JPH1160492A - 皮膚病の水性治療薬及びその製造装置 - Google Patents

皮膚病の水性治療薬及びその製造装置

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JPH1160492A
JPH1160492A JP23786897A JP23786897A JPH1160492A JP H1160492 A JPH1160492 A JP H1160492A JP 23786897 A JP23786897 A JP 23786897A JP 23786897 A JP23786897 A JP 23786897A JP H1160492 A JPH1160492 A JP H1160492A
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anode
cathode
copper
pipe
ion
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Yoichi Ishikawa
陽一 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫酸根等の悪影響を及ぼす他の成分を含有せ
ず、制菌金属を定量的に供給し得る皮膚病の水性治療薬
及びその製造装置を提供すること。 【解決手段】 0.005重量ppm以上の制菌金属イ
オン、例えば、銅イオンや銀イオンを含有する皮膚病の
水性治療薬である。水性媒体に接触して配置された陽極
と、この陽極とイオンを介して電気接続された陰極と、
この両極間に直流電流を通電する直流発生手段とを備え
る製造装置である。陽極が制菌金属を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚病、例えば、
水虫やアトピー性皮膚炎等の治療薬及びその製造装置に
係り、更に詳細には、制菌金属を含有する皮膚病の水性
治療薬及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、水虫の治療のために、靴下に
銅繊維を織り込んだり、靴の中敷きに銅を混入すること
が行われており、かかる方法は、皮膚病の治療法として
一般的に用いられ、効果を発揮している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、皮膚に接触する銅イオン濃度を一定に制
御できないという不具合があり、皮膚病治療の最適状態
や再現性を形成・保持することができないという課題が
あった。
【0004】また、銅イオン等の重金属イオンが殺菌力
を有することは知られているが、上記同様にイオン濃度
を一定にすることが困難であり、皮膚病治療には利用で
きないという課題があった。更に、銅イオンを水に溶解
させようとすれば、硫酸銅などの可溶性金属化合物を用
いる場合では、硫酸根等の陰イオンも同時に溶解するの
で、殺菌成分たる銅イオン以外の他の成分が混入してし
まい、これら他の成分の人体への影響が心配である。
【0005】本発明は、このような従来技術の有する課
題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、硫酸根等の悪影響を及ぼす他の成分を含有せず、制
菌金属を定量的に供給し得る皮膚病の水性治療薬及びそ
の製造装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討を加えた結果、制菌金属を含有する
陽極を電気分解することにより、上記課題が解決できる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の皮膚病の水性治療薬は、
0.005重量ppm以上の制菌金属イオンを含有する
ことを特徴とする。また、この水性治療薬の好適形態
は、上記制菌金属イオンが、銅イオン及び/又は銀イオ
ンであることを特徴とする。
【0008】また、本発明の皮膚病の水性治療薬の製造
装置は、水性媒体に接触して配置された陽極と、この陽
極とイオンを介して電気接続された陰極と、この両極間
に直流電流を通電する直流発生手段とを備え、上記陽極
が制菌金属を含有することを特徴とする。更に、この製
造装置の好適形態は、上記直流電流の電流値及び/又は
通電時間を制御する通電制御手段を付加して成ることを
特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
上述の如く、本発明の水性治療薬は、0.005重量p
pmの制菌金属イオンを含有する。制菌金属イオンの含
