JPH1164218A - 体液成分の濃度の定量方法 - Google Patents

体液成分の濃度の定量方法

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JPH1164218A
JPH1164218A JP22996097A JP22996097A JPH1164218A JP H1164218 A JPH1164218 A JP H1164218A JP 22996097 A JP22996097 A JP 22996097A JP 22996097 A JP22996097 A JP 22996097A JP H1164218 A JPH1164218 A JP H1164218A
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Masami Oka
雅美 岡
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体組織や体液のような刻々と変動する外乱
要因の考慮を行うことで精度よく体液成分の濃度の定量
分析を行う。 【解決手段】 近赤外領域における光の吸収を利用した
生体組織中あるいは体液中の体液成分の濃度の定量方法
である。体液成分分子中のCH基由来の吸収を測定する
ための第1の波長域と、OH基由来の吸収を測定するた
めの第2の波長域と、NH基由来の吸収を測定するため
の第3の波長域の3つの波長域における少なくとも第1
の波長域または第1の波長域と他の波長域の組み合わせ
を利用して体液成分濃度の定量を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、健康管理や疾病の
冶療のため生体組織中の体液成分の濃度、あるいは血
液、血清、血漿、細胞液、唾液、涙、汗、尿などの体液
中の体液成分の濃度を測定する定量方法に関するもので
あり、特に、近赤外領域における分光分析手法を用いる
体液成分の濃度の定量方法に関するものである。なお体
液成分には、総タンパク質、アルブミン、グロブリン、
総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレ
ステロール、遊離コレステロール、中性脂肪、りん脂
質、リポ蛋白、尿素、尿酸、アルコール、アルデヒドな
どがある。
【0002】
【従来の技術】近赤外分光分析は、試料に特別な操作を
行う必要がなく、非破壊で迅速な計測ができることか
ら、近年、農業や食品、石油化学をはじめ様々な分野で
利用されるようになっている。近赤外領域での分光分析
は、中赤外領域における分光分析と比較すると、一般に ・近赤外領域では水の吸収スペクトルが小さいので中赤
外領域では難しい水溶液系の分析が可能である ・生体を透過する能力が高い ・測定に際して特別な試料を調製する必要がない場合が
多いといった長所を有する反面、中赤外領域での分析が
分子の基準振動に由来する吸収をとらえるのに対して、
近赤外領域では分子振動の非調和性に起因して観察され
る基準振動の倍音または結合音をとらえることになる上
に、近赤外領域での吸収は水素原子が関与するCH基、
OH基、NH基のような非調和性の大きい分子振動によ
り生じるものであることから、 ・信号レベルが中赤外領域と比較して100分の1程度
と小さい ・CH基、OH基、NH基は生体において普遍的な存在
であり、この分子結合の信号をとらえることになるの
で、吸収ピークの帰属が明確でないことが多いといった
短所がある。この短所のために、近赤外領域での定量あ
るいは定性分析を行う場合、中赤外における分析のよう
にピーク位置やピーク高さによる分析手法では正確な分
析を行うことが難しい。
【0003】この間題を解決するために、近年、測定ス
ペクトルを統計解析手法、たとえば、線形重回帰分析
(MLR)、主成分回帰分析、PLS(Partial
Least Square)回帰分析といった多変量
解析手法を用いて分析する手法、いわゆるケモメトリク
スと呼ばれる手法が用いられている。この手法はパーソ
ナルコンピュータの発達とともに急速に普及してきた分
析手法であり、数値解析を利用した統計的手法により近
赤外領域でのSN比の小さい吸収信号でも、実用に供す
る定量・定性分析が可能となる。
【0004】このような背景をもとに、近赤外光を用い
た生体中の体液成分濃度の定量が近年非常に注目されて
いる。採血を必要としない非侵襲的な定量が可能となる
ためであるが、その中で代表的なものとして以下のよう
なものがある。米国特許第5,246,004号明細
書:近赤外コレステロールセンサこの米国特許では、コ
レステロールによる吸収波長である1620nmから1
820nmより選択される少なくとも1波長と、それか
ら約100nm離れた領域から選択される少なくとも1
参照波長との、少なくとも2波長からコレステロールを
定量することが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図1に数種類
の体液成分の固体(粉末)状態の吸収スペクトル(図中
イはグリコース、ロはアルブミン、ハはコレステロー
ル、ニは中性脂肪である)を示しているが、1620n
mから1820nmにはコレステロール以外にもアルブ
ミン(タンパク質)、中性脂肪、グルコースの吸収ピー
ク(CH基由来のもの)が混在していることが分かる。
よって、1620nmから1820nmより少なくとも
1波長のみ選択することや、参照波長を約100nm離
れた領域から選択することは、他の体液成分の寄与が考
慮されておらず、コレステロール濃度を定量することは
実用的には不可能であると考える。
【0006】体液成分の中でもコレステロールの定量に
ついて上述したが、従来技術はおおむね参照波長の吸収
に対する各体液成分波長の吸収で生体中の各体液成分の
濃度の定量を行おうというものである。しかしながら、
近赤外領域での吸収スペクトルは、上述のようにOH
基、NH基、CH基のような体液成分が基本的に持って
いる分子によって生じること、またピークが不明瞭なブ
ロード状態で吸収が観察されることから、ある波長にお
ける吸収信号は程度の差はあるものの様々な体液成分の
吸収が重畳していると考えるべきである。
【0007】本発明は、このような知見に基づき、体液
成分の濃度の定量に際して、生体組織や体液のような刻
々と変動する外乱要因の考慮を行うことで精度よく体液
成分の濃度の定量分析を行うことができる定量方法を提
供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかして本発明に係る体
液成分濃度の定量方法は、近赤外領域における光の吸収
を利用した生体組織中あるいは体液中の体液成分の濃度
の定量方法であり、体液成分分子中のCH基由来の吸収
を測定するための第1の波長域と、OH基由来の吸収を
測定するための第2の波長域と、NH基由来の吸収を測
定するための第3の波長域の3つの波長域の測定結果の
うちの少なくとも第1の波長域または第1の波長域と他
の波長域との組み合わせによって体液成分濃度の定量を
行うことに特徴を有している。近赤外領域における体液
成分のCH基由来の吸収を測定するための波長域と、O
H基由来の吸収を測定するための波長域と、NH基由来
の吸収を測定するための波長域の少なくとも3つ波長域
での測定結果より、生体中の体液成分濃度の定量を行う
ものであり、多くの体液成分に含まれるCH基由来の吸
収を用いる上に、外乱としての体液成分を考慮したもの
となっていることから、体液成分濃度の定量の精度を大
きく向上させることができる。
【0009】上記波長域は、分子の第1倍音が観察でき
る波長領域内で、体液成分分子中のCH基由来の吸収を
測定するための第1の波長域を1640nmから188
0nm、OH基由来の吸収を測定するための第2の波長
域を1535nmから1645nm、NH基由来の吸収
を測定するための第3の波長域を1480nmから15
45nmとするとよく、また分子の第2倍音が観察でき
る波長領域内で、体液成分分子中のCH基由来の吸収を
測定するための第1の波長域を1125nmから130
0nm、OH基由来の吸収を測定するための第2の波長
域を1050nmから1130nm、NH基由来の吸収
を測定するための第3の波長域を1000nmから10
