JPH1161310A - アルミニウム合金およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金およびその製造方法

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JPH1161310A
JPH1161310A JP24048997A JP24048997A JPH1161310A JP H1161310 A JPH1161310 A JP H1161310A JP 24048997 A JP24048997 A JP 24048997A JP 24048997 A JP24048997 A JP 24048997A JP H1161310 A JPH1161310 A JP H1161310A
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JP24048997A
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Inventor
Toshihiko Kaji
俊彦 鍛冶
由重 ▲高▼ノ
Yoshie Kouno
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性および靱性を備え、かつ、連続鋳造に
より幅が100mm以上の鋳塊を得ることが可能な過共
晶シリコン−アルミニウム合金およびその製造方法を提
供する。 【解決手段】 アルミニウム合金は、Siを12.5重
量%以上14.0重量%以下、Feを0.5重量%以上
1.0重量%以下、Niを0.5重量%以上1.0重量
%以下、Tiを0.2重量%以上0.5重量%以下およ
びBを0.005重量%以上0.01重量%以下、含有
する。このアルミニウム合金の製造方法は、連続鋳造法
により鋳造する工程と、次に軟化熱処理を施す工程と、
次に押出し比が6以上かつ温度が450℃という条件に
おいて押出し加工を施す工程と、次に溶体化処理および
時効処理を施す工程とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
およびその製造方法に関し、より特定的には、過共晶シ
リコン−アルミニウム合金およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】過共晶シリコン−アルミニウム合金はそ
の優れた低熱膨張性と耐摩耗性とから、鋳鉄に代わる合
金として、自動車のエンジン部品やロータリコンプレッ
サのロータなどをはじめ、広く使用されるようになって
きている。このような過共晶シリコン−アルミニウム合
金としては、A390(呼称)が知られている。A39
0の化学組成および機械的性質の代表的データを表1お
よび2に示す。
【0003】
【表1】
【0004】
【表2】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記ロータのような部
品に過共晶シリコン−アルミニウム合金を使用する場
合、この合金に要求される性能としては、上記した低熱
膨張性および耐摩耗性に加え、耐熱性および靱性といっ
た特性が挙げられる。さらに、このような特性を維持し
ながら、製造コストを低減することが強く要請されてい
る。そして、製造コストという観点からすると、この部
品の製造方法としてどのような方法を用いるかというこ
とが大きな問題となる。
【0006】従来、上記過共晶シリコン−アルミニウム
合金を用いてロータリコンプレッサのロータのなどを製
造する場合には、主に金型などを使用する鋳造法を用い
ていた。しかし、上記のコスト低減という観点より、こ
のロータのような部品を製造する方法として連続鋳造法
により鋳塊を製造し、この鋳塊を押出し成形するとい
う、コスト的により有利な方法を使用したいという要請
が強くなってきている。そして、上記ロータのような部
品を押出し成形により効率的に生産するためには、連続
鋳造による鋳塊の直径をできるだけ大きくし、押出し比
を高くする必要がある。ここで、押出し比とは押出し加
工の程度を表わす指標であり、(押出し前の素材の断面
積)/(押出し材の断面積)という式で表わすことがで
きる。
【0007】上記過共晶シリコン−アルミニウム合金を
連続鋳造する方法としては、図13に示すような気体加
圧ホットトップ鋳造法等が提案されている。図13を参
照して、気体加圧ホットトップ鋳造装置は、ヘッダ10
1と、水冷鋳型102とを備える。水冷鋳型102の下
方には、鋳塊を冷却するための水槽104が配置されて
いる。そして、水冷鋳型102の上部には気体導入口1
05が形成されている。また、水冷鋳型102の下部か
らは冷却水103を鋳塊107に噴射できるように噴射
口108が形成されている。過共晶シリコン−アルミニ
ウム合金の溶湯106は、ヘッダ101にガイドされ水
冷鋳型102において表面から冷却されることにより、
連続的に鋳造され、鋳塊107となる。
【0008】従来、このような気体加圧ホットトップ鋳
造法等を用いて得られる鋳塊は、その直径が20〜80
mm程度のビレットであった。これは、鋳塊の直径が大
きくなると、鋳塊の冷却速度が遅くなり、それにより鋳
塊中のシリコン結晶粒の径が大きくなることに起因し
て、機械的特性の劣化などの問題が発生するからであ
る。そのため、過共晶シリコン−アルミニウム合金を連
続鋳造する場合、従来は直径100mm以上で、しかも
シリコン直径が小さく、A390並の低熱膨張性を有す
る鋳塊を得ることは困難であった。
【0009】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものである。本発明の1つの目的は、耐熱
