JPH10190A - 生体組織性状測定装置 - Google Patents

生体組織性状測定装置

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JPH10190A
JPH10190A JP15439896A JP15439896A JPH10190A JP H10190 A JPH10190 A JP H10190A JP 15439896 A JP15439896 A JP 15439896A JP 15439896 A JP15439896 A JP 15439896A JP H10190 A JPH10190 A JP H10190A
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tissue
light
reflected
biological tissue
reflecting mirror
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JP15439896A
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Inventor
Katsuhiko Maruo
勝彦 丸尾
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成分や組織の濃度変化や物性変化に関連する
信号をより明確にして正確な生体組織性状の定量分析あ
るいは定性分析をおこなうことができる生体組織性状測
定装置を提供する。 【解決手段】 生体3中の生体組織性状を非侵襲的に計
測する生体組織性状測定装置に関する。コヒーレントあ
るいはそれに近い近赤外光1を二つに分割するビームス
プリッタ2。分割された近赤外光のうち一方の光1aを
生体組織で反射される他方の光1bと干渉させるように
反射する反射鏡4。干渉させた反射光1cの信号を検出
する検出器5。検出器5で検出された信号を演算処理す
る情報処理手段7とを備える。生体組織で反射された反
射光1dに対する反射鏡4の位置を設定自在に形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、健康管理や疾病の
治療のために、血液や細胞液などの体液中の指標成分の
濃度を非侵襲で測定する計測機器に関するものであり、
特に近赤外法を用いて血液中のグルコース、コレステロ
ール、中性脂肪、蛋白成分などの濃度を非侵襲的に測定
する生体組織性状測定装置、あるいは肩こりや乳癌、肝
硬変、脂肪肝、動脈硬化に代表される生体組織の変化を
測定する生体組織性状測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の体液成分濃度の測定に関して、血
液中のグルコース濃度(血糖値)の測定方法を説明す
る。現在広く用いられている血糖計は、採血した血液中
のグルコースを化学反応させてグルコース濃度を測定す
る、いわゆるバイオセンサと呼ばれるものである。基本
的なバイオセンサは、測定対象成分を選択的に識別する
部位と、この測定対象成分を選択的に識別する部位によ
る物質識別で生じる変化を電気信号に変換する部位から
構成されている。前記電気信号に変換する部位には、電
気化学計測デバイス、サーミスタ、電界効果形トランジ
スタ(FET)、ホトトランジスタなどの多様なデバイ
スが用いられている。
【0003】また物質識別部位(前記測定対象成分を選
択的に識別する部位)に用いられる生体物質は、酵素(e
nzyme)、抗体(antibody)、結合タンパク質(binding pro
tein) 、レクチン(lectin)、細胞内小器官(organelle)
、微生物などの細胞(cell)、組織(tissue)などで、こ
れらの生体物質は特定の物質を識別する機能を有してい
る。バイオセンサは利用する生体物質によって、酵素セ
ンサ、微生物センサ、免疫センサ、オルガネラ・セン
サ、組織センサに分類される。
【0004】血糖計の例として酵素電極(生体物質とし
て酵素を用いた物質識別部位)によるグルコースセンサ
を例に採ると、グルコース検知に使われる酵素は、グル
コースオキシダーゼ(GOD) である。この酵素(GOD) を高
分子膜などに固定化したグルコースセンサは、測定液中
のグルコースがGOD固定化膜に接触することによって
酸素が消費され、この酸素の変化をとらえることでグル
コース濃度を定量する形式のものが開発されている。こ
のような採血式の血糖計は広く市販され、糖尿病患者の
血糖値の管理に利用されている。
【0005】また採血を必要としない非侵襲のものとし
ては、特開昭60−236631号公報あるいは特公平
5−58735号公報に示されているようなグルコース
の検出方法がある。これらの公報には、生体部位に照射
された近赤外光を基準信号と測定信号とに分け、これら
の値を演算処理することにより血糖値を測定する手法が
開示されている。上記手法において近赤外光の光源とし
ては、タングステン・ハロゲンランプのような白色光源
を干渉フィルタのような分光手段で所定の波長に分光す
る方法や半導体発光素子(LED)が用いられている。
また生体部位を透過した近赤外光の検出器としては、フ
ォトダイオードあるいはフォトトランジスタのような受
光素子が用いられている。しかしながら、現時点ではこ
れらの技術が実用レベルに達していない。
【0006】上記のような近赤外光による体液成分の分
光分析は近年注目されている手法であり、中赤外領域に
おける分光分析と比較して近赤外領域における分光分析
では、水の吸収スペクトルが小さいので、水溶液系の分
析が可能であることや、生体を透過する能力が高いとい
