JPH1160575A - 2−アミノ−6置換プリンの精製方法 - Google Patents

2−アミノ−6置換プリンの精製方法

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JPH1160575A
JPH1160575A JP22820797A JP22820797A JPH1160575A JP H1160575 A JPH1160575 A JP H1160575A JP 22820797 A JP22820797 A JP 22820797A JP 22820797 A JP22820797 A JP 22820797A JP H1160575 A JPH1160575 A JP H1160575A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】二次凝集を生じさせずに、操作性よく各種溶媒
に対して速い溶解速度を呈する2−アミノ−6置換プリ
ンを高純度で精製することができる方法を提供するこ
と。 【解決手段】一般式(I): 【化1】 (式中、Xは水酸基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素
原子を示す)で表わされる2−アミノ−6置換プリンを
アルカリ金属水酸化物の水溶液に溶解させ、得られた2
−アミノ−6置換プリン溶液と、アンモニアおよび塩化
アンモニウムを含有する水溶液とを混合することを特徴
とする2−アミノ−6置換プリンの精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−アミノ−6置
換プリンの精製方法に関する。さらに詳しくは、核酸系
抗ウイルス薬の中間体として有用な2−アミノ−6置換
プリンの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マウス白血病ウイルス、ヒト免疫
不全ウイルス等に対する抗ウイルス薬として、グアニル
置換基を有する核酸系抗ウイルス薬が知られており、該
核酸系抗ウイルス薬を合成する際に有用な中間体として
2−アミノ−6置換プリンが使用されている(特開平6
−206879号公報)。
【0003】前記2−アミノ−6置換プリンは、例え
ば、2−アミノ−6置換プリンを水酸化ナトリウム水溶
液または水酸化カリウム水溶液に溶解し、得られた水溶
液に塩酸、酢酸等の酸類を添加して該水溶液のpHを
7.5付近に調整し、晶析する方法によって精製されて
いる(国際公開第94/07892号パンフレット)。
【0004】しかしながら、前記方法によって精製され
た2−アミノ−6置換プリンの結晶粒子は、非常に細か
いため、該結晶を濾取する際には、濾過性が悪く、濾取
に長時間を要するという欠点がある。
【0005】また、前記方法には、濾取した結晶を乾燥
させる際には、2−アミノ−6置換プリンの結晶が二次
凝集し、このようにして生成した二次凝集物は、非常に
固い塊状物であり、各種溶媒に対する溶解速度が遅いた
め、使用の際には、あらかじめ該二次凝集物には粉砕等
の煩雑な操作を施さなければならないという欠点があ
る。
【0006】さらに、前記方法には、着色成分、2−ア
ミノ−6置換プリンの類縁物質等を含有しない高純度の
2−アミノ−6置換プリンを得ることができないという
欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、二次凝集を生じさせず
に、操作性よく各種溶媒に対して速い溶解速度を呈する
2−アミノ−6置換プリンを高純度で精製することがで
きる方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 一般式(I):
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Xは水酸基、塩素原子、臭素原子
またはヨウ素原子を示す)で表わされる2−アミノ−6
置換プリンをアルカリ金属水酸化物の水溶液に溶解さ
せ、得られた2−アミノ−6置換プリン溶液と、アンモ
ニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合
することを特徴とする2−アミノ−6置換プリンの精製
方法、ならびに〔2〕 2−アミノ−6置換プリン溶液
と、アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶
