JPH11693A - エタノールアミン含有排水の処理方法 - Google Patents

エタノールアミン含有排水の処理方法

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JPH11693A
JPH11693A JP15387797A JP15387797A JPH11693A JP H11693 A JPH11693 A JP H11693A JP 15387797 A JP15387797 A JP 15387797A JP 15387797 A JP15387797 A JP 15387797A JP H11693 A JPH11693 A JP H11693A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エタノールアミン含有排水の生物学的処理法
を改善し、より効率的かつ経済的に処理できる方法を提
供する。 【解決手段】 シュードモナス属に属し脱窒能力を有す
るエタノールアミン分解菌 ETA−1(FERM P
−15016)を、嫌気条件下でエタノールアミンと亜
硝酸塩及び/又は硝酸塩に作用させてエタノールアミン
を炭酸ガスとアンモニアに分解する第一工程と、硝化性
能を有する活性汚泥の存在下、好気条件下でアンモニア
を亜硝酸塩及び/又は硝酸塩にまで硝化する第二工程を
有し、前記第二工程で得られた亜硝酸塩及び/又は硝酸
塩含有液を前記第一工程に循環させる。従来法に比べ酸
素要求量、酸,アルカリ消費量、脱窒用炭素源量が非常
に少なくなり、処理コストが大幅に低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原子力プラント、火
力プラント等の熱交換器に適用されるエタノールアミン
含有排水の生物学的処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記プラントの熱交換器には防錆
剤としてヒドラジンやアンモニアが使用されていたが、
防錆効果のより大きな物質として最近エタノールアミン
が注目されている。エタノールアミンを防錆剤として熱
交換器に添加した場合、定常的又は非定常的に熱交換器
から排出されるブロー水中にもエタノールアミンが含有
されることになるが、エタノールアミンは排水規制物質
であるCOD(化学的酸素要求量)及び窒素として出現
するため、放流する前に何らかの方法でブロー水中に含
まれエタノールアミンを処理する必要がある。
【0003】これまでに、本発明者らはエタノールアミ
ンを効率よく分解するシュードモナス属の微生物を分離
獲得した。この菌株はシュードモナス(Pseudomonas) s
p.ETA−1と命名され、工業技術院生命工学工業技術
研究所にFERM P−15016として寄託されてい
る。また、FARM P−15016を用いたエタノー
ルアミン含有水の処理方法を特願平7−327143号
明細書において提案した。この方法は、該ETA−1
(FARM P−15016)が、好気的条件下で化1
に示すように、エタノールアミンを炭酸ガス,水及びア
ンモニアにまで高速に分解するという特性に基づいたも
のである。
【化1】HOCH2CH2NH2 + 5/2O2→ 2CO2 + H2O + N
H4 + + OH -
【0004】この提案方法でのエタノールアミン処理方
法を図4によって説明する。図4において、41は原水
タンク、42はエタノールアミン含有原水、43は好気
性のエタノールアミン分解処理バイオリアクタであり、
曝気部44及び沈殿部45を有する。原水タンク41内
のエタノールアミン含有原水42をポンプ46によっ
て、先ず好気性のエタノールアミン分解処理バイオリア
クタ43の曝気部44に供給する。曝気部44には該シ
ュードモナス属のエタノールアミン分解菌 ETA−1
(以下、「FARM P−15016」と呼ぶ)が投入
してあり、ポンプ47により空気48を送風している。
この曝気部44においてFARM P−15016の作
用によりエタノールアミンを炭酸ガスとアンモニアに分
解処理し、沈殿部45で菌体を沈殿させた後、処理水4
9を系外に流出させる。分解生成物である空気、炭酸ガ
スは曝気部44の上面から抜けてゆき、アンモニアイオ
ンはエタノールアミン分解処理リアクタ43内及び処理
水49中に含まれる。このアンモニアイオン含有の処理
