JPH1161549A - 凝固液濾過用フィルター及び凝固液の濾過方法 - Google Patents
凝固液濾過用フィルター及び凝固液の濾過方法Info
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- JPH1161549A JPH1161549A JP22231297A JP22231297A JPH1161549A JP H1161549 A JPH1161549 A JP H1161549A JP 22231297 A JP22231297 A JP 22231297A JP 22231297 A JP22231297 A JP 22231297A JP H1161549 A JPH1161549 A JP H1161549A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 目詰まりが少なく、しかも再生が容易で長時
間安定に使用可能な凝固液濾過用のフィルターを提供す
る。 【解決手段】 繊維状物質からなる凝固液濾過用フィル
ターを使用する。該フィルターを圧縮し、所定の密度に
保持して濾過を行うとさらに濾過効果が大きい。
間安定に使用可能な凝固液濾過用のフィルターを提供す
る。 【解決手段】 繊維状物質からなる凝固液濾過用フィル
ターを使用する。該フィルターを圧縮し、所定の密度に
保持して濾過を行うとさらに濾過効果が大きい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、凝固液濾過用フィルタ
ー及び該フィルターを用いた凝固液の濾過方法に関す
る。さらに詳しくは、紡糸用ポリマー溶液を、凝固液中
に紡出した後の凝固液を濾過するのに使用する繊維状物
質からなる凝固液濾過用フィルターとそれを用いた濾過
方法に関する。
ー及び該フィルターを用いた凝固液の濾過方法に関す
る。さらに詳しくは、紡糸用ポリマー溶液を、凝固液中
に紡出した後の凝固液を濾過するのに使用する繊維状物
質からなる凝固液濾過用フィルターとそれを用いた濾過
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成繊維は、一般的に、乾式、湿式、乾
湿式などの方法によって得られる。紡糸によって合成繊
維を製造する工程の概略フローを図2に示す。図2にお
いて、9は繊維を形成するポリマーを溶解するための溶
解槽、10は攪拌機、11は脱泡槽、12はノズルを備
えた紡糸筒、13は第1凝固浴、14は第2〜第4凝固
浴、15は乾燥ゾーン、16は巻取機である。このよう
に、繊維を形成するポリマー、添加剤及び溶媒からなる
紡糸溶液を必要ならば濾過し、紡糸口金を通して凝固浴
中に紡出することによってポリマーは繊維化される。繊
維は、さらに洗浄、熱処理、乾燥工程、その他必要に応
じた工程を経て巻き取られ、製品となる。
湿式などの方法によって得られる。紡糸によって合成繊
維を製造する工程の概略フローを図2に示す。図2にお
いて、9は繊維を形成するポリマーを溶解するための溶
解槽、10は攪拌機、11は脱泡槽、12はノズルを備
えた紡糸筒、13は第1凝固浴、14は第2〜第4凝固
浴、15は乾燥ゾーン、16は巻取機である。このよう
に、繊維を形成するポリマー、添加剤及び溶媒からなる
紡糸溶液を必要ならば濾過し、紡糸口金を通して凝固浴
中に紡出することによってポリマーは繊維化される。繊
維は、さらに洗浄、熱処理、乾燥工程、その他必要に応
じた工程を経て巻き取られ、製品となる。
【0003】紡糸方式が湿式又は乾湿式などの場合、ポ
リマー溶液は凝固液中に紡出され、繊維化される。例え
ば、水系の凝固液を使用してポリビニルアルコール(P
VA)繊維を湿式法又は乾湿式法により得るには、P
VAポリマー水溶液を芒硝などの脱水性塩類水溶液中に
押し出す方法、PVAポリマー水溶液を苛性ソーダな
どのアルカリ水溶液中に押し出す方法、硼酸又は硼酸
塩を含有したPVA系ポリマー水溶液を苛性ソーダと芒
硝の混合水溶液などのアルカリ性脱水塩類水溶液中に押
し出す方法などが採用されている。
リマー溶液は凝固液中に紡出され、繊維化される。例え
ば、水系の凝固液を使用してポリビニルアルコール(P
VA)繊維を湿式法又は乾湿式法により得るには、P
VAポリマー水溶液を芒硝などの脱水性塩類水溶液中に
押し出す方法、PVAポリマー水溶液を苛性ソーダな
どのアルカリ水溶液中に押し出す方法、硼酸又は硼酸