性および靱性を備え、かつ、連続鋳造により直径が10
0mm以上の鋳塊を得ることが可能な過共晶シリコン−
アルミニウム合金を提供することである。
【0010】本発明のもう1つの目的は、耐熱性および
靱性を備え、かつ、連続鋳造により得られる鋳塊の直径
を100mm以上とすることが可能な過共晶シリコン−
アルミニウム合金の製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によるアルミニウ
ム合金は、Siを12.5重量%以上14.0重量%以
下、Feを0.5重量%以上1.0重量%以下、Niを
0.5重量%以上1.0重量%以下、Tiを0.2重量
%以上0.5重量%以下およびBを0.005重量%以
上0.01重量%以下含有する。
【0012】ここで、Siの含有率が12.5重量%以
上であれば、十分な耐摩耗性を確保することができる。
さらに、Siの含有率が14.0重量%以下であれば、
初晶Siの結晶粒の粗大化を防止でき、これにより、靱
性の低下を防止出来る。Feの含有率が0.5重量%以
上であれば、十分な耐熱性を確保することができる。さ
らに、Feの含有率が1.0重量%以下であれば、連続
鋳造において鋳塊における割れの発生を防止できる。N
iの含有率を0.5重量%以上1.0重量%以下とした
のは、Feの含有率を上記のように規定したのと同様の
理由による。Tiの含有率を0.2重量%以上とすれ
ば、連続鋳造において鋳塊における割れの発生を防止で
きる。さらに、Tiの含有率を0.5重量%以下とした
のは、含有率が0.5重量%を越えたとしても鋳塊にお
ける割れの発生を防止する効果が飽和してしまうからで
ある。Bの含有率を0.005重量%以上0.01重量
%以下としたのは、Tiの含有率を上記のように規定し
たのと同様の理由による。
【0013】また、上記アルミニウム合金は、CuとM
gとPとMnとCrとZnとNaとCaとからなる群よ
り選ばれた少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0014】また、上記アルミニウム合金は、Cuを
3.0重量%以上5.0重量%以下含有することが好ま
しい。ここで、Cuの含有率が3.0重量%以上であれ
ば、十分な硬度を得ることができる。さらに、Cuの含
有率が5.0重量%以下であれば、十分な靱性を確保で
きる。
【0015】また、上記アルミニウム合金は、Mgを
0.5重量%以上1.5重量%以下含有することが好ま
しい。Mgの含有率を0.5重量%以上1.5重量%以
下としたのは、Cuの含有率を上記のように規定したの
と同様の理由による。
【0016】また、上記アルミニウム合金は、Pを0.
005重量%以上0.03重量%以下含有することが好
ましい。ここで、Pの含有率が0.005重量%以上で
あれば、初晶Siの結晶粒を十分微細化させることがで
きる。Pの含有率を0.03重量%以下としたのは、含
有率が0.03重量%を越えたとしても、初晶Siの結
晶粒を微細化させる効果が飽和してしまうからである。
【0017】また、上記アルミニウム合金は、MnとC
rとZnとNaとCaとからなる群より選ばれた少なく
とも1種を0.05重量%未満含有することが好まし
い。ここで、Mn、CrまたはZnを含有する場合、含
有率が0.05重量%未満であれば、連続鋳造における
鋳塊の割れを防止することができる。さらに、Naまた
はCaを含有する場合、含有率が0.05重量%未満で
あれば、NaまたはCaがPの初晶Siの結晶粒を微細
化する効果を阻害する程度は十分小さい。
【0018】また、上記アルミニウム合金は、Siを1
2.5重量%以上14.0重量%以下、Cuを3.0重
量%以上5.0重量%以下、Mgを0.5重量%以上
1.5重量%以下、Feを0.5重量%以上1.0重量
%以下、Niを0.5重量%以上1.0重量%以下、T
iを0.2重量%以上0.5重量%以下、Bを0.00
5重量%以上0.01重量%以下、Pを0.005重量
%以上0.03重量%以下、Mnを0.05重量%未
満、Crを0.05重量%未満、Znを0.05重量%
未満、Naを0.05重量%未満およびCaを0.05
重量%未満含有することがより好ましい。
【0019】また、本発明によるアルミニウム合金は、
初晶Siの体積率が2.0体積%以上7.0体積%以
下、初晶Siの平均粒径が20μm以上40μm以下、
初晶Siの最大粒径が40μm以上90μm以下、結晶
粒径が10μm以下のアルミニウム−遷移金属系金属間
化合物の体積率が、2.0体積%以上10.0体積%以
下である。
【0020】ここで、初晶Siの体積率が2.0体積%
以上であれば、十分な耐摩耗性を得ることができる。さ
らに、初晶Siの体積率が7.0体積%以下であれば、
十分な靱性を得ることができる。そして、初晶Siの平
均粒径が20μm以上であれば、十分な耐摩耗性を得る
ことができる。さらに、初晶Siの平均粒径が40μm
以下であれば、十分な切削性を確保することができる。
そして、初晶Siの最大粒径が90μm以下であれば、
十分な靱性を得ることができる。さらに、結晶粒径が1
0μm以下のアルミニウム−遷移金属系金属間化合物の
体積率が2.0体積%以上であれば、耐熱性を向上させ
ることができる。また、アルミニウム−遷移金属系金属
間化合物の結晶粒径を10μm以下としているのは、靱
性の低下を防止するためのである。さらに、結晶粒径が
10μm以下のアルミニウム−遷移金属系金属間化合物
の体積率が10.0体積%以下であれば、十分な靱性を
得ることができる。
【0021】本発明のアルミニウム合金の製造方法は、
Siを12.5重量%以上14.0重量%以下、Feを
0.5重量%以上1.0重量%以下、Niを0.5重量
%以上1.0重量%以下、Tiを0.2重量%以上0.
