JPH1161263A - 製造工程を簡略化した一方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents
製造工程を簡略化した一方向性珪素鋼板の製造方法Info
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- JPH1161263A JPH1161263A JP22255797A JP22255797A JPH1161263A JP H1161263 A JPH1161263 A JP H1161263A JP 22255797 A JP22255797 A JP 22255797A JP 22255797 A JP22255797 A JP 22255797A JP H1161263 A JPH1161263 A JP H1161263A
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Abstract
た脱炭焼鈍工程とインヒビタ成分除去のための純化焼鈍
工程の双方を省略して、大幅なコストの低減及び製造時
間の短縮を図った一方向性珪素鋼板の製造方法を提供す
ることにある。 【解決手段】 C:0.003 wt%以下、Si:7.0 wt%以下
を含有し、残部は実質的にFeからなる鋼スラブを熱間粗
圧延後、熱間仕上げ圧延を行い、その後必要に応じて熱
延板焼鈍を施し、酸洗の後、1回又は途中焼鈍を含む2
回以上の冷間圧延若しくは温間圧延を施して最終板厚と
した後、一次再結晶焼鈍を行い、その後、二次再結晶焼
鈍を施し、次いで絶縁皮膜を付与する電磁鋼板を製造す
るにあたり、熱間仕上げ圧延を、圧下率(1パス):30
%以上及び圧延終了温度:600 〜800 ℃の条件下で行
い、熱延板板厚を1.5 mm以下にすることを特徴とする製
造工程を簡略化した一方向性珪素鋼板の製造方法。
Description
においては必要な工程であった脱炭焼鈍工程とインヒビ
タ成分除去のための純化焼鈍工程の双方を省略すること
により、コストの低減及び製造時間の短縮を図った、交
流磁心に用いられる一方向性珪素鋼板の製造方法に関す
るものである。
が優れることが望ましく、その特性は集合組織に大きく
左右される。好適な集合組織は使用形態によって、即
ち、鋼板のいずれの方向を磁化方向として使用するかに
よって異なり、一部のトランスのように主として圧延と
平行な1方向のみが磁化方向となる場合、圧延方向の結
晶方位が<001>であるような集合組織が最適であ
る。このような結晶方位を優先的に成長させ、圧延方向
に電磁特性を良好にした電磁鋼板は、いわゆる方向性電
磁鋼板として広く製造市販されている。
圧延面に垂直な軸の方向の結晶方位によって規定され
る。現在の方向性電磁鋼板は、圧延面に平行な面が{1
10}であり,{110}<001>方位、ないしはゴ
ス(Goss)方位と称される。
の基本成分系にCを0.03〜0.10%程度、さらにインヒビ
タ成分としてMnS やAlN 等を0.01〜0.05%程度添加した
素材に複数回の圧延と焼鈍を繰り返し施し、ゴス方位を
もつ結晶粒を優先的に異常成長、即ち二次再結晶させる
ことによって製造する方法が一般的である。
方位が発達するためには必須とされているため鋼中に含
有させるが、鉄損特性向上のため、通常は二次再結晶さ
せる前に脱炭除去する工程が必要となる。
ス方位をもつ結晶粒を優先的に異常成長させるため、そ
の前段階での正常粒の成長を抑制することを目的として
添加されるが、製品鋼板中に残存すると電磁特性に悪影
響があるので、最終的には焼鈍によって除去しなければ
ならない。
確保するために極めて複雑かつコストのかかる工程を採
用しており、工業上の生産性の観点からは大きな問題を
抱えている。
は、上記インヒビタ成分を除去するため、二次再結晶後
に高温長時間の純化焼鈍工程を要するところにある。こ
のため、インヒビタ成分を添加することなくゴス方位に
強く集積した集合組織が得られれば、産業上の意義は絶
大であるが、これまでの知見では、インヒビタなしでは
ゴス方位に揃えることは不可能とされていた。
