JPH1167591A - エレクトレット及びその製造方法 - Google Patents
エレクトレット及びその製造方法Info
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- JPH1167591A JPH1167591A JP23902097A JP23902097A JPH1167591A JP H1167591 A JPH1167591 A JP H1167591A JP 23902097 A JP23902097 A JP 23902097A JP 23902097 A JP23902097 A JP 23902097A JP H1167591 A JPH1167591 A JP H1167591A
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Abstract
エレクトレット及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ガラス基板上に形成されたエレクトレッ
ト化された有極性高分子薄膜からなり、該ガラス基板の
表裏間の電気抵抗値がΩが、下記式(1)を満足する範
囲にあることを特徴とするエレクトレット。 0.8Ω0≦Ω≦1.2Ω0 (1) (式中、Ω0はガラス基板の表裏間の電気抵抗値に対
し、エレクトレット化された有極性高分子薄膜の二次非
線形光学定数値(d33)をプロットしたときに形成され
る曲線のピーク値に対応するガラス基板の表裏間の電気
抵抗値を示す) 前記エレクトレットを製造する方法において、有極性高
分子薄膜を、その表裏間の電気抵抗値が前記式(1)を
満足する範囲にあるガラス基板表面に形成し、この状態
において、該有極性高分子薄膜をコロナポーリング法に
よりエレクトレット化させることを特徴とするエレクト
レットの製造方法。
Description
(NLO)を有し、電場を除去してもそのNLOを高度
に保持するエレクトレット及びその製造方法に関するも
のである。
高圧電場を印加するコロナポーリング法によりエレクト
レットを製造する方法は知られている。このようにして
形成される従来のエレクトレットは、主に、圧電あるい
は焦電素子への用途を目的としたものであり、二次非線
形光学材料としての用途を有するものではなかった。
光学材料として有利に用いられるエレクトレット及びそ
の製造方法を提供することをその課題とする。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果本発明を完成するに
至った。即ち、本発明によれば、ガラス基板上に形成さ
れたエレクトレット化された有極性高分子薄膜からな
り、該ガラス基板の表裏間の電気抵抗値がΩが、下記式
(1)を満足する範囲にあることを特徴とするエレクト
レットが提供される。 0.8Ω0≦Ω≦1.2Ω0 (1) (式中、Ω0はガラス基板の表裏間の電気抵抗値に対
し、エレクトレット化された有極性高分子薄膜の二次非
線形光学定数値(d33)をプロットしたときに形成され
る曲線のピーク値に対応するガラス基板の表裏間の電気
抵抗値を示す)また、本発明によれば、前記エレクトレ
ットを製造する方法において、有極性高分子薄膜を、そ
の表裏間の電気抵抗値が下記式(1) 0.8Ω0≦Ω≦1.2Ω0 (1) (式中、Ω0はガラス基板の表裏間の電気抵抗値に対
し、エレクトレット化された有極性高分子薄膜の二次非
線形光学定数値(d33)をプロットしたときに形成され
る曲線のピーク値に対応するガラス基板の表裏間の電気
抵抗値を示す)を満足する範囲にあるガラス基板表面に
形成し、この状態において、該有極性高分子薄膜をコロ
ナポーリング法によりエレクトレット化させることを特
徴とするエレクトレットの製造方法が提供される。
従来公知のものであり、極性基を有する高分子化合物が
用いられる。この場合の極性基としては、フッ素原子、
カルボニル基、シアノ基等を示すことができる。また、
本発明では、下記一般式(3)で表されるπ電子共役系
の連結基を有する極性側鎖を有する高分子を好ましいも
のとして示すことができる。
供与基、R2は電子吸引基を示す。π電子共役系連絡基
Aは、π電子が共役できる不飽和結合、例えば、−C=
C−N=N−や、−C=C−C=C−、−C≡C−、−
C=N−等を含有するもので、以下のものを例示するこ
とができる。 (1)−ph−N=N−ph− (2)−ph−C=C−ph− (3)−ph−C≡C−ph− (4)−ph−C=N−ph− 前記電子供与基R1としては、アミノ基、アルキルアミ
ノ基、アルコキシ基等が挙げられる。また、電子吸引基