液とを混合する際のアンモニアおよび塩化アンモニウム
を含有する水溶液の温度が40〜70℃である前記
〔1〕記載の2−アミノ−6置換プリン溶液の精製方法
に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の精製方法によれば、前記
したように、一般式(I):
【0012】
【化3】
【0013】(式中、Xは水酸基、塩素原子、臭素原子
またはヨウ素原子を示す)で表わされる2−アミノ−6
置換プリンをアルカリ金属水酸化物の水溶液に溶解さ
せ、得られた2−アミノ−6置換プリン溶液と、アンモ
ニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合
することにより、2−アミノ−6置換プリンを精製する
ことができる。
【0014】本発明においては、このようにアンモニア
および塩化アンモニウムを含有する水溶液が用いられて
いる点に1つの大きな特徴がある。かかる水溶液を用い
た場合には、驚くべきことに、精製された2−アミノ−
6置換プリンを結晶として二次凝集させずに、操作性よ
く高純度で得ることができる。
【0015】前記2−アミノ−6置換プリンは、公知の
方法、例えば、国際公開第94/07892号パンフレ
ット、J. Pharm. Sci., 1968, 57(2), p.2051-61等に記
載の方法(以下、従来法という)等によって得ることが
できる。
【0016】前記2−アミノ−6置換プリンは、まず、
アルカリ金属水酸化物の水溶液に溶解させる。
【0017】前記2−アミノ−6置換プリンをアルカリ
金属水酸化物の水溶液に溶解させる際の温度は、特に限
定がなく、通常、3〜30℃程度であればよい。
【0018】前記アルカリ金属水酸化物としては、例え
ば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好適例と
してあげられる。
【0019】前記アルカリ金属水酸化物の使用量は、経
済性の観点から、前記2−アミノ−6置換プリン1モル
に対して、0.5モル以上、なかんづく1モル以上であ
ることが好ましく、10モル以下、なかんづく4モル以
下であることが好ましい。
【0020】前記アルカリ金属水酸化物は、アルカリ金
属水酸化物の水溶液として用いられる。
【0021】前記アルカリ金属水酸化物の水溶液の濃度
は、容積効率を考えた経済性の観点から、0.5重量%
以上、なかんづく1重量%以上であることが好ましく、
40重量%以下、なかんづく20重量%以下であること
が好ましい。
【0022】2−アミノ−6置換プリンを溶解させたア
ルカリ金属水酸化物の水溶液と、アンモニアおよび塩化
アンモニウムを含有する水溶液とを混合する。
【0023】前記アンモニアは、通常、水溶液またはガ
スとして用いることができる。
【0024】前記アンモニアの濃度は、特に限定がな
く、容積効率を考えた経済性の観点から、5重量%以
上、なかんづく10重量%以上であることが好ましく、
また入手の容易性の観点から、100重量%以下、なか
んづく30重量%以下であることが好ましい。
【0025】前記アンモニアの使用量は、経済性の観点
から、前記2−アミノ−6置換プリン1モルに対して、
1モル以上、なかんづく3モル以上であることが好まし
く、15モル以下、なかんづく10モル以下となるよう
に調整することが好ましい。
【0026】前記塩化アンモニウムには、特に限定がな
く、一般に市販されているものを用いることができる。
【0027】前記塩化アンモニウムの使用量は、経済性
の観点から、前記2−アミノ−6置換プリン1モルに対
して、1モル以上、なかんづく1.5モル以上であるこ
とが好ましく、10モル以下、なかんづく5モル以下で
あることが好ましい。なお、前記塩化アンモニウムの使
用量は、2−アミノ−6置換プリンを溶解させるために
用いたアルカリ金属水酸化物の使用量よりも少ない場合
には、2−アミノ−6置換プリンの精製収率が低下する
ことがあるので、アルカリ金属水酸化物の使用量よりも
過剰量であることが好ましい。
【0028】本発明においては、2−アミノ−6置換プ
リンを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液とアン
モニアとを混合したのち、塩化アンモニウム水溶液と混
