9内の粉末活性炭と水との混合液(分散
水)が補給される。
【0031】循環ライン5Cには水冷却器15が設けら
れており、循環水が冷却される。このため、充填層6b
を通過したガスは低温となる。充填層6bを通過したガ
スは水蒸気で飽和しているので、加熱器16で加熱した
後、必要に応じ電気集塵機等の集塵機17にて集塵した
後、放出する。なお、本発明においては、循環水8に粉
末活性炭を添加しない場合には、集塵機17を経由せ
ず、直接大気に放出しても良い。
【0032】かかる第1図の構成において、排ガスは熱
エネルギーを持った状態でスクラバ2に流入し、循環水
7によって冷却減温洗浄される。
【0033】これに使用される循環水7の量は、重量比
で乾きガスの7倍以上、望ましくは10〜15倍が使用
される。一般に、ガス中のダイオキシンが水に吸収され
る速度は、ガスに接触する液の量に比例するから7〜1
0倍以上の液の存在は、ダイオキシンの吸収に大きく貢
献する。
【0034】このように大量の循環水7と高速で接触し
たガスは、一気に温度が低下して飽和状態となり、ガス
中のガス状ダイオキシンも温度の低下と共に液化もしく
は固化して循環水7に吸収される。
【0035】この時の冷却は瞬時に行われるため、ダイ
オキシンが新たに発生することは殆どない。もし、元の
ガスが800℃程度以上であって、ダイオキシンのほと
んどない状態であれば、そのままダイオキシンのほとん
どない状態のまま低温ガスとなる。
【0036】このように処理されたガスは、通常65〜
75℃程度の飽和ガスで、多量の水蒸気を含んでいる
が、これを次の充填層6bで冷却減湿する。
【0037】充填層6bの循環水8は冷却器15で冷却
され、それとスクラバ2からの飽和ガスが充填層6b内
で接触してガス温度を下げるが、その冷却した後のガス
温度が、ダイオキシンの吸収に大きく影響している。
【0038】第1表は、スクラバ2の入口から充填層6
bの出口までの除去効率を測定した実測値である。
【0039】
【表1】
【0040】この表に見られる通り、ダストよりも粒子
が小さいはずのダイオキシンの方が除去効率がはるかに
良い。それは、ダイオキシンが粒子として捕集されると
同時に、ガスから水への直接吸収として行われるからで
あると想像される。
【0041】しかも、そのガスからの吸収は、冷却後の
温度が低いほど顕著になる。
【0042】その理由としてまず第1に考えられるの
は、水蒸気の液化に伴うダイオキシンの吸収である。
【0043】第2表は、上記の実験で発生した各飽和温
度における飽和湿度である。
【0044】
【表2】
【0045】前記実験において、スクラバの飽和温度は
65℃であったから、上記第2表をもとに各温度におけ
る充填層上の水滴の発生量を見ると、第3表のようにな
る。
【0046】
【表3】
【0047】この水滴の発生量の差がダイオキシンの吸
収に影響していることが想像される。
【0048】次に第2の理由として考えられるのは、ダ
イオキシンの蒸気圧と温度の関係である。
【0049】一般に「ダイオキシン」といわれて制御の
対象とされているものは、厳密にいうと「ダイオキシン
類」でありそれは、化学式でいうところの「塩素化ジベ
ンゾパラジオキシンとその同族体PCDDS」と「塩素
化ジベンゾフランとその同族体PCDPS」を総称した
もので、この全ての同族体をそれぞれに測定し、それに
一定の換算率をかけて、その中でもっとも毒性の高い
2,3,7,8−TCDDの毒性値に換算し集計したも
のが等価毒性TEQ−ng/Nm3として表示されてい
る。
【0050】従って、たとえば1TEQ−ng/Nm3
の「ダイオキシン」があると測定されたということは、
その数100倍のダイオキシン類の同族体がガス中に存
在することを意味する。
【0051】ダイオキシン類全てが共存しているときの
蒸気圧はわからないが、たとえばその中の代表的な2,
3,7,8−TCDDが単独で存在したときの蒸気圧に