塩を含有したPVA系ポリマー水溶液を苛性ソーダと芒
硝の混合水溶液などのアルカリ性脱水塩類水溶液中に押
し出す方法などが採用されている。
【0004】近年、有機溶媒にPVA系ポリマーを溶解
し、湿式又は乾湿式紡糸により、高強力PVA系繊維を
得ることが特開昭59−130314号公報、特開昭5
9−100710号公報、特開昭61−108711号
公報、特開昭63−99315号公報などで提案されて
おり、この場合は、凝固液として有機溶剤系の液が使用
されている。
し、湿式又は乾湿式紡糸により、高強力PVA系繊維を
得ることが特開昭59−130314号公報、特開昭5
9−100710号公報、特開昭61−108711号
公報、特開昭63−99315号公報などで提案されて
おり、この場合は、凝固液として有機溶剤系の液が使用
されている。
【0005】ポリマー溶液を湿式法又は乾湿式法で紡糸
した後の水系又は有機溶剤系の凝固液には通常ゲルや固
形の粒子が混入しており、これらが混入した状態では紡
糸の様子が見えないうえ、ノズルの寿命を低下させるた
め、凝固液はこれらの粒子などを濾過することにより予
め除去して循環使用される。従来、このような濾過に使
用されるフィルターとしては、金網、布、濾紙、焼結金
属製等のフィルターが多く使用されている。
した後の水系又は有機溶剤系の凝固液には通常ゲルや固
形の粒子が混入しており、これらが混入した状態では紡
糸の様子が見えないうえ、ノズルの寿命を低下させるた
め、凝固液はこれらの粒子などを濾過することにより予
め除去して循環使用される。従来、このような濾過に使
用されるフィルターとしては、金網、布、濾紙、焼結金
属製等のフィルターが多く使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金網や
焼結金属を使用して上述のPVA繊維を紡糸した後の凝
固液を濾過すると、PVAが金網や焼結金属に付着成長
し、長時間連続して濾過することが不可能となる。目を
粗くすると目詰まりは減少するが濾過本来の効果が少な
い。
焼結金属を使用して上述のPVA繊維を紡糸した後の凝
固液を濾過すると、PVAが金網や焼結金属に付着成長
し、長時間連続して濾過することが不可能となる。目を
粗くすると目詰まりは減少するが濾過本来の効果が少な
い。
【0007】特公昭59−27211号公報には、高粘
度物質を濾過するのに、濾材の中心部から漸次もしくは
段階的に目開きが大きくなるようにしたものも提案され
ているが、濾材へのポリマーの付着はそれ程改善されな
い。しかも、ポリマーが付着したフィルターを再生して
使用するには煩雑な洗浄が必要である。したがって、本
発明の目的は、ポリマー溶液を凝固液中に紡出して合成
繊維を製造した後の凝固液を長時間安定に濾過すること
ができ、しかも再生が容易なフィルター及びそれを使用
した濾過方法を提供することにある。
度物質を濾過するのに、濾材の中心部から漸次もしくは
段階的に目開きが大きくなるようにしたものも提案され
ているが、濾材へのポリマーの付着はそれ程改善されな
い。しかも、ポリマーが付着したフィルターを再生して
使用するには煩雑な洗浄が必要である。したがって、本
発明の目的は、ポリマー溶液を凝固液中に紡出して合成
繊維を製造した後の凝固液を長時間安定に濾過すること
ができ、しかも再生が容易なフィルター及びそれを使用
した濾過方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ね、繊維状物質をフィルターとして使用し、ポリマ
ー溶液を紡出した後の凝固液を濾過することにより上記
目的が達成できることを見出し、本発明に至った。すな
わち本発明は、繊維状物質からなる凝固液濾過用フィル
ターである。
を重ね、繊維状物質をフィルターとして使用し、ポリマ
ー溶液を紡出した後の凝固液を濾過することにより上記
目的が達成できることを見出し、本発明に至った。すな
わち本発明は、繊維状物質からなる凝固液濾過用フィル
ターである。
【0009】本発明のもう一つの発明は、ポリマーを溶
媒に溶解した紡糸用ポリマー溶液を、ポリマーに対して
凝固能を有する凝固液中に紡出した後の凝固液を濾過す
る方法において、該凝固液を繊維状物質からなるフィル
ターで濾過することを特徴とする凝固液の濾過方法であ
る。
媒に溶解した紡糸用ポリマー溶液を、ポリマーに対して
凝固能を有する凝固液中に紡出した後の凝固液を濾過す