70nmとするとよい。
【0010】生体組織中あるいは体液中のタンパク質濃
度の定量に際しては、第1の波長域からは1685±1
0nmあるいは1742±10nmより少なくとも1波
長あるいは1波長帯を選択して、第2の波長域あるいは
第3の波長域と組み合わせて、タンパク質濃度を定量す
るとよい。また、1685±10nmあるいは1742
±10nmより選択した1波長と、1471±10nm
あるいは1483±10nmあるいは1495±10n
mあるいは1521±10nmあるいは1545±10
nmあるいは1580±10nmあるいは1612±1
0nmあるいは1661±10nmあるいは1707±
10nmあるいは1721±10nmあるいは1728
±10nmあるいは1754±10nmあるいは176
6±10nmより選択した1波長の、少なくとも2波長
あるいは2波長帯を選択して、タンパク質濃度を定量す
るとさらによい。
【0011】これとは別に、生体組織中あるいは体液中
のタンパク質濃度の定量に際して、分子の第1倍音が観
察できる波長領域内で、複数試料の定量分析で測定した
連続スペクトルを主成分回帰分析あるいはPLS回帰分
析あるいはそれに準ずる多変量解析による分析を行って
算出された複数の主成分因子に対する回帰係数がとる正
のピーク周辺の波長付近より選択した1波長と、回帰係
数同士の交点付近の波長または回帰係数がとる変曲点周
辺の波長より選択した1波長の少なくとも2波長あるい
は2波長帯を選択し、多変量解析することによりタンパ
ク質濃度の定量を行うことも好適な結果を得られる。
【0012】生体組織中あるいは体液中のコレステロー
ル濃度の定量に際しては、第1の波長域からは、170
7±10nmより選択した1波長と、1661±10n
mあるいは1668±10nmあるいは1679±10
nmあるいは1685±10nmあるいは1721±1
0nmあるいは1728±10nmあるいは1742±
10nmあるいは1754±10nmより選択した1波
長の少なくとも2波長あるいは2波長帯を選択して、第
2の波長域あるいは第3の波長域と組み合わせて、コレ
ステロール濃度を定量するとよい。また、第1の波長域
からは、1707±10nmより選択した1波長と、1
661±10nmあるいは1668±10nmあるいは
1679±10nmあるいは1685±10nmあるい
は1721±10nmあるいは1728±10nmある
いは1742±10nmあるいは1754±10nmよ
り選択した1波長の、少なくとも2波長あるいは2波長
帯を選択し、第2の波長域からは1580±10nmあ
るいは1592 ±10nmより選択し、第3の波長域
からは1521±10nmあるいは1526±10nm
より選択して、少なくとも第1の波長域を利用して、第
2の波長域あるいは第3の波長域と組み合わせて、コレ
ステロール濃度を定量するとさらによい。
【0013】生体組織中あるいは体液中の中性脂肪濃度
の定量に際しては、第1の波長域からは、1728±1
0nmより選択した1波長と、1661±10nmある
いは1668±10nmあるいは1685±10nmあ
るいは1690±10nmあるいは1696±10nm
あるいは1707±10nmあるいは1721±10n
mあるいは1737±10nmあるいは1742±10
nmあるいは1754±10nmより選択した1波長の
少なくとも2波長あるいは2波長帯を選択して、第2の
波長域あるいは第3の波長域と組み合わせて、中性脂肪
濃度を定量するとよい。また、第1の波長域からは、1
728±10nmより選択した1波長と、1661±1
0nmあるいは1668±10nmあるいは1685±
10nmあるいは1690 ±10nmあるいは169
6±10nmあるいは1707±10nmあるいは17
21±10nmあるいは1737±10nm あるいは
1742±10nmあるいは1754±10nmより選
択した1波長の、少なくとも2波長あるいは2波長帯を
選択し、第2の波長域からは1580±10nmあるい
は1592±10nmより選択し、第3の波長域からは
1521±10nmあるいは1526±10nmより選
択して、少なくとも第1の波長域を利用して、第2の波
長域あるいは第3の波長域と組み合わせて、中性脂肪濃
度を定量するとさらによい。
【0014】これとは別に、生体組織中あるいは体液中
のコレステロールあるいは中性脂肪濃度の定量に際し、
分子の第1倍音が観察できる波長領域内で、複数試料の
定量分析で測定した連続スペクトルを主成分回帰分析あ
るいはPLS回帰分析あるいはそれに準ずる多変量解析
による分析を行って算出された複数の主成分因子に対す
る回帰係数が第1の波長域においてとる正のピーク周辺
の波長付近より選択した1波長と、第1の波長域におい
てとる回帰係数同士の交点付近の波長または回帰係数が
とる変曲点周辺の波長より選択した1波長の少なくとも
2波長あるいは2波長帯を選択し、多変量解析すること
によりコレステロールあるいは中性脂肪濃度の定量を行
うことも好適な結果を得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
−実験1(第1倍音)− 牛血清中のグルコース、タンパク質、コレステロール、
中性脂肪、水の5成分を変動させ、それら牛血清の近赤
外光の分子の第1倍音が観察できる波長領域の連続スペ
クトルを測定し、タンパク質、コレステロール、中性脂
肪の定量を行った。なおタンパク質としてアルブミンを
用いた(アルブミンを選択した理由は、血液中に存在す
るもっとも一般的なタンパク成分であることに加え、生
体を構成するタンパク成分の特性を推定する情報が得ら
れると考えられるからである)。試料は試料中の ・グルコース濃度:30mg/dl,130mg/d
l,230mg/dl,430mg/dl,830mg
/dlの5水準、・アルブミン濃度が1.8g/dl,
2.4g/dl,3.0g/dl,4.2g/dlの4
水準 ・コレステロール濃度:50mg/dl,130mg/
dl,200mg/dl,360mg/dlの4水準 ・中性脂肪濃度:10mg/dl,130mg/dl,
240mg/dl,470mg/dlの4水準 となるように16種類の組合せをピックアップし試料を
作成した。
【0016】スペクトル測定は、1mm厚のガラス製セ
ルに試料を入れ、ニコレー社製マグナ850を用いて、
加算平均128回、レゾルーション16とし、検出器D
TGSKBr、白色光源の条件で、1250nmから1
850nmの波長域を連続スペクトルとして測定した。
1試料につき5回ずつ測定したのでデータ数は、16試
料×5回測定=80データとなる。解析は市販の多変量
解析ソフトウェアを用いて吸光度に変換したスペクトル
データにて行った。
【0017】説明変量を第1倍音領域の1250nmか
ら1850nmの吸光度、目的変量をアルブミン濃度と
してPLS回帰分析を行って得られた7主成分の回帰係
数の変動を図2に、目的変量をコレステロール濃度とし
てPLS回帰分析を行って得られた10主成分の回帰係
数の変動を図3に、目的変量を中性脂肪濃度としてPL
S回帰分析を行って得られた10主成分の回帰係数の変
動を図4に、それぞれ示す。
【0018】−CH基の1波長域のみの例1(連続波
長)− 説明変量を、CH基の波長域である1640nmから1
850nmの吸光度としてPLS回帰分析を行った。ア
ルブミン濃度定量の結果は主成分数4での推定で、検量
線作成の相関係数0.997、標準誤差SEP0.06
2g/dl、検量線検定の相関係数0.996、標準誤
差SEP0.067g/dlであった。
【0019】コレステロール濃度定量の結果は主成分数
6での推定で、検量線作成の相関係数0.998、標準
誤差SEP7.70mg/dl、検量線検定の相関係数
0.997、標準誤差SEP8.75mg/dlであっ
た。中性脂肪濃度定量の結果は主成分数6での推定で、
検量線作成の相関係数0.996、標準誤差SEP1
5.58mg/dl、検量線検定の相関係数0.99
5、標準誤差SEP17.66mg/dlであった。
【0020】−CH基の1波長域のみの例2(数波長)
− 目的変量をアルブミン濃度、説明変量を1661,16
85nmの2波長の吸光度として線形重回帰分析(ML
R)を行った結果、アルブミン濃度定量の相関係数0.