合したり、2−アミノ−6置換プリン溶液と塩化アンモ
ニウム水溶液とを混合したのち、アンモニアと混合する
のではなく、前記2−アミノ−6置換プリン溶液と、前
記アンモニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液
とを混合するという方法が採られているので、2−アミ
ノ−6置換プリンの結晶を成長させながら晶析させるこ
とができ、従来法で得られる結晶よりも濾過性に優れた
結晶が得られ、かくして得られた結晶は、乾燥の際には
二次凝集を生じがたく、しかも2−アミノ−6置換プリ
ンの類縁物質および着色成分が、濾液に除去され、精製
効率が高いという優れた性質が発現される。
【0029】前記アンモニアおよび塩化アンモニウムを
含有する水溶液には、2−アミノ−6置換プリンに適度
な溶解性を付与し、結晶を成長させながら晶析すること
ができる観点から、アンモニア1〜50重量%および塩
化アンモニウム1〜50重量%が含まれ、アンモニアと
塩化アンモニウムとの合計含有量が80重量%以下であ
ることが好ましい。
【0030】前記2−アミノ−6置換プリンを溶解させ
たアルカリ金属水酸化物の水溶液と、前記アンモニアお
よび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合し、ア
ルカリ金属水酸化物の水溶液から2−アミノ−6置換プ
リンの結晶を析出させることにより、該2−アミノ−6
置換プリンを精製することができる。
【0031】前記2−アミノ−6置換プリンを溶解させ
たアルカリ金属水酸化物の水溶液と、前記アンモニアお
よび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合する際
には、例えば、前記アンモニアおよび塩化アンモニウム
を含有する水溶液に、前記2−アミノ−6置換プリンを
溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液を滴下するこ
とが濾過性に優れた結晶が得られる点から好ましい。
【0032】前記2−アミノ−6置換プリンを溶解させ
たアルカリ金属水酸化物の水溶液と、前記アンモニアお
よび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合する際
には、前記2−アミノ−6置換プリン溶液の温度は、通
常、3〜30℃程度であればよく、また前記アンモニア
および塩化アンモニウムを含有する水溶液の温度は、晶
析する2−アミノ−6置換プリンの結晶の粒子径を大き
くする点から、40℃以上、なかんづく50℃以上であ
ることが好ましく、アンモニアが気化し、散逸させない
ようにする点から、70℃以下、なかんづく65℃以下
であることが好ましい。
【0033】前記2−アミノ−6置換プリンを溶解させ
たアルカリ金属水酸化物の水溶液と、前記アンモニアお
よび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合したあ
とには、通常、0.5〜3時間程度、均一な組成となる
ように前記混合液を攪拌することが好ましい。
【0034】前記2−アミノ−6置換プリンを溶解させ
たアルカリ金属水酸化物の水溶液と、前記アンモニアお
よび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混合したの
ち、高い精製収率で2−アミノ−6置換プリンを得るた
めに、かかる溶液を70℃以下、例えば、室温程度にま
で冷却することが好ましい。
【0035】冷却後には、得られた2−アミノ−6置換
プリンの結晶を、濾紙等のフィルターを用いて濾過する
ことにより、回収することができる。
【0036】濾取した2−アミノ−6置換プリンの結晶
は、水、メタノール等の溶媒で適宜洗浄したのちに、減
圧下で乾燥することにより、2−アミノ−6置換プリン
の白色結晶として回収することができる。
【0037】かくして得られた2−アミノ−6置換プリ
ンの結晶の平均粒子径は、レーザー光回折散布法に従っ
て測定した場合、10〜70μmであり、従来法で得ら
れる2−アミノ−6置換プリンの結晶の平均粒子径3〜
5μmと比べて、非常に大きい。従って、本発明の製造
方法によって得られた2−アミノ−6置換プリンの結晶
は、従来法で得られた2−アミノ−6置換プリンよりも
濾過性に優れたものである。
【0038】さらに前記2−アミノ−6置換プリンの結
