JPH1163200A - ソレノイド駆動装置 - Google Patents

ソレノイド駆動装置

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JPH1163200A
JPH1163200A JP21609897A JP21609897A JPH1163200A JP H1163200 A JPH1163200 A JP H1163200A JP 21609897 A JP21609897 A JP 21609897A JP 21609897 A JP21609897 A JP 21609897A JP H1163200 A JPH1163200 A JP H1163200A
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Masuo Kashiwabara
益夫 柏原
Hiroyuki Yuasa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動変速機の油圧制御に用いられるソレノイド
の電流をフィードバック制御するシステムにおいて、フ
ィードバック補正開始時のエラー量を小さくする。 【解決手段】目標油圧を目標電流に変換し、該目標電流
に応じた基本デューティを設定する一方、実際の電流i
と目標電流との偏差に基づきPID制御によってフィー
ドバック補正分を設定し、前記基本デューティとフィー
ドバック補正分とに基づいてソレノイドに対する通電を
制御する。ここで、通電開始時には、配置間隔距離の短
い他のソレノイドにおけるエラー積分値、又は、他のソ
レノイドにおいて時間的に近い時期に得られたエラー積
分値を選択し、これを初期値として用いて積分制御を開
始させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はソレノイド駆動装置
に関し、例えば車両用自動変速機において作動油圧を制
御するためのソレノイドを駆動する駆動装置であって、
ソレノイドの通電量をフィードバック制御する構成の駆
動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ソレノイドに実際に流れる電
流を検出し、この実際の電流が目標値になるように通電
操作量(例えばデューティ)をフィードバック制御する
よう構成し、ソレノイドの抵抗,温度,電源電圧のばら
つきがあっても、目標電流に制御できるようにしたソレ
ノイド駆動装置が知られている(特開平3−19975
7号公報,特開平8−148333号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
にソレノイドに対する電流をフィードバック制御する構
成の場合、非通電時にはフィードバック制御が停止さ
れ、通電開始と共にフィードバック補正を初期状態(積
分補正量が0の状態)から再開することになっていた。
このため、補正要因の大部分を占める温度変化によって
比較的大きな定常的補正が要求される状態では、通電開
始直後における目標電流値からのずれが大きくなり、例
えば車両用の自動変速機において作動油圧を制御するソ
レノイドの場合、油圧の制御精度が悪化して、変速ショ
ックを招くなどの問題が生じる可能性があった。
【0004】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、ソレノイドの電流を制御するフィードバック補正
において、温度変化があっても、フィードバック補正開
始時(通電開始時)から目標制御量(目標電流値,目標
油圧)に近い値が得られる通電操作量を出力できるよう
にすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1記載の
発明では、複数のソレノイドを備えると共に、各ソレノ
イドについて、制御量が目標量になるようにソレノイド
に対する通電操作量をフィードバック補正するフィード
バック補正手段をそれぞれ備えたソレノイド駆動装置に
おいて、フィードバック補正が開始されるソレノイドに
対するフィードバック補正量の初期値を、他のソレノイ
