JPH1162719A - エンジンのegr制御装置 - Google Patents

エンジンのegr制御装置

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JPH1162719A
JPH1162719A JP9215181A JP21518197A JPH1162719A JP H1162719 A JPH1162719 A JP H1162719A JP 9215181 A JP9215181 A JP 9215181A JP 21518197 A JP21518197 A JP 21518197A JP H1162719 A JPH1162719 A JP H1162719A
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egr
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egr valve
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Akira Shirakawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンのEGR制御装置において、車両の
発進時や変速時におけるEGR量の制御応答性を改善す
る。 【解決手段】 要求EGR弁開度Aevと変速後のエン
ジン回転数およびエンジン負荷の予測値に応じてEGR
弁の目標開度Aevfを演算し、車両の変速完了前に演
算されたEGR弁開度の指令値Tliftを出力する構
成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の発進時や変
速時等にEGR量(吸気系に還流される排気ガス量)を
制御するエンジンのEGR制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジン等にあっては、排気ガ
ス中の有害成分であるNOxの発生を抑制するために、
吸気通路に不活性の排気ガスを再循環させる、いわゆる
EGR装置が設けられている。
【0003】しかし、吸気通路に不活性の排気ガスを再
循環させてNOxの発生を抑制すると、燃焼雰囲気が酸
素不足となるため、排気微粒子やHC、CO等の排出量
が増える傾向がある。
【0004】このNOxと排気微粒子のトレードオフの
関係は、エンジン高負荷時、あるいはEGR量が多くな
り空気過剰率が低い運転条件で顕著になり、NOxと排
気微粒子の排出量を同時に減らすためには、EGR量を
運転条件に応じて精密に制御する必要がある。また、過
渡運転時のノック音を低減するためにも、EGR量の制
御精度を高めることは有効である。
【0005】EGR量を制御する装置として、例えば特
開昭57−148048号公報に開示されたものは、エ
ンジンに吸入される空気量と新気量をそれぞれ検出し、
両者の差をEGR量と見なし、EGR率(=EGR量/
新気量)が目標EGR率と一致するように、EGR通路
の開口面積がEGR弁を介して調節されるようになって
いる。これにより、EGR弁を流れる排気ガスの挙動を
考慮しなくても、目標のEGR率に制御でき、EGR弁
の詰まりを自己補正することができる。
【0006】しかし、この従来装置は、目標EGR量に
対して実測されるEGR量がずれた場合、EGR弁の開
口面積をどのように制御させればよいかを適合させる必
要があり、例えばPI制御ならば、P分I分を適合させ
なければならい。また、回転数、負荷、EGR弁開度等
の運転条件により、EGR弁の開度変化に対するEGR
量の変化が一定でないため各種補正が必要であり、EG
R量を運転条件に応じて精密に制御することが難しい。
【0007】これに対処して、EGR弁を流れる排気ガ
ス流量を制御する装置として、例えば特開平2−118
58号公報に開示されたものは、EGR弁の前後差圧を
計測し、目標EGR率が得られるEGR弁と吸気絞り弁
の開度を調節するようになっている。これは、EGR弁
を通過する排気ガスの流れを1次元非圧縮性流体として
考え、EGR率の目標値と実測値の差分に応じて、EG
R弁の開度の所要変化量を求めるため、EGR弁のアク
チュエータそのものの制御定数のみを適合させればよ
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、EGR
弁を作動させてからシリンダに吸入されるEGR量が変
わるのにある程度の時間がかかり、車両の発進時や加速
時等に十分な制御応答性が得られず、排気性能が悪化し
たり、ノック音が発生する可能性がある。
【0009】例えば、車両の停止時にアイドル運転が行
われている状態ではEGR量が高められ、インテークマ
ニホールド内には大量のEGRガスが充満している。こ
の状態から車両を発進させる場合、アクセルが踏まれる
のに伴って燃料噴射量が増える一方、インテークマニホ
ールド内に溜まった大量のEGRガスがシリンダ内に流
入し、シリンダ内の酸素濃度が低く、二酸化炭素濃度が
高く、比熱比が大きくなる。このような条件では、空気
過剰率が低下し、燃焼温度が低下するため、PMやスス
が増加し、発生トルクが低下する。このとき、運転者が
等トルクを発生するためにアクセルを踏み増すと、燃料
噴射量が増加し、通常負荷の増大に伴い目標EGR率も
低下するため、NOxもかえって増加する。
【0010】また、車両の加速中にシフトアップが行わ
れた場合、シフトアップと同時にエンジン回転数が低下
するが、トランスミッションの出力シャフトの軸出力を
一定に保つためには、エンジンの発生トルクを増加させ
なければならない。この場合、エンジンの要求燃料噴射
量も増加するが、ここでも、車両の変速前で負荷の低い
条件下でインテークマニホールド内に導入されたEGR
ガスが残留しているため、空気過剰率の低下、燃焼温度
の低下により、PM、スス、NOxの増大や、発生トル
クの低下を招く。
【0011】これに対処して、特開平8−128359
号公報に開示されたものは、排気ガスがEGR弁を通過
してシリンダに流入するまでかかる無駄時間を求め、過