Cの添加である。Cも通常の製造工程ではゴス方位の集
積に寄与するため必須の添加成分であり、このため、二
次再結晶前には脱炭焼鈍工程が必要となるが、これは、
製造時間とコストの点で不利である。しかし、Cを省略
する技術については知られていない。
を含有させなくても、適正条件下で熱間圧延を施すこと
によって、板厚全体にわたって{110}<001>方
位に集積した集合組織を形成させ、さらにこの素材を用
いることで、インヒビタ成分を添加しないで二次再結晶
焼鈍を行っても、{110}<001>方位粒が安定し
て成長した鋼組織が得られ、従来の製造方法においては
必要な工程であった脱炭焼鈍工程とインヒビタ成分除去
のための純化焼鈍工程の双方を省略して、コストの低減
及び製造時間の短縮を図った、交流磁心に用いられる一
方向性珪素鋼板の製造方法を提供することを目的とす
る。
次再結晶を安定的に起こさせることについて、発明者ら
が鋭意研究を行った結果、板厚全体にわたりゴス方位粒
が存在すれば、インヒビタを用いなくても二次再結晶が
安定的に起きることがわかった。
は、熱延板、脱炭焼鈍板共にゴス方位粒は表層近傍の極
微小な範囲にしか存在しておらず、このため、インヒビ
タを用いずに二次再結晶焼鈍を行うと、ゴス方位粒以外
の結晶粒が成長し、ゴス方位粒の存在数が小さいため
に、二次再結晶の駆動力が得られないことから、正常粒
成長を抑制するためにインヒビタが必要であった。
存在数を大きくすれば、正常粒成長を抑制せずに安定的
に二次再結晶を生じさせることができる。つまり、二次
再結晶焼鈍前の鋼板において、板厚全体にわたりゴス方
位への集積度を高めればよいことがわかった。
究を鋭意行った結果、熱間圧延工程にてゴス方位の集積
度を高めることが重要であることが判明した。
温度と1 パスでの圧下率を制御し、通常の工程で採用さ
れているよりも低温かつ1パスで強圧下する条件下で、
板厚1.5 mm以下に熱間仕上げ圧延を行うことで、熱間圧
延後に{110}<001>方位に集積した集合組織を
形成できること、さらに、この素材を用いることで、イ
ンヒビタを用いないで二次再結晶焼鈍を行っても、{1
10}<001>方位粒を高度に集積させることが可能
であることを見出し、この発明を完成するに至ったので
ある。
0 wt%以下を含有し、残部は実質的にFeからなる鋼スラ
ブを熱間粗圧延後、熱間仕上げ圧延を行い、その後必要
に応じて熱延板焼鈍を施し、酸洗の後、1回又は途中焼
鈍を含む2回以上の冷間圧延若しくは温間圧延を施して
最終板厚とした後、一次再結晶焼鈍を行い、その後、二
次再結晶焼鈍を施し、次いで絶縁皮膜を付与する電磁鋼
板を製造するにあたり、熱間仕上げ圧延を、圧下率(1
パス):30%以上及び圧延終了温度:600 〜800 ℃の条
件下で行い、熱延板板厚を1.5 mm以下にすることを特徴
とする一方向性珪素鋼板の製造方法である。
った経緯を説明する。真空小型溶解炉にて、Si:3.12wt
%、C:0.003 wt%、Mn:0.01wt%、、Al:0.005wt%か
らなる成分の鋼塊50 kg を溶解し、サイジングのために
熱間粗圧延にて板厚5mmにした。この鋼板を1100℃にて
30分間加熱した後、ロール径700 mmφの圧延機にて、周
速800 m/min.、圧下率(1パス)、圧延終了温度を750
℃にて熱間仕上げ圧延し、板厚0.8 mmの鋼板を製造し、
この鋼板について、集合組織、磁気特性を調査した結
果、{110}〈001〉方位への集積強度がランダム
組織のそれの28倍と極めて高く、磁気特性もW15/50 で
2.3 W/kg、B50で 1.705Tと、今までにはない優れた
磁気特性を有する鋼板が得られた。
圧延を施し板厚を0.35mmにし、1050℃で10分間焼鈍をし
た鋼板について、集合組織、磁気特性を調査した結果、
ほぼ二次再結晶をしており、その方位は{110}〈0
01〉方位へ集積しており、磁気特性もW17/50 で1.1
W/kg、B8 で1.90Tと特性のよい一方向性珪素鋼板が
得られた。
研究を行った結果、Si含有鋼を、通常の工程で採用され
ているよりも低温かつ1パスで強圧下する条件下で、1.
