JPH1161707A - 路床その他の土木構造物及びコンクリートブロック - Google Patents
路床その他の土木構造物及びコンクリートブロックInfo
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- JPH1161707A JPH1161707A JP9237656A JP23765697A JPH1161707A JP H1161707 A JPH1161707 A JP H1161707A JP 9237656 A JP9237656 A JP 9237656A JP 23765697 A JP23765697 A JP 23765697A JP H1161707 A JPH1161707 A JP H1161707A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 路床などの土木構造物及びそのブロックに関
し、自然界の生態系を破壊しないような土木構造物を構
築する技術手段を得る。 【解決手段】 この発明の土木構造物を構築する最小単
位のブロック(要素ブロック)は、互いに直交する方向
の3本の軸方向梁2と軸方向梁の先端相互を連結する3
本のトラス梁3とを備え、各梁2、3は端部が一体に連
結されて全体として四面体の各辺を形成している。4個
の要素ブロックをトラス梁3相互を添設して連結固定す
ることにより、直方体形状の単位ブロック10を形成す
る。単位ブロック10を重機械で吊り上げて基礎の上に
積み重ねたあと隣接する軸方向梁相互を連結するという
作業で、土木構造物を構築する。施工を速やかに行うこ
とができ、信頼性の高い土木構造物を短期間で構築でき
る。獣や小動物は単位ブロックの空間4を通って行き来
できる。
し、自然界の生態系を破壊しないような土木構造物を構
築する技術手段を得る。 【解決手段】 この発明の土木構造物を構築する最小単
位のブロック(要素ブロック)は、互いに直交する方向
の3本の軸方向梁2と軸方向梁の先端相互を連結する3
本のトラス梁3とを備え、各梁2、3は端部が一体に連
結されて全体として四面体の各辺を形成している。4個
の要素ブロックをトラス梁3相互を添設して連結固定す
ることにより、直方体形状の単位ブロック10を形成す
る。単位ブロック10を重機械で吊り上げて基礎の上に
積み重ねたあと隣接する軸方向梁相互を連結するという
作業で、土木構造物を構築する。施工を速やかに行うこ
とができ、信頼性の高い土木構造物を短期間で構築でき
る。獣や小動物は単位ブロックの空間4を通って行き来
できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、路床(道床を含
む)などの土木構造物及びそれを構築するためのブロッ
クに関するものである。
む)などの土木構造物及びそれを構築するためのブロッ
クに関するものである。
【0002】
【従来の技術】原野や山林に道路を建設するときは、土
盛をして平坦な頂面を形成し、また山腹を削って平坦面
を形成して道路面とする。道路が山に遮られれば、でき
るだけ山腹を巻くようにするが、やむを得なければトン
ネルを掘る。このようにして建設された道路は、長い線
となって原野や山林を横断する。このようにして構築さ
れた道路は、人の交通の手段として便利なものである
が、原野や山林に住む獣その他の小動物にとっては生活
空間を破壊する何物でもない。盛土の斜面や山腹の崩落
を防止するために法面に設けられたコンクリートの擁壁
は、急勾配であるうえに滑り易く、野性の小動物にとっ
ても登り降りが困難である。また道路を疾走する車両
は、道路を横断しようとする小動物の命を直接的に脅か
す。
盛をして平坦な頂面を形成し、また山腹を削って平坦面
を形成して道路面とする。道路が山に遮られれば、でき
るだけ山腹を巻くようにするが、やむを得なければトン
ネルを掘る。このようにして建設された道路は、長い線
となって原野や山林を横断する。このようにして構築さ
れた道路は、人の交通の手段として便利なものである
が、原野や山林に住む獣その他の小動物にとっては生活
空間を破壊する何物でもない。盛土の斜面や山腹の崩落
を防止するために法面に設けられたコンクリートの擁壁
は、急勾配であるうえに滑り易く、野性の小動物にとっ