る方法において、該凝固液を繊維状物質からなるフィル
ターで濾過することを特徴とする凝固液の濾過方法であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明において使用されるポリマーは、湿式法又は
乾湿式法により紡糸できるものであればとくに限定はな
く、例えばPVA系、ポリアミド、アクリル、ポリエス
テルなどのポリマーを例示することができる。なかでも
PVA系のポリマーは、本発明のフィルターを使用する
ことによる効果が大きく、好適なポリマーである。PV
A系ポリマーのケン化度は88モル%以上が好ましく、
98モル%以上であるとさらに好ましい。このようなP
VA系ポリマーとしては、他のビニル基を有するモノマ
ー、例えばエチレン、イタコン酸、ビニルピロリドンな
どのモノマー10モル%以下、好ましくは2モル%以下
の比率で共重合したものでもよい。
る。本発明において使用されるポリマーは、湿式法又は
乾湿式法により紡糸できるものであればとくに限定はな
く、例えばPVA系、ポリアミド、アクリル、ポリエス
テルなどのポリマーを例示することができる。なかでも
PVA系のポリマーは、本発明のフィルターを使用する
ことによる効果が大きく、好適なポリマーである。PV
A系ポリマーのケン化度は88モル%以上が好ましく、
98モル%以上であるとさらに好ましい。このようなP
VA系ポリマーとしては、他のビニル基を有するモノマ
ー、例えばエチレン、イタコン酸、ビニルピロリドンな
どのモノマー10モル%以下、好ましくは2モル%以下
の比率で共重合したものでもよい。
【0011】紡糸溶液に使用される溶媒としては、水な
どの水系の他、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチル
イミダゾリジンなどの極性溶媒やグリセリン、エチレン
グリコールなどの多価アルコール類、これらの混合物な
どがあげられる。DMSOは80℃以下の低温でPVA
系ポリマーの重合度低下を少なくできる点で好ましい溶
媒である。
どの水系の他、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチル
イミダゾリジンなどの極性溶媒やグリセリン、エチレン
グリコールなどの多価アルコール類、これらの混合物な
どがあげられる。DMSOは80℃以下の低温でPVA
系ポリマーの重合度低下を少なくできる点で好ましい溶
媒である。
【0012】凝固液としては、水系の他、メタノール、
エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなど
の脂肪酸エステル類などの有機溶剤系のものがあげられ
る。とくにメタノールを主成分とするものは、凝固能に
優れ、コストの面からも好ましい凝固液である。通常、
ポリマーの凝固速度を調節するために、前記DMSOな
どの有機溶媒が併用される。凝固液の温度は、通常15
〜40℃で実施される。
エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなど
の脂肪酸エステル類などの有機溶剤系のものがあげられ
る。とくにメタノールを主成分とするものは、凝固能に
優れ、コストの面からも好ましい凝固液である。通常、
ポリマーの凝固速度を調節するために、前記DMSOな
どの有機溶媒が併用される。凝固液の温度は、通常15
〜40℃で実施される。
【0013】ポリマー溶液が紡出された後の凝固液は濾
過され、組成を調整後、再使用されるが、本発明におい
ては、該凝固液の濾過に繊維状物質からなるフィルター
を使用する。繊維状物質の素材は、水系の凝固液を使用
する場合はとくに限定されないが、有機溶剤系の凝固液
を使用する場合は有機溶剤に溶解しないことが必要であ
る。繊維状物質としては、PVA、ポリエステル、ポリ
アミド、アクリル、ポリエチレンビニルアセテート及び
そのケン化物などを繊維化したものを例示することがで
きる。
過され、組成を調整後、再使用されるが、本発明におい
ては、該凝固液の濾過に繊維状物質からなるフィルター
を使用する。繊維状物質の素材は、水系の凝固液を使用
する場合はとくに限定されないが、有機溶剤系の凝固液
を使用する場合は有機溶剤に溶解しないことが必要であ
る。繊維状物質としては、PVA、ポリエステル、ポリ
アミド、アクリル、ポリエチレンビニルアセテート及び