う長所を有する反面、分子振動に帰属する信号レベルが
中赤領域と比較して100分の1程度と小さいことや、
信号の帰属が特定しにくいという短所を有するものであ
る。
【0007】すなわち、近赤外領域において目的とする
成分(体液成分)のシグナル(信号)を検知する場合、
目的とする成分(体液成分)の濃度変化に対応する信号
が非常に小さいこと、またその信号の帰属が明瞭でない
場合が多いという問題を抱えている。このような問題を
解決するために統計解析手法あるいは多変量解析手法、
例えば線形重回帰分析(MLR)、主成分回帰分析、P
LS回帰分析(partial least squares regressin )と
組み合わせるいわゆるケモメトリクス手法が用いられて
いる。しかしこれらの統計的解析手法は微小な信号変化
をとらえ、正確な検量(キャリブレーション)をおこな
うのに優れた手法ではあるが、目的の成分(体液成分)
のシグナル(信号)の大きさ(SN比)を改善するもの
ではない。
【0008】そこで従来では近赤外領域におけるSN比
の改善のために、基準信号と目的の成分(体液成分)の
濃度変化に関係する信号との差、あるいはそれらの比を
とることにより目的の成分(体液成分)の濃度変化(変
動)を明確にしたり、複数回計測した信号(目的の成分
(体液成分)の濃度変化に関係する信号)を平均化する
ことによりノイズ成分を小さくしたりする手法が用いら
れている。特に上記平均化手法は、平均回数(信号の計
測回数)を多くすることで簡単にノイズ成分の除去が可
能であることから様々な測定に利用されている。
【0009】また生体組織に単に光を入射させてその透
過光あるいは反射光を測定する従来の方法では、性状の
定量化を意図とする目的の生体組織以外の組織からの透
過光あるいは反射光が重畳した形で信号として測定され
ることになってしまい、ノイズ成分が大きくなる原因と
なっている。そこで性状測定において、性状の定量化を
意図とする目的の生体組織からの透過光あるいは反射光
のみが得られるように、目的とする組織をねらい打つ形
のスペクトル測定(分光分析測定)をおこなうことがで
きるような手法の確立や装置が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、生体
の体液成分の濃度を測定する際に、血液あるいは細胞液
などを注射針などで侵襲して取り出す必要のない非侵襲
の生体組織性状測定装置、あるいは生体内組織の固さや
密度等の物性を非侵襲、非接触的に計測する生体組織性
状測定装置を提供することを目的とするものであり、詳
しくは、近赤外分光分析法を生体組織性状測定に適応し
て組織中の目的の成分の定量あるいは定性分析をおこな
う場合において、分析を目的とする組織あるいは組織近
傍からの反射光を選択的に検知することで、成分や組織
の濃度変化や物性変化に関連する信号をより明確にして
正確な生体組織性状の定量分析あるいは定性分析をおこ
なうことができる生体組織性状測定装置を提供すること
を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の生体組織性状測定装置は、生体3中の生体組織性状を
非侵襲的に計測する生体組織性状測定装置であって、コ
ヒーレントあるいはそれに近い近赤外光1を二つに分割
するビームスプリッタ2と、分割された近赤外光のうち
一方の光1aを生体組織で反射される他方の光1bと干
渉させるように反射する反射鏡4と、干渉させた反射光
1cの信号を検出する検出器5と、検出器5で検出され
た信号を演算処理する情報処理手段7とを備え、生体組
織で反射された反射光1dに対する反射鏡4の位置を設
定自在に形成して成ることを特徴とするものである。
【0012】また本発明の請求項2に記載の生体組織性
状測定装置は、請求項1の構成に加えて、前記生体組織
性状が生体組織の細胞中あるいは生体組織の細胞外の体
液成分濃度であることを特徴とするものである。また本
発明の請求項3に記載の生体組織性状測定装置は、請求
項1又は2の構成に加えて、前記生体組織性状である体
液成分濃度がグルコース濃度であって、前記グルコース
濃度の定量にあたって少なくとも950〜1150nm
及び1250〜1800nmの領域から選択された全領
域あるいは領域の一部からなる少なくとも一種類の波長
のコヒーレント近赤外光を用いることを特徴とするもの
である。
【0013】また本発明の請求項4に記載の生体組織性
状測定装置は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加え
て、皮下0.1〜10.0mmの間の生体組織で反射さ
れた反射光1dに反射鏡4で反射された反射光1eを干
渉させるように前記反射鏡4の位置を設定して成ること
を特徴とするものである。また本発明の請求項5に記載
の生体組織性状測定装置は、請求項1乃至4のいずれか
の構成に加えて、前記生体組織が体表面近傍の動脈血管
あるいは静脈血管の体表側近傍であって、この生体組織
で反射された反射光1dに前記反射鏡4で反射された反
射光1eを干渉させるように前記反射鏡4の位置を設定
して成ることを特徴とするものである。
【0014】また本発明の請求項6に記載の生体組織性
状測定装置は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加え
て、所望の生体組織の組織性状を測定するのに好ましく
ない組織成分の光の吸収の大小の測定に基づいて、反射
鏡4の位置を設定して成ることを特徴とするものであ
る。また本発明の請求項7に記載の生体組織性状測定装
置は、請求項6に記載の構成に加えて、前記好ましくな
い組織成分が脂肪組織であって、900〜950nm及
