JPH1167461A - 電界発光素子及びその製造方法 - Google Patents

電界発光素子及びその製造方法

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JPH1167461A
JPH1167461A JP9235512A JP23551297A JPH1167461A JP H1167461 A JPH1167461 A JP H1167461A JP 9235512 A JP9235512 A JP 9235512A JP 23551297 A JP23551297 A JP 23551297A JP H1167461 A JPH1167461 A JP H1167461A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機EL層を劣化させることなく、ドライエ
ッチングにより電極を形成でき、電極の微細化や基板の
大型化を可能にする、電界発光素子及びその製造方法を
を提供する。 【解決手段】 有機EL層13上に、順次、MgInで
なる第1金属層14、Alでなる第2金属層15、Cr
でなるブロッキング層16を積層することにより、ブロ
ッキング層上にフォトリソグラフィー技術を用いてフォ
トレジスト17をパターン形成する際に、現像液や水分
が第2金属層15を通過して第1金属層14や有機EL
層13へ浸入するのを防止することができる。このた
め、ドライエッチングのマスクとしてのフォトレジスト
17のパターニングが可能となり、有機EL層13を劣
化させることなく、ブロッキング層16と第2金属層1
4をドライエッチングできる。また、露出した第1金属
層14は、酸化されて絶縁部分14Aとなるため、実質
的にカソード電極の微細なパターン形成が可能となり、
有機EL層13の劣化のない電界発光素子の製造方法を
実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電界発光素子の
製造方法に関し、さらに詳しくは、有機エレクトロルミ
ネッセンス(EL)素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電界発光素子として、有機エレク
トロルミネッセンス材料層を用いた有機EL素子が注目
されている。この有機EL素子は、最近、寿命の向上が
報告されており、益々、表示デバイスとして有望である
と考えらえている。
【0003】この有機EL素子の構成は、図12に示す
ように、ガラスやプラスチックでなる透明基板1の上
に、例えばITO(indium tin oxide)でなるアノード
電極2が所定方向に沿って複数が平行に形成されてい
る。この透明基板1及びアノード電極2の上には、単数
または複数の有機材料層でなる有機EL層3が表示領域
に亙って形成されている。そして、有機EL層3の上に
は、アノード電極2と交差する方向に沿って、例えばM
gIn、MgAgなどの低仕事関数の材料でなる、複数
のカソード電極4が互いに平行に形成されている。この
ような構成において、図13に示すように、アノード電
極2とカソード電極4とが交差する部分の有機EL層3
に、正孔と電子が注入されることにより発光し、マトリ
クス駆動が行われるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな有機EL素子では、有機EL層3上のカソード電極
4をパターニングする場合に、カソード電極4の構成材
料が低仕事関数で酸化され易いMgInやMgAgなど
であるため、ドライエッチングを行うのに適切なエッチ
ングガスがないという問題点がある。また、有機EL層
3がフォトリソグラフィー工程で用いる、露光用の光
(i線、g線、紫外光等)や、現像液などの溶剤や、水
分などに弱いため、有機EL層3が劣化されるという問
題点があった。このため、カソード電極4のパターニン
グには、ドライエッチング技術を用いることができなか
った。
【0005】従って、図14に示すようなハードマスク
5を用いての電極形成が行われていた。このハードマス
ク5は、電極ラインが形成されるスリット部5Aと、電
極間スペースとなる非開口部5Bとが形成されている。
このようなハードマスク5では、微細化や大型化が困難
である。微細化では、0.1mm弱のラインアンドスペ
