JPH1164896A - 調光素子および調光装置 - Google Patents

調光素子および調光装置

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JPH1164896A
JPH1164896A JP22503297A JP22503297A JPH1164896A JP H1164896 A JPH1164896 A JP H1164896A JP 22503297 A JP22503297 A JP 22503297A JP 22503297 A JP22503297 A JP 22503297A JP H1164896 A JPH1164896 A JP H1164896A
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dielectric layer
voltage
film
multilayer film
light
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JP22503297A
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English (en)
Inventor
Sadaichi Suzuki
貞一 鈴木
Shimizu Sagawa
清水 佐川
Shigeru Yamamoto
滋 山本
Taketo Hikiji
丈人 曳地
Masanobu Ninomiya
正伸 二宮
Kazuo Baba
和夫 馬場
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電圧などの外部刺激によって一画素での表示
色が変化する反射型カラー表示装置を実現できる調光素
子を提供する。 【解決手段】 第1誘電体層31と第2誘電体層32と
を交互に多層に渡って積層する。第1誘電体層31は、
ポーラスな膜で、電圧などの外部刺激によって弾性変形
する、低屈折率のものとする。第2誘電体層32は、弾
性変形しない、高屈折率のものとする。電極12,22
間に電圧を印加すると、電極12,22が互いに引き合
って、第1誘電体層31が弾性変形し、多層膜30全体
の膜厚が小さくなって、干渉反射の波長が短波長側にシ
フトする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、反射型カラー表
示装置などに用いることができる調光素子および調光装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】持ち運びのできるラップトップ型コンピ
ュータや携帯情報端末などには、表示装置として、小電
力の液晶表示装置がよく用いられ、良好な画質を得るた
めにバックライト付きのTFT駆動の液晶表示装置が多
く用いられる。しかし、バックライト付きの液晶表示装
置は、CRTなどに比べれば小電力ではあるが、バック
ライトを使用するため、なお消費電力が大きい。そこ
で、バックライトを用いずに外光を利用して表示を行う
反射型表示装置、特に反射型カラー表示装置が注目され
ている。
【0003】反射型カラー表示装置としては多くの方式
のものが提案されているが、実用化されているのは主と
して液晶を用いたものである。
【0004】もっとも早く実用化された反射型カラー液
晶表示装置は、TN液晶セルにカラーフィルタを組み合
わせもので、液晶セルに電圧を印加することによって液
晶セルの光透過量を増加させ、その透過光をカラーフィ
ルタによって着色する。
【0005】また、ECB方式は、互いに直交させた2
枚の偏光板間にホメオトロピック配向させた液晶セルを
配置して、セルに電圧を印加することによりセル中の液
晶を傾斜させ、電圧が印加されていない状態ではセルを
透過できない直線偏光の入射光を楕円偏光に変えて、セ
ルに透過させるもので、透過光量が波長に依存するた
め、色づいて見えることを利用したものである。
【0006】また、GH(ゲストホスト)モードは、ホ
ストとなる液晶にゲストとなる2色性色素を溶解して、
電圧の印加により液晶分子の配列を変化させたとき、こ
れに引きずられて2色性色素の配列も変化することを利
用したものである。例えば、ホモジニアス配向させた液
晶に2色性色素を溶解すると、色素は基板に水平な方向
を向く。このため、色素の色が見える。電圧を印加する
と、液晶分子が基板に垂直な方向に配列され、色素も基
板に垂直な方向を向くが、2色性比のため、色づいて見
えない。したがって、カラー表示が可能となる。この方
式は、偏光板を用いずに比較的明るい表示が可能であ
り、実用化されている。
【0007】さらに、光硬化型ポリマー中に液晶を溶か
して、レーザ光の干渉を利用して周期的にポリマー化
し、液晶リッチな領域とポリマーリッチな領域を周期的
に形成して、誘電体多層膜のような構造とした、体積ホ
ログラム型のPDLC構造の反射型カラー表示装置も知
られている。この方式は、析出した液晶のドロップレッ
トに電圧を印加することによって、光の干渉反射を生じ