ドのフィードバック補正結果に基づいて決定する構成と
した。
【0006】かかる構成によると、複数のソレノイドそ
れぞれについて独立に通電操作量(例えばスイッチング
手段をオン・オフさせるデューティ信号)が、例えばP
ID制御などによってフィードバック制御されるが、こ
の複数のソレノイドの中の1つについてフィードバック
補正を開始するときには、他のソレノイドにおけるフィ
ードバック補正の結果に基づいて、フィードバック補正
量の初期値を決定する。即ち、他のソレノイドにおける
補正結果を参考にしてフィードバック補正量の初期値を
決定して、要求される補正量に近い値からフィードバッ
ク補正が開始できるようにするものである。
【0007】請求項2記載の発明では、前記他のソレノ
イドのフィードバック補正結果のうち、前記フィードバ
ック補正が開始されるソレノイドと温度環境が最も近い
状態での値を選択して、フィードバック補正が開始され
るソレノイドに対するフィードバック補正量の初期値を
決定する構成とした。かかる構成によると、フィードバ
ック補正を開始するときに、他のソレノイドの補正結果
であって温度環境が最も近い状態での値を選択して、温
度変化によって要求される補正量が初期状態から付加さ
れるようにする。
【0008】請求項3記載の発明では、前記フィードバ
ック補正が開始されるソレノイドと他のソレノイドとの
配置距離に基づいて温度環境が最も近い状態での補正結
果を選択する構成とした。かかる構成によると、フィー
ドバック補正を開始するソレノイドに対して距離が近い
ソレノイドは、温度環境も近いものと判断して、フィー
ドバック補正が開始されるソレノイドに距離が近いソレ
ノイドにおけるフィードバック補正の結果を、フィード
バック補正量の初期値に反映させる。
【0009】請求項4記載の発明では、前記他のソレノ
イドそれぞれにおいてフィードバック補正結果を得たタ
イミングに基づいて、温度環境が最も近い状態での補正
結果を選択する構成とした。かかる構成によると、フィ
ードバック補正結果を得たタイミング、即ち、他のソレ
ノイドにおけるフィードバック補正結果の時間的な遠近
に基づいて、温度環境が最も近い状態での補正結果を選
択して、これからフィードバック補正を開始するソレノ
イドにおける初期値を決定する。
【0010】請求項5記載の発明では、フィードバック
補正が行われている他のソレノイドのうちで、フィード
バック補正が開始されるソレノイドに対して配置距離が
最も短いソレノイドにおけるフィードバック補正量に基
づいて、フィードバック補正量の初期値を決定する構成
とした。かかる構成によると、フィードバック補正を開
始するときに、他のソレノイドであってフィードバック
補正が行われているソレノイドのうちで、距離的に最も
近いソレノイドにおける補正量に基づいて、フィードバ
ック補正量の初期値を決定する。
【0011】請求項6記載の発明では、フィードバック
補正が行われている他のソレノイドにおけるフィードバ
ック補正量の平均値に基づいて、フィードバック補正量
の初期値を決定する構成とした。かかる構成によると、
フィードバック補正量の初期値を決定するときに、他の
複数のソレノイドの補正結果について平均値を求め、こ
の平均値から前記初期値を決定する。
【0012】請求項7記載の発明では、前記他のソレノ
イドのうちで、直前にフィードバック補正が行われてい
たソレノイドにおけるフィードバック補正量に基づい
て、フィードバック補正量の初期値を決定する構成とし
た。かかる構成によると、フィードバック補正を開始す
るときに、他のソレノイドのうちで最も最近までフィー
ドバック補正が行われていたソレノイドにおける補正結
果に基づいて初期値が決定される。
【0013】請求項8記載の発明では、前記他のソレノ
イドに対するフィードバック補正量のうちの定常偏差の
補正量に基づいて、フィードバック補正量の初期値を決
定する構成とした。かかる構成によると、他のソレノイ
ドに対するフィードバック補正量に基づいてフィードバ
ック開始時の初期値を決定するときに、例えばPID制
御における積分制御量に相当する定常偏差の補正量を用
いる。
【0014】請求項9記載の発明では、前記制御量がソ