び1350〜1420nmの少なくとも一方の波長領域
の全領域あるいは領域の一部からなるコヒーレント近赤
外光1を用いると共に反射鏡4を移動させることによっ
て脂肪組織での前記コヒーレント近赤外光1の吸収の大
小を検出することを特徴とするものである。
【0015】また本発明の請求項8に記載の生体組織性
状測定装置は、請求項1の構成に加えて、前記生体組織
性状が生体組織の固さや密度等の物性であることを特徴
とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1に示す生体組織性状測定装置において使用す
る光源9としては、750〜2500nmの波長でコヒ
ーレントあるいはそれに近い近赤外光1を得られるもの
であれば何れでも用いることができ、例えばレーザー光
源、ハロゲンランプの光を回折格子や干渉計やフィルタ
ー等を利用して処理したもの、LED光源あるいはLE
D光源の光を回折格子や干渉計やフィルター等を利用し
て処理したものなどを用いることができる。
【0017】ビームスプリッタ2としては、ハーフミラ
ー等の上記近赤外光1を二つに分割することができるも
のであれば何れでも用いることができ、このビームスプ
リッタ2は上記光源9と生体3の間に配置されている。
反射鏡4としては、上記ビームスプリッタ2で二つに分
割された光のうちの一方の光1aを反射するものであっ
て、この一方の光1aが導かれて到達する位置に配置さ
れている。また反射鏡4は後述する生体3中の生体組織
で反射された反射光1dに対する位置を変更して自由に
設定することができるように移動自在に形成されてい
る。
【0018】検出器5としては、近赤外領域(近赤外光
1)に受光特性を有するものであればよいが、波長が6
00〜1100nmの近赤外領域ではSi製のディテク
ターが、波長が700〜1700nmの近赤外領域では
InGaAs製のディテクターが特に好適に用いること
ができる。演算処理手段7としては、検出器5で得られ
る後述する干渉された反射光1cからの信号が入力され
てこの信号を演算処理することができるものであれば何
れでも使用することができ、マイクロコンピュタなどを
例示することができる。
【0019】上記演算処理手段7では、検出器5で得ら
れる干渉された反射光1cからの信号を予め用意された
検量線にしたがって演算処理して生体性状、例えばグル
コース濃度などを算出するものである。検量線(検量
式)の作成には、統計的解析手法あるいは多変量解析手
法、例えば線形重回帰分析(MLR)、主成分回帰分
析、PLS回帰分析(partial least squares regressi
n )、ニューラルネット手法を用いることができる。こ
れらの統計的解析手法は微小な信号変化をとらえ、正確
な検量(キャリブレーション)をおこなうのに優れた手
法である。
【0020】次に上記生体組織性状測定装置の動作につ
いて説明する。先ず光源9から照射された近赤外光1は
ビームスプリッタ2によって、反射鏡4の方向に導かれ
る光1aと、生体3の方向に導かれる光1bとに分割さ
れる。次に反射板4の方向に導かれた光1aは反射鏡4
で反射されて反射光1eとなると共に生体3の方向に導
かれた光1bは生体3の内部の生体組織で反射されて散
乱光である反射光1dとなる。次に生体組織で反射され
た反射光1dと反射鏡4で反射された反射光1eとが干
渉し、この干渉した反射光1cが検出器5に導かれる。
そして次に検出器5に導かれた干渉された反射光1cか
ら得られる信号を情報処理手段7で上記のように演算処
理することによって、測定を目的とする所望の生体組織
の性状を定量して測定することができるのである。
【0021】上述のように従来からおこなわれている7
50〜2500nmの波長の近赤外光(近赤外領域)を
用いた分光分析方法は、一般的に目的とする成分に関連
するシグナル(信号)が小さく、その帰属が明確でない
場合が多いので定量分析が困難であるとされている。こ
のために従来ではSN比を改善するために、ある基準シ
グナルと目的シグナル(測定を目的とする生体組織から
のシグナル)との差をとったり、その比をとって規格化
するなどの前処理をし、多変量解析手法を応用すること
で目的の生体組織の目的の成分の定量をおこなってい
る。
【0022】また従来の分光分析方法では、複数の波長
を含むある光源からの光を干渉フィルタあるいは回折格
子により時系列的に分光し、その分光された光を順次、
比測定物に照射し、透過あるいは反射した光の強さを検
知することによって、各波長帯における吸光度や透過度
をそれぞれ求めている。しかしこの手法を生体組織性状
の測定に適用した場合、光が透過あるいは反射する複雑
な生体組織の構成成分に帰属するすべての情報が重畳し
たスペクトルとして検出されることになり、つまりは測
定を意図(目的)とする所望の生体組織以外に由来(帰
属)するシグナルも含まれたスペクトルとなる。そのた
めに目的とする所望の生体組織の成分に帰属するシグナ
ルに対するノイズ成分が増大してSN比が低下してしま
うのである。
【0023】しかし本発明の上記生体組織性状測定装置
では、生体組織で反射された反射光1dと反射鏡4で反
射された反射光1eとを干渉させて検出器5に導くよう
にしたので、生体組織で反射された反射光1dのうち反
射鏡4で反射された反射光1eと位相が一致する反射光
を強めて検出器5に導くことができ、反射鏡4で反射さ
れた反射光1eと位相が一致する反射光を反射する生体
組織の成分に帰属するシグナルに対するノイズ成分を低
減させてSN比を向上させることができるのである。
【0024】反射鏡4で反射された反射光1eと位相が
一致する反射光を反射する生体組織と反射光1e、1d
