JPH1168077A - 固体撮像装置及びその製造方法 - Google Patents

固体撮像装置及びその製造方法

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JPH1168077A
JPH1168077A JP9222712A JP22271297A JPH1168077A JP H1168077 A JPH1168077 A JP H1168077A JP 9222712 A JP9222712 A JP 9222712A JP 22271297 A JP22271297 A JP 22271297A JP H1168077 A JPH1168077 A JP H1168077A
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JP
Japan
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pixel
impurity
impurity layer
photosensitive pixel
photosensitive
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JP9222712A
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English (en)
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Hajime Otake
武 一 大
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光画素部の表面における結晶欠陥や汚染等
が原因で画像欠陥が発生するが、これを抑制するための
逆導電型の不純物層を画素部の表面に形成すると、この
イオン注入により結晶欠陥が発生して新たな画像欠陥を
招いていた。 【解決手段】 N型半導体基板7に形成され、光を照射
されて信号電荷を生成して蓄積するN型感光画素部4、
感光画素部4の表面部分に形成されたP型画素表面不純
物層41及び42、半導体基板7の表面部分において感
光画素部4と所定間隔を空けて形成され、感光画素部4
において蓄積された信号電荷を与えられて転送する電荷
転送部5a、感光画素部4と電荷転送部5aとの間に形
成され感光画素部4において蓄積された信号電荷を電荷
転送部5aへ移すフィールドシフトゲート9を備え、画
素表面不純物層41及び42は、不純物濃度が高く浅く
形成されたP型の第1の画素表面不純物層41と、不純
物濃度が低く深く形成されたP型の第2の画素表面不純
物層42とを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体撮像装置とそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の固体撮像装置における感光画素部
周辺の縦断面構造を図6に示す。N型半導体基板7の表
面近傍に感光画素部4が設けられ、隣接するようにPウ
エル層6a内に形成されたN型不純物領域から成る電荷
転送部5aが設けられている。感光画素部4は、N型不
純物領域から成る複数の感光画素が紙面に向かって垂直
方向に配置され、光を照射されて信号電荷を発生し蓄積
する。電荷転送部5aは、それぞれの感光画素から発生
した信号電荷を与えられ、転送電極2aに与えられる転
送クロックのタイミングに従い紙面に向かって垂直方向
に転送していく。ここで、感光画素部4と、この感光画
素部4が発生した信号電荷を与えられる電荷転送部5a
との間には、P型不純物領域から成るフィールドシフト
ゲート9が設けられている。また、図示されていない図
中左方向に位置する他の感光画素部から信号電荷を与え
られるP型ウエル層6b内に形成された電荷転送部5b
と感光画素部4との間には、信号電荷が混入しないよう
にP+ 型不純物層から成る素子分離層10が形成されて
いる。さらに、N型半導体基板7の深部には感光画素部
4で生成した余剰電荷を掃き出すためのP型不純物層8
が設けられている。
【0003】電荷転送部5aにより垂直方向に転送され
てきて垂直CCDレジスタの最下部まで到達した信号電
荷は、図示されていない水平レジスタから成る電荷転送
部によって水平方向に転送されていき、さらに図示され
ていない出力部から外部に出力される。