ついて、発明者等が調査した数値を近似法で計算する
と、次の第4表の通りとなる。
【0052】
【表4】
【0053】この表で見ると、ダイオキシンのような高
沸点の物質では、65℃のガスを45℃に下げると、蒸
気圧は一桁、35℃に下げると二桁小さくなる。
【0054】蒸気圧の低下によって減少する残留ガスの
量がそのまま除去効率に反映されると仮定すると、蒸気
圧が一桁下がることは、除去効率が90%となり、二桁
下がることは除去効率が99%となることを意味する。
【0055】この蒸気圧は2,3,7,8−TCDDが
単独に存在したときの数値であって、実際には共存する
水やダイオキシンの同族体によって影響されるのでこれ
とは違った数値になる。
【0056】また、蒸気圧の差がそのまま除去効率とな
ることもありえないが、傾向としてこれと類似の反応が
起こりうるものと想像される。
【0057】以上二つの理由を総合的に見て、本発明で
は、冷却減湿して得られるガスの温度を45℃以下、望
ましくは40℃以下にすることによってスクラバ2の入
口から充填層6b出口までの総合ダイオキシン除去効率
を90%以上とすることができるものと判断される。
【0058】冷却減湿後の温度を下げるには、必ずしも
前段のスクラバ2が断熱冷却である必要はなく、第2図
のように、スクラバ循環水7の回路に冷却器7Cを入れ
て、スクラバ2での飽和温度を前もって下げた後、後段
の充填層6bで冷却しても、同様の効果が得られる。
【0059】更に、本発明によれば、第1図で示すよう
に、スクラバ2の循環水7、あるいは充填層6bの循環
水8に粉末活性炭等のダイオキシン吸着材を添加し、そ
れを液中に分散させることによって、液に吸収されたダ
イオキシンを速やかに吸着し、液がダイオキシンで飽和
することを防ぎ、装置のダイオキシン除去性能を保持す
ると同時に、排水ライン11から排出される排水中の吸
着材を固液分離するだけで無害の排水となり、そのまま
放流することができる。
【0060】このようにして清浄化されたガスは、元の
ガスの含有するダストやダイオキシンが少ない場合には
そのまま大気に放出するか、あるいは更にガスを浄化す
るために、後段の集塵機17を経由して排気されるが、
その際に、大気中で白煙が発生しないようにガスを加熱
することがしばしば行われる。
【0061】この加熱は、加熱器16によって行っても
良く、また、例えば、第3図のようにスクラバ2の入口
に熱交換器20を設置し、そこで得られた温風21を排
気ライン18に混入しても良い。
【0062】本発明においては、その加熱の手段として
もとのガスの一部をバイパスして排ガスに混合すること
もできる。その際には、第4図のように、高温集塵機2
5を設置し、それに高温ダイオキシン及びその前駆物質
吸着材26を投入して、無害化した高温ガスとする。
【0063】このように、第1図〜第4図の方法及び装
置によれば、ダイオキシンの除去を、単純で安価な装置
で行うことができるものである。
【0064】第5図は本発明の別の実施の形態について
説明する。
【0065】ダイオキシンを含む排ガスは乾式集塵機1
で粉塵が除去された後、前段液接触室2でポンプ3によ
る循環水(粉末活性炭の分散水)7と接触してダイオキ
シンが吸収される。(なお、粉末活性炭を含む水は前段
液接触室2の内壁面に付着したダイオキシンをこすり取
るという効果も有する。)このガスは、水蒸気の飽和状
態となって洗浄塔4に流入する。
【0066】洗浄塔4内では、ガスが並列に通過するよ
うに2個の液接触室6,6′が設けられている。各液接
触室6,6′には循環水(粉末活性炭の分散水)8,
8′を循環させるように循環水ポンプ5,5′を有した
循環ライン5C、5′Cが接続されている。
【0067】前記前段液接触室2の循環水7及び該循環
水8,8′には、補給ポンプ10によって、タンク9内
の活性炭と水との混合液(分散水)が補給される。