ても登り降りが困難である。また道路を疾走する車両
は、道路を横断しようとする小動物の命を直接的に脅か
す。
【0003】長く延びる道路は、小動物にとって一続き
の生活空間であった原野や山林を分断し、分断された地
域相互の行き来が阻止される。そのため、これまで大き
な一つの生態系であったものが小さな二つの生態系に区
分され、必然的に生態系を構成する動植物の分布も変化
していく。このことは、これらの小動物と生態系を共有
している人間にとっても好ましいことではない。道路に
よって野性動物の自由な移動が阻止されることは、道路
を走行する車両の騒音や排気ガスとともに、道路による
自然破壊の重要な側面である。
の生活空間であった原野や山林を分断し、分断された地
域相互の行き来が阻止される。そのため、これまで大き
な一つの生態系であったものが小さな二つの生態系に区
分され、必然的に生態系を構成する動植物の分布も変化
していく。このことは、これらの小動物と生態系を共有
している人間にとっても好ましいことではない。道路に
よって野性動物の自由な移動が阻止されることは、道路
を走行する車両の騒音や排気ガスとともに、道路による
自然破壊の重要な側面である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、自然界に
おける生態系をできるだけ破壊しないような土木構造物
を構築する技術手段を得ることを課題としている。
おける生態系をできるだけ破壊しないような土木構造物
を構築する技術手段を得ることを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の土木構造物
は、最小単位となるコンクリートブロック(要素ブロッ
ク)を複数個一体的に結合して単位ブロックを形成し、
この単位ブロックを連結ないし積重することにより構築
される。
は、最小単位となるコンクリートブロック(要素ブロッ
ク)を複数個一体的に結合して単位ブロックを形成し、
この単位ブロックを連結ないし積重することにより構築
される。
【0006】請求項1記載の土木構造物構築用コンクリ
ートブロック(要素ブロック)は、三次元直角座標軸上
にそれぞれ座標点を取ったときの、原点から各座標点ま
での軸線上に位置する3本の軸方向梁2と、各座標点相
互を連結する線分上に位置する3本のトラス梁3とを備
えており、各梁2、3は端部が一体に連結されて全体と
して四面体の各辺を形成しており、トラス梁3を添設す
るようにして複数個の要素ブロック相互を連結固定する
連結固定手段5を備えていることを特徴とするものであ
る。
ートブロック(要素ブロック)は、三次元直角座標軸上
にそれぞれ座標点を取ったときの、原点から各座標点ま
での軸線上に位置する3本の軸方向梁2と、各座標点相
互を連結する線分上に位置する3本のトラス梁3とを備
えており、各梁2、3は端部が一体に連結されて全体と
して四面体の各辺を形成しており、トラス梁3を添設す
るようにして複数個の要素ブロック相互を連結固定する
連結固定手段5を備えていることを特徴とするものであ
る。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載のコ
ンクリートブロック(要素ブロック)において、3本の
軸方向梁2の長さが全て等しい長さであることを特徴と
するものである。
ンクリートブロック(要素ブロック)において、3本の
軸方向梁2の長さが全て等しい長さであることを特徴と
するものである。
【0008】請求項3記載のコンクリートブロック(単
位ブロック)は、請求項1又は2記載の要素ブロックの
4個をそれらのトラス梁3相互を添設固定して全体とし
て直方形ないし立方形になるように組み立てられている
ことを特徴とするものである。1個の単位ブロックを形
成する要素ブロック相互は、トラス梁3相互を接着剤で
接着したうえでボルトナットにより締結するなどして固
定する。
位ブロック)は、請求項1又は2記載の要素ブロックの
4個をそれらのトラス梁3相互を添設固定して全体とし
て直方形ないし立方形になるように組み立てられている
ことを特徴とするものである。1個の単位ブロックを形
成する要素ブロック相互は、トラス梁3相互を接着剤で
接着したうえでボルトナットにより締結するなどして固
定する。
【0009】請求項4記載の土木構造物は、請求項3記