【0004】感光画素部4はN型不純物層により形成さ
れており、その感光画素部4の表面にはP+ 型不純物層
から成る画素表面不純物層3が形成されている。すなわ
ち感光画素部4が設けられている半導体基板7の表面に
結晶構造の乱れや汚染があると、感光画素部4において
発生する信号電荷に点欠陥が生じる。そこで、感光画素
部4の表面部分には、感光画素部4の空乏層が基板表面
まで延びてこないように、感光画素部4のN型不純物層
とは逆導電型のP+ 型不純物層から成る画素表面不純物
層3が形成されている。
【0005】ここで、感光画素部4はN型不純物を高加
速度でイオン注入することによって、基板7の表面から
深い領域に形成される。画素表面不純物層3は、P型不
純物イオンを低加速度かつ高ドーズ量によりイオン注入
することにより基板表面付近に高濃度で形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の固体撮
像装置には次のような問題があった。感光画素部4から
の空乏層の延びが基板表面まで延びないようにするため
には、画素表面不純物層3を比較的高濃度で不純物イオ
ンを注入する必要がある。ところが、高濃度でイオン注
入を行うと、感光画素部4の基板表面の結晶欠陥の数が
増大し、新たな画像欠陥を招く結果となる。
【0007】図7に、ボロンイオン(B+ )をドーズ量
2.0×1014(cm-3)、加速電圧45keVで注入し
て画素表面不純物層3を形成したときのP型不純物プロ
ファイルを線L12として示し、感光画素部4のN型不
純物プロファイルを線L13として示し、さらに画素表
面不純物層3を形成するときのイオン注入により発生し
た結晶欠陥の数(ダメージ分布)を線L11として示
す。不純物イオンを注入すると、イオンが基板内に入る
過程で基板を構成する結晶の原子核と衝突しながら結晶
内部を進んでいく。この時に、イオンが原子核を弾き飛
ばすために結晶欠陥が生じる。そして、イオンが結晶内
部を進んでいくうちに、同時に運動エネルギを放出して
いき、イオンの速度が低下してある運動エネルギ以下に
なると結晶欠陥を生じさせなくなり、やがて基板内部で
停止する。このため、線L11に示された結晶欠陥の数
のピークは、線L12に示された画素表面不純物層3の
不純物濃度のピークよりも基板表面から浅い位置に存在
する。また、このときの感光画素部4の空乏層は基板表
面から約0.28μmの位置まで拡がる。
【0008】従って、結晶欠陥の数を減らすには、加速
電圧を25keVというように低く設定することが考え
られる。これにより、図8に示されるように、線L22
で表された画素表面不純物層3の不純物濃度のピークが
基板8の表面部分に位置し、線L21で表された結晶欠
陥の数のピークが基板表面上の絶縁膜1の内部に位置す
るようになる。このときの感光画素部4の空乏層は基板
表面から約0.23μmの位置まで拡がる。
【0009】しかし、この方法では不純物イオンを注入
するときの加速度が低くなり、絶縁膜1の膜厚のばらつ
きにより画素表面不純物層3の形成が不安定になりやす
く、その結果として特性のばらつきや歩留まりの低下を
招くことになる。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、感光画素部の基板表面の結晶欠陥や汚染等が原因
となって生じる画像欠陥を低減し、かつ製造プロセスの
ばらつきに対しても安定した特性が得られる固体撮像装
置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の固体撮像装置
は、半導体基板に形成され、光を照射されて信号電荷を
生成して蓄積する一導電型の感光画素部と、前記感光画
素部の表面部分に形成された逆導電型の画素表面不純物
層と、前記半導体基板に前記感光画素部と所定間隔を空
けて形成され、前記感光画素部に蓄積された信号電荷を
与えられて転送する電荷転送部と、前記感光画素部と前
記電荷転送部との間に形成され、前記感光画素部に蓄積
された信号電荷を前記電荷転送部へ移すフィールドシフ
トゲート領域とを備え、前記画素表面不純物層は、第1
の不純物濃度を有し第1の深さを有するように形成され
た逆導電型の第1の画素表面不純物層と、前記第1の不
純物濃度よりも低い第2の不純物濃度を有し前記第1の
深さよりも深い第2の深さを有するように形成された逆
導電型の第2の画素表面不純物層とを含むことを特徴と
する。