ースが限界である。また、通常のハードマスクは、電極
形成膜の上に密着させるため、微細パターンの大型マス
クの形成は極めて困難であり、たとえ出来たとしてもマ
スクの自重による変形の可能性があり、またアライメン
トが難しく、装置振動などによってパターン転写の信頼
性が大幅に低下するという問題がある。
【0006】この発明が解決しようとする課題は、有機
EL層を劣化させることなく、ドライエッチングにより
微細パターンの電極を形成できる、電界発光素子及びそ
の製造方法を得るにはどのような手段を講じればよいか
という点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
一対の電極に挟まれた電界発光素子において、前記一対
の電極の一方は、第1金属層と、この第1金属層上に形
成された第2金属層と、第2金属層の結晶構造と異なる
結晶構造を有するブロッキング層と、を有することを特
徴としている。請求項1記載の発明では、互いに異なる
結晶構造からなる第2金属層及びブロッキング層が、そ
の下の第1金属層を保護することができるので、酸素や
パターニング等に用いられる溶液が第1金属層に到達す
ることによる浸食を防止することができる。このため、
第1金属層を酸化されやすい低仕事関数の金属材料を用
いることができる。請求項2記載の発明は、電界発光素
子の製造方法であって、有機EL層上に第1金属層を形
成する工程と、前記第1金属層の上に第2金属層を積層
する工程と、前記第2金属層の上に第2金属層の結晶構
造と異なる結晶構造を有するを積層する工程と、前記ブ
ロッキング層の上にレジストを電極パターンに形成する
工程と、前記ブロッキング層及び前記第2金属層をドラ
イエッチングして前記第1金属層を露出させる工程と、
を備えることを特徴としている。
【0008】請求項2記載の発明では、ブロッキング層
を第2金属層の上に積層することにより、レジストパタ
ーンの形成に伴う物理的および化学的な影響を抑制する
ことができる。すなわち、ブロッキング層が第2金属層
の結晶構造と異なるので、フォトリソグラフィー工程に
おける現像液や水分やレジストが硬化するまでレジスト
内に含まれる溶剤が第2金属層を介して第1金属層を浸
食することを防止することができる。
【0009】請求項3記載の発明は、前記レジストが、
フォトレジストであり、露出・現像によりパターン形成
されることを特徴としている。請求項3記載の発明で
は、フォトリソグラフィー技術を用いた場合に現像液や
水分が第1金属層や有機EL層へ浸入するのを防止し
て、電極として形成すべき部分の第1金属層の高抵抗化
を防止すると共に、有機EL層の劣化を抑制する作用が
ある。
【0010】請求項4記載の発明は、前記第1金属層
が、Mg、MgIn、MgAg、AlLiなど低仕事関
数の材料であることを特徴としている。
【0011】請求項5記載の発明は、前記第2金属層
が、Alであることを特徴としている。請求項6記載の
発明は、前記ブロッキング層が、前記第2金属層より緻
密な結晶構造を有する金属でなることを特徴としてい
る。請求項7記載の発明は、前記ブロッキング層が、C
r、Ni、Ti、Wなどの、第2金属層よりバリア性の
高いでなることを特徴としている。
【0012】請求項5〜請求項7記載の発明では、緻密
な結晶構造を持つバリア性の高いブロッキング層がAl
でなる第2金属層の結晶界面を覆うため、現像液や水分
が第2金属層、延いては第1金属層や有機EL層へ浸入
するのを防止することができる。
【0013】請求項7記載の発明は、前記ブロッキング
層が、前記第2金属層と成膜条件の異なる緻密な結晶構
造を持つ同一金属でなることを特徴としている。
【0014】請求項8記載の発明では、ブロッキング層
を第2金属層と同一金属で形成することができるため、
成膜源としての材料を変える必要がなく製造工程を容易
にすることができる。請求項9記載の発明では、前記第
1金属層を露出させる工程の後に、前記レジストを酸素
系雰囲気でアッシングする工程と、を備えることを特徴
としている。この製造方法によれば、露出した部分の第
1金属層は、酸素系雰囲気でのアッシングにより酸化さ
れて容易に高抵抗化するため、実質的に電極部分のパタ
ーニングが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る電界発光素