953であった。説明変量を1742,1754nmの
2波長とすると、アルブミン濃度定量の相関係数0.9
58であった。説明変量を1661,1685,175
4nmの3波長とすると、アルブミン濃度定量の相関係
数0.998であった。前記波長は、図2に示す7主成
分の回帰係数の、CH基の波長域である1640nmか
ら1880nmでの変動に基づき選択した。1685n
mと1742nmは回帰係数の極大値を示す波長とし
て、1661nmと1754nmは複数の主成分因子に
よる回帰係数が交わる波長として選択した。
【0021】目的変量をコレステロール濃度、説明変量
を1707,1728nmの2波長の吸光度として線形
重回帰分析(MLR)を行った結果、コレステロール濃
度定量の相関係数0.872であった。説明変量を16
79,1707nmの2波長とすると、コレステロール
濃度定量の相関係数0.859であった。説明変量を1
679,1707,1728nmの3波長とすると、コ
レステロール濃度定量の相関係数0.987であった。
前記波長は、図3に示す10主成分の回帰係数の、CH
基の波長域である1640nmから1880nmでの変
動に基づき選択した。1679nmと1728nmは回
帰係数の極小値を示す波長として、1707nmは回帰
係数の極大値を示す波長として選択した。
【0022】目的変量を中性脂肪濃度、説明変量を16
96,1728nmの2波長の吸光度として線形重回帰
分析(MLR)を行った結果、中性脂肪濃度定量の相関
係数0.915であった。説明変量を1690,172
8nmの2波長とすると、中性脂肪濃度定量の相関係数
0.903であった。説明変量を1707,1728,
1742nmの3波長とすると、中性脂肪濃度定量の相
関係数0.970であった。前記波長は、図4に示す1
0主成分の回帰係数の、CH基の波長域である1640
nmから1880nmでの変動に基づき選択した。16
96nmと1742nmは回帰係数の極小値を示す波長
として、1728nmは回帰係数の極大値を示す波長と
して、1690nmと1707nmは複数の主成分因子
による回帰係数が交わる波長として選択した。
【0023】−CH基とOH基の2波長域の組み合わせ
の例1(連続波長)− 説明変量を、CH基とOH基の波長域である1535n
mから1850nm(1535nmから1645nmが
OH基、1640nmから1850nmがCH基)の吸
光度としてPLS回帰分析を行った。アルブミン濃度定
量の結果は主成分数5での推定で、検量線作成の相関係
数0.997、標準誤差SEP0.059g/dl、検
量線検定の相関係数0.996、標準誤差SEP0.0
65g/dlであった。
【0024】コレステロール濃度定量の結果は主成分数
8での推定で、検量線作成の相関係数0.998、標準
誤差SEP7.72mg/dl、検量線検定の相関係数
0.997、標準誤差SEP8.40mg/dlであっ
た。中性脂肪濃度定量の結果は主成分数8での推定で、
検量線作成の相関係数0.997、標準誤差SEP1
4.62mg/dl、検量線検定の相関係数0.99
5、標準誤差SEP17.20mg/dlであった。
【0025】−CH基とOH基の2波長域の組み合わせ
の例2(数波長)− 目的変量をアルブミン濃度、説明変量を1612,16
85nmの2波長の吸光度として線形重回帰分析(ML
R)を行った結果、アルブミン濃度定量の相関係数0.
802であった。説明変量を1580,1661,16
85nmの3波長の吸光度とすると、アルブミン濃度定
量の相関係数0.996であった。前記波長は、図2に
示す7主成分の回帰係数の変動に基づき、CH基(16
40nmから1850nm)とOH基(1535nmか
ら1645nm)の波長域各々から選択した。1580
nmと1685nmは回帰係数の極大値を示す波長とし
て、1612nmは回帰係数の極小値を示す波長とし
て、1661nmは複数の主成分因子による回帰係数が
交わる波長として選択した。
【0026】目的変量をコレステロール濃度、説明変量
を1580,1707,1728nmの3波長の吸光度
として線形重回帰分析(MLR)を行った結果、コレス
テロール濃度定量の相関係数0.924であった。説明
変量を1580,1679,1707,1728nmの
4波長とすると、コレステロール濃度定量の相関係数
0.991であった。前記波長は、図3に示す10主成
分の回帰係数の変動に基づき、CH基とOH基の波長域
各々から選択した。1580nmと1679nmと17
28nmは回帰係数の極小値を示す波長として、170
7nmは回帰係数の極大値を示す波長として選択した。
【0027】目的変量を中性脂肪濃度、説明変量を15
80,1696,1728nmの3波長の吸光度として
線形重回帰分析(MLR)を行った結果、中性脂肪濃度
定量の相関係数0.946であった。説明変量を158
0,1707,1728,1742nmの4波長とする
と、中性脂肪濃度定量の相関係数0.992であった。
前記波長は、図4に示す10主成分の回帰係数の変動に
基づき、CH基とOH基の波長域各々から選択した。1
580nmと1728nmは回帰係数の極大値を示す波
長として、1696nmと1742nmは回帰係数の極
小値を示す波長として、1707nmは複数の主成分因
子による回帰係数が交わる波長として選択した。
【0028】−CH基とNH基の2波長域の組み合わせ
の例1(連続波長)− 説明変量を、CH基とNH基の波長域である1480n
mから1545nmと1640nmから1850nm
(1480nmから1545nmがNH基、1640n
mから1850nmがCH基)の吸光度としてPLS回
帰分析を行った。アルブミン濃度定量の結果は主成分数
5での推定で、検量線作成の相関係数0.997、標準
誤差SEP0.061g/dl、検量線検定の相関係数
0.996、標準誤差SEP0.066g/dlであっ
た。
【0029】コレステロール濃度定量の結果は主成分数
8での推定で、検量線作成の相関係数0.994、標準
誤差SEP11.83mg/dl、検量線検定の相関係
数0.992、標準誤差SEP13.89mg/dlで
あった。中性脂肪濃度定量の結果は主成分数7での推定
で、検量線作成の相関係数0.991、標準誤差SEP
23.85mg/dl、検量線検定の相関係数0.98
6、標準誤差SEP29.27mg/dlであった。
【0030】図3と図4におけるNH基の波長域の回帰
係数の変動は不安定であるが、これはコレステロールと
中性脂肪はNH基を含まないため、コレステロールと中
性脂肪の定量においてNH基の波長域は、大して意味を
持たずノイズとなっていると考えられる。またこの波長
域が水の吸収域である1450nmに近いことも関係し
ていると思われる。よって、このNH基の波長域を説明
変数に用いると定量性は劣るようである。
【0031】−CH基とNH基の2波長域の組み合わせ
の例2(数波長)− 目的変量をアルブミン濃度、説明変量を1471,16
85nmの2波長の吸光度として線形重回帰分析(ML
R)を行った結果、アルブミン濃度定量の相関係数0.