【0012】ここで、前記感光画素部の表面部分におけ
る前記フィールドシフトゲート領域の近傍には前記第2
の画素表面不純物層が形成されていることが望ましい。
【0013】あるいは、本発明の固体撮像装置は、半導
体基板に形成され、光を照射されて信号電荷を生成して
蓄積する一導電型の感光画素部と、前記感光画素部の表
面部分に形成された逆導電型の画素表面不純物層と、前
記半導体基板に前記感光画素部と所定間隔を空けて形成
され、前記感光画素部に蓄積された信号電荷を与えられ
て転送する電荷転送部と、前記感光画素部と前記電荷転
送部との間に形成され、前記感光画素部に蓄積された信
号電荷を前記電荷転送部へ移すフィールドシフトゲート
領域とを備え、前記画素表面不純物層は、加速電圧及び
不純物イオン注入量を変えて少なくとも2回不純物イオ
ン注入を行い形成されることを特徴とする。
【0014】前記半導体基板の表面上に形成された絶縁
膜をさらに備え、この絶縁膜の内部に、前記画素表面不
純物層を形成するためのイオン注入により生じた結晶欠
陥の密度が最大となる箇所が存在することが望ましい。
【0015】本発明の固体撮像装置の製造方法は、半導
体基板の表面部分の所定領域に一導電型の不純物をイオ
ン注入し、電荷転送部を形成する工程と、前記半導体基
板の表面部分における前記電荷転送部に隣接する領域に
逆導電型の不純物をイオン注入し、フィールドシフトゲ
ート領域を形成する工程と、前記半導体基板の表面部分
における前記フィールドシフトゲート領域に隣接する領
域に一導電型の不純物イオンを注入し、感光画素部を形
成する工程と、前記感光画素部の表面部分に逆導電型の
不純物イオンを注入し、第1の不純物濃度を有し第1の
深さを有する第1の画素表面不純物層を形成する工程
と、前記感光画素部の表面部分に逆導電型の不純物イオ
ンを注入し、前記第1の不純物濃度よりも低い第2の不
純物濃度を有し前記第1の深さよりも深い第2の深さを
有する第2の画素表面不純物層を形成する工程とを備え
ることを特徴とする。
【0016】ここで、前記感光画素部の表面部分におけ
る前記フィールドシフトゲート領域の近傍は、前記第1
の画素表面不純物層は存在せず前記第2の画素表面不純
物層が存在するように、前記第1及び第2の画素表面不
純物層がそれぞれ形成されるのが望ましく、また、前記
半導体基板の表面上に絶縁膜を形成する工程をさらに備
え、前記第1の画素表面不純物層を形成するために不純
物イオンを注入する工程では、前記絶縁膜の内部にイオ
ン注入により生じた結晶欠陥の密度が最大となる箇所が
存在するようにイオン注入の条件が設定されることが望
ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0018】本発明の第1の実施の形態による固体撮像
装置は図1に示されるような構成を備えている。図6に
示された従来の固体撮像装置と比較し、感光画素部4の
表面に形成された画素表面不純物層が2重構造である点
で相違する。従来の固体撮像装置では、上述したよう
に、感光画素部4の空乏層が表面まで延びてこないよう
に、感光画素部4とは導電型が異なるP+ 型不純物層か
ら成る画素表面不純物層3が形成されている。しかし、
画素表面不純物層3を形成するためのイオン注入により
新たな結晶欠陥が生じて画像欠陥の原因となっていた。
【0019】これに対し、第1の実施の形態では、感光
画素部4の表面部分には、高い不純物濃度を有する浅く
形成された画素表面不純物層41と、低い不純物濃度を
有する深く形成された画素表面不純物層42とが形成さ
れている。
【0020】図5に、本実施の形態における画素表面不
純物層41及び42によるP型不純物プロファイルを線
L2として示し、感光画素部4のN型不純物プロファイ
ルを線L3として示し、画素表面不純物層41及び42
を形成するときのイオン注入により発生した結晶欠陥の
分布を線L1として示す。
【0021】P型プロファイルは、画素表面不純物層が
層41及び42から成る2重構造で構成されているた
め、線L2で示されたように、不純物濃度が2段階で変
化する。また結晶欠陥は、従来の装置の不純物プロファ
イルを示した図7と比較し、基板表面に近く分布してい
ることがわかる。この原因は、以下のように考えられ
る。
【0022】画素表面不純物層41を形成するときのイ
オン注入では、ドーズ量は多いが加速電圧が低いので、
結晶欠陥の数が最大となるダメージピークの箇所はシリ
コン酸化膜1の内部に位置する。画素表面不純物層42
