JPH1161773A - 吸水性ゲル水嚢 - Google Patents

吸水性ゲル水嚢

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JPH1161773A
JPH1161773A JP24460797A JP24460797A JPH1161773A JP H1161773 A JPH1161773 A JP H1161773A JP 24460797 A JP24460797 A JP 24460797A JP 24460797 A JP24460797 A JP 24460797A JP H1161773 A JPH1161773 A JP H1161773A
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water
absorbing
sheet
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gel
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JP24460797A
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Junnosuke Tateno
準之助 立野
Yoichi Taniyama
陽一 谷山
Naomichi Momoi
直陸 桃井
Hideki Hinako
秀樹 日名子
Noboru Watanabe
昇 綿奈部
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸水性樹脂全体の吸水作用を速やかに飽和状態
とすることができ、緊急性を要する水災現場での使用に
十分耐え得る吸水性ゲル水嚢を提供する。 【解決手段】紙又は繊維からなり通水性を有する収納袋
2と、吸水性樹脂を含むシート体3とを備える。複数枚
のシート体3を収納袋2内に積層して収納する。収納袋
2内部に透過した水は各シート体3間の間隙に毛細管現
象によって浸透し、各シート体3表面に万遍なく均一に
接触する。これにより、吸水性を示す全ての樹脂の吸水
作用を速やかに飽和状態とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸水性ゲル水嚢に関
し、特に、水災現場において建物などへの水の侵入又は
建物などの浸水を防止するための吸水用又は堰き止め工
法用の吸水性ゲル水嚢に関する。
【0002】
【従来の技術】洪水による堤防の決壊、或いは豪雨など
による水災時に水の侵入を防止するために用いられる土
嚢に代わるものとして、例えば、実公平6−49605
号公報に開示されるような、粉状の吸水性樹脂を用いた
吸水性ゲル水嚢が従来より知られている。
【0003】この吸水性ゲル水嚢は、通水性のある紙又
は繊維布製の外袋と、この外袋内に収納される内袋であ
って、通水性又は可溶性を有するシートからなり複数の
区画を有する内袋と、この内袋の各区画内に収納される
粉状の吸水性樹脂及び比重調節材とからなるものであ
る。
【0004】例えば、浸水現場でこの吸水性ゲル水嚢を
水に浸すと、水が当該水嚢の外袋を透過し、更に内袋を
透過又は溶解して吸水性樹脂と接触する。これによって
吸水性樹脂が吸水ゲル化して体積膨張し、水嚢全体が土
嚢と同形状になる。そして、これを土嚢と同様に積み重
ねれば、防水用の堰を形成することができる。
【0005】このように、この吸水性ゲル水嚢によれ
ば、水災現場において水自体を吸水して浸水状態を緩和
することができるとともに、吸水後は土嚢と同様に用い
ることで防水用の堰を築くことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、水災現場に
おいては、侵入した水を速やかに排除したり、更なる浸
水を防止するために速やかに堰を築く必要があるなど、
緊急性が求められる。
【0007】しかるに、上記従来のゲル水嚢において
は、粉状又は粒状の吸水性樹脂を用いていることから、
収納された吸水性樹脂集合物の内部にまで水が浸透し難
いという構造的な欠点があった。
【0008】粉状の吸水性樹脂の集合体に水を供給する
と、供給された水は集合体の外表部分から内部に向けて
浸透するが、当初は、供給された水の殆どが外表部分の
吸水性樹脂における吸水作用に消費され、当該外表部分
の樹脂が吸水ゲル化して体積膨張を起こし、ついで漸次
中心部分に向けて吸水ゲル化が進行する。したがって、
水が供給されて後、集合体の中心部にある吸水性樹脂に
水が浸透して吸水されるまでにはかなりの時間的遅れを