R2としては、ハロゲン原子(Cl、Br、I、F)、
シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、カルボキシル基、
アシル基、スルホニル基、ジシアノビニル基、トリシア
ノビニル基等が挙げられる。
を例示すると以下の通りである。
1万〜20万、好ましくは5万〜10万である。また、
そのガラス転移点(Tg)は、150〜200℃、好ま
しくは210〜230℃である。
0.3〜0.4、Yは0〜0.6、好ましくは0.1〜
0.2、Zは0.4〜0.6、好ましくは0.5であ
る。その数平均分子量は、1万〜20万、好ましくは5
万〜10万である。そのガラス転移点(Tg)は150
〜250℃、好ましくは180〜200℃である。
知の化合物である。このものは、イソプロペニルフェノ
ールと、下記式(6)
とによって合成される。前記式(5)で表される有極性
高分子は公知の化合物である。このものを合成するに
は、先ず、イソプロペニルフェノールとN−フェニルマ
レイミドとをラジカル重合させて下記式で表されるマレ
イミドコポリマーを作る。
マーを得る。
図1に示すように、ホットステージ1の上に銅板2を置
き、その上に有極性高分子薄膜4を有するガラス基板3
を置き、その有極性高分子薄膜の上方にニードル電極5
を配置する。次に、ニードル電極5と銅板2との間に高
電圧を印加する。この場合、ホットステージ1は、有極
性高分子薄膜4がそのガラス転移点(Tg)付近の温
度、通常、そのガラス転移点よりも30〜40℃程度低
い温度になるように加熱する。印加する高電圧として
は、通常、4〜5kV、好ましくは4.5〜5kVの電
圧が用いられる。その高電圧の印加時間は20〜30
分、好ましくは20分であり、これによって有極性高分
子は高度に配向する。その後、ホットステージ1による
加熱を停止し、高電圧を印加したまま室温にまで冷却す
る。このような方法(コロナポーリング法)によって、
有極性高分子薄膜4はエレクトレット化される。
基板3は、ガラス基板3上に、有極性高分子を有機溶媒
に溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって得るこ
とができる。この場合、有極性高分子膜の厚さは、10
0Å〜10μm、好ましくは1000Å〜10μmであ
る。その膜厚が前記範囲よりも大きくなると、有極性有
機高分子膜4の表面にゆがみやヒビ割れ等が発生しやす
くなる。また、その膜厚が前記範囲よりも小さくなる
と、連続膜の形成が困難になる。
して有極性高分子薄膜4をコロナポーリング法によりエ
レクトレット化する場合、そのガラス基板3の表裏間の
電気抵抗値に対して、有極性高分子薄膜4の二次非線形
光学定数値(d33)をプロットすると、ピークを有する
曲線が得られることを見出した。この場合のd33のピー
ク値に対応する表裏間の電気抵抗値Ω0を有する基板を
用いることにより、最も大きな二次非線形光学特性を有
するエレクトレットを得ることができる。本発明のエレ
クトレットの場合、その電気抵抗値Ωが0.8Ω0と
1.2Ω0の範囲にあれば、十分に実用性のある二次非
線形光学材料として使用することができる。
0.1GOhm以上であり、その基板の厚みやガラスの
組成等により調節することができる。
塩の非晶質体を意味する。このようなガラスとしては、
例えば、石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガ
ラス、鉛ガラス等が挙げられる。
する。
がNO2の高分子(数平均分子量Mn:17000、ガ
ラス転移点:220℃)を用いた。常法により、この高
分子の薄膜をNa2O含有量:10〜20、SiO2含有
量:65〜75、CaO含有量:5〜15(重量%)の
ソーダガラス基板上に形成し、このソーダガラス基板上
の高分子薄膜を図1に示すようにして、コロナポーリン
グ法によりエレクトレット化した。この場合、ソーダガ
ラス基板面積:25mm×25mmとし、電極間電圧:
5kV、電極間距離:1cm、ポーリング時間:20
分、ポーリング温度:160℃、高分子膜厚:1000
Åとした。前記実験により得られるエレクトレット化高
分子薄膜とソーダガラス基板からなるエレクトレットに
ついて、そのソーダガラス基板の表裏間電気抵抗値(G
Ohm)に対して、二次非線形光学定数値d33(es
u)をプロットしたところ、図2に示す曲線が得られ
た。この曲線において、そのピーク値のd33は2.7×
10-7esuであり、そのピーク値に対応するソーダガ
ラス基板の表裏間電気抵抗値は0.3GOhmであっ
た。
(5)において、R1がNO2、Xが0.35、Yが0.