そのケン化物などを繊維化したものを例示することがで
きる。
【0014】合成繊維を製造する場合、通常は製品とな
らない糸屑が発生するので、それをフィルターの素材と
して使用すると合理的である。使用する繊維状物質の太
さは限定されないが、1〜20デニール程度のものが実
用的であり、好ましい。繊維状物質が捲縮されていると
さらに濾過効果が上がり、好ましい。
らない糸屑が発生するので、それをフィルターの素材と
して使用すると合理的である。使用する繊維状物質の太
さは限定されないが、1〜20デニール程度のものが実
用的であり、好ましい。繊維状物質が捲縮されていると
さらに濾過効果が上がり、好ましい。
【0015】繊維を形成するポリマーを含有する紡糸溶
液は、紡糸口金から押し出され、凝固液中に紡出され、
ポリマーは繊維化される。繊維は洗浄工程へ移動する
が、凝固液は組成を調整して再使用される。この凝固液
には、前述したように、ゲル状物や繊維状の異物などが
混入しているので、本発明の繊維状物質からなるフィル
ターによりこれらを除去する必要がある。
液は、紡糸口金から押し出され、凝固液中に紡出され、
ポリマーは繊維化される。繊維は洗浄工程へ移動する
が、凝固液は組成を調整して再使用される。この凝固液
には、前述したように、ゲル状物や繊維状の異物などが
混入しているので、本発明の繊維状物質からなるフィル
ターによりこれらを除去する必要がある。
【0016】なかでも、有機溶剤系の凝固液を使用する
場合、本発明のフィルターを使用する効果の発現が大き
く、好ましい。とくに、繊維を形成するポリマーとして
PVA系ポリマーを使用し、凝固液に有機溶剤系のもの
を使用する場合、本発明のフィルターを使用する効果の
発現が著しく、好ましい。
場合、本発明のフィルターを使用する効果の発現が大き
く、好ましい。とくに、繊維を形成するポリマーとして
PVA系ポリマーを使用し、凝固液に有機溶剤系のもの
を使用する場合、本発明のフィルターを使用する効果の
発現が著しく、好ましい。
【0017】次に本発明の繊維状物質からなるフィルタ
ーを使用して凝固液を濾過する方法について説明する。
図1は本発明の繊維状物質からなるフィルターの概略図
である。1はフィルターの密度調節装置の一例であり、
歯車2をラック3と噛み合わせて回転させることによっ
て繊維状物質からなるフィルター4を所定の密度に圧縮
する。フィルター容器として、図1には円筒状のものを
示しているが、容器の形状はとくに限定されない。容器
の材質もとくに限定されないが、ステンレス製のものが
好ましく使用される。
ーを使用して凝固液を濾過する方法について説明する。
図1は本発明の繊維状物質からなるフィルターの概略図
である。1はフィルターの密度調節装置の一例であり、
歯車2をラック3と噛み合わせて回転させることによっ
て繊維状物質からなるフィルター4を所定の密度に圧縮
する。フィルター容器として、図1には円筒状のものを
示しているが、容器の形状はとくに限定されない。容器
の材質もとくに限定されないが、ステンレス製のものが
好ましく使用される。
【0018】5は処理すべき凝固液の入口であり、6は
濾過後の凝固液の出口である。繊維状物質はそのまま容
器に入れて使用してもよいが、繊維状物質の両端を束ね
て固定して容器内に均一に配置するのが好ましい。さら
に、処理する凝固液の偏流を防ぐため、凝固液の入口部
分に空間部7を設けるのが好ましい。8は繊維状物質を
支持するための金網である。凝固液を濾過するにあたっ
て繊維状物質の密度を0.1〜0.5kg/l、好まし
くは0.2〜0.3kg/lに保持して濾過を行うと濾
過効率がよくなり、好ましい。具体的には、図1に示す
ように、濾材に圧力をかけ、所定の密度になるように調
節すればよい。所定の密度になっているかどうかは繊維
状物質の容積を計算することによって確認することがで
きる。
濾過後の凝固液の出口である。繊維状物質はそのまま容
器に入れて使用してもよいが、繊維状物質の両端を束ね
て固定して容器内に均一に配置するのが好ましい。さら
に、処理する凝固液の偏流を防ぐため、凝固液の入口部
分に空間部7を設けるのが好ましい。8は繊維状物質を
支持するための金網である。凝固液を濾過するにあたっ
て繊維状物質の密度を0.1〜0.5kg/l、好まし
くは0.2〜0.3kg/lに保持して濾過を行うと濾
過効率がよくなり、好ましい。具体的には、図1に示す
ように、濾材に圧力をかけ、所定の密度になるように調