晶は、前記したように、平均粒子径が大きいので、かか
る2−アミノ−6置換プリンを乾燥させる段階で2−ア
ミノ−6置換プリンの結晶の二次凝集物が生じがたいの
で、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン、ジメチルスルホキシド等の各種溶媒に対して溶解
速度が非常に速いものである。
【0039】また、従来法によって得られた2−アミノ
−6置換プリンの結晶には、着色成分、類縁物質等の不
純物が含有されているが、このような不純物が含有され
た2−アミノ−6置換プリンを本発明の精製方法で精製
した場合には、これらの不純物が除去され、高純度を有
する2−アミノ−6置換プリンを得ることができる。
【0040】以上説明したように、本発明の2−アミノ
−6置換プリンの精製方法によれば、比較的大きな粒子
径を有する2−アミノ−6置換プリンが得られるので、
濾過する際の濾過性に優れ、乾燥時に二次凝集物を生じ
がたく、しかも各種溶媒に対して速い溶解速度を呈する
2−アミノ−6置換プリンの結晶を高純度で得ることが
できる。
【0041】かくして得られた2−アミノ−6置換プリ
ンの結晶は、例えば、核酸系抗ウイルス薬の中間体とし
て好適に使用しうる化合物である。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0043】製造例1〔2−アミノ−6−ヨードプリン
の製造〕 J. Pharm. Sci., 1968, 57(2), p.2056-61に記載の方法
にしたがって、粗製2−アミノ−6−ヨードプリンを調
製した。得られた粗製2−アミノ−6−ヨードプリンの
純度は、95.0%であった。
【0044】なお、前記結晶の純度は、液体クロマトグ
ラフィー分析(LC分析)で得られた各ピークの面積比
(百分率)から測定した。
【0045】製造例2〔2−アミノ−6−クロロプリン
の製造〕 J. Pharm. Sci., 1968, 57(2), p.2056-61に記載の方法
にしたがって、粗製2−アミノ−6−クロロプリンを調
製した。得られた粗製2−アミノ−6−クロロプリンの
純度は、92.0%であった。
【0046】製造例3〔グアニンの製造〕 特開昭59−16891号公報に記載の方法にしたがっ
て粗製グアニン(一般式(I)においてXが水酸基であ
る化合物)を調製した。得られた粗製グアニンの純度
は、99.0%であった。
【0047】実施例1 製造例1で得られた2−アミノ−6−ヨードプリン7
8.3g(0.30モル)を2%水酸化ナトリウム水溶
液900.0g(0.45モル)に室温下で溶解させ、
2−アミノ−6−ヨードプリン溶液を調製した。
【0048】次に、水300mL、塩化アンモニウム4
8.4g(0.90モル)および28%アンモニア水9
1.2g(1.50モル)を混合し、40〜70℃に加
温し、混合液を調製し、該混合液に前記2−アミノ−6
−ヨードプリン溶液を40〜70℃で、1〜2時間かけ
て滴下し、2−アミノ−6−ヨードプリンを晶析させ
た。
【0049】滴下終了後、晶析させた混合物を40〜7
0℃で0.5時間攪拌し、室温まで冷却し、前記混合物
中に晶析している2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶
を直径9cmのヌッツェ漏斗を使用して濾取した。2−
アミノ−6−ヨードプリンの晶析スラリー500mLを
濾取する際には、63秒間を要した。
【0050】次に、濾取した結晶を、水150mLで2
回、メタノール100mLで2回洗浄し、洗浄した結晶
を減圧下で乾燥し、2−アミノ−6−ヨードプリンの白
色の結晶70.5g(0.27モル)を得た。2−アミ
ノ−6−ヨードプリンの収率は、90%であり純度は、
99.5%であった。
【0051】かくして得られた2−アミノ−6ヨードプ
リンの晶析スラリー中の結晶の平均粒子径は粒度分布測
定装置〔(株)島津製作所製、商品名:SALD−11
00〕を用いて測定したところ、13μmであった。な
お、乾燥時には、二次凝集が認められなかった。
【0052】なお、得られた2−アミノ−6−ヨードプ
リンの白色結晶のIRスペクトルを調べたところ、得ら
れた白色結晶は、J. Pharm. Sci. 1968, 57(12), 2056-
61に記載の方法によって得られた2−アミノ−6−ヨー
ドプリンの結晶のIRスペクトルと一致したことから、