871であった。説明変量を1521,1661,16
85nmの3波長の吸光度とすると、アルブミン濃度定
量の相関係数0.995であった。前記波長は、図2に
示す7主成分の回帰係数の変動に基づき、CH基(16
40nmから1850nm)とNH基(1480nmか
ら1545nm)の波長域で各々から選択した。147
1nmと1661nmは複数の主成分因子による回帰係
数が交わる波長として、1521nmと1685nmは
回帰係数の極大値を示す波長として選択した。
【0032】目的変量をコレステロール濃度、説明変量
を1521,1679,1707,1728nmの4波
長の吸光度として線形重回帰分析(MLR)を行った結
果、コレステロール濃度定量の相関係数0.992であ
った。前記波長は、図3に示す10主成分の回帰係数の
変動に基づき、CH基とNH基の波長域で各々から選択
した。1521nmは複数の主成分因子による回帰係数
が交わる波長として、1707nmは回帰係数の極大値
を示す波長として、1679nmと1728nmは回帰
係数の極小値を示す波長として選択した。
【0033】目的変量を中性脂肪濃度、説明変量を15
21,1707、1728,1742nmの4波長の吸
光度として線形重回帰分析(MLR)を行った結果、中
性脂肪濃度定量の相関係数0.994であった。前記波
長は、図4に示す10主成分の回帰係数の変動に基づ
き、CH基とNH基の波長域で各々から選択した。15
21nmと1707nmは複数の主成分因子による回帰
係数が交わる波長として、1728nmは回帰係数の極
大値を示す波長として、1742nmは回帰係数の極小
値を示す波長として選択した。
【0034】−CH基とOH基とNH基の3波長域の組
み合わせの例1(連続波長)− 説明変量を、CH基とOH基とNH基の波長域である1
480nmから1850nm(1480nmから154
5nmがNH基、1535nmから1645nmがOH
基、1640nmから1850nmがCH基)の吸光度
としてPLS回帰分析を行った。
【0035】アルブミン濃度定量の結果は主成分数5で
の推定で、検量線作成の相関係数0.996、標準誤差
SEP0.071g/dl、検量線検定の相関係数0.
995、標準誤差SEP0.078g/dlであった。
コレステロール濃度定量の結果は主成分数9での推定
で、検量線作成の相関係数0.998、標準誤差SEP
6.82mg/dl、検量線検定の相関係数0.99
6、標準誤差SEP10.01mg/dlであった。
【0036】中性脂肪濃度定量の結果は主成分数9での
推定で、検量線作成の相関係数0.997、標準誤差S
EP13.60mg/dl、検量線検定の相関係数0.
994、標準誤差SEP19.09mg/dlであっ
た。 −CH基とOH基とNH基の3波長域の組み合わせの例
2(数波長)− 目的変量をアルブミン濃度、説明変量を1521,15
80,1661,1685nmの4波長の吸光度として
線形重回帰分析(MLR)を行った結果、アルブミン濃
度定量の相関係数0.997であった。前記波長は、図
2に示す7主成分の回帰係数の変動に基づき、CH基
(1640nmから1850nm)とOH基(1535
nmから1645nm)とNH基(1480nmから1
545nm)の波長域で各々から選択した。1521n
mと1580nmと1685nmは回帰係数の極大値を
示す波長として、1661nmは複数の主成分因子によ
る回帰係数が交わる波長として選択した。
【0037】目的変量をコレステロール濃度、説明変量
を1521,1580,1679,1707,1728
nmの5波長の吸光度として線形重回帰分析(MLR)
を行った結果、コレステロール濃度定量の相関係数0.
992であった。前記波長は、図3に示す10主成分の
回帰係数の変動に基づき、CH基とOH基とNH基の波
長域で各々から選択した。1521nmは複数の主成分
因子による回帰係数が交わる波長として、1580nm
と1679nmと1728nmは回帰係数の極小値を示
す波長として、1707nmは回帰係数の極大値を示す
波長として選択した。
【0038】目的変量を中性脂肪濃度、説明変量を15
21,1580,1707,1728,1742nmの
5波長の吸光度として線形重回帰分析(MLR)を行っ
た結果、中性脂肪濃度定量の相関係数0.994であっ
た。前記波長は、図4に示す10主成分の回帰係数の変
動に基づき、CH基とOH基とNH基の波長域で各々か
ら選択した。1521nmと1707nmnmは複数の
主成分因子による回帰係数が交わる波長として、158
0nmと1728nmは回帰係数の極大値を示す波長と
して、1742nmは回帰係数の極小値を示す波長とし
て選択した。
【0039】特にコレステロールや中性脂肪において
は、説明変量が連続スペクトルでも数波長であっても、
CH基とOH基とNH基の3波長域を組み合わせた体液
成分の定量の精度は、CH基とOH基あるいはCH基と
NH基の2波長域を組み合わせた定量より、大きく向上
しているものではない。これは、図1に示した体液成分
の固体(粉末)状態の吸収スペクトルから分かるよう
に、アルブミンはCH基に大きな吸収を持ちOH基とN
H基にも吸収を持っているが、コレステロールや中性脂
肪はCH基にのみ大きな吸収を持ちOH基とNH基の吸
収は小さい。このため、コレステロールや中性脂肪の定
量においては、OH基とNH基の波長は、CH基の吸収
に対する参照波長域となっており、その参照波長域は2
つは必要ではないため、CH基とOH基とNH基の3波
長域を組み合わせた体液成分の定量の精度は、CH基と
OH基あるいはCH基とNH基の2波長域を組み合わせ
た定量と大して変わらないのであろうと考えている。
【0040】よって、より少ない波長あるいは波長帯か
らコレステロールや中性脂肪の定量を試みる場合は、C
H基とOH基とNH基の3波長域を測定する必要はな
く、CH基とOH基あるいはCH基とNH基の2波長域
で可能と考えている。 −その他の例− 説明変量を1580,1661,1685,1707,
1728nmの5波長の吸光度として線形重回帰分析
(MLR)を行った。アルブミン濃度定量の相関係数
0.996、コレステロール濃度定量の相関係数0.9
92、中性脂肪濃度定量の相関係数0.977であっ
た。
【0041】説明変量を1580,1707,172
8,1742,1754nmの5波長の吸光度として線
