JPH1162680A - 筒内噴射型火花点火式内燃機関の制御装置 - Google Patents

筒内噴射型火花点火式内燃機関の制御装置

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JPH1162680A
JPH1162680A JP9216821A JP21682197A JPH1162680A JP H1162680 A JPH1162680 A JP H1162680A JP 9216821 A JP9216821 A JP 9216821A JP 21682197 A JP21682197 A JP 21682197A JP H1162680 A JPH1162680 A JP H1162680A
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engine
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ壁面への燃料の付着を防止し、始動
時におけるスモークの発生を確実に抑止可能な筒内噴射
型火花点火式内燃機関の制御装置を提供する。 【解決手段】 燃焼室に燃料を直接噴射する燃料噴射弁
を有した筒内噴射型火花点火式内燃機関は、内燃機関の
始動完了状態を検出する始動完了検出手段と、内燃機関
の温度を検出する温度検出手段とを備え、さらに、内燃
機関の始動完了状態が検出され且つ内燃機関の温度が所
定温度未満のとき(S10,S14)、燃料を吸気行程で複数回
に分割して噴射するよう燃料噴射弁の駆動制御を行う燃
料噴射制御手段(S15,S18,S24)を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒内噴射型火花点
火式内燃機関の制御装置に係り、詳しくは筒内噴射型火
花点火式内燃機関の始動時における燃料噴射制御技術に
関する。
【0002】
【関連する背景技術】筒内噴射型火花点火式内燃機関
は、シリンダ内に直接燃料を高圧で噴射可能な燃料噴射
弁を備えており、内燃機関(エンジン)の運転状態に応
じて燃料噴射モードを圧縮行程で燃料噴射を行う圧縮行
程噴射モードと吸気行程で燃料噴射を行う吸気行程噴射
モードとに切換制御されている。そして、圧縮行程噴射
モード、吸気行程噴射モードともに希薄空燃比(リーン
空燃比)での運転が可能とされている。これにより、筒
内噴射型火花点火式内燃機関では、特に圧縮行程噴射モ
ードにおいて超希薄空燃比としながらもエンジン出力を
適正に維持し且つ燃費の向上を図ることが可能となって
いる。
【0003】ところで、通常、エンジンが始動直後の状
態にあるときには、温度が低く冷機状態にあることか
ら、燃料が霧化し難い状態となっている。このように、
燃料が霧化し難いと、燃料噴射から点火までの時間が極
めて短い圧縮行程噴射モードでの燃料噴射は困難であ
り、故にこの場合には極力霧化時間の稼げる吸気行程噴
射モードを選択するようにしている。また、この場合、
確実に燃焼が行われるよう、燃料量を比較的多く噴射
し、空燃比がややリッチになるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料量
を多くすると、エンジン温度が低く、且つエンジン回転
速度が小さく、つまり吸入空気量が少なく吸気流の遅い
状況下では、吸気行程で燃料を噴射しても燃料の霧化は
殆ど促進されず、燃料は比較的大きな粒状のまま燃焼室
内を飛散することになる。燃料が大きな粒状のままとさ
れると、高圧の燃料噴射圧の作用も相俟って燃料は慣性
力が大きく、直進しようとする貫徹力が強くなり、燃料
が燃料噴射弁に対向するシリンダ壁面に容易に付着して
しまうことになる。そして、燃料がシリンダ壁面に付着
すると、該付着した燃料が不完全燃焼等を起こし、スモ
ークの発生原因となり好ましいことではない。
【0005】また一方において、スモークの発生を抑止
することを目的として、エンジン回転速度が小さく低回
転であるようなときには燃料を複数回に分割して噴射
し、燃料を拡散させる技術が特開平7−119507号
公報等に開示されているが、この技術はエンジン回転速
