JP2005044622A - 有機発光素子の製造方法および表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】素子特性を劣化させずに簡便に水溶性有機材料をパターニングすることができる有機発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】第1電極13,絶縁層14および補助電極15が形成された基板11に、フォトレジスト塗布層を形成し、このフォトレジスト塗布層を露光および現像することにより、フォトレジスト層42を選択的に形成する。続いて、基板11の全面に、例えばPEDOT/PSSを含む正孔輸送層原料溶液を塗布して、正孔輸送層16Aを形成し、予備乾燥させる。そののち、フォトレジスト層42を除去することにより第1電極13の上に正孔輸送層16Aを選択的に形成し、乾燥させる。正孔輸送層16Aの上に、例えば凸版反転オフセット法により発光層を形成し、続いて、第2電極を形成する。
【選択図】図6
【解決手段】第1電極13,絶縁層14および補助電極15が形成された基板11に、フォトレジスト塗布層を形成し、このフォトレジスト塗布層を露光および現像することにより、フォトレジスト層42を選択的に形成する。続いて、基板11の全面に、例えばPEDOT/PSSを含む正孔輸送層原料溶液を塗布して、正孔輸送層16Aを形成し、予備乾燥させる。そののち、フォトレジスト層42を除去することにより第1電極13の上に正孔輸送層16Aを選択的に形成し、乾燥させる。正孔輸送層16Aの上に、例えば凸版反転オフセット法により発光層を形成し、続いて、第2電極を形成する。
【選択図】図6
Description
本発明は、本発明は、有機発光素子の製造方法および表示装置の製造方法に係り、特に、高分子材料を用いた有機発光素子に好適な有機発光素子の製造方法および表示装置の製造方法に関する。
近年、液晶ディスプレイに代わる表示装置として、有機発光素子を用いた有機電界発光ディスプレイが注目されている。有機電界発光ディスプレイは、自発光型であるので視野角が広く、消費電力が低いという特性を有し、また、高精細度の高速ビデオ信号に対しても十分な応答性を有するものと考えられており、実用化に向けて開発が進められている。
有機発光素子には、低分子材料を用いたものと、高分子材料を用いたものとがある。高分子材料を用いた有機発光素子は、例えば、第1電極と第2電極との間に有機層を備え、有機層は、正孔輸送層および発光層が第1電極の側からこの順に積層された構造を有している。
有機層のパターニング方法としては、従来では蒸着法が用いられている。しかしながら、蒸着法では、位置精度に問題があるほか、アライメント機構を備えた真空設備が必要であり、製造工程が複雑である。特に、大型基板の場合には所望の位置精度を得ることが非常に困難である。
また、ウェット方式としては、特許文献1に記載されたインクジェットプリンティング方式が一般的に知られている。インクジェットプリンティング方式は、正孔輸送層および発光層のいずれにも用いられている。
他のパターニング方法としては、例えば、特許文献2にはフォトリソグラフィ法、特許文献3にはリフトオフ法、特許文献4には凸版反転オフセット法が開示されている。これらは、いずれも発光層に関するものである。
特開平10−153967号公報
特開2002−170673号公報
特開2000−367122号公報
特開2003−17248号公報
国際公開第01/39554号パンフレット
しかしながら、インクジェットプリンティング方式は、基本的に、微小な液滴の集合体をもって薄膜を形成するものであるため、平坦性が不十分であり、均一な膜厚を得ることが困難であるという問題があった。特に、特許文献5に記載されているように有機発光素子に共振器構造を導入することにより色純度および発光効率を高めようとする場合には、膜厚の精確な制御が不可欠であり、膜厚のばらつきが大きいと色むらが発生してしまうおそれがあった。