が互いに干渉する点との間の距離は、反射鏡4と前記反
射光1e、1dが互いに干渉する点との間の距離と一致
するものであり、従って反射鏡4と前記反射光1e及び
反射光1dが干渉する点との間の距離を求めることによ
って生体3のどの位置の生体組織から反射された反射光
が干渉によって強められているかを検知することができ
る。
【0025】また上記反射鏡4は生体組織で反射された
反射光1dに対して移動自在に形成したので、反射光1
e及び反射光1dが干渉する点と反射鏡4の位置を自由
に設定することができるものである。従って反射鏡4を
上記反射光1e及び反射光1dが干渉する点に対して移
動させることによって、生体3の深さ方向における任意
の位置に存在する生体組織からの反射光の位相と反射鏡
4で反射される反射光1eの位相とを一致させることが
でき、測定の対象となる所望の生体組織からの反射光を
選択的に強めることができるものであり、このために測
定の対象となる所望の生体組織の成分に帰属するシグナ
ルに対するノイズ成分を低減させてSN比を向上させる
ことができるのである。
【0026】本発明の生体組織性状測定装置は、生体組
織細胞中あるいは生体組織細胞外の体液成分の濃度の定
量を一つの目的とするものである。この体液成分の濃度
の定量には、水の第一倍音付近の領域(1250〜18
00nm)の近赤外光1と、水の第二倍音付近の領域
(800〜1300nm)の近赤外光1のうち、一方あ
るいは両方を利用することによっておこなう。各領域の
特性としては、水の第一倍音付近の領域では、分子振動
に帰属するスペクトル信号が大きい反面、光の透過性が
悪く、水の第二倍音付近の領域では、分子振動に帰属す
るスペクトル信号が小さい反面、光の透過性に富むので
ある。
【0027】また上記体液成分の濃度の定量がグルコー
ス濃度の定量である場合には、光源9から照射される近
赤外光1としては、950〜1150nm及び1250
〜1800nmの波長領域から選択した全領域あるいは
領域の一部からなる少なくとも一種類の波長のコヒーレ
ント近赤外光、特に、945±20nm、965±20
nm、1015±30nm、1100±30nm、14
00±20nm、1450±20nm、1500±20
nm、1680±20nmの波長のコヒーレント近赤外
光を用いる必要がある。
【0028】つまりグルコース濃度の定量には、水の第
一倍音付近の領域の信号として950〜1150nm、
好ましくは945±20nm、965±20nm、10
15±30nm、1100±30nmを、水の第二倍音
付近の領域の信号として1250〜1800nm、好ま
しくは1400±20nm、1450±20nm、15
00±20nm、1680±20nmのシグナルの少な
くとも一波長を用いて測定する必要がある。
【0029】このようにグルコース濃度の定量に950
〜1150nm、好ましくは945±20nm、965
±20nm、1015±30nm、1100±30nm
を、1250〜1800nm、好ましくは1400±2
0nm、1450±20nm、1500±20nm、1
680±20nmのシグナル(近赤外光1)の少なくと
も一波長を用いて測定することによって、グルコース濃
度を精度よく定量分析することができるものである。
【0030】測定された各波長の信号は、前もって作成
された検量線(検量式)を用いて情報処理手段7でグル
コース濃度に変換されて、表示装置8で測定値として表
示される。検量線(検量式)の作成は通常数種類の波長
を用いて作成されるが、本発明においては前記波長を含
むものであれば、測定波長や数のいずれも制限するもの
ではない。
【0031】また血糖値の代用特性として生体組織細胞
中あるいは生体組織細胞外のグルコース濃度を定量する
には、皮下0.1〜10.0mmの間、好ましくは0.
5〜10.0mmの間の位置にある目的とする(測定の
対象の)生体組織からの反射光(散乱光)1dに干渉さ
せるように反射鏡4の位置を設定することができ、この
ことで、血糖値の代用特性としてのグルコース濃度を精
度よく定量分析することができるものである。
【0032】また生体組織細胞中あるいは生体組織細胞
外の体液成分の濃度の定量、特にグルコース濃度を定量
をおこなうにあたっては、生体3の体表面近傍を流れる
動脈あるいは静脈からの反射光1dに反射鏡4からの反
射光1eを干渉させて測定するの非常に良い方法であ
る。その際血管を流れる血液は散乱が大きい特性があっ
て測定に利用しにくいので、近赤外光1のビームスプリ
ッタ2で分割された他方の光1bが照射される側の血管
近傍、つまり血管の体表面側近傍の生体組織での反射光
が反射鏡4からの反射光1eと干渉するように反射鏡4
の位置を調整して設定すると、良いスペクトル(信号)
が得られる。
【0033】またSN比の良い(高い)スペクトルを得
るという観点から、グルコース濃度の定量には皮下脂肪
組織を避けて測定をおこなう必要がある。そのために、
反射鏡4の位置を移動させて測定における適切な設定位
置を見つけることは非常に有効であり、その脂肪組織の
位置を検出するにあたっては、グルコース濃度の定量に
好ましくない脂肪組織の特徴的な光の吸収を用いておこ
なう。この脂肪組織での光の吸収の大小の測定をおこな
うにあたっては、少なくとも900〜950nmあるい
は1350〜1420nmの波長領域の全領域あるいは
領域の一部からなるコヒーレント近赤外光1を用いてお
こない、この吸収が脂肪組織によるものか否かを比較し
て判断する。
【0034】本発明の生体組織性状測定装置のもう一つ
の目的は、生体組織性状が生体組織の固さや密度のよう
な物性であって、この物性を定性分析あるいは定量分析
することにある。生体組織の固さや密度のような物性と