生じる。このように、従来のゲル水嚢は水嚢内の吸水性
樹脂全体の吸水作用が飽和状態となるまでに長時間を要
するものであり、水災現場での緊急性に対応できないと
いう構造的な欠陥を有していた。
【0009】また、上述したように、まず、集合体の外
表部分の吸水性樹脂がゲル化して体積膨張を起こすが、
ゲル化前には適度に存在していた粒子間の間隙が、ゲル
化およびこれに伴う体積膨張によって失われ、これによ
って当該外表部分を水が透過し難くなり、益々集合体中
心部における吸水作用が遅延するという欠点もあった。
【0010】また、前記吸水性樹脂粉体は保存或いは輸
送中に塊状となり易く、このために吸水時には「まま
粉」状態となって塊状樹脂の中心部に水が浸透し難く、
吸水速度が遅くなるという現実的な問題も有していた。
【0011】本発明は、以上の従来の吸水性水嚢におけ
る欠点を改良すべくなされたものであり、吸水性樹脂全
体の吸水作用を速やかに飽和状態とすることができ、緊
急性を要する水災現場での使用に十分耐え得る吸水性ゲ
ル水嚢の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の請求項1に係る発明は、紙又は繊維からなり
通水性を有する収納袋と、吸水性樹脂を含むシート体と
を備えてなる吸水性ゲル水嚢であって、複数枚の前記シ
ート体を前記収納袋内に積層して収納したことを特徴と
するものである。
【0013】この発明に係る吸水性ゲル水嚢を水に浸す
と、通水性を有する収納袋を透過して内部に水が侵入す
る。侵入した水は吸水性樹脂を含むシート体と接触して
当該吸水性樹脂に吸水され、当該樹脂は吸水によりゲル
化して体積膨張を起こし、収納袋内に充満して収納袋の
内容積を膨張させ、これを所定形状に形成する。その
際、シート体を積層して収納袋内に収納しているので、
収納袋内部に透過した水は各シート体間の間隙に毛細管
現象によって浸透し、各シート体表面に万遍なく均一に
接触する。これにより、積層した中心層のシート体は勿
論のこと、各シート体全てについて上下の外表部分のシ
ート体におけると略同時に吸水作用が開始され、吸水ゲ
ル化およびこれに伴う体積膨張が進行する。このよう
に、本発明によれば、吸水性を示す全ての樹脂の吸水作
用を速やかに飽和状態とすることができるので、水災現
場においては、侵入した水を速やかに排除することがで
き、また、形成された水嚢を用いて浸水防止用の堰を速
やかに築くことができる。
【0014】また、請求項2に係る発明は、上記請求項
1に係る発明における前記シート体が、吸水性繊維を含
む織編布又は不織布からなるものである。この発明によ
れば、上述した請求項1に係る発明の作用に加えて、以
下の作用を奏する。
【0015】前記織編布又は不織布は糸又は単繊維から
構成されるものであり、前記糸間又は単繊維間に連続し
た空隙を有する立体構造を備えている。したがって、収
納袋を透過して内部に侵入した水は、前記空隙による毛
細管現象によって容易にシート体内に侵入して吸水性繊
維に吸収される一方、容易にシート体を透過して順次内
層側のシート体内に侵入する。このように、この発明に
よれば、連続した空隙を有する織編布又は不織布からシ
ート体を構成しているので、シート体の水と接触する表
面積が大きく、しかも水の分散性がよいものとなってい
る。これにより、各シート体における吸水を極めて速や
かに行うことができるとともに、積層体全体を極めて迅
速に吸水飽和状態とすることができる。
【0016】また、請求項3に係る発明は、上記請求項
1又は2に係る発明における前記シート体に、表裏に貫
通する貫通孔を穿設したものである。この発明によれ
ば、上述した請求項1又は2に係る発明の作用に加えて
以下の作用を奏する。
【0017】即ち、この発明によれば、収納袋を透過し
て内部に侵入した水は、積層体外周側から各シート体間
の間隙に毛細管現象によって浸透する一方、貫通孔を経
由して各シート体間の間隙に毛細管現象によって浸透す
る。したがって、積層した各シート体間の間隙により速
やかに水を浸透させることができ、より速やかに全樹脂
の吸水作用を飽和状態とすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
について説明する。
【0019】上述したように、本発明における吸水性ゲ
ル水嚢は、紙又は繊維からなり通水性を有する収納袋
と、吸水性樹脂を含むシート体とを備えてなるものであ
る。
【0020】前記収納袋を構成する紙は特に限定される
ものではなく、所定の通水性を有し、且つシート体が吸
水して体積膨張した際に破損しない程度の強度を有する