【0068】一方の循環ライン5′Cには水冷却器15
が設けられており、循環水が冷却される。このため、液
接触室6′を通過したガスは液接触室6を通過したガス
よりも低温となる。これらの液接触室6,6′を通過し
たガスは水蒸気で飽和しているので、液接触室6からの
比較的高温のガスと液接触室6′からの比較的低温のガ
スが混合室12内で混合されることにより大量の白煙が
発生する。この白煙(微小水滴)がガス中の微粒子を包
み込み、見かけの粒径が大きくなったり、粒子が結合し
て粒子成長する。このように成長した粒子を含むガスが
電気集塵機13に流入することにより、粒子の大部分が
効率良く除去される。これにより、ダイオキシンの大気
への放出量が著しく減少する。
【0069】図中の14は、電気集塵機13の極板を定
期的に洗浄するための洗浄回路であり、バルブ14Vを
開くことにより水冷却器15から集塵機13へ水が供給
される。
【0070】なお、循環ライン5C,5′Cを循環する
液8,8′のガス接触開始時の温度差が大きいほど白煙
が大量に発生するが、水冷却器15としてクーリングタ
ワーを利用すれば、液8′の温度を35〜40℃にする
ことは容易であり、液8,8′のガス接触開始時の温度
差を25〜30℃にすることができる。
【0071】また、白煙の発生には、比較的温度の高い
ガスと比較的温度の低いガスの混合比率にも好適範囲が
あり、通常では、低い温度のガス1容量部に対する高い
温度のガスの量を、乾きガスで換算して0.25〜0.
5容量部程度にするのが望ましい。
【0072】前段液接触室におけるガスに対する循環水
の量は対象ガスと液の熱収支と物質収支と吸収能力で定
められ、通常は対象ガスの乾きガス量に対し重量比で5
〜15程度にするのが好ましい。
【0073】循環水7,8,8′としては、水に0.0
5%以上、望ましくは0.05〜0.3%とくに0.1
%程度の粉末活性炭を混入したものが好適であり、水に
吸収されたダイオキシンは効果的に活性炭に吸着され
る。
【0074】第6図は、本発明の第2の実施の形態に係
るダイオキシン除去装置の系統図である。
【0075】この実施の形態は、前段液接触室2のダイ
オキシン吸収機能が十分であり、それによってガスが水
蒸気で飽和し、またガス状のダイオキシンがこの接触室
2で実質的に全て吸収されている場合に採用される。
【0076】この実施の形態では、洗浄塔4内の液接触
室6を1個にし、その循環水8を水冷却器15で冷却し
ている。前段液接触室2からのガスの一部はこの洗浄塔
4の下部に導入され、液接触室6を通って低温のガスと
なる。前段液接触室2からのガスの他部は、バルブ16
Vを有したバイパスライン16を介して比較的高温のま
ま洗浄塔4の上部に直接に導入され、液接触室6からの
比較的低温のガスと混合される。両ガスとも水蒸気で飽
和しているので、両ガスが混合されることにより大量の
白煙が発生する。この白煙を含んだガスが集塵機13に
導入されることにより、第1図の場合と同様にガス中の
粒子の大部分が効率良く除去される。そして、これによ
りダイオキシンの大気への放出量が著しく減少する。
【0077】なお、第6図のその他の構成は第5図と同
様であり、同一符号は同一部分を示している。
【0078】本発明において、ダイオキシン吸着材とし
ては粉末活性炭以外に火山灰、粉末シリカ系化合物、粉
末粘土鉱物などを用いることもできる。
【0079】
【実施例】
実施例1 温度500℃、湿度0.2kg/kg、ダイオキシン濃
度5.0ng/Nm3のガスを第5図の装置で処理し
た。なお、洗浄塔4では低温側の液接触室6′のガス通
過量1容量部に対し高温側の液接触室6のガス通過量を
0.4容量部とした。ダイオキシン吸収用の循環水7,
8,8′として粉末活性炭の0.1%分散水を用いた。
室6に供給される循環水8の温度70℃、室6′に供給
される循環水8′の温度35℃の条件下で装置を稼働さ
せたところ、電気集塵機13出口のダイオキシン濃度は
