JPH1167861A - 集積回路における金属配線の評価方法及び評価装置 - Google Patents

集積回路における金属配線の評価方法及び評価装置

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JPH1167861A
JPH1167861A JP9224931A JP22493197A JPH1167861A JP H1167861 A JPH1167861 A JP H1167861A JP 9224931 A JP9224931 A JP 9224931A JP 22493197 A JP22493197 A JP 22493197A JP H1167861 A JPH1167861 A JP H1167861A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集積回路が有する、同一仕様よりなる金属配
線の耐エレクトロマイグレーション性を、高精度に評価
する。 【解決手段】 試験配線N本(NはN≧3なる整数)分
の熱パラメータを受け取るための入力手段11と、印加
電流密度Jが異なるように各試験配線へ異なる定電流を
並行して供給し、配線抵抗値を各々測定し、該配線抵抗
値と受け取った熱パラメータとに基づき配線温度Tを各
々算出し、かつ配線抵抗値に基づき各試験配線の故障時
間τを測定するための試験手段12と、印加電流密度J
と配線温度Tと故障時間τとに基づきN個の評価式より
なる連立方程式を作成するための方程式作成手段13
と、該連立方程式を解いてパラメータa,b,cを算出
するための求解手段14と、各パラメータに基づき加速
係数A、電流密度係数n、及び活性化エネルギーEaを
算出し、かつ出力するための算出及び出力手段15とを
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路における
金属配線の耐エレクトロマイグレーション性と抵抗温度
係数とを評価する評価方法及び評価装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路においては、金属配線が
微細化され、かつ配線規模が拡大されているので、金属
配線の評価がますます重要になっている。集積回路にお
いて、サブミクロン幅の薄い導体よりなる金属配線を流
れる電流は、導体材料のエレクトロマイグレーションを
引き起こして、該集積回路の不良原因となる。したがっ
て、金属配線の信頼性を評価するためには、耐エレクト
ロマイグレーション性の評価が不可欠である。耐エレク
トロマイグレーション性の評価においては、試験装置と
して、定電流源、電圧計、及びタイマーを有する自動測
定器を使用する。該自動測定器によって、試験対象であ
る試験配線に定電流を供給し、該定電流に基づく印加電
流密度に対応する配線抵抗値をモニタして、断線によっ
て配線抵抗値が急増する時点までの時間、すなわち故障
時間を測定する。上述した通常のエレクトロマイグレー
ション試験によって得られた結果である、印加電流密度
と故障時間とに基づいて、試験配線と同一仕様よりなる
金属配線を実回路に使用する場合における許容電流密度
を算出する。
【0003】耐エレクトロマイグレーション性の評価に
おいて重要なことは、試験結果に基づいて実使用条件に
おける金属配線の寿命を推定することである。該寿命推
定のためには、それぞれ精度が高い、加速係数A、電流
密度係数n、及び活性化エネルギーEaが必要になる。
これら加速係数A、電流密度係数n、及び活性化エネル
ギーEaを高精度に算出するためには、それぞれ精度が
高い、印加電流密度と配線温度と故障時間との組合せか
らなるデータを使用することが必要である。「半導体デ
バイスの信頼性技術」(日科技連)によれば、加速定数
A、電流密度係数n、及び活性化エネルギーEaを得る
には、まず活性化エネルギーEaを求め、次に電流密度
係数nと加速係数Aとを求める。
【0004】従来の、耐エレクトロマイグレーション性
を評価する金属配線の評価方法を、図4を参照して説明
する。図4は、従来の、耐エレクトロマイグレーション
性を評価する金属配線の評価方法のフローチャート図で
ある。図4の活性化エネルギー算出工程31において
は、試験配線における印加電流密度を一定にして、ホッ
トチャック、恒温槽等の温度制御装置を使用して該試験
配線の配線温度を変化させる。各配線温度においてエレ