載の単位ブロック10の複数個が、隣接する単位ブロッ
クの軸方向梁2相互を添設した状態で連結されて構築さ
れており、単位ブロック10の周面の1個が水平面とな
る方向にして地盤20に固定されていることを特徴とす
るものである。単位ブロック相互は、ボルトナットで緩
く締結するか、ワイヤや鎖で連結するなど、相互の間に
僅かなずれを許容する構造で連結するのが好ましい。
載の単位ブロック10の複数個が、隣接する単位ブロッ
クの軸方向梁2相互を添設した状態で連結されて構築さ
れており、単位ブロック10の周面の1個が水平面とな
る方向にして地盤20に固定されていることを特徴とす
るものである。単位ブロック相互は、ボルトナットで緩
く締結するか、ワイヤや鎖で連結するなど、相互の間に
僅かなずれを許容する構造で連結するのが好ましい。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項4記載の土
木構造物において、土木構造物の単位ブロック10のう
ちの地盤20に接する単位ブロック10aの水平面に板
状コンクリートブロック11、11aが添設されている
ことを特徴とするものである。
木構造物において、土木構造物の単位ブロック10のう
ちの地盤20に接する単位ブロック10aの水平面に板
状コンクリートブロック11、11aが添設されている
ことを特徴とするものである。
【0011】請求項6記載の発明は、請求項4記載の土
木構造物において、土木構造物の単位ブロック10のう
ちの地盤20に接する単位ブロック10aの水平な底面
に皿状コンクリートブロックからなる水溜板14が装着
されていることを特徴とするものである。
木構造物において、土木構造物の単位ブロック10のう
ちの地盤20に接する単位ブロック10aの水平な底面
に皿状コンクリートブロックからなる水溜板14が装着
されていることを特徴とするものである。
【0012】請求項7記載の路床は、水平面を上面とし
た単位ブロック10の複数個を頂部に並置した土木構造
物の上面に承板13を載置し、その承板13上に道路2
1が形成されていることを特徴とするものである。
た単位ブロック10の複数個を頂部に並置した土木構造
物の上面に承板13を載置し、その承板13上に道路2
1が形成されていることを特徴とするものである。
【0013】請求項8記載の路床は、道路の長手方向に
沿う路床の大部分が盛土の路床23であり、有限長さの
二つの盛土の路床23の間に短い長さの請求項7の路床
24が介在していることを特徴とするものである。
沿う路床の大部分が盛土の路床23であり、有限長さの
二つの盛土の路床23の間に短い長さの請求項7の路床
24が介在していることを特徴とするものである。
【0014】
【作用】請求項1及び2に係る要素ブロックは工場生産
およびトラックによる運搬が可能な大きさであり、一定
品質の要素ブロックを効率良く生産することができる。
そして工場生産された要素ブロック1をトラックの荷台
に積載して工事現場へ運搬し、重機械を使用してブロッ
ク相互を連結固定して請求項3に係る単位ブロック10
を組み立てる。組み立てられた単位ブロック10を重機
械で吊り上げて基礎の上に積み重ねたあと単位ブロック
相互を連結するという作業で、施工を速やかに行うこと
ができ、信頼性の高い土木構造物を短期間で構築するこ
とができる。
およびトラックによる運搬が可能な大きさであり、一定
品質の要素ブロックを効率良く生産することができる。
そして工場生産された要素ブロック1をトラックの荷台
に積載して工事現場へ運搬し、重機械を使用してブロッ
ク相互を連結固定して請求項3に係る単位ブロック10
を組み立てる。組み立てられた単位ブロック10を重機
械で吊り上げて基礎の上に積み重ねたあと単位ブロック
相互を連結するという作業で、施工を速やかに行うこと
ができ、信頼性の高い土木構造物を短期間で構築するこ
とができる。
【0015】上記の単位ブロックを並置ないし積重して
構築された請求項4ないし6記載の土木構造物は、構造
物を構成する単位ブロック10の梁2、3の間に獣や小
動物が通過可能な空間4があり、単位ブロック10を連
結して土木構造物を構築した後も、各単位ブロックの空
間4相互の連通性は保証されるので、獣や小動物はこの
単位ブロックの空間4を通って構造物を横断して行き来
することができる。