フォトリソグラフィ法により有機層をパターニングすることも考えられる。しかしながら、特許文献2に記載されているようなフォトリソグラフィ法では、有機層の上に直接フォトレジストを成膜する工程が入るために、有機層からフォトレジストのみを剥離することが困難である上、フォトレジストが有機層の上に残留した場合、素子特性が劣化してしまうおそれがあった。また、フォトレジストを現像する際に、フォトレジストの下面、もしくは、有機層の下面に現像液が浸入しやすく、良好なパターニングが極めて困難であった。
特許文献3記載のリフトオフ法では、パターニング材料がマスクを介して蒸着により成膜されるため、位置精度の問題が残る。
また、特許文献4の凸版反転オフセット法は、発光層の塗り分けにはきわめて有効であるものの、正孔輸送層に一般に用いられている塗布液、すなわちポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホネートとの混合液(PEDOT/PSS)が水溶性であるため、適用が困難であった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、素子特性を劣化させずに簡便に水溶性有機材料をパターニングすることができる有機発光素子の製造方法および表示装置の製造方法を提供することにある。
本発明による有機発光素子の製造方法は、第1電極と第2電極との間に正孔輸送層および発光層を含む有機層を備えた有機発光素子を製造するものであって、第1電極が形成された基板にフォトレジスト層を選択的に形成する工程と、基板の全面に正孔輸送層を形成する工程と、フォトレジスト層を除去することにより第1電極の上に正孔輸送層を選択的に形成する工程と、正孔輸送層の上に、発光層を含む有機層および第2電極を形成する工程とを含むものである。
本発明による表示装置の製造方法は、本発明の有機発光素子の製造方法を用いて、第1電極と第2電極との間に正孔輸送層および発光層を含む有機層を備えた有機発光素子を有する表示装置を製造するものである。
本発明による有機発光素子の製造方法および表示素子の製造方法では、第1電極が形成された基板にフォトレジスト層が選択的に形成され、基板の全面に正孔輸送層が形成される。続いて、フォトレジスト層が除去されることにより第1電極の上に正孔輸送層が選択的に形成される。そののち、正孔輸送層の上に、発光層を含む有機層および第2電極が形成される。
本発明の有機発光素子の製造方法、または本発明の表示装置の製造方法によれば、正孔輸送層の上にフォトレジスト層を形成せずに正孔輸送層をパターニングすることができるので、正孔輸送層の表面にフォトレジストが残留することがない。よって、残留フォトレジストによる素子特性の劣化を防止しつつ正孔輸送層をパターニングすることができる。また、水溶性有機材料よりなる正孔輸送層を簡単な工程で位置精度よく形成することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る有機発光素子を用いた表示装置の断面構造を表すものである。この表示装置は、極薄型の有機電界発光カラーディスプレイ装置などとして用いられるものであり、例えば、基板11と封止用基板21とが対向配置され、熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂よりなる接着層30により全面が貼り合わされている。基板11は、ガラスなどの絶縁材料により構成され、赤色の光を発生する有機発光素子12Rと、緑色の光を発生する有機発光素子12Gと、青色の光を発生する有機発光素子12Bとが、順に全体としてマトリクス状に設けられている。有機発光素子12R,12G,12Bは、それぞれ一つのサブピクセルに対応し、隣接する三つの有機発光素子12R,12G,12Bにより一つの画素が形成されている。
この有機発光素子12R,12G,12Bは、例えば、基板11の側から、陽極としての第1電極13、絶縁層14、補助電極15、有機層16、および陰極としての第2電極17がこの順に積層された構造とされている。本実施の形態では、第1電極13は個々の有機発光素子12R,12G,12Bに対応する個別電極として基板11にマトリクス状に配置されており、第2電極17は、すべての有機発光素子12R,12G,12Bの共通電極として形成されている。第2電極17の上には、必要に応じて保護膜18が設けられている。
