JPH1170128A - インプラントおよびその製造方法 - Google Patents

インプラントおよびその製造方法

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JPH1170128A
JPH1170128A JP10150751A JP15075198A JPH1170128A JP H1170128 A JPH1170128 A JP H1170128A JP 10150751 A JP10150751 A JP 10150751A JP 15075198 A JP15075198 A JP 15075198A JP H1170128 A JPH1170128 A JP H1170128A
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dioxanone
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JP10150751A
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Christoph Dr Walther
クリストフ・バルター
Susanne Landgrebe
ズザンネ・ラントグレーベ
Hans-Jochen Dr Hoepffner
ハンス−ヨヘン・ヘプフナー
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Johnson and Johnson Medical GmbH
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Ethicon GmbH
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F6/00Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
    • D01F6/58Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products
    • D01F6/62Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products from polyesters
    • D01F6/625Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products from polyesters derived from hydroxy-carboxylic acids, e.g. lactones
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L31/00Materials for other surgical articles, e.g. stents, stent-grafts, shunts, surgical drapes, guide wires, materials for adhesion prevention, occluding devices, surgical gloves, tissue fixation devices
    • A61L31/04Macromolecular materials
    • A61L31/06Macromolecular materials obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、二次元または三次元形のインプラ
ントおよびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明に係る二次元または三次元のイン
プラントは、放射線照射および/または化学処理によっ
て予備分解させた少なくとも1本ヤーンを含む。予備分
解させた吸収性ヤーンの含有比率は、インプラント全重
量の少なくとも50%である。予備分解は、例えばγ線
または紫外線の照射や、加水分解液への浸漬によって行
うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次元または三次