0.06ng/Nm3であった。
【0080】比較例1 実施例1において、水冷却器15の運転を停止し、循環
水8,8′の温度をいずれも70℃としたところ、集塵
機13出口のダイオキシン濃度は0.45ng/Nm3
と約7倍に上昇した。
【0081】実施例2 第6図の装置を用い、実施例1と同一のガスを処理し
た。前段液接触室2からのガスのうち70%を洗浄塔4
の下部に導入して液接触室6を通し、残りの30%をバ
イパスライン16を介して洗浄塔4の上部に導入した。
液接触室6に供給される循環水8は0.1%活性炭分散
水とし、その温度は35℃とした。
【0082】その結果、集塵機13出口のダイオキシン
濃度は0.08ng/Nm3であった。
【0083】比較例2 実施例2において、バイパスライン16のバルブ16V
を全閉とし、前段液接触室2からのガスの全量を液接触
室6を通すようにしたほかは同様にして排ガス処理を行
ったところ、集塵機13出口のダイオキシン濃度は0.
12ng/Nm3と約1.5倍に上昇した。
【0084】実施例3 温度600℃、湿度0.2kg/kg、ダイオキシン濃
度1.0ng/Nm3のガスを第2図の装置で処理し
た。なお、前段液接触室2ではガス通過量と循環水を重
量比で1:9の割合で1秒以内に接触させた。また、ダ
イオキシン吸着材の分散水として循環水7に粉末活性炭
を0.1%添加し、室6に供給される循環水8の温度3
5℃の条件下で装置を稼動させたところ、塔4出口のダ
イオキシン濃度は0.09ng/Nm3であった。
【0085】比較例3 実施例3において、水冷却器15の運転を停止し、循環
水8の温度をいずれも75℃としたところ塔4出口のダ
イオキシン濃度は0.80ng/Nm3と約9倍に上昇
した。
【0086】
【発明の効果】以上の通り、本発明のダイオキシン除去
方法及び装置によると排ガス中のダイオキシンをきわめ
て効率良く除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す系統図である。
【図2】第2の実施の形態を示す系統図である。
【図3】第3の実施の形態を示す系統図である。
【図4】第4の実施の形態を示す系統図である。
【図5】第5の実施の形態を示す系統図である。
【図6】第6の実施の形態を示す系統図である。
【図7】従来例を示す系統図である。
【符号の説明】
1 乾式集塵機 2 前段液接触室 4 洗浄塔 6,6′ 液接触室 7,8,8′ 循環水(粉末活性炭の分散水) 11 排水ライン 12 混合室 13 電気集塵機 15 水冷却器 16 バイパスライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F23J 15/00 F27D 17/00 105A 15/06 B01D 53/34 ZAB 15/04 F23J 15/00 J F27D 17/00 104 K D 105 (72)発明者 中川 健一 奈良県生駒市新旭が丘16−49 (72)発明者 角田 昌彦 神奈川県横浜市港北区下田町3−6−10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイオキシン含有ガスを、ダイオキシン
    吸着材を含み、かつ乾きガスの重量比で7倍以上の量の
    水と接触させて急冷した後、45℃以下の温度の水で洗
    浄するダイオキシン含有ガスの処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、500℃以上のダイ
    オキシン含有ガスを1秒以内に100℃以下まで急冷す
    ることを特徴とするダイオキシン含有ガスの処理方法。
  3. 【請求項3】 ダイオキシン含有ガスを、ダイオキシン
    吸着材を含み、かつ乾きガスの重量比で7倍以上の量の
    水で急冷後、その一部を45℃以下の温度の水で洗浄し
    た後、残部のガスと混合するダイオキシン含有ガスの処