有量が、0.005重量ppm未満では、意図する効果
を発揮せず、好ましくない。
【0010】ここで、上記制菌金属イオンとしては、水
虫菌などの微生物を殺菌ないしは繁殖抑制できるものを
挙げることができ、例えば、銅イオン、銀イオン、錫イ
オン、亜鉛イオン、クロムイオン又はマンガンイオン及
びこれらの任意の混合物を例示できるが、皮膚に触れて
も毒性がなく、微生物には制菌作用が強い銀及び/又は
銅が好ましい。
【0011】また、本発明の水性治療薬は、上述の制菌
金属イオンを水性媒体に含ませて構成されるが、この水
性媒体としては、水分を含んでいれば十分であり、水道
水や弱イオン強度の食塩水などの特に薬効のない水でも
よいが、抗生物質や各種の薬剤を予め含んだ水でもよ
い。
【0012】なお、本水性治療薬の使用法は、この治療
薬を患部に接触させるようにすればよい。例えば、本水
性治療薬をガーゼ等の保水性を有する担体に担持し、こ
れを患部に接触させてもよいし、本水性治療薬を充填し
た容器等に患部を浸漬してもよい。
【0013】次に、本発明の水性治療薬製造装置につい
て説明する。上述の如く、本発明の製造装置は、制菌金
属を含有する陽極と、この陽極とイオンを介して電気接
続された陰極と、この両極間に直流電流を通電する直流
発生手段とを備え、製造の際には、上記陽極を、制菌金
属イオンを溶解させようとする水性媒体に接触して配置
される。
【0014】ここで、陽極は、電気分解により、上述の
制菌金属イオンを生ずる金属を含有していればよく、具
体的には、銅、銀、錫、亜鉛、クロム又はマンガン等の
制菌金属を含有していればよいが、上述した皮膚及び微
生物に対する毒性・制菌作用の観点からは、銀及び/又
は銅を含有していることが最も好ましい。なお、陽極
は、かかる制菌金属成分を含んでいれば十分であるた
め、制菌金属のみから形成されていてもよいが、これ以
外にも、制菌金属の合金をはじめ、炭素や金属酸化物等
を含んで形成されていてもよい。
【0015】一方、陰極は、導電体である限り、材質を
問われない。例えば、鉄や銅等の単一金属、ステンレス
等の合金や炭素等が使用できる。また、陰極は、イオン
を介して陽極と電気接続されていればよく、即ち、陽極
との間で電気分解を起こせれば十分であり、必ずしも陽
極の近傍に配置する必要はない。
【0016】例えば、上述の水性媒体に浸漬された陽極
に対し、固体電解質などを介在させて陰極を配置しても
よい。また、陰極が収納されている容器中の液体がセラ
ミックス等の液絡を介して、陽極と接触している水性媒
体に接続されていてもよい。なお、陰極では、イオンが
電着したり、水素ガスが発生する反応が起こるが、陰極
が消耗することはない。
【0017】また、陽極と陰極とに直流電流を供給する
直流発生手段は、特に限定されるものではなく、従来公
知の各種直流電源を使用できる。
【0018】更に、陽極が製造に際して接触する水性媒
体は、上述した通りであるが、流水のような流動状態で
あってもよいし、止水のような静的状態であってもよ
い。即ち、流水中に陽極を配置して電解を行い、連続的
に制菌金属イオンを含有する本発明の水性治療薬を製造
してもよいし、止水中に陽極及び陰極を配置して電解を
行い、止水中に制菌金属イオンを溶出させて、本発明の
水性治療薬を製造してもよい。また、制菌金属イオンを
含んだ流水を貯めて止水として用いてもよいのは勿論の
ことである。
【0019】また、本発明においては、皮膚病治療の症
状に応じた最適状態や再現性を確保するためにも、水性
治療薬に含有させる制菌金属イオンの濃度を微調整でき
ることが望ましく、このため、両極間に供給する直流電
流の電流値及び/又は通電時間を制御する通電制御手段
を、上述の製造装置に付加することが好ましい。水性媒
体中に溶出する制菌金属イオン量は、その電流値と時間
の積、即ち、電気量に比例するためである。
【0020】更に、流水中の制菌金属イオン濃度を一定
に保つためには、流水量を計量し、その計量値に比例し
て自動又は手動で電流値を調整すればよい。溶出する金
属イオン量は、96500クーロンで1グラム当量であ
るため、例えば、銅イオンは2価なので、96500ク
ーロンで約32グラムが溶出する。但し、水性媒体に化
学的に溶解する金属イオン量が加算されることもある。
【0021】本発明の製造装置では、治療薬の製造に伴
って陽極が消耗するので寿命があるが、陽極が直流発生
手段との接続部付近から消耗してしまうと、他の部分、
特に接続部から離間する部分が使われないままになって
しまい利用効率が悪くなる。これを防ぐためには、上述
の離間部が陰極に最も近接し、接続部が陰極から最も離
間するように配置すればよく、かかる配置構成とするこ