形重回帰分析(MLR)を行った。図8に示すアルブミ
ン濃度定量の相関係数0.994、図9に示すコレステ
ロール濃度定量の相関係数0.986、図10に示す中
性脂肪濃度定量の相関係数0.992であった。158
0nmはOH基由来の吸収を測定するための波長であ
り、図2および図4での極大点、図3での交点である。
1661,1685,1707,1728,1742,
1754nmはCH基由来の吸収を測定するための波長
であり、図2において1661,1707,1728,
1754nmは交点付近の波長であり、1685,17
42nmは極大点付近の波長である。図3において16
61,1707nmは極大点付近の波長であり、168
5,1742,1754nmは交点付近の波長であり、
1728nmは極小点付近の波長である。図4において
1661,1742nmは極小点付近の波長であり、1
685,1754nmは交点付近の波長であり、172
8nmは極大点付近の波長である。例えば、1728n
mは図2においては交点であり、図3においては極小点
であり、図4においては極大点であるように、図2、図
3、図4において変曲点あるいは交点として一致してい
る波長がある。
【0042】連続スペクトルではなく、数波長からでも
体液成分の定量が可能であることは先述したが、このよ
うに、複数の体液成分に意味のある数波長から、複数の
体液成分の定量が可能と考えられる。具体的に述べる
と、複数体液成分の複数試料の分析で測定した連続スペ
クトルを、各体液成分を目的変量として主成分回帰分析
あるいはPLS回帰分析して算出された複数の主成分因
子に対する回帰係数同士の変曲点および交点のうち、複
数の体液成分において一致している数波長を選択し、こ
れら数波長の吸光度を線形重回帰分析(MLR)するこ
とにより、複数の体液成分を同時に定量する。ただし、
例えばアルブミン、コレステロール、中性脂肪の3体液
成分を同時に定量する場合、図1に示すようにこれら3
体液成分はいずれもCH基の波長域に大きな吸収を有す
るので、CH基の波長域からは3波長以上選択するのが
望ましい。
【0043】−実験2(第2倍音)− 実験1と同一の実験系で、分子の第2倍音が観察できる
波長領域の測定として、1cm厚のガラス製セルに試料
を入れ、検出器MCT/A、白色光源の条件で、900
から1300nmの波長域を連続スペクトルとして測定
した。測定装置、多変量解析に用いたソフトウェアも実
験1と同一である。なお、本実験の第2倍音波長領域の
スペクトルはノイズが多いため、予め20nmの移動平
均による平滑化処理を行ったスペクトルで以降の解析を
行った。
【0044】説明変量を分子の第2倍音の900nmか
ら1300nmの吸光度、目的変量をアルブミン濃度と
してPLS回帰分析を行って得られた4主成分の回帰係
数の変動を図5に、目的変量をコレステロール濃度とし
てPLS回帰分析を行って得られた7主成分の回帰係数
の変動を図6に、目的変量を中性脂肪濃度としてPLS
回帰分析を行って得られた7主成分の回帰係数の変動を
図7に、それぞれ示す。
【0045】−CH基の1波長域のみの例− 説明変量を、CH基の波長域である1125nmから1
300nmの吸光度としてPLS回帰分析を行った。ア
ルブミン濃度定量の結果は主成分数5での推定で、検量
線作成の相関係数0.995、標準誤差SEP0.09
0g/dl、検量線検定の相関係数0.994、標準誤
差SEP0.098g/dlであった。
【0046】コレステロール濃度定量の結果は主成分数
7での推定で、検量線作成の相関係数0.940、標準
誤差SEP35.0mg/dl、検量線検定の相関係数
0.908、標準誤差SEP43.0mg/dlであっ
た。中性脂肪濃度定量の結果は主成分数7での推定で、
検量線作成の相関係数0.956、標準誤差SEP4
9.1mg/dl、検量線検定の相関係数0.934、
標準誤差SEP60.1mg/dlであった。
【0047】−CH基とOH基の2波長域の組み合わせ
の例− 説明変量を、CH基とOH基の波長域である1050n
mから1300nm(1050nmから1130nmが
OH基、1125nmから1300nmがCH基)の吸
光度としてPLS回帰分析を行った。アルブミン濃度定
量の結果は主成分数5での推定で、検量線作成の相関係
数0.994、標準誤差SEP0.097g/dl、検
量線検定の相関係数0.993、標準誤差SEP0.1
04g/dlであった。
【0048】コレステロール濃度定量の結果は主成分数
7での推定で、検量線作成の相関係数0.951、標準
誤差SEP31.7mg/dl、検量線検定の相関係数
0.919、標準誤差SEP40.6mg/dlであっ
た。中性脂肪濃度定量の結果は主成分数7での推定で、
検量線作成の相関係数0.962、標準誤差SEP4
5.8mg/dl、検量線検定の相関係数0.940、
標準誤差SEP57.6mg/dlであった。
【0049】−CH基とNH基の2波長域の組み合わせ
の例− 説明変量を、CH基とNH基の波長域である1000n
mから1070nmと1125nmから1300nm
(1000nmから1070nmがNH基、1125n
mから1300nmがCH基)の吸光度としてPLS回
帰分析を行った。アルブミン濃度定量の結果は主成分数
5での推定で、検量線作成の相関係数0.993、標準
誤差SEP0.107g/dl、検量線検定の相関係数
0.992、標準誤差SEP0.113g/dlであっ
た。
【0050】コレステロール濃度定量の結果は主成分数
7での推定で、検量線作成の相関係数0.954、標準
誤差SEP30.7mg/dl、検量線検定の相関係数
0.924、標準誤差SEP39.3mg/dlであっ
た。中性脂肪濃度定量の結果は主成分数7での推定で、
検量線作成の相関係数0.962、標準誤差SEP4
5.5mg/dl、検量線検定の相関係数0.940、
標準誤差SEP57.5mg/dlであった。
【0051】−CH基とOH基とNH基の3波長域の組
み合わせの例− 説明変量を、CH基とOH基とNH基の波長域である1
000nmから1300nm(1000nmから107
0nmがNH基、1050nmから1130nmがOH
基、1125nmから1300nmがCH基)の吸光度
としてPLS回帰分析を行った。
【0052】アルブミン濃度定量の結果は主成分数4で
の推定で、検量線作成の相関係数0.989、標準誤差
SEP0.130g/dl、検量線検定の相関係数0.