レノイドの電流値であり、目標電流値に実際の電流値が
一致するように、ソレノイドに対する通電操作量をフィ
ードバック補正する構成とした。かかる構成によると、
ソレノイドの電流が目標電流になるように通電操作量
(例えばデューティ)がフィードバック補正される。
【0015】請求項10記載の発明では、前記複数のソレ
ノイドがそれぞれ油圧を制御するためのソレノイドであ
って、前記制御量が油圧であり、目標油圧に実際の油圧
が一致するように、ソレノイドに対する通電操作量をフ
ィードバック補正する構成とした。かかる構成による
と、例えば車両用自動変速機等において、ソレノイドに
よって制御される油圧が目標油圧に一致するように、通
電操作量(例えばデューティ)がフィードバック補正さ
れる。
【0016】
【発明の効果】請求項1記載の発明によると、フィード
バック補正量の初期値を、他のソレノイドにおける補正
結果から決定するので、全く新規に補正を開始させる場
合に比べ、初期エラー量を抑制でき、以て、フィードバ
ック補正の開始直後から目標制御量付近に制御できると
いう効果がある。
【0017】請求項2記載の発明によると、温度環境に
よって要求されるフィードバック補正量を、補正開始時
から付与することが可能となり、温度環境の変化に対し
てソレノイドの制御精度を向上させることができるとい
う効果がある。請求項3記載の発明によると、ソレノイ
ドの配置距離に基づいて温度環境が近い状態での補正結
果を的確に選択し、以て、フィードバック補正量の初期
値として温度環境から要求される値を適切に設定できる
という効果がある。
【0018】請求項4記載の発明によると、フィードバ
ック補正結果の時間的な遠近に基づいて温度環境が近い
状態での補正結果を的確に選択し、以て、フィードバッ
ク補正量の初期値として温度環境から要求される値を適
切に設定できるという効果がある。請求項5記載の発明
によると、ソレノイドの配置距離が最も近い他のソレノ
イドの最新の補正結果を、フィードバック補正量の初期
値に反映させることで、時間的かつ距離的に温度環境が
近いソレノイドでの補正結果に基づいて、前記初期値を
精度良く決定できるという効果がある。
【0019】請求項6記載の発明によると、他のフィー
ドバック補正結果の平均値に基づいて初期値を決定する
ので、個々の補正結果のばらつきに影響されずに、安定
的に初期値を決定できるという効果がある。請求項7記
載の発明によると、フィードバック補正が最近まで行わ
れていた他のソレノイドの補正結果から、フィードバッ
ク補正の初期値を決定することで、温度環境等がなるべ
く近い状態での補正結果を初期値に反映させることがで
きるという効果がある。
【0020】請求項8記載の発明によると、温度環境の
変化等による定常的な偏差に対応する補正量(例えばP
ID制御の積分制御量)であって他のソレノイドにおい
て設定された値を、フィードバック補正の初期値に反映
させることで、温度環境等による定常的な偏差分を、フ
ィードバック補正の開示時から補正することができると
いう効果がある。
【0021】請求項9記載の発明によると、フィードバ
ック補正の開始時から、目標電流値に対する実際値のエ
ラー量を少なくすることができ、以て、目標電流値に精
度良く制御できるという効果がある。請求項10記載の発
明によると、フィードバック補正の開始時から、目標油
圧に対する実際値のエラー量を少なくすることができ、
以て、目標油圧に精度良く制御できるという効果があ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。図1は、本発明にかかるソレノイド駆動装置が適
用される車両用の油圧式自動変速機を示すものである。
図1では、エンジン101 と組み合わされる自動変速機10
2 に対して、各種の摩擦係合要素に対する作動油圧を制
御する複数のリニアソレノイドバルブを有するバルブユ
ニット103 が付設されており、マイクロコンピュータを
内蔵するコントロールユニット104 が、前記バルブユニ
ット103 のソレノイドSOL1〜SOL4に対する通電
を制御して、変速制御が行われる構成となっている。
【0023】前記ソレノイドSOL1〜SOL4は、そ