元形のインプラントおよびそのようなインプラントの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】二次元または三次元形のインプラントと
は、糸あるいは手術用縫合糸材とは対照的に、適用部の
表面に沿ってかなりの拡がりをもつ三次元インプラント
ないし三次元的に拡張するインプラントを意味する。
【0003】このようなインプラントは、例えば抜歯の
後などに起こる口腔骨の欠損による出血を抑えるなど、
骨の欠損部を埋め合わせて、骨からの液体の滲出を効果
的に抑えるのに用いられる。
【0004】これまでに知られているインプラントは、
適当な機械的安定性を与えるため、血液の塊をうまく安
定化させることができるが、他方分解しなかったり、し
てもきわめてゆっくりとしか分解しないため、欠損部で
の骨の形成を妨害していた。これとは反対に、もしコラ
ーゲン泡のような充填材が骨の欠損部の充填に用いられ
るならば、骨の成長は妨げられないが、血液の塊が高信
頼性の下に安定することはなくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、一方では骨の欠損が生じた場合に出血を高信頼性の
下に止めながら、他方では治療の過程で欠損部での骨の
形成を妨げることのないインプラント(およびこのよう
なインプラントの製造方法)を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、請求項
1の特徴を有するインプラントと、請求項2の特徴を有
する方法によって達成される。本発明の利点は、本明細
書末尾部分にある実施態様から理解される。
【0007】本発明に係るインプラントは、面積または
体積が大きく、放射線照射および/または化学処理によ
って予め分解させておいた少なくとも一本の吸収性ヤー
ンを含む。予め分解させておくヤーンの含有比率は、イ
ンプラント全重量の少なくとも50%とする。
【0008】吸収性ヤーンを予備分解の処理にかける
と、その分子構造は攻撃を受ける。このため、ヤーン
は、手術後、生体内でより迅速に分解することになる。
吸収時間、すなわち、インプラントの残留物が生体内で
検出されなくなるまでの時間は、予備分解処理(放射線
照射および/または化学処理)およびその処理の際に用
いられるプロセスパラメータ(以下参照)を適当に選択
することによって調整することができる。したがって、
例えば、吸収性ヤーンの吸収時間として約30日を選択
することもできる。その結果、インプラントは残留物が
ほとんどあるいはまったくなくなり、手術後30日を経
過した後、骨の再生に関連して骨の板片が欠損部に入り
込むのを妨げることはなくなる。
【0009】インプラントの吸収性ヤーンは、放射線照
射や化学処理によっては、単に予備分解されただけで、
完全には分解していない。そこで、インプラントは、手
術後数日の間は、適当な機械的安定性を有している。こ
れは、例えば口腔の骨が欠損したときに、高い信頼性の
下に出血を抑えることを可能にする。インプラントはヤ
ーンからできているため、吸収性があり、何ら支障なく
血液を吸収することができる。
【0010】インプラント中の空孔割合は、インプラン
ト全容積の少なくとも50%あることが好ましい。イン
プラントは、例えばループ布、編布、織布、ブレード
(編組)および/またはフェルトからつくることができ
る。
【0011】グリコリド/ラクチドコポリマー(好まし
いのはポリグラクチン910)は、予備分解させる吸収
性ヤーンの材料として適当である。ポリグは、グリコリ
ドとラクチドのコポリマー(グリコリド:ラクチドが
9:1,「Vicryl」の商品名で本出願人が販売している)
である。ポリグラクチン910は加水分解で分解させる
ことができる。得られる分解生成物(グルコール酸と乳
酸)は、体内で代謝される。予備分解されていないポリ
グラクチン910の吸収時間は、約70日である。しか
し、予備分解処理をすれば、吸収時間は、約35日にま
で短縮できる。
【0012】予備分解させる吸収性ヤーンの材料として
適当なもう一つの例は、ポリ−p−ジオキサノンであ
る。しかし、他の材料からなる吸収性ヤーンの使用、ま
たは異なるヤーン同士もしくは異なる材料のヤーン同士
を同じインプラントで組み合わせて使うことも可能であ
る。
【0013】好ましい態様においては、インプラント
は、少なくとも1本の予備分解されていない(好ましく
は吸収性のヤーン)を使って、補強ないし形状を維持す