水49はポンプ50を経て、硝化リアクタ51に導入さ
れる。硝化リアクタ51は、曝気部52と沈殿部53よ
り構成され、曝気部52にはポンプ54より空気55が
送風されている。また、曝気部52には硝化汚泥が投入
してある。この硝化汚泥の作用により、処理水49中に
含まれるアンモニアは酸化されて亜硝酸塩及び/又は硝
酸塩にまで分解され、沈殿部53を経て、ポンプ56に
より脱窒リアクタ57内に導入される。脱窒リアクタ5
7内には脱窒汚泥が投入されており、ここで、前記の亜
硝酸塩及び/又は硝酸塩を含む処理水はメタノール注入
ライン58から供給されるメタノール等を炭素源とした
脱窒反応により窒素ガスにまで分解される。以上によ
り、エタノールアミンは無害な炭酸ガスと窒素ガスに分
解され、大気中に放出除去され、エタノールアミンを除
去された処理水59は系外へ排出されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法によ
り、通常の排水規制を満たす処理が可能となったが、以
下のような問題が残っていた。 エタノールアミン分解処理リアクタでは、エタノー
ルアミンを好気的に分解するために多量の酸素を要す
る。エタノールアミン 1kg当たり、酸素約 1.3kg以上が
必要である。 硝化リアクタでは、アンモニアを酸化するために多
量の酸素が必要(アンモニア態窒素 1kg当たり酸素約
4.6kg以上)となるだけでなく、硝化反応ではpHが低
下するため、硝化に適した中性pHを維持するために多
量のアルカリ(アンモニア態窒素 1kg当たりNaOH約
2.9kg)が必要である。 脱窒リアクタでは、脱窒反応のため、多量の炭素源
が必要であり、メタノールを炭素源とする場合、硝酸態
窒素1kg当たり約 2.5kgが必要である。また、脱窒反応
ではpHが上昇するため、脱窒に適したpHを維持する
ためには酸の添加が必要となり、硝酸態窒素 1kg当たり
約 1.3kgのHClが必要である。 上記〜より、従来の方法においては、酸素供給のた
めの曝気動力、pH調整用の酸及びアルカリ並びに脱窒
用炭素源が、処理費用としてかなり高くつくことが問題
であり、本発明はこれらの問題を解決し、処理コストを
大幅に低減できる新規なエタノールアミン含有排水の処
理方法を意図したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明はシュードモナス属に属し脱窒能
力を有するエタノールアミン分解菌 ETA−1(FE
RM P−15016)を、嫌気条件下でエタノールア
ミンと亜硝酸塩及び/又は硝酸塩に作用させてエタノー
ルアミンを炭酸ガスとアンモニアに分解する第一工程
と、硝化性能を有する活性汚泥の存在下、好気条件下で
アンモニアを亜硝酸塩及び/又は硝酸塩にまで硝化する
第二工程を有し、前記第二工程で得られた亜硝酸塩及び
/又は硝酸塩含有液を前記第一工程に循環させることを
特徴とするエタノールアミン含有排水の処理方法を提供
する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者らは、FERM P−1
5016の生理特性について更に研究を進め、詳細な検
討を行なう中で、本菌株が前記のように好気条件下でエ
タノールアミンを分解する一方、嫌気条件下ではエタノ
ールアミンを炭素源として脱窒反応を行なうことを見い
だした。この新規な知見に基き、本発明はFERM P
−15016の脱窒能力を利用し、嫌気条件下で脱窒反
応を行わせることによりエタノールアミンを炭酸ガス及
びアンモニアに分解することを第一工程としている。第
二工程の、好気条件下でアンモニアを亜硝酸塩及び/又
は硝酸塩にまで硝化する工程においは硝化能力を有する
活性汚泥を利用すればよく、これは下水、し尿、産業排
水等アンモニアや有機態窒素を含有する排水を微生物処
理する設備等より容易に入手できるものである。そし
て、本発明においては上記第一工程と第二工程の液を循
環させることにより、従来法における曝気動力、酸及び
アルカリ消費量並びに脱窒用炭素源消費量を大幅に低減
し、コストダウンを実現できる。
【0008】なお、本発明に用いるシュードモナス属に
属するFERM P−15106の菌学的性質は次のと