れぞれに図2に示すような構成によって通電が制御され
る。図2において、まず、目標油圧PT が目標油圧演算
部1において演算され、次にこの目標油圧PT が、目標
電流演算部2で目標電流IT に変換される。前記目標電
流IT は、中央値演算部3において基準デューティ(O
N時間割合%)に変換されて、ソレノイドSOL1〜S
OL4の通電を制御するスイッチング手段(トランジス
タ等)に出力される。
【0024】一方、前記ソレノイドSOL1〜SOL4
それぞれに実際に流れる電流iが図示しない電流検出回
路で検出され、この実際の電流iと目標電流IT との偏
差が演算される。そして、前記偏差に基づきフィードバ
ック補正部4(フィードバック補正手段)ではPID
(比例・積分・微分)制御動作によってフィードバック
補正分を設定し、前記基本デューティ(中央値)と前記
フィードバック補正分とを加算して得られるデューティ
DUTYを、前記ソレノイドSOL1〜SOL4に出力
する。
【0025】尚、検出されたソレノイドSOL1〜SO
L4の実際の電流iは、ローパスフィルタ5を介した
後、前記偏差の演算に用いるようにしてある。更に、本
発明に特徴的な構成として、初期値演算部6が、フィー
ドバック補正の開始時(通電開始時)に前記フィードバ
ック補正部4に対して、他のソレノイドにおけるフィー
ドバック補正量に基づいて決定した初期値を与えるよう
になっている。
【0026】ここで、前記図2に示される通電制御の詳
細を、図3のフローチャートに従って詳細に説明する。
尚、各ソレノイドS1〜S4毎に前記図3のフローチャ
ートに示す制御が個別に実行されることになる。図3の
フローチャートにおいて、まず、ステップ1(図中には
S1と記してある。以下同様)では、目標油圧PT を目
標電流IT に変換する。
【0027】ステップ2では、前記目標電流IT が0で
あるか否かを判別する。そして、目標電流IT が0であ
って、ソレノイドSOL1〜SOL4をOFFするとき
には、ステップ3へ進んで、フィードバック制御におけ
る積分制御量の演算に用いるエラー積分値Serをゼロ
リセットし、次のステップ4では、ソレノイドSOL1
〜SOL4に出力するデューティ信号を0とする。
【0028】一方、目標電流IT が0でないときには、
ステップ5へ進み、前回の目標電流IT が0であったか
否かを判別することで、通電開始時であるか否か、換言
すれば、フィードバック制御の開始時であるか否かを判
別する。ステップ5で、前回の目標電流IT が0であっ
たと判別されたとき、即ち、ソレノイドSOL1〜SO
L4への通電開始時点であるときには、ステップ6へ進
み、前記エラー積分値Serの補正量HOS(フィード
バック補正量の初期値)を演算する。尚、前記補正量H
OSの演算については、後で詳述する。
【0029】一方、ステップ5で前回の目標電流T が0
でなかったと判別されたとき、即ち、継続的な通電制御
状態であるときには、ステップ6を迂回してステップ7
へ進む。ステップ7では、前記ステップ1で演算した目
標電流IT に基づいて基準デューティ(中央値)Isen
を演算する。
【0030】ステップ8では、目標電流IT と実電流i
との偏差を、エラー量Erとして演算する(Er=IT
−i)。ステップ9では、比例制御量Ikpを、前記エラ
ー量Erと比例定数(比例ゲイン)Kpとに基づき、I
kp=Kp・Erとして演算する。ステップ10では、微分
制御量Ikdを、今回のエラー量Erと前回のエラー量E
rφと微分定数Kdと基づき、Ikd=Kd(Er−Er
φ)として演算する。
【0031】ステップ11では、前記ステップ5と同様
に、前回の目標電流IT が0であったか否かを判別す
る。そして、前回の目標電流IT が0であったとき、即
ち、今回が通電開始時であるときには、ステップ12へ進
み、エラー積分値Serを、前記補正量HOS,エラー
量Erに基づいて、Ser←Ser+HOS+Erとし
て演算する。尚、電停止時(OFF時)には、前記ステ
ップ3でエラー積分値Serがゼロリセットされるの
で、前記ステップ12での演算は、実質的には、Ser←
HOS+Erなる演算を行うことになる。