を形成するときのイオン注入では、加速電圧は高いがド
ーズ量が少ないので、感光画素部4における結晶欠陥の
数の増加は表面近傍で僅かに増加するにとどまる。従っ
て、画素表面不純物層を形成するためのイオン注入によ
り生じる結晶欠陥の密度が最大となる箇所はシリコン酸
化膜1中に位置することになる。
【0023】不純物濃度が高い画素表面不純物層41が
存在することにより、感光画素部4における空乏層の延
びをより有効に抑制することができる。従って、空乏層
の最も基板表面に近い端(基板表面から約0.27μ
m)と、ノイズ発生源となる結晶欠陥の密度が高いシリ
コン酸化膜中の箇所(基板表面から約0.10μm)と
の距離を長くとることができ、画像欠陥をより有効に抑
制することができる。
【0024】また、不純物濃度が高い画素表面不純物層
41が存在することで、感光画素部4の電荷蓄積量が増
加し、固体撮像装置としてのダイナミックレンジを広く
とることができる。
【0025】さらに、画素表面不純物層3を一層で形成
する従来の装置では、低加速電圧で形成すると上述した
ようにシリコン酸化膜1の膜厚のばらつきにより画素表
面不純物層3全体の形成が不安定となりやすい。これに
対し、本実施の形態では比較的高加速電圧で画素表面不
純物層42を形成するので、シリコン酸化膜1の膜厚に
依存せず安定した不純物層の形成が可能である。
【0026】次に、本発明の第2の実施の形態による固
体撮像装置の構成と、その製造方法について説明する。
【0027】まず図2(a)のように、N型半導体基板
7の表面上に熱酸化法により摂氏約900度で約200
〜1000オングストロームの膜厚のシリコン酸化膜1
を形成する。次に、高加速度でP型不純物をイオン注入
し、半導体基板7の深部にP型不純物層8を形成する。
このP型不純物層8は、後に形成する感光画素部におい
て生成された電荷のうち、画像信号の生成に寄与しない
過剰な電荷を基板7側に掃き出すために形成される。
【0028】さらに、半導体基板7の表面近傍にN型不
純物領域から成る電荷転送部5a及び5bを形成する。
電荷転送部5a及び5bの間に、後述するように感光画
素部が形成される。電荷転送部5a及び5bは、それぞ
れ図中左側に隣接する感光画素部で生成された信号電荷
を与えられて紙面に垂直な方向に転送する。
【0029】次いで、図2(b)のように、P型不純物
層8と電荷転送部5a及び5bとの間に、P型不純物を
イオン注入してPウエル層6a及び6bをそれぞれ形成
する。次に、電荷転送部5bの側面と、後述する感光画
素部とを電気的に分離するために、P+ 型素子分離層1
0を形成する。さらに、Pウエル層6aの内部であっ
て、半導体基板7と電荷転送部5aとの間に、P- 型不
純物領域から成るフィールドシフトゲート領域9を形成
する。このフィールドシフトゲート領域9は、感光画素
部から電荷転送部5aに信号電荷を移すものである。
【0030】この後、シリコン酸化膜1の表面全体にC
VD法により多結晶シリコン膜を堆積する。感光画素部
の部分が除去されたレジスト膜をマスクとして多結晶シ
リコン膜をエッチングし、図2(c)に示されたような
転送電極2a及び2bを形成する。この転送電極2a及
び2bとは、平面構造を示した図4にも示されたように
一体に形成されており、同一の転送パルスを印加され
る。
【0031】続いて図2(d)に示されたように、N-
型半導体基板7の画素形成領域にN型不純物をイオン注
入し、感光画素部4を形成する。このイオン注入は、半
導体基板7の表面近傍に不純物のピークがくるように行
うと、この後に形成するP型画素表面層と打ち消し合っ
て感光画素部4において光電変換により発生する電荷が
減少し、さらに空乏層が基板表面近傍まで延びてノイズ
が発生することになる。そこで、不純物ピークが基板表
面よりも深くなるように加速度を高く設定する必要があ
る。
【0032】さらに表面全体にレジストを塗布し、図2
(e)のように感光画素部4の上部が除去されたレジス
ト膜51を形成する。このレジスト膜51をマスクとし
て、感光画素部4の表面近傍に、P型不純物をイオン注
入して画素表面不純物層40を形成する。このときのイ
オン注入は、画素表面不純物層40の厚さが薄く不純物
濃度が高くなるように、高いドーズ量でかつ低加速電圧
で行う。
【0033】ここで、画素表面不純物層40を形成する
ためのイオン注入により結晶欠陥が発生するが、この影
