JPH116383A - さく岩機の打撃力制御機構 - Google Patents

さく岩機の打撃力制御機構

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JPH116383A
JPH116383A JP16228197A JP16228197A JPH116383A JP H116383 A JPH116383 A JP H116383A JP 16228197 A JP16228197 A JP 16228197A JP 16228197 A JP16228197 A JP 16228197A JP H116383 A JPH116383 A JP H116383A
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damping piston
rock drill
striking
thrust
piston
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Tsutomu Kaneko
勉 金子
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 打撃力が小さくてもよい軟弱な個所で軽打撃
を行う際に、打撃機構の作動油量を減少させ、エネルギ
ー消費量を低減する。 【解決手段】 シャンクロッド2を打撃する打撃機構
と、シャンクロッド2に推力を伝達するチャックドライ
バブッシュ13とを備え、チャックドライバブッシュ1
3の後方に、さく岩機本体1の推力より推力が小さいフ
ロントダンピングピストン4と、さく岩機本体1の推力
より推力が大きいリヤダンピングピストン5とを配設し
たさく岩機において、フロントダンピングピストン4に
油溝44を設け、リヤダンピングピストン5が前進位置
にあり、フロントダンピングピストン4がリヤダンピン
グピストン5に対して前進した位置にあるとき、油溝4
4を介して打撃機構の高圧回路7をドレン回路8と連通
する排油孔54、55をリヤダンピングピストン5に設
けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、軽打撃状態で省
エネルギー化が可能なさく岩機の打撃力制御機構に関す
る。
【0002】
【従来の技術】さく岩機は、図2に示すように、さく岩
機本体1の前端部にシャンクロッド2が挿着されてお
り、このシャンクロッド2には、さく孔用のビット21
を取付けたロッド22がスリーブ23で連結されてい
る。さく岩機の打撃機構3の打撃ピストン31がシャン
クロッド2を打撃すると、その打撃エネルギーはシャン
クロッド2からロッド22を経てビット21に伝達さ
れ、ビット21が破砕対象である岩盤Rを打撃して破砕
する。
【0003】このときの反射エネルギーEr は、ビット
21からロッド22、シャンクロッド2を経てさく岩機
本体1に伝達されるので、この反射エネルギーEr によ
ってさく岩機本体1は一旦後退する。それから、さく岩
機本体1が送り装置(図示略)の推力により1打撃によ
る破砕長分だけもとの位置よりさらに前進したところ
で、打撃機構3が次の打撃を行う。この行程を繰り返す
ことによりさく孔作業が行われる。
【0004】従来のさく岩機本体1には、図6に示すよ
うに、チャック11を介してシャンクロッド2に回転を
与えるチャックドライバ12を備えており、このチャッ
クドライバ12にはシャンクロッド2の大径部後端2b
に当接するチャックドライバブッシュ13が装着されて
いる。このチャックドライバブッシュ13は、さく岩機
本体1に前方への推力が与えられると、この推力をシャ
ンクロッド2に伝達するものであり、打撃時のビット2
1からの反射エネルギーEr もシャンクロッド2からこ
のチャックドライバブッシュ13を介してさく岩機本体
1へ伝達される。
【0005】この反射エネルギーEr をチャックドライ
バブッシュ13で直接さく岩機本体1に伝達するとその
衝撃でさく岩機の損傷を生ずるおそれがあるので、図7
に示すように、この反射エネルギーEr を油圧で緩衝さ
せるために、緩衝機構としてチャックドライバブッシュ
13の後側にダンピングピストン50を設けたさく岩機
も用いられている。
【0006】上記の如く、さく岩機本体1は打撃後一旦
後退し、推力により1打撃による破砕長分だけもとの位
置よりさらに前進したところで、次の打撃を行なわねば
ならない。従って、一旦後退した後、次の打撃が行われ
