JPH1169689A - 回転電機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小形で、効率のよい回転電機を提供する。 【解決手段】 筒状部４ａと、この筒状部４ａの両端に
形成した鍔部４ｂとからなり、筒状部４ａに固定子コイ
ル５を巻装したボビン４を、ヨーク部３ａとティース部
３ｂからなる固定子鉄心３のティース部３ｂに挿着して
なる回転電機において、ボビン４を、筒状部４ａと、少
なくとも一方の鍔部４ｂとに分割して構成するととも
に、鍔部４ｂの少なくとも軸方向端部に、コイルカバー
４ｃを設けるようにする。したがって、固定子コイル５
と、ブラケット２との間に空隙を取る必要がなく、回転
電機の長さを短くして小形にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、固定子鉄心のティ
ース部に、固定子コイルを巻回したボビンを挿着してな
る電動機などの回転電機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】このような構造の従来の回転電機は、図
４および図５に示すようになっている。図において、１
はフレームで、軸方向の端面にブラケット２を嵌合固着
している。３は前記フレーム１に嵌合固着した固定子鉄
心で、ヨーク部３ａとティース部３ｂからなっている。
４は前記固定子鉄心のティース部３ｂに挿着したボビン
で、筒状部４ａと、この筒状部４ａの両端に形成した鍔
部４ｂとからなり、前記筒状部４ａに固定子コイル５を
巻装している。５ａは前記固定子コイル５のコイル端
で、各固定子コイル５を接続するために引き出してい
る。６は回転軸で、前記ブラケット２に軸受７を介して
回転自在に支承されている。８は前記回転軸５に嵌合固
着した回転子鉄心で、外周部に永久磁石からなる界磁極
９を固着している。前記固定子コイル５は、ボビン４の
筒状部４ａに巻装されて、固定子鉄心３のティース部３
ｂに装着されるが、外周部が露出しているので、絶縁保
護のためにブラケット２との間に空隙ｇを設けている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術で
は、前述のように固定子コイル５とブラケット２との間
に前記空隙ｇを設ける必要があるため、回転電機の寸法
が大きくなるという問題があり、また、同一軸方向寸法
である場合は、空隙ｇをとるために、固定子コイル５の
巻き回数を少なくする必要があり、効率が悪くなるとい
う問題があった。そこで、本発明は、小形で、効率のよ
い回転電機を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、筒状部と、この筒状部の両端に形成した
鍔部とからなり、前記筒状部に固定子コイルを巻装した
ボビンを、ヨーク部とティース部からなる固定子鉄心の
前記ティース部に挿着してなる回転電機において、前記
ボビンを、筒状部と、少なくとも一方の鍔部とに分割し
て構成するとともに、前記鍔部の少なくとも軸方向端部
に、コイルカバーを設けるようにしたものである。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図に基づ
いて説明する。回転電機の全体構成は、図４の従来例と
同様であるので、説明は省略する。なお、図１および図
２において、図３および図４と同一符号は、同一また相
当する部分を示している。図１は本発明の第１の実施例
における回転電機の要部を示す側断面図、図２はボビン
の構成と固定子コイルとの関係を示す斜視図である。ボ
ビン４の全体構成は、図３および図４の従来例とほぼ同
様であるが、本発明ではボビン４を、筒状部４ａと、一
方の鍔部４ｂとに分割して構成するとともに、前記鍔部
４ｂの軸方向端部に、コイルカバー４ｃを設けるように
している。固定子コイル５は、あらかじめ空芯コイルと
して製作しておき、前記筒状部４ａと鍔部４ｂに分解し
た状態のボビン４の前記筒状部４ａに挿着する。前記固
定子コイル５の装着後に、前記鍔部４ｂを前記筒状部４
ａに結合固着するとともに、前記コイルカバー４ｃを固
定子コイル５の外周部に被せる。このようにして、固定
子コイルを巻装したボビン４を構成する。その後、前記
ボビン４を固定子鉄心３のティース部３ａに挿着する。
前記コイルカバー４ｃにより、ボビン４に巻装された固
定子コイル５は、外周部が絶縁保護されるので、ボビン
４をブラケット２に密着させることができ、ボビン４と
ブラケット２との間の空隙をなくすことができる。これ
により、回転電機の軸方向長さが、従来に比べて短くな
る。また、ボビン４をブラケット２に密着させることに
より、固定子コイル５からの発生熱の一部を効果的にブ
ラケットに伝え、外気中に放熱することができ、回転電
機の冷却性が向上する。なお、回転電機の軸方向寸法を
従来技術と同一寸法にしたときには、固定子コイルの巻
装量を多くすることができ、回転電機の効率を向上する
ことができる。また、固定子コイルを、あらかじめ強固
にコイルを巻装した空心コイルにしているので、コイル
部を樹脂でモールドする場合でも、樹脂モールドの注形
圧力に抗してコイルの崩れ・変形を防ぐことができる。
図３は、本発明の第２の実施例を示す斜視図で、本発明
を、プリント基板１０を用いて固定子コイル５の相間結
線を行う電動機に適用した場合を示している。この場合
には、固定子コイル５のコイル端５ａを、プリント基板
１０のスルーホール１０ａに通して、前記プリント基板
１０をコイルカバー４ｃに密着させ、この状態でコイル
端５ａを前記プリント基板１０にハンダ付けする。のコ
イルカバー４ｃを台座として使用することにより、プリ
ント基板１０を安定して定位置に固定することができ
る。なお、本発明においては、前記コイルカバー４ｃを
ボビン４の周方向端部にも設け、固定子コイル５の絶縁
保護をさらに強化するようにしてもよい。

