JPH116610A - 焼却炉の再燃用空気供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明による焼却炉の再燃用空気供給装置
は、炉体に孔を開けずに未燃焼ガスを再燃焼することを
目的としている。 【解決手段】 炉体１の天井壁４に取り付けるバーナ８
の外周に、炉体１中の未燃焼ガスを再燃焼する空気を注
入する給気筒１５を設け、給気筒１５の炉体１内に突入
する側の先端部に、給気筒１５からの空気をバーナ８か
らの火炎噴射方向に対して横方向に噴射する複数の空気
ノズル１９を設けていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主に合成樹脂の廃
材の如く、焼却時に大量の未燃焼ガスを発生する廃材を
焼却する焼却炉に、未燃焼ガスを焼却するのに必要な再
燃用空気を供給する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】焼却時に発生する未燃焼ガスを再燃する
手段として、一般的に知られているものとして、炉体の
側壁に多数の貫通孔を設けて、各貫通孔から再燃焼用の
空気を取り入れるものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記手段のよう
に、炉壁に多数の貫通孔を設ける作業は手間を要し、壁
に孔を開けているので、炉体の耐久性を低下すると共
に、ブロアーによって各孔から空気を強制的に供給する
ために、炉体の外壁に空気室を設ける必要があり、その
空気室を構成する外壁が炉体からの熱を受けて加熱さ
れ、危険性をも伴うものであった。

【０００４】本発明の目的は、炉体に貫通孔を設けるこ
となく、未燃焼ガスを再燃焼するのに必要な空気を取り
入れることができ、炉体の耐久性を向上し安全性を高め
ることにある。

【０００５】

【問題を解決するための手段】本発明による解決手段
は、炉体の天井壁に取り付けるバーナの外周に、炉体中
の未燃焼ガスを再燃焼する空気を注入する給気筒を設
け、給気筒の炉体内に突入する側の先端部に、給気筒か
らの空気をバーナからの火炎噴射方向に対して横方向に
噴射する複数の空気ノズルを設けることを特徴とする。

【０００６】

【作用】炉内でバーナによる火炎によって廃材を焼却す
る際に、大量の黒煙が発生し炉体の上部に滞留するが、
そのバーナに設けた給気筒の空気ノズルより横方向に空
気を噴射して供給するから、被燃焼物の燃焼を妨げるこ
となく、黒煙の未燃焼ガスを良好に再燃するものであ
る。しかも炉内に供給する空気をバーナの外周部に設け
たものであるから、炉体自体に空気を供給する設備が必
要なくなり、炉体を簡単な構造で構築することができる
ものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明による実施形態は、焼却炉
の炉体における天井壁に取り付けるバ−ナに再燃空気供
給装置を組み込むものである。

【０００８】焼却炉の炉体１は、図４に示すように、底
壁２、側壁３及び天井壁４で形成され、側壁３に焼却物
の投入口５を扉６で開閉できるように設けてあり、天井
壁４に煙突（図示省略）へ通じる排煙口７を備え、更に
天井壁４にバーナ８を炉体１内に突入する抜き穴９を有
するものである。

【０００９】上記バーナ８は、図１に示しているよう
に、外筒１０の中心部に燃料ノズル１１を備え、該燃料
ノズル１１に平行して点火装置１２を有し、外筒１０の
上端部に燃料を燃焼するための空気を、ブロアー１３に
よって供給される１次空気注入口１４を設けているもの
である。

【００１０】更に上記バーナ８には、その外筒１０の外
面を包むように給気筒１５が固着してあって、この給気
筒１５の下端は底板１６で封鎖してあり、また給気筒１
５の高さ方向の中間部にフランジ１７を突設し、更に給
気筒１５の上端部に、再燃用の空気を前記ブロアー１３
で供給される２次空気注入口１８を備え、一方給気筒１
５の下端部外周面に複数の空気ノズル１９を間隔を空け
て設けている。

【００１１】上記バーナ８を炉体１に取り付ける構造
は、炉体１の天井壁４に設けている抜き穴９より炉体１
内に差し込み、給気筒１５のフランジ１７を天井壁４の
外面にビス止めなどの手段で固着するもので、このよう
にに取り付けることにより、燃料ノズル１１から発射す
る火炎は炉体１内に下方に向かって放射し、給気筒１５
の空気ノズル１９から放出する空気は、火炎の放射方向
に対して直交する横方向に向かって放射するものであ
る。

【００１２】次に図２に示すように、バーナ８と給気筒
１５とを別体に形成し、炉体１の天井壁４に双方を組み
合わせて取り付けることができるものであって、給気筒
１５は前記例と同様にフランジ１７で炉体１の天井壁４
に固着されるもので、該給気筒１５の炉体１内に突入す
る下部１５ａを中空に形成し、上部１５ｂをバーナ８の
外筒１０が差し込まれる形態に形成してあり、外筒１０
よりフランジ状に突設したキャップ２０で給気筒１５の
上開放口を封鎖すると共に、ビス止めにより給気筒１５
に着脱自在に固着するもので、しかも外筒１０によって
給気筒１５の上部外壁との間に中空部を形成し、且つ上
下部の各中空部を通孔２１によって連通してある。また
バーナ８の外筒１０は、給気筒１５の上部中空部を形成
する間までの長さのもので、その下端から空気漏れしな
いように、外筒１０の下端口縁を内側に向かってテーパ
状に屈折し、その屈折した下縁を耐熱性のタイト材２２
を介して給気筒１５に連結しているものである。

【００１３】また、図３に示すものは、給気筒２を炉体
１内に深く突入するように長く形成したもので、その長
く突入した部分に、空気ノズル１９を多段に亘って設け
たものである。尚、図４を除く各図に示す符号２３は焼
玉である。

【００１４】

【発明の効果】本発明による焼却炉の再燃用空気供給装
置によれば、再燃用の空気を放射する給気筒を炉体の天
井壁に取り付けるバーナに組み付けたものであるから、
バーナの取り付けと同時に取り付けることができ、炉体
に対して特別の空気供給装置を設置する必要がなくな
り、炉体に対する取り付けが容易となるものである。

【００１５】更に、給気筒からの空気は横方向に向かっ
て放射するから、炉体上部の空間に滞留する未燃焼ガス
に直接空気が供給され、大量に発生する未燃焼ガスを確
実に再燃して、清浄な燃焼ガスとして排出することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による焼却炉の再燃用空気供給装置を示
す縦断面図である。

【図２】本発明装置による類例を示す縦断面図である。

【図３】本発明装置による他の類例を示す縦断面図であ
る。

【図４】本発明装置を設けた焼却炉を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 炉体 ４ 天井壁 ８ バーナ １５ 給気筒 １９ 空気ノズル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 炉体（１）の天井壁（４）に取り付ける
   バーナ（８）の外周に、炉体（１）中の未燃焼ガスを再
   燃焼する空気を注入する給気筒（１５）を設け、給気筒
   （１５）の炉体（１）内に突入する側の先端部に、給気
   筒（１５）からの空気をバーナ（８）からの火炎噴射方
   向に対して横方向に噴射する複数の空気ノズル（１９）
   を設けていることを特徴とする焼却炉の再燃用空気供給
   装置。