【0032】一方、ステップ11で前回の目標電流IT
0でなかったと判別されたときには、ステップ13へ進
み、前記エラー積分値Serを、Ser←Ser+Er
として演算し、エラー量Erを積分するようにする。ス
テップ14では、積分制御量Ikiを、前記エラー積分値S
erと積分定数Kiとに基づいて、Iki=Ki・Ser
として演算する。
【0033】そして、ステップ15では、最終的にソレノ
イドSOL1〜SOL4に与えるデューティ信号DUT
Yを、DUTY=Isen +Ikp+Iki+Ikdとして演算
する。上記構成により、目標油圧PT に相当する目標電
流IT に実際の電流i(制御量)が一致するように、P
ID制御(比例,積分,微分動作)によって制御デュー
ティ(通電操作量)DUTYが制御される。
【0034】次に、前記ステップ6における補正量HO
Sの演算について説明する。図4のフローチャートは、
補正量HOS演算の第1実施形態を示すものであり、ま
ず、ステップ21では、そのときに通電されている他のソ
レノイドを把握する。例えば、ソレノイドS1の通電開
始時であるときには、他のソレノイドS2〜S4の中で
通電されているものを把握することになる。
【0035】ステップ22では、図5に示すようなテーブ
ルに基づき、前記通電されている他のソレノイドの中
で、通電開始されるソレノイドに配置距離が最も短いも
のを選択する。例えば図6に示すようにソレノイドSO
L1〜SOL4が配置されている場合であって、ソレノ
イドSOL4について通電を開始させる場合を想定する
と、ソレノイドSOL4に対しては、ソレノイドSOL
3,SOL2,SOL1の順で距離が短いので、例えば
SOL1〜SOL3の中で、ソレノイドSOL1とソレ
ノイドSOL2とに通電されていた場合には(図7参
照)、ソレノイドSOL2を選択することになる。
【0036】そして、ステップ23では、前記ステップ22
で選択したソレノイドの通電フィードバック制御におけ
る積分制御量Ikiの基礎となったエラー積分値Serを
補正量HOSにセットする。尚、エラー積分値Serを
補正量HOS(他のソレノイドにおけるエラー積分値S
er)で補正する代わりに、前記ステップ22で選択した
ソレノイドにおける積分制御量Ikiをそのまま補正量H
OSとすると共に、ステップ11〜ステップ13を省略し、
ステップ15で、デューティ信号DUTYに対して前記補
正量HOSを付加するようにしても良い(DUTY=I
sen +Ikp+Iki+Ikd+HOS)。
【0037】即ち、通電開始するソレノイドに対して配
置距離が短い他のソレノイドは、温度環境が最も近く、
略同程度の温度になっているものと推定され、係る距離
的に最も近いソレノイドでの最新の積分制御量Ikiは、
温度変化による定常的な偏差に対応するものと推定でき
るので、前記積分制御量Ikiを初期値として設定して温
度変化に対応する分の補正量を直ちに与えられるように
するものである。これにより、フィードバック補正開始
時におけるエラー量を十分に小さくして、目標電流に対
する収束性を高めることができ、以て、目標油圧に高精
度に制御できることになる。
【0038】ところで、通電開始されるソレノイドに対
する他のソレノイドの距離が長くなるほど、温度環境が
異なるものと推定されるので、通電されている他のソレ
ノイドにおける積分制御量Iki(エラー積分量Ser)
に対して、距離が遠いほど軽くなる重み付けを行って、
補正量HOSを決定する構成としても良い。具体的に
は、通電されている他のソレノイドそれぞれの積分制御
量Iki(エラー積分量Ser)に対して距離に応じた重
み付けを行って、該重み付けされた積分制御量Iki(エ
ラー積分量Ser)の総和を、最終的な補正量HOSと
したり、通電されている他のソレノイドの中で最も距離
の短いソレノイドにおける積分制御量Iki(エラー積分
量Ser)を、距離に応じた係数で補正して最終的な補
正量HOSとしたりすれば良い。尚、上記距離に応じた
重み付けには、所定距離以上離れているソレノイドしか
通電されていないときには補正量HOSを0として、他
のソレノイドにおける制御結果を反映させないことを含