5重量%以下およびBを0.005重量%以上0.01
重量%以下、含有するアルミニウム合金を連続鋳造法に
より鋳造する工程と、上記鋳造されたアルミニウム合金
に軟化熱処理を施す工程と、押出し比が6以上かつ温度
が450℃以下という条件において上記軟化熱処理され
たアルミニウム合金に押出し加工を施す工程と、上記押
出し加工されたアルミニウム合金に溶体化処理および時
効処理を施す工程とを備える。
【0022】ここで、Si、Fe、Ni、TiおよびB
の含有率を上記のように規定したのは、本発明のアルミ
ニウム合金においてSi、Fe、Ni、TiおよびBの
含有率を規定したのと同様の理由による。また、上記軟
化熱処理を施す工程は、アルミニウム−遷移金属系金属
間化合物の結晶を脆化させ、後に続く押出し加工におい
てこの結晶を分断し、球状化し易くする。さらに、押出
し比が6以上であれば、アルミニウム−遷移金属系金属
間化合物の結晶組織の分断を有効に行なうことができ
る。押出し加工での温度が450℃以下であれば、押出
し比の条件と同様に、アルミニウム−遷移金属系金属間
化合物の結晶組織の分断を有効に行なうことができる。
【0023】また、本発明のアルミニウム合金の製造方
法では、上記アルミニウム合金がCuとMgとPとMn
とCrとZnとNaとCaとからなる群より選ばれた少
なくとも1種を含むことが好ましい。
【0024】また、本発明のアルミニウム合金の製造方
法では、上記アルミニウム合金がCuを3.0重量%以
上5.0重量%以下含有することが好ましい。ここで、
アルミニウム合金のCuの含有率を3.0重量%以上
5.0重量%以下としたのは、本発明のアルミニウム合
金においてCuの含有率を規定したのと同様の理由によ
る。
【0025】また、本発明のアルミニウム合金の製造方
法では、上記アルミニウム合金がMgを0.5重量%以
上1.5重量%以下含有することが好ましい。ここで、
アルミニウム合金のMgの含有率を0.5重量%以上
1.5重量%以下としたのは、本発明のアルミニウム合
金においてMgの含有率を規定したのと同様の理由によ
る。
【0026】また、本発明のアルミニウム合金の製造方
法では、上記アルミニウム合金がPを0.005重量%
以上0.03重量%以下含有することが好ましい。ここ
で、アルミニウム合金のPの含有率を0.005重量%
以上0.03重量%以下としたのは、本発明のアルミニ
ウム合金においてPの含有率を規定したのと同様の理由
による。
【0027】また、本発明のアルミニウム合金の製造方
法では、上記アルミニウム合金がMnとCrとZnとN
aとCaとからなる群より選ばれた少なくとも1種を
0.05重量%未満含有することが好ましい。ここで、
MnとCrとZnとNaとCaとからなる群より選ばれ
た少なくとも1種の含有率を0.05重量%未満とした
のは、本発明のアルミニウム合金においてMnとCrと
ZnとNaとCaとからなる群より選ばれた少なくとも
1種の含有率を規定したのと同様の理由による。
【0028】また、本発明のアルミニウム合金の製造方
法は、Siを12.5重量%以上14.0重量%以下、
Cuを3.0重量%以上5.0重量%以下、Mgを0.
5重量%以上1.5重量%以下、Feを0.5重量%以
上1.0重量%以下、Niを0.5重量%以上1.0重
量%以下、Tiを0.2重量%以上0.5重量%以下、
Bを0.005重量%以上0.01重量%以下、Pを
0.005重量%以上0.03重量%以下、Mnを0.