【０００６】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によればつぎ
のような効果がある。 (1) 固定子コイルの外周部に、コイルカバーを取り付け
て絶縁保護をしているので、固定子コイルと、ブラケッ
トとの間に空隙を取る必要がなく、回転電機の長さを短
くして小形にすることができる。 (2) コイルカバーをブラケットに接触させることができ
るので、固定子コイルの発生熱の一部を効果的にブラケ
ットに伝え、外気中に放熱することができ、回転電機の
冷却性が向上する。 (3) 回転電機が従来と同一寸法である場合は、固定子コ
イルの巻装量を多くすることができ、回転電機の効率を
向上することができる。 (4) 前記ボビンを、筒状部と鍔部とに分割して構成して
いるので、固定子コイルを、あらかじめ強固にコイルを
巻装した空心コイルにすることができ、コイル部を樹脂
でモールドする場合でも、樹脂モールドの注形圧力に抗
してコイルの崩れ・変形を防ぐことができる。 (5) プリント基板を用いて固定子コイルの相間結線を行
う電動機の場合には、プリント基板をコイルカバーの台
座として使用すれば、プリント基板を安定して定位置に
固定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例における回転電機の要部
を示す側断面図である。

【図２】本発明の第１の実施例におけるボビンの構成と
固定子コイルとの関係を示す斜視図である。

【図３】本発明の第２の実施例を示す斜視図で、本発明
を、プリント基板を用いて固定子コイルの相間結線を行
う電動機に適用した場合を示している。

【図４】従来技術における回転電機の要部を示す側断面
図である。

【図５】従来技術における固定子コイルを巻装した状態
のボビンを示す斜視図である。

【符号の説明】

１ フレーム、 ２ ブラケット、 ３ 固定子鉄心、 ３ａ ヨーク部、 ３ｂ ティース部、 ４ ボビン、 ４ａ 筒状部、 ４ｂ 鍔部、 ４ｃ コイルカバー、 ５ 固定子コイル、 ５ａ コイル端、 ６ 回転軸、 ７ 軸受、 ８ 回転子鉄心、 ９ 界磁極、 １０ プリント基板、 １０ａ スルーホール

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状部と、この筒状部の両端に形成した
   鍔部とからなり、前記筒状部に固定子コイルを巻装した
   ボビンを、ヨーク部とティース部からなる固定子鉄心の
   前記ティース部に挿着してなる回転電機において、 前記ボビンを、筒状部と、少なくとも一方の鍔部とに分
   割して構成するとともに、前記鍔部の少なくとも軸方向
   端部に、コイルカバーを設けたことを特徴とする回転電
   機。