度に応じて燃料噴射を制御するようなものであって、特
にエンジン温度が影響するエンジン始動時のスモークの
発生を考慮したものとはなっておらず、また、燃料のシ
リンダ壁面への付着防止を意識したものとはなっていな
い。
【0006】本発明は、上述した事情に基づきなされた
もので、その目的とするところは、シリンダ壁面への燃
料の付着を防止し、始動時におけるスモークの発生を確
実に抑止可能な筒内噴射型火花点火式内燃機関の制御装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、筒内噴射型火花点火式内燃機
関の制御装置において、内燃機関が始動完了状態にあり
且つ内燃機関の温度が所定温度未満である場合には、燃
料を吸気行程で複数回に分割して噴射するので、内燃機
関が始動直後であって暖機状態になく所謂冷機状態にあ
るような場合には、燃料が吸気行程で予混合燃焼可能に
噴射されるとともに、燃料が複数回に分けて間欠的に噴
射される。
【0008】故に、1回で噴射される燃料量が少なくさ
れて噴射燃料が粒状の塊になり難くなり、燃料の微粒
化、霧化が促進され、着火性のよい良好な燃焼が実現可
能とされる。また、1回で噴射される燃料量が少なくな
ることで、噴射燃料の慣性力が小さく、即ち貫徹力が弱
くされることになり、燃料が燃料噴射弁と対向するシリ
ンダの壁面にまで到達してしまうことがなくなり、シリ
ンダの壁面に燃料が付着してしまうことが好適に防止さ
れる。これにより、シリンダの壁面に付着した燃料が不
完全燃焼する等してスモークが発生することがなくな
り、燃費の悪化が防止される。さらには、シリンダ壁面
に塗布される作動油の燃料の付着による油膜切れが抑止
され、内燃機関の焼き付きも防止される。
【0009】請求項2の発明では、複数回に分割する燃
料の分割比が内燃機関の温度に応じて設定され、この分
割比に基づいて燃料噴射弁が駆動制御されるので、分割
される燃料が内燃機関の温度に応じてそれぞれ適量に設
定されることになる。例えば、内燃機関の温度上昇に応
じて第1回目の噴射燃料量を徐々に増加するようにすれ
ば、内燃機関が冷機状態から暖機状態に移行し燃料の分
割噴射を終了させたとしても燃焼制御が連続的に滑らか
に継続可能とされ、燃焼状態が良好な状態のままに維持
される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1を参照すると、車両に搭載され
た筒内噴射型火花点火式内燃機関、即ち筒内噴射ガソリ
ンエンジンの縦断面図及び制御装置の一実施形態を示す
概略構成図が示されており、以下同図に基づき本発明に
係る筒内噴射ガソリンエンジンの制御装置の構成を説明
する。
【0011】符号1は自動車用の筒内噴射型直列4気筒
ガソリンエンジン(以下、単にエンジンと記す)であ
り、燃焼室5や吸気装置等が筒内噴射専用に設計されて
いる。エンジン1のシリンダヘッド2には、各気筒毎
に、点火プラグ3とともに電磁式の燃料噴射弁4がシリ
ンダ6に対し斜めに取り付けられており、これにより燃
焼室5内に燃料を直接噴射可能とされている。また、シ
リンダ6内を摺動して往復動するピストン7の頂面に
は、圧縮行程において燃料噴射弁4から噴射した燃料噴
霧が上死点近傍で点火プラグ3に到達するよう半球状の
窪み、即ちキャビティ8が形成されている。
【0012】動弁機構としてはDOHC(ダブルオーバ
ヘッドカム)型4弁式の機構が採用されており、シリン
ダヘッド2の上部には、吸排気弁9,10をそれぞれ駆
動するべく、吸気側カムシャフト11と排気側カムシャ
フト12とが回転自在に軸支されている。シリンダヘッ
ド2には、両カムシャフト11,12の間を抜けるよう
にして、略直立方向に延びて吸気ポート13が形成され
ており、該吸気ポート13を通過した吸気流が燃焼室5
内で通常とは逆方向の逆タンブル流を生起可能とされて
いる。排気ポート14については、通常のエンジンと同
様に略水平方向に形成されている。
【0013】図中符号16は冷却水温(内燃機関の温
度)Tw を検出する水温センサ(温度検出手段)であ
り、符号17は各気筒の所定のクランク位置(本実施例