クトロマイグレーション試験を行ない、印加電流密度
(一定)と配線温度と故障時間との組合せからなるデー
タを収集する。この場合は、一定の印加電流密度下にお
けるエレクトロマイグレーション試験であり、エレクト
ロマイグレーション評価式は、未知数として活性化エネ
ルギーEaのみを有する。該エレクトロマイグレーショ
ン評価式、 Ea=k・ln(τ1/τ2)/(1/T1−1/T2) (1) へ、配線温度と故障時間とのデータを代入して、活性化
エネルギーEaを算出する。ここで、 k:ボルツマン定数 T1:第1のエレクトロマイグレーション試験における
配線温度 T2:第2のエレクトロマイグレーション試験における
配線温度 τ1:第1のエレクトロマイグレーション試験における
故障時間 τ2:第2のエレクトロマイグレーション試験における
故障時間 である。
【0005】電流密度係数算出工程32においては、配
線温度を一定にして、各試験配線における印加電流密度
が異なるように、各試験配線へ異なる定電流をそれぞれ
供給する。この場合には、ジュール熱を発生する各試験
配線を温度制御することが難しい。通常は、試験配線に
おける印加電流密度を小さくするように定電流を供給す
ることによって、発生するジュール熱を抑える。印加電
流密度がそれぞれ異なるように定電流が供給される各試
験配線は、それぞれ異なる配線温度を有する。該配線温
度の差異を解消するために、ホットチャック、恒温槽等
の温度制御装置を使用して配線温度を上昇させ、高温状
態において配線温度を一定にする。各印加電流密度にお
いてエレクトロマイグレーション試験を行ない、印加電
流密度と配線温度(一定)と故障時間との組合せからな
るデータを収集する。この場合は、一定の配線温度下に
おけるエレクトロマイグレーション試験であり、エレク
トロマイグレーション評価式は、未知数として電流密度
係数nのみを有する。該エレクトロマイグレーション評
価式、 n=ln(τ3/τ4)/ln(J3/J4) (2) へ、印加電流密度と故障時間とのデータを代入して、電
流密度係数nを算出する。ここで、 τ3:第3のエレクトロマイグレーション試験における
故障時間 τ4:第4のエレクトロマイグレーション試験における
故障時間 J3:第3のエレクトロマイグレーション試験における
印加電流密度 J4:第4のエレクトロマイグレーション試験における
印加電流密度 である。
【0006】加速係数算出工程33においては、通常の
エレクトロマイグレーション試験を行ない、印加電流密
度Jと配線温度Tと故障時間τとの組合せからなるデー
タを収集する。なお、配線温度Tは、後述する試験配線
の抵抗温度係数(TCR)を使用して算出する。収集さ
れた印加電流密度J、配線温度T、及び故障時間τと、
活性化エネルギー算出工程31において算出された活性
化エネルギーEaと、電流密度係数算出工程32におい
て算出された電流密度係数nとを、エレクトロマイグレ
ーション評価式、 A=τ・Jn/exp(Ea/kT) (3) へ代入して、加速係数Aを算出する。
【0007】以上説明したエレクトロマイグレーション
の評価においては、試験配線の配線温度を算出するため
に、該試験配線の抵抗温度係数(TCR)を予め求める
必要がある。TCR値を求めるためには、ホットチャッ
ク、恒温槽等の温度制御装置によって配線温度を制御し
ながら、試験配線において発生するジュール熱を無視で
きる程度にまで、印加される定電流を小さくして配線抵
抗値を測定する。該測定された配線抵抗値Rと、制御さ
れた配線温度Tと、初期配線温度T0及び該初期配線温
度T0における初期配線抵抗値R0とを、関係式、 TCR=(R−R0)/R0/(T−T0) (4) へ代入して、TCR値を算出する。ここで、初期配線抵
抗値R0は、室温環境下である初期配線温度T0におい
て、試験配線におけるジュール熱を無視できる程度の微
小電流を該試験配線へ印加することにより、測定された
配線抵抗値である。なお、このTCR値の求め方は、A
STM(American Society for Testing Materials)F1
260−89に明記されている。
【0008】求められた抵抗温度係数TCRと、初期配
線温度T0と初期配線抵抗値R0とを利用して、定電流
印加中の配線抵抗値Rに基づき、該定電流印加中の配線
温度Tを、関係式 T=T0+(R−R0)/R0/TCR (5) に基づいて算出する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成によれば、金属配線のエレクトロマイグレーシ