させ、または逆に生じないようにすることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、TN方
式やECB方式は、偏光板を用いるため、光の透過量が
20%程度と非常に少なく、暗い表示となる欠点があ
る。また、GH方式は、色素の2色性比が小さいため、
色再現範囲が狭く、またコントラストが3対1程度と非
常に低いという問題がある。さらに、体積ホログラム型
のPDLC構造の反射型カラー表示装置は、一画素で表
示できる色が特定され、ECB方式のように一画素で多
くの色を表示することはできない欠点がある。しかも、
これらの方式は、いずれも液晶を用いるので、温度に依
存しやすい欠点がある。
【0009】そこで、この発明は、温度依存性が少ない
とともに、明るい表示が得られ、色再現範囲を広くで
き、かつ一画素で多くの色を表示できる反射型カラー表
示装置を実現することができる調光素子および調光装置
を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、調
光素子として、外部刺激によって弾性変形する第1誘電
体層と、これに対して屈折率の異なる第2誘電体層とを
交互に積層し、第1誘電体層と第2誘電体層との屈折率
差による光干渉によって反射を生じさせる。
【0011】請求項2の発明では、請求項1の調光素子
において、第1誘電体層をポーラス状とする。
【0012】請求項3の発明では、調光装置として、請
求項1または2の調光素子を対の電極で挟持し、その対
の電極間に電圧を印加することにより第1誘電体層を弾
性変形させて、干渉反射の波長を変化させる。
【0013】請求項4の発明では、調光装置として、請
求項1または2の調光素子に圧電素子を配設し、その圧
電素子に電圧を印加することにより第1誘電体層を弾性
変形させて、干渉反射の波長を変化させる。
【0014】
【作用】この発明では、互いに屈折率の異なる2種の誘
電体層を交互に多層に渡って積層し、2種の誘電体層間
の屈折率差によって光の干渉反射を生じさせて、色を表
示する。
【0015】しかも、少なくとも第1誘電体層は、電圧
などの外部刺激によって弾性変形するものとし、その第
1誘電体層と第2誘電体層との多層膜に電圧などの外部
刺激を印加することにより、少なくとも第1誘電体層を
弾性変形させて、多層膜全体の膜厚を変化させ、積層周
期を変えて、干渉反射の波長を変化させる。また、第1
誘電体層および第2誘電体層の膜厚を適切に構成するこ
とによって、反射の強度を制御することができる。
【0016】この方式では、反射率をほぼ100%にす
ることができるので、カラーフィルタを組み合わせたT
N方式や、ECB方式に比べて、非常に明るい表示が可
能となる。また、この方式では、第1誘電体層と第2誘
電体層との屈折率差が大きいほど、干渉反射のスペクト
ル幅が拡大して、明るい表示を得ることができる。しか
も、液晶を用いず、誘電体を用いるので、温度依存性が
少ない。
【0017】外部刺激によって弾性変形する第1誘電体
層としては、高分子によるエマルジョン状態から作成し
たポーラスな膜が好適である。このポーラスな膜は、ほ
とんど空気層からなり、骨格が高分子で作られるため、
弾性に富み、電圧などの外部刺激によって容易に弾性変
形する。外部刺激を取り除けば、当初の膜厚に戻る。
【0018】図1〜図3に、この様子を示す。これは、
電極12,22間に、ポーラスな膜からなる低屈折率の
第1誘電体層31と高屈折率の第2誘電体層32とを交
互に積層した多層膜30を形成したもので、図1は電圧
を印加しないとき、図2は低電圧を印加したとき、図3
は高電圧を印加したときである。
【0019】この第1誘電体層31の単位面積あたりの
弾性常数をk、電圧を印加しないときの多層膜30の膜
厚をRとすれば、多層膜30全体の変形量xないし変形
率x/Rは、 x/R=εV2/4πkR5 …(1) で表される。ただし、Vは印加電圧、εは多層膜30の
平均誘電率である。
【0020】すなわち、多層膜30全体の変形量xは、
印加電圧Vの2乗に比例し、かつ多層膜30の平均誘電
率εに比例するとともに、第1誘電体層31の単位面積
あたりの弾性常数kに反比例する。したがって、弾性常
数kが小さい第1誘電体層31によれば、大きな反射ス
ペクトルの変化を期待することができる。
【0021】図4に、印加電圧Vに対する多層膜30全
体の変形率x/Rの関係を示す。図5は、電圧を印加し
たときの反射スペクトルの変化を示し、破線は低電圧の
印加時、実線は高電圧の印加時である。これから明らか
なように、印加電圧の増大に伴って多層膜30全体の膜
厚が小さくなるにつれて、反射ピーク波長が短波長側に
シフトする。しかも、図6に示すように、印加電圧の変
化によって反射ピーク波長は大きく変化する。そして、
この反射ピーク波長の変化が一画素での表示色の変化を
引き起こす。
【0022】なお、弾性常数kは、ポーラスな膜の作成
方法や骨格材料の多少によって、変化する。
【0023】上記の多層膜は、以下のような方法で作成
する。まず、ポリマーなどを溶剤に溶かし、その溶液
に、これと溶け合わない物質を混合し、よく撹拌するこ
とによって、コロイド溶液を作る。コロイド粒は、0.