構築された請求項4ないし6記載の土木構造物は、構造
物を構成する単位ブロック10の梁2、3の間に獣や小
動物が通過可能な空間4があり、単位ブロック10を連
結して土木構造物を構築した後も、各単位ブロックの空
間4相互の連通性は保証されるので、獣や小動物はこの
単位ブロックの空間4を通って構造物を横断して行き来
することができる。
【0016】請求項5の構造は、構造物の重量が板状コ
ンクリートブロック11、11aを介して地盤20に伝
達されるので、地盤20の支持力の低い所において構造
物の沈降を防止する構造として優れている。
ンクリートブロック11、11aを介して地盤20に伝
達されるので、地盤20の支持力の低い所において構造
物の沈降を防止する構造として優れている。
【0017】また請求項6の構造は、路床等の土木構造
物が谷川を横断する部分の構造として適しており、構造
物の内部空間を多段滝となって流れる谷川の水が、水溜
板14の皿状の凹部に溜まって水の勢いが殺され、地盤
の浸蝕が防止されるとともに、魚の遡上も可能になる。
山地の谷川が流れる部分は、小動物の通路ともなってい
ることが多いので、このような谷川の流れている部分に
構築される土木構造物の構造として、請求項6の構造を
用いることは、生態系の保護のうえで特に好ましい。
物が谷川を横断する部分の構造として適しており、構造
物の内部空間を多段滝となって流れる谷川の水が、水溜
板14の皿状の凹部に溜まって水の勢いが殺され、地盤
の浸蝕が防止されるとともに、魚の遡上も可能になる。
山地の谷川が流れる部分は、小動物の通路ともなってい
ることが多いので、このような谷川の流れている部分に
構築される土木構造物の構造として、請求項6の構造を
用いることは、生態系の保護のうえで特に好ましい。
【0018】道路の路床のすべてを請求項4ないし6の
土木構造物で構築すれば、小動物の横断はより自由にな
るが、道路の建設コストが増加する。そこで請求項7に
示すように、路床の大部分を盛土の路床23とし、その
所々に請求項4ないし6の構造の路床24を配置するこ
とにより、コストをあまり増加させることなく、小動物
の横断に障害を与えることのない路床を構築することが
できる。
土木構造物で構築すれば、小動物の横断はより自由にな
るが、道路の建設コストが増加する。そこで請求項7に
示すように、路床の大部分を盛土の路床23とし、その
所々に請求項4ないし6の構造の路床24を配置するこ
とにより、コストをあまり増加させることなく、小動物
の横断に障害を与えることのない路床を構築することが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の単位ブロックの実
施例を要素ブロックに分解して示した斜視図である。単
位ブロックを構成する4個の要素ブロック1は、全て同
形であり、それぞれが三次元直角座標軸方向に延びる長
さの等しい3本の軸方向梁2を備えている。3本の軸方
向梁2は、一端が三次元直角座標軸の原点で一体に連結
されており、他端がそれぞれトラス梁3で一体に連結さ
れている。各トラス梁3は長さが等しく、3本のトラス
梁3は正三角形を形成している。要素ブロック1は軸方
向梁2とトラス梁3とが四面体の各辺に位置した枠形を
しており、梁2、3の間には四面体の全ての面に向けて
開放された空間4が存在している。1つの要素ブロック
1の大きさは、トラックの荷台に搭載できる大きさ、例
えば軸方向梁2の長さを約2m程度にする。要素ブロッ
ク1の材料は、鉄筋コンクリートまたは鉄骨コンクリー
トである。
施例を要素ブロックに分解して示した斜視図である。単
位ブロックを構成する4個の要素ブロック1は、全て同
形であり、それぞれが三次元直角座標軸方向に延びる長
さの等しい3本の軸方向梁2を備えている。3本の軸方
向梁2は、一端が三次元直角座標軸の原点で一体に連結
されており、他端がそれぞれトラス梁3で一体に連結さ
れている。各トラス梁3は長さが等しく、3本のトラス
梁3は正三角形を形成している。要素ブロック1は軸方
向梁2とトラス梁3とが四面体の各辺に位置した枠形を
しており、梁2、3の間には四面体の全ての面に向けて
開放された空間4が存在している。1つの要素ブロック
1の大きさは、トラックの荷台に搭載できる大きさ、例
えば軸方向梁2の長さを約2m程度にする。要素ブロッ