響をできるだけ小さくする必要がある。一般に、イオン
注入を行ったときの結晶欠陥の数のピークは、上述した
ように不純物濃度のピークよりも基板表面に近い浅い位
置に存在する。従って、結晶欠陥層のピークがシリコン
酸化膜1の内部に位置するように、かつ画素表面不純物
層40が半導体基板7の表面近傍に安定して形成される
ように、シリコン酸化膜1の膜厚に応じて加速電圧を設
定する必要がある。例えば、シリコン酸化膜1の膜厚が
約1000オングストロームであるとすると、加速度電
圧は20〜30keVに設定するのが望ましい。
【0034】また、レジスト膜51は、隣接した図示さ
れていない他の感光画素部から信号電荷を受けて転送す
る転送電極2bの端部が露出し、さらに当該感光画素部
4から信号電荷を電荷転送部5aに転送するフィールド
シフトゲート領域9の端部を越えて感光画素部4の一部
が覆われるように形成される。これにより、画素表面不
純物層40の端部は素子分離層10の端部に一致し、フ
ィールドシフトゲート領域9の端部から離れるように形
成される。
【0035】次に、レジスト膜51を除去し、図2
(f)に示されるようなレジスト膜52を形成する。こ
のレジスト膜52をマスクとしてP型不純物をイオン注
入し、感光画素部4の上部領域でかつ上記画素表面不純
物層42よりも深い位置に、画素表面不純物層42より
も不純物濃度が低い画素表面不純物層42を形成する。
この画素表面不純物層42は、感光画素部4の表面を全
て覆う方がノイズの発生源を減少させるのに有効であ
る。そこで、転送電極2a及び2bとセルフアラインで
イオン注入を行い、転送電極2a及び2bの端部と画素
表面不純物層42の端部とが一致するように、レジスト
膜52の端部が転送電極2a及び2bの端部より後退す
るようにレジスト膜52を形成する。このレジスト膜5
2は、画素領域以外の部分に不純物イオンが突き抜ける
のを防ぐために形成するものである。
【0036】このように、本実施の形態では上記第1の
実施の形態による固体撮像装置と異なり、フィールドシ
フトゲート領域9の近傍には濃度が高い画素表面不純物
層40は存在せず、不純物濃度が低い画素表面不純物層
42が存在する。
【0037】また、N型感光画素部4と、薄くかつ高濃
度のP型画素表面不純物層40と、深くかつ低濃度のP
型画素表面不純物層42を形成するときのイオン注入条
件は、感光画素部4で最適な信号電荷が生成され、かつ
ノイズ低減化を実現することができるように設定するの
が望ましい。この注入条件は、半導体基板7の抵抗値や
シリコン酸化膜1の膜厚を考慮する必要がある。
【0038】例えば、N型半導体基板7の抵抗値が10
オーム、シリコン酸化膜1の膜厚が1000オングスト
ロームである場合、N型感光画素部を形成するためのN
型不純物(リンイオン(P+ ))のイオン注入条件は、
加速電圧650keV、ドーズ量は1.1×1012(個
/cm2 )、P型画素表面不純物層40を形成するための
P型不純物層(ボロンイオン(B+ ))のイオン注入条
件は、加速電圧25keV、ドーズ量は9.0×1014
(個/cm2 )、P型画素表面不純物層42を形成するた
めのP型不純物層(ボロンイオン(B+ ))のイオン注
入条件は、加速電圧45keV、ドーズ量は2.0×1
13(個/cm2 )と設定してもよい。
【0039】この後、層間絶縁膜、配線層、感光画素部
以外の領域を遮蔽するための光遮蔽膜などを形成して、
固体撮像装置を得ることができる。
【0040】このような方法で製造された固体撮像装置
は、図4に示されたような平面構造、及び図4における
A−A線に沿う断面図である図3に示されたような縦断
面構造を備える。ここで、図4において画素4より発生
した信号電荷は、素子分離層10が形成されていない図
中右側のシフトゲート領域9を経て電荷転送部5aへ転
送される。そして、信号電荷は電荷転送部5aにおける
転送電極2a1の下方に位置する領域から、転送パルス
により転送電極2a2の下方の領域へ転送され、以降図
中上方向へ向かって徐々に転送されていく。また、図示
されていない図中左に位置する感光画素部より発生した
信号電荷は、転送電極2b1の下方の領域から転送電極
2b2の下方の領域を経て上方へ向かって転送されてい
く。
【0041】第2の実施の形態によれば、図1に示され
た上記第1の実施の形態による固体撮像装置と同様に、
感光画素部4の表面部分には、高い不純物濃度を有し深
さが浅い画素表面不純物層40と、低い不純物濃度を有