ものであればどのようなものであっても良い。尚、強度
としては、例えば、JIS1096のペンジュラム法に
よる引裂強度が500g以上であるものが好ましい。ま
た、前記繊維についても同様に何ら限定されるものでは
なく、天然繊維,合成繊維,再生繊維などの各種繊維を
用いることができ、前記収納袋はこれら繊維により製造
された織編物又は不織布を用いて製造される。
【0021】尚、自然環境維持の面からすると、前記繊
維には生分解性を有する繊維を用いるが好ましい。生分
解性を有する繊維には、例えば、脂肪族ジカルボン酸及
び脂肪族ジオールよりなる脂肪族ポリエステルや、ポリ
グリコール酸、及びポリ乳酸のような一分子内にカルボ
キシル基と水酸基を有する化合物の重合体などの脂肪族
ポリエステルなどからなる合成繊維を挙げることができ
る。特に、ポリ乳酸よりなる生分解性繊維はポリエチレ
ンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレートなどの
ポリエステル(融点が約250℃前後)などよりも融点
が低く(融点が約170℃)、収納袋に形成後の表面に
エンボス加工などの滑り止め加工を施し易く好都合であ
る。また、他の生分解性繊維に比べて融点が高く、取り
扱い性や加工性に優れており、他の生分解性繊維では物
性が変化するために使用できない約130℃という条件
下においても安定して使用でき、また保存性にも優れて
いる。
【0022】前記吸水性樹脂を含むシート体は、通常行
われる乾式不織布法や、抄紙,スパンレースによる湿式
不織布法などによって製造することができ、少なくとも
5重量%以上の吸水性樹脂を含むものであれば、他の構
成成分についてはパルプ,レーヨン及びその他の繊維な
ど何ら限定されない。尚、抄紙法で製造する場合には、
吸水性樹脂の更に好ましい含有量は5〜60重量%であ
る。
【0023】前記吸水性樹脂は瞬間吸水性又は吸水能の
優れる樹脂であればどのような樹脂であっても良く、例
えば、澱粉・アクリルニトリルグラフト共重合体の加水
分解物、セルロースアクリル酸グラフト共重合体、アク
リル酸・ビニルアルコール共重合体、アクリル酸ソーダ
重合体などを用いることができる。特に、アクリル酸・
ビニルアルコール共重合体は吸水能が600倍と高く、
また、アクリル酸ソーダ重合体は瞬間吸水性に優れると
ともに、吸水能についても1000倍と高くて好まし
い。
【0024】そして、上述のようにして成形したシート
体の複数枚を積層して前記収納袋に収納し水嚢とする。
図1はこのようにして形成した吸水性ゲル水嚢を示す断
面図である。この吸水性ゲル水嚢1を水中に浸すと、同
図に示すように、収納袋2が所定の通水性を有すること
から、その全外周面から内部に水が透過して侵入する。
内部に侵入した水はシート体3の最外層の表面と接触す
るとともに、毛細管現象によって内層部分の各シート体
3間に侵入し、その表面と接触する。これにより、水は
各シート体3に含まれる吸水性樹脂に吸水され、当該樹
脂は吸水によりゲル化して体積膨張を起こし、収納袋2
内に充満して収納袋2の内容積を膨張させてこれを所定
形状に形成する。このように内容積の膨張した状態の吸
水性ゲル水嚢1を図2に示す。そして、吸水したゲル水
嚢1は浸水防止用の堰を築くのに用いることができる。
【0025】このように、この吸水性ゲル水嚢1は収納
袋2内にシート体3を積層して収納しているので、毛細
管現象を利用して速やかに各シート体3表面と水とを接
触させることができ、吸水性樹脂の吸水作用を速やかに
飽和状態にすることができる。換言すれば、吸水性樹脂
全体の吸水速度を高めることができる。したがって、こ
の吸水性ゲル水嚢1を水災現場において用いると、侵入
した水を速やかに排除することができ、また、形成され
た水嚢を用いて浸水防止用の堰を速やかに築くことがで
きる。
【0026】また、前記シート体3は、吸水性繊維を含
む織編布又は不織布から構成することができる。織編布
又は不織布は糸又は繊維からなるものであり、糸間又は
繊維間に連続した空隙を有する立体構造を備えている。
したがって、収納袋2を透過して内部に侵入した水は、
前記空隙による毛細管現象によって容易にシート体3内
に侵入して吸水性繊維に吸収される一方、容易にシート
体3を透過して順次内層側のシート体内に侵入する。こ
のように、シート体3を連続した空隙を有する織編布又
は不織布から構成すると、シート体3の水と接触する表
面積が大きくなり、しかも水の分散性がよいものとな
る。これにより、各シート体3における吸水が極めて速
やかに行われるとともに、積層体全体を極めて迅速に吸
水飽和状態とすることができる。