では、5°BTDCおよび75°BTDC)でクランク角信号S
GTを出力するクランク角センサであり、クランク角のみ
ならずエンジン回転速度Neを検出可能とされている。
尚、クランクシャフトの半分の回転数で回転するカムシ
ャフト11には、気筒判別信号SGCを出力する気筒判別
センサ(図示せず)が取り付けられており、これにより
クランク角信号SGTがどの気筒のものか判別可能とされ
ている。
【0014】なお、吸気ポート13には、吸気マニホー
ルド21を介して、エアクリーナ、スロットルボディ、
ステッパモータ式のアイドルスピードコントロールバル
ブ及びリニアソレノイド式で大型のエアバイパスバルブ
等の設けられた吸気管が接続されているがここでは説明
を省略する。また、排気ポート14には、O2 センサ4
0が取付けられた排気マニホールド41を介して、三元
触媒やマフラー等を具えた排気管が接続されているがや
はりここでは説明を省略する。
【0015】図中符号50は、上記燃料噴射弁4に高圧
の燃料を供給するための燃料供給ユニットであり、該燃
料供給ユニット50は、管路を介して燃料噴射弁4に接
続される一方、燃料タンク52に接続されている。詳し
くは、燃料供給ユニット50には、高圧燃料ポンプ54
が介装されており、当該高圧燃料ポンプ54は、カムシ
ャフト12の端部に同期回転可能に連結されている。そ
して、この高圧燃料ポンプ54により、高圧(例えば、
5MPa)の燃料を燃料噴射弁4に供給可能となってい
る。なお、燃料供給ユニット50には、図示しないが、
高圧燃料ポンプ54から吐出された燃料を所望の圧力に
調圧する調圧弁等が設けられている。
【0016】車室内には、電子コントロールユニット
(ECU)70が設置されており、このECU70には
図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等
の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM,不揮発性
RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ
等が備えられており、このECU70によりエンジン1
の総合的な制御が行われる。
【0017】そして、ECU70の入力側には上述の水
温センサ16、クランク角センサ17、O2 センサ40
等の各種センサ類が電気的に接続されており、一方、出
力側には燃料噴射弁4、燃料供給ユニット50等の各種
駆動装置類が接続されている。以下、このように構成さ
れた筒内噴射型火花点火式内燃機関の制御装置の本発明
に係る作用について説明する。
【0018】図2を参照すると、ECU70により実行
される燃料噴射制御ルーチンのフローチャートが示され
ており、以下、該フローチャートに沿い本発明に係る燃
料噴射制御の制御手順を説明する。先ず、ステップS1
0では、エンジン1が始動され始動完了状態にあるか否
かを検出し判別する(始動完了検出手段)。具体的に
は、エンジン1が初爆から完爆状態となりエンジン回転
速度Neが極低速の所定値以上となっているか否かを検
出し判別する。判別結果が真(Yes)の場合には、ス
テップS12に進む。
【0019】ステップS12では、アイドル運転状態で
あるか否かを判別する。詳しくは、ここでは、エンジン
回転速度Neが所定のアイドル回転速度Nidであり、且
つ、上記スロットルボディの開度、即ちスロットル開度
θthがアイドル運転に対応した開度であるか否か等を判
別する。または、アイドルスイッチを備えて該アイドル
スイッチがオン状態であるか否かを判別する。判別結果
が真(Yes)の場合には、ステップS14に進む。
【0020】ステップS14では、水温センサ16から
の情報に基づき、冷却水温Twが所定値Tw0(例えば、
50℃)未満であるか否かを判別する。つまり、ここで
は、エンジン1の暖機運転が完了しておらずエンジン1
が冷機状態にあるか否かを判別する。ステップS14の
判別結果が真(Yes)で、冷却水温Twが所定値Tw0
未満であり、エンジン1が例えば始動直後にして未だ冷
機状態にある場合には、次にステップS15に進む。