05重量%未満、Crを0.05重量%未満、Znを
0.05重量%未満、Naを0.05重量%未満および
Caを0.05重量%未満、含有するアルミニウム合金
を連続鋳造法により鋳造する工程と、上記鋳造されたア
ルミニウム合金に軟化熱処理を施す工程と、押出し比が
6以上かつ温度が450℃以下という条件において上記
軟化熱処理されたアルミニウム合金に押出し加工を施す
工程と、上記押出し加工されたアルミニウム合金に溶体
化処理および時効処理を施す工程とを備えることがより
好ましい。
【0029】また、本発明のアルミニウム合金の製造方
法では、上記軟化熱処理の条件として、加熱温度490
℃以上520℃以下、均熱時間3時間以上7時間以下と
いう条件を用いることが好ましい。ここで、加熱温度が
490℃以上であれば、アルミニウム−遷移金属系金属
間化合物の結晶粒を十分脆化させ、次に押出し加工にお
いてこの結晶粒を十分に分断することができる。さら
に、加熱温度が520℃以下であれば、Si結晶のオス
トワルド成長による粗大化を防止でき、アルミニウム合
金の靱性を確保できる。
【0030】本発明のアルミニウム合金の製造方法で
は、上記鋳造時に形成されるアルミニウム合金の鋳塊の
直径が100mm以上であることがより好ましい。ここ
で、鋳塊の直径を100mm以上としたのは、本発明の
アルミニウム合金では、100mm以上の直径の鋳塊を
連続鋳造法により鋳造しても鋳塊に割れが発生せず、ま
た、鋳塊の直径を出来るだけ大きくすることで、押出し
加工における生産効率を向上させることが可能となると
いう利点が得られるからである。
【0031】
【実施例】A390などを代表例とする過共晶シリコン
−アルミニウム合金を連続鋳造法によって鋳造し、その
直径が100mm以上の鋳塊(ビレット)を形成しよう
とする場合、従来は機械的特性の劣化や鋳塊の表面など
に割れが発生するといった問題があった。これは、初晶
Siの粒径が大きくなることが大きな要因の1つであ
る。そのため、本発明者らは、初晶Siの粒径を小さく
する方法を図1に示すように検討した。図1は、本発明
者らが検討した試料の初晶Siの粒径の測定結果を示し
たグラフである。ここで、試料の基本的な製造プロセス
は以下のとおりである。まず、Siを15.0重量%、
Cuを4.0重量%、Mgを0.7重量%、Feを0.
1重量%、Niを0.1重量%、Tiを0.03重量
%、Bを0.001重量%未満、Pを0.01重量%、
Mnを0.01重量%、Crを0.01重量%、Znを
0.01重量%、Naを0.01重量%およびCaを
0.01重量%含有するアルミニウム合金を、連続鋳造
法により鋳造した。この連続鋳造の条件は、鋳塊の直径
が180mm、鋳込温度が715℃であった。その後、
軟化熱処理として温度を500℃として5時間保持し
た。次に、押出し温度が430℃および押出し比が10
という条件で押出し加工を行なった。そして、各試料
は、上記した製造条件および組成のうちの一部を変化さ
せたものである。
【0032】図1を参照して、試料1および2は、連続
鋳造における鋳込温度を変化させたものである。しかし
鋳込温度を変化させても初晶Siの粒径に大きな影響は
無かった。
【0033】次に、試料3〜7は鋳込時の鋳塊の直径を
変化させた場合の初晶Siの粒径を示している。たとえ
ば、試料3は鋳塊の直径を180mmとして鋳込んだ場
合の初晶Siの粒径を示している。そして、試料7は鋳
塊の直径を60mmとして鋳込んだ場合の初晶Siの粒
径を示している。このように、鋳塊の直径を小さくすれ
ば初晶Siの粒径を小さくすることができた。これは、
鋳塊の直径を小さくすることにより、鋳塊の冷却速度を
大きくすることが出来たからである。しかし、本発明の
ように100mm以上の直径を有する鋳塊を連続鋳造で
得ようとする場合には、初晶Siの粒径を小さくする為
に、現状以上に冷却速度を大きくすることは設備面およ
びコスト面からみて現実的ではない。
【0034】次に、試料8および9はPの添加量を変化
させた場合を示している。このように、Pの添加量を変
化させても初晶Siの粒径には大きな変化は見られなか
った。次に、試料10および11は希土類元素の中間精
製物であるミッシュメタル(Mm)の添加量を変化させ
た場合を示している。ミッシュメタルを多く添加すれば
初晶Siの粒径を小さくすることができたが、ミッシュ
メタルの添加はコスト的に不利となり現実的ではない。
【0035】次に、試料12〜15は上記の基本となる
試料の組成においてSiの量を変化させたものである。
このように、Siの添加量を減少させれば初晶Siの粒
径をある程度小さくすることができた。そして、試料1
6〜20はSiをはじめとする添加元素の組成を変えた
ものを示している。この中で、試料19の初晶Siの粒
径が最も小さくなっていた。試料19は、Siを12.
