JPH116594A - 管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】抜け出し防止性に優れた、コレットを備えた管
継手を提供する 【解決手段】コレット２の樹脂製筒体２１の一端部側
が、軸方向に沿って複数個の切込み２２が入れられて、
先端部にヘッド部２５を有する複数のアーム２３に分割
されており、各アーム２３のヘッド部２５には、その外
周面に受口１１の傾斜面１１１ａに相対する傾斜面２５
１が設けられるとともにその内周面に挿入管の外周面へ
の食込み部２５２が設けられており、樹脂製筒体２１の
外周面のアーム２３の基端から他端部側にかけて金属製
補強材２６が装着されている管継手である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コレットを備えた
管継手に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、管の着脱を容易にした管継手とし
ては、例えば、特開昭５３─１１４５２０号公報に記載
され、図５に示すように、内周面に先細りのテーパａを
有する受口ｂを備え、その受口ｂ内奥部にＯリング密封
部ｃが装着された本体部材ｄと、受口ｂ内に挿入される
一端部に、受口ｂのテーパａに相対するテーパｅとエッ
ジｆを有するプラスチック材料製のアームｇを備え、他
端部にフランジｈを備えたコレットｉとからなる管継手
が知られている。

【０００３】この管継手は、受口ｂ内に管ｐを接続する
ときには、コレットｉ内に接続すべき管を挿通するよう
にして押し込むだけで、Ｏリング密封部ｃにて管ｐの外
周面と受口ｂの内周面間がシールされるとともに、管ｐ
の抜け出し力に対しては、コレットｉのプラスチック材
料製のアームｇのテーパｅが受口ｂのテーパａと当接す
ることによりエッジｆが管ｐの外周面に食い込むことに
よりその抜け出しが防止され、又、受口ｂ内から管ｐを
取り外すときには、コレットｉのフランジｈを受口ｂの
奥側に押し込むだけで、エッジｆの食い込みを外すよう
にして容易に取り外すことができて、その着脱を迅速に
行うことができるものである。

【０００４】しかしながら、上記のような従来の管継手
に管ｐを接続した場合、コレットｉのアームｇの撓み力
による管ｐの把持力がプラスチック材料製では弱いため
に、受口ｂ内に挿入した管ｐに抜け出し力が作用したと
きに、管ｐの外表面とエッジｆ間が滑ってしまって、初
期の抜け止めを十分に防止することができないという問
題点がある。

【０００５】つまり、コレットｉのアームｇの撓みによ
る管ｐの把持力Ｆは、片もちはりで考えると、Ｆ＝３×
ヤング率×断面係数×撓み量／（撓み部分の長さ）³ で
算出することができ、初期の把持力Ｆを大きくするため
には、ヤング率、断面係数あるいは撓み量を大きくする
か、撓み部分の長さを小さくすればよいが、ヤング率以
外の係数は、自ずと限界がある。即ち、断面係数は形状
が決まれば変化はないし、撓み量を大きくしたり、撓み
部分の長さを短くしたりした場合には、撓み部分の根元
を基点として大きく回転するため、寸法のばらつきが大
きくなってしまう。従って、ヤング率の小さいアームｇ
による撓みによる管ｐの把持力Ｆには自ずと限界があ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の問題点を解消し、抜け出し防止性に優れた、コ
レットを備えた管継手を提供することを目的としてなさ
れたものてある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも一
端部に、ゴムパッキングが装着されるとともに内周面に
開口側に向かうにつれて次第に小径となる傾斜面が設け
られた受口を備えた樹脂製管継手本体と、樹脂製筒体の
一端部側が受口内に挿入され、他端部側が受口外に配設
されるコレットとからなる管継手であって、前記コレッ
トの樹脂製筒体の一端部側が、軸方向に沿って複数個の
切込みが入れられて、先端部にヘッド部を有する複数の
アームに分割されており、各アームのヘッド部には、そ
の外周面に受口の傾斜面に相対する傾斜面が設けられる
とともにその内周面に挿入管の外周面への食込み部が設
けられており、前記樹脂製筒体の外周面のアームの基端
から他端部側にかけて金属製補強材が装着されている管
継手である。

【０００８】本発明において、金属製補強材を構成する
金属材料としては、ヤング率の高いものが好適に使用さ
れ、そのような金属材料としては、例えば、ステンレス
等が挙げられる。

【０００９】

【作用】本発明の管継手は、前記コレットの樹脂製筒体
の一端部側が、軸方向に沿って複数個の切込みが入れら
れて、先端部にヘッド部を有する複数のアームに分割さ
れており、各アームのヘッド部には、その外周面に受口
の傾斜面に相対する傾斜面が設けられるとともにその内
周面に挿入管の外周面への食込み部が設けられており、
前記樹脂製筒体の外周面のアームの基端から他端部側に
かけて金属製補強材が装着されていることにより、アー
ムの挿入管の外表面に対する撓み力が強いので、ヘッド
部の食込み部が挿入管の外周面に対して強い把持力が作
用した状態となり、これにより、挿入管に初期の抜け出
し方向の力が作用したとき、挿入管の外表面と食込み部
間が滑るようにして抜け出ることがなく、更に、挿入管
の抜け出す方向に力が作用したとき、コレットのヘッド
部の傾斜面が受口の傾斜面と当接することにより、ヘッ
ド部の部分が縮径して、食込み部が挿入管の外周面に食
い込むので、挿入管の受口内からの抜け出しが十分に防
止された状態となる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図１は、本発明の管継手の一例を
示す一部断面図であり、図２はその管継手に使用される
コレットの一例を示す一部断面図である。この管継手
は、樹脂製管継手本体１と、コレット２とからなる。