子及びその製造方法の詳細を図面に示す各実施形態に基
づいて説明する。 (実施形態1)図1(a)に示すように、ガラスまたは
合成樹脂でなる透明基板11の上に、ITOでなるアノ
ード電極12を形成する。なお、このアノード電極12
は、ITO膜を蒸着した後、リソグラフィー技術及びエ
ッチング技術(ウェットエッチングまたはドライエッチ
ング)を用いて行方向に延在する複数のストライプ形状
に形成する。その後、透明基板11及びアノード電極1
2の上に、例えばα−NPD;N,N’−ジ(α−ナフ
チル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル
−4,4’−ジアミンとBebq2;ビス(10-ヒドロ
キシベンゾ[h]キノリン)化ベリリウムを蒸着により順
次積層して2層構造の有機EL層13を形成する。この
有機EL層13は、電界発光素子の表示領域全体に亙っ
て形成する。その後、有機EL層13上に、MgInで
なる第1金属層14を33Å〜200Å程度の層厚で低
温条件で蒸着して成膜する。第1金属層14としては、
この他に、Mg、MgAg、AlLiなどのカソードと
して適した電子注入性のよい低仕事関数の材料を用いる
ことができる。第1金属層14は、有機EL層13への
電子注入を目的としてなされたものであり、発光領域全
面に成膜されれば薄くてもよい。次に、第1金属層14
の上に、Alでなる第2金属層15を2900Å〜43
00Å程度の層厚で蒸着する。第2金属層15は、図3
に示すように多結晶的な粒状の複数の塊となって成膜さ
れ、低抵抗の配線の役割をとともに、第1金属層14の
酸化を保護する第1保護膜として機能する。さらに、第
2金属層15の上に、クロム(Cr)でなるブロッキン
グ層16を蒸着により比較的薄く(250Å程度)成膜
する。ブロッキング層16は、第2金属層15の材料の
結晶構造と異なる結晶構造で形成され、第2金属層15
の結晶粒子の間の隙間を覆うように埋設され、第1金属
層14の酸化を保護する第2保護膜として機能する。な
お、ブロッキング層16としては、Crの他に、Ni、
Ti、WなどのAlよりバリア性の高い金属を用いるこ
とができる。
【0016】次に、第2金属層16の上に、フォトレジ
スト17を塗布した後、露光・現像を行い、図1(b)
に示すように溝17Aを形成する。この溝17Aは、形
成しようとするカソード電極の電極間スペースのパター
ンとなるように予め露光用フォトマスク(図示省略す
る)により設定されている。また、第2金属層16の上
に残ったフォトレジスト17のパターンは、列方向に延
在する複数のストライプ形状のカソード電極のラインパ
ターンになるように設定されている。なお、このフォト
レジスト17のパターニングにおいては、現像工程、水
洗工程の他に、プリベーキング工程やポストベーキング
工程があるが、これらのベーキング工程は、有機EL層
13の劣化を防ぐために、有機EL層13の材料のガラ
ス転移温度を越えない80℃程度の低温で比較的時間を
かけて行う。因に、上記した有機EL層13は、100
℃、24時間で殆ど劣化が発生しないことが確認されて
いる。
【0017】その後、図2(a)に示すように、フォト
レジスト17をエッチングマスクとして、異方性のドラ
イエッチング(例えばRIE)を行って、ブロッキング
層16と第2金属層15を連続的にドライエッチングす
る。なお、ブロッキング層16と第2金属層15のエッ
チングガスは例えば塩素系のガス(CCl4-O2)など
を用いることにより、連続的に行うことが可能である
が、ブロッキング層16と第2金属層15のエッチング
ガスをそれぞれに応じて異なるガス系を用いてもよい。
第2金属層15をエッチングするガスとしては、BCl
3+Cl2等がある。
【0018】上記したドライエッチングにより、露出し
た部分の第1金属層14は、その後自然酸化を受ける
が、次に行うレジスト剥離工程でO2アッシングにより
強制酸化されて、図2(b)に示すように絶縁部分14
Aとなる。このようにして、有機EL層15の上に形成
された第1金属層14は、エッチングされる訳ではない
が絶縁部分14Aが形成されることによってパターン形
成が行われる。即ち、この絶縁部分14Aは、カソード