15、Zが0.5の高分子(数平均分子量Mn:7
万)、ガラス転移点:190℃)を用いた以外は同様に
して実験を行った。この実験により得られるエレクトレ
ット化高分子薄膜とソーダガラス基板とからなるエレク
トレットについて、その表裏間電気抵抗値(GOhm)
に対して、二次非線形光学定数値d33(esu)をプロ
ットしたところ、図3に示す曲線が得られた。この曲線
において、そのピーク値のd33は3.6×10-7esu
であり、そのピーク値に対応するソーダガラス基板の表
裏間電気抵抗値は0.5GOhmであった。
とは、次のことを意味する。一般に物質に入射する電場
振幅Eを大きくしていくと、物質の応答として表れる電
気分極PがEに比例しなくなる。すなわち感受率XがE
に依存するようになる([P=X(E)E])。現実に
はX(E)をEに関してティラー展開するのはよい近似
であり、P=X(1)・E+X(2)・E・E+X(3)・E・
E・E+・・・と表される。二次の非線形光学特性とは
X(2)の大きさで表わされ、その値が大きいほど性能は
高い。また、二次非線形光学特性は、物質が中心対称心
を欠いた場合のみ発現する現象である。高分子材料の場
合は、通常、このような構造は、電場印加により非線形
活性種を一軸配向させることによって得られ、この配向
度合いが優れているほど性能は大きくなる。また、本明
細書で言う二次非線形光学定数値d33とは、次のことを
意味する。二次の非線形光学効果には入射光の半分の波
長を放出する現象(第二高調波発生)や電界印加により
光を変調・スイッチする現象(ポッケルス効果)等があ
るが、二次非線形光学定数値d33とは、エレクトレット
の第二次高調波発生に関わる性能を表すテンソル成分の
うち、分子長軸方向の入射光に応答する成分の大きさで
ある。前記したような二次非線形光学特性及び二次非線
形光学定数値d33については、例えば、「有機非線形光
学材料」加藤政雄、中西八郎監修シーエムシー出版(1
985)や、「非線形光学のための有機材料」(季刊化
学総説No.15)日本化学会編、学会出版センター
(1992)等に詳述されている。
とは異なり、有極性高分子薄膜とガラス基板からなるも
ので、高い二次非線形光学定数値d33を有することを特
徴とする。このようなエレクトレットは、非線形光学材
料、特に、波長変換材料、電気光学(EO)素子材料等
として有利に用いられる。
エレクトレット化する場合の説明図である。
抗値に対して、二次非線形光学定数値d33をプロットし
たときに得られる曲線を示す。
抗値に対して、二次非線形光学定数値d33をプロットし
たときに得られる曲線を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 ガラス基板上に形成されたエレクトレッ
ト化された有極性高分子薄膜からなり、該ガラス基板の
表裏間の電気抵抗値がΩが、下記式(1)を満足する範
囲にあることを特徴とするエレクトレット。 0.8Ω0≦Ω≦1.2Ω0 (1) (式中、Ω0はガラス基板の表裏間の電気抵抗値に対
し、エレクトレット化された有極性高分子薄膜の二次非
線形光学定数値(d33)をプロットしたときに形成され
る曲線のピーク値に対応するガラス基板の表裏間の電気
抵抗値を示す) - 【請求項2】 該有極性高分子が、下記一般式(2) 【化2】 −N−Ph−N=N−Ph−R2 (2) (式中、Phはフェニレン基を示し、R2は電子吸引基
を示す)で表される側鎖を有する高分子である請求項1
のエレクトレット。 - 【請求項3】 請求項1のエレクトレットを製造する方
法において、有極性高分子薄膜を、その表裏間の電気抵
抗値が下記式(1) 0.8Ω0≦Ω≦1.2Ω0 (1) (式中、Ω0はガラス基板の表裏間の電気抵抗値に対
し、エレクトレット化された有極性高分子薄膜の二次非
線形光学定数値(d33)をプロットしたときに形成され
る曲線のピーク値に対応するガラス基板の表裏間の電気
抵抗値を示す)を満足する範囲にあるガラス基板の表面
に形成し、この状態において、該有極性高分子薄膜をコ
ロナポーリング法によりエレクトレット化させることを
特徴とするエレクトレットの製造方法。 - 【請求項4】 該有極性高分子が、下記一般式(2) −N−Ph−N=N−Ph−R2 (2) (式中、Phはフェニレン基を示し、R2は電子吸引基
を示す)で表される側鎖を有する高分子である請求項3
の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23902097A JP3733416B2 (ja) | 1997-08-20 | 1997-08-20 | エレクトレット及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23902097A JP3733416B2 (ja) | 1997-08-20 | 1997-08-20 | エレクトレット及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1167591A true JPH1167591A (ja) | 1999-03-09 |
JP3733416B2 JP3733416B2 (ja) | 2006-01-11 |
Family
ID=17038704
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23902097A Expired - Lifetime JP3733416B2 (ja) | 1997-08-20 | 1997-08-20 | エレクトレット及びその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3733416B2 (ja) |
-
1997
- 1997-08-20 JP JP23902097A patent/JP3733416B2/ja not_active Expired - Lifetime
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A521 | Written amendment |
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A521 | Written amendment |
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