2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶であることが確認
された。
【0053】次に、得られた2−アミノ−6−ヨードプ
リンの結晶1.09gを23℃のN,N−ジメチルホル
ムアミド40gに添加し、攪拌して該結晶が完全に溶解
するまでの時間を調べたところ、40秒間を要した。
【0054】比較例1 従来法にしたがって、2−アミノ−6−ヨードプリン7
8.3gを2%水酸化ナトリウム水溶液900gに溶解
させた溶液に36%塩酸45.6gを加え、晶析させた
2−アミノ−6−ヨードプリンの晶析スラリー500m
Lを、実施例1と同様にして、直径9cmのヌッツェ漏
斗を使用して濾取したところ、その濾取には252秒間
を要した。
【0055】乾燥後、得られた2−アミノ−6−ヨード
プリンの結晶の純度は97.0%であった。
【0056】得られた2−アミノ−6ヨードプリンの晶
析スラリー中の結晶の平均粒子径は、実施例1と同様に
して調べたところ、5μmであった。また、乾燥時に
は、二次凝集物が生じていた。
【0057】次に、得られた2−アミノ−6−ヨードプ
リンの結晶1.0gを23℃のN,N−ジメチルホルム
アミド40gに添加し、30分間攪拌したが、二次凝集
で生じた固い粒が溶け残った。
【0058】実施例1および比較例1(従来法)の結果
から、実施例1の方法によれば、従来法と比べて、2−
アミノ−6−ヨードプリンの結晶の濾過に要する時間が
大幅に短縮されたことから、2−アミノ−6−ヨードプ
リンの結晶は、濾過性に優れたものであることがわか
る。
【0059】また、実施例1および比較例1の結果か
ら、実施例1の方法によれば、N,N−ジメチルホルム
アミドに対する溶解速度が非常に速い2−アミノ−6−
ヨードプリンの結晶を得ることができることがわかる。
【0060】実施例2 比較例1で得られた2−アミノ−6−ヨードプリン2
6.1g(0.1モル)を2%水酸化ナトリウム水溶液
300.0g(0.15モル)に室温下で溶解させ、2
−アミノ−6−ヨードプリン溶液を調製した。
【0061】次に、水100mL、塩化アンモニウム1
6.1g(0.3モル)および28%アンモニア水3
0.4g(0.5モル)を混合し、40〜70℃に加温
し、混合液を調製し、該混合液に前記2−アミノ−6−
ヨードプリン溶液を40〜70℃で、1〜2時間かけて
滴下し、2−アミノ−6−ヨードプリンを晶析させた。
【0062】滴下終了後、前記2−アミノ−6−ヨード
プリン溶液と前記アンモニアおよび塩化アンモニウムを
含有する水溶液とを混合した混合物を40〜70℃で
0.5時間攪拌し、室温まで冷却し、前記混合物中に晶
析している2−アミノ−6−ヨードプリンの結晶を直径
9cmのヌッツェ漏斗を使用して濾取した。
【0063】濾取した結晶を、水150mLで2回およ
びメタノール100mLで2回洗浄し、洗浄した結晶を
減圧下で乾燥し、2−アミノ−6−ヨードプリンの白色
の結晶23.5g(0.09モル)を得た。2−アミノ
−6−ヨードプリンの精製収率は、90.0%であり、
純度は99.5%であった。
【0064】得られた2−アミノ−6−ヨードプリンの
晶析スラリー中の結晶の平均粒子径は、実施例と同様に
して調べたところ、13μmであった。なお、乾燥時に
は、二次凝集物が認められなかった。
【0065】次に、得られた2−アミノ−6−ヨードプ
リンの結晶1.0gを23℃のN,N−ジメチルホルム
アミド40gに添加し、攪拌して該結晶が完全に溶解す
るまでの時間を調べたところ、40秒間を要した。
【0066】実施例2および比較例1(従来法)の結果
から、実施例2の方法によれば、従来法で得られた2−
アミノ−6−ヨードプリンの結晶の純度を大幅に向上さ
せることができることがわかる。
【0067】実施例3 製造例2で得られた2−アミノ−6−クロロプリン5
0.9g(0.3モル)を2%水酸化ナトリウム水溶液
900.0g(0.45モル)に室温下で溶解させ、2
−アミノ−6−クロロプリン溶液を調製した。
【0068】次に、水300mL、塩化アンモニウム4
8.4g(0.90モル)および28%アンモニア水9
1.2g(1.50モル)を混合し、40〜70℃に加
温し、混合液を調製し、該混合液に前記2−アミノ−6
−クロロプリンを40〜70℃で、1〜2時間かけて滴
下し、2−アミノ−6−クロロプリンを晶析させた。