ク1の材料は、鉄筋コンクリートまたは鉄骨コンクリー
トである。
【0020】図1の実施例のものでは、トラス梁3の中
間の2箇所に軸直角方向のボルト挿通孔5が設けてあ
る。隣接する要素ブロック1相互の連結は、トラス梁の
接合面にエポキシ樹脂等の接着剤を塗布し、ボルト挿通
孔5に挿通したボルトにナットを締結することにより行
う。隣接する要素ブロック1相互はトラス梁3が添設さ
れた状態で連結固定される。要素ブロックのトラス梁3
には、隣接する要素ブロック相互のずれを防止するため
の凹凸を設けることができる。このずれ止めの凹凸は、
トラス梁3が添設される面に設けられる。軸方向梁2に
も中間の2箇所に軸直角方向の連結孔6、7が設けられ
ている。
間の2箇所に軸直角方向のボルト挿通孔5が設けてあ
る。隣接する要素ブロック1相互の連結は、トラス梁の
接合面にエポキシ樹脂等の接着剤を塗布し、ボルト挿通
孔5に挿通したボルトにナットを締結することにより行
う。隣接する要素ブロック1相互はトラス梁3が添設さ
れた状態で連結固定される。要素ブロックのトラス梁3
には、隣接する要素ブロック相互のずれを防止するため
の凹凸を設けることができる。このずれ止めの凹凸は、
トラス梁3が添設される面に設けられる。軸方向梁2に
も中間の2箇所に軸直角方向の連結孔6、7が設けられ
ている。
【0021】図2は、要素ブロック1を4個連結固定し
て組み立てられたこの発明の単位ブロック10の第1実
施例を示したものである。この単位ブロック10は、立
方体の各辺に要素ブロックの軸方向梁2が位置する枠形
をしており、立方体の対向する面においてねじれの位置
関係にある対角線上にトラス梁3が位置している。互い
に添設されたトラス梁3、3は、立方体のなかに正四面
体を形成する。従って立方体の頂点に外力が作用したと
きは、その外力は直接的又は間接的にトラス梁3によっ
て受け止められる。
て組み立てられたこの発明の単位ブロック10の第1実
施例を示したものである。この単位ブロック10は、立
方体の各辺に要素ブロックの軸方向梁2が位置する枠形
をしており、立方体の対向する面においてねじれの位置
関係にある対角線上にトラス梁3が位置している。互い
に添設されたトラス梁3、3は、立方体のなかに正四面
体を形成する。従って立方体の頂点に外力が作用したと
きは、その外力は直接的又は間接的にトラス梁3によっ
て受け止められる。
【0022】図3は本発明の単位ブロックの第2実施例
を示した斜視図である。この単位ブロックを構成する4
個の要素ブロック1は、三次元直角座標軸方向に延びる
互いに異なる長さの3本の軸方向梁2を備えている。各
軸方向梁2は一端が三次元直角座標軸の原点で一体に連
結されており、他端がそれぞれトラス梁3で一体に連結
されている。各トラス梁3は異なる長さであり、3本の
トラス梁3で三角形が形成されている。4個の要素ブロ
ック1相互は、トラス梁3相互が添設固定されて、矩形
直方体形状の単位ブロックが形成される。
を示した斜視図である。この単位ブロックを構成する4
個の要素ブロック1は、三次元直角座標軸方向に延びる
互いに異なる長さの3本の軸方向梁2を備えている。各
軸方向梁2は一端が三次元直角座標軸の原点で一体に連
結されており、他端がそれぞれトラス梁3で一体に連結
されている。各トラス梁3は異なる長さであり、3本の
トラス梁3で三角形が形成されている。4個の要素ブロ
ック1相互は、トラス梁3相互が添設固定されて、矩形
直方体形状の単位ブロックが形成される。
【0023】図4は要素ブロック及び単位ブロックの複
数個を連結した組み合わせの例を示した斜視図である。
隣接する軸方向梁の間にゴムパッキンを介在させ、軸方
向梁の連結孔6、7に挿通したボルトにナットをねじこ
んで3個の単位ブロック10を階段状に連結する。更
に、第1段の単位ブロックの前面と上面に要素ブロック
1をそれぞれ連結するとともに、第2段の下段の単位ブ
ロックの背面に1つの要素ブロック1を連結する。
数個を連結した組み合わせの例を示した斜視図である。
隣接する軸方向梁の間にゴムパッキンを介在させ、軸方
向梁の連結孔6、7に挿通したボルトにナットをねじこ
んで3個の単位ブロック10を階段状に連結する。更
に、第1段の単位ブロックの前面と上面に要素ブロック
1をそれぞれ連結するとともに、第2段の下段の単位ブ