るまでには、速やかに所要距離だけ前進させる必要があ
る。
【0007】この前進が十分でない場合、ビット21は
岩盤Rに接していないので、打撃ピストン31の打撃エ
ネルギーは岩盤Rに伝達されず、破砕作業は行われな
い。このときの打撃エネルギーは、ほとんどが反射エネ
ルギーEr となってさく岩機本体1へ戻り、ロッド2
2、ビット21、スリーブ23等の工具の損耗の増加を
まねくばかりでなく、強力なさく岩機本体1への後退力
となり、さらに次の打撃への前進の遅れをきたすことに
なる。
【0008】さく岩機本体1が受ける反射エネルギーE
r の強さは、1打撃毎に異なるものであり、これに伴う
さく岩機本体1の後退量もまちまちであって、岩盤Rの
岩質によって大きく変動する。また、打撃ピストン31
の前進加速に伴うさく岩機本体1への反力も後退力に加
わる。
【0009】この反射エネルギーEr と後退量の変動に
よる前進の遅れには、ダンピングピストン50による反
射エネルギーEr の緩衝だけでは対処できない。そこ
で、反射エネルギーEr を油圧で緩衝すると共に、さく
岩機本体1の推力が不足して、一旦後退した後次の打撃
時までにさく岩機本体1の所要位置までの前進が得られ
ない場合でも、ビット21を岩盤に接するよう前進させ
て打撃することができるようにするために、図8に示す
ように、チャックドライバブッシュ13の後方に、さく
岩機本体1の推力より推力が小さいフロントダンピング
ピストン4と、さく岩機本体1の推力より推力が大きい
リヤダンピングピストン5とを配設し、フロントダンピ
ングピストン油室42とリヤダンピングピストン油室5
2とを油路51で連通させ、打撃機構3の高圧回路7の
アッキュムレータ6と接続して緩衝機構を構成したさく
岩機が提案されている。
【0010】このさく岩機では、シャンクロッド2から
チャックドライバブッシュ13に伝達される反射エネル
ギーEr は、フロントダンピングピストン4とリヤダン
ピングピストン5の後退により緩衝される。
【0011】リヤダンピングピストン5の推力は、さく
岩機本体1の推力より大きいので、一旦後退したフロン
トダンピングピストン4とリヤダンピングピストン5
は、速やかにリヤダンピングピストン5の所定の前端位
置まで前進する。フロントダンピングピストン4の推力
はさく岩機本体1の推力より小さいが、チャックドライ
バブッシュ13とシャンクロッド2、ロッド22、ビッ
ト21は、質量がさく岩機本体1よりはるかに小さいの
で、その後、フロントダンピングピストン4によりチャ
ックドライバブッシュ13とシャンクロッド2、ロッド
22、ビット21をさらに前進させる。
【0012】これに続いて、さく岩機本体1が、その推
力により前進する。ビット21が岩盤Rに接した後は、
さく岩機本体1の推力がフロントダンピングピストン4
の推力より大きいので、フロントダンピングピストン4
にリヤダンピングピストン5が当接するまでさく岩機本
体1が前進し、通常は、そこで打撃機構3が次の打撃を
行う。この行程を繰り返すことによりさく孔作業が行わ
れる。
【0013】さく岩機本体1の推力が不足し、一旦後退
した後次の打撃時までにさく岩機本体1が所要の位置ま
で前進ができない場合にも、フロントダンピングピスト
ン4は、リヤダンピングピストン5の停止後、リヤダン
ピングピストン5から離れ、チャックドライバブッシュ
13、シャンクロッド2を押して、ビット21が岩盤R
に接するまで、さく岩機本体1が前進するより速やかに
前進しているので、ビット21が岩盤Rに接した状態で
次の打撃を行うことができる。
【0014】なお、ビット21の先端部が、大きい打撃
力を必要としない粘土層や空洞等に遭遇して、フロント
ダンピングピストン4の推力でもビット21、ロッド2
2が前進するような場合には、フロントダンピングピス
トン4がシャンクロッド2を図ハの基準位置より前方へ
押し出した打撃位置で、打撃ピストン31がシャンクロ
ッド2を打撃する。
【0015】打撃位置が基準位置より前方になると、図
9に示すように、打撃ピストン31は減速域となってピ
ストン速度が低下し、打撃力の小さい軽打撃状態となる
ので、粘土層等の軟弱な個所に適当な打撃力でさく孔す
ることができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく、このさ
く岩機は、打撃力が小さくてもよい軟弱な個所では軽打
撃ができる。しかし、この軽打撃は、打撃ピストン31