おりである。 I.形態学的性質 (1)細胞の大きさ:短棹菌 0.5〜1μ (2)運動性:有り (3)細胞の多様性:なし (4)コロニーの形態:白色,円形,比較的に光沢有り (5)グラム染色性:陰性 II. 生理学的性質 (1)酸素要求:好気性(但し、嫌気条件下で〔亜〕硝酸
呼吸能有り) (2)カタラーゼ活性:有り (3)オキシダーゼ活性:有り (4)O−Fテスト:O (5)グルコース資化性:有り
【0009】(作用)嫌気条件下でFERM P−15
016がエタノールアミンを炭素源として脱窒を行なう
脱窒反応式は化2に示すとおりである。
【化2】 HOCH2CH2NH2 +2NO3 - → 2CO2+ N2 + NH4 + + 3OH - (1) HOCH2CH2NH2 +3NO2 - → 2CO2+ 1.5N2+ NH4 + + 3OH - (2) 即ち、エタノールアミンは亜硝酸態及び/又は硝酸態の
酸素により酸化分解され、炭酸ガスとアンモニアとな
り、同時に窒素ガスを生成する。この反応を本発明の第
一工程とする。
【0010】上記(1),(2) の反応で生成し、水中に残存
するアンモニアは、次いで好気条件の第二工程に導か
れ、ここで硝化能力を有する活性汚泥を作用させ、亜硝
酸塩及び/又は硝酸塩にまで分解するが、ここで生成し
た亜硝酸塩及び/又は硝酸塩を先の嫌気条件の工程(第
一の工程)に返送循環し、上記(1),(2) の反応に供す
る。これにより、第二工程で亜硝酸塩及び/又は硝酸塩
の形に組み込まれた酸素が第一工程(脱窒工程)でのエ
タノールアミン分解に利用される。また、脱窒工程、硝
化工程での酸、アルカリは、両工程の液循環により中和
効果が生じるため、添加する必要が殆どなくなる。ま
た、本発明に係る菌は好気条件下では化1に記載の反応
でエタノールアミンを酸化分解できるので、第一工程で
分解されず液中に残存するエタノールアミンは第二工程
で分解されるので、エタノールアミンの分解は完全に行
われる。
【0011】なお、このようにしてエタノールアミンを
処理した後、少量の亜硝酸塩及び/又は硝酸塩が処理水
中に残存するが、これは後処理として従来公知の微生物
脱窒法を適用することにより、ほぼ完全に除去可能であ
り、硝酸塩の低減によりこの第二の脱窒工程での炭素源
量も低減できる。即ち、第一工程と第二工程の間を一定
時間循環させた後に該第二工程の液を沈殿槽に送り、こ
こで上澄み液は第二の脱窒工程に送り、FERM P−
15106等の微生物を含む沈殿物は第一工程に返送す
る。
【0012】
【実施例】
〔参考例1〕図2は本参考例で使用した装置の概略図で
ある。水温30℃に保持した恒温水槽21中の300m
l容量のメスシリンダ22内に、表1に示す組成のエタ
ノールアミンと硝酸塩を含有する培地23を200ml
入れ、窒素ガスボンベ24より窒素ガス25を0.1リ
ットル/minの割合で送風し、嫌気条件で混合してい
る。
【0013】
【表1】
【0014】予め、表1の組成からNaNO3 を除いた
培地で好気的に培養したFERMP−15016を遠心
分離で集菌濃縮し、これを約200mg−固形物/リッ
トルの濃度になるように、メスシリンダ22の培地23
に植種し、嫌気条件下でのエタノールアミンを炭素源と
する脱窒試験を行った。
【0015】この結果を、図3のグラフに示す。エタノ
ールアミンの濃度は全有機性炭素(TOC)を分析する
ことにより評価した。図3において、横軸は経過時間
(hr)、縦軸は全有機性炭素、硝酸態窒素、アンモニ
ア態窒素の各濃度(ppm)、菌体濃度の指標としての
濁度(波長750mnでのoptical densi
ty)及びpHを示す。これにより、エタノールアミン
と硝酸態窒素は経時的にほぼ比例して減少し、アンモニ
ア態窒素はエタノールアミンの分解に比例して増加して
いることが確認できた。また、菌体濃度も経時的に増加
した。pHは反応が進むにつれて上昇する傾向であっ
た。約30及び45時間後に塩酸溶液でpH8以下にな
るように調整した。これらの結果より、概ね前述の (1)
の反応式に従って、脱窒反応が行われていることが分か
る。
【0016】なお、参考例1の硝酸塩を亜硝酸塩に替え
て同様の実験を行ったところ、やはり脱窒反応が確認で
き、概ね前述の (2)の反応式に従って、脱窒反応が行わ
れてていることが分かった。
【0017】〔実施例1〕参考例1でFERM P−1
5016の嫌気条件下での脱窒能力が確認されたので、
次に本株を使用した連続処理試験を実験室規模で行っ