は、具体的には肩こりに代表される身体のこり、あるい
は乳癌や肝硬変や脂肪肝や動脈硬化に代表される生体組
織の変化である。
【0035】このような生体組織性状の分析には、多数
の被験者から得られるスペクトルを定量分析あるいは定
性分析を利用しておこなわれる。定量分析には線形重回
帰分析(MLR)、主成分回帰分析、PLS回帰分析
(partial least squares regressin )、ニューラルネ
ット手法、ニューラルネット手法が用いられ、定性分析
には判別分析、クラスタ分析等の手法が利用することが
できる。
【0036】生体組織の固さや密度のような物性を分析
(測定)する生体組織性状測定装置も上記と同様に形成
することができる。分析に利用する光源9から照射され
る近赤外光1の波長や情報処理手段7における検量手法
の決定は、多数の正常組織と病変組織のスペクトル(信
号)を解析することによりおこなうが、分析に利用する
光源9から照射される近赤外光1の波長や情報処理手段
7における検量手法の他の決定手法としては、予め動物
実験等により侵襲的におこなう方法がある。この方法は
侵襲的に露出させた被測定組織(正常組織及び病変組織
の両方)に回折格子やFT−IR等の手法により分光し
た光を照射して吸収スペクトルを得て、この吸収スペク
トルを多変量解析することにより、本発明の生体組織性
状測定装置に利用する近赤外光1の波長や情報処理手段
7における検量手法を決定し、この決定した近赤外光1
の波長や情報処理手段7における検量手法を利用して上
述のように本発明の生体組織性状測定装置による生体組
織性状の測定(in vivo 測定) をおこなうようにする。
【0037】具体例を挙げると、人為的に癌化させたマ
ウスの癌組織を表皮組織を切開することにより露出さ
せ、上記手法で癌組織のスペクトルを得る。また同様の
操作を正常なマウスを含む多数のマウスに実施してスペ
クトルを得、次にこれらスペクトルを定性分析すること
により、組織性状の判別に意味のある波長をピックアッ
プして、本発明の生体組織性状測定装置に利用する近赤
外光1の波長を決定する。そしてこの決定した波長の近
赤外光1を本発明の生体組織性状測定装置による生体組
織の性状の分析をおこなうことによって、生体組織で癌
発症を判別することができる。
【0038】尚、本発明の生体組織性状測定装置の分析
精度を上げるには、さらに本発明の生体組織性状測定装
置による分析を非侵襲的に多数の生体組織に施して、多
変量解析する必要がある。また上にも述べたが、本発明
の生体組織性状測定装置を用いて侵襲的な実験を経ずに
非侵襲的な段階から分析を実施しても、生体組織の固さ
や密度のような物性を分析することは可能である。
【0039】次に本発明の生体組織性状測定装置の実施
例を説明する。図1に示す生体組織性状測定装置は、生
体組織性状として生体組織中のグルコース濃度を測定す
るものである。光源9として1670nmと1450n
mの波長のコヒーレント近赤外光1を照射するコヒーレ
ントレーザ光源を用いている。6は光源9から照射され
たコヒーレント近赤外光1を集光する凸型のレンズであ
る。光源9から照射されたコヒーレント近赤外光1を二
つに分割するビームスプリッタ2は、レンズ6と被測定
物である生体(腕)3の間に配置されており、レンズ6
を介して照射されるコヒーレント近赤外光1の進行方向
に対して約45°傾けられている。レンズ6を介してビ
ームスプリッタ2に照射されたコヒーレント近赤外光1
は、このコヒーレント近赤外光1の進行方向に対して約
90°に進行する光1aと、コヒーレント近赤外光1の
進行方向と略平行な方向に進行する光1bとに分割さ
れ、上記光1aはコヒーレント近赤外光1の進行方向と
略平行に配置される反射鏡4に導かれると共に上記光1
bは生体3に導かれる。図1に矢印で示すように反射鏡
4は上記スプリッタ2に対して近接離隔するように移動
自在に形成されている。
【0040】上記光1aは反射鏡4でビームスプリッタ
2の方に反射光1eとして反射されると共に上記光1b
は生体3中の任意の位置の生体組織でビームスプリッタ
2の方に反射光1dとして反射され、両方の反射光1
e、1dはビームスプリッタ2の位置で互いに干渉する
が、皮下2mmに位置する生体組織からの反射光の位相
と反射鏡4からの反射光1eの位相とが一致するように
(干渉するように)、ビームスプリッタ2(反射光1
d、1eの干渉の位置)からの反射鏡4の位置を設定し
てある。このように皮下2mmに位置する生体組織から
の反射光の位相と反射鏡4からの反射光1eの位相とが
一致するようにビームスプリッタ2の干渉の位置からの
反射鏡4の位置を設定することによって、皮下2mmに
位置する生体組織からの反射光を選択的に強めることが
できる。
【0041】この干渉した反射光1cは反射板4と略正
面に対向する凸型のレンズ10で集光されて検出器(受
光素子)5に導かれる。この後検出器5で電圧に変換さ
れた反射光1cからの信号をデジタル化してマイクロコ
ンピュータである情報処理手段7に入力し、上記信号を
予め用意された検量線に従って情報処理手段7で演算処
理することによってグルコース濃度が算出され、このグ
ルコース濃度が測定値として表示手段8に表示されるよ
うになっている。
【0042】グルコース濃度を算出するために使用する
検量線は、本発明の利用者あるいは複数の人間を被験者
とし、本発明とは異なる他の標準手法により得られるグ
ルコース濃度の真値と、本発明によるコヒーレント近赤
外光1の吸光度の関係を統計的解析手段により解析する
ことで得ることができる。また上記他の標準手法での生
体組織のグルコース濃度の定量が困難な場合は、代用特