が減速域でシャンクロッド2を打撃することにより行わ
れているので、軽打撃の際にも打撃機構3自体は全油量
で作動している。従って、軽打撃を行っているにもかか
わらず、通常の打撃の場合と同様にエネルギー消費量が
大であった。
【0017】本発明は、さく岩機における上記の問題を
解決するものであって、打撃力が小さくてもよい軟弱な
個所で軽打撃を行う際には、打撃機構の作動用の圧油の
油量を減少させ、エネルギー消費量を低減することので
きるさく岩機の打撃力制御機構を提供することを目的と
する。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明では、シャンク
ロッドを打撃する打撃機構と、シャンクロッドに推力を
伝達する伝達部材とを備え、伝達部材の後方に、さく岩
機本体の推力より推力が小さいフロントダンピングピス
トンと、さく岩機本体の推力より推力が大きいリヤダン
ピングピストンとを配設したさく岩機において、フロン
トダンピングピストンに油溝を設け、リヤダンピングピ
ストンが前進位置にあり、フロントダンピングピストン
がリヤダンピングピストンに対して前進した位置にある
とき、前記油溝を介して打撃機構の高圧回路をドレン回
路と連通する排油孔をリヤダンピングピストンに設けて
さく岩機の打撃力制御機構を構成することにより上記課
題を解決している。
【0019】さく岩機では、打撃機構がシャンクロッド
に打撃を与えると、その打撃エネルギーでロッド、ビッ
トが破砕対象を打撃して破砕する。このときの反射エネ
ルギーは、シャンクロッドから伝達部材を経てさく岩機
本体に伝達されるので、この反射エネルギーによってさ
く岩機本体は一旦後退し、推力により前進した後に、打
撃機構が次の打撃を行う。
【0020】ここで、シャンクロッドから伝達部材に伝
達される反射エネルギーは、フロントダンピングピスト
ンとリヤダンピングピストンの後退により緩衝される。
リヤダンピングピストンの推力は、さく岩機本体の推力
より大きいので、一旦後退したフロントダンピングピス
トンとリヤダンピングピストンは、速やかにリヤダンピ
ングピストンの所定の前端位置まで前進する。フロント
ダンピングピストンの推力はさく岩機本体の推力より小
さいが、伝達部材とシャンクロッド、ロッド、ビットの
質量がさく岩機本体の質量よりはるかに小さいので、そ
の後、フロントダンピングピストンにより伝達部材とシ
ャンクロッド、ロッド、ビット1をさらに前進させる。
【0021】これに続いて、さく岩機本体が、その推力
により前進する。ビットが岩盤に接した後は、さく岩機
本体の推力がフロントダンピングピストンの推力より大
きいので、フロントダンピングピストンにリヤダンピン
グピストンが当接するまでさく岩機本体が前進し、通常
は、そこで打撃機構が次の打撃を行う。この行程を繰り
返すことによりさく孔作業が行われる。
【0022】さく岩機本体の推力が不足し、一旦後退し
た後次の打撃時までにさく岩機本体が所定の前進位置ま
で前進ができない場合にも、フロントダンピングピスト
ンは、リヤダンピングピストンの停止後、リヤダンピン
グピストンから離れ、シャンクロッドを押して、ビット
が岩盤に接するまで、さく岩機本体が前進するより速や
かに前進しているので、ビットが岩盤に接した状態で次
の打撃を行うことができる。
【0023】また、ビットの先端部が、大きい打撃力を
必要としない粘土層や空洞等で、フロントダンピングピ
ストンの推力でもビット、ロッドが前進するような場合
には、フロントダンピングピストンがシャンクロッドを
基準位置より前方へ押し出した打撃位置で、打撃ピスト
ンがシャンクロッドを打撃する。
【0024】この打撃位置では、リヤダンピングピスト
ンが前進位置にあり、フロントダンピングピストンがリ
ヤダンピングピストンに対して前進した位置にあるの
で、打撃機構の高圧回路がフロントダンピングピストン
の油溝とリヤダンピングピストンの排油孔を介してドレ
ン回路と連通し、打撃機構の高圧回路から圧油が一部ド
レン回路へ流出する。すると、打撃機構の作動用の圧油
の油量が減少するので、打撃力が小さな軽打撃となり、
エネルギー消費量が低減する。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態を示
すさく岩機の緩衝機構と打撃力制御機構の縦断面図、図
2はさく岩機の基本的構成の説明図、図3乃至図5は打
撃力制御機構の作動の説明図である。
【0026】ここで、さく岩機の基本的な構成は、従来