【0021】ステップS15では、燃料噴射モードとし
て吸気行程噴射モード、即ち予混合燃焼モードを選択す
る。つまり、圧縮行程でなく吸気行程で燃料を噴射する
ようにする。吸気行程噴射モードが選択されたら、次の
ステップS16において、燃料噴射弁4から噴射する燃
料量を設定する。通常、エンジンが冷機状態にある場合
には、着火の確実性を重視して燃料を多少多めに噴射
し、空燃比がややリッチな状態になるようにする。従っ
て、ここでは、比較的多量の燃料量を設定することにな
る。詳しくは、燃料量は燃料噴射弁4の吐出圧と駆動時
間で決定されるものであり、吐出圧一定のもとでは燃料
量は燃料噴射弁4の駆動時間に比例して増加するもので
あるため、ここでは燃料噴射弁4の駆動時間を長く設定
する。
【0022】ところで、燃料を吸気行程において高圧で
多量に噴射することになると、前述したように、エンジ
ン1が冷燃状態にある場合には、吸気流量が少なく且つ
燃焼室5内が低温状態とされることから、燃料が霧化す
ることなく比較的大きな粒状のまま燃焼室5内を飛散す
ることになる。特に、上記のように燃料噴射弁4の駆動
時間、即ち燃料噴射時間が長くなると、燃料の有する運
動エネルギが大きくなり、燃料は大きな慣性力を保持
し、即ち強い貫徹力を有した状態で燃焼室5内を直進す
ることになり、燃料の大部分が燃料噴射弁4と対向する
シリンダ6の壁面に付着することになる。このように燃
料がシリンダ6の壁面に付着することは、燃料が霧化し
ないままに燃焼することを意味し、スモークの発生に繋
がり好ましいことではない。
【0023】従って、本発明の筒内噴射型火花点火式内
燃機関の制御装置では、エンジン1が冷機状態にあって
燃料を吸気行程において多量に噴射する場合には、燃料
の噴射を複数回に分割して行い、これにより、1回の燃
料噴射で噴射する燃料の噴射時間を短く燃料量を少なく
して慣性力を小さく、即ち貫徹力を弱くするように図っ
ている。
【0024】そこで先ず、上記のように燃料噴射を分割
するにあたり、次のステップS18において、先ず複数
回に分ける燃料の燃料分割比γ(=第1噴射量/全噴射
量)を設定する。なお、ここでは、燃料噴射回数を第1
噴射と第2噴射の2回とした場合を例に説明する。燃料
分割比γは、燃料噴射回数を例えば2回とした場合に
は、図3(a)に示すように予め設定されている。つま
り、燃料分割比γは冷却水温Twの変化に拘わらず所定
値γ0(例えば、0.5、即ち第1噴射量と第2噴射量
との比が1対1)に設定される。
【0025】より好ましくは、燃料分割比γは、図3
(b)に示すように、冷却水温Twが所定値以上にまで
上昇した後は、所定値γ0(例えば、0.5)から冷却
水温Twに比例して大きくなるよう設定するのがよい。
つまり、冷却水温Twが所定値以上に達した後は、全噴
射量のうち先に噴射する第1噴射量を徐々に増加させ、
後に噴射する第2噴射量を徐々に減少させ、連続的に通
常の1回の燃料噴射に徐々に移行させるようにするのが
よい。これにより、エンジン1の燃焼制御がより滑らか
なものとされる。
【0026】燃料分割比γを設定したら、ステップS2
0において、2回の燃料噴射の噴射間隔Intを設定す
る。噴射間隔Intは、図4に示すように、冷却水温Twの
変化に拘わらず所定値Int0(例えば、2msec)に設定さ
れている。次のステップS22では、燃料の噴射終了時
期Tendを設定する。この噴射終了時期Tendは、2回目の
噴射、つまり第2噴射を終了するタイミングを意味して
おり、実際にはクランク位置で示されるものである。な
お、噴射終了時期Tendは上記スロットル開度θthとエン
ジン回転速度Neとに応じて決定される目標平均有効圧
Pe、或いは、吸入空気流量Qaに応じて決定される充填
効率ηvとエンジン回転速度Neとに基づいて予め設定さ
れたマップより読み出される。
【0027】そして、このように噴射終了時期Tendが設
定されると、この噴射終了時期Tendから1回目の噴射、
即ち第1噴射の開始タイミングが逆算により求められ
る。つまり、上記ステップS16で求めた燃料量は上述
したように燃料噴射弁4の吐出圧と駆動時間とに基づい
て決定されるものであるため、燃料量が決まれば燃料噴