性として血液中のグルコース濃度(血糖値)を用いて検
量線を作成してもよい。この場合、本発明を逆に血糖値
測定装置として利用することができる。
【0043】また本発明の利用者本人より検量線を作成
する場合にあたっては、グルコース負荷試験を用いるこ
とができる。これは先ずグルコース含有物を飲料後、一
定時間間隔で採血と上記本発明による信号測定をおこな
うようにする。次に採血した血液を分析する標準手法に
より得られたグルコース濃度と、本発明の測定時に記憶
された信号とを対比してデータ化し、このデータを用い
て情報処理手段7に内蔵される解析手段により検量線が
作成される。この実施例において個人対応の検量線を作
成する場合には重回帰分析手法を用いている。
【0044】次に他の実施例を説明する。この実施例の
ものは生体組織性状として生体組織中のグルコース濃度
を測定するものである。光源9としてはタングステンハ
ロゲンランプと回折格子からなる光源を用いており、こ
の回折格子を用いることによって950〜1150nm
の波長領域のスペクトルを測定してグルコースの定量を
おこなうようにしている。また皮下2mmに位置する生
体組織からの反射光の位相と反射鏡4からの反射光1e
の位相とが一致するように(干渉するように)反射鏡4
の位置が設定されている。これら以外は上記実施例と同
様に図1に示すように形成されている。
【0045】またグルコース濃度を算出するために使用
する検量線は、本発明の利用者あるいは複数の人間を被
験者とし、本発明とは異なる他の標準手法により得られ
るグルコース濃度の真値と、本発明によるコヒーレント
近赤外光1の吸光度の関係を統計的解析手段により解析
することで得た。またこの実施例において個人対応の検
量線を作成する場合にはPLS回帰分析手法を用いてい
る。
【0046】次にさらに他の実施例を説明する。この実
施例のものは生体組織性状として生体組織中のグルコー
ス濃度を測定するものである。光源9としてはタングス
テンハロゲンランプと回折格子からなる光源を用いてお
り、この回折格子を用いることによって1250〜18
00nmの波長領域のスペクトルを測定してグルコース
の定量をおこなうようにしている。また皮下2mmに位
置する生体組織からの反射光の位相と反射鏡4からの反
射光1eの位相とが一致するように(干渉するように)
反射鏡4の位置が設定されている。これら以外は上記実
施例と同様に図1に示すように形成されている。
【0047】またグルコース濃度を算出するために使用
する検量線は、本発明の利用者あるいは複数の人間を被
験者とし、本発明とは異なる他の標準手法により得られ
るグルコース濃度の真値と、本発明によるコヒーレント
近赤外光1の吸光度の関係を統計的解析手段により解析
することで得た。またこの実施例において個人対応の検
量線を作成する場合にはPLS回帰分析手法を用いてい
る。
【0048】次にさらに他の実施例を説明する。この実
施例のものは生体組織性状として生体組織中のグルコー
ス濃度を測定するものである。光源9としてはタングス
テンハロゲンランプと干渉フィルタからなる光源を用い
ており、使用した干渉フィルタは中心波長が1400n
m、1500nm、1680nmで半値幅が20nmの
ものであった。また皮下2mmに位置する生体組織から
の反射光の位相と反射鏡4からの反射光1eの位相とが
一致するように(干渉するように)反射鏡4の位置が設
定されている。これら以外は上記実施例と同様に図1に
示すように形成されている。
【0049】またグルコース濃度を算出するために使用
する検量線は、本発明の利用者あるいは複数の人間を被
験者とし、本発明とは異なる他の標準手法により得られ
るグルコース濃度の真値と、本発明によるコヒーレント
近赤外光1の吸光度の関係を統計的解析手段により解析
することで得た。またこの実施例において個人対応の検
量線を作成する場合には重回帰分析手法を用いている。
【0050】次にさらに他の実施例を説明する。この実
施例のものは生体組織性状として生体組織中のグルコー
ス濃度を測定するものである。光源9としてはタングス
テンハロゲンランプと干渉フィルタからなる光源を用い
ており、使用した干渉フィルタは中心波長が945n
m、965nm、1015nm、1100nmで半値幅
が20nmのものであった。また皮下2mmに位置する
生体組織からの反射光の位相と反射鏡4からの反射光1
eの位相とが一致するように(干渉するように)反射鏡
4の位置が設定されている。これら以外は上記実施例と
同様に図1に示すように形成されている。
【0051】またグルコース濃度を算出するために使用
する検量線は、本発明の利用者あるいは複数の人間を被
験者とし、本発明とは異なる他の標準手法により得られ
るグルコース濃度の真値と、本発明によるコヒーレント
近赤外光1の吸光度の関係を統計的解析手段により解析
することで得た。またこの実施例において個人対応の検
量線を作成する場合には重回帰分析手法を用いている。
【0052】次にさらに他の実施例を説明する。この実
施例のものは生体組織性状として生体組織中のグルコー
ス濃度を測定するものである。光源9としてはタングス
テンハロゲンランプと回折格子からなる光源を用いてお
り、この回折格子を用いることによって1250〜18
00nmの波長領域のスペクトルを測定することにより
グルコース濃度の定量をおこなっている。またこの実施
例では、近赤外光1から分割された光1bを生体(腕)
3の皮静脈に向けて照射し、静脈血の反射スペトルを測
定するようにしている。反射鏡4の位置は上記皮静脈血
管の体表面側の面からの反射光の位相と反射鏡4からの
反射光1eの位相とが一致するように(干渉するよう
に)調節して設定されている。このような反射鏡4の位