節すればよい。所定の密度になっているかどうかは繊維
状物質の容積を計算することによって確認することがで
きる。
【0019】処理すべき凝固液のフィルターへの供給速
度は、線速度が0.5〜15m/hrで実施するのが濾
過の効果が大きく、好ましい。以上の操作により、凝固
液は長時間安定に濾過されるが、所定の間隔で再生を行
うのが望ましい。再生するには、押しつけ装置の圧力を
解除し、空気又は窒素でバブリングすればよい。その
間、凝固液の導入は停止すればよいが、濾過装置を2基
準備しておき、交互に切り換え使用してもよい。ポリマ
ーや溶媒の物性に応じて系内を加圧、減圧、加温などの
条件下に実施してもよい。以下、PVAをポリマーとし
て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
度は、線速度が0.5〜15m/hrで実施するのが濾
過の効果が大きく、好ましい。以上の操作により、凝固
液は長時間安定に濾過されるが、所定の間隔で再生を行
うのが望ましい。再生するには、押しつけ装置の圧力を
解除し、空気又は窒素でバブリングすればよい。その
間、凝固液の導入は停止すればよいが、濾過装置を2基
準備しておき、交互に切り換え使用してもよい。ポリマ
ーや溶媒の物性に応じて系内を加圧、減圧、加温などの
条件下に実施してもよい。以下、PVAをポリマーとし
て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0020】
実施例1 ケン化度99.9モル%、重合度1700のPVAに分
子量2000のポリエチレングリコールをPVAに対し
て25wt%の割合で添加し、加熱溶解してPVA濃度
が16wt%の均一な水溶液を調整した。この紡糸溶液
を紡糸口金を通して水酸化ナトリウム80g/l及び芒
硝230g/lの混合水溶液からなる凝固液中に紡出し
た。
子量2000のポリエチレングリコールをPVAに対し
て25wt%の割合で添加し、加熱溶解してPVA濃度
が16wt%の均一な水溶液を調整した。この紡糸溶液
を紡糸口金を通して水酸化ナトリウム80g/l及び芒
硝230g/lの混合水溶液からなる凝固液中に紡出し
た。
【0021】15デニールのPVAの糸屑を束ね、図1
に示すようなフィルターを作製し、密度0.2kg/l
に圧縮し、使用後の凝固液を濾過したが、長時間安定に
実施することができ、組成を調整して再使用可能であっ
た。
に示すようなフィルターを作製し、密度0.2kg/l
に圧縮し、使用後の凝固液を濾過したが、長時間安定に
実施することができ、組成を調整して再使用可能であっ
た。
【0022】実施例2 ケン化度99.9モル%、平均重合度1740のPVA
を22.5wt%になるようにジメチルスルホキシド
(DMSO)に添加し、110℃にて窒素雰囲気下に7
時間溶解した。この紡糸溶液を130℃で、紡糸口金を
通してメタノール/DMSO=55/45の重量比から
なる凝固液中に紡出した。
を22.5wt%になるようにジメチルスルホキシド
(DMSO)に添加し、110℃にて窒素雰囲気下に7
時間溶解した。この紡糸溶液を130℃で、紡糸口金を
通してメタノール/DMSO=55/45の重量比から
なる凝固液中に紡出した。
【0023】実施例1と同様なフィルターを使用し、フ
ィルター密度を0.3kg/lに保って凝固液を濾過し
たが、長時間安定に濾過することができ、濾過後の凝固
液は組成調整後、再使用可能であった。10時間後、別
のフィルターに切り換え、使用したフィルターに窒素を
通じてバブリングしたところ、付着物は直ちに剥離し、
再使用可能な状態となった。
ィルター密度を0.3kg/lに保って凝固液を濾過し
たが、長時間安定に濾過することができ、濾過後の凝固
液は組成調整後、再使用可能であった。10時間後、別
のフィルターに切り換え、使用したフィルターに窒素を
通じてバブリングしたところ、付着物は直ちに剥離し、
再使用可能な状態となった。
【0024】比較例 フィルターに網目10ミクロンのステンレス製の金網を
使用すること以外は実施例2と同様にしてPVA繊維を
製造した。凝固液の濾過を始めて2分で金網は目詰まり
して使用不能となった。金網は薬液及びスチームで洗浄
したが、付着物は容易に洗浄できなかった。
使用すること以外は実施例2と同様にしてPVA繊維を
製造した。凝固液の濾過を始めて2分で金網は目詰まり