    理方法。
  4. 【請求項4】 ダイオキシン含有ガスとダイオキシン吸
    着材の分散水とを接触させ、ダイオキシンを水に吸収さ
    せると共に該吸着材に吸収させる接触工程と、 この接触工程からのガスを集塵処理する工程とを有する
    ダイオキシン除去方法において、 該接触工程後のガスを冷却することにより水蒸気を凝縮
    させて白煙を発生させ、この白煙を含むガスを前記集塵
    工程に供給することを特徴とするダイオキシン含有ガス
    の処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記接触工程におい
    てガスの一部をガスの他部よりも低温の前記分散水と接
    触させ、これによって該接触工程後に比較的低温のガス
    と比較的高温のガスとを生じさせ、これらのガス同士を
    混合させることにより前記白煙を発生させるようにした
    ことを特徴とするダイオキシン含有ガスの処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項4において、前記接触工程は第1
    接触工程と第2接触工程からなり、 被処理ガスを第1接触工程にて処理し、この第1接触工
    程からのガスの一部を第2接触工程にて処理すると共に
    冷却し、第1接触工程からのガスの他部を該第2接触工
    程からのガスと混合して前記白煙を生じさせるようにし
    たことを特徴とするダイオキシン含有ガスの処理方法。
  7. 【請求項7】 ダイオキシン含有ガスとダイオキシン吸
    着材の分散水とを接触させる気液接触手段と、 該気液接触手段からのガスを冷却することにより水蒸気
    を凝縮させて白煙を発生させる手段と、 この白煙を含むガスを集塵処理する手段とを備えてなる
    ダイオキシン含有ガスの処理装置。
  8. 【請求項8】 ダイオキシン含有ガスとダイオキシン吸
    着材の分散水とを接触させる第1の気液接触手段と、 該第1の気液接触手段からのガスの一部を比較的低温の
    ダイオキシン吸着材分散水と接触させる第2の気液接触
    手段と、 該第1の気液接触手段からのガスの他部を比較的高温の
    ダイオキシン吸着材分散水と接触させる第3の気液接触
    手段と、 該第2の気液接触手段からの比較的低温のガスと第3の
    気液接触手段からの比較的高温のガスとを混合し、これ
    により水蒸気を凝縮させて白煙を発生させる手段と、 この白煙を含むガスを集塵処理する手段と、を備えてな
    るダイオキシン含有ガスの処理装置。
  9. 【請求項9】 ダイオキシン含有ガスとダイオキシン吸
    着材分散水とを接触させる第1の気液接触手段と、 該第1の気液接触手段からのガスの一部をダイオキシン
    吸着材分散水と接触させる第2の気液接触手段と、 該第1の気液接触手段からのガスの他部と該第2の気液
    接触手段からのガスとを混合し、これにより水蒸気を凝
    縮させて白煙を発生させる手段と、 この白煙を含むガスを集塵処理する手段と、を備えてな
    るダイオキシン含有ガスの処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004506832A (ja) * 2000-08-11 2004-03-04 アプリカツイオ−ンス− ウント・テヒニックツエントルーム・フユール・エネルギーフエルフアーレンス− ウムウエルト− ウント・シユトレームングステヒニック 熱エネルギーを機械的作用に変換する方法
CN108895467A (zh) * 2018-08-24 2018-11-27 深圳市山水乐环保科技有限公司 运用毛细管处理焚烧炉烟气中二噁英气体的装置和方法

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