1μmほどの非常に小さなものが望ましく、この状態で
は、通常の可視光を散乱しないため、見た目はコロイド
溶液のように見えないこともある。
【0024】このコロイド溶液を、透明電極を形成した
基板やポリマーシートなどに、印刷法、スピンコート
法、ディッピング法または蒸着法などによって、薄く塗
布する。その後、溶剤を揮発させて、コロイド溶液を硬
化させる。この状態でコロイド粒は膜中に一時閉じ込め
られる。
【0025】次に、その上から、他の樹脂などを、印刷
法やスピンコート法などによって薄く塗布してから、硬
化させる。このような2種の膜の形成を交互に繰り返し
て、膜を数10層に渡って積層する。
【0026】次に、第1の膜のコロイド粒中に閉じ込め
られた液体を、真空乾燥や加熱乾燥などによって揮発さ
せる。この段階で、少なくとも第1の膜は、ポーラスな
膜となっており、高分子などによる骨格のみが残ってス
ポンジ状になる。この第1の膜は、電気的圧力や機械的
圧力によって弾性変形させることが可能で、第1誘電体
層となる。また、残った骨格が少ない場合には、この第
1誘電体層の屈折率は空気層のそれに近い値を示し、可
視光に対して1.1程度の屈折率を実現することも可能
である。
【0027】一方、コロイド状でない第2の膜は、通常
1.5程度の屈折率を持つものとなり、第2誘電体層を
構成する。したがって、第1誘電体層と第2誘電体層と
の間で比較的大きな屈折率差が得られる。
【0028】多層膜に電気的圧力を加える場合には、こ
のように作成した多層膜の上に、透明電極を形成した基
板を重ねる。すなわち、多層膜を2枚の透明電極付き基
板で挟むようにする。圧電素子などによって多層膜に機
械的圧力を加える場合には、上下に電極を設ける必要は
なく、上記のポリマーシートなどの上に、このように多
層膜を形成するだけでよい。
【0029】このように作成した調光素子に、電圧を印
加し、または圧電素子などにより機械的圧力を加えるこ
とによって、多層膜全体の膜厚を変化させ、積層周期を
変えることができる。この場合、上下の電極間に電圧を
印加するときには、電極間の引力によって多層膜全体を
縮めることができる。そして、電圧などを印加する前の
状態で積層周期を適切に設定すれば、誘電体多層膜と同
様に任意の可視領域の波長の光を反射させることができ
る。
【0030】また、上下の電極に同極性の電荷を注入す
ることによって、斥力のクーロン力を発生させて、多層
膜を引き延ばすことも可能であり、その場合には、注入
電荷量の増加に伴って多層膜全体の膜厚が大きくなるに
つれて、反射ピーク波長が長波長側にシフトするように
なる。
【0031】以上のように、多層膜の積層周期を変化さ
せることによって、干渉反射の波長を変化させることが
できる。また、多層膜の設計によっては、電圧の印加に
よって反射を低減させることも可能で、この場合には、
印加電圧に応じて反射光量が変化するので、階調表示が
可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕図1〜図3は、この発明の調光装置
の第1の実施形態を示す。上述したように、図1は電圧
を印加しないとき、図2は低電圧を印加したとき、図3
は高電圧を印加したときである。
【0033】この実施形態では、ガラス基板11上にI
TOからなる透明電極12を形成し、透明電極12上に
ポリイミド膜13を形成し、ポリイミド膜13上に第1
誘電体層31と第2誘電体層32とが交互に積層された
多層膜30を形成し、多層膜30上にポリイミド膜23
を形成し、ポリイミド膜23上にITOからなる透明電
極22を形成する。
【0034】以下に、この調光装置の製造方法の一例を
示す。まず、ガラス基板11上に、ITOをスパッタ法
または蒸着法で50nm着膜し、フォトリソ工程で所定
パターンにして、透明電極12を形成する。
【0035】次に、この透明電極12が形成されたガラ
ス基板11上に、低温で硬化するポリイミドを、印刷法
またはスピナーで回転塗布し、熱工程を通して0.2μ
m厚のポリイミド膜13を形成する。これによって、I
TOが複雑にパターニングされていても、ガラス基板1
1の表面を平坦化できる。また、電極間の絶縁を向上さ
せ、信頼性を上げることができる。さらに、このように
ポリイミドを塗布しておくことによって、次に塗布する
物質がガラス基板11によってはじかれないようにな
る。
【0036】次に、ポリビニルシンナメートを溶剤シク
ロヘキサンに1対10の割合で溶かす。その後、純水を
ポリビニルシンナメートに対して10対1の割合となる
ように混合し、さらに撹拌して、コロイド溶液を作成す
る。撹拌が十分でないと、コロイド粒子である水滴の径
が1μmオーダーとなって、コロイド溶液は白濁する