ロックの背面に1つの要素ブロック1を連結する。
【0024】図5は同様な組み合わせによって構築した
本発明の土木構造物の一実施例を示したものである。こ
の発明の土木構造物は、工場生産によって製造された図
1に示すような要素ブロック1を、クレーン等で吊り上
げ現場で積み上げて、図2及び図3に示すような単位ブ
ロック10を組み立て、更に隣接する単位ブロック相互
を連結することによって構築される。図5の実施例のも
のでは、2個の要素ブロック1と9個の単位ブロック1
0とを組み合わせて、傾斜した地盤(山の斜面)20の
上に道路21を支える路床を構築している。
本発明の土木構造物の一実施例を示したものである。こ
の発明の土木構造物は、工場生産によって製造された図
1に示すような要素ブロック1を、クレーン等で吊り上
げ現場で積み上げて、図2及び図3に示すような単位ブ
ロック10を組み立て、更に隣接する単位ブロック相互
を連結することによって構築される。図5の実施例のも
のでは、2個の要素ブロック1と9個の単位ブロック1
0とを組み合わせて、傾斜した地盤(山の斜面)20の
上に道路21を支える路床を構築している。
【0025】路床を構成するブロックのうちの地盤20
に接する単位ブロックであって、地盤20に接触する単
位ブロック10aの底面には、板状のコンクリートブロ
ック11、11aが敷設され、これらの単位ブロック1
0aはその板状のコンクリートブロック11、11aの
上に載った状態となっている。この板状のコンクリート
ブロック11、11aは、地盤20にかかる荷重を単位
ブロックの面全体に分散させる作用をなしている。ここ
で符号11で示す板状コンクリートブロックは、この構
造物を構成している単位ブロック10の全幅のものであ
り、符号11aの板状コンクリートブロックは、半分幅
のものである。図5の構造物の頂部には、上面側が水平
面となる方向の板状のブロック12が並置されており、
その上に承板13が載置され、その上に道路21が形成
されている。
に接する単位ブロックであって、地盤20に接触する単
位ブロック10aの底面には、板状のコンクリートブロ
ック11、11aが敷設され、これらの単位ブロック1
0aはその板状のコンクリートブロック11、11aの
上に載った状態となっている。この板状のコンクリート
ブロック11、11aは、地盤20にかかる荷重を単位
ブロックの面全体に分散させる作用をなしている。ここ
で符号11で示す板状コンクリートブロックは、この構
造物を構成している単位ブロック10の全幅のものであ
り、符号11aの板状コンクリートブロックは、半分幅
のものである。図5の構造物の頂部には、上面側が水平
面となる方向の板状のブロック12が並置されており、
その上に承板13が載置され、その上に道路21が形成
されている。
【0026】このようにして構成された構造物には、各
単位ブロックの空間4が互いに連続して小動物のための
通路が形成され、小動物は自由にこの構造物を横断して
行き来することができる。構築された構造物は、トラス
構造体となっており、地盤20を崩落させる方向の力に
対して大きな抵抗を示し、道路21を支える路床となる
とともに、斜面の崩落を防止する構造物としても機能し
ている。
単位ブロックの空間4が互いに連続して小動物のための
通路が形成され、小動物は自由にこの構造物を横断して
行き来することができる。構築された構造物は、トラス
構造体となっており、地盤20を崩落させる方向の力に
対して大きな抵抗を示し、道路21を支える路床となる
とともに、斜面の崩落を防止する構造物としても機能し
ている。
【0027】図6は本発明の単位ブロックの4個を四角
柱状に連結した組み合わせの例を示した斜視図であり、
図5の構造における板状コンクリートブロック11、1
1aの代わりに、皿状のコンクリートブロックからなる
水溜板14が設けられている。図7は、このような組み
合わせによって構築した本発明の土木構造物の一実施例
を示したものである。この実施例のものでは、8個の単
位ブロック10を組み合わせて互いに連結して、谷川を
横断する部分における路床の一例を示したものである。
土木構造物の地盤に接する単位ブロック10の水平な底
面に皿状コンクリートブロックからなる水溜板14が装
着されている。この水溜板は、その上面の凹所が水溜り