【0069】滴下終了後、晶析させた混合物を40〜7
0℃で0.5時間攪拌し、室温まで冷却し、前記混合物
中に晶析している2−アミノ−6−クロロプリンの結晶
を直径9cmのヌッチェ漏斗を使用して濾取した。2−
アミノ−6−クロロプリンの晶析スラリー500mLを
濾取する際には、28秒間を要した。
【0070】次に濾取した結晶を、水150mLで2回
およびメタノール100mLで2回洗浄し、洗浄した結
晶を減圧下で乾燥し、2−アミノ−6−クロロプリンの
白色結晶44.8g(0.264モル)を得た。2−ア
ミノ−6−クロロプリンの精製収率は88%であり、純
度は99.0%であった。
【0071】かくして得られた2−アミノ−6−クロロ
プリンの晶析スラリー中の結晶の平均粒子径は、実施例
1と同様にして調べたところ、55μmであった。な
お、乾燥時には、二次凝集物が認められなかった。
【0072】なお、得られた2−アミノ−6−クロロプ
リンの白色結晶のIRスペクトルを調べたところ、該白
色結晶のIRスペクトルが、J. Pharm. Sci., 1968, 57
(12),2056-61に記載の方法によって得られた2−アミノ
−6−クロロプリンの結晶のIRスペクトルと一致した
ことから、得られた白色結晶は、2−アミノ−6−クロ
ロプリンの結晶であることが確認された。
【0073】次に、得られた2−アミノ−6−クロロプ
リンの結晶0.8gを23℃のN,N−ジメチルホルム
アミド100gに添加し、攪拌して該結晶が完全に溶解
するまでの時間を調べたところ、7分間を要した。
【0074】比較例2 従来法にしたがって、2−アミノ−6−クロロプリン5
0.9gを2%水酸化ナトリウム水溶液900gに溶解
させた溶液に36%塩酸45.6gを添加し、晶析させ
た2−アミノ−6−クロロプリンの晶析スラリー500
mLを、実施例1と同様にして、直径9cmのヌッチェ
漏斗を使用して濾取したところ、その濾取には、208
秒間を要した。
【0075】乾燥後、得られた2−アミノ−6−クロロ
プリンの結晶の純度は、97.0%であった。
【0076】得られた2−アミノ−6−クロロプリンの
晶析スラリー中の結晶の平均粒子径は、5μmであっ
た。また、乾燥時には、二次凝集物が生じていた。
【0077】得られた2−アミノ−6−クロロプリンの
結晶1.0gを23℃のN,N−ジメチルホルムアミド
100gに添加し、30分間攪拌したが、二次凝集で生
じた固い固体が溶け残った。
【0078】実施例3および比較例2(従来法)の結果
から、実施例3の方法によれば、従来法と比べて、2−
アミノ−6−クロロプリンの結晶の濾過に要する時間が
大幅に短縮されたことから、2−アミノ−6−クロロプ
リンの結晶は、濾過性に優れたものであることがわか
る。
【0079】また、実施例3および比較例2の結果か
ら、実施例3の方法によれば、N,N−ジメチルホルム
アミドに対する溶解速度が非常に速い2−アミノ−6−
クロロプリンの結晶を得ることができることがわかる。
【0080】実施例4 比較例2で得られた2−アミノ−6−クロロプリン1
7.0g(0.1モル)を2%水酸化ナトリウム水溶液
300.0g(0.15モル)に室温下で溶解させ、2
−アミノ−6−クロロプリン溶液を調製した。
【0081】次に、水100mL、塩化アンモニウム1
6.1g(0.3モル)および28%アンモニア水3
0.4g(0.5モル)を混合し、40〜70℃に加温
し、混合液を調製し、該混合液に前記2−アミノ−6−
クロロプリン溶液を40〜70℃で、1〜2時間かけて
滴下し、2−アミノ−6−クロロプリンを晶析させた。
【0082】滴下終了後、前記2−アミノ−6−クロロ
プリン溶液と前記アンモニアおよび塩化アンモニウムを
含有する水溶液とを混合した混合物を40〜70℃で、
0.5時間攪拌し、室温まで冷却し、前記混合物中に晶
析している2−アミノ−6−クロロプリンの結晶を直径
9cmのヌッチェ漏斗を使用して濾取した。
【0083】濾取した結晶を、水を150mLで2回お
よびメタノール100mLで2回洗浄し、洗浄した結晶
を減圧下で乾燥し、2−アミノ−6−クロロプリンの白
色の結晶15.1g(0.089モル)を得た。2−ア
ミノ−6−クロロプリンの精製収率は、89%であり、
純度は99.7%であった。
【0084】得られた2−アミノ−6−クロロプリンの
晶析スラリー中の結晶の平均粒子径は、実施例1と同様