る。こうすると、インプラントの安定性が増加するので
ある。インプラントの材料は、ほとんどが予備分解され
た吸収性ヤーンであるため、予備分解されていないヤー
ン(たとえ吸収性でなくても)が骨の正常を阻害するこ
とは、まったくないしほとんどない。例えばポリ−p−
ジオキサノンは、予備分解しないヤーンの材料として適
している。
【0014】本発明に係るインプラントの長所は、次の
ように要約できる。まず、このインプラントは、吸収性
ヤーンあるいは種々の吸収性ヤーンを、依然として高い
機械強度を維持しながら十分な速度で吸収される(この
結果例えば欠損部での骨の形成が阻害されない)よう、
予備処理して用いることにより、平らな形、または適用
環境にすでに適応した形で製造することができる。この
ようなインプラントの典型は、円筒形またはディスク形
のタンポンである。また、このインプラントの助けを借
りれば、骨からの滲出の抑制も、高い信頼性の下に達成
できる。インプラントの機械的安定性は、数日間は十分
に高いため、効果的な止血を行うことができる。インプ
ラントは、多孔性であるため、血液の液体成分および細
胞成分が透過できる。そして、インプラントの空孔とつ
ながった隔室のため、生成する血液塊が安定化する。
【0015】本発明に係るインプラントの製造において
は、少なくとも1本の吸収性ヤーンが、放射線照射およ
び/または化学処理によって予備分解され、インプラン
トは二次元ないし三次元形にされる。予備分解には、種
々の方法、あるいはその組み合わせ(互いにもう一方の
方法の作用に付加するものがある)が考えられる。
【0016】予備分解の一つの方法として、好ましくは
γ線を10kGy ないし500kGy の線量で照射するもの
がある。コバルトによるγ線を25kGy ないし100kG
y の線量で照射する方法は特に適している。
【0017】一群のポリマー(例えばポリ−p−ジオキ
サノン)については、紫外線または可視光(例えば白ネ
オン光)を照射して予備分解させることができる。
【0018】吸収性ヤーンを加水分解用の緩衝液に浸漬
して予備分解させる方法もある。加水分解用の緩衝液
は、pHが4〜10であるのが好ましく、浸漬は、30
〜65℃の温度下で10〜300時間行われる。このた
めには、予備分解にかける吸収性ヤーンは、加水分解可
能でなければならず、このようなヤーンの材料としては
ポリグラクチン910やポリ−p−ジオキサノンがあ
る。ポリグラクチン910については、わずかにアルカ
リ性で約50℃の加水分解用緩衝液に、約40〜80時
間浸漬するのがよいことが証明された。ポリ−p−ジオ
キサノンの場合は、処理時間は長い方(例えば300時
間近く)がよい。
【0019】予備分解中のプロセスパラメータは、吸収
性ヤーンの材料に対応して、一連の試験により、所望の
吸収時間が達成できるように決定される。ルーピング、
ニッティング、ブレーディング、製織その他の表面組織
処理工程を施されるインプラントの最終製品がつくれる
よう、予備分解された吸収性ヤーンの強度は、依然とし
て高いのが好ましい。しかし、分解の程度は、得られる
インプラントが、予備分解されない吸収性ヤーンから構
成される従来のインプラントに比べて十分に速く吸収さ
れるよう、高くあるべきである。
【0020】予備分解は、出発材料として用いる吸収性
ヤーン、このヤーンから製造される糸、および/または
このヤーンから製造される二次元的ないし三次元的中間
形のインプラントについて、少なくとも一つの工程で行
なうのが好ましい。そのような中間形の表面は比較的広
いため、予備分解作用は、何ら支障なく吸収性ヤーンに
及び、一番上のヤーンの層による遮蔽効果は無視でき
る。好ましい態様においては、予備分解ヤーンとして用
いられる中間形は、ほぐした(よりをかけていない)も
のである。予備分解したヤーンは、さらに他の中間形あ
るいはインプラントの最終形へ処理する。
【0021】インプラントの安定性を増すため、好まし
い態様においては、少なくとも1本の予備分解したヤー
ンと少なくとも1本の予備分解しないヤーンを一緒に編
むか、ループ状にするか、織るか、または編組する。イ
ンプラントの形を、他の方法で制御しながら取り付けた
ヤーン、あるいはそのようなヤーン(予備分解はされて
おらず高い強度を有する)から形成される糸によって実
質的に決定してしまうことも可能である。