5 mm以下の板厚に熱間仕上げ圧延することによって、熱
延板の{110}〈001〉方位への集積度が顕著に向
上すること、さらに、この素材を用いることで、インヒ
ビタを用いないで二次再結晶焼鈍を施すことによって、
{110}<001>方位粒を高度に集積させることが
可能であることを見出し、この発明を完成するに至った
のである。
10}〈001〉方位への集積強度が、上述した熱間仕
上げ圧延条件のみに依存し、その他の製造条件にはほと
んど依存しないことも判明した。
限定した理由について説明する。
には、最終的にゴス方位が発達するため必須の添加元素
であるが、この発明ではCは不要な成分であり、また、
通常工程では行う二次再結晶前の脱炭焼鈍工程を省略す
るため、鋼中のC含有量は少ないほど好ましく、よっ
て、0.005 wt%以下とした。
り、この発明には必須の成分であるが、7.0wt %を超え
ると、磁束密度の低下が大きいばかりでなく、加工性も
劣化する。従って、Siの含有量は0.1 〜7.0 wtの範囲と
した。
いては特に限定はしないが、用途に応じて既知である種
々の第三元素を適宜添加することは可能である。例え
ば、Mn及びAlは、いずれもSiと同様に比抵抗を増大させ
る効果を有する成分であるため添加することができる
が、Mn及びAlの各添加量は、2.0wt %を超えるとコスト
の上昇を招くので、2.0wt %以下の範囲内でそれぞれ添
加することが好ましい。
3 wt%、Mn:0.01wt%、、Al:0.005wt%からなる成分の
鋼塊を、最終1パスの圧下率を60%、仕上げ板厚を1.0
mmの熱間仕上げ圧延を圧延終了温度を変えて行った種々
の鋼板を製造し、各鋼板の板厚中心部における{11
0}〈001〉方位への集積強度と圧延終了温度との関
係を示したものである。
ると、{110}〈001〉方位の集積が弱くなり、ま
た、600 ℃未満であると、圧延荷重が極端に増し圧延困
難となる。従って、圧延終了温度は600 〜800 ℃とし
た。
1パスの圧下率を10〜80%の範囲で変化させて仕上げ板
厚1.0mm の熱間圧延を行った種々の鋼板を製造し、各鋼
板の板厚中心部における{110}〈001〉方位への
集積強度と最終1パスの圧下率との関係を示したもので
ある。
ると、{110}〈001〉方位の集積が弱くなり、最
終製品での磁気特性及び方位集積が劣化するので、熱間
仕上げ圧延での1パスでの圧下率は30%以上とした。
%、圧延終了温度:700℃の条件下で熱間圧延を行い、
板厚0.8 〜3.0mm の範囲の種々の鋼板を製造し、各鋼板
の板厚中心部における{110}〈001〉方位への集
積強度と仕上げ板厚との関係を示したものである。
いと、{110}〈001〉方位の集積が弱くなること
から、熱延板板厚は1.5 mm以下とした。
位への集積強度が、熱間仕上げ圧延条件のみに依存し、
その他の製造条件にはほとんど依存しないことは既に上
述した。従って、焼鈍、酸洗、冷間圧延若しくは温間圧
延、及び絶縁皮膜形成条件等については特に限定せず、
通常行われている範囲内で行うことができる。一例とし
て挙げると、熱延板を1000℃×1分で焼鈍し、酸洗のの
ち圧下率60%の冷間圧延を施し、その後950 ℃×1分で
中間焼鈍してから200℃、圧下率70%の温間圧延を施
し、さらに 880℃×10分で再結晶焼鈍してから絶縁皮膜
を形成する。
を製造し、性能を評価したので以下で説明する。 ・実施例1 真空小型溶解炉にて、Fe-2.0%Si(鋼種A)及びFe-3.3
%Si(鋼種B)組成からなる2 種類の鋼塊50kgをそれぞ
れ溶解し、その後1150℃にて加熱し熱間粗圧延で 1.4〜
8.0mm 厚の板とし、さらに、各板を1100℃にて加熱し、
圧延終了温度を550 〜850 ℃に制御し、800m/min. の圧
延速度で1パスにて板厚1.0mm に仕上げ、その後、N2
雰囲気で950 ℃で5分間焼鈍した。さらに、酸洗を行
い、その後、冷間圧延にて板厚0.35mmに仕上げ、一次再
結晶焼鈍(温度830 , 時間2分) 及び二次再結晶焼鈍
(温度850 , 時間10分)を施した。これら各鋼板につい
て、光学顕微鏡? によるマクロ観察を行い、二次再結晶
状態を観察した結果を、仕上げ圧延における圧延終了温
度と1パス圧下率との関係でプロットしたものを図4に
示す。
を、また三角印「△」と「▲」は鋼種Bを示し、白抜き
印「○」と「△」は、二次再結晶部に占める{110}