渡運転時のEGRの制御精度を高めるようになってい
る。
【0012】しかしながら、この場合、運転状態の変化
をエンジン回転数および吸気管内の圧力センサによって
検出するため、燃料噴射量が増量されてすでに空気過剰
率が低下してからEGR弁の開度を補正することにな
り、車両の発進時や変速時に、PM、スス、NOxの増
大や、発生トルクの低下を防ぐことができない。
【0013】さらに、排気ガスがEGR弁を通過してシ
リンダに流入するまでの無駄時間の設定も過去の推定値
を選択して補正するため、運転条件の変化や環境の変化
により無駄時間が変化した場合、補正が過大になったり
不足して所期の効果が得られない。
【0014】また、特開昭62−70652号公報、特
開昭63−25362号公報に開示されたものは、EG
R弁の開度を車両の加減速状態に応じて補正するととも
に、変速ギヤ位置に応じて目標EGR量を補正するよう
になっている。
【0015】しかしながら、過渡運転時におけるEGR
量の応答遅れは、エンジン回転数、負荷、EGR弁の前
後差圧に応じて大幅に変化するが、エアフロメータや圧
力センサによってEGR量を検出するのに時間がかかる
ため、EGR制御系のダイナミックスの考慮が必要であ
リ、変速前後等にEGR量の制御精度が悪化するという
問題点がある。
【0016】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
のであり、エンジンのEGR制御装置において、車両の
発進時や変速時におけるEGR量の制御応答性を改善す
ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のエンジ
ンのEGR制御装置は、エンジンの排気通路と吸気通路
を結ぶEGR通路と、EGR通路の途中に介装されるE
GR弁と、EGR弁の上流側と下流側に生じる圧力差を
EGR差圧Dlpとして検出するEGR差圧検出手段
と、運転条件に応じて要求EGR量TQeを設定する要
求EGR量設定手段と、要求EGR量TQeとEGR差
圧Dlpに応じて要求されるEGR弁の開度Aevを演
算する要求EGR弁開度演算手段と、エンジンから車輪
に伝えられる回転の変速比を変える変速機とを備える車
両において、車両の変速時を検出する運転条件判別手段
と、車両の変速後のエンジン回転数およびエンジン負荷
を予測する変速後回転負荷予測手段と、要求EGR弁開
度Aevと変速後のエンジン回転数およびエンジン負荷
の予測値に応じてEGR弁の目標開度Aevfを演算す
る目標EGR弁開度演算手段と、車両の変速完了前に演
算されたEGR弁開度の指令値Tliftを出力するE
GR弁開度指令手段とを備えるものとした。
【0018】請求項2に記載のエンジンのEGR制御装
置は、吸気量を検出する吸気量検出手段と、吸気量に応
じて吸気圧Pmを演算する吸気圧演算手段と、エンジン
負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、エンジン負荷
に応じて排気圧Pexhを演算する排気圧演算手段とを
備え、請求項1に記載のEGR差圧検出手段はEGR差
圧DlpをDlp=Pexh−Pmとして演算する構成
とした。
【0019】請求項3に記載のエンジンのEGR制御装
置は、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段
と、車速を検出する車速検出手段と、アクセル開度と車
速に応じて前記変速機の変速比を制御する変速比制御手
段とを備え、請求項1に記載のEGR弁開度指令手段と
して変速比制御信号を入力して変速機の変速完了前に演
算されたEGR弁開度の指令値Tliftを出力する構
成とした。
【0020】請求項4に記載のエンジンのEGR制御装
置は、エンジンから変速機に伝えられる回転力を断続す
るクラッチと、手動で変速比が切換えられる変速機を備
え、請求項1に記載のEGR弁開度指令手段はクラッチ
の接続が解除された状態で変速比が変えられるのに伴っ
てクラッチが接続される変速完了前に演算されたEGR
弁開度の指令値Tliftを出力する構成とした。
【0021】請求項5に記載のエンジンのEGR制御装
置は、請求項1から4のいずれか一つに記載の発明にお
いて、変速時にEGR弁の作動によりEGR率が変化す
る遅れに相当する時定数を演算し、時定数に応じてEG
R弁開度の指令値Tliftを出力する時期を制御する
構成とした。
【0022】請求項6に記載のエンジンのEGR制御装
置は、エンジンの排気通路と吸気通路を結ぶEGR通路
と、EGR通路の途中に介装されるEGR弁と、運転条
件に応じて目標EGR率Megrを設定するEGR率設
定手段と、目標EGR率Megrに応じてEGR弁の開
度Aevを演算する要求EGR弁開度演算手段と、エン
ジンから車輪に伝えられる回転の変速比を変える変速機
と、車輪の制動をするブレーキとを備える車両におい
て、ブレーキの作動を検出するブレーキ作動検出手段
と、車速を検出する車速検出手段と、アクセル開度を検
出するアクセル開度検出手段と、ブレーキの作動状態と
アクセル開度と車速に応じて車両の発進時を検出する運
転条件判別手段と、車両の発進前に目標EGR率を減量
補正する目標EGR率補正手段とを備えるものとした。
【0023】請求項7に記載のエンジンのEGR制御装
置は、請求項6に記載の発明において、車両の発進前に
ブレーキにより制動が解除されてからカウントされる発
進時タイマTstに応じて目標EGR率Megrを減量
補正する構成とした。
【0024】
【発明の作用および効果】請求項1に記載のエンジンの
EGR制御装置において、変速後のエンジン回転数とエ
ンジン負荷を予測し、要求EGR弁開度Aevと変速後
のエンジン回転数およびエンジン負荷の予測値に応じて
EGR弁の目標開度Aevfを演算し、変速完了前にE
GR弁開度の指令値Tliftを出力する。
【0025】これにより、変速後におけるEGR量制御
の応答遅れが小さくなり、変速後の加速性能を高められ
るとともに、排気性能を改善し、ノック音が発生するこ
とを防止できる。
【0026】請求項2に記載のエンジンのEGR制御装