【0022】例えば、ポリ−p−ジオキサノンの予備分
解されていないヤーンは、インプラントに組み入れるこ
とができ、そしてこのインプラントは、このヤーンを7
0〜110℃の温度で収縮させることによって最終形に
もっていかれる。この場合、未処理(すなわち予備分解
されていない)のヤーンは、70℃より高く融点(約1
10℃)より低い温度で高収縮能力を有するため、イン
プラントの形を決める上で、ポリ−p−ジオキサノンヤ
ーンの特性が利用されている。したがって、ポリ−p−
ジオキサノンヤーンを収縮させることによって、よりゆ
るく編んだ布から、より剛性のインプラントをつくり出
すことができる。
【0023】予備分解しないヤーンを用いない場合は、
予備分解の工程は、最終工程(すなわち、インプラント
が最終形にでき上がってから)として行うこともでき
る。
【0024】吸収性ヤーンにおける表面組織は、予備分
解プロセスによって変化させることができる。例えば、
高倍率で拡大すると、軸と垂直方向に走る種々の程度の
亀裂やクラックが、ポリグラクチン910の各フィラメ
ント表面で検出することができる。このような変化が生
じると、血液塊が顕著に良好にかつ迅速に安定化するよ
うになる。これは、血液の凝集を早める効果を有するヤ
ーンのフィラメントにおいて血小板の付着が改善される
ためであろう。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、実施例の助けを借りて本
発明をより詳細に説明する。この目的のためには、本発
明に係るインプラント製造方法の実施例と、インプラン
トの性質に対する予備分解中のプロセスパラメータの影
響を示す実施例がよい。一般に、本発明に係るインプラ
ントは多くの方法で形成することができ、予備分解の方
法に多数の種類があることに留意されたい。所与のヤー
ン材料に対する吸収時間は、実験的に決定される。この
決定がいかに行われるかも、以下の実施例を使って説明
する。
【0026】[実施例1]本実施例は、ポリグラクチン
910ヤーンを予備分解する上で最適なプロセス条件を
決定するための予備実験である。
【0027】ポリグラクチン910のヤーン(28デニ
ール)でできたチューブを製造するため、円形ニット機
に小さなニッティングヘッド(3/4インチ)を取り付
けてポリグラクチン910のヤーン5本を編み、メッシ
ュが密なチューブにした。
【0028】このチューブ片(それぞれ長さ8mm)は、
ついでボビンに巻き取り、それぞれ加水分解用緩衝液に
64時間、72時間および80時間浸漬した。加水分解
用緩衝液は、Na2HPO4(50mmol/l)とKH2PO4(17mmol/l)
の水溶液系からなる。pHは7.26である。この処理
中、加水分解用緩衝液の温度は、50.5℃であった。
加水分解液に浸漬後最も良好な特性を示したのは、72
時間浸漬したチューブ片であった。吸収時間が短いの
は、処理後の低破断強度に起因するという結論が得られ
たため、ここでの「良好」の基準は、破断強度(表1参
照)が可能な限り低いことである。しかし、他方で、チ
ューブのヤーンは、さらなる処理に耐え得るものでなけ
ればならない。特に、加水分解液中での浸漬ないし温置
の後(すなわち予備分解の後)、チューブは解繊できる
ものでなければならない。
【0029】 表1: 加水分解緩衝液(pH7.26,50.5℃)中で所定時間予備分解 した後のポリグラクチン910製チューブの破断強度 浸漬時間 破断強度 (時間) (N) (%) 0 455.28 100.0 64 244.60 53.7 72 234.93 51.6 80 171.55 37.7
【0030】次に、50.5℃の加水分解液中に72時
間温置したポリグラクチン910製チューブについて生
体外破断強度を測定した。本明細書では、生体外破断強
度は、上述の緩衝液中に所定の時間漬けた後チューブが
破断する引張り強度を意味すると理解されたい。しか
し、ヒトの体内に埋め込んだ後の破断強度の減少を見る
ため、緩衝液の温度は50.5℃ではなく37.0℃に
する。この目的のため、予備分解したチューブは、pH
7.26の加水分解液に2日間、5日間および7日間浸
漬した。表2は、この実験結果を示す。