第1電極13は、反射層としての機能も兼ねており、できるだけ高い反射率を有するようにすることが発光効率を高める上で望ましい。例えば、第1電極13を構成する材料としては、白金(Pt),金(Au),銀(Ag),クロム(Cr)あるいはタングステン(W)などの仕事関数の高い金属元素の単体または合金が挙げられ、第1電極13の積層方向の厚み(以下、単に厚みと言う)は100nm以上300nm以下とされることが好ましい。
絶縁層14は、第1電極13と第2電極16との絶縁性を確保するとともに有機発光素子12R,12G,12Bの発光部分の形状を正確に所望の形状にするためのものである。絶縁層14は親水性の材料により構成され、あるいは、絶縁層14は疎水性の材料により構成されると共にその表面の疎水性が抑制されていることが好ましい。後述する正孔輸送層16Aは水溶性の塗布液、すなわちポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホネートとの混合液(PEDOT/PSS)により構成されているので、絶縁層14の表面と正孔輸送層16Aとがなじみやすくなり、正孔輸送層16Aの膜厚分布を小さくすることができるからである。親水性の材料としては、例えば、水酸基,カルボキシル基,アミノ基,ケトン基あるいはスルホ基を含むポリイミド系材料が好ましく、例えば東レ社のフォトニースシリーズ(登録商標)あるいは日本ゼオン社のZPN2000シリーズ(商品名)が挙げられる。また、疎水性の材料としては、例えば、ポリイミド系材料が挙げられる。「表面の疎水性が抑制されている」とは、疎水性の材料よりなる絶縁層14の表面が親水化され、あるいは活性化されていることをいう。絶縁層14の表面の疎水性を抑制する方法としては、例えば酸素プラズマ照射が挙げられる。絶縁層14の厚みは例えば600nm程度とされ、発光領域(すなわち第1電極13の各々)に対応して開口部14Aが設けられている。
補助電極15は、図示しない電源と個々の有機発光素子12R,12G,12Bとの間の配線抵抗を均一化し、電圧降下の差による発光むら(特に,画面内の中央部と周縁部との間の発光むら)の発生を抑制するためのものであり、例えば、アルミニウム(Al)あるいはクロム(Cr)のような低抵抗の導電性材料を単層あるいは積層構造としたものにより構成されている。補助電極15は、絶縁膜14の上に、第1電極13の行間および列間の領域に設けられ、第2電極17に電気的に接続されている。補助電極15の端部は、基板11の周辺部において、有機発光素子12R,12G,12Bが設けられた領域を取り囲むように形成された図示しない母線となる幹状補助電極に接続されている。
有機層16は、正孔輸送層16Aおよび発光層16Bが第1電極13の側からこの順に積層された構造を有し、発光層16Bで発生した光は第2電極17の側から取り出されるようになっている。正孔輸送層16Aは発光層16Bへの正孔注入効率を高めるためのものである。発光層16Bは、電界をかけることにより電子と正孔との再結合が起こり、光を発生するものであり、電子輸送層を兼ねている。正孔輸送層16Aおよび発光層16Bの合計厚みは、例えば15nm以上100nm以下とすることが好ましい。
正孔輸送層16Aは、例えばPEDOT/PSSにより構成されている。
有機発光素子12Rの発光層16Bは、例えば化1に示したポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン(MEH−PPV)などの高分子有機発光材料により構成されている。なお、高分子材料とは、分子量10000以上のものである。
有機発光素子12Gの発光層16Bは、例えば化2に示したポリパラフェニレンビニレン(PPV)などの高分子有機発光材料により構成されている。
青色発光素子12Bの発光層16Bは、例えば化3に示したポリビニルカルバゾールなどの高分子有機発光材料により構成されている。