置において、吸気量に応じて吸気圧Pmを演算し、エン
ジン負荷に応じて排気圧Pexhを演算する。こうして
求められる吸気圧Pmと排気圧Pexhに応じて、EG
R差圧DlpをDlp=Pexh−Pmとして演算す
る。これにより、EGR差圧DlpはEGR通路の前後
差圧となり、EGR量が多い運転時でもEGR差圧Dl
pに応じて目標EGR量TQeに対する要求EGR弁開
口面積Aevsを的確に算出することができる。
【0027】請求項3に記載のエンジンのEGR制御装
置において、自動変速機を備える車両において、変速比
制御信号を入力して変速機の変速が完了する前に演算さ
れたEGR弁開度の指令値Tliftを出力する。
【0028】これにより、変速後におけるEGR量制御
の応答遅れが小さくなり、変速後の加速性能を高められ
るとともに、排気性能を改善し、ノック音が発生するこ
とを防止できる。
【0029】請求項4に記載のエンジンのEGR制御装
置において、手動変速機を備える車両において、クラッ
チの接続が解除された状態で変速比が変えられるのに伴
ってクラッチが接続される前にEGR弁開度の指令値T
liftを出力する。
【0030】これにより、変速後におけるEGR量制御
の応答遅れが小さくなり、変速後の加速性能を高められ
るとともに、排気性能を改善し、ノック音が発生するこ
とを防止できる。
【0031】請求項5に記載のエンジンのEGR制御装
置において、変速時にEGR弁の作動によりEGR率が
変化する遅れに相当する時定数を演算し、時定数に応じ
てEGR弁開度の指令値Tliftを出力する時期を制
御することにより、変速前後におけるEGR量の精度を
高められ、排気性能が改善することができる。
【0032】請求項6に記載のエンジンのEGR制御装
置において、車両の発進前に目標EGR率を減量補正す
ることにより、発進後におけるEGR量制御の応答遅れ
が小さくなり、発進後の加速性能を高められるととも
に、排気性能を改善し、ノック音が発生することを防止
できる。
【0033】請求項7に記載のエンジンのEGR制御装
置において、車両の発進前にブレーキにより制動が解除
されてからカウントされる発進時タイマTstに応じて
目標EGR率Megrを減量補正することにより、発進
後におけるEGR量制御の応答遅れが小さくなり、発進
後の加速性能を高められるとともに、排気性能を改善
し、ノック音が発生することを防止できる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明をディーゼルエンジ
ンに適用した実施形態を添付図面に基づいて説明する。
なお、本発明はディーゼルエンジンに限らず、ガソリン
エンジン等に適用することも可能である。
【0035】図1に示すように、ディーゼルエンジンに
備えられる分配型燃料噴射ポンプ50は、ドライブシャ
フト52により駆動されるフィードポンプ53によって
燃料が吸引される。フィードポンプ53からポンプ室5
5に供給された燃料は、吸入ポート56を通って高圧プ
ランジャポンプ57に送られる。
【0036】プランジャポンプ57のプランジャ58
は、継手79を介してドライブシャフト52によりエン
ジン回転に同期して、エンジン回転数の1/2の速度で
回転駆動される。
【0037】プランジャ58に固定されたカムディスク
59は、エンジンの気筒数と同数のフェイスカムをも
ち、回転しながらローラリング61に配設されたローラ
62を乗り越えるたびに、スプリング69に抗してプラ
ンジャ58を所定のカムリフトだけ往復運動する。プラ
ンジャ58の回転往復運動により、吸入ポート56から
プランジャ58に刻まれた吸入スリットを介してプラン
ジャ高圧室54に吸引された燃料が分配ポート63より
デリバリーバルブ64を通って各気筒の図示しない噴射
ノズル77へと圧送される。
【0038】プランジャ58が図中右側に移動してプラ
ンジャ高圧室54から分配スリットを経て分配ポート6
3へと燃料を圧送する過程で、カットオフポートの開口
部がコントロールスリーブ66の図中右側端部を越える
と圧送されていた燃料が低圧ポンプ室55へと開放され
る。
【0039】燃料噴射量は、プランジャ58に形成され
たカットオフポートを開閉するコントロールスリーブ6
6の位置によって決められる。すなわち、コントロール
スリーブ66を図中右側に変位させると、燃料噴射時期
が遅くなって燃料噴射量が増加し、図中左側に変位させ
ると燃料噴射時期が早まって燃料噴射量が減少するので
ある。
【0040】コントロールスリーブ66の位置を自動的
に調節する電子制御式ガバナとしてロータリソレノイド
71が設けられる。ロータリソレノイド71はロータ7
2を回転運動させ、その先端に偏心して設けられたボー
ルを介してコントロールスリーブ66を直線運動させ
る。
【0041】燃料噴射時期は、タイマーピストン75に
よりローラリング61を介してフェイスカムをローラ6
2に対して相対回転させることによって調整される。
【0042】図2にも示すように、タイマーピストン7
5の両端部には低圧室85と高圧室86が画成され、タ
イマーピストン75の両端部に作用する油圧差をタイミ
ングコントロールバルブ76を介して調節することによ
り、タイマーピストン75を移動させてローラリング6
1を回転させ、フェイスカムがローラ62に乗り上げる
時期を変化させるようになっている。
【0043】ロータリソレノイド71とタイミングコン
トロールバルブ76の制御手段として備えられるコント
ロールユニット70は、ロータリソレノイド71の制御
電圧を予めマップ情報として設定し、スタータスイッチ
80からの信号、アクセル開度センサ81によって検出
されるアクセル開度Acc、ポンプ回転数センサ82に
よって検出されるエンジン回転数Ne、水温センサ83
によって検出されるエンジン水温Tw、ノズルリフトセ
ンサ84によって検出される噴射ノズル77の開弁時期
等を入力し、これら検出された運転条件に応じて適切な
燃料噴射量と燃料噴射時期を演算し、演算された燃料噴
射量をロータリソレノイド71の制御電圧に変換して出
力するとともに、演算された燃料噴射時期をタイミング
コントロールバルブ76のデューティ信号として出力す