射弁4の駆動時間が一義に決まることになり、故に、噴
射終了時期Tendからこの燃料噴射弁4の駆動時間と上記
噴射間隔Intとを逆算することで第1噴射の開始タイミ
ングが求まるのである。
【0028】以上のようにして、燃料分割比γ、噴射間
隔Int及び第1噴射の開始タイミングが求められたら、
次のステップS24において、分割噴射を実施する。つ
まり、上記各パラメータに基づいて燃料噴射弁4の開弁
制御を行う。図5を参照すると、吸気行程において上記
制御に基づき燃料噴射を2回に分割して行った場合の燃
料噴霧の様子が(a)乃至(c)で示されており、以下
同図に基づいて分割噴射を実施した場合の作用効果を説
明する。
【0029】図(a)に示すように、ピストン7が上死
点から下降を開始すると、先ず第1噴射が行われて燃料
噴射弁4から燃料F1が噴射されることになる。そし
て、所定時間(例えば、2msec)が経過すると、図
(b)に示すように第2噴射が行われて燃料F2が噴射
されることになる。しかしながら、このように分割して
噴射された燃料F1,F2は、同図に示すように、それぞ
れ燃料量が比較的少なく、故に慣性力が小さく、即ち貫
徹力が弱いものとなっている。従って、図(c)に示す
ように、ピストン7が下死点にまで達して吸気行程が終
了した時点においても、従来のように全燃料を1回で噴
射した場合(破線で示す)と異なり、燃料F1,F2が燃
料噴射弁4に対向するシリンダ6の壁面にまで達するこ
とはない。
【0030】即ち、上記のように燃料噴射を分割するこ
とで、シリンダ6の壁面に燃料が不用意に付着してしま
うことが好適に防止されることになり、スモークの発生
が良好に抑えられることとなるのである。また、1回で
噴射される燃料量が少なく、即ち貫徹力が弱いと、燃料
は塊になり難く、燃料が霧化し易いことになる。従っ
て、燃料噴射を分割すると、燃料の霧化促進という点で
も極めて高い効果を奏することになる。つまり、図5
(c)中に示すように、第1噴射により噴射した燃料F
1は、図(b)の状態のときよりも微粒化が促進されて
一様な燃料噴霧となり、着火性が向上するのである。
【0031】ところで、図2中の上記燃料噴射制御のス
テップS10、ステップS12及びステップS14の判
別結果がそれぞれ偽(No)であり、エンジン1が始動
完了状態になく、またはアイドル運転状態になく、或い
は冷却水温Twが所定値Tw0(例えば、50℃)以上で
あるような場合、即ちエンジン1が冷機状態にないよう
な場合には、ステップS26に進み、上記分割噴射を実
施せず通常の燃料噴射制御を行う。つまり、燃料噴射回
数を1回のみとする通常の燃料噴射制御を行う。
【0032】なお、このステップS26で実行される通
常の燃料噴射制御では、エンジン回転速度Neと上記目
標平均有効圧Peとに応じて燃料噴射モードも切換え制
御される。即ち、例えば、エンジン回転速度Neが低
く、目標平均有効圧Peも低いような低負荷運転時に
は、圧縮行程噴射モードが選択されて圧縮行程で燃料噴
射が行われるとともにリーン空燃比運転が行われる。ま
た、中負荷運転時には、吸気行程噴射モードが選択され
て吸気行程で燃料噴射が行われるとともにリーン空燃比
運転が行われる。さらに、高負荷運転時には、吸気行程
噴射モードが選択されて吸気行程で燃料噴射が行われる
とともに主として理論空燃比運転が行われることにな
る。
【0033】以上、説明したように、本発明の筒内噴射
型火花点火式内燃機関の制御装置では、エンジン1が冷
機状態にあり、燃料を吸気行程において多量に噴射する
ような運転時には、燃料の噴射を複数回(例えば、2
回)に分割して行い、1回の燃料噴射で噴射する燃料量
を少なく燃料の慣性力を小さく、即ち貫徹力を弱くする
ようにしている。
【0034】従って、燃料が燃料噴射弁4に対向するシ
リンダ6の壁面に不用意に付着してしまうことがなくな
り、エンジン1の始動時において、スモークの発生が抑
止されるとともに燃費の悪化が好適に防止される。ま
た、シリンダ6の壁面に燃料を付着させないことで、該
壁面に塗布される潤滑油の燃料付着に伴う油膜切れを防
止することができ、エンジン1の焼き付きを未然に防ぐ