が、十分撹拌することによって、0.05μmほどのコ
ロイド粒が形成されて、コロイド溶液は見た目には透明
となる。
【0037】このように作成したコロイド溶液を、印刷
法で、上記のように透明電極12が形成され、ポリイミ
ド膜13が形成されたガラス基板11上に塗布する。印
刷に際して、液晶表示装置の配向膜を形成する際に用い
られる配向膜印刷機を使用することによって、0.05
μm程度の膜厚の形成が可能である。
【0038】コロイド溶液の塗布厚は、最終的に溶剤が
揮発したとき、膜厚が0.19μmほどになる程度に調
整する。このとき、純水は0.05〜0.2μm大のボ
ール状になって膜中に閉じ込められるため、膜はそれ自
身、自立し、ポリビニルシンナメートは、薄皮のように
なってボール状の水滴を覆い包む。
【0039】次に、ポリビニルシンナメートを溶剤シク
ロヘキサンに溶かした溶液を作成する。ただし、この溶
液は水分を含まないようにする。この溶液を、上記の水
分を含んだポリビニルシンナメートの薄膜上に、印刷法
で重ね塗りする。この際、溶剤を揮発させた状態での水
分を含まないポリビニルシンナメートの膜厚が0.19
μmほどになるように、溶液の塗布厚を調整する。
【0040】さらに、上記の重ね塗り工程を20回繰り
返して、水分を含んだポリビニルシンナメート薄膜と水
分を含まないポリビニルシンナメート薄膜とが交互に積
層された多層膜を形成する。
【0041】次に、この多層膜全体を10時間ほどかけ
て加熱し、真空乾燥させる。これによって、水分を含ん
だポリビニルシンナメート薄膜中の水分が抜け出る。
【0042】その結果、水分が抜けたポリビニルシンナ
メートを骨格とするポーラスな膜からなる第1誘電体層
31と、ポリビニルシンナメート薄膜からなる第2誘電
体層32とが、交互に積層された多層膜30が形成され
る。多層膜30全体の膜厚は4μmほどになる。
【0043】水分が抜けたポーラスな第1誘電体層31
は、ポリビニルシンナメートが骨格として残っているた
め、弾力性のある膜となり、多層膜30全体として、機
械的圧力や電気的引力または電気的斥力によって弾性変
形する。
【0044】このように形成した多層膜30上に、ポリ
イミドを塗布してポリイミド膜23を形成し、さらにポ
リイミド膜23上に、ITOを着膜して透明電極22を
形成する。ITOを着膜する代わりに、透明電極付き高
分子膜で被覆し、または透明電極付きガラス基板を取り
付けてもよい。
【0045】上記の方法で作成した調光装置では、水分
が抜けたポリビニルシンナメートを骨格とするポーラス
な第1誘電体層31は、ほとんどが空気層となり、その
可視光に対する屈折率の平均は1.1である。一方、ポ
リビニルシンナメート自体の可視域における屈折率は
1.5である。したがって、第1誘電体層31と第2誘
電体層32との屈折率差は0.4という大きな値にな
り、この大きな屈折率差によって高い反射率の多重干渉
反射を生じる。
【0046】上記の例は20回の重ね塗りをする場合で
あるが、さらに多層に塗布することによって反射特性を
向上させることができる。
【0047】上記の調光装置で、図2に示すように電極
12,22間に電圧を印加すると、電極12,22が互
いに引き合って、第1誘電体層31が弾性変形し、多層
膜30全体の膜厚が小さくなって、図1のように電圧が
印加されていないときには赤外域に存在した多層膜30
の反射ピーク波長が、赤の領域にシフトする。さらに、
図3のように印加電圧を高くすると、反射ピーク波長は
青色方向にシフトする。ただし、印加電圧と反射ピーク
波長との関係、および反射ピークでの反射率は、多層膜
30の設計によって任意に調整することができる。
【0048】このように、第1の実施形態の調光装置で
は、電極12,22間に印加する電圧によって、反射ピ
ーク波長を変化させることができ、一画素で任意の色を
表示することができる。また、多層膜30の設計によっ
ては、ある電圧では反射率を減少させることも可能で、
電圧による光スイッチングも可能である。
【0049】〔第2の実施形態〕図7は、この発明の調
光装置の第2の実施形態を示し、調光素子に圧電素子を
配設し、その圧電素子によって調光素子の多層膜に機械
的圧力を加える場合である。
【0050】この実施形態では、透明基板41の一面上
に、上述したような方法によって、ポーラスな膜からな
る弾性変形する第1誘電体層31と弾性変形しない第2
誘電体層32とが交互に積層された多層膜を形成する。
上述したように、電極は必要ない。
【0051】一方、基板42上に、圧電素子本体51に
対して電極52,53を形成した圧電素子50を設け、
その圧電素子50を透明基板41上の多層膜と接触させ
るように、基板42を連結体43,44によって透明基