る。なお、図中65は燃料温度センサである。
【0044】図3のフローチャートは燃料噴射量Qso
lを演算するルーチンを示しており、コントロールユニ
ット70にて一定周期毎に実行される。
【0045】これについて説明すると、まずStep1
にて、エンジン回転数Neと燃料噴射ポンプ50のコン
トロールレバー開度CLを読込む。
【0046】続いてStep2に進んで、基本燃料噴射
量Mqdrvが図4に示すマップに基づきエンジン回転
数Neとコントロールレバー開度CLに応じて検索され
る。
【0047】続いてStep3に進んで、基本燃料噴射
量Mqdrvに対してエンジン水温等の各種補正が行わ
れて、燃料噴射量Qsolが求められる。
【0048】続いてStep4に進んで、最大燃料噴射
量Qsol1MAXが図5に示すマップに基づきエンジ
ン回転数Neと過給圧Pmに応じて検索され、燃料噴射
量Qsolが最大燃料噴射量Qsol1MAXを超えな
いように制限される。
【0049】図6はディーゼルエンジンに備えられるE
GR装置の概略を示している。エンジン20の排気通路
2と吸気通路1のインテークマニホールド8を結ぶEG
R通路3が設けられ、EGR通路3の途中にはEGR弁
4が介装される。EGR弁4の開度が大きくなるほど、
EGR通路3を介して吸気通路1に還流されるEGR量
は増大する。EGR弁4はステップモータ5によって駆
動される。ステップモータ5のステップ数がコントロー
ルユニット30によりエンジン運転条件に応じて制御さ
れることにより、EGR弁4の開度が調節される。
【0050】吸気通路1にはEGR通路3の合流部より
上流側にバタフライ式の吸気絞り弁9が介装される。吸
気絞り弁9はダイヤフラム式アクチュエータ6を介して
開閉作動する。吸気絞り弁9より下流側の吸気通路1に
は、吸気絞り弁9の開度が小さくなるのに伴って吸入負
圧が発生し、EGR通路3を介して吸気通路1に還流さ
れるEGR量が増大する。
【0051】ダイヤフラム式アクチュエータ6は、バキ
ュームポンプ(図示せず)から電磁弁21を介して導か
れる負圧と、電磁弁22とオリフィス23を介して導か
れる負圧に応じて作動する。電磁弁21と電磁弁22の
開度がコントロールユニット30によりエンジン運転条
件に応じて制御されることにより、吸気絞り弁9の開度
が調節される。
【0052】吸気通路1の絞り弁9より上流側に熱線式
のエアフロメータ12が介装される。通電により加熱さ
れるホットワイヤ(発熱抵抗体)はその抵抗値が吸入空
気量に応じて変化するので、吸入新気量Qacに応じた
信号を出力する。
【0053】吸気通路1の絞り弁9より下流側のインテ
ークマニホールド8に吸気圧センサ13が介装される。
吸気圧センサ13はインテークマニホールド8の吸気圧
力Pmに応じた信号を出力する。
【0054】排気通路2に排気圧センサ14が介装され
る。排気圧センサ14は排気通路2の排気圧力Pexh
に応じた信号を出力する。
【0055】図7のフローチャートはEGR弁4のリフ
ト量を制御するルーチンを示しており、コントロールユ
ニット30において一定周期毎に実行される。
【0056】これについて説明すると、Step1にて
吸気圧センサ13によって検出される吸気圧力Pmを読
込む。
【0057】続いてStep2に進んで、排気圧センサ
14によって検出される排気圧力Pexhを読込む。
【0058】続いてStep3に進んで、EGR差圧D
lpをDlp=Pexh−Pmとして演算する。
【0059】一方、Step4にて、エンジン運転条件
を代表する信号として、エンジン回転数Ne、燃料噴射
量Qf等に応じて予め設定された目標EGR率Megr
を検索する。
【0060】続いてStep5に進んで、エアフロメー
タ12によって検出される吸入新気量Qacを読込む。
【0061】続いてStep6に進んで、目標EGR量
TQeを目標EGR率Megrと吸入新気量Qacに応
じて、TQe=Megr×Qacとして演算する。
【0062】続いてStep7に進んで、要求EGR弁
開口面積Aevsを要求EGR量TQeとEGR差圧D
lpに応じて、Aevs=TQe/(2×ROU#×D
lp)-1/2として演算する。ただしROU#は、排気ガ
スの粘性である。
【0063】一方、Step8にて、流量係数aをエン
ジン回転数Neと燃料噴射量Qfに応じて検索する。
【0064】続いてStep9に進んで、流量係数aと
要求EGR弁開口面積Aevsに応じて要求EGR弁開
度AevをAev=a×Aevsb として演算する。た
だし、係数bはEGR弁4の開度に応じて予め設定され
た値である。
【0065】続いてStep10に進んで、要求EGR
弁開度Aevに対するEGR弁4のリフト量Tlift
を検索する。
【0066】続いてStep11に進んで、リフト量T
liftに応じたステップ数をステップモータ5に出力
する。
【0067】図8に示すように、ディーゼルエンジン2
0の出力軸には、トルクコンバータ85を介して自動変
速機86の入力軸が連結される。自動変速機86の出力
軸にプロペラシャフト87が連結され、エンジン20の
回転力がプロペラシャフト87からデファレンシャルギ
アおよびドライブシャフトを介して左右の車輪88に伝
達される。
【0068】自動変速機86は前進4段、後進1段から
なる遊星歯車機構を有し、コントロールユニット90か
ら変速指令バルブに出力される信号によって変速ギア位
置が切換えられる。
【0069】遊星歯車の変速比を切換える油圧回路を制
御するアクチュエータとして、図9に示すように、1速
締結ブレーキB1を作動させるソレノイドバルブ42
と、2速締結ブレーキCを作動させるソレノイドバルブ
41と、後退変速のためのブレーキB2を作動させるソ
レノイドバルブ43とが備えられる。
【0070】図9において91はアクセルペダルであ
り、92はブレーキペダルである。ブレーキペダル92
がドライバーによって踏み込まれるのに伴ってブレーキ
93が作動し、車両の制動が行われるようになってい
る。
【0071】コントロールユニット90は、アクセルペ
ダル91の開度センサ94、ブレーキペダルが踏まれて