ョン評価において必要である電流密度係数nと活性化エ
ネルギーEaとを求めるために、それぞれ別々に試験を
行なう必要がある。したがって、試験環境及び対象とな
る試験配線がそれぞれ異なるので高精度な電流密度係数
nと活性化エネルギーEaとを得られず、別々に試験す
るので試験時間を短縮できない。また、電流密度係数n
を求める試験の場合には、一定の配線温度下において印
加電流密度が異なるように定電流を印加する際に試験配
線自身がジュール熱を発生するので、配線温度一定とい
う条件が近似的になり、高精度な電流密度係数nが得ら
れない。また、配線温度を一定にし、又は様々な定温に
変化させるために、ホットチャック、恒温槽等の温度制
御装置を使用するので、耐エレクトロマイグレーション
性を簡便に評価できない。
【0010】更に、エレクトロマイグレーション評価に
おいて必要である、試験配線の抵抗温度係数(TCR)
を求めるための試験においては、配線抵抗測定の際に、
試験配線を高温状態へ長時間置くので、該試験配線を有
するウェハー試料全体がストレスマイグレーションによ
って劣化するおそれがある。また、該試験配線を有する
ウェハー試料はTCR値測定専用であり、測定されたT
CR値は、別のウェハー試料に関する耐エレクトロマイ
グレーション性の評価に使用される。したがって、耐エ
レクトロマイグレーション性の評価対象である試験配線
自体のTCR値を測定できず、評価の精度が低下する。
また、高温状態を制御するために温度制御装置を必要と
するので、TCR値を求める試験を簡便に実施できな
い。
【0011】本発明は、上記従来の問題に鑑み、同一仕
様よりなる金属配線のうちの複数の試験配線に対し並行
して試験を行ない、該金属配線の耐エレクトロマイグレ
ーション性を、簡便、短時間かつ高精度に評価すること
を目的とする。また、本発明は、耐エレクトロマイグレ
ーション性評価に必要なTCR値を、耐エレクトロマイ
グレーション性評価に使用する試験配線自体を対象とし
て、ウェハー試料を劣化させず簡便、かつ短時間に測定
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、同一仕様よりなる金属配線の耐エレク
トロマイグレーション性を評価する評価方法を、印加電
流密度が異なるようにN本(NはN≧3なる整数)の試
験配線へ異なる定電流を並行して供給し、配線抵抗値を
それぞれ測定し、該配線抵抗値と予め入力された熱パラ
メータとに基づいて配線温度をそれぞれ算出し、かつ、
故障時間をそれぞれ測定する工程と、印加電流密度と配
線温度と故障時間とからなる組合せを所定の関係式へ入
力してN個の評価式よりなる連立方程式を作成する工程
と、該連立方程式を解いて、金属配線の加速係数、電流
密度係数、及び活性化エネルギーを算出する工程とを備
えた構成とするものである。
【0013】また、本発明は、同一仕様よりなる金属配
線の耐エレクトロマイグレーション性を評価するための
評価装置を、印加電流密度が異なるようにN本(NはN
≧3なる整数)の試験配線へ異なる定電流を並行して供
給し、配線抵抗値をそれぞれ測定し、該配線抵抗値と予
め受け取った熱パラメータとに基づいて配線温度をそれ
ぞれ算出し、かつ、故障時間をそれぞれ測定するための
試験手段と、印加電流密度と配線温度と故障時間とから
なる組合せを所定の関係式へ入力してN個の評価式より
なる連立方程式を作成するための方程式作成手段と、該
連立方程式を解いて、金属配線の加速係数、電流密度係
数、及び活性化エネルギーを算出するための方程式求解
手段とを備えた構成とするものである。
【0014】上記の構成を有する評価方法又は評価装置
により、同一の試験環境下で、N本の試験配線から得ら
れた結果に基づきN個の評価式よりなる連立方程式を作
成し、かつ、該連立方程式を解いて金属配線の加速係
数、電流密度係数、及び活性化エネルギーを算出する。
【0015】また、本発明は、金属配線の抵抗温度係数
を評価する評価方法を、試験配線へ複数の電流値を有す
る定電流を順次供給して配線抵抗値を測定する工程と、
印加電流密度及び配線抵抗値からなる複数の組合せと該
試験配線の初期配線抵抗値とを所定の関係式へ入力し
て、数値解析により該試験配線の抵抗温度係数を算出す
る工程とを備えた構成とするものである。