988、標準誤差SEP0.138g/dlであった。
コレステロール濃度定量の結果は主成分数7での推定
で、検量線作成の相関係数0.955 、標準誤差SE
P30.5mg/dl、検量線検定の相関係数0.92
3、標準誤差SEP39.5mg/dlであった。
【0053】中性脂肪濃度定量の結果は主成分数7での
推定で、検量線作成の相関係数0.963、標準誤差S
EP45.2mg/dl、検量線検定の相関係数0.9
38、標準誤差SEP58.1mg/dlであった。 −測定装置の例− 前記各例は汎用のFT−IT、FT−NIRやその他の
分光分析装置による定量分析を開示しているが、実際の
生体組織中の体液成分の分析も可能である。生体組織の
分析を行う手法の一例として表面近傍の化学成分分析用
光ファイババンドルを利用する方法がある。本手法で分
析に用いる光ファイババンドルは、深さ方向への光の到
達度合を光ファイバの中心間距離により設定でき、その
間隔を光ファイバ素線の径およびスペーサの関係から容
易に設定できるようにしている。生体組織の分析には前
記光ファイババンドルを図11のように被測定物の表面
にほぼ直角につき当てて行う(透過する光路が特定でき
れば直角に限るものではない)。発光ファイバより被測
定物に照射された光は隣接する受光ファイバへの光路
A、さらに離れた受光ファイバへの光路B、さらに離れ
た受光ファイバへの光路C等、様々な光路をとおった光
が受光ファイバに入射される。いま、光路A、B、Cの
光路長を比較すると本例においては同一径の光ファイバ
を受発光に用いているので光路B、Cは光路Aのほぼ2
倍、3倍と考えてよい。光学的に不透明で散乱の多い生
体等の物質中の光の透過は厳密にはLambert−B
eerの法則には従わないが、透過光量は光路長に応じ
て急激に減少し、光路長が2倍になると散乱状態によっ
ては1/10以下、3倍となるとさらにそれの1/10
以下となる程度となる。そのため、受光ファイバに集光
される透過光は基本的には直近の発光ファイバからの透
過光の和と考えてよいこととなる。
【0054】光ファイバは1本の光ファイバだけでなく
複数の光ファイバを束ねることにより受発光操作が容易
になることは周知の事実で、上述の光ファイバを図12
のように測定表面側の反対側の端部を発光ファイバ4
a、受光ファイバ4b同士で束ねて分岐させることで計
測に都合の良いファイババンドルが作製できる。このよ
うな受発光ファイババンドル4を用いると、特殊な受発
光部品を用いずとも通常のハロゲンランプや発光ダイオ
ード(LED)のような比較的光量の弱い光源、Siや
GeやInGaAs製のフォトダイオードのような通常
の受光素子を用いても、物質の表面近傍の化学組成を分
析するのに十分な光量あるいは、受光感度が得られる。
【0055】本発明に用いる光ファイバは直径が数μm
から数千μm(数mm)の光ファイバを用いることがで
きる。この中で特に、直径70μmから1000μmの
光ファイバの利用が適している。利用する光ファイバは
細いファイバを被覆して任意の線径としたものを用いる
ことで光路をシャープに限定できる。具体的な用途とし
て、人間の真皮中の化学成分の定量分析を行う場合につ
いて述べる。人間の真皮9bは300μm程度の厚さの
表皮9aと、多量の脂肪細胞からなる皮下組織9cに挟
まれた1mm程度の厚さ組織である。真皮中の化学成分
の分析には線径が100〜750μmの光ファイバーの
束を用いるのが適している。一例として線径が200μ
mの光ファイバーを用いて図13のような光ファイババ
ンドル4を作製して分光分析を行うことで、真皮中の化
学成分の分析が可能となる。
【0056】図12は150Wのハロゲンランプ1、前
記ハロゲンランプ1からの光の分光を行う回折格子を収
めた回折格子ユニット2、前記回折格子の回転角制御を
行い分光波長の調節を行うステッピングモータユニット
3、分光後の光を被測定物に伝え、その透過光を受光ユ
ニット5に送る光ファイババンドル4、受光ユニット5
からの信号をもとに数値解析を行い体液成分濃度の定量
を行う演算ユニット6から構成される。
【0057】受光ユニットでは受光感度域が0.9〜
2.1μmのInGaAs製のフォトダイオードの受光
信号を増幅後、AD変換し、マイクロコンピュータから
なる演算ユニットへ信号を伝達する。演算ユニットで行
われる体液成分濃度定量には1.25μm〜1.8μm
の近赤外領域に属する吸光スペクトルを利用し、多変量
解析を実施する。本例において多変量解析はPLS回帰
分析により得られる検量線(検量式)を用いた。上記検
量線は、予め本実施例の分析装置を用いた実験より得ら
れる。この実験は複数の被験者の皮膚組織から測定した
吸光スペクトルを説明変量とし、実測した真皮細胞液中
のグルコース濃度を目的変量としてPLS回帰分析する
ことにより得られる。
【0058】本例に用いた光ファイババンドル4はクラ
ッド径が200μmの受光用ファイバ4bおよび発光用
ファイバ4aを各50本を束ねたものを用いている。光
ファイババンドルは断面が正方形格子の格子点に配置さ
れた発光用光ファイバ素線(白)と最小単位の4本の発
光用光ファイバ素線で形成される正方形(図13で最小
単位の正方形は水平に対して45度傾いている)の対角
線の交点位置に受光用光ファイバ4bがくるように構成
されている。この光ファイババンドル4の端部Aを回折
格子ユニットへ、端部Cを受光ユニット5へ接続し、端
部Bを分析する皮膚へ直角に突き当てて計測を行う。端
部Bの押圧が測定時に一定圧力となるように圧力ゲージ
と押し治具を組み合わせてものを利用すれば精度の高い
測定ができる。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明においては、近赤外
領域における光の吸収を利用した生体組織中あるいは体
液中の体液成分の濃度の定量方法であり、体液成分分子
中のCH基由来の吸収を測定するための第1の波長域
と、OH基由来の吸収を測定するための第2の波長域
と、NH基由来の吸収を測定するための第3の波長域の
3つの波長域の測定結果のうちの少なくとも第1の波長
域または第1の波長域と他の波長域との組み合わせによ
って体液成分濃度の定量を行うものであり、多くの体液
成分に含まれるCH基由来の吸収を用いる上に、外乱と
しての体液成分のCH基由来の吸収あるいはOH基由来
の吸収あるいはNH基由来の吸収を考慮したものとなっ
ていることから、体液成分濃度の定量の精度を大きく向
上させることができるものである。
【0060】上記波長域は、分子の第1倍音が観察でき
る波長領域内で、体液成分分子中のCH基由来の吸収を
測定するための第1の波長域を1640nmから188
0nm、OH基由来の吸収を測定するための第2の波長
域を1535nmから1645nm、NH基由来の吸収
を測定するための第3の波長域を1480nmから15
45nmとすると良好な定量結果を得ることができ、ま
た分子の第2倍音が観察できる波長領域内で、体液成分
分子中のCH基由来の吸収を測定するための第1の波長
域を1125nmから1300nm、OH基由来の吸収
を測定するための第2の波長域を1050nmから11
30nm、NH基由来の吸収を測定するための第3の波
長域を1000nmから1070nmとすると良好な定
量結果を得ることができる。
【0061】生体組織中あるいは体液中のタンパク質濃
度の定量にあたっては、第1の波長域からは1685±
10nmあるいは1742±10nmより少なくとも1
波長あるいは1波長帯を選択して、第2の波長域あるい
は第3の波長域と組み合わせて、タンパク質濃度を定量
するとよい。また、1685±10nmあるいは174
2±10nmより選択した1波長と、1471±10n
mあるいは1483±10nmあるいは1495±10
nmあるいは1521±10nmあるいは1545±1
0nmあるいは1580±10nmあるいは1612±