5重量%、Feを0.5重量%、Niを0.5重量%お
よびTiとBとを0.23重量%含有するアルミニウム
合金であった。この試料19を形成する際の考え方とし
ては、まず、初晶Siの粒径を小さくするために、Si
の添加量を従来のA390合金などより低減した。する
と、Siの添加量が減少したことにより耐熱性が低下し
た。そこで、耐熱性を向上させるために遷移金属である
FeおよびNiを添加することによって、アルミニウム
−遷移金属系金属間化合物を析出させた。この金属間化
合物によって耐熱性は向上したが靱性が低下した。その
ため、TiおよびBを添加することによってアルミニウ
ムの結晶粒径を微細化し、靱性の向上を図った。
【0036】このような考え方に基づいて本発明による
アルミニウム合金の組成およびその製造工程が規定され
ている。そして、本発明によるアルミニウム合金および
その製造方法の実施例として、以下に示すような実験を
行なった。
【0037】以下、本発明の具体的な実施方法を実施例
を用いて説明する。 (実施例1)本発明のアルミニウム合金の化学組成と連
続鋳造における鋳塊での割れの発生状況との関係を調査
するため、以下のような実験を行なった。
【0038】表3に示した化学組成を有するアルミニウ
ム合金を鋳込み温度715℃において連続鋳造し、直径
が100mmまたは180mm、長さが3mである鋳塊
(ビレット)を作製した。そして、この鋳塊に割れが発
生するかどうかを観察した。表3を参照して、試料番号
1〜11は、本発明によるアルミニウム合金の化学組成
となるように調製され、試料番号12〜16は、比較の
ため本発明の化学組成の範囲外の組成となるように調製
されていた。表3に示すように、本発明の組成範囲から
外れた組成を有する試料において、鋳塊での割れが発生
したのに対し、本発明の化学組成の範囲に含まれる組成
を有する試料では、直径が100mm以上の鋳塊を連続
鋳造によって作製しても、鋳塊に割れが発生しなかった
ことがわかる。
【0039】
【表3】 (実施例2)本発明のアルミニウム合金のSi含有量と
耐摩耗性および靱性(破断伸びにて評価した)との関係
を調査するため、以下のような実験を行なった。
【0040】Feを0.5重量%、Niを0.7重量
%、Tiを0.3重量%、Bを0.008重量%および
Siを12.0〜14.5重量%含有するアルミニウム
合金を、図2に示すような工程によって製造した後、試
験用の試料を作製し、摩耗試験および引張試験を行なっ
た。図2を参照して、試験用試料の製造工程としては、
まず、上記組成のアルミニウム合金の原料を温度800
℃にて1時間溶解した。次に、鋳造スピード100〜1
50mm/minおよび鋳塊(ビレット)の直径を18
0mmとして連続鋳造を行なった。次に、軟化熱処理と
して、このビレットを温度を500℃として3時間保持
した。次に、ビレットを切断した後、押出し加工用の加
熱として温度を430℃として2時間保持した。次に、
押出し加工を行なった。その後、この押出し加工材を溶
体化処理するために、温度を500℃として2時間保持
した。次に、水焼入れを行ない、その後、時効処理とし
て温度を175℃として6時間保持した。
【0041】このようにして作製された試料を大越式摩
耗試験によって評価した。この摩耗試験は乾式で行な
い、相手材はS45C、摩擦距離は200m、荷重は3
kgであった。
【0042】図3を参照して、Siの含有量を12.5
重量%未満にすると耐摩耗性が悪化していたのがわか
る。また、室温における引張試験によって測定された破
断伸びについては、図3に示すように、Siの含有量を
14.0重量%より多くすると2%を下回ることがわか
る。
【0043】(実施例3)本発明のアルミニウム合金に
おけるFeおよびNiの含有量と高温強度との関係を調
査するため、以下のような実験を行なった。
【0044】Siを13.5重量%、Tiを0.3重量
%およびBを0.008重量%含有し、FeとNiとの
合計の含有量を0.5〜2.3重量%まで変化させたア
ルミニウム合金を、実施例2と同様の製造プロセスによ
って製造し、引張試験用の試料を作製した。この試料に
おいては、FeとNiとの比率は1:1とした。そし
て、この試料を用いて温度200℃において引張試験を
行ない、最大引張強さ(UTS)を測定した。図4は、
FeとNiとの合計の含有量と最大引張強さとの関係を
示すグラフである。図4を参照して、FeとNiとの合
計の含有率が1.0重量%未満となると、温度200℃
における最大引張強さが300MPa未満となった。ま
た、FeとNiとの合計の含有率が2.0重量%を超え
ると連続鋳造を行なった際に鋳塊に割れが発生した。
【0045】次に、SiとTiとBとの含有率を上記引
張試験の試料と同様にし、FeとNiとの含有率をそれ
ぞれ変化させたアルミニウム合金を、実施例1と同様の
連続鋳造条件において鋳造し、鋳塊の割れの発生状況を
観察した。図5を参照して、Feを0.8重量%および
Niを1.2重量%含有する試料では、鋳塊に割れが発
生した。また、Feを1.2重量%およびNiを0.8
重量%含有する試料でも、鋳塊に割れが発生した。
【0046】(実施例4)本発明のアルミニウム合金に
おけるTiの含有量と連続鋳造における鋳塊での割れの
発生状況との関係を調査するため、以下のような実験を
行なった。
【0047】Siを13.5重量%、Feを1.0重量
%、Niを1.0重量%およびTiを0.1〜0.6重
量%含有するアルミニウム合金を連続鋳造し、鋳塊にお
いて割れが発生するかどうかを確認した。連続鋳造の条