電極18どうしの間のスペース部となり、隣接するカソ
ード電極18どうしを電気的に隔離することができる。
このようにして、アノード電極12とカソード電極18
とが、有機EL層13を介して交差する電界発光素子1
0の製造が完了する。因みに、第1金属層14の層厚が
30Å程度で第2金属層15の層厚を2900Åのもの
と、第1金属層14の層厚が200Å程度で第2金属層
15の層厚を4300Åのものを試作して、電界発光素
子10の発光輝度を測定した結果、両者とも1.2万c
d/cm2Ω以上を得ることができた。また、膜厚が5
5ÅのMgIn膜が自然酸化された場合の抵抗は、約1
×1013/□以上となり、十分に電気絶縁領域として用
いることができることが判った。
【0019】上記した製造方法において、Alでなる第
2金属層15の上にCrでなるブロッキング層16を積
層した理由を以下に説明する。即ち、図3に示すよう
に、第1金属層14の上に蒸着により形成したAlは、
半導体集積回路のAl配線形成で見られる所謂バンブー
構造となり、Alの粒界に隙間が存在している。このた
め、ブロッキング層16を積層することにより、Crを
Alの粒界に成長させて隙間を詰めることができ、フォ
トリソグラフィー工程において現像液や水分がMgIn
でなる第1金属層14や有機EL層13へ浸入するのを
防止して、MgInが酸化されて高抵抗化したり、有機
EL層13が劣化を起こして電界発光素子10にダーク
スポットが発生するなどの不都合を防止している。
【0020】本実施形態では、ブロッキング層16とし
て、Alと結晶構造の異なるCrを用いたが、図4に示
すように、第2金属層15と同種の金属(Al)でなり
結晶構造の異なるブロッキング層16Aを積層するよう
にしてもよい。なお、同種の金属で結晶構造が異なる膜
を形成するには、成膜方法、成膜条件を変えることによ
り可能となる。また、同種金属を第2金属層15上へ成
膜する他の方法としては、蒸着の他に、イオンプレーテ
ィング、スパッタリングによりAlやAl合金でなる緻
密な金属層を形成することができる。なお、イオンプレ
ーティングにより成膜する場合には、基板のバイアス電
圧を制御して通常の熱蒸着と同様にダメージの低い条件
で第2金属層15を形成し、その後第2金属層15同種
の材料からなる成膜粒子の運動エネルギーを高めてこの
成膜粒子を基板側へ導くことにより、緻密な同種の金属
層を蒸着源を変えずに連続して成膜することができる。
しかしながら、本実施形態では、第2金属層15とブロ
ッキング層16とが同種金属どうしとするより、第2金
属層15をAlで形成し、現像液や水分に対するブロッ
キング作用(バリア性)が高い異種金属であるCrをブ
ロッキング層16とするのが好ましい。また第2金属層
15は、第1金属層14の材料の少なくとも1種及び第
1金属層14には含まれない材料の少なくとも1種から
なる合金により第1金属層14とは異なる緻密な結晶構
造としてもよい。
【0021】なお、図5(a)に示すように、ガラス基
板19上に、ITO膜20とAl膜21を順次積層した
ものであり、この構造においては現像液がAl膜21を
通過してITO膜20へ到達して、Al膜21とITO
膜20との間で電池反応発生するが、図5(b)に示す
ように、Al膜21の上にCr膜22を積層しておく
と、現像液はCr膜22でブロッキングされてITO膜
20へ到達せず電池反応を起こさないことが確認され
た。このときのCr膜22の膜厚は、25nm程度で十
分にバリア性を有していることが判った。
【0022】本実施形態では、カソード電極にブロッキ
ング層16を設けることにより、カソード電極をドライ
エッチングで形成するためのレジストパターンを現像を
含むフォトリソグラフィー技術により形成することが可
能となる。このように、フォトリソグラフィー工程を施
すことを可能にしたことにより、μmオーダの電極パタ
ーンの形成が可能になると共に、大型基板への微細電極
の形成が可能になる。このため、高精細且つ大画面の有
機EL素子を実現することができる。
【0023】以上、実施形態1について説明したが、本
発明はこれ以外にも、例えば、図6に示すように、第1
金属層14の上に積層された、ITOでなる透明金属層
23との2層構造のカソード電極を形成しようとする場
合にも本発明を適用することができる。即ち、透明金属