【0027】前記吸水性繊維は上記吸水性樹脂からなる
繊維であり、十分な吸水性を得るためには、前記織編布
又は不織布は少なくとも40重量%以上の吸水性繊維を
含んでいることが好ましく、一方、吸水性繊維は若干強
度が劣ることからこれと他の高強度の繊維とを混合して
織編布又は不織布の強度を高める必要があり、かかる点
からすると前記織編布又は不織布に含まれる吸水性繊維
は90重量%以下であることが好ましい。但し、架橋度
を向上させることなどにより吸水性繊維を改質して強度
の向上を図れば、前記織編布又は不織布を吸水性繊維の
みから製造することもできる。
【0028】また、図3に示すように、前記シート体3
は成形体および織編布又は不織布からなるものを含め
て、表裏に貫通する貫通孔4を穿設したものとすること
ができる。
【0029】収納袋2を透過して内部に侵入した水は、
積層体外周側から各シート体3間の間隙に毛細管現象に
よって浸透する一方、貫通孔4をも経由して各シート体
3間の間隙に毛細管現象によって浸透する。したがっ
て、積層した各シート体3間の間隙により速やかに水を
浸透させることができ、より速やかに全樹脂の吸水作用
を飽和状態とすることができる。
【0030】尚、前記貫通孔4は、積層した上下間のシ
ート体3相互の貫通孔4が連通するようにこれを設ける
こともでき、連通しないように設けることもできる。ま
た、設ける貫通孔の大きさは0.5mm〜15mmの直
径のものが好ましく、穿設ピッチは5cm〜15cmの
範囲が好ましい。
【0031】
【実施例】次に本発明の好適な実施例について説明す
る。
【0032】(実施例1)まず、ポリ乳酸からなる生分
解繊維を用いて目付が60g/cm2 の不織布を製造
し、この不織布を47cm×67cmの大きさに裁断し
た後、2枚を重ね合わせ、1辺を除いてその周縁部を縫
合して1辺が開口した収納袋を製造した。
【0033】ついで、アクリル酸ソーダ系重合体の20
重量%とパルプの80重量%を混合,混錬した後、抄紙
法によりタテが30cm、ヨコが50cm、厚さが1m
mのシート体を製造した。
【0034】ついで、シート体25枚を積層して前記収
納袋内に収納した後、開口部を縫合して実施例1の吸水
性ゲル水嚢を得た。
【0035】(実施例2)ポリアクリル酸ソーダからな
る吸水性アクリル繊維の50重量%と、ポリ乳酸からな
る生分解性繊維の50重量%とを用いて目付が500g
/cm2 の不織布を製造し、この不織布をタテが30c
m、ヨコが50cmの大きさに裁断し、シート体とし
た。
【0036】ついで、このシート体の25枚を実施例1
と同じ収納袋に収納して開口部を縫合し、実施例2の吸
水性ゲル水嚢を得た。
【0037】(実施例3)直径が1cmである12個の
貫通孔を、10×10cmのピッチで前記各シート体に
穿設した他は実施例1と同様にして実施例3の吸水性ゲ
ル水嚢を得た。
【0038】(実施例4)直径が1cmである12個の
貫通孔を、10×10cmのピッチで前記各シート体に
穿設した他は実施例2と同様にして実施例4の吸水性ゲ
ル水嚢を得た。
【0039】上述のようにして製造した実施例1乃至4
の吸水性ゲル水嚢を水中に浸して、その吸水時間を測定
したところ、いずれも粉状又は粒状の吸水性樹脂を用い
た従来の吸水性ゲル水嚢に比べて短時間に吸水飽和状態
に達し、吸水性能が優れたものであった。
【0040】(評価)上述した実施例に係る吸水性ゲル
水能の吸水時間に関する吸水性能を評価すべく以下の試
験を行った。
【0041】まず、実施例1で製造した吸水性のシート
体を4.5cm×5.5cmに裁断した後、これを9枚
積層した。尚、この9枚のシート体の合計重量は5gで
あった。
【0042】一方、比較例としてポリアクリル酸ソーダ
の架橋物からなる吸水性樹脂粉末(アクアメイト AQ
−100、積水化成品工業(株)製)の5gを用意し
た。
【0043】ついで、これらを直径が8cm、深さが2
cmである円筒形のトレイに別々に収納した。尚、吸水
性樹脂粉末はその底面積が前記シート体の面積と略同面
積となるようにトレイ内に収納した。
【0044】ついで、前記各トレイに40ccの水道水
を注入し、注入終了後、シート体及び吸水性樹脂に水が
吸水されてトレイ底面から水滴がなくなるまでのそれぞ
れの時間(以下、吸水時間という)を測定した。
【0045】測定結果については、本発明の実施例に係
るシート体の吸水時間が3.8秒(2回平均)であり、
比較例に係る吸水性樹脂粉末の吸水時間が6.5秒(2
回平均)であった。即ち、実施例に係るシート体の吸水
時間は比較例の吸水性樹脂粉末の吸水時間に比べて0.