件は、実施例2における条件と同様である。表4に示す
ように、Tiの含有率が0.2重量%以上とすると、連
続鋳造によるビレットでの割れは発生しなかった。ま
た、Tiの含有率を0.5重量%より増加させても、鋳
塊の割れを防止する効果に大きな変化は見られなかっ
た。
【0048】
【表4】 (実施例5)実施例2と同じ組成および製造方法にて作
製した試料を用いて、Siの含有率と初晶Siの体積
率、初晶Siの平均粒径および初晶Siの最大粒径との
関係を調査した。
【0049】図6を参照して、本発明のSiの含有率の
範囲では、初晶Siの体積率は2.0〜7.0体積%と
なる。
【0050】また、図7を参照して、Siの含有率を本
発明に規定する範囲とした場合、初晶Siの最大粒径の
分布範囲は40〜90μmとなり、初晶Siの平均粒径
の分布範囲は20〜40μmとなる。
【0051】(実施例6)本発明によるアルミニウム合
金を実施例2における製造工程を用いて製造し、その金
属組織を観察した。このアルミニウム合金は、Siを1
3.5重量%、Cuを4.0重量%、Mgを0.7重量
%、Feを0.9重量%、Niを0.9重量%、Tiを
0.3重量%、Bを0.007重量%、Pを0.01重
量%、Mnを0.01重量%、Crを0.01重量%、
Znを0.01重量%、Naを0.01重量%およびC
aを0.01重量%含有する。図8および9は、上記合
金の金属組織を示す光学顕微鏡写真である。そして、図
10および図11は、比較のため従来のA390合金を
用い実施例2における製造工程によって作製した試料の
金属組織の光学顕微鏡写真である。図8および10の倍
率は100倍であり、図9および11の倍率は400倍
である。図11と図9とを比較すると、図9に示した本
発明の合金における初晶Siの結晶粒に比べて、図11
に示した従来のA390合金により作製された試料の初
晶Siの結晶粒が大きく成長していることがわかる。
【0052】また、図12は、本発明による上記合金の
製造工程における、押出し加工を行なう前の金属組織を
示す光学顕微鏡写真である。図12の倍率は100倍で
ある。図12と図8とを比較して、本発明による製造方
法においては、アルミニウム−遷移金属系金属間化合物
の針状の結晶が、軟化熱処理および押出し加工によって
分断されていることがわかる。
【0053】(実施例7)本発明のアルミニウム合金の
製造方法の軟化熱処理条件、押出し比および押出し温度
と靱性、耐熱性、および金属間化合物の結晶粒径との関
係を調査した。
【0054】表5に示す化学組成を有する本発明の合金
を用い、製造条件を実施例2における条件を基本として
変化させ、表6に示すように18種類の試料を作製し
た。
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】 そして、それぞれの試料について室温伸び、200℃に
おける最大引張強さおよびアルミニウム−遷移金属系金
属間化合物の粒径の最大長さを測定した。表6に示した
試料の製造工程は、基本的には実施例2に示した製造工
程と同様であるが、溶体化処理の条件が温度490℃、
処理時間2時間である点と、軟化熱処理および押出し加
工の条件を表6に示すように各試料ごとに変化させてい
る点が実施例1の場合とは異なる。
【0057】そして、この実施例7において、室温伸び
>2.0%、温度200℃における最大引張強さ>30
0MPaおよびアルミニウム−遷移金属系金属間化合物
の粒径の最大長さ<10μmという3つの条件を満足す
るかどうかについて、各試料を評価した。表6を参照し
て、本発明の製造方法の条件に適合する試料1〜10は
すべて上記3つの条件を満たしている。
【0058】その一方、試料11および15のように、
軟化熱処理の条件が、温度490℃および均熱時間2時
間と、本発明の条件を満たさない場合、アルミニウム−
遷移金属系金属間化合物が十分に脆化せず、押出し加工
によってもこの金属間化合物を十分に分断することがで
きない。そのため、上記金属間化合物の粒径の最大長さ
は10μm以上となることにより、靱性が低下する。
【0059】また、試料12および16のように、軟化
熱処理の条件が温度520℃および均熱時間7.5時間
と、本発明の条件範囲を越えても、合金中のSiがオス
トワルド成長により粗大化し、靱性が低下する。そし
て、試料13および17のように、押出し比が小さい場
合は、アルミニウム−遷移金属系金属間化合物の結晶を
分断することが十分にできず、上記金属間化合物の結晶
粒の最大長は10μm以上となる。
【0060】また、試料番号14および18のように、
押出し温度を450℃以上とすると、やはりアルミニウ
ム−遷移金属系金属間化合物の結晶を有効に分断するこ
とができず、上記金属間化合物の結晶粒の最大長を10
μm以下とすることができない。
【0061】(実施例8)本発明のアルミニウム合金の
化学組成および製造方法により作製した試料の初晶Si
の体積率、平均粒径および最大粒径などの金属組織の状
態を調査した。
【0062】表5に示した組成番号1および2の化学組
成を有する合金を用い、実施例2における製造方法を基
本として、軟化熱処理および押出し加工の条件のみを表
7の製造条件番号1および2に示した製造条件を用いて
試料を作製し、初晶Siの体積率、平均粒径、最大粒
径、アルミニウム−遷移金属系金属間化合物の体積率お
よびアルミニウム−遷移金属系金属間化合物の結晶粒の
平均径を測定した。
【0063】
【表7】 表8に示した各試料について、初晶Siの体積率が2.