【0016】また、本発明は、金属配線の抵抗温度係数
を評価するための評価装置を、試験配線へ複数の電流値
を有する定電流を順次供給して配線抵抗値を測定するた
めの測定手段と、印加電流密度及び配線抵抗値からなる
複数の組合せと該試験配線の初期配線抵抗値とを所定の
関係式へ入力して、数値解析により該試験配線の抵抗温
度係数を算出するための算出手段とを備えた構成とする
ものである。
【0017】上記の構成を有する評価方法又は評価装置
により、ウェハー試料全体を高温状態へ置くことなく、
試験配線の抵抗温度係数を算出する。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)本発明に係る金属配線の評価方法及
び評価装置の第1の実施形態を、図1を参照して説明す
る。図1は、本実施形態に係る金属配線の評価装置の構
成を示すブロック図である。図1において、入力手段1
1は、集積回路における同一仕様よりなる金属配線のう
ちのN本(NはN≧3なる整数)の試験配線がそれぞれ
有する、予め測定された初期配線抵抗値R0と抵抗温度
係数TCRとからなる熱パラメータを受け取るための熱
パラメータ入力手段である。試験手段12は、試験配線
における印加電流密度がそれぞれ異なるように各試験配
線へ異なる定電流をそれぞれ並行して供給し、該異なる
印加電流密度に応じた各試験配線の配線抵抗値を測定
し、該測定された配線抵抗値と受け取った熱パラメータ
とに基づいて各試験配線における配線温度を算出し、か
つ、異なる印加電流密度に応じた配線抵抗値の変化に基
づいて各試験配線の故障時間を測定するためのエレクト
ロマイグレーション試験手段である。試験手段12は、
定電流源と、電圧計と、タイマーとから構成される。方
程式作成手段13は、異なる印加電流密度と配線温度と
故障時間とからなる各々の組合せを予め定められた関係
式へ入力することによって、N個の評価式よりなる連立
方程式を作成するための連立方程式作成手段である。求
解手段14は、該作成された連立方程式を解くことによ
って、パラメータa,b,cをそれぞれ算出するための
連立方程式求解手段である。算出及び出力手段15は、
受け取ったパラメータa,b,cに基づいて、同一仕様
よりなる金属配線の加速係数A、電流密度係数n、及び
活性化エネルギーEaをそれぞれ算出し、かつこれらを
出力するための算出及び出力手段である。
【0019】本実施形態に係る金属配線の評価方法を実
現するための、図1の金属配線の評価装置の動作を説明
する。入力手段11は、N本(NはN≧3なる整数)よ
りなる試験配線がそれぞれ有する、配線温度T0におけ
る初期配線抵抗値R0と抵抗温度係数TCRとからな
る、配線温度Tを算出するための熱パラメータを受け取
る。試験手段12は、N本の試験配線に対して、それぞ
れ異なる印加電流密度による定電流印加法を使用してエ
レクトロマイグレーション試験を行なう。すなわち、試
験配線へ印加されるべき定電流値を該試験配線の断面積
で除すことによって、印加電流密度Jを算出する。印加
電流密度Jがそれぞれ異なるように、各試験配線へ異な
る定電流を並行して印加する。定電流を印加されている
各試験配線の配線抵抗値Rを測定し、該測定された配線
抵抗値Rと受け取った熱パラメータとに基づいて、式
(5)を使用して配線温度Tを算出する。該測定された
配線抵抗値Rの変化に基づいて、各試験配線の故障時間
τを測定する。このことによって、それぞれ求めようと
する、加速係数A、電流密度係数n、及び活性化エネル
ギーEaを求解できるだけの、印加電流密度Jと配線温
度Tと故障時間τとからなるデータの組合せをN個だけ
得られる。この場合において、該データの組合せの数が
多いほど、求解された加速係数A、電流密度係数n、及
び活性化エネルギーEaの精度は高くなる。方程式作成
手段13は、式(3)に基づくエレクトロマイグレーシ
ョン評価式、 a+{−ln(J)}・b+(1/kT)・c=ln(τ) (6) へ、試験手段12によって得られた印加電流密度Jと配
線温度Tと故障時間τとを代入し、パラメータa,b,
cを未知数とする方程式を、試験配線1本につき1個作
成する。ここで、式(6)は、式(3)の両辺の自然対
数をとって変形した式、 ln(τ)=ln(A)+{−ln(J)}・n+(1/kT)・Ea (7) において、a=ln(A)、b=n、c=Eaとおいて得
られた評価式である。式(6)は1本の試験配線につい