【0031】 表2: 加水分解緩衝液(pH7.26,50.5℃)中で72時間加水分解 した後、pH7.26,37.0℃の環境下に所定時間置いたポリグラ クチン910製チューブの破断強度 浸漬時間 破断強度 (日) (N) (%) 0 234.93 100.0 2 176.24 75.0 5 89.46 38.1 7 55.04 23.4
【0032】7日後、生体外破断強度は、初期値の25
%以下に低下していた。しかし、生体外破断強度が0に
まで低下する時間は、ポリグラクチン910体内におけ
る吸収時間より短い。
【0033】[実施例2]以下の実施例は、予備分解さ
せないポリ−p−ジオキサノンヤーンで補強した予備分
解させたポリグラクチン910製インプラントの製造方
法を示す。
【0034】ポリグラクチン910の5本ヤーン(各2
8デニール)を、円形ニット機に取り付けた小さなニッ
ティングヘッド(3/4インチ)を使って、まずメッシ
ュの密なチューブに編み上げた。編み上げたチューブ
は、実施例1の加水分解液(pH7.26,50.5
℃)に72時間浸漬し、次いで蒸留水で十分に洗浄し、
真空キャビネット中で乾燥させた。こうして、加水分解
液をチューブに編み上げられたヤーンにあらゆる側から
浸透させ、チューブのヤーンを予備分解させた。
【0035】次のプロセスにおいては、ヤーンの形状を
したポリグラクチン910の予備分解された材料を得る
ため、これまで製造・処理してきたチューブを再びほぐ
した。この後、こうして予備分解した2本のポリグラク
チン910製ヤーン(2×5×28デニール)を、糸に
これ以上引張り力を加えることなく、2本の未処理ポリ
−p−ジオキサノンヤーン(各30デニール)を編み込
みながら、再び編み上げた。
【0036】こうして2回目に編み上げたチューブを再
びほどき、得られたヤーンを、二次元編み機上で非常に
ゆるいショール状に編んだ。この際、各ニードルに糸へ
の引張り力を与えないようにして、ニードルヘッドを用
いた。
【0037】このショールは、ついで、有機溶媒中で洗
浄した(もみ洗い)。
【0038】この後、ショール片(各30cm長)を、2
mmのスペーサと収縮アイロンを用いて、1分間103℃
の温度下で収縮させた。ポリ−p−ジオキサノンヤーン
はこの温度で収縮するという効果を、この目的のために
用いたのである。
【0039】最後に、10mm×60mmのショール片をは
さみで切断した。包装と殺菌をすれば、このショール片
は、骨の欠損部を充填するインプラントとして市販する
ことができる。
【0040】pH7.26の加水分解液に、37.0℃
で2日間、5日間および7日間温置した後の生体外破断
強度を、実施例1に記載したような最終製品について測
定した。結果は、下記の表3に参照されたい。
【0041】実施例2に記載したようにヤーンを積み重
ねて、編み上げとほどきを繰り返すと、予備分解の工程
が容易になり、切断に近い形で分解したヤーンが得られ
る。
【0042】 表3: 加水分解緩衝液(pH7.26,50.5℃)中で72時間加水分解 したポリグラクチン910ヤーンと予備分解させないポリ−p−ジオキ サノンヤーンからなる最終インプラントの、pH7.26,37.0℃ の環境下に所定時間置いた後における破断強度 浸漬時間 破断強度 (日) (N) (%) 0 30.99 100 2 21.88 71 5 15.04 49 7 9.01 29
【0043】[実施例3]吸収性ヤーンを予備分解させ
るもう一つの方法は、光、特に紫外線(可視光も可能)
を照射する方法である。この方法は、以下のポリ−p−
ジオキサノンを使った実施例によって調べた。
【0044】脂肪族ポリエステルであるポリ−p−ジオ
キサノンは、光の作用によって迅速に分解するが、染料
が無色のポリマーに混合されていると、光による分解速
度は低下する。分解の速度は、光の強度と光源の性質に
よって決まる。ポリ−p−ジオキサノンが分解すると、
剪断強度が低下し、同時に分子量も減少して、ポリ−p
−ジオキサノンから得られるインプラントの体内での吸
収が加速される。固有粘度は分子量の目安であり、固有
粘度が小さければ、ポリマーの分子量は小さく、吸収時
間も短くなる。
【0045】ポリ−p−ジオキサノンに紫外線を照射し
たときの影響を調べるため、ポリ−p−ジオキサノンの
染色していないヤーン(各60デニールのものを5本)
を積み重ねて、フレームに巻き付け、紫外線源(100
WのUltravitaluxランプ;Osram 社製)から約60cmの
距離をおいて紫外線に露光した。