にして調べたところ、55μmであった。なお、乾燥時
には、二次凝集物が認められなかった。
【0085】次に、得られた2−アミノ−6−ヨードプ
リンの結晶1.0gを23℃のN,N−ジメチルホルム
アミド100gに添加し、攪拌して該結晶が完全に溶解
するまでの時間を調べたところ、7分間を要した。
【0086】実施例4および比較例2(従来法)の結果
から、実施例3の方法によれば、従来法で得られた2−
アミノ−6−クロロプリンの結晶の純度を大幅に向上さ
せることができることがわかる。
【0087】実施例5 製造例3で得られたグアニン45.3g(0.3モル)
を2%水酸化ナトリウム水溶液1200.0g(0.6
モル)に室温下で溶解させ、グアニン溶液を調製した。
【0088】次に、水300mL、塩化アンモニウム4
8.4g(0.9モル)および28%アンモニア水9
1.2g(1.50モル)を混合し、40〜70℃に加
温し、混合液を調製し、該混合液に前記グアニン溶液を
40〜70℃で、1〜2時間かけて滴下し、グアニンを
晶析させた。
【0089】滴下終了後、晶析させた混合物を40〜7
0℃で0.5時間攪拌し、室温まで冷却し、前記混合物
に晶析しているグアニンの結晶を直径9cmのヌッチェ
漏斗を使用して濾取した。グアニンの晶析スラリー50
0mLを濾取する際には、302秒間を要した。
【0090】次に濾取した結晶を水150mLで2回お
よびメタノール100mLで2回洗浄し、洗浄した結晶
を減圧下で乾燥し、グアニンの白色の結晶44.8g
(0.296モル)を得た。グアニンの精製収率は9
8.8%であり、純度は99.5%であった。
【0091】得られたグアニンの晶析スラリー中の結晶
の平均粒子径は、実施例1と同様にして調べたところ、
11μmであった。また、乾燥時には、二次凝集物が認
められなかった。
【0092】なお、得られたグアニンの白色結晶のIR
スペクトルを調べたところ、得られた白色結晶のIRス
ペクトルは、特開昭59−16891号公報に記載の方
法によって得られたグアニンの結晶のIRスペクトルと
一致したことから、得られた白色結晶はグアニンの結晶
であることが確認された。
【0093】比較例3 従来法にしたがって、グアニン15.1gを2%水酸化
ナトリウム水溶液400gに溶解させた溶液に36%塩
酸20.3gを添加し、晶析させたグアニンの晶析スラ
リー500mLを実施例1と同様にして、直径9cmの
ヌッチェ漏斗を使用して濾取したところ、その濾取には
378秒間を要した。乾燥後、得られたグアニンの結晶
の純度は、99.0%であった。
【0094】得られたグラニンの晶析スラリー中の結晶
の平均粒子径は、実施例1と同様にして調べたところ、
1μmであった。なお、乾燥時には、二次凝集が生じて
いた。
【0095】実施例5および比較例3(従来法)の結果
から、実施例5の方法によれば、従来法で得られたグア
ニンの結晶の純度を高め、結晶の濾過速度を向上させる
ことができることがわかる。
【0096】
【発明の効果】本発明の2−アミノ−6置換プリンの精
製方法によれば、比較的大きな粒子径を有する2−アミ
ノ−6置換プリンが得られるので、2−アミノ−6置換
プリンの結晶の二次凝集物を生じがたく、濾過する際の
濾過性に優れ、しかも各種溶媒に対して速い溶解速度を
呈する2−アミノ−6置換プリンの結晶を高純度で得る
ことができるという効果が奏される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、Xは水酸基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素
    原子を示す)で表わされる2−アミノ−6置換プリンを
    アルカリ金属水酸化物の水溶液に溶解させ、得られた2
    −アミノ−6置換プリン溶液と、アンモニアおよび塩化
    アンモニウムを含有する水溶液とを混合することを特徴
    とする2−アミノ−6置換プリンの精製方法。
  2. 【請求項2】 2−アミノ−6置換プリン溶液と、アン
    モニアおよび塩化アンモニウムを含有する水溶液とを混
    合する際のアンモニアおよび塩化アンモニウムを含有す
    る水溶液の温度が40〜70℃である請求項1記載の2
    −アミノ−6置換プリンの精製方法。
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