た。図1に装置構成を示す。図1において1は20リッ
トル容の原水タンクであり、中には表1に示す組成から
硝酸塩(NaNO3 )を除いたエタノールアミン培地2
を入れてある。この培地2を培地供給ライン3により、
脱窒リアクタ4に2リットル/日の流量で供給する。脱
窒リアクタ4は1リットルの容積を持ち、嫌気条件に設
定されていて、後記する沈殿槽12から返送された微生
物汚泥(FERM P−15016を含有している)が
入れてある。また、緩速攪拌機5で脱窒リアクタ4内を
攪拌されている。脱窒リアクタ4内の液は供給ライン6
により、硝化リアクタ7に導かれる。硝化リアクタ7は
2リットルの容積を持ち、エアポンプ8により空気9を
約0.5リットル/minの割合で送風している。硝化
リアクタ7内の液は循環ライン10により6リットル/
dayの流量で脱窒リアクタ4に送られている。硝化リ
アクタ7の液は供給ライン11により沈殿槽12に送ら
れる。沈殿槽12では液中の微生物汚泥が沈殿分離さ
れ、沈殿した汚泥は返送ライン13により脱窒リアクタ
4に返送される。この微生物汚泥は硝化能力を有する
屎尿処理場の活性汚泥(固形物濃度として約5000p
pm)にFERM P15016を埴種し、エタノール
アミン含有培地で予め馴致したものを用いている。沈殿
槽12の上澄液は供給ライン14により第二脱窒リアク
タ16に送られる。15はメタノール注入ラインであ
り、180ppmの濃度になるようにメタノールを注入
している。第二脱窒リアクタ16は、本発明に係る前段
の脱窒及び硝化リアクタで除去しきれずに残存した少量
の亜硝酸塩及び/又は硝酸塩を除去するために設けた従
来公知の微生物脱窒手段であり、内径50mm、高さ4
00mmのプラスチック製円筒体であり、平均粒径2〜
3mmのアンスラサイトを300mm高さで充填してお
り、この中に上記屎尿処理場から採取した脱窒能力を有
する活性汚泥を2000mg/リットルの濃度で投入し
ている。
【0018】以上の装置構成及び処理条件で通水処理し
た結果、沈殿槽12の上澄液では、培地中に含まれるエ
タノールアミンの全有機性炭素約400ppmは10p
pm以下まで分解されていた。また、エタノールアミン
に含まれる窒素約230ppmのうち約20〜30%に
当たる50〜70ppmが硝酸態窒素として残存してお
り、アンモニア態窒素、亜硝酸態窒素は殆ど検出されな
かった。この結果より、エタノールアミンはほぼ完全に
分解され、炭酸ガスとアンモニアとなり、アンモニアは
硝化リアクタでほぼ完全に硝酸にまで硝化されているこ
とがわかる。残存する50〜70ppmの硝酸態窒素は
第二脱窒リアクタにより処理され、処理水ライン17に
おいては、硝酸態窒素の濃度は1ppm以下となり、ほ
ぼ完全に脱窒され、窒素ガスとして除去されていること
が分かった。本実施例では処理時間(平均滞留時間)は
第一脱窒リアクタで12時間、硝化リアクタで24時
間、第二脱窒リアクタで9時間としたが、一例として挙
げたものであり、これより短い処理時間でも本発明の効
果は十分に得られる。なお、循環ライン10の流量につ
いては、少なすぎると返送される硝酸塩が不足し、脱窒
リアクタ4での脱窒反応が不十分になり、供給ライン1
4より流出する硝酸態窒素の量が増加する。一方、循環
ライン15の流量を高め過ぎると、脱窒リアクタへの溶
存酸素の流入が増え、安定した嫌気条件の維持が難しく
なると共に、循環のためのポンプ動力も無視できなくな
る。このため、適当な流量があり、概ね培地供給ライン
3の流量の2〜5倍が望ましい。また、本実施例では脱
窒工程と硝化工程に浮遊汚泥方式を、第二脱窒リアクタ
に付着生物膜方式を採用しているが、本発明はこれらの
方式に効果が依存するものではなく、リアクタの微生物
利用形態は自由に選定できる。
【0019】
【発明の効果】以上の実施例の結果に示す通り、本発明
の方法よりエタノールアミンは従来法と同様にほぼ完全
に分解され、炭酸ガスと窒素ガスの形で液中より除去す
ることができる。一方、処理のために必要となる曝気動
力、酸、アルカリ、脱窒用炭素源の必要量は以下のよう
になる。従来法においては、エタノールアミン 1kg(窒
素は0.23kg含有)当たりの酸素必要量は、エタノールア
ミンの分解に 1.3kg、アンモニア態窒素の硝化に1.06k
g、計 2.36kg が必要である。アルカリは硝化工程で 1.