いるか否か検出するブレーキスイッチ95、エンジン2
0の回転数センサ97、車速センサ96等の検出信号を
入力するとともに、エンジンコントロールユニット70
からの信号を入力して、変速機86の制御信号を出力す
る。
【0072】図10に示すように、コントロールユニッ
ト30は、エンジン負荷信号、変速信号、ブレーキ信
号、エンジン回転数信号、ドライブシャフト回転数信号
等を入力して、発進時または変速時を検出する運転条件
判別手段121を備える。
【0073】変速後速度比予測手段122は、変速後の
速度比を予測する。変速後回転負荷予測手段123は、
変速後の速度比からエンジン回転数およびエンジン負荷
を予測する。
【0074】一方、急加速時補正値検索手段124は、
急加速時に要求される目標EGR弁開度Aevfの補正
値を検索する。目標EGR弁開度検索手段125は、変
速後のエンジン回転数およびエンジン負荷から変速後の
目標EGR弁開度Aevfを検索する。
【0075】タイマ時定数検索手段126は、予測され
る変速後のエンジン回転数とエンジン負荷に応じてタイ
マ時定数を検索し、遅れ予測進み処理手段127は検索
されたタイマ時定数に応じて、例えば図11に示すよう
に、目標EGR弁開度の遅れを補償するタイミングを演
算し、目標EGR値出力手段128は最終的な目標EG
R弁開度Aevfの指令値Tliftを出力する。
【0076】図12のフローチャートは変速機86の変
速を制御するルーチンを示しており、コントロールユニ
ット90にて一定周期毎に実行される。
【0077】これについて説明すると、まずStep1
にて、車速VSP、アクセル開度TVOを読込む。
【0078】続いてStep2に進んで、要求される変
速段を図13に示すマップに基づき車速VSPとアクセ
ル開度TVOに応じて検索する。
【0079】続いてStep3に進んで、現在の変速段
が要求される変速段と異なる変速時かどうかを判定す
る。
【0080】変速時と判定された場合、Step4に進
んで、変速待ち時間Tsoldlyを予め設定されたマ
ップに基づき運転条件応じて検索する。
【0081】続いてStep5に進んで、所定のタイミ
ングでソレノイドバルブ41,42,43等の作動を制
御する信号を出力する。
【0082】図14のフローチャートは運転条件を判別
するルーチンを示しており、コントロールユニット90
にて一定周期毎に実行される。
【0083】これについて説明すると、まずStep2
にて、エンジン回転数Ne、ドライブシャフト回転数N
dの検出信号、変速信号、ブレーキ信号を読込む。
【0084】ブレーキスイッチ95がオンからオフに切
換わり、かつ車速(Nd)が0の場合、Step3から
Step7に進んで、発進フラグを立てる。
【0085】燃料噴射量の1サイクル当たりの増加分d
Qが所定値DTより大きいか、あるいはエンジン回転数
の1サイクル当たりの上昇分dNeが所定値DNより大
きい場合、Step4からStep8に進んで、急加減
速フラグを立てる。
【0086】目標変速ソレノイド信号SOLTが前回の
変速ギアより変更された場合、Step5からStep
9に進んで、変速フラグを立てる。
【0087】いずれにも当てはまらなかった場合、St
ep6からStep10に進んで、定常フラグを立て
る。
【0088】図15のフローチャートは目標変速比を演
算するルーチンを示しており、コントロールユニット9
0にて一定周期毎に実行される。
【0089】これについて説明すると、まずStep1
にて、目標変速ソレノイド信号SOLTを読込む。
【0090】続いてStep2に進んで、目標変速ソレ
ノイド信号SOLTに応じた変速比を演算して、本ルー
チンを終了する。
【0091】図16のフローチャートは変速後のエンジ
ン回転数と燃料噴射量を演算するルーチンを示してお
り、コントロールユニット90にて一定周期毎に実行さ
れる。
【0092】これについて説明すると、まずStep1
にて、ドライブシャフト回転数Ndの検出信号と変速信
号iを読込む。
【0093】続いてStep2に進んで、変速前におけ
るトルクコンバータ31の出力軸回転数Nt_BfをN
t_Bf=Nd×inとして演算する。
【0094】続いてStep3に進んで、変速前におけ
る変速比eをe=Nt_Bf/Neとして演算する。
【0095】続いてStep4に進んで、容量係数Cを
予め設定された図17に示すテーブルに基づき変速比e
に応じて検索する。そして、トルク比tを予め設定され
た図18に示すテーブルに基づき変速比eに応じて検索
する。
【0096】続いてStep5に進んで、ドライブシャ
フトトルクTtをTt=C×Ne2/tとして演算す
る。
【0097】続いてStep6に進んで、変速後におけ
るトルクコンバータ31の出力軸回転数Nt_AfをN
t_Af=Nd×in±kとして演算する。
【0098】続いてStep7に進んで、変速後速度比
eをe=Nt_Af/Neとして演算する。
【0099】続いてStep8に進んで、容量係数Cを
予め設定された図17に示すテーブルに基づき変速比e
に応じて検索する。そして、トルク比tを予め設定され
た図18に示すテーブルに基づき変速比eに応じて検索
する。
【0100】続いてStep9に進んで、変速後におけ
るエンジン回転数Ne_AfをNe_Af=[Tt/
(c×t)]1/2として演算する。
【0101】続いてStep10に進んで、エンジント
ルクTeをTe=C×Ne2として演算する。
【0102】続いてStep11に進んで、燃料噴射量
Qsol_afを予め設定された図19に示すマップに
基づき変速後におけるエンジン回転数Ne_Afとエン
ジントルクTeに応じて検索し、本ルーチンを終了す
る。
【0103】図20のフローチャートは運転条件に応じ
た目標EGR開度ゲインを演算するルーチンを示してお
り、コントロールユニット70にて一定周期毎に実行さ
れる。
【0104】これについて説明すると、まずStep1
にて、運転条件フラグを読込む。
【0105】発進時はStep2に進んで、目標EGR
開度ゲインGKEGRST#を検索する。
【0106】急加速時はStep3に進んで、エンジン