層23の上にAlでなる比較的膜厚の厚い第2金属層1
5を積層し、さらに第2金属層15の上に、Crでなる
ブロッキング層16を成膜して、フォトリソグラフィー
工程及びドライエッチング工程を行うことで、ブロッキ
ング層16でフォトリソグラフィーに伴う現像液や水分
の浸入を阻止すると共に、第2金属層15で露光に伴う
紫外光などが有機EL層13へ入射して有機EL層13
を劣化させるのを防止することができる。なお、この場
合には、透明金属層23までをドライエッチングした
後、O2アッシングを行って第1金属層14に不要部分
を酸化するとともにレジスト剥離を行った後、第1金属
層14と透明金属層23とに対して選択比が取れるエッ
チング方法により、透明金属層23上の第2金属層15
及びブロッキング層16の除去を行って、電極の透明性
を確保する工程が必要となる。
【0024】また、図7に示すように、有機EL層13
上にITO膜24を形成した場合、このITO膜24を
加工した電極が透明アノード電極となるため、緻密でな
いITO膜24の上にAlでなる第2金属層15、ブロ
ッキング層16を積層し、このブロッキング層16上で
フォトリソグラフィー工程を行い、ドライエッチングに
よりブロッキング層16、第2金属層15およびITO
膜24をパターン形成することもできる。この場合も、
ブロッキング層16および第2金属層15は、ITOに
対して選択比をもつドライエッチングにより除去する。
【0025】(実施形態2)図8(a)〜(d)は、本
発明に係る電界発光素子の実施形態2を示す工程説明図
である。本実施形態は、フォトリソグラフィー工程を行
わずに、カソード電極を形成する金属層の上に、スクリ
ーン印刷によりエッチングマスクを印刷するようにした
ものである。
【0026】本実施形態では、図8(a)、(b)に示
すように、スクリーン25の上にエッチングマスクとな
るレジストインク26を載せ、スキージ27でエッチン
グマスク28を後記するカソード電極層の上に刷り込
む。このエッチングマスク28は、UV硬化性樹脂でな
り、印刷した後に紫外光を照射することにより硬化させ
る。なお、カソード電極層は、有機EL層13の上に順
次積層されたMgInでなる第1金属層14とAlでな
る第2金属層15とでなる。次に、図8(C)に示すよ
うに、第2金属層15上にCrでなるブロッキング層1
6を設け、このブロッキング層16上に印刷されたエッ
チングマスク28を用いてドライエッチングを行い、第
2金属層15、ブロッキング層16をパターニングして
第1金属層14を露出させる。その後、レジストインク
でなるエッチングマスク28を剥離するためにO2アッ
シングを行う。この結果、図8(d)に示すように、露
出した第1金属層14は酸化されて絶縁部分14Aとな
る。このようにして、第2金属層15は実際にエッチン
グされ、且つ第1金属層14は導電部分と絶縁部分14
Aとが形成されて実質的にパターニングされる。
【0027】本実施形態では、エッチングマスク28の
厚みが2μm程度の薄膜でよいため、スクリーン印刷に
代えてオフセット印刷を行ってもよく、これによりさら
に微細なパターンの形成が可能となる。また、本実施形
態では、エッチングマスク28の固定化を紫外光の照射
で行うため、有機EL層13を熱に晒すこともなく、有
機EL層13の劣化を抑制することができる。
【0028】(実施形態3)本実施形態では、まず、図
9(a)に示すようにカソード電極層の上にドライフィ
ルム29を貼る。このドライフィルム29は、ベースフ
ィルム30にフィルムレジスト31が積層された構造で
あり、フィルムレジスト31側をカソード電極層に貼り
合わせる。そして、同図(a)に示すように、所定の電
極パターンに形成されたフォトマスク32を配置して露
光を行う。この結果、図9(b)に示すように、フィル
ムレジスト31の露光部分31Aがベースフィルム30
と一緒に剥がれ、カソード電極層上に未露光部分がエッ
チングマスク31Bとして残る。なお、カソード電極層
は、上記実施形態2と同様に、有機EL層13の上に順
次積層されたMgInでなる第1金属層14とAlでな
る第2金属層15とでなる。次に、図9(C)に示すよ
うに、第2金属層15上にCrでなるブロッキング層1
6を設け、このブロッキング層16上に形成されたエッ