93kg NaOH、酸は 0.3kg HClが必要である。脱
窒用炭素源は 0.58kg メタノール が必要である。とこ
ろが、本発明の方法では、エタノールアミン1kg当たり
酸素必要量は硝化工程で硝酸塩の形に組み込まれた酸素
が脱窒工程でのエタノールアミン分解に利用されるた
め、エタノールアミン分解のための酸素が約4割低減さ
れ、計 1.84kg の酸素必要量で済む。また、脱窒工程、
硝化工程での酸,アルカリは両工程の液循環によって中
和効果が生じるため殆ど必要がなくなる。第二脱窒工程
においては、処理すべき硝酸塩の量が20〜30%に減
るため、これに比例して、酸は約 0.08kg HClにまで
低減される。脱窒用炭素源の量も硝酸塩の量が20〜3
0%に減るため、これに比例して約 0.15kg メタノール
に低減される。尚、装置の規模はほぼ同等、または本発
明での装置のほうがやや小型化が可能であり、循環ライ
ン10のポンプ動力の増加も適正な範囲では全体の中で
無視できる程度である。以上より、本発明の方法によれ
ば、従来法と同様にエタノールアミンのCOD及び窒素
の除去が十分に可能な上に、酸素要求量は約3/4に、
アルカリはほぼ不要に、酸は約1/4に、脱窒用炭素源
は約1/4となり、大幅な処理費用の低減が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1でエタノールアミン含有水
(培地)を連続処理する方法を示すプロセスの概略図で
ある。
【図2】 本発明の参考例1においてFERM P15
016の脱窒効果の確認試験に用いた装置の概略説明図
である。
【図3】 本発明の参考例1のFERM P15016
の脱窒効果の確認試験の結果を表すグラフ図である。
【図4】 従来法によるエタノールアミン含有水の処理
方法を示すプロセスの概略図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】これまでに、本発明者らはエタノールアミ
ンを効率よく分解するシュードモナス属の微生物を分離
獲得した。この菌株はシュードモナス(Pseudomonas) s
p.ETA−1と命名され、工業技術院生命工学工業技術
研究所にFERM P−15016として寄託されてい
る。また、FRM P−15016を用いたエタノー
ルアミン含有水の処理方法を特願平7−327143号
明細書において提案した。この方法は、該ETA−1
(FRM P−15016)が、好気的条件下で化1
に示すように、エタノールアミンを炭酸ガス,水及びア
ンモニアにまで高速に分解するという特性に基づいたも
のである。
【化1】HOCH2CH2NH2 + 5/2O2→ 2CO2 + H2O + N
H4 + + OH -
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】この提案方法でのエタノールアミン処理方
法を図4によって説明する。図4において、41は原水
タンク、42はエタノールアミン含有原水、43は好気
性のエタノールアミン分解処理バイオリアクタであり、
曝気部44及び沈殿部45を有する。原水タンク41内
のエタノールアミン含有原水42をポンプ46によっ
て、先ず好気性のエタノールアミン分解処理バイオリア
クタ43の曝気部44に供給する。曝気部44には該シ
ュードモナス属のエタノールアミン分解菌 ETA−1
(以下、「FRM P−15016」と呼ぶ)が投入
してあり、ポンプ47により空気48を送風している。
この曝気部44においてFRM P−15016の作
用によりエタノールアミンを炭酸ガスとアンモニアに分
解処理し、沈殿部45で菌体を沈殿させた後、処理水4
9を系外に流出させる。分解生成物である空気、炭酸ガ
スは曝気部44の上面から抜けてゆき、アンモニアイオ
ンはエタノールアミン分解処理リアクタ43内及び処理
水49中に含まれる。このアンモニアイオン含有の処理
水49はポンプ50を経て、硝化リアクタ51に導入さ
れる。硝化リアクタ51は、曝気部52と沈殿部53よ