回転数に応じて予め設定された図21に示すマップに基
づき目標EGR開度ゲインGKEGRAを検索する。
【0107】急減速時はStep4に進んで、エンジン
回転数に応じて予め設定された図22に示すマップに基
づき目標EGR開度ゲインGKEGRDを検索し、本ル
ーチンを終了する。
【0108】図23のフローチャートは目標EGR弁開
度の遅れ、進み補償処理を行うルーチンを示しており、
コントロールユニット70にて一定周期毎に実行され
る。
【0109】これについて説明すると、まずStep1
にて、目標EGR弁開度Aevfと1サイクル前の目標
EGR弁開度Aevfn-1および過渡フラグを読込む。
【0110】続いてStep2に進んで、現在の運転条
件に応じた補正ゲインGKEGRを読込む。すなわち、
発進時、急加速時、急減速時、シフトアップ時、シフト
ダウン時、定常時のそれぞれに設定された値を読込む。
【0111】続いてStep3に進んで、最終的な目標
EGR弁開度AevfをAevf=GKEGR×Aev
f−Aevfn-1として演算し、遅れる分だけ目標値の
上乗せをする進み処理をして、目標EGR弁開度Aev
fを出力し、本ルーチンを終了する。
【0112】こうして、発進時や変速時にエンジン回転
数とエンジン負荷の予測値に応じて目標EGR弁開度A
evfを演算し、発進前や変速完了前にEGR弁開度の
指令値Tliftを出力することにより、図24、図2
5に示すように、従来装置に比べて発進後や変速後にお
けるEGR量制御の応答遅れが小さくなり、変速後の加
速性能を高められるとともに、排気性能が改善すること
ができる。
【0113】図26のフローチャートは車両の変速時に
変速機86の変速作動の遅れを予測して目標EGR弁開
度の進み補償処理を行うルーチンを示しており、コント
ロールユニット30にて一定周期毎に実行される。
【0114】これについて説明すると、まずStep1
にて、変速信号iとエンジン回転数Neを読込む。
【0115】続いてステップ2に進んで、変速信号iが
出力されたかどうかを判定する。
【0116】変速信号iが出力された場合、ステップ3
に進んで、EGR系の遅れ時間TdEGRをを容積がV
olManiのインテークマニホールド8を介してEGRガ
スが容積Volcylのシリンダに輸送される時間(Vo
Mani/Volcyl)/(Ne/60)とEGR弁4の
遅れ時間TdEGRV#(デッドタイム+90%応答時
間)の和として求める。
【0117】続いてステップ4に進んで、変速段数に応
じた変速ディレイ時間Tsfti(i=1−2,2−
3,3−4,4−3,3−2,2−1)を読込む。
【0118】続いてステップ5に進んで、変速時進み処
理禁止時間TshtをTsht=Tsfti−TdEG
Rとして算出する。
【0119】続いてステップ6に進んで、変速ディレイ
時間Tsftiに応じたタイマTmshtをセットす
る。
【0120】一方、ステップ2で、変速信号iが出力さ
れないと判定された場合、ステップ7に進んで、タイマ
Tmshtが変速時進み処理禁止時間Tshtを超えた
かどうかを判定する。
【0121】タイマTmshtが変速時進み処理禁止時
間Tshtを超えるまでの間は、ステップ8に進んで、
目標EGR開度ゲインGKEGRD=1として、目標E
GR弁開度の補正を行わない。
【0122】タイマTmshtが変速時進み処理禁止時
間Tshtを超えると、ステップ9に進んで、タイマT
mshtをリセットする。
【0123】このようにして、変速時における目標EG
R弁開度Aevfの進み処理を、EGR弁4の作動に対
するEGR率の遅れと、変速機86の変速作動の遅れに
対応して行うことにより、変速前後におけるEGR量の
精度を高められ、排気性能が改善することができる。
【0124】次に、他の実施形態として、エンジンから
変速機に伝えられる回転力を断続するクラッチと、手動
で変速ギア位置を切換える変速機を備える車両におい
て、クラッチの接続が解除された状態で変速比が変えら
れるのに伴ってクラッチが接続される前に、エンジン回
転数とエンジン負荷の予測値に応じEGR弁開度の指令
値Tliftを出力する構成としてもよい。
【0125】これにより、変速後におけるEGR弁開度
制御の応答遅れが小さくなり、変速後の加速性能を高め
られるとともに、排気性能を改善することができる。
【0126】次に、図27〜図29に示す他の実施形態
は、車両の発進時にブレーキのよる制動が解除されてか
らカウントされる発進時タイマTstに応じて目標EG
R率Megrを減量補正するようになっている。
【0127】図27のフローチャートは車両の発進時を
判断するルーチンを示しており、コントロールユニット
90にて一定周期毎に実行される。
【0128】これについて説明すると、まずStep1
にて、車速VSP、アクセル開度TVO、ブレーキスイ
ッチ95の信号を読込む。
【0129】続いてStep2に進んで、車速VSPが
ゼロであり、アクセル開度TVOがゼロであり、かつブ
レーキスイッチ95がオンからオフに切り替わる発進時
かどうかを判定する。
【0130】この発進時と判定された場合、発進時タイ
マTstのカウントを開始する。
【0131】図28のフローチャートは車両の発進前に
目標EGR率Megrを補正するルーチンを示してお
り、コントロールユニット30にて一定周期毎に実行さ
れる。
【0132】これについて説明すると、まずStep1
にて、発進時タイマTstを読込む。
【0133】続いてステップ2に進んで、ブレーキペダ
ル92が離されてから計測される発進時タイマTstが
所定値Tst_END経過するまでの間かどうかを判定
する。
【0134】発進時タイマTstが所定値Tst_EN
D経過するまでの間は、ステップ3に進み、図29に示
すマップに基づき、発進タイマTstに応じて補正ゲイ
ンGKSTを検索する。
【0135】続いてステップ4に進んで、目標EGR率
Megrを補正ゲインGKSTにより減量補正する。
【0136】これにより、車両の発進完了前に目標EG
R率Megrがブレーキペダル92が離されてからの時
間に応じて減量補正されることにより、発進後のEGR