のさく岩機と同様であり、図2に示すように、さく岩機
本体1の前端部にシャンクロッド2が挿着されており、
その後方にシャンクロッド2に打撃を与える打撃機構3
が設けられている。シャンクロッド2には、さく孔用の
ビット21を取付けたロッド22がスリーブ23で連結
されている。
【0027】図1に示すように、さく岩機本体1には、
チャック11を介してシャンクロッド2に回転を与える
チャックドライバ12を備えており、このチャックドラ
イバ12にはシャンクロッド2の大径部後端2b に当接
するチャックドライバブッシュ13が装着されている。
伝達部材であるこのチャックドライバブッシュ13の後
側には、フロントダンピングピストン4とリヤダンピン
グピストン5とが配設され緩衝機構を構成している。
【0028】リヤダンピングピストン5は、円筒状のピ
ストンでその外側と内側とを連通させる油路51と小油
孔53とを備えており、さく岩機本体1に設けられてい
る中央段部14と後方段部15との間で前後に摺動可能
に装着され、さく岩機本体1との間に形成されるりリヤ
ダンピングピストン油室52の油圧で前方への推力が与
えられる。
【0029】フロントダンピングピストン4は、前端部
外径を大径、その後方を小径とする円筒状のピストンで
あり、小径の部分がリヤダンピングピストン5の内側に
前後摺動可能に装着され、大径の部分により、さく岩機
本体1に設けられている前方段部16とリヤダンピング
ピストン5の前端面5f との間で前後の移動範囲を規制
されている。フロントダンピングピストン4の外周とリ
ヤダンピングピストン5の内周との間には、フロントダ
ンピングピストン油室42が形成されており、その油圧
でフロントダンピングピストン4に前方への推力が与え
られる。
【0030】フロントダンピングピストン油室42とリ
ヤダンピングピストン油室52とは小油孔53で常時連
通しており、リヤダンピングピストン油室52は打撃機
構3の高圧回路7の緩衝用のアッキュムレータ6に連通
している。油路51は、フロントダンピングピストン4
がリヤダンピングピストン5に対して前進した位置では
図1に示すようにフロントダンピングピストン油室42
とリヤダンピングピストン油室52とを連通し、フロン
トダンピングピストン4が後退するとき、フロントダン
ピングピストン4がリヤダンピングピストン5に衝突す
る前に遮断されるよう、小油孔53より前方に配置され
ている。
【0031】また、フロントダンピングピストン4の外
周上には、フロントダンピングピストン油室42の前方
に油溝44が設けられており、リヤダンピングピストン
5には、リヤダンピングピストン5が前進位置にあり、
フロントダンピングピストン4がリヤダンピングピスト
ン5に対して前進した位置にあるとき、油溝44を介し
てリヤダンピングピストン油室52とドレン回路8とを
連通させる排油孔54、55が設けられている。
【0032】フロントダンピングピストン4の外径は、
図3に示すように、フロントダンピングピストン油室4
2の前方がD1 後方がD2 であり、フロントダンピング
ピストン油室42の油圧をPとすると、フロントダンピ
ングピストン油室42により与えられる推力F4 は: F4 =π(D1 2 −D2 2 )P リヤダンピングピストン5の外径は、リヤダンピングピ
ストン油室52の前方がD3 後方がD4 であり、リヤダ
ンピングピストン油室52の油圧は、通常フロントダン
ピングピストン油室42の油圧Pと等しいので、リヤダ
ンピングピストン油室52により与えられる推力F
5 は: F5 =π(D3 2 −D4 2 )P である。
【0033】そして、さく岩機本体1に与えられるを推
力をF1 とすると: F4 <F1 <F5 となるように設定されている。
【0034】通常、さく岩機本体1の推力F1 は1t程
度、高打撃力仕様の場合には1t以上であり: F4 :F1 :F5 =1:2:3 程度に設定される。
【0035】さく孔作業の際には、打撃機構3の打撃ピ
ストン31がシャンクロッド2を打撃すると、その打撃
エネルギーはシャンクロッド2からロッド22を経てビ
ット21に伝達され、ビット21が破砕対象である岩盤
Rを打撃して破砕する。
【0036】このとき、の反射エネルギーEr は、ビッ
ト21からロッド22、シャンクロッド2、チャックド
ライバブッシュ13を経てフロントダンピングピストン
4に伝達される。フロントダンピングピストン4は、図
3のように前進した位置にあれば、フロントダンピング