チングマスク31Bを用いてドライエッチングを行い、
第2金属層15、ブロッキング層16をパターニングし
て第1金属層14を露出させる。その後、未露光レジス
トでなるエッチングマスク28を剥離するためにO2
ッシングを行う。この結果、図9(d)に示すように、
露出した第1金属層14は酸化されて絶縁部分14Aと
なる。このようにして、第2金属層15は実際にエッチ
ングされ、且つ第1金属層14は導電部分と絶縁部分1
4Aとが形成されて実質的にパターニングされる。
【0029】本実施形態における他の作用・効果は、上
記実施形態2と略同様である。
【0030】(実施形態4)図10(a)〜図11
(c)は、本発明に係る電界発光素子の製造方法の実施
形態4を示している。本実施形態では、図10(a)に
示すように、パターニングすべきカソード電極層18の
上に、例えばスピンコーティングによりレジスト33を
薄く塗布する。このレジスト33としては、感光剤や架
橋剤などを含まないものを用いる。その後、図10
(b)に示すように、レーザ光Lをスキャン照射してレ
ジスト33を部分的に昇華されて電極パターンのレジス
ト33が残るようにパターニングして、図10(c)に
示すようなレジスト33のパターンを形成する。
【0031】その後、図11(a)に示すように、レジ
スト33をエッチングマスクとして、異方性のドライエ
ッチング(例えばRIE)を行って、ブロッキング層1
6と第2金属層15を連続的にエッチングする。なお、
ブロッキング層16と第2金属層15のエッチングガス
は例えば塩素系のガス(CCl4−O2)などを用いるこ
とにより、連続的に行うことが可能であるが、ブロッキ
ング層16と第2金属層15のエッチングガスをそれぞ
れに応じて異なるガス系を用いてもよい。
【0032】上記したドライエッチングにより、露出し
た部分の第1金属層14は、その後自然酸化を受ける
が、次に行うレジスト剥離工程でO2アッシングにより
完全に酸化されて、図11(c)に示すように絶縁部分
14Aとなる。このようにして、有機EL層15の上に
形成された第1金属層14は、エッチングされる訳では
ないが絶縁部分14Aが形成されることによって実質的
なパターン形成が行われる。即ち、この絶縁部分14A
は、カソード電極18どうしの間のスペース部となり、
隣接するカソード電極18を電気的に隔離することがで
きる。このようにして、アノード電極12とカソード電
極18とが、有機EL層13を介して交差する電界発光
素子10の製造が完了する。本実施形態においても、レ
ジスト33のパターニングに際して、現像や水洗を行わ
ないため、有機EL層13の劣化を招く恐れはない。
【0033】以上、実施形態1〜4について説明した
が、本発明はこれらに限定されるものではなく、構成の
要旨に付随する各種の設計変更が可能である。例えば、
上記した各実施形態では述べなかったが、エッチングマ
スクやフォトレジストのパターニングに際して、有機E
L層13を第1金属層14、第2金属層15及びブロッ
キング層16などで覆うようにして、現像液や水分など
の影響を少なくする構成としても勿論よい。また第2金
属層15は、第1金属層14の材料の少なくとも1種及
び第1金属層14には含まれない材料の少なくとも1種
からなる合金により第1金属層14とは異なる緻密な結
晶構造としてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、ブロッキング層が第2金属層の結晶構造と
異なるので、フォトリソグラフィー工程における現像液
や水分やレジストが硬化するまでレジスト内に含まれる
溶剤が第2金属層を介して第1金属層を浸食することを
防止することができるので、有機EL層を劣化させるこ
となく、ドライエッチングにより電極を形成でき、電極
の微細化や基板の大型化を可能にする、電界発光素子及
びその製造方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は本発明に係る電界発光素
子の製造方法の実施形態1を示す工程断面図。
【図2】(a)および(b)は実施形態1を示す工程断
面図。
【図3】実施形態1における第2金属層15とブロッキ
ング層16とを示す拡大断面説明図。
【図4】実施形態1における変形例の第2金属層15と
ブロッキング層16とを示す拡大断面説明図。