【００１１】図１に示すように、管継手本体１には、一
端に受口１１が設けられている。受口１１は、内周面に
は周方向に沿って凹溝１１１が設けられており、凹溝１
１１の奥側にはゴムパッキング１２が装着され、凹溝１
１１の開口端の内周面は、開口端に向かうにつれて次第
に小径となる傾斜面１１１ａとされている。受口１１の
最奥部には挿入管の先端面が当接するストッパー部１１
２が設けられている。

【００１２】図１及び図２に示すように、コレット２
は、樹脂製筒体２１の受口１１内に挿入される一端部側
が、軸方向に沿って多数個の切込み２２が入れられて、
複数のアーム２３に分割されており、受口１１外に配設
れる他端部側に鍔部２４が設けられている。各アーム２
３は先端部にヘッド部２５を有しており、外側から径方
向内方に押圧することによりヘッド部２５が縮径し、こ
の状態にて受口１１内に挿入した後、径方向外方に拡径
することができるようになっている。

【００１３】ヘッド部２５の外周面には受口１１の傾斜
面１１１ａに相対する傾斜面２５１が設けられるととも
に、内周面には挿入管の外周面への食込み部２５２が設
けられている。樹脂製筒体２１の外周面の各アーム２３
の基端から他端部側にかけて金属製補強材２６が、面一
となるように装置されている。

【００１４】コレット２は、ヘッド部２１が設けられた
方の一端部側が受口１１内に挿入され、鍔部２２が設け
られた方の他端部側が受口１１外に配設されるようにし
て使用される。

【００１５】次に、図１に示す管継手の使用態様を図３
を参照して説明する。図３に示すように、管継手のコレ
ット２内に挿入管４を挿通するようにして奥まで押し込
む。これにより、ゴムリング１２にて挿入管４の外周面
と受口１１の凹溝１１１の内周面間がシールされる。

【００１６】又、樹脂製筒体２１のアーム２３の基端か
ら他端部側にかけて金属製補強材２６が装着されている
ことにより、アーム２３の挿入管４の外表面に対する撓
み力が強いので、ヘッド部２５の食込み部２５２が挿入
管４の外周面に対して強い把持力が作用した状態とな
る。これにより、挿入管４に初期の抜け出し方向の力が
作用したとき、挿入管４の外表面が食込み部２５２内を
滑るようにして抜け出ることがない。

【００１７】次に、更に、図３に示すように、挿入管４
に抜け出す方向の力が作用したとき、コレット２のヘッ
ド部２５の傾斜面２５１が受口１１の傾斜面１１１ａと
当接することにより、ヘッド部２５の部分が縮径して、
食込み部２５２が挿入管４の外周面に食い込む。これに
より挿入管４の受口１１内からの抜け出しが十分に防止
された状態となる。

【００１８】図４は、本発明の管継手に使用される、コ
レットの別の例を示す説明図である。このコレット４の
場合には、樹脂製筒体４１の各アーム４５の基端から他
端部側にかけて板状の金属製補強材４６が装着されてい
る。板状の金属製補強材４６は他端部側がクランク状に
曲折されており、そのクランク状の部分を押さえるよう
に環状の金属製４７が装着されている。そして、板状の
金属製補強材４６と環状の金属補強材４７とは、樹脂製
筒体４１と面一とされている。その他の構造について
は、図２を参照して説明したものと同じであるので、図
中に対応する図番を付してその詳細な説明を省略する。

【００１９】

【発明の効果】本発明の管継手は、上記のようにされて
いることにより、挿入管の受口内からの抜け出し防止性
に優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の管継手の一例を示す一部断面図であ
る。

【図２】図１に示す管継手に使用されるコレットの一例
を示す正面図である。

【図３】図１に示す管継手に管を接続した状態を説明す
る一部断面図である。

【図４】図１に示す管継手に使用されるコレットカバー
の別の例を示す説明図であり、（ａ）はその正面図、
（ｂ）は要部断面図である。

【図５】従来のコレットを備えた管継手の一例を説明す
る断面図である。

【符号の説明】

１ 樹脂製継手本体 ２ コレット ３ 挿入管 １１ 受口 １２ ゴムパッキング ２１，４１ 樹脂製筒体 ２２，４２ 切込み ２３，４３ アーム ２４，４４ 鍔部 ２５，４５ ヘッド部 ２６，４６，４７ 金属製補強材 １１１ 凹溝 １１１ａ，２５１，４５１ 傾斜面 ２５２，４５２ 食込み部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも一端部に、ゴムパッキングが
   装着されるとともに内周面に開口側に向かうにつれて次
   第に小径となる傾斜面が設けられた受口を備えた樹脂製
   管継手本体と、樹脂製筒体の一端部側が受口内に挿入さ
   れ、他端部側が受口外に配設されるコレットとからなる
   管継手であって、前記コレットの樹脂製筒体の一端部側
   が、軸方向に沿って複数個の切込みが入れられて、先端
   部にヘッド部を有する複数のアームに分割されており、
   各アームのヘッド部には、その外周面に受口の傾斜面に
   相対する傾斜面が設けられるとともにその内周面に挿入
   管の外周面への食込み部が設けられており、前記樹脂製
   筒体の外周面のアームの基端から他端部側にかけて金属
   製補強材が装着されていることを特徴とする管継手。