し深さが深い画素表面不純物層42とが形成されてい
る。
【0042】本実施の形態によれば、上記第1の実施の
形態による固体撮像装置と同様な効果が得られる上に、
フィールドシフトゲート領域9の近傍に不純物濃度が低
い画素表面不純物領域42が設けられていることで、以
下のような特有の効果が得られる。
【0043】フィールドシフトゲート領域9の近傍に不
純物濃度の高い画素表面不純物領域40が存在すると、
ポテンシャルバリアが高くなり、感光画素部4で蓄積さ
れた信号電荷が電荷転送部5へ転送される動作が不安定
になり、転送効率が低下する。即ち、感光画素部4に信
号電荷が残留してしまい、残像不良を招く結果となる。
【0044】逆に、フィールドシフトゲート領域9の近
傍の画素表面不純物領域の不純物濃度が低すぎると、転
送を開始する前の信号電荷蓄積時に、感光画素部4から
電荷転送部5aへと電荷が漏れ出して、ダイナミックレ
ンジを狭くすることになる。
【0045】本実施の形態によれば、上述したようにフ
ィールドシフトゲート領域9の近傍には高濃度の画素表
面不純物層40を形成せずに相対的に不純物濃度が低い
画素表面不純物層42を形成している。このため、ポテ
ンシャルバリアを低くして転送効率を向上させることが
できるとともに、必要な不純物濃度を確保することでダ
イナミックレンジの低下を防止することが可能である。
【0046】上述した実施の形態は一例であり、本発明
を限定するものではない。例えば、上記実施の形態で
は、N型感光画素部4を形成した後、P型画素表面不純
物層41及び42を順に形成している。しかし、この3
つの画素部4、不純物層41、42を形成する順序はい
ずれを先にしてもよい。
【0047】また、上記実施の形態では、加速電圧及び
イオン注入量を変えて2回イオン注入を行い、2層構造
の画素表面不純物層を形成している。しかし、加速電圧
及びイオン注入量を変えて3回以上イオン注入を行い、
3層以上の構造を有する画素表面不純物層を形成しても
よい。この場合には、最も加速電圧が小さくかつ最も不
純物濃度が高い不純物層を基板表面に浅く形成し、この
ときのイオン注入によるダメージ領域のピークが基板表
面に形成された絶縁膜の内部に位置するように注入条件
を設定するのが望ましい。
【0048】さらに、上記実施の形態では、N型半導体
基板に固体撮像装置を形成しているが、P型半導体基板
に形成してもよく、この場合はウエル及び不純物領域の
導電型をそれぞれ実施の形態のものと反転させればよ
い。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の固体撮像
装置及びその製造方法によれば、感光画素部の空乏層が
基板表面まで延びてこないように感光画素部の表面部分
に形成される逆導電型の画素表面不純物層が、高い不純
物濃度を有する浅い画素表面不純物層と、低い不純物濃
度を有する深い画素表面不純物層との2重構造で構成さ
れるため、結晶欠陥の数が最大となる箇所が絶縁膜中に
位置し、画素欠陥の発生を抑制することができるととも
に、不純物濃度が高い画素表面不純物層が感光画素部表
面に存在することで、感光画素部の電荷蓄積量が増加
し、固体撮像装置としてのダイナミックレンジを広くと
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による固体撮像装置
の構成を示した素子の縦断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態による固体撮像装置
の製造方法を工程別に示した素子の縦断面図。
【図3】同第2の実施の形態による方法により製造され
た固体撮像装置の断面構造を示した縦断面図。
【図4】同固体撮像装置における平面構造を示した平面
図。
【図5】同固体撮像装置における感光画素部の不純物プ
ロファイルを示すグラフ。
【図6】従来の固体撮像装置の断面構造を示した素子の
縦断面図。
【図7】同固体撮像装置における感光画素部の不純物プ
ロファイルを示すグラフ。
【図8】従来の他の固体撮像装置における感光画素部の
不純物プロファイルを示すグラフ。
【符号の説明】
1 シリコン酸化膜 2a、2b、2a1、2a2、2b1、2b2 転送電
極 4 感光画素部 5a、5b 転送部 6a、6b、8 P型不純物層 7 N型半導体基板 9 フィールドシフトゲート 10 素子分離層 40、41、42 画素表面不純物層 51、52 レジスト膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板に形成され、光を照射されて信