10nmあるいは1661±10nmあるいは1707
±10nmあるいは1721±10nmあるいは172
8±10nmあるいは1754±10nmあるいは17
66±10nmより選択した1波長の少なくとも2波長
あるいは2波長帯を選択して、タンパク質濃度を定量す
るとさらによい。
【0062】これとは別に、生体組織中あるいは体液中
のタンパク質濃度の定量にあたっては、分子の第1倍音
が観察できる波長領域内で、複数試料の定量分析で測定
した連続スペクトルを主成分回帰分析あるいはPLS回
帰分析あるいはそれに準ずる多変量解析による分析を行
って算出された複数の主成分因子に対する回帰係数がと
る正のピーク周辺の波長付近より選択した1波長と、回
帰係数同士の交点付近の波長または回帰係数がとる変局
点周辺の波長より選択した1波長の少なくとも2波長あ
るいは2波長帯を選択し、多変量解析することによりタ
ンパク質濃度の定量を行うことも好適な結果を得られ
る。
【0063】生体組織中あるいは体液中のコレステロー
ル濃度の定量にあたっては、第1の波長域からは、17
07±10nmより選択した1波長と、1661±10
nmあるいは1668±10nmあるいは1679±1
0nmあるいは1685±10nmあるいは1721±
10nmあるいは1728±10nmあるいは1742
±10nmあるいは1754±10nmより選択した1
波長の少なくとも2波長あるいは2波長帯を選択して、
第2の波長域あるいは第3の波長域と組み合わせて、コ
レステロール濃度を定量するとよい。また、第1の波長
域からは、1707±10nmより選択した1波長と、
1661±10nmあるいは1668±10nmあるい
は1679±10nmあるいは1685±10nmある
いは1721±10nmあるいは1728±10nmあ
るいは1742±10nmあるいは1754±10nm
より選択した1波長の少なくとも2波長あるいは2波長
帯を選択し、第2の波長域からは1580±10nmあ
るいは1592±10nmより選択し、第3の波長域か
らは1521±10nmあるいは1526±10nmよ
り選択して、少なくとも第1の波長域を利用して、第2
の波長域あるいは第3の波長域と組み合わせてコレステ
ロール濃度を定量するとさらによい。
【0064】生体組織中あるいは体液中の中性脂肪濃度
の定量にあたっては、第1の波長域からは、1728±
10nmより選択した1波長と、1661±10nmあ
るいは1668±10nmあるいは1685±10nm
あるいは1690±10nmあるいは1696±10n
mあるいは1707±10nmあるいは1721±10
nmあるいは1737±10nmあるいは1742±1
0nmあるいは1754±10nmより選択した1波長
の少なくとも2波長あるいは2波長帯を選択して、第2
の波長域あるいは第3の波長域と組み合わせて、中性脂
肪濃度を定量するとよい。また、第1の波長域からは、
1728±10nmより選択した1波長と、1661±
10nmあるいは1668±10nmあるいは1685
±10nmあるいは1690±10nmあるいは169
6±10nmあるいは1707±10nmあるいは17
21±10nmあるいは1737±10nmあるいは1
742±10nmあるいは1754±10nmより選択
した1波長の少なくとも2波長あるいは2波長帯を選択
し、第2の波長域からは1580±10nmあるいは1
592±10nmより選択し、第3の波長域からは15
21±10nmあるいは1526±10nmより選択し
て、少なくとも第1の波長域を利用して、第2の波長域
あるいは第3の波長域と組み合わせて、中性脂肪濃度を
定量するとさらによい。
【0065】これとは別に、生体組織中あるいは体液中
のコレステロールあるいは中性脂肪濃度の定量にあたっ
ては、分子の第1倍音が観察できる波長領域内で、複数
試料の定量分析で測定した連続スペクトルを主成分回帰
分析あるいはPLS回帰分析あるいはそれに準ずる多変
量解析による分析を行って算出された複数の主成分因子
に対する回帰係数が、第1の波長域においてとる正のピ
ーク周辺の波長付近より選択した1波長と、第1の波長
域においてとる回帰係数同士の交点付近の波長または回
帰係数がとる変局点周辺の波長より選択した1波長の、
少なくとも2波長あるいは2波長帯を選択し、多変量解
析することによりコレステロールあるいは中性脂肪濃度
の定量を行うことも好適な結果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1倍音領域における体液成分の吸収スペクト
ル図である。
【図2】牛血清中のグルコース、アルブミン、コレステ
ロール、中性脂肪、水の5成分を変動させた実験系で
の、説明変量を第1倍音領域の1250nmから185
0nmの吸光度、目的変量をアルブミン濃度としてPL
S回帰分析を行って得られた7主成分の回帰係数の説明
図である。
【図3】牛血清中のグルコース、アルブミン、コレステ
ロール、中性脂肪、水の5成分を変動させた実験系で
の、説明変量を第1倍音領域の1250nmから185
0nmの吸光度、目的変量をコレステロール濃度として
PLS回帰分析を行って得られた10主成分の回帰係数
の説明図である。
【図4】牛血清中のグルコース、アルブミン、コレステ
ロール、中性脂肪、水の5成分を変動させた実験系で
の、説明変量を第1倍音領域の1250nmから185
0nmの吸光度、目的変量を中性脂肪濃度としてPLS
回帰分析を行って得られた10主成分の回帰係数の説明
図である。
【図5】牛血清中のグルコース、アルブミン、コレステ
ロール、中性脂肪、水の5成分を変動させた実験系で
の、説明変量を第2倍音領域の900nmから1300
nmの吸光度、目的変量をアルブミン濃度としてPLS
回帰分析を行って得られた4主成分の回帰係数の説明図
である。
【図6】牛血清中のグルコース、アルブミン、コレステ
ロール、中性脂肪、水の5成分を変動させた実験系で
の、説明変量を第2倍音領域の900nmから1300
nmの吸光度、目的変量をコレステロール濃度としてP
LS回帰分析を行って得られた7主成分の回帰係数の説
明図である。
【図7】牛血清中のグルコース、アルブミン、コレステ
ロール、中性脂肪、水の5成分を変動させた実験系で
の、説明変量を第2倍音領域の900nmから1300
nmの吸光度、目的変量を中性脂肪濃度としてPLS回
帰分析を行って得られた7主成分の回帰係数の説明図で
ある。
【図8】牛血清中のアルブミン濃度の実測値と、説明変
量を1580,1707,1728,1742,175
4nmの5波長の吸光度として線形重回帰分析(ML
R)により定量した推定値との相関関係の説明図であ
る。
【図9】牛血清中のコレステロール濃度の実測値と、説
明変量を1580,1707,1728,1742,1
754nmの5波長の吸光度として線形重回帰分析(M
LR)により定量した推定値との相関関係の説明図であ
る。
【図10】牛血清中の中性脂肪濃度の実測値と、説明変
量を1580,1707,1728,1742,175
4nmの5波長の吸光度として線形重回帰分析(ML
R)により定量した推定値との相関関係の説明図であ
る。
【図11】光ファイバーから生体組織へ照射された近赤
外光の光路の概念図である。
【図12】本発明において好適に用いられる装置の一例
の概略図である。
【図13】本発明において好適に用いられる光ファイバ
バンドルの断面図である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 近赤外領域における光の吸収を利用した
    生体組織中あるいは体液中の体液成分の濃度の定量方法
    であり、体液成分分子中のCH基由来の吸収を測定する
    ための第1の波長域と、OH基由来の吸収を測定するた
    めの第2の波長域と、NH基由来の吸収を測定するため