置は、血液の散乱が大きいことを利用して反射鏡4の位
置を調節して、皮静脈血管の体表面側の面からの反射光
において大きなゲイン(利得)が得られるところで固定
するようにしている。これら以外は上記実施例と同様に
図1に示すように形成されている。
【0053】またグルコース濃度を算出するために使用
する検量線は、本発明の利用者あるいは複数の人間を被
験者とし、本発明とは異なる他の標準手法により得られ
るグルコース濃度の真値と、本発明によるコヒーレント
近赤外光1の吸光度の関係を統計的解析手段により解析
することで得た。またこの実施例において個人対応の検
量線を作成する場合にはPLS回帰分析手法を用いてい
る。
【0054】次にさらに他の実施例を説明する。この実
施例のものは生体組織性状として生体組織中のグルコー
ス濃度を測定するものである。光源9としてはタングス
テンハロゲンランプと回折格子からなる光源を用いてお
り、この回折格子を用いることによって950〜115
0nmの波長領域のスペクトルを測定することによりグ
ルコース濃度の定量をおこなっている。またこの実施例
ではグルコース濃度の測定に先立ち、900〜950n
mの近赤外光1を用いて上記と同様のスペクトルの測定
をおこない、これにより脂肪組織での反射光1dである
か否かを判定し、脂肪組織でのスペクトルでないことを
確認している。この判定には定性分析手法を利用した。
これら以外は上記実施例と同様に図1に示すように形成
されている。
【0055】またグルコース濃度を算出するために使用
する検量線は、本発明の利用者あるいは複数の人間を被
験者とし、本発明とは異なる他の標準手法により得られ
るグルコース濃度の真値と、本発明によるコヒーレント
近赤外光1の吸光度の関係を統計的解析手段により解析
することで得た。またこの実施例において個人対応の検
量線を作成する場合にはPLS回帰分析手法を用いてい
る。
【0056】次にさらに他の実施例を図2に基づいて説
明する。この実施例のものは生体(肩)3の生体組織性
状として肩こりを測定するものである。光源9としては
タングステンハロゲンランプと回折格子からなる光源を
用いており、この回折格子を用いることによって950
〜1150nmの波長領域のスペクトルを測定すること
により生体組織の固さの定性分析をおこなっている。ま
たこの実施例ではビームプリット2で分割された光1b
を肩部分に照射し、これで得られるスペクトルを上記と
同様に分析して定性分析を実施している。これら以外は
上記実施例と同様に図1に示すように形成されている。
【0057】また肩こりの程度を算出するために使用す
る検量線は、本発明の利用者あるいは複数の人間を被験
者とし、本発明とは異なる他の標準手法により得られる
肩こりの程度と、本発明によるコヒーレント近赤外光1
の吸光度の関係を統計的解析手段により解析することで
得た。肩こりの程度はプロのマッサージ師による触診か
ら得られる5段階評価の値を用いた。またこの実施例に
おいて個人対応の検量線を作成する場合にはPLS回帰
分析手法を用いている。
【0058】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
発明は、コヒーレントあるいはそれに近い近赤外光を二
つに分割するビームスプリッタと、分割された近赤外光
のうち一方の光を生体組織で反射される他方の光と干渉
させるように反射する反射鏡と、干渉させた反射光の信
号を検出する検出器と、検出器で検出された信号を演算
処理する情報処理手段とを備え、生体組織で反射された
反射光に対する反射鏡の位置を設定自在に形成したの
で、分割された近赤外光のうち一方の光を生体組織で反
射される他方の光と干渉させるように反射鏡で反射する
ことによって、反射鏡で反射された反射光の位相と一致
する位相の生体組織で反射された反射光を選択的に強め
ることができ、反射鏡で反射された反射光の位相と一致
する位相の反射光を反射する生体組織の性状分析を非侵
襲で精度良く分析することができる、つまり生体組織の
成分や組織の濃度変化や物性変化に関連する信号をより
明確にして正確な生体組織性状の定量分析あるいは定性
分析をおこなうことができるものである。
【0059】しかも生体組織で反射された反射光に対す
る反射鏡の位置を設定自在に形成することによって、生
体の任意の位置の生体組織からの反射光の位相と反射鏡
で反射された反射光の位相とを一致させることができ、
生体の任意の位置の分析を目的とする組織あるいは組織
近傍からの反射光を選択的に検知することができるもの
である。
【0060】また本発明の請求項2に記載の発明は、前
記生体組織性状が生体組織の細胞中あるいは生体組織の
細胞外の体液成分濃度であるので、生体組織の細胞中あ
るいは生体組織の細胞外の体液成分濃度を非侵襲で精度
良く分析することができるものである。また本発明の請
求項3に記載の発明は、前記生体組織性状である体液成
分濃度がグルコース濃度であって、前記グルコース濃度
の定量にあたって少なくとも950〜1150nm及び
1250〜1800nmの領域から選択された全領域あ
るいは領域の一部からなる少なくとも一種類の波長のコ
ヒーレント近赤外光を用いたので、グルコース濃度を非
侵襲で精度良く分析することができるものである。
【0061】また本発明の請求項4に記載の発明は、皮
下0.1〜10.0mmの間の生体組織で反射された反
射光に反射鏡で反射された反射光を干渉させるように前
記反射鏡の位置を設定したので、血糖値の代用特性とし
て生体組織のグルコース濃度を測定するにあたって、グ
ルコース濃度を非侵襲で精度良く分析することができる
ものである。
【0062】また本発明の請求項5に記載の発明は、前