58倍であった。このことから、本発明に係る吸水性ゲ
ル水能が従来の吸水性樹脂粉末からなるものに比べて吸
水時間の面で勝っていることが分かる。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
に係る発明によれば、吸水性樹脂を含むシート体を積層
して収納袋内に設けているので、収納袋内部に透過した
水が毛細管現象によって各シート体間の間隙に速やかに
浸透し、各シート体表面に万遍なく均一に接触する。し
たがって、吸水性を示す全ての樹脂の吸水作用を速やか
に飽和状態とすることができ、水災現場においては、侵
入した水を速やかに排除することができるとともに、形
成された水嚢を用いて浸水防止用の堰を速やかに築くこ
とができる。更に、粉状の吸水性樹脂を用いた従来の水
嚢に比べて形態保持性に優れており、堰としての役割を
十分に果たすものとなっている。
【0047】また、請求項2に係る発明によれば、上記
請求項1に係る発明における前記シート体を、吸水性繊
維を含む織編布又は不織布から構成しているので水と接
触する表面積が大きく、水は前記織編布又は不織布を構
成する糸間又は単繊維間に形成された空隙を通って、容
易にシート体内に侵入して分散し吸水性繊維に吸収され
る一方、容易にシート体を透過して順次内層側のシート
体内に侵入する。したがって、各シート体における吸水
を極めて速やかに行うことができるとともに、積層体全
体を極めて迅速に吸水飽和状態とすることができる。
【0048】また、請求項3に係る発明によれば、表裏
に貫通する貫通孔をシート体に穿設しているので、収納
袋を透過して内部に侵入した水は、積層体外周側から各
シート体間の間隙に毛細管現象によって浸透する一方、
貫通孔を経由して各シート体間の間隙に毛細管現象によ
って浸透する。したがって、積層した各シート体間の間
隙に、より速やかに水を浸透させることができ、より速
やかに全樹脂の吸水作用を飽和状態とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る吸水性ゲル水嚢を示
す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る吸水性ゲル水嚢の吸
水飽和状態を示す断面図である。
【図3】図1における矢示A−A方向のシート体を示す
平面図である。
【符号の説明】
1 吸水性ゲル水嚢 2 収納袋 3 シート体 4 貫通孔
フロントページの続き (72)発明者 綿奈部 昇 福井県鯖江市御幸町2−10−14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙又は繊維からなり通水性を有する収納
    袋と、吸水性樹脂を含むシート体とを備えてなる吸水性
    ゲル水嚢であって、 複数枚の前記シート体を前記収納袋内に積層して収納し
    たことを特徴とする吸水性ゲル水嚢。
  2. 【請求項2】 前記シート体が、吸水性繊維を含む織編
    布又は不織布からなる請求項1記載の吸水性ゲル水嚢。
  3. 【請求項3】 表裏に貫通する貫通孔を前記シート体に
    穿設したことを特徴とする請求項1又は2記載の吸水性
    ゲル水嚢。
JP24460797A 1997-08-25 1997-08-25 吸水性ゲル水嚢 Pending JPH1161773A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1947247A2 (en) * 2007-01-19 2008-07-23 Environmental Defence Systems Limited Defence system
JP2016129672A (ja) * 2015-01-13 2016-07-21 エバートロン ホールディングス ピーティーイー リミテッド フライヤー、加熱調理方法
JP3207196U (ja) * 2016-08-18 2016-10-27 リ・プロダクツ株式会社 吸水パッド

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