【0046】表4は、残留剪断強度(非露光ヤーンに関
係する)と固有粘度に対する露光時間の影響を示す。
【0047】 表4: 未染色ポリ−p−ジオキサノンヤーンの破断強度と固有粘度に対する 紫外線照射の影響 露光時間 破断強度 固有粘度 (日) (%) (dl/g) 0 100 1.74 8 94 1.41 24 47 72 12 0.57
【0048】紫色の染料「D+Cバイオレット2(1−
ヒドロキシ−4−p−トルイジノ−アントラキノン)」
で染色された紫色のポリ−p−ジオキサノンヤーンを、
集めてフレームに巻き付け、先と同様にしてUltravital
uxランプで紫外線を照射した。
【0049】表5に示すように、残留破断強度と固有粘
度は、未染色のヤーンに比べ、はるかに高くなった。
【0050】 表5: 紫色に染色したポリ−p−ジオキサノンヤーンの破断強度と固有粘度 に対する紫外線照射の影響 露光時間 破断強度 固有粘度 (日) (%) (dl/g) 0 100 1.74 72 88 1.54 120 79 240 46 1.44
【0051】もう一つの実験においては、未染色のヤー
ン(60デニール)を集め、フレームに巻き付けて、白
色のネオン光源(60W)から約60cm離して露光し
た。表6は、残留剪断強度と固有粘度の結果を示す。
【0052】 表6: 紫色に染色したポリ−p−ジオキサノンヤーンの破断強度と固有粘度 に対する紫外線照射の影響 露光時間 破断強度 固有粘度 (日) (%) (dl/g) 0 100 1.74 8 98 1.56 24 95 72 77 1.38 120 43 1.14
【0053】所定時間紫外線に露光した後、未染色のヤ
ーンと紫色の染色したヤーンの間で値を比較した。
【0054】固有粘度の測定値を、図1のように残留破
断強度に対してプロットした。プロットした点を結ぶ曲
線は、指数関数的測定データに当てはまる。
【0055】固有粘度の値は、生体内でのインプラント
の吸収時間に関する結論を導き出す。すなわち、種々の
研究により、生体内で約100日間のインプラント時間
が経過すると、ポリ−p−ジオキサノンヤーンの固有粘
度は、約0.5dl/gになることが分った。このことか
ら、埋め込み前の固有粘度が約0.5dl/gのポリ−p−
ジオキサノンのインプラントは、予備分解させないポリ
−p−ジオキサノンヤーンから得られるインプラントに
比べて、吸収時間が約100日短縮されると結論づける
ことができる。すなわち、予備分解させないポリ−p−
ジオキサノンヤーンから得られるインプラントの吸収時
間が通常約180日であるのに対して、予備分解させた
ヤーンのインプラントの吸収時間は、80日ほどであ
る。
【0056】[実施例4]以下の実施例は、γ線照射に
より予備分解させた場合に、ポリグラクチン910製イ
ンプラントの破断強度がどのように影響されるかを示
す。
【0057】5本(各52デニール)ヤーンの丸編みに
よって、ポリグラクチン910のチューブを用意し、こ
れを有機溶媒で洗浄して、ヤーン製造時に生じた処理残
留物を除去し、ついで水分を排した乾燥窒素雰囲気下で
包装した。
【0058】こうして包装した製品は、この後種々の線
量でγ線(コバルト60)を照射し、照射後の破断強度
をそれぞれ測定した。結果を表7に示す。
【0059】 表7: 紫色に染色したポリ−p−ジオキサノンヤーンの破断強度と固有粘度 に対する紫外線照射の影響 照射線量 破断強度 (kGy) (N) 25 337 50 271 75 230 100 225
【0060】照射線量が多いほど、破断強度が低下する
ことが分る。チューブは、各25kGy の線量で3回照射
した後でも取扱うことができた。すなわち、こうして予
備分解させたポリグラクチン910製ヤーンは、ほどい
て引張ることも、さらに表面処理工程にかけることもで
きた。
【0061】本発明の具体的な実施態様は以下の通りで
ある。 (1)前記インプラントの空孔割合は、インプラント全
容積の少なくとも50%である請求項1記載のインプラ
ント。 (2)前記インプラントは、ループ布および/または編
布を含む請求項1または上記実施態様(1)記載のイン
プラント。 (3)前記インプラントは、織布および/または編組を
含む請求項1または上記実施態様(1)もしくは(2)
のいずれか1項記載のインプラント。 (4)前記インプラントは、フェルトを含む請求項1ま