とにより、陽極が上記離間部から消耗されることにな
り、陽極の利用効率が向上する。即ち、陰極に近い程、
電気抵抗が小さいので、陰極に近い陽極部分から消耗さ
れるのである。
【0022】上述のような配置の典型例としては、棒状
をなす陽極及び陰極の一端を直流発生手段との接続部と
したとき、これら棒状をなす両極間の距離が、接続部か
ら他端に移行するにつれて小さくなって行くような、逆
ハの字の配置を挙げることができる。但し、上述の説明
において、「陰極と近接し」又は「陰極と離間し」と
は、電気分解の際におけるイオンの通り道を想定したと
き、その通り道上での近接・離間を意味しており、必ず
しも単純な物理的配置による距離を問題にするものでは
ない。例えば、陰極が上面を開放したガラス容器に収納
され、このガラス容器の一部に、セラミックス製の液絡
部が陽極と水を介して連結している場合、イオンは液絡
部を介して電気接続されているので、液絡部と陽極まで
の距離が問題となるのである。
【0023】
【実施例】以下、本発明を若干の実施例により更に詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0024】(実施例1)図1は、本発明の治療薬製造
装置の一実施例を示す縦断面図であり、この製造装置
は、図示した中心線A−Aに関して対称形をなすため、
片側のみを図示している。なお、水流の方向は矢印Bの
方向である。図1において、この製造装置は、銅製の陽
極パイプ2と、その内部に収容されたステンレス製の陰
極パイプ7とを備えており、この陽極パイプ2と陰極パ
イプ7は、塩化ビニルパイプ製の給水管1の内部に配置
されている。
【0025】上記給水管1の周面部にはネジ穴3が半径
方向に穿設されており、ステンレス製の雄ネジ4が螺着
されている。雄ネジ4の先端部は陽極パイプ2の外周部
に当接しており、雄ネジ4,4で陽極パイプ2を挾持す
ることにより陽極パイプ2が固定されているとともに、
雄ネジ4が陽極リード端子の機能を果たす。また、給水
管1の内周部には周溝5が設けられており、この周溝5
に装着されたOリング6により、給水管1の内周部と陽
極パイプ7の外周部とが規定する空間14の液密性が確
保されているので、給水管1がネジ穴3を介して漏水す
ることはない。
【0026】一方、陰極パイプ7の周面部にもネジ穴8
が半径方向に穿設されており、上述の雄ネジ4と同様に
給水管1を貫通して螺着されている雄ネジ9の先端部が
陰極パイプの穴8を貫通しており、その外側及び内側か
らナット10及び11により締め付けて挾持することに
より、陰極パイプ7が固定されている。また、ナット1
0及び11は、スプリングワッシャ(図示せず)を介し
て締め付けられており、給水管内の水流等によって陰極
パイプ7が振動しても、ナット10及び11が緩まない
ように構成されている。なお、上記雄ネジ9,9は、上
述の雄ネジ4,4と同様に陰極パイプ7を挾持・固定す
るとともに、陰極リードの機能を果たす。雄ネジ9と給
水管1との間にはOリング12が装着されており、給水
管1の漏水を防止している。
【0027】また、上記陽極パイプ2の端部には、フラ
ンジ付きの塩化ビニルパイプ13が挿入されており、こ
のパイプ13により被覆されている陽極パイプ2の内周
部の一部は、電気分解により消耗することがないので、
該内周部の他の部分が電気分解により消耗しても陽極パ
イプ2の強度が保障され、Oリング6のシール性を維持
できるとともに、雄ネジ4の陽極パイプ2との電気接続
をも維持できる。
【0028】なお、以上に説明した本実施例の治療薬製
造装置は、陽極パイプ2と陰極7とに電圧を印加する電
源(図示せず)を備えており、この印加電圧により両極
間に直流電流を流して電気分解を行えば、この電流に比
例して陽極パイプ2から銅イオンを発生させることがで
きる。
【0029】次に、上述の製造装置を構成する部材の材
質等について説明すると、陽極パイプ2の材質として
は、銅を含有していれば十分であり、純銅のみならず銅
合金や他の成分を含有するものであってもよい。陰極パ
イプ7並びに雄ネジ4及び9については、導電性を有す
る材料であれば十分であり、ステンレス以外の銅その他
の金属やカーボン等でも使用可能である。また、給水管
1は、防水性を有すれば十分であり、塩化ビニルのみな
らず種々のセラミックスや樹脂等を使用できる。
【0030】また、陰極パイプ7の外周部から内周部に
貫通する孔部15を設けることも可能であり(図1参
照)、この孔部15を穿設することにより、陽極パイプ
2から発生した銅イオンが陰極パイプ7の内部に到達し