ピストン油室42の油圧により緩衝されながら後退す
る。フロントダンピングピストン4が後退すると、油路
51は、図4に示すように開口面積が絞られてゆき、フ
ロントダンピングピストン4がリヤダンピングピストン
5に衝突する前に遮断される。よって、フロントダンピ
ングピストン油室42からリヤダンピングピストン油室
52への圧油の流出が制限されてフロントダンピングピ
ストン油室42の油圧がリヤダンピングピストン油室5
2の油圧より高くなる。
【0037】そこで、前端面5f がさく岩機本体1の中
央段部14と当接する前端位置にあったリヤダンピング
ピストン5は、フロントダンピングピストン4がリヤダ
ンピングピストン5に衝突する前に後退を始め、リヤダ
ンピングピストン油室52の油圧により緩衝されながら
フロントダンピングピストン4と共にリヤダンピングピ
ストン5が後方段部15に当接するまで後退し、反射エ
ネルギーEr がさく岩機本体1に伝達される。
【0038】フロントダンピングピストン油室42とリ
ヤダンピングピストン油室52とは小油孔53で常時連
通しているのでやがて両油室42、52の油圧は等しく
なり、緩衝行程が終わる。
【0039】このように、フロントダンピングピストン
4とリヤダンピングピストン5との衝突によるフロント
ダンピングピストン油室42とリヤダンピングピストン
油室52の油圧の大きな変動を生ずることなく滑らかな
緩衝が行なわれるので、緩衝効果が向上しさく岩機本体
1及びビット21からロッド22、シャンクロッド2の
損傷が少なくなる。
【0040】さく岩機本体1に伝達された反射エネルギ
ーEr によってさく岩機本体1は一旦後退する。リヤダ
ンピングピストン油室52により与えられる推力F
5 は、さく岩機本体1に与えられる推力F1 より大きい
ので、まず、リヤダンピングピストン5はフロントダン
ピングピストン4とチャックドライバブッシュ13、シ
ャンクロッド2を押し戻して、図5に示すように、前端
面5f がさく岩機本体1の中央段部14と当接する前端
位置まで前進して停止する。
【0041】静止している質量Mの物体が、外力Fを受
け、距離Sを移動する時間Tは、加速度をaとすると、
運動の方程式より: F=aM S=aT2 /2 ∴ T=(2MS/F)1/2 である。
【0042】一般に、さく岩機本体1の質量M1 は、フ
ロントダンピングピストン4とチャックドライバブッシ
ュ13、シャンクロッド2、スリーブ23、ロッド2
2、及びビット21との合計の質量M2 の10倍〜30
倍であるのに対し、さく岩機本体1の推力F1 は、前述
の通りフロントダンピングピストン4の推力F4 の2倍
程度しかない。
【0043】さく岩機本体1が距離Sを移動するのに要
する時間T1 と、フロントダンピングピストン4がチャ
ックドライバブッシュ13、シャンクロッド2、スリー
ブ23、ロッド22、及びビット21を押しながら距離
Sを移動するのに要する時間T2 との比は: M1 =20M21 =2F4 とすれば、 T1 /T2 =(10)1/2 ≒3.16 となる。
【0044】よって、フロントダンピングピストン4
は、リヤダンピングピストン5の停止後、リヤダンピン
グピストン5から離れ、チャックドライバブッシュ1
3、シャンクロッド2を押して、ビット21が岩盤Rに
接するまで、さく岩機本体1が前進するより速やかに前
進する。
【0045】これに続いて、さく岩機本体1が、その推
力F1 により前進する。ビット21が岩盤Rに接した後
は、さく岩機本体1の推力F1 がフロントダンピングピ
ストン4の推力F4 より大きいので、フロントダンピン
グピストン4に、リヤダンピングピストン5に当接する
までさく岩機本体1が前進する。そこで、打撃機構3が
次の打撃を行う。この行程を繰り返すことによりさく孔
作業が行われる。
【0046】この打撃位置では、図5に示すように、リ
ヤダンピングピストン5が前進位置にあり、フロントダ
ンピングピストン4はリヤダンピングピストン5に対し
て後退した位置にあるので、油溝44と排油孔55との
間が遮断されており、打撃機構3の高圧回路7から圧油
がドレン回路8へ流出することはない。従って、打撃機
構3のは全油量で作動し、打撃力は大となっている。
【0047】もし、反射エネルギーEr が異常に大きく
なり、さく岩機本体1の前進が遅れるような場合でも、
ビット21はフロントダンピングピストン4の前進で既
に岩盤Rに接しているので、打撃エネルギーは確実に破
砕に消費され、打撃効率が向上する。