第2電極17は、電子注入層と、発光層16Bで発生した光に対して半透過性を有する半透過性電極とが有機層16の側からこの順に積層された構造を有している。電子注入層は、発光層16Bへの電子注入効率を高めるものであり、例えば、厚みが約1nmであり、フッ化リチウム(LiF)により構成されている。半透過性電極は、例えば、厚みが5nm以上50nm以下であり、アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ナトリウム(Na)などの仕事関数の小さい金属元素の単体または合金により構成されている。中でも、マグネシウムと銀との合金(以下、「MgAg合金」という)が好ましい。本実施の形態では、半透過性電極は、カルシウム層とMgAg合金層とが有機層16の側からこの順に積層された構造を有している。カルシウム層の厚みは、例えば3nm以上30nm以下であり、カルシウム層とMgAg合金層との合計厚みは、例えば5nm以上50nm以下である。
保護膜18は、例えば、膜厚が500nm以上10000nm以下であり、透明誘電体からなるパッシベーション膜である。保護膜18は、例えば、酸化シリコン(SiO2 )あるいは窒化シリコン(SiN)などにより構成されている。
封止用基板21は、基板11の第2電極17の側に位置しており、接着層30と共に有機発光素子12R,12G,12Bを封止している。封止用基板21は、有機発光素子12R,12G,12Bで発生した光に対して透明なガラスなどの材料により構成されている。封止用基板21には、例えば、カラーフィルタおよびブラックマトリクスとしての光吸収膜(いずれも図示せず)が設けられており、有機発光素子12R,12G,12Bで発生した光を取り出すと共に、有機発光素子12R,12G,12B並びにその間の配線において反射された外光を吸収し、コントラストを改善するようになっていてもよい。
この有機発光素子12R,12G,12Bを備えた表示装置は、例えば、次のようにして製造することができる。
図2ないし図7は、この表示装置の製造方法を工程順に表すものである。まず、図2および図3に示したように、第1電極13,絶縁層14および補助電極15が形成された基板11を用意し、この基板11の表面を、紫外線(UV)オゾン洗浄する。
次に、図4(A)に示したように、例えばスピンコート法により、基板11に、厚みが例えば1,5μmのフォトレジスト塗布層41を形成する。フォトレジスト塗布層41の材料としては、例えば一般的なポジ型フォトレジスト(東京応化製TFR−970PM(商品名))を用いることができる。スピンコーティング条件としては、例えば1300rpmで20秒間保持する。
続いて、図4(B)に示したように、フォトレジスト塗布層41に対して例えば100℃で30秒間プリベークを行い、そののち、アライメント露光機(図示せず)に露光マスク(図示せず)と共にセットして紫外線露光を行う。これにより、フォトレジスト塗布層41には、発光領域すなわち第1電極13の各々に対応して露光部41Aが形成されると共に、正孔輸送層16Aを除去したい部分、すなわち補助電極15の上に未露光部41Bが形成される。露光条件は、例えば露光量を50mJ/cm2 とする。
フォトレジスト塗布層41の露光を行ったのち、図5に示したように、レジスト現像液(NMD−3(商品名))を用いて例えば30秒間現像し、露光部41Aを除去する。これにより、正孔輸送層16Aを除去したい部分、すなわち補助電極15の上に、フォトレジスト層42を選択的に形成する。そののち、純水で洗浄し、乾燥させ、基板11の表面を紫外線オゾン洗浄する。
フォトレジスト層42を形成したのち、図6(A)に示したように、上述した正孔輸送層16Aの材料と溶媒としての水とを含む正孔輸送層原料溶液(塗布液)を作製し、例えばスピンコート法により、基板11の全面に正孔輸送層原料溶液を塗布して、例えば厚みが30nmの正孔輸送層16Aを形成する。スピンコーティング条件は、例えば3200rpmで60秒間保持する。
続いて、正孔輸送層16Aを予備乾燥させる。この予備乾燥工程では、正孔輸送層16Aが基板11に保持される最低限の熱量を与えることが好ましい。熱量が過剰である場合、フォトレジスト層42の熱架橋が促進されてしまい、フォトレジスト剥離液による剥離が困難になるからである。予備乾燥の条件は、例えば、120℃の減圧オーブン中で10分間とすることができる。
そののち、図6(B)に示したように、基板11をフォトレジスト剥離液の浴中に浸漬し、超音波を加えながらフォトレジスト層42を例えば1分間で剥離する。これにより、第1電極13の上に正孔輸送層16Aを選択的に形成する。