ての評価式であって、N本の試験配線については、図1
の方程式作成手段13に記載された、行列で表わされた
N個の連立一次方程式が得られる。求解手段14は、ガ
ウス−ヨルダン法、ドリトル法、コレスキー法、バンド
行列に対する方法、乗積形逆行列法、ガウス−ザイデル
法等の数値解析によって、方程式作成手段13において
生成されたN個の連立一次方程式を解き、パラメータ
a,b,cを算出する。算出及び出力手段15は、該算
出されたパラメータa,b,cに基づいて、未知数であ
る加速定数A、電流密度係数n、及び活性化エネルギー
Eaを、それぞれA=exp(a)、n=b、Ea=c
なる計算により求め、該求められたそれぞれの値を、デ
ィスプレイ表示、印字等の方法によって出力する。
【0020】以上説明したように、第1の実施形態に係
る金属配線の評価方法及び評価装置によれば、同一仕様
よりなるN本(NはN≧3なる整数)の金属配線よりな
る試験配線に対して、それぞれ異なる電流密度となるよ
うに異なる定電流を並行して供給する。各試験配線につ
いて印加電流密度Jと配線温度Tと故障時間τとからな
るデータの組合せを算出し、N個の評価式からなる連立
方程式を生成し、該連立方程式を数値解析により解いて
金属配線の加速係数A、電流密度係数n、及び活性化エ
ネルギーEaを算出する。
【0021】したがって、別々の試験ではなく、同一の
試験環境において並行して行なった試験から得られた結
果に基づいて印加電流密度Jと配線温度Tと故障時間τ
とを算出するので、各試験配線に関するこれらのデータ
の組合せを、短い試験時間により、かつ精度よく算出で
きる。また、N個のデータの組合せを使用して作成した
連立方程式を求解することによって、多数のデータに基
づいて、加速係数A、電流密度係数n、及び活性化エネ
ルギーEaを精度よく算出できる。また、配線温度を一
定にするための温度制御装置を使用するのではなく、算
出された配線温度を使用して評価するので、該算出され
た配線温度に基づいて電流密度係数nを精度よく算出で
き、かつ、データの組合せを簡便にオンラインで算出で
きる。また、温度制御装置を使用せず、かつ、各構成手
段が独立しているために、各構成手段の保守が容易であ
る。
【0022】(第2の実施形態)本発明に係る金属配線
の評価方法及び評価装置の第2の実施形態を、図2と図
3とを参照して説明する。図2は、本実施形態に係る金
属配線の評価装置の構成を示すブロック図である。本実
施形態においては、金属配線のエレクトロマイグレーシ
ョン評価に必要な、該金属配線の抵抗温度係数(TC
R)を測定する。図2において、測定機器21は、定電
流源と電圧計との機能を有し、試験配線へ定電流を印加
し、かつ配線抵抗を測定するための測定手段である。コ
ンピュータ22は、試験配線へ供給された電流値に基づ
く印加電流密度Jと配線抵抗値Rとに基づいて、TCR
値を算出するための算出手段である。出力機器23は、
算出されたTCR値を出力するための出力手段である。
【0023】測定機器21によって測定された、印加電
流密度Jと配線抵抗値Rとの関係を、図3を参照して説
明する。図3は、印加電流密度Jと配線抵抗値Rとの関
係を示す説明図である。図3において、印加電流密度J
の増加に伴なう配線抵抗値の増加は、ジュール熱による
配線温度の上昇に基づく。また、配線温度T0におい
て、配線抵抗値は初期配線抵抗値R0となる。
【0024】本実施形態に係る、金属配線の評価装置の
動作を説明する。測定機器21は、少なくとも1本の試
験配線へ複数の電流値を有する定電流を順次供給し、そ
れぞれの電流値に対応する配線抵抗値を順次測定する。
また、試験配線において発生するジュール熱を無視でき
る程度の微小電流を、該試験配線へ供給することによっ
て、配線温度T0における初期配線抵抗値R0を測定す
る。コンピュータ22は、それぞれ測定機器21によっ
て測定された、初期配線抵抗値R0と印加電流密度Jと
配線抵抗値Rとを、関係式、 (R−R0)/R0/TCR =J2 ・R0/(B−J2 ・R0・TCR) (8) へ代入する。式(8)の左辺は、式(5)を変形するこ
とによりT−T0と等しく、試験配線において発生する
ジュール熱による配線温度の上昇分を表わす。式(8)
の右辺は、「Harry A. Schafft,“Thermal Analysis of
Electromigration Test Structures”,in IEEE Trans.