記生体組織が体表面近傍の動脈血管あるいは静脈血管の
体表側近傍であって、この生体組織で反射された反射光
に反射鏡で反射された反射光を干渉させるように前記反
射鏡の位置を設定したので、散乱の小さい体表面近傍の
動脈血管あるいは静脈血管の体表側近傍からの反射光の
位相と反射鏡で反射された反射光の位相を一致させるこ
とによって、散乱の大きい血液からの反射光の位相と反
射鏡で反射された反射光の位相を一致させる場合より
も、生体性状、特にグルコース濃度を非侵襲で精度良く
分析することができるものである。
【0063】また本発明の請求項6に記載の発明は、所
望の生体組織の組織性状を測定するのに好ましくない組
織成分の光の吸収の大小の測定に基づいて、前記反射鏡
の位置を設定したので、所望の生体組織の組織性状を測
定するのに好ましくない組織成分からの反射光の位相と
反射鏡で反射された反射光の位相を一致させないように
することができ、生体性状を非侵襲で精度良く分析する
ことができるものである。
【0064】また本発明の請求項7に記載の発明は、前
記好ましくない組織成分が脂肪組織であって、900〜
950nm及び1350〜1420nmの少なくとも一
方の波長領域の全領域あるいは領域の一部からなるコヒ
ーレント近赤外光を用いると共に反射鏡を移動させるこ
とによって脂肪組織での上記コヒーレント近赤外光の吸
収の大小を検出したので、脂肪組織からの反射光である
か否かを精度良く分析することができるものである。
【0065】また本発明の請求項8に記載の発明は、前
記生体組織性状が生体組織の固さや密度等の物性である
ので、生体組織の性状のうち上記物性の分析を非侵襲で
精度良く分析することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す概略図である。
【図2】同上の他の実施の形態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 近赤外光 1a 光 1b 光 1c 干渉された反射光 1d 反射光 1e 反射光 2 ビームスプリッタ 3 生体 4 反射鏡 5 検出器 7 情報処理手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体中の生体組織性状を非侵襲的に計測
    する生体組織性状測定装置であって、コヒーレントある
    いはそれに近い近赤外光を二つに分割するビームスプリ
    ッタと、分割された近赤外光のうち一方の光を生体組織
    で反射される他方の光と干渉させるように反射する反射
    鏡と、干渉させた反射光の信号を検出する検出器と、検
    出器で検出された信号を演算処理する情報処理手段とを
    備え、生体組織で反射された反射光に対する反射鏡の位
    置を設定自在に形成して成ることを特徴とする生体組織
    性状測定装置。
  2. 【請求項2】 前記生体組織性状が生体組織の細胞中あ
    るいは生体組織の細胞外の体液成分濃度であることを特
    徴とする請求項1に記載の生体組織性状測定装置。
  3. 【請求項3】 前記生体組織性状である体液成分濃度が
    グルコース濃度であって、前記グルコース濃度の定量に
    あたって少なくとも950〜1150nm及び1250
    〜1800nmの領域から選択された全領域あるいは領
    域の一部からなる少なくとも一種類の波長のコヒーレン
    ト近赤外光を用いることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の生体組織性状測定装置。
  4. 【請求項4】 皮下0.1〜10.0mmの間の生体組
    織で反射された反射光に反射鏡で反射された反射光を干
    渉させるように前記反射鏡の位置を設定して成ることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の生体組織
    性状測定装置。
  5. 【請求項5】 前記生体組織が体表面近傍の動脈血管あ
    るいは静脈血管の体表側近傍であって、この生体組織で
    反射された反射光に反射鏡で反射された反射光を干渉さ
    せるように前記反射鏡の位置を設定して成ることを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれかに記載の生体組織性状
    測定装置。
  6. 【請求項6】 所望の生体組織の組織性状を測定するの
    に好ましくない組織成分の光の吸収の大小の測定に基づ
    いて、前記反射鏡の位置を設定して成ることを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかに記載の生体組織性状測定
    装置。
  7. 【請求項7】 前記好ましくない組織成分が脂肪組織で
    あって、900〜950nm及び1350〜1420n
    mの少なくとも一方の波長領域の全領域あるいは領域の
    一部からなるコヒーレント近赤外光を用いると共に反射
    鏡を移動させることによって脂肪組織での上記コヒーレ
    ント近赤外光の吸収の大小を検出することを特徴とする
    請求項6に記載の生体組織性状測定装置。
  8. 【請求項8】 前記生体組織性状が生体組織の固さや密
    度等の物性であることを特徴とする請求項1に記載の生
    体組織性状測定装置。
JP15439896A 1996-06-14 1996-06-14 生体組織性状測定装置 Withdrawn JPH10190A (ja)

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