【0048】打撃エネルギーが破砕に消費されると異常
な反射エネルギーEr は発生しないので、さく岩機本体
1の後退は小さくなり、以後の正常な前進が確保でき
る。打撃装置において強力な打撃エネルギーを得るため
には、ピストンの前進加速を大きくし、衝突スピードを
速くしなければならない。このピストンの前進加速に伴
う反力は、さく岩機本体1が受けるものであり、この反
力は、打撃タイミングの前に発生するので、さく岩機本
体1に与えられる推力より小さいことが望ましい。も
し、この反力がさく岩機本体1の推力より大きい場合、
反力の発生してる間さく岩機本体1は後退側への加速力
を受けることになり、ビット21が岩盤Rに接する位置
まで既に前進していても、さく岩機本体1は打撃前にわ
ずかに後退を生ずることになる。この場合にも、フロン
トダンピングピストン4の前進で、ビット21を岩盤R
に接する位置に保持することができる。
【0049】また、ビット21先端部が、大きい打撃力
を必要としない粘土層や空洞等に遭遇して、フロントダ
ンピングピストン4の推力F4 でもビット21、ロッド
22が前進するような場合には、フロントダンピングピ
ストン4がシャンクロッド2を図1のように、基準位置
より前方へ押し出し、この打撃位置で、打撃ピストン3
1がシャンクロッド2を打撃する。
【0050】この打撃位置では、リヤダンピングピスト
ン5が前進位置にあり、フロントダンピングピストン4
がリヤダンピングピストン5に対して前進した位置にあ
るので、打撃機構3の高圧回路7がリヤダンピングピス
トン油室52、排油孔54、油溝44、排油孔55を介
してドレン回路8と連通し、打撃機構3の高圧回路7か
ら圧油が一部ドレン回路8へ流出する。すると、打撃機
構3の作動用の圧油の油量が減少するので、打撃力が小
さな軽打撃となり、エネルギー消費量が低減する。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のさく岩機
の打撃力制御機構では、緩衝効果を向上させ損傷を少な
くし、打撃効率を向上させると共に、打撃力が小さくて
もよい軟弱な個所で軽打撃を行う際には、打撃機構の作
動用の圧油の油量を減少させ、エネルギー消費量を低減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態を示すさく岩機の打撃力制御機
構の縦断面図である。
【図2】さく岩機の基本的構成の説明図である。
【図3】打撃力制御機構の作動の説明図である。
【図4】打撃力制御機構の作動の説明図である。
【図5】打撃力制御機構の作動の説明図である。
【図6】従来のさく岩機の内部構造の説明図である。
【図7】従来のさく岩機の内部構造の説明図である。
【図8】従来のさく岩機の内部構造の説明図である。
【図9】さく岩機のピストンの打撃位置とピストン速度
との関係の説明図である。
【符号の説明】
1 さく岩機本体 2 シャンクロッド 3 打撃機構 4 フロントダンピングピストン 5 リヤダンピングピストン 6 アッキュムレータ 7 高圧回路 8 ドレン回路 11 チャック 12 チャックドライバ 13 チャックドライバブッシュ 14 中央段部 15 後方段部 16 前方段部 21 ビット 22 ロッド 23 スリーブ 31 打撃ピストン 42 フロントダンピングピストン油室 44 油溝 51 油路 52 リヤダンピングピストン油室 53 小油孔 54 排油孔 55 排油孔 Er 反射エネルギー R 岩盤

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャンクロッドを打撃する打撃機構と、
    シャンクロッドに推力を伝達する伝達部材とを備え、伝
    達部材の後方に、さく岩機本体の推力より推力が小さい
    フロントダンピングピストンと、さく岩機本体の推力よ
    り推力が大きいリヤダンピングピストンとを配設したさ
    く岩機において、 フロントダンピングピストンに油溝を設け、リヤダンピ
    ングピストンが前進位置にあり、フロントダンピングピ
    ストンがリヤダンピングピストンに対して前進した位置
    にあるとき、前記油溝を介して打撃機構の高圧回路をド
    レン回路と連通する排油孔をリヤダンピングピストンに
    設けたことを特徴とするさく岩機の打撃力制御機構。
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