【図5】(a)はITO膜とAl膜を積層した状態を示
す説明図、(b)はITO膜上のAl膜の上にCr膜を
積層した状態を示す説明図。
【図6】実施形態1の変形例を示す断面説明図。
【図7】実施形態1の変形例を示す断面説明図。
【図8】(a)〜(d)は、本発明に係る電界発光素子
の製造方法の実施形態2を示す工程説明図。
【図9】(a)〜(d)は、本発明に係る電界発光素子
の製造方法の実施形態3を示す工程説明図。
【図10】(a)〜(c)は、本発明に係る電界発光素
子の製造方法の実施形態4を示す工程説明図。
【図11】(a)〜(c)は、実施形態4を示す工程説
明図。
【図12】従来の電界発光素子の断面説明図。
【図13】従来の電界発光素子の平面説明図。
【図14】従来の電界発光素子の製造に用いられたハー
ドマスクの平面図。
【符号の説明】
10 電界発光素子 12 アノード電極 13 有機EL層 14 第1金属層 14A 絶縁部分 15 第2金属層 16 ブロッキング層 17 フォトレジスト 18 カソード電極 23 透明金属層 24 ITO膜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極に挟まれた電界発光素子にお
    いて、前記一対の電極の一方は、第1金属層と、この第
    1金属層上に形成された第2金属層と、第2金属層の結
    晶構造と異なる結晶構造を有するブロッキング層と、を
    有することを特徴とする電界発光素子。
  2. 【請求項2】 有機EL層上に第1金属層を形成する工
    程と、 前記第1金属層の上に第2金属層を積層する工程と、 前記第2金属層の上に第2金属層の結晶構造と異なる結
    晶構造を有するブロッキング層を積層する工程と、 前記ブロッキング層の上にレジストを電極パターンに形
    成する工程と、 前記ブロッキング層及び前記第2金属層をドライエッチ
    ングして前記第1金属層を露出させる工程と、 を備えることを特徴とする電界発光素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記レジストは、フォトレジストであ
    り、露出・現像によりパターン形成されることを特徴と
    する請求項2記載の電界発光素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1金属層は、Mg、MgIn、M
    gAg、AlLiなど低仕事関数の材料であることを特
    徴とする請求項2又は請求項3に記載の電界発光素子の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2金属層は、Alであることを特
    徴とする請求項2〜請求項4に記載の電界発光素子の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記ブロッキング層は、前記第2金属層
    より緻密な結晶構造を有する金属でなることを特徴とす
    る請求項2〜請求項5のいずれかに記載の電界発光素子
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ブロッキング層は、Cr、Ni、T
    i、Wなどの、第2金属層よりバリア性の高い金属でな
    ることを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれかに記
    載の電界発光素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ブロッキング層は、前記第2金属層
    と成膜条件の異なる緻密な結晶構造を持つ同一金属を含
    んでなることを特徴とする請求項2〜請求項7のいずれ
    かに記載の電界発光素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1金属層を露出させる工程の後
    に、前記レジストを酸素系雰囲気でアッシングする工程
    と、 を備えることを特徴とする請求項2〜請求項8のいずれ
    かに記載の電界発光素子の製造方法。
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