Electron Devices,VOL.ED-34,P.664〜P.672,MARCH 198
7」から、関係式、 T=T0+(J2 ・R0)/{Ki/t/ti(1+0.88・ti/W) −J2 ・R0・TCR} (9) を変形して、T−T0に等しいとして表わされる部分で
ある。ここで、 ki:層間膜の熱伝達係数 t:配線の膜厚 ti:配線と基板との間の距離 w:配線幅 である。また、式(8)のBは、式(9)から、B=K
i/t/ti(1+0.88・ti/W)であり、層間
膜の熱伝達係数kiと配線形状とに関する値よりなる放
熱係数(配線固有値)である。更に、コンピュータ22
は、式(8)において、放熱係数Bと抵抗温度係数TC
Rとをフィッティング用パラメータとし、非線形最小2
乗法の数値解析であるレーベン・マルカート法を使用し
て、放熱係数Bと抵抗温度係数TCRとを算出する。非
線形最小2乗法の数値解析として、パウエル法を使用し
てもよい。出力機器23は、コンピュータ22において
数値解析によって算出されたTCR値を出力する。
【0025】以上説明したように、第2の実施形態に係
る金属配線の評価方法及び評価装置によれば、試験配線
へ供給されたそれぞれの電流値に対応する配線抵抗値を
順次測定し、該電流値に対応する印加電流密度Jと該測
定された配線抵抗値Rと予め測定された初期配線抵抗値
R0とに基づき、放熱係数Bと抵抗温度係数TCRとを
フィッティング用パラメータとした非線形最小2乗法の
数値解析により、その試験配線のTCR値を算出する。
【0026】このことにより、試験配線を有するウェハ
ー試料を高温状態へ置くことなく短時間に、該試験配線
自体のTCR値を算出できる。また、耐エレクトロマイ
グレーション性の評価対象である試験配線自体のTCR
値を、該試験配線を劣化させずに算出できる。また、温
度制御装置を使用しないので、TCR値を求めるための
試験を簡便に実施できる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、金属配線のうちN本
(NはN≧3なる整数)の試験配線から、同一の試験環
境において並行して行なった試験により得られたデータ
の組合せに基づいて、金属配線の加速係数A、電流密度
係数n、及び活性化エネルギーEaを短時間、かつ精度
よく算出できるので、金属配線の耐エレクトロマイグレ
ーション性を短時間、かつ高精度に評価できる。また、
N個の連立方程式を求解することにより、多数のデータ
に基づき同一仕様よりなる金属配線の耐エレクトロマイ
グレーション性を高精度に評価できる。また、温度制御
装置を使用せず、算出された配線温度を使用して評価す
るので、該配線温度に基づいて耐エレクトロマイグレー
ション性を高精度、かつ、簡便に評価できる。
【0028】更に、本発明によれば、試験配線へ複数の
電流値を有する定電流を順次供給し、それぞれの印加電
流密度に対応する配線抵抗値を順次測定し、非線形最小
2乗法の数値解析によりその試験配線のTCR値を算出
する。したがって、試験配線を有するウェハー試料を高
温状態へ置かないので該ウェハー試料を劣化させず、か
つ短時間に、該試験配線のTCR値を算出できる。ま
た、耐エレクトロマイグレーション性の評価対象である
試験配線自体のTCR値を、該試験配線を劣化させず、
かつ高精度に評価できる。また、温度制御装置を使用し
ないので、TCR値を求めるための試験を簡便に実施で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る金属配線の評価
装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る金属配線の評価
装置の構成を示すブロック図である。
【図3】金属配線における印加電流密度と配線抵抗値と
の関係を示す説明図である。
【図4】従来の、耐エレクトロマイグレーション性を評
価する金属配線の評価方法のフローチャート図である。
【符号の説明】
11 入力手段 12 試験手段 13 方程式作成手段 14 求解手段 15 算出及び出力手段 21 測定機器(測定手段) 22 コンピュータ(算出手段) 23 出力機器(出力手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集積回路における同一仕様よりなる金属
    配線の耐エレクトロマイグレーション性を評価する評価
    方法であって、 前記金属配線が有する初期配線抵抗値と抵抗温度係数と
    からなる熱パラメータを入力する工程と、 前記金属配線のうちのN本(NはN≧3なる整数)より
    なる試験配線における印加電流密度が各々異なるように