22を形成し、この構造物を横断している谷川の水が多
段滝となって各段の水溜り22毎に水勢を殺されながら
流下する。そのため水流による地盤20の浸蝕が防止さ
れるとともに、各段の水溜り22は魚の絶好の住処とな
り、また各段毎の落差が小さくなるので、魚の遡上も容
易になる。
柱状に連結した組み合わせの例を示した斜視図であり、
図5の構造における板状コンクリートブロック11、1
1aの代わりに、皿状のコンクリートブロックからなる
水溜板14が設けられている。図7は、このような組み
合わせによって構築した本発明の土木構造物の一実施例
を示したものである。この実施例のものでは、8個の単
位ブロック10を組み合わせて互いに連結して、谷川を
横断する部分における路床の一例を示したものである。
土木構造物の地盤に接する単位ブロック10の水平な底
面に皿状コンクリートブロックからなる水溜板14が装
着されている。この水溜板は、その上面の凹所が水溜り
22を形成し、この構造物を横断している谷川の水が多
段滝となって各段の水溜り22毎に水勢を殺されながら
流下する。そのため水流による地盤20の浸蝕が防止さ
れるとともに、各段の水溜り22は魚の絶好の住処とな
り、また各段毎の落差が小さくなるので、魚の遡上も容
易になる。
【0028】図8は道路の路床に本発明の土木構造物を
設置した例を示したものであり、路床の大部分を盛土の
路床23とし、盛土の路床23の所々にこの発明の土木
構造物による路床24を設けている。この発明の構造に
係る路床24を所々に設けてやれば、道路の両側を小動
物が行き来するのにそれほど支障はないし、また山の谷
筋など動物の往来が多いところには、ある一定の幅に亘
ってこの発明の構造の道床を設けるとか、短い間隔でこ
の発明の構造の路床を配置する構造を採用すればよい。
設置した例を示したものであり、路床の大部分を盛土の
路床23とし、盛土の路床23の所々にこの発明の土木
構造物による路床24を設けている。この発明の構造に
係る路床24を所々に設けてやれば、道路の両側を小動
物が行き来するのにそれほど支障はないし、また山の谷
筋など動物の往来が多いところには、ある一定の幅に亘
ってこの発明の構造の道床を設けるとか、短い間隔でこ
の発明の構造の路床を配置する構造を採用すればよい。
【0029】
【発明の効果】以上説明したこの発明により、土木構造
物を構築する地域における自然界の生態系を破壊するこ
とがより少なく、かつ短時間で効率良く築造することが
可能な路床その他の土木構造物を得ることができるとい
う効果がある。
物を構築する地域における自然界の生態系を破壊するこ
とがより少なく、かつ短時間で効率良く築造することが
可能な路床その他の土木構造物を得ることができるとい
う効果がある。
【図1】組立て前の要素ブロックを示す斜視図
【図2】立方体の単位ブロックの斜視図
【図3】直方体の単位ブロックの斜視図
【図4】土木構造物の第1実施例を示す斜視図
【図5】道床の一実施例を示す模式的な断面図
【図6】土木構造物の第2実施例を示す斜視図
【図7】谷川を横断する部分の構造を示す断面図
【図8】道床の他の例を示す斜視図
2,3 梁 5 ボルト挿通孔 10,10a 単位ブロック 11,11a 板状コンクリートブロック 13 承板 14 水溜板 20 地盤 21 道路 23,24 路床
Claims (8)
- 【請求項1】 三次元直角座標軸上にその原点から所定
距離を隔てて位置する各座標点と原点とを繋ぐ軸線上に
位置する3本の軸方向梁(2) と、各座標点相互を繋ぐ斜
線上に位置する3本のトラス梁(3) とを備え、各梁(2,
3) 相互はその端部で一体に連結されて全体として四面
体の骨組みを形成しており、隣接するブロックのトラス
梁(3) 相互を添設して固定する連結固定手段(5) を備え
ている、土木構造物構築用コンクリートブロック。 - 【請求項2】 3本の軸方向梁(2) の長さが全て等しい
長さである、請求項1記載の土木構造物構築用コンクリ
ートブロック。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のコンクリートブロ
ックの4個をその隣接するブロックのトラス梁(3) 相互
を添設固定し、全体として直方形ないし立方形に組み立
てられた、土木構造物構築用コンクリートブロック。 - 【請求項4】 請求項3記載のコンクリートブロック(1