フォトレジスト剥離液としては、正孔輸送層16Aを溶解せずにフォトレジスト層42のみを溶解するものを用いる必要がある。フォトレジスト層42を溶解するためには、極性のある有機溶媒を用いることが好ましい。また、沸点が170℃以下のフォトレジスト剥離液を用いることが好ましい。フォトレジスト剥離液が高沸点の場合、基板11を加熱してフォトレジスト剥離液を完全に除去することが困難になるからである。具体的には、例えば、アセトン,メチルエチルケトン(沸点80℃),シクロヘキサノンあるいはジエチルケトン(沸点101℃)などのケトン系のフォトレジスト剥離液、または、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;沸点146℃)などのセロソルブ系のフォトレジスト剥離液を用いることができる。特に、ジエチルケトンおよびPGMEAは、良好なデバイス特性を得られるので、好ましい。これらのフォトレジスト剥離液は、2種類以上混合して用いることも可能である。
第1電極13の上に正孔輸送層16Aを選択的に形成したのち、基板11を例えば150℃の減圧オーブン中で1時間、乾燥させる。これにより、正孔輸送層16Aに含まれる溶媒すなわち水と、フォトレジスト剥離液とが除去される。乾燥の温度は、正孔輸送層16Aが劣化しない程度、例えば180℃以下であることが好ましい。
正孔輸送層16Aを形成したのち、図7(A)に示したように、例えば特許文献4記載の凸版反転オフセット法により、発光層16Bを形成する。これにより、正孔輸送層16Aと発光層16Bとを含む有機層16が形成される。
有機層16を形成したのち、図7(B)に示したように、例えば蒸着法により、上述した材料よりなる電子注入層と、カルシウム層およびMgAg合金層よりなる半透過性電極とを形成する。これにより、第2電極17を形成すると共に補助電極15と第2電極17とを電気的に接続する。そののち、第2電極17の上に、必要に応じて例えば蒸着法により保護膜18を形成する。
保護膜18を形成したのち、基板11と封止用基板21とを接着層30を介して貼り合わせる。以上により、図1に示した表示装置が完成する。
上述した製造方法では、正孔輸送層16Aを予備乾燥させたのち、フォトレジスト層42を剥離し、正孔輸送層16Aを乾燥させるようにしたが、予備乾燥工程は省略してもよい。
この表示装置では、第1電極13と第2電極17との間に所定の電圧が印加されると、発光層16Bに電流が注入され、正孔と電子とが再結合することにより、発光が起こる。この光は、第2電極17および封止用基板21を透過して取り出される。このとき、正孔輸送層16Aは、第1電極13の上に選択的に形成されているので、クロストークが低減され、表示品質が向上する。また、補助電極15と第2電極17とが電気的に接続され、電圧降下の差による発光むら(特に,画面内の中央部と周縁部との間の発光むら)の発生が抑制される。更に、正孔輸送層16Aの上にフォトレジストが残留しないので、素子特性の劣化が防止される。
このように、本実施の形態では、フォトレジスト層42を選択的に形成したのち、基板11の全面に正孔輸送層16Aを形成し、フォトレジスト層42を除去することにより第1電極13の上に正孔輸送層16Aを選択的に形成するようにしたので、正孔輸送層16Aの上にフォトレジスト層を形成することなくパターニングを行うことができる。よって、正孔輸送層16Aの表面にフォトレジストが残留せず、素子特性の劣化を防止することができると共に、クロストークの低減により表示品質を向上させることができる。また、水溶性有機材料よりなる正孔輸送層を簡単な工程で位置精度よく形成することができる。更に、インクジェットプリンティング方式を用いずに正孔輸送層16Aをパターニングすることができるので、正孔輸送層16Aの成膜方法の限定がなくなり、上述したスピンコート法のほか、ディップコート法あるいはビードコート法なども利用可能となる。加えて、インクジェットプリンティング方式よりも正孔輸送層16Aの厚みの均一性が向上するので、厚みの精確な制御が可能となり、特許文献5記載の共振器構造を導入することにより色純度および発光効率を高めることができる。更にまた、フォトレジスト層42の材料として一般的なフォトレジスト材料を用いることができ、取扱いが簡単である。加えてまた、補助電極15と第2電極17との電気的接続が容易になるので、画面の中央部と周縁部との発光むらを改善することができ、特に大型表示装置の製造に好適である。