り構成され、曝気部52にはポンプ54より空気55が
送風されている。また、曝気部52には硝化汚泥が投入
してある。この硝化汚泥の作用により、処理水49中に
含まれるアンモニアは酸化されて亜硝酸塩及び/又は硝
酸塩にまで分解され、沈殿部53を経て、ポンプ56に
より脱窒リアクタ57内に導入される。脱窒リアクタ5
7内には脱窒汚泥が投入されており、ここで、前記の亜
硝酸塩及び/又は硝酸塩を含む処理水はメタノール注入
ライン58から供給されるメタノール等を炭素源とした
脱窒反応により窒素ガスにまで分解される。以上によ
り、エタノールアミンは無害な炭酸ガスと窒素ガスに分
解され、大気中に放出除去され、エタノールアミンを除
去された処理水59は系外へ排出されるものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】〔実施例1〕参考例1でFERM P−1
5016の嫌気条件下での脱窒能力が確認されたので、
次に本株を使用した連続処理試験を実験室規模で行っ
た。図1に装置構成を示す。図1において1は20リッ
トル容の原水タンクであり、中には表1に示す組成から
硝酸塩(NaNO3 )を除いたエタノールアミン培地2
を入れてある。この培地2を培地供給ライン3により、
脱窒リアクタ4に2リットル/日の流量で供給する。脱
窒リアクタ4は1リットルの容積を持ち、嫌気条件に設
定されていて、後記する沈殿槽12から返送された微生
物汚泥(FERM P−15016を含有している)が
入れてある。また、緩速攪拌機5で脱窒リアクタ4内を
攪拌している。脱窒リアクタ4内の液は供給ライン6に
より、硝化リアクタ7に導かれる。硝化リアクタ7は2
リットルの容積を持ち、エアポンプ8により空気9を約
0.5リットル/minの割合で送風している。硝化リ
アクタ7内の液は循環ライン10により6リットル/d
ayの流量で脱窒リアクタ4に送られている。硝化リア
クタ7の液は供給ライン11により沈殿槽12に送られ
る。沈殿槽12では液中の微生物汚泥が沈殿分離され、
沈殿した汚泥は返送ライン13により脱窒リアクタ 4
に返送される。この微生物汚泥は硝化能力を有する屎尿
処理場の活性汚泥(固形物濃度として約5000pp
m)にFERM P15016を埴種し、エタノールア
ミン含有培地で予め馴致したものを用いている。沈殿槽
12の上澄液は供給ライン14により第二脱窒リアクタ
16に送られる。15はメタノール注入ラインであり、
180ppmの濃度になるようにメタノールを注入して
いる。第二脱窒リアクタ16は、本発明に係る前段の脱
窒及び硝化リアクタで除去しきれずに残存した少量の亜
硝酸塩及び/又は硝酸塩を除去するために設けた従来公
知の微生物脱窒手段であり、内径50mm、高さ400
mmのプラスチック製円筒体であり、平均粒径2〜3m
mのアンスラサイトを300mm高さで充填しており、
この中に上記屎尿処理場から採取した脱窒能力を有する
活性汚泥を2000mg/リットルの濃度で投入してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉見 勝治 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シュードモナス属に属し脱窒能力を有す
    るエタノールアミン分解菌 ETA−1(FERM P
    −15016)を、嫌気条件下でエタノールアミンと亜
    硝酸塩及び/又は硝酸塩に作用させてエタノールアミン
    を炭酸ガスとアンモニアに分解する第一工程と、硝化性
    能を有する活性汚泥の存在下、好気条件下でアンモニア
    を亜硝酸塩及び/又は硝酸塩にまで硝化する第二工程を
    有し、前記第二工程で得られた亜硝酸塩及び/又は硝酸
    塩含有液を前記第一工程に循環させることを特徴とする
    エタノールアミン含有排水の処理方法。
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