こともできる。
【0035】さらに、1回で噴射される燃料量が少ない
と燃料が塊になり難いことから、燃料噴射の分割によっ
て燃料の微粒化の促進が図られ、やはりスモークの発生
を抑止できるとともに着火性のよい燃焼効率の高い良好
な燃焼を実現することができる。また、当該吸気行程噴
射モードでの燃料の分割噴射の実施によって冷却水温T
wが上昇し、該冷却水温Twが圧縮行程噴射モードでの希
薄空燃比(リーン空燃比)運転が可能な温度に達した
後、燃料噴射モードを吸気行程噴射モードから圧縮行程
噴射モードに移行するようにすれば、さらに燃費が向上
する。
【0036】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る請求項1の筒内噴射型火花点火式内燃機関の制御装
置によれば、内燃機関が始動完了状態にあり且つ所定温
度未満であるような冷機状態の場合には、燃料を吸気行
程で複数回に分割して噴射するので、1回で噴射される
燃料量を少なくして燃料の慣性力を小さく、即ち貫徹力
を弱くでき、シリンダの壁面に燃料が付着してしまうこ
とを好適に防止できる。
【0037】従って、内燃機関始動時において、シリン
ダの壁面に付着した燃料の不完全燃焼等によるスモーク
の発生、燃費の悪化を好適に防止でき、また、1回で噴
射される燃料量が少なく燃料が粒状の塊になり難いこと
から、燃料の微粒化、霧化を促進でき、着火性のよい良
好な燃焼を実現することができる。また、請求項2の筒
内噴射型火花点火式内燃機関の制御装置によれば、分割
される燃料を内燃機関の温度に応じてそれぞれ適量に設
定でき、例えば、内燃機関の温度上昇に応じて第1回目
の噴射燃料量を徐々に増加するようにすれば、内燃機関
が冷機状態から暖機状態に移行して燃料の分割噴射が終
了したとしても燃焼制御を連続的に滑らかに継続でき、
燃焼状態を好適に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】筒内噴射ガソリンエンジンの縦断面図及びその
制御装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る燃料噴射制御の制御ルーチンを示
すフローチャートである。
【図3】冷却水温Twと燃料の分割比γとの関係を示す
グラフである。
【図4】冷却水温Twと噴射間隔Intとの関係を示すグラ
フである。
【図5】燃焼室内の燃料の状態変化を示す図であって、
図3のフローチャートの実行結果を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 4 燃料噴射弁 5 燃焼室 6 シリンダ 7 ピストン 13 吸気ポート 16 水温センサ(温度検出手段) 17 クランク角センサ 50 燃料供給ユニット 52 燃料タンク 54 高圧燃料ポンプ 70 電子コントロールユニット(ECU)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室に燃料を直接噴射する燃料噴射弁
    を有した筒内噴射型火花点火式内燃機関の制御装置にお
    いて、 内燃機関の始動完了状態を検出する始動完了検出手段
    と、 内燃機関の温度を検出する温度検出手段と、 前記始動完了検出手段により内燃機関の始動完了状態が
    検出され且つ前記温度検出手段により検出された温度が
    所定温度未満のとき、燃料を吸気行程で複数回に分割し
    て噴射するよう前記燃料噴射弁の駆動制御を行う燃料噴
    射制御手段と、を備えたことを特徴とする筒内噴射型火
    花点火式内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記燃料噴射制御手段は、前記複数回に
    分割する燃料の分割比を前記内燃機関の温度に応じて設
    定する分割比設定手段を含み、該分割比に基づいて前記
    燃料噴射弁を駆動制御することを特徴とする、請求項1
    記載の筒内噴射型火花点火式内燃機関の制御装置。
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