むものとする。
【0039】図8のフローチャートは、補正量HOS演
算の第2実施形態を示すものであり、まず、ステップ31
では、そのときに通電されている他のソレノイドを把握
する。ステップ32では、前記通電されている他のソレノ
イドそれぞれにおいて積分制御量Ikiの基礎となったエ
ラー積分値Serの平均値を演算する。
【0040】ステップ33では、前記エラー積分値Ser
の平均値を補正量HOSにセットする。尚、デューティ
信号DUTYを補正する場合には(DUTY=Isen +
Ikp+Iki+Ikd+HOS)、前記通電されている他の
ソレノイドそれぞれにおける積分制御量Ikiの平均値を
補正量HOSにセットすれば良い。
【0041】通電フィードバック制御されている他のソ
レノイドの積分制御量Iki(エラー積分量Ser)の平
均値は、温度による定常的な偏差の平均レベルを示すこ
とになるので、前記平均値でフィードバック補正の初期
値を補正することで、温度変化による初期エラーを小さ
くできる。尚、前記平均値の演算においても、距離に応
じた重み付けを行っても良く、例えば、他のソレノイド
が全て通電されているときに、最も距離の遠いソレノイ
ドを除いて平均値を演算させるなどしても良い。
【0042】ところで、上記第1,第2実施形態では、
あるソレノイドに通電開始するときに、他のソレノイド
において通電フィードバック制御されていることが条件
となり、他のソレノイドで通電されているものがない場
合には、補正量HOSを設定できないことになってしま
う。そこで、例えば、図7に示すソレノイドS2に対す
る通電開始時には、時間的に最も近い、直前まで通電制
御されていたソレノイドS3における積分制御量Iki
(エラー積分量Ser)に基づいて補正量HOSを決定
する構成としても良い。
【0043】図9は上記構成の第3実施形態を示すフロ
ーチャートであり、ステップ41では、そのときに通電さ
れている他のソレノイドを把握する。そして、通電され
ている他のソレノイドが存在する場合には、ステップ42
へ進み、前記図4又は図8に示される第1又は第2実施
形態に基づいて補正量HOSを決定させる。
【0044】一方、通電されている他のソレノイドが存
在しないときには、ステップ43へ進み、直前まで通電さ
れていたソレノイドを把握する。ここで、同時期まで通
電されていたソレノイドが複数存在するときには、距離
の近い方を選択したり、後述する補正量HOSの演算に
おいてそれぞれに対して距離に応じた重み付けを行うよ
うにしても良い。
【0045】ステップ44では、前記ステップ43で把握さ
れた直前まで通電されていたソレノイドにおける積分制
御量Iki(エラー積分量Ser)に基づいて補正量HO
Sを決定する。積分制御量Iki(エラー積分量Ser)
を得たタイミングが時間的に遠いと、その間に温度環境
が変化している可能性があるため、直前のフィードバッ
ク補正結果を、補正量HOSに反映させるものである。
ここで、同じ直前での補正結果であっても、今回の通電
開始までの時間が長いと、それだけ信頼性が低下するこ
とになるので、通電停止されてからの経過時間が長いほ
ど重み付けを軽くすることが好ましく、簡便には、予め
設定した時間内の補正結果のみを採用するようにしても
良い。
【0046】ところで、上記実施の形態では、目標制御
量をソレノイドの電流iとしたが、実際の油圧が目標油
圧に一致するように、ソレノイドに対する通電量をフィ
ードバック制御する構成においても、上記同様にして、
フィードバック補正の初期値を設定することで、目標油
圧に対する初期エラーを小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態において本発明が適用される自動変
速機を示すシステム図。
【図2】実施の形態におけるソレノイドに対する通電制
御回路を示すブロック図。
【図3】実施の形態におけるソレノイドに対する通電制
御の様子を示すフローチャート。
【図4】初期値設定の第1の実施形態を示すフローチャ
ート。
【図5】通電開始するソレノイドに対する他のソレノイ
ドの配置距離関係を記憶したテーブルを示す図。
【図6】実施の形態におけるソレノイドの配置状態を示