0体積%以上7.0体積%以下、初晶Siの平均粒径が
20μm以上40μm以下、初晶Siの最大粒径が40
μm以上90μm以下、アルミニウム−遷移金属系金属
間化合物の体積率が2.0体積%以上10.0体積%以
下、アルミニウム−遷移金属系金属間化合物の結晶粒の
平均径が10μm以下という条件を満足するかどうかを
測定すると、表3に示すように、本発明の組成範囲およ
び製造条件により作製された試料1〜4のすべてが上記
基準を満足する。
【0064】
【表8】 (実施例9)表3に示した本発明によるアルミニウム合
金の試料1〜11について、熱膨張係数を測定し、室温
〜200℃における熱膨張係数の平均値が、どの試料に
ついても18〜21×10-6/Kという従来のA390
合金の熱膨張係数と同等の範囲に入っていることを確認
した。
【0065】なお、今回開示された実施例はすべての点
で例示であって制限的なものではないと考えられるべき
である。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請
求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味
および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図さ
れる。
【0066】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、耐熱性
および靱性を備え、かつ、連続鋳造により直径が100
mm以上の鋳塊を得ることが可能な過共晶シリコン−ア
ルミニウム合金およびその製造方法を提供することがで
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】過共晶シリコン−アルミニウム合金のSi結晶
粒の最大径と各種条件との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例に従って作製した各種アルミニ
ウム合金の試料の製造工程を示した工程図である。
【図3】本発明の実施例に従って作製した各種アルミニ
ウム合金の試料のSi添加量と比摩耗量および室温にお
ける破断伸びとの関係を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例に従って作製した各種アルミニ
ウム合金の試料におけるFeおよびNi添加量と200
℃における最大引張強さとの関係を示したグラフであ
る。
【図5】本発明の実施例に従って作製したアルミニウム
合金における、FeおよびNi添加量と鋳塊での割れの
発生状況との関係を示したグラフである。
【図6】本発明の実施例に従って作製した各種アルミニ
ウム合金の試料のSi添加量と初晶Siの体積率との関
係を示したグラフである。
【図7】本発明の実施例に従って作製したアルミニウム
合金の試料におけるSi添加量と初晶Si結晶粒の直径
との関係を示したグラフである。
【図8】本発明の実施例に従って作製したアルミニウム
合金の試料の金属組織を示す光学顕微鏡写真である。
【図9】本発明の実施例に従って作製したアルミニウム
合金の試料の金属組織を示す光学顕微鏡写真である。
【図10】従来のA390合金の金属組織を示す光学顕
微鏡写真である。
【図11】従来のA390合金の金属組織を示す光学顕
微鏡写真である。
【図12】本発明の実施例に従って作製したアルミニウ
ム合金の試料の押出し加工前の金属組織を示す光学顕微
鏡写真である。
【図13】従来のアルミニウム合金の連続鋳造装置を示
した模式図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 630 C22F 1/00 630B 650 650E 650A 683 683 690 690 691 691B 691C 694 694A 694B

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Siを12.5重量%以上14.0重量
    %以下、Feを0.5重量%以上1.0重量%以下、N
    iを0.5重量%以上1.0重量%以下、Tiを0.2
    重量%以上0.5重量%以下およびBを0.005重量
    %以上0.01重量%以下、含有する、アルミニウム合
    金。
  2. 【請求項2】 CuとMgとPとMnとCrとZnとN
    aとCaとからなる群より選ばれた、少なくとも1種を
    含有する、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  3. 【請求項3】 Cuを3.0重量%以上5.0重量%以
    下含有する、請求項2に記載のアルミニウム合金。
  4. 【請求項4】 Mgを0.5重量%以上1.5重量%以
    下含有する、請求項2または3に記載のアルミニウム合
    金。
  5. 【請求項5】 Pを0.005重量%以上0.03重量
    %以下含有する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の
    アルミニウム合金。
  6. 【請求項6】 MnとCrとZnとNaとCaとからな
    る群より選ばれた少なくとも1種を0.05重量%未満
    含有する、請求項2〜5のいずれか1項に記載のアルミ
    ニウム合金。
  7. 【請求項7】 Siを12.5重量%以上14.0重量
    %以下、Cuを3.0重量%以上5.0重量%以下、M