たは上記実施態様(1)ないし(3)のいずれか1項記
載のインプラント。
【0062】(5)前記インプラントは、予備分解させ
た吸収性ヤーンとして、グリコリド/ラクチドコポリマ
ー、好ましくはポリグラクチン910の予備分解ヤーン
を含む請求項1または上記実施態様(1)ないし(4)
のいずれか1項記載のインプラント。 (6)前記インプラントは、予備分解させた吸収性ヤー
ンとして、ポリ−p−ジオキサノンの予備分解ヤーンを
含む請求項1または上記実施態様(1)ないし(5)の
いずれか1項記載のインプラント。 (7)前記インプラントは、少なくとも1本の予備分解
させない、好ましくは吸収性のヤーンによって、補強お
よび/または形状を維持される請求項1または上記実施
態様(1)ないし(6)のいずれか1項記載のインプラ
ント。 (8)前記インプラントは、予備分解させないヤーンと
して、ポリ−p−ジオキサノンのヤーンを含む上記実施
態様(7)記載のインプラント。
【0063】(9)前記予備分解は、好ましくは線量が
10〜500kGy のγ線の照射によって行われる請求項
2記載の方法。 (10)前記予備分解は、紫外線の照射によって行われ
る請求項2または上記実施態様(9)記載の方法。 (11)前記予備分解は、吸収性ヤーンを緩衝液に浸漬
することによって行われる請求項2または上記実施態様
(9)もしくは(10)記載の方法。 (12)前記緩衝液は、pHが4〜10であり、浸漬
は、30〜65℃の温度下で10〜300時間行う上記
実施態様(11)記載の方法。
【0064】(13)前記予備分解は、出発物質である
吸収性ヤーン、このヤーンからつくられる糸、および/
またはこのヤーンから得られる二次元もしくは三次元の
中間形について少なくとも一つの工程で行われる請求項
2または上記実施態様(9)ないし(12)のいずれか
1項記載の方法。 (14)前記ヤーンの予備分解に用いられる中間形はほ
どかれ、予備分解されたヤーンはさらにインプラントの
中間形ないし最終形に処理される上記実施態様(13)
記載の方法。 (15)少なくとも1本の予備分解されたヤーンと少な
くとも1本の予備分解されないヤーンが編まれるか、ル
ープにされるが、織られるかまたは編組される上記実施
態様(13)または(14)のいずれか1項記載の方
法。 (16)前記ヤーンには、好ましくは予備分解されてい
ないポリ−p−ジオキサノンヤーンが組み込まれ、前記
インプラントは、前記ポリ−p−ジオキサノンヤーンを
70〜110℃の温度下で収縮させることによって最終
形に形づくられる請求項2または上記実施態様(9)な
いし(15)のいずれか1項記載の方法。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
二次元または三次元形のインプラントおよびその製造方
法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 固有粘度と残留破断強度の関係を示すグラフ
図である。
フロントページの続き (71)出願人 598013253 Robert−Koch−Str.1, 22851 Norderstedt,Ger many (72)発明者 ズザンネ・ラントグレーベ ドイツ連邦共和国、22851 ノルダーシュ テット、アルスターシュティーク 22 (72)発明者 ハンス−ヨヘン・ヘプフナー ドイツ連邦共和国、25335 ボクホルト− ハンレダー、アム バスト 12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線照射および/または化学処理によ
    って予備分解させた少なくとも1本ヤーンを含む、二次
    元または三次元のインプラントであって、予備分解させ
    た吸収性ヤーンの含有比率がインプラント全重量の少な
    くとも50%であるインプラント。
  2. 【請求項2】 少なくとも1本ヤーンを放射線照射およ
    び/または化学処理によって予備分解させ、二次元また
    は三次元の形状にしたインプラントの製造方法。
JP10150751A 1997-05-16 1998-05-15 インプラントおよびその製造方法 Pending JPH1170128A (ja)

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