    号電荷を生成して蓄積する一導電型の感光画素部と、 前記感光画素部の表面部分に形成された逆導電型の画素
    表面不純物層と、 前記半導体基板に前記感光画素部と所定間隔を空けて形
    成され、前記感光画素部に蓄積された信号電荷を与えら
    れて転送する電荷転送部と、 前記感光画素部と前記電荷転送部との間に形成され、前
    記感光画素部に蓄積された信号電荷を前記電荷転送部へ
    移すフィールドシフトゲート領域と、 を備え、 前記画素表面不純物層は、第1の不純物濃度を有し第1
    の深さを有するように形成された逆導電型の第1の画素
    表面不純物層と、前記第1の不純物濃度よりも低い第2
    の不純物濃度を有し前記第1の深さよりも深い第2の深
    さを有するように形成された逆導電型の第2の画素表面
    不純物層とを含むことを特徴とする固体撮像装置。
  2. 【請求項2】前記感光画素部の表面部分における前記フ
    ィールドシフトゲート領域の近傍には前記第2の画素表
    面不純物層が形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の固体撮像装置。
  3. 【請求項3】半導体基板に形成され、光を照射されて信
    号電荷を生成して蓄積する一導電型の感光画素部と、 前記感光画素部の表面部分に形成された逆導電型の画素
    表面不純物層と、 前記半導体基板に前記感光画素部と所定間隔を空けて形
    成され、前記感光画素部に蓄積された信号電荷を与えら
    れて転送する電荷転送部と、 前記感光画素部と前記電荷転送部との間に形成され、前
    記感光画素部に蓄積された信号電荷を前記電荷転送部へ
    移すフィールドシフトゲート領域と、 を備え、 前記画素表面不純物層は、加速電圧及び不純物イオン注
    入量を変えて少なくとも2回不純物イオン注入を行い形
    成されることを特徴とする固体撮像装置。
  4. 【請求項4】前記半導体基板の表面上に形成された絶縁
    膜をさらに備え、 この絶縁膜の内部に、前記画素表面不純物層を形成する
    ためのイオン注入により生じた結晶欠陥の密度が最大と
    なる箇所が存在することを特徴とする請求項3記載の固
    体撮像装置。
  5. 【請求項5】半導体基板の所定領域に一導電型の不純物
    をイオン注入し、電荷転送部を形成する工程と、 前記半導体基板の前記電荷転送部に隣接する領域に逆導
    電型の不純物をイオン注入し、フィールドシフトゲート
    領域を形成する工程と、 前記半導体基板の前記フィールドシフトゲート領域に隣
    接する領域に一導電型の不純物イオンを注入し、感光画
    素部を形成する工程と、 前記感光画素部の表面部分に逆導電型の不純物イオンを
    注入し、第1の不純物濃度を有し第1の深さを有する第
    1の画素表面不純物層を形成する工程と、 前記感光画素部の表面部分に逆導電型の不純物イオンを
    注入し、前記第1の不純物濃度よりも低い第2の不純物
    濃度を有し前記第1の深さよりも深い第2の深さを有す
    る第2の画素表面不純物層を形成する工程と、 を備えることを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
  6. 【請求項6】前記感光画素部の表面部分における前記フ
    ィールドシフトゲート領域の近傍は、前記第1の画素表
    面不純物層は存在せず前記第2の画素表面不純物層が存
    在するように、前記第1及び第2の画素表面不純物層が
    それぞれ形成されることを特徴とする請求項5記載の固
    体撮像装置の製造方法。
  7. 【請求項7】前記半導体基板の表面上に絶縁膜を形成す
    る工程をさらに備え、 前記第1の画素表面不純物層を形成するために不純物イ
    オンを注入する工程では、前記絶縁膜の内部にイオン注
    入により生じた結晶欠陥の密度が最大となる箇所が存在
    するようにイオン注入の条件が設定されることを特徴と
    する請求項5又は6記載の固体撮像装置の製造方法。
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