量制御の応答遅れが小さくなり、車両の加速性能を高め
られるとともに、排気性能を改善し、ノック音を解消す
ることができる。
【0137】次に、図30に示す実施形態について説明
する。なお、図6との対応部分には同一符号を付す。
【0138】前記実施形態では排気圧センサ14と吸気
圧センサ13の圧力検出精度は±10mmHg程度の誤
差があるため、EGR量が増えて排気通路3と吸気通路
1の圧力差Pexh−Pmが小さくなる運転領域ではE
GR差圧Dlpを的確に検出することが難しい。
【0139】排気圧センサ14と吸気圧センサ13は、
排気ガスまたはEGRガスにさらされるため、熱劣化や
検出部のつまり等を起こして検出精度が悪化する可能性
がある。
【0140】これに対処して、本実施形態では、吸入新
気量と新気温度から吸気圧を演算し、吸入新気量と燃料
噴射量およびエンジン回転数から排気圧を演算し、これ
ら演算値によりEGR差圧Dlpを演算して、EGR量
を的確に制御するものである。
【0141】図31のフローチャートは吸気圧Pmを演
算するルーチンを示しており、コントロールユニット3
0において一定周期毎に実行される。
【0142】これについて説明すると、Step1にて
エアフロメータ12の出力電圧を読込み、単位時間当た
りの吸気重量Qas0に変換する。
【0143】続いてStep2に進んで、吸気重量Qa
s0とエンジン回転数Neに応じて単位サイクル当たり
の吸気量Qacbを演算する。
【0144】続いてStep3に進んで、吸気通路1の
流路形状に対するエアフロメータ12の出力の補正を行
うため、吸気量Qacbをエンジン回転数Neに応じて
補正した吸入新気量Qacに変換する。
【0145】一方、Step4にて、エンジン回転数N
eと吸入新気量Qsolに応じて補正係数KinHQを
検索する。
【0146】また、Step5にて、エンジン回転数N
eと吸気量Qac(負荷)に応じて補正係数KinH2
を検索する。
【0147】続いてStep6に進んで、体積効率相当
値KinをKin=KinHQ×KinH2として演算
する。
【0148】一方、Step7にて、吸気温度センサ1
8の出力電圧を吸気温度Ta0に変換する。
【0149】続いてStep8に進んで、吸気圧に対す
る温度上昇を補正し、吸入新気温度Tintとして出力
する。
【0150】続いてStep9に進んで、吸気圧指数C
pmをCpm=Qac×Tint÷Kinとして演算す
る。
【0151】続いてStep10に進んで、吸気圧Pm
をPm=Kpm#×Cpm+Opm#として演算する。
【0152】図32のフローチャートは排気圧Pexh
を演算するルーチンを示しており、コントロールユニッ
ト30において一定周期毎に実行される。
【0153】これについて説明すると、Step1にて
燃料噴射量Qfに応じた基本排気温度を検索する。
【0154】続いてStep2に進んで、スワール制御
弁開度に応じて基本排気温度を補正し、補正基本排気温
度Texhiに変換する。なお、図示しないスワール制
御弁は吸気通路に介装され、運転条件に応じてシリンダ
に流入する吸気流速を変えて、シリンダにスワールを生
起するようになっている。
【0155】Step3にて、吸気温度補正係数Ktm
peを吸気温度Tne/TA#に応じて検索する。
【0156】Step4にて、排気圧力補正係数Ktm
ppを排気圧力Pexh/PA#に応じて検索する。
【0157】Step5にて、噴射時期補正係数Ktm
pitを噴射時期ITTDC#等に応じて Ktmpit=(ITTDC−Itistd)/ITT
DC#×GIT−Texhi#+1 として演算する。
【0158】続いてStep6に進んで、排気温度相当
値TmpehをTmpeh=Ktexhi×Ktmpe
×Ktmpp×Ktmpitとして演算する。
【0159】一方、Step7にて、吸気量Qacに応
じて、吸気行程と排気行程の差分だけサイクル処理し、
作動排気ガス量Qexhとして出力する。
【0160】続いてStep8に進んで、排気圧力指数
Cpexhを算出し、Step9に進んで、排気圧Pe
xhをPexh=Kpexh#×Cpexh+Opex
h#として演算する。
【0161】こうして求められる吸気圧Pmと排気圧P
exhに応じて、EGR差圧DlpをDlp=Pexh
−Pmとして演算する。これにより、EGR差圧Dlp
はEGR通路の前後差圧となり、EGR量が多い運転時
でもEGR差圧Dlpに応じて目標EGR量TQeに対
する要求EGR弁開口面積Aevsを的確に算出するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す燃料噴射ポンプの断面
図。
【図2】同じくタイミングコントロールバルブ等の断面
図。
【図3】同じく燃料噴射量Qsolを演算するためのフ
ローチャート。
【図4】同じく基本燃料噴射量Mqdrvを設定したマ
ップ。
【図5】同じく最大燃料噴射量Qsol1MAXを設定
したマップ。
【図6】同じくEGR装置のシステム図。
【図7】同じくEGR制御内容を示すフローチャート。
【図8】同じく車両の駆動系のシステム図。
【図9】同じく変速機に備えられるアクチュエータの構
成図。
【図10】同じく制御ブロック図。
【図11】同じくEGR量の制御例を示す線図。
【図12】同じく変速処理を行うためのフローチャー
ト。
【図13】同じく変速段を設定したマップ。
【図14】同じく運転条件を判別するマップ。
【図15】同じく変速比を検索するフローチャート。
【図16】同じく変速後のエンジン回転と負荷を演算す
るためのフローチャート。
【図17】同じく容量係数Cを設定したテーブル。
【図18】同じくトルク比Tを設定したテーブル。
【図19】同じく燃料噴射量Qsol_afを設定した
テーブル。
【図20】同じく目標EGR開度ゲインを演算するため
のフローチャート。
【図21】同じく急加速時における目標EGR開度ゲイ
ンGKEGRAを設定したマップ。
【図22】同じく目標EGR開度ゲインGKEGRDを
設定したマップ。
【図23】同じく目標EGR開度Aevfを演算するた
めのフローチャート。
【図24】同じく空気過剰率等の制御例を示す線図。