また、本実施の形態では、基板11の全面に正孔輸送層16Aを形成したのち、正孔輸送層16Aを予備乾燥させるようにしたので、正孔輸送層16Aの基板11に対する接着力が増し、基板11の上の正孔輸送層16Aを剥離することなく、容易にフォトレジスト層42およびその上の正孔輸送層16Aを剥離することができる。よって、製造アロワンスの拡大が可能となる。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。
また、上記実施の形態においては、有機層16が正孔輸送層16Aおよび発光層16Bの2層構造を有する場合について説明したが、正孔輸送層,発光層および電子輸送層の3層構造など、他の構造を有していてもよい。
更に、上記実施の形態では、補助電極15を絶縁膜14の上に、第1電極13の行間および列間の領域に設けた場合について説明したが、補助電極15の上にフォトレジスト層42を形成する限り、補助電極15はどこに形成されていてもよく、必ずしも絶縁膜14の上に設ける必要はない。例えば図8に示したように、補助電極15は基板11に設けられ、この補助電極15に対応して絶縁膜14に開口部14Bが設けられていてもよい。
加えて、上記実施の形態では、補助電極15を第1電極13の行間および列間の領域に設けた場合について説明したが、補助電極15は、第1電極13の行間または列間のいずれか一方のみに設けられていてもよい。
更にまた、補助電極15は必ずしも必須ではなく、省略してもよい。この場合には、絶縁層14の上にフォトレジスト層42を形成するようにすればよい。ただし、大型表示装置の場合には、補助電極15により配線抵抗を均一化し、画面内の中央部と周縁部との発光むらを防止することができるので好ましい。
加えてまた、上記実施の形態では、第1電極13が個々の有機発光素子12R,12G,12Bに対応する個別電極として基板11にマトリクス状に配置されており、第2電極17が、すべての有機発光素子12R,12G,12Bの共通電極として形成されている場合について説明したが、第1電極13と第2電極17とを互いに直交する複数のストライプ状に形成した場合にも本発明を適用することができる。
更にまた、例えば、上記実施の形態では、第1電極13を陽極、第2電極17を陰極とする場合について説明したが、陽極および陰極を逆にして、第1電極13を陰極、第2電極17を陽極としてもよい。
加えてまた、例えば、上記実施の形態においては、基板11の上に、第1電極13,絶縁層14,補助電極15,有機層16および第2電極17を基板11の側から順に積層し、封止用基板21の側から光を取り出すようにした場合について説明したが、積層順序を逆にして、基板11の上に、第2電極17,補助電極15,絶縁層14,有機層16および第1電極13を基板11の側から順に積層し、基板11の側から光を取り出すようにすることもできる。更に、第1電極13を陰極、第2電極17を陽極とすると共に、基板11の上に、第2電極17,補助電極15,絶縁層14,有機層16および第1電極13を基板11の側から順に積層し、基板11の側から光を取り出すようにすることもできる。ただし、TFT(Thin Film Transistor)などの構造部が形成される基板11の側から光を取り出すのではなく、基板11の側から順に第1電極13,絶縁層14,補助電極15,有機層16および第2電極17を積層し、第2電極17の側から光を取り出すようにした方が、開口率を高くすることができ、高い輝度および高い解像度を得ることができるので好ましい。
更にまた、上記実施の形態では、有機発光素子12の構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。例えば、第1電極13と有機層16との間に、酸化クロム(III)(Cr2 O3 ),ITOなどからなる正孔注入用薄膜層を備えていてもよい。例えば第1電極13を、誘電体多層膜またはアルミニウムなどの反射膜の上部に透明導電膜を積層した2層構造とすることもできる。