    の第3の波長域の3つの波長域の測定結果のうちの少な
    くとも第1の波長域または第1の波長域と他の波長域と
    の組み合わせによって体液成分濃度の定量を行うことを
    特徴とする体液成分の濃度の定量方法。
  2. 【請求項2】 上記波長域は、分子の第1倍音が観察で
    きる波長領域内で、体液成分分子中のCH基由来の吸収
    を測定するための第1の波長域を1640nmから18
    80nm、OH基由来の吸収を測定するための第2の波
    長域を1535nmから1645nm、NH基由来の吸
    収を測定するための第3の波長域を1480nmから1
    545nmとすることを特徴とする請求項1記載の体液
    成分の濃度の定量方法。
  3. 【請求項3】 生体組織中あるいは体液中のタンパク質
    濃度の定量に際して、第1の波長域からは1685±1
    0nmあるいは1742±10nmより少なくとも1波
    長あるいは1波長帯を選択して、第2の波長域あるいは
    第3の波長域と組み合わせて、タンパク質濃度を定量す
    ることを特徴とする請求項2記載の体液成分の濃度の定
    量方法。
  4. 【請求項4】 生体組織中あるいは体液中のタンパク質
    濃度の定量に際して、1685±10nmあるいは17
    42±10nmより選択した1波長と、1471±10
    nmあるいは1483±10nmあるいは1495±1
    0nmあるいは1521±10nmあるいは1545±
    10nmあるいは1580±10nmあるいは1612
    ±10nmあるいは1661±10nmあるいは170
    7±10nmあるいは1721±10nmあるいは17
    28±10nmあるいは1754±10nmあるいは1
    766±10nmより選択した1波長の、少なくとも2
    波長あるいは2波長帯を選択して、タンパク質濃度を定
    量することを特徴とする請求項3記載の体液成分の濃度
    の定量方法。
  5. 【請求項5】 生体組織中あるいは体液中のタンパク質
    濃度の定量に際して、分子の第1倍音が観察できる波長
    領域内で、複数試料の定量分析で測定した連続スペクト
    ルを主成分回帰分析あるいはPLS回帰分析あるいはそ
    れに準ずる多変量解析による分析を行って算出された複
    数の主成分因子に対する回帰係数がとる正のピーク周辺
    の波長付近より選択した1波長と、回帰係数同士の交点
    付近の波長または回帰係数がとる変曲点周辺の波長より
    選択した1波長の少なくとも2波長あるいは2波長帯を
    選択し、多変量解析することによりタンパク質濃度の定
    量を行うことを特徴とする請求項2記載の体液成分の濃
    度の定量方法。
  6. 【請求項6】 生体組織中あるいは体液中のコレステロ
    ール濃度の定量に際して、第1の波長域からは、170
    7±10nmより選択した1波長と、1661±10n
    mあるいは1668±10nmあるいは1679±10
    nmあるいは1685±10nmあるいは1721±1
    0nmあるいは1728±10nmあるいは1742±
    10nmあるいは1754±10nmより選択した1波
    長の少なくとも2波長あるいは2波長帯を選択して、第
    2の波長域あるいは第3の波長域と組み合わせてコレス
    テロール濃度を定量することを特徴とする請求項2記載
    の体液成分の濃度の定量方法。
  7. 【請求項7】 生体組織中あるいは体液中のコレステロ
    ール濃度の定量に際して、第1の波長域からは、170
    7±10nmより選択した1波長と、1661±10n
    mあるいは1668±10nmあるいは1679±10
    nmあるいは1685±10nmあるいは1721±1
    0nmあるいは1728±10nmあるいは1742±
    10nmあるいは1754±10nmより選択した1波
    長の少なくとも2波長あるいは2波長帯を選択し、第2
    の波長域からは1580±10nmあるいは1592±
    10nmより選択し、第3の波長域からは1521±1
    0nmあるいは1526±10nmより選択して、少な
    くとも第1の波長域を利用して、第2の波長域あるいは
    第3の波長域と組み合わせて、コレステロール濃度を定
    量することを特徴とする請求項6記載の体液成分の濃度
    の定量方法。
  8. 【請求項8】 生体組織中あるいは体液中の中性脂肪濃
    度の定量に際して、第1の波長域からは、1728±1
    0nmより選択した1波長と、1661±10nmある
    いは1668±10nmあるいは1685±10nmあ
    るいは1690±10nmあるいは1696±10nm
    あるいは1707±10nmあるいは1721±10n
    mあるいは1737±10nmあるいは1742±10
    nmあるいは1754±10nmより選択した1波長の
    少なくとも2波長あるいは2波長帯を選択して、第2の
    波長域あるいは第3の波長域と組み合わせて、中性脂肪
    濃度を定量することを特徴とする請求項2記載の体液成
    分の濃度の定量方法。
  9. 【請求項9】 生体組織中あるいは体液中の中性脂肪濃
    度の定量に際して、第1の波長域からは、1728±1
    0nmより選択した1波長と、1661±10nmある
    いは1668±10nmあるいは1685±10nmあ
    るいは1690±10nmあるいは1696±10nm
    あるいは1707±10nmあるいは1721±10n
    mあるいは1737±10nmあるいは1742±10
    nmあるいは1754±10nmより選択した1波長の
    少なくとも2波長あるいは2波長帯を選択し、第2の波
    長域からは1580±10nmあるいは1592±10
    nmより選択し、第3の波長域からは1521±10n
    mあるいは1526±10nmより選択して、少なくと
    も第1の波長域を利用して、第2の波長域あるいは第3
    の波長域と組み合わせて、中性脂肪濃度を定量すること
    を特徴とする請求項8記載の体液成分の濃度の定量方
    法。
  10. 【請求項10】 生体組織中あるいは体液中のコレステ
    ロールあるいは中性脂肪濃度の定量に際して、分子の第
    1倍音が観察できる波長領域内で、複数試料の定量分析
    で測定した連続スペクトルを主成分回帰分析あるいはP
    LS回帰分析あるいはそれに準ずる多変量解析による分
    析を行って算出された複数の主成分因子に対する回帰係
    数が第1の波長域においてとる正のピーク周辺の波長付
    近より選択した1波長と、第1の波長域においてとる回
    帰係数同士の交点付近の波長または回帰係数がとる変曲
    点周辺の波長より選択した1波長の少なくとも2波長あ
    るいは2波長帯を選択し、多変量解析することによりコ
    レステロールあるいは中性脂肪濃度の定量を行うことを
    特徴とする請求項2記載の体液成分の濃度の定量方法。
  11. 【請求項11】 上記波長域は、分子の第2倍音が観察
    できる波長領域内で、体液成分分子中のCH基由来の吸
    収を測定するための第1の波長域を1125nmから1
    300nm、OH基由来の吸収を測定するための第2の
    波長域を1050nmから1130nm、NH基由来の
    吸収を測定するための第3の波長域を1000nmから
    1070nmとすることを特徴とする請求項1記載の体
    液成分の濃度の定量方法。
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