【図25】同じく排気特性等を示す線図。
【図26】変速時にEGR弁開度Aevfの進み処理の
ディレイ演算を行うフローチャート。
【図27】他の実施形態を示す発進時を判定するための
フローチャート。
【図28】同じく発進時に目標EGR率Megrを補正
するためのフローチャート。
【図29】同じく補正ゲインGKSTを設定したマッ
プ。
【図30】さらに他の実施形態を示すEGR装置のシス
テム図。
【図31】同じくEGR制御内容を示すフローチャー
ト。
【図32】同じく制御内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 吸気通路 2 排気通路 3 EGR通路 4 EGR弁 12 エアフロメータ 13 吸気圧センサ 14 排気圧センサ 18 吸気温センサ 20 ディーゼルエンジン 30 EGR弁のコントロールユニット 50 燃料噴射ポンプ 70 エンジンのコントロールユニット 76 タイミングコントロールバルブ 86 自動変速機 88 車輪 90 変速機のコントロールユニット 91 アクセルペダル 92 ブレーキペダル 93 ブレーキ 121 運転条件判別手段 122 変速後速度比予測手段 123 変速後回転負荷予測手段 124 急加速時補正値検索手段 125 目標EGR開度検索手段 126 EGR系時定数時定数演算手段 127 遅れ予測進み処理手段 128 目標EGR値出力手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 21/08 301 F02D 21/08 301Z 29/00 29/00 H 41/02 301 41/02 301E 45/00 314 45/00 314M 314H

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの排気通路と吸気通路を結ぶEG
    R通路と、 EGR通路の途中に介装されるEGR弁と、 EGR弁の上流側と下流側との圧力差をEGR差圧Dl
    pとして検出するEGR差圧検出手段と、 運転条件に応じて要求EGR量TQeを設定する要求E
    GR量設定手段と、 要求EGR量TQeとEGR差圧Dlpに応じて要求さ
    れるEGR弁の開度Aevを演算する要求EGR弁開度
    演算手段と、 エンジンから車輪に伝えられる回転の変速比を変える変
    速機と、 を備える車両において、 車両の変速時を検出する運転条件判別手段と、 車両の変速後のエンジン回転数およびエンジン負荷を予
    測する変速後回転負荷予測手段と、 要求EGR弁開度Aevと変速後のエンジン回転数およ
    びエンジン負荷の予測値に応じてEGR弁の目標開度A
    evfを演算する目標EGR弁開度演算手段と、 車両の変速完了前に演算されたEGR弁開度の指令値T
    liftを出力するEGR弁開度指令手段と、 を備えたことを特徴とするエンジンのEGR制御装置。
  2. 【請求項2】吸気量を検出する吸気量検出手段と、 吸気量に応じて吸気圧Pmを演算する吸気圧演算手段
    と、 エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、 エンジン負荷に応じて排気圧Pexhを演算する排気圧
    演算手段とを備え、 前記EGR差圧検出手段はEGR差圧DlpをDlp=
    Pexh−Pmとして演算することを特徴とする請求項
    1に記載のエンジンのEGR制御装置。
  3. 【請求項3】アクセル開度を検出するアクセル開度検出
    手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 アクセル開度と車速に応じて前記変速機の変速比を制御
    する変速比制御手段とを備え、 前記EGR弁開度指令手段は変速比制御信号を入力して
    変速完了前に演算されたEGR弁開度の指令値Tlif
    tを出力することを特徴とする請求項1または2に記載
    のエンジンのEGR制御装置。
  4. 【請求項4】エンジンから変速機に伝えられる回転力を
    断続するクラッチと、 手動で変速比が切換えられる変速機を備え、 前記EGR弁開度指令手段はクラッチの接続が解除され
    た状態で変速比が変えられるのに伴ってクラッチが接続
    される変速完了前に演算されたEGR弁開度の指令値T
    liftを出力することを特徴とする請求項1または2
    に記載のエンジンのEGR制御装置。
  5. 【請求項5】前記変速時にEGR弁の作動によりEGR
    率が変化する遅れに相当する時定数を演算し、 時定数に応じてEGR弁開度の指令値Tliftを出力
    する時期を制御することを特徴とする請求項1から4の
    いずれか一つに記載のエンジンのEGR制御装置。
  6. 【請求項6】エンジンの排気通路と吸気通路を結ぶEG
    R通路と、 EGR通路の途中に介装されるEGR弁と、 運転条件に応じて目標EGR率Megrを設定するEG
    R率設定手段と、 目標EGR率Megrに応じてEGR弁の開度Aevを
    演算する要求EGR弁開度演算手段と、 エンジンから車輪に伝えられる回転の変速比を変える変
    速機と、 車輪の制動をするブレーキと、 を備える車両において、 ブレーキの作動を検出するブレーキ作動検出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、 ブレーキの作動状態とアクセル開度と車速に応じて車両
    の発進時を検出する運転条件判別手段と、 車両の発進前に目標EGR率を減量補正する目標EGR
    率補正手段と、 を備えたことを特徴とするエンジンのEGR制御装置。
  7. 【請求項7】前記車両の発進前にブレーキにより制動が
    解除されてからカウントされる発進時タイマTstに応
    じて目標EGR率Megrを減量補正することを特徴と
    する請求項6に記載のエンジンのEGR制御装置。
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