す斜視図。
【図7】ソレノイドの通電開始タイミングの例を示すタ
イムチャート。
【図8】初期値設定の第2の実施形態を示すフローチャ
ート。
【図9】初期値設定の第3の実施形態を示すフローチャ
ート。
【符号の説明】
1 目標油圧演算部 2 目標電流演算部 3 中央値演算部 4 フィードバック補正部 5 ローパスフィルタ 6 初期値演算部 SOL1〜SOL4 ソレノイド

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のソレノイドを備えると共に、各ソレ
    ノイドについて、制御量が目標量になるようにソレノイ
    ドに対する通電操作量をフィードバック補正するフィー
    ドバック補正手段をそれぞれ備えたソレノイド駆動装置
    において、 フィードバック補正が開始されるソレノイドに対するフ
    ィードバック補正量の初期値を、他のソレノイドのフィ
    ードバック補正結果に基づいて決定することを特徴とす
    るソレノイド駆動装置。
  2. 【請求項2】前記他のソレノイドのフィードバック補正
    結果のうち、前記フィードバック補正が開始されるソレ
    ノイドと温度環境が最も近い状態での値を選択して、フ
    ィードバック補正が開始されるソレノイドに対するフィ
    ードバック補正量の初期値を決定することを特徴とする
    請求項1記載のソレノイド駆動装置。
  3. 【請求項3】前記フィードバック補正が開始されるソレ
    ノイドと他のソレノイドとの配置距離に基づいて温度環
    境が最も近い状態での補正結果を選択することを特徴と
    する請求項2記載のソレノイド駆動装置。
  4. 【請求項4】前記他のソレノイドそれぞれにおいてフィ
    ードバック補正結果を得たタイミングに基づいて、温度
    環境が最も近い状態での補正結果を選択することを特徴
    とする請求項2記載のソレノイド駆動装置。
  5. 【請求項5】フィードバック補正が行われている他のソ
    レノイドのうちで、フィードバック補正が開始されるソ
    レノイドに対して配置距離が最も短いソレノイドにおけ
    るフィードバック補正量に基づいて、フィードバック補
    正量の初期値を決定することを特徴とする請求項1記載
    のソレノイド駆動装置。
  6. 【請求項6】フィードバック補正が行われている他のソ
    レノイドにおけるフィードバック補正量の平均値に基づ
    いて、フィードバック補正量の初期値を決定することを
    特徴とする請求項1記載のソレノイド駆動装置。
  7. 【請求項7】前記他のソレノイドのうちで、直前にフィ
    ードバック補正が行われていたソレノイドにおけるフィ
    ードバック補正量に基づいて、フィードバック補正量の
    初期値を決定することを特徴とする請求項1記載のソレ
    ノイド駆動装置。
  8. 【請求項8】前記他のソレノイドに対するフィードバッ
    ク補正量のうちの定常偏差の補正量に基づいて、フィー
    ドバック補正量の初期値を決定することを特徴とする請
    求項1〜7のいずれか1つに記載のソレノイド駆動装
    置。
  9. 【請求項9】前記制御量がソレノイドの電流値であり、
    目標電流値に実際の電流値が一致するように、ソレノイ
    ドに対する通電操作量をフィードバック補正することを
    特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のソレノ
    イド駆動装置。
  10. 【請求項10】前記複数のソレノイドがそれぞれ油圧を制
    御するためのソレノイドであって、前記制御量が油圧で
    あり、目標油圧に実際の油圧が一致するように、ソレノ
    イドに対する通電操作量をフィードバック補正すること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のソレ
    ノイド駆動装置。
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