板41に連結する。
【0052】そして、圧電素子50の電極52,53間
に電圧を印加して、圧電素子50を変形させ、その圧電
素子50からの機械的圧力により、多層膜の第1誘電体
層31を弾性変形させて、多層膜全体の膜厚を変化さ
せ、積層周期を変えて、干渉反射の波長を変化させる。
【0053】
【発明の効果】上述したように、この発明の調光素子に
よれば、電圧などの外部刺激によって一画素での表示色
が変化する反射型カラー表示装置を実現することができ
る。また、多層膜を適切に設計することによって、電圧
の印加により反射率を減少させることができ、電圧によ
る色のオンオフや階調表示が可能となる。したがって、
この発明の調光素子を3層積層することによって、フル
カラー表示の反射型カラー表示装置を実現することもで
きる。
【0054】また、この発明の調光素子は、フィルタと
して利用することも可能で、レーザ光などの波長が狭い
光に対しても、電圧によって透過光量を変化させること
ができ、単色光のスイッチングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の調光装置の第1の実施形態の電圧無
印加時の状態を示す図である。
【図2】この発明の調光装置の第1の実施形態の低電圧
印加時の状態を示す図である。
【図3】この発明の調光装置の第1の実施形態の高電圧
印加時の状態を示す図である。
【図4】この発明の調光素子における印加電圧に対する
多層膜の変形率の関係を示す図である。
【図5】この発明の調光素子における印加電圧による反
射スペクトルの変化の例を示す図である。
【図6】この発明の調光素子における印加電圧に対する
反射ピーク波長の関係の例を示す図である。
【図7】この発明の調光装置の第2の実施形態を示す図
である。
【符号の説明】
11 ガラス基板 12,22 透明電極 13,23 ポリイミド膜 30 多層膜 31 第1誘電体層 32 第2誘電体層 41 透明基板 50 圧電素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曳地 丈人 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなか い 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 二宮 正伸 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなか い 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 馬場 和夫 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなか い 富士ゼロックス株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部刺激によって弾性変形する第1誘電体
    層と、これに対して屈折率の異なる第2誘電体層とが交
    互に積層され、前記第1誘電体層と前記第2誘電体層と
    の屈折率差による光干渉によって反射を生じることを特
    徴とする調光素子。
  2. 【請求項2】請求項1の調光素子において、前記第1誘
    電体層がポーラス状であることを特徴とする調光素子。
  3. 【請求項3】請求項1または2の調光素子を対の電極で
    挟持し、その対の電極間に電圧を印加することにより前
    記第1誘電体層を弾性変形させて、干渉反射の波長を変
    化させることを特徴とする調光装置。
  4. 【請求項4】請求項1または2の調光素子に圧電素子を
    配設し、その圧電素子に電圧を印加することにより前記
    第1誘電体層を弾性変形させて、干渉反射の波長を変化
    させることを特徴とする調光装置。
JP22503297A 1997-08-21 1997-08-21 調光素子および調光装置 Pending JPH1164896A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005327919A (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Seiko Epson Corp デバイスの製造方法及びデバイス、電気光学素子、プリンタ
KR20190035279A (ko) * 2017-09-26 2019-04-03 서강대학교산학협력단 실시간 색변화가 가능한 유연 소재 기반의 광결정 구조

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