して使用不能となった。金網は薬液及びスチームで洗浄
したが、付着物は容易に洗浄できなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明により、繊維状物質からなる凝固
液濾過用のフィルターを提供することができる。本発明
のフィルターを使用してポリマー溶液を紡出した後の凝
固液を濾過すると、目詰まりが少なく、再生も容易であ
るので、長時間安定に凝固液の濾過を実施することがで
きる。
液濾過用のフィルターを提供することができる。本発明
のフィルターを使用してポリマー溶液を紡出した後の凝
固液を濾過すると、目詰まりが少なく、再生も容易であ
るので、長時間安定に凝固液の濾過を実施することがで
きる。
【図1】本発明の繊維状物質からなるフィルターの概略
図である。
図である。
【図2】紡糸によって合成繊維を製造する工程の概略を
示すフローである。
示すフローである。
1 フィルター密度調節装置 2 歯車 3 ラック 4 フィルター 5 被処理凝固液入口 6 処理済み凝固液出口 7 空間部 8 金網 9 溶解槽 10 攪拌機 11 脱泡槽 12 紡糸筒 13 第1凝固浴 14 第2〜第4凝固浴 15 乾燥ゾーン 16 巻取機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西山 正一 岡山県岡山市海岸通1丁目2番1号 株式 会社クラレ内
Claims (5)
- 【請求項1】 繊維状物質からなる凝固液濾過用フィル
ター。 - 【請求項2】 ポリマーを溶媒に溶解した紡糸用ポリマ
ー溶液を、ポリマーに対して凝固能を有する凝固液中に
紡出した後の凝固液を濾過する方法において、該凝固液
を繊維状物質からなるフィルターで濾過することを特徴
とする凝固液の濾過方法。 - 【請求項3】 該繊維状物質からなるフィルターを0.
1〜0.5kg/lの密度に保持して濾過を行う請求項
2の凝固液の濾過方法。 - 【請求項4】 該ポリマーがポリビニルアルコール系の
ポリマーである請求項2または3の凝固液の濾過方法。 - 【請求項5】 該凝固液が有機溶剤系の凝固液である請
求項1〜4いずれか1項の凝固液の濾過方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22231297A JPH1161549A (ja) | 1997-08-19 | 1997-08-19 | 凝固液濾過用フィルター及び凝固液の濾過方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22231297A JPH1161549A (ja) | 1997-08-19 | 1997-08-19 | 凝固液濾過用フィルター及び凝固液の濾過方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1161549A true JPH1161549A (ja) | 1999-03-05 |
Family
ID=16780396
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22231297A Pending JPH1161549A (ja) | 1997-08-19 | 1997-08-19 | 凝固液濾過用フィルター及び凝固液の濾過方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1161549A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002144419A (ja) * | 2000-11-15 | 2002-05-21 | Kuraray Co Ltd | 延伸加工用ビニルアルコール系重合体フィルムの製造法および偏光フィルム |
-
1997
- 1997-08-19 JP JP22231297A patent/JPH1161549A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002144419A (ja) * | 2000-11-15 | 2002-05-21 | Kuraray Co Ltd | 延伸加工用ビニルアルコール系重合体フィルムの製造法および偏光フィルム |
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