加えてまた、上記実施の形態では、第2電極17が電子注入層と半透過性電極とが第1電極13の側から順に積層された構造を有する場合について説明したが、第2電極17は、電子注入層と半透過性電極とITOなどよりなる透明電極とが第1電極13の側から順に積層された構成を有していてもよい。
更にまた、上記実施の形態では、フルカラー表示装置の場合について説明したが、本発明は、単色の表示装置の場合にも適用可能である。
加えてまた、上記実施の形態では、本発明を正孔輸送層16Aに適用した場合について説明したが、本発明は水溶性の材料により構成された層に適用可能であり、正孔輸送層16Aに限られない。
11…基板、12R,12G,12B…有機発光素子、13…第1電極、14…絶縁層、15…補助電極、16…有機層、16A…正孔輸送層、16B…発光層、17…第2電極、21…封止用基板、30…接着層、41…フォトレジスト塗布層、42…フォトレジスト層
Claims (6)
- 第1電極と第2電極との間に正孔輸送層および発光層を含む有機層を備えた有機発光素子の製造方法であって、
第1電極が形成された基板にフォトレジスト層を選択的に形成する工程と、
前記基板の全面に正孔輸送層を形成する工程と、
前記フォトレジスト層を除去することにより前記第1電極の上に前記正孔輸送層を選択的に形成する工程と、
前記正孔輸送層の上に、発光層を含む有機層および第2電極を形成する工程と
を含むことを特徴とする有機発光素子の製造方法。 - 前記第1電極の上に前記正孔輸送層を選択的に形成する工程と、前記発光層を含む有機層および第2電極を形成する工程との間に、前記正孔輸送層を乾燥させる工程を含む
ことを特徴とする請求項1記載の有機発光素子の製造方法。 - 前記基板の全面に正孔輸送層を形成する工程と、前記第1電極の上に前記正孔輸送層を選択的に形成する工程との間に、前記正孔輸送層を予備乾燥させる工程を含む
ことを特徴とする請求項1記載の有機発光素子の製造方法。 - 前記第1電極の上に前記正孔輸送層を選択的に形成する工程において、前記フォトレジスト層を除去するためのフォトレジスト剥離液として、アセトン,メチルエチルケトン,シクロヘキサノンおよびジエチルケトンからなる群から選ばれた少なくとも1種、または、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いる
ことを特徴とする請求項1記載の有機発光素子の製造方法。 - 前記有機発光素子は、前記発光層で発生した光を前記第2電極の側から取り出す
ことを特徴とする請求項1記載の有機発光素子の製造方法。 - 第1電極と第2電極との間に正孔輸送層および発光層を含む有機層を備えた有機発光素子を有する表示装置の製造方法であって、
第1電極が形成された基板にフォトレジスト層を選択的に形成する工程と、
前記基板の全面に正孔輸送層を形成する工程と、
前記フォトレジスト層を除去することにより前記第1電極の上に前記正孔輸送層を選択的に形成する工程と、
前記正孔輸送層の上に、発光層を含む有機層および第2電極を形成する工程と
を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
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JP2003277422A JP2005044622A (ja) | 2003-07-22 | 2003-07-22 | 有機発光素子の製造方法および表示装置の製造方法 |
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KR20120126353A (ko) * | 2011-05-11 | 2012-11-21 | 삼성디스플레이 주식회사 | 유기발광표시장치 및 이의 제조방법 |
JP2016103395A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 株式会社ジャパンディスプレイ | 表示装置 |
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