<001>方位粒の面積割合が95%以上である場合、黒
塗り印「●」と「▲」は、前記面積割合が95%未満であ
る場合を示したものである。
げ圧延における圧延終了温度が600〜 800℃で、かつ1
パスでの圧下率が30%以上である場合に、二次再結晶部
に占める{110}<001>方位粒の面積割合が95%
以上であった。これ以下であると磁気特性、特にB8(磁
束密度)が低下する。
0kg を溶解し、その後1150℃にて加熱し熱間粗圧延で
1.4〜8.0mm 厚の板とした。この板を、1100℃にて加熱
し、圧延温度を 600、650 、750 、800 ℃に制御し、80
0m/min. の圧延速度で1パスにて板厚1.0mm に仕上げ、
その後、温度 950℃で2分間焼鈍した。さらに、酸洗を
行い、その後、冷間圧延にて板厚0.35mmに仕上げ、さら
に、一次再結晶焼鈍(温度850 , 時間3分) 及び二次再
結晶焼鈍(温度920 , 時間30分) を施した。これら各鋼
板について磁気測定を行い、最大磁束密度 1.7テスラ
(T)、周波数50Hzに対する1kg当たりの鉄損値:W
17/50 及び、磁化力800 A/mでの磁束密度;B8 を求
めた。さらに、二次再結晶しているかどうかを調べた結
果を表1にしめす。尚、表1中二次再結晶の欄は、二次
再結晶部に占める{110}<001>方位粒の面積割
合が95%以上である場合を「○」、前記割合が95%未満
の場合を「×」として示してある。
率が低い例であり、また、No.11は熱間圧延の圧延温度
が高い例であり、いずれの場合も、二次再結晶が不良と
なり、磁気特性が劣化した例である。その他はこの発明
の適合例であり、二次再結晶が良好で、磁気特性が優れ
ていた。
板の製造方法では必要な工程であった脱炭焼鈍工程とイ
ンヒビタ成分除去のための純化焼鈍工程の双方を省略す
る事が可能になり、二次再結晶焼鈍を連続焼鈍で安定し
て行えることで、大幅なコスト低減及び省エネルギー化
を図ることができ、磁気特性の優れた一方向性珪素鋼板
を安価に提供することが可能になった。
位への集積強度と圧延終了温度との関係を示す図であ
る。
位への集積強度と1パスでの圧下率との関係を示す図で
ある。
位への集積強度と熱延板板厚との関係を示す図である。
にける圧延終了温度と1パスでの圧下率との関係を示す
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 C:0.005 wt%以下、Si:7.0 wt%以下
を含有し、残部は実質的にFeからなる鋼スラブを熱間粗
圧延後、熱間仕上げ圧延を行い、その後必要に応じて熱
延板焼鈍を施し、酸洗の後、1回又は途中焼鈍を含む2
回以上の冷間圧延若しくは温間圧延を施して最終板厚と
した後、一次再結晶焼鈍を行い、その後、二次再結晶焼
鈍を施し、次いで絶縁皮膜を付与する一方向性珪素鋼板
を製造するにあたり、 熱間仕上げ圧延を、圧下率(1パス):30%以上及び圧
延終了温度:600 〜800 ℃の条件下で行い、熱延板板厚
を1.5 mm以下にすることを特徴とする製造工程を簡略化
した一方向性珪素鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22255797A JP4253854B2 (ja) | 1997-08-19 | 1997-08-19 | 製造工程を簡略化した一方向性珪素鋼板の製造方法 |
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JPH1161263A true JPH1161263A (ja) | 1999-03-05 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22255797A Expired - Fee Related JP4253854B2 (ja) | 1997-08-19 | 1997-08-19 | 製造工程を簡略化した一方向性珪素鋼板の製造方法 |
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-
1997
- 1997-08-19 JP JP22255797A patent/JP4253854B2/ja not_active Expired - Fee Related
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