0)の複数個が、隣接するブロックの軸方向梁(2) 相互を
添設した位置関係で連結され、前記コンクリートブロッ
ク(10)の周面の一面が水平面となる方向にして地盤(20)
に定着されていることを特徴とする、土木構造物。 - 【請求項5】 請求項4記載の土木構造物を構成してい
る複数個の請求項3記載のコンクリートブロック(10)の
うちの地盤(20)に接するコンクリートブロック(10a) の
水平方向の面に、板状コンクリートブロック(11,11a)が
添設されていることを特徴とする、請求項4記載の土木
構造物。 - 【請求項6】 請求項4記載の土木構造物を構成してい
る複数個の請求項3記載のコンクリートブロック(10)の
うちの地盤(20)に接するコンクリートブロック(10a) の
水平方向の底面に皿状コンクリートブロックからなる水
溜板(14)が装着されていることを特徴とする、請求項4
記載の土木構造物。 - 【請求項7】 請求項3記載のコンクリートブロック(1
0)の複数個を頂部に並置した土木構造物の上面に承板(1
3)を載置し、その承板(13)上に道路(21)が形成されてい
る、路床。 - 【請求項8】 道路の長手方向に沿う路床の大部分が盛
土の路床(23)であり、有限長さの二つの盛土の路床(23)
の間に短い長さの請求項7記載の路床(24)が介在してい
る、路床。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9237656A JPH1161707A (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | 路床その他の土木構造物及びコンクリートブロック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9237656A JPH1161707A (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | 路床その他の土木構造物及びコンクリートブロック |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1161707A true JPH1161707A (ja) | 1999-03-05 |
Family
ID=17018566
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9237656A Withdrawn JPH1161707A (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | 路床その他の土木構造物及びコンクリートブロック |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1161707A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101250203B1 (ko) | 2011-03-15 | 2013-04-03 | 유성훈 | 사면체 블록구조체 및 그의 제조방법 |
JP7098038B1 (ja) * | 2021-11-19 | 2022-07-08 | 泰司 梶川 | モジュール式骨組構造およびそれに用いる単位モジュール |
-
1997
- 1997-08-18 JP JP9237656A patent/JPH1161707A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101250203B1 (ko) | 2011-03-15 | 2013-04-03 | 유성훈 | 사면체 블록구조체 및 그의 제조방법 |
JP7098038B1 (ja) * | 2021-11-19 | 2022-07-08 | 泰司 梶川 | モジュール式骨組構造およびそれに用いる単位モジュール |
WO2023090210A1 (ja) * | 2021-11-19 | 2023-05-25 | 泰司 梶川 | モジュール式骨組構造およびそれに用いる単位モジュール |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20041102 |