    gを0.5重量%以上1.5重量%以下、Feを0.5
    重量%以上1.0重量%以下、Niを0.5重量%以上
    1.0重量%以下、Tiを0.2重量%以上0.5重量
    %以下、Bを0.005重量%以上0.01重量%以
    下、Pを0.005重量%以上0.03重量%以下、M
    nを0.05重量%未満、Crを0.05重量%未満、
    Znを0.05重量%未満、Naを0.05重量%未満
    およびCaを0.05重量%未満、含有する、アルミニ
    ウム合金。
  8. 【請求項8】 初晶Siの体積率が2.0体積%以上
    7.0体積%以下、初晶Siの平均粒径が20μm以上
    40μm以下、初晶Siの最大粒径が40μm以上90
    μm以下および結晶粒径が10μm以下のアルミニウム
    −遷移金属系金属間化合物の体積率が2.0体積%以上
    10.0体積%以下である、アルミニウム合金。
  9. 【請求項9】 Siを12.5重量%以上14.0重量
    %以下、Feを0.5重量%以上1.0重量%以下、N
    iを0.5重量%以上1.0重量%以下、Tiを0.2
    重量%以上0.5重量%以下およびBを0.005重量
    %以上0.01重量%以下、含有するアルミニウム合金
    を連続鋳造法により鋳造する工程と、 前記鋳造されたアルミニウム合金に軟化熱処理を施す工
    程と、 押出し比が6以上かつ温度が450℃以下という条件に
    おいて前記軟化熱処理されたアルミニウム合金に押出し
    加工を施す工程と、 前記押出し加工されたアルミニウム合金に溶体化処理お
    よび時効処理を施す工程とを備える、アルミニウム合金
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記アルミニウム合金が、CuとMg
    とPとMnとCrとZnとNaとCaとからなる群より
    選ばれた少なくとも1種を含む、請求項9に記載のアル
    ミニウム合金の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記アルミニウム合金が、Cuを3.
    0重量%以上5.0重量%以下含有する、請求項10に
    記載のアルミニウム合金の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記アルミニウム合金が、Mgを0.
    5重量%以上1.5重量%以下含有する、請求項10ま
    たは11に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記アルミニウム合金が、Pを0.0
    05重量%以上0.03重量%以下含有する、請求項1
    0〜12のいずれか1項に記載のアルミニウム合金の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 前記アルミニウム合金が、MnとCr
    とZnとNaとCaとからなる群より選ばれた少なくと
    も1種を含み、その含有率が0.05重量%未満であ
    る、請求項10〜13のいずれか1項に記載のアルミニ
    ウム合金の製造方法。
  15. 【請求項15】 Siを12.5重量%以上14.0重
    量%以下、Cuを3.0重量%以上5.0重量%以下、
    Mgを0.5重量%以上1.5重量%以下、Feを0.
    5重量%以上1.0重量%以下、Niを0.5重量%以
    上1.0重量%以下、Tiを0.2重量%以上0.5重
    量%以下、Bを0.005重量%以上0.01重量%以
    下、Pを0.005重量%以上0.03重量%以下、M
    nを0.05重量%未満、Crを0.05重量%未満、
    Znを0.05重量%未満、Naを0.05重量%未満
    およびCaを0.05重量%未満、含有する溶融アルミ
    ニウム合金を連続鋳造法により鋳造する工程と、 前記鋳造されたアルミニウム合金に軟化熱処理を施す工
    程と、 押出し比が6以上かつ温度が450℃以下という条件に
    おいて前記軟化熱処理されたアルミニウム合金に押出し
    加工を施す工程と、 前記押出し加工されたアルミニウム合金に溶体化処理お
    よび時効処理を施す工程とを備える、アルミニウム合金
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記軟化熱処理の条件は、加熱温度が
    490℃以上520℃以下、均熱時間が3時間以上7時
    間以下である、請求項9〜15のいずれか1項に記載の
    アルミニウム合金の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記鋳造時に形成されるアルミニウム
    合金の鋳塊の直径が100mm以上である、請求項9〜
    16のいずれか1項に記載のアルミニウム合金の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018197366A (ja) * 2017-05-23 2018-12-13 昭和電工株式会社 アルミニウム合金材
CN109576618A (zh) * 2018-10-20 2019-04-05 江苏中色锐毕利实业有限公司 一种控制过共晶铝硅合金硅相球化和生长的热处理方法

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