    該試験配線へ異なる定電流を並行して供給し、該異なる
    印加電流密度に応じた各々の試験配線の配線抵抗値を測
    定し、該測定された配線抵抗値と前記熱パラメータとに
    基づいて該各々の試験配線における配線温度を算出し、
    かつ、前記異なる印加電流密度に応じた配線抵抗値の変
    化に基づいて前記各々の試験配線の故障時間を測定する
    工程と、 前記異なる印加電流密度と配線温度と故障時間とからな
    る各々の組合せを予め定められた関係式へ入力すること
    によって、N個の評価式よりなる連立方程式を作成する
    工程と、 前記連立方程式を解くことによって、前記同一仕様より
    なる金属配線が有する加速係数、電流密度係数、及び活
    性化エネルギーを算出する工程と、 前記算出された加速係数、電流密度係数、及び活性化エ
    ネルギーを出力する工程とを備えたことを特徴とする金
    属配線の評価方法。
  2. 【請求項2】 集積回路における同一仕様よりなる金属
    配線の耐エレクトロマイグレーション性を評価するため
    の評価装置であって、 前記金属配線が有する初期配線抵抗値と抵抗温度係数と
    からなる熱パラメータを入力するための入力手段と、 前記金属配線のうちのN本(NはN≧3なる整数)より
    なる試験配線における印加電流密度が各々異なるように
    該試験配線へ異なる定電流を並行して供給し、該異なる
    印加電流密度に応じた各々の試験配線の配線抵抗値を測
    定し、該測定された配線抵抗値と前記熱パラメータとに
    基づいて該各々の試験配線における配線温度を算出し、
    かつ、前記異なる印加電流密度に応じた配線抵抗値の変
    化に基づいて前記各々の試験配線の故障時間を測定する
    ための試験手段と、 前記異なる印加電流密度と配線温度と故障時間とからな
    る各々の組合せを予め定められた関係式へ入力すること
    によって、N個の評価式よりなる連立方程式を作成する
    ための方程式作成手段と、 前記連立方程式を解くことによって、前記同一仕様より
    なる金属配線が有する加速係数、電流密度係数、及び活
    性化エネルギーを算出するための方程式求解手段と、 前記算出された加速係数、電流密度係数、及び活性化エ
    ネルギーを出力するための出力手段とを備えたことを特
    徴とする金属配線の評価装置。
  3. 【請求項3】 集積回路における金属配線が各々有する
    初期配線抵抗値に基づいて、前記金属配線が各々有する
    抵抗温度係数を評価する評価方法であって、 前記金属配線のうちの少なくとも1本よりなる試験配線
    に対して複数の電流値を有する定電流を順次供給し、該
    複数の電流値に応じて前記試験配線が有する配線抵抗値
    を順次測定する工程と、 前記複数の電流値に基づく印加電流密度及び配線抵抗値
    からなる複数の組合せと、前記初期配線抵抗値とを予め
    定められた関係式へ入力し、かつ数値解析によって前記
    試験配線が有する抵抗温度係数を算出する工程と、 前記算出された抵抗温度係数を出力する工程とを備えた
    ことを特徴とする金属配線の評価方法。
  4. 【請求項4】 集積回路における金属配線が各々有する
    初期配線抵抗値に基づいて、前記金属配線が各々有する
    抵抗温度係数を評価するための評価装置であって、 前記金属配線のうちの少なくとも1本よりなる試験配線
    に対して複数の電流値を有する定電流を順次供給し、該
    複数の電流値に応じて前記試験配線が有する配線抵抗値
    を順次測定するための測定手段と、 前記複数の電流値に基づく印加電流密度及び配線抵抗値
    からなる複数の組合せと、前記初期配線抵抗値とを予め
    定められた関係式へ入力し、かつ数値解析によって前記
    試験配線が有する抵抗温度係数を算出するための算出手
    段と、 前記算出された抵抗温度係数を出力するための出力手段
    とを備えたことを特徴とする金属配線の評価装置。
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JP2010232384A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Japan Science & Technology Agency 金属配線評価用パターン、半導体装置及び評価方法
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