易くなり、陰極パイプ7の内部に微生物などが付着する
のを防止し易くなる。
【0031】なお、陽極パイプ2と陰極パイプ7との間
に電流を流す電源を、ON・OFF可能な可変電源とす
れば、間欠的に通水させる場合、これに応じて電源をO
N・OFFでき、電気エネルギを効率よく利用すること
ができる。更に、流速センサを付加して流速を検出し、
これに応じて電流値を変化させることにより、銅イオン
の溶出量を一層精密に制御することが可能になる。更に
また、かかる電源の通電方向を切り換え可能とし、陽極
及び陰極の双方を銅や銅合金とすれば、電極の片減りを
防止でき、電極の寿命を延ばすことも可能である。
【0032】(実施例2)図2は、本発明の治療薬製造
装置の他の実施例を示す断面図である。同図において、
導電性パイプ21は、給水用ホース31、31間に挿入
されており、その内部には陽極固定具22が配設されて
おり、陽極銅棒24の端部はこの固定具の凹部23に嵌
入され、金属ネジ25で螺着・固定されている。金属ネ
ジ25には、被覆リード線26の末端が半田付け等によ
り電気接続されており、半田付け部は接着剤27で絶縁
被覆されている。なお、被覆リード線26は、液密性を
保持した状態で導電性パイプ21を貫通して外部に出さ
れており、銅棒(陽極)24のリード線として機能す
る。
【0033】また、銅棒24の他端も、導電性パイプ2
1の内部に挿入配置されているプラスチック製陽極固定
具28に、金属又はプラスチック製ネジ29で固定され
ている。ネジ29が金属製の場合には、金属が露出しな
いように上記同様に接着剤等で被覆した方がよい。な
お、上述した陽極固定具22及び28には、通水孔30
が複数個穿設されており、給水用ホース31を流れる水
と上記導電性パイプ21及び銅棒24との接触を確保で
きる構成となっている。
【0034】本実施例の装置において、給水用ホース3
1に噴霧用の水を通水しながら銅棒24と導電性パイプ
21との間に直流電流を通電すると、噴霧用の水に銅イ
オンが供給され、この銅イオンを含有する水(治療薬)
が放出されるので、患部に治療薬を噴霧することができ
る。
【0035】また、本装置では、水の出口(噴霧用出
口)を、導電性パイプ21内を水が下から上へ流れるよ
うに配置することが望ましい。かかる配置とすることに
より、導電性パイプ21中に空気が侵入してきた場合に
空気を迅速に排出でき、空気がパイプ21内に滞留する
のを防止できる。このことは、空気がパイプ21内で銅
棒24に接触していると、この接触部では電気分解が起
こらず、銅棒が平均的に消耗しなくなることを回避する
のに有効である。無論、このように空気が電極に接触し
ていれば、電気分解に関する有効面積が減少して同一量
の電流を供給するに当たり高い電圧を必要とするという
欠点も生ずるが、上述の配置とすれば、かかる欠点も克
服できる。
【0036】なお、電気分解に供する電界電流を通水速
度に比例させると、一定濃度の銅イオン含有治療薬を製
造できる。通水速度を計測したり制御したりできる装置
は各種市販されており、例えば、通水路中に配置した水
車が通水速度に比例して回転することを利用した計測装
置や、発熱体の除熱速度から流量を算出する計測装置が
知られている。本発明では、このような計測装置による
流量計測値に比例連動して電流値や電流供給時間を制御
することにより、治療薬中の銅イオン濃度をほぼ一定に
保つことが可能である。
【0037】また、上記導電性パイプ21内に供給され
た銅イオンは、このパイプを通過した直後には、半径方
向に均一な濃度分布を有さないので、導電性パイプ21
の下流にスタティックミキサーを配置して混合を行うこ
とは均一な銅イオン濃度分布を達成するのに有効であ
る。
【0038】(実施例3)図3は、本発明の治療薬製造
装置の更に他の実施例を部分的に示す側面図である。同
図において、この製造装置は、平板状の第1電極41
(銅板)及び第2電極42(銀板)と、これら両極と図
示しない電流発生手段とを接続するリード45,46と
を備えている。また、リード45,46と電極41,4
2とは、樹脂製の端子カバー43,44を介して液密に
接続されている。更に、電極41及び42は、勾配部4
7aを有するプラスチック製の網籠47に収容されてお
り、リード45及び46から離間するに従って電極間距
離が小さくなるように配置されている。なお、本実施例
において、勾配部47aの勾配は2/100である。
【0039】この製造装置による治療薬の製造におい
て、銅板41が消耗する様子を観察すると、リード4
5、46から離れた部分が主に消費され、消耗部分が徐
々にリード近傍に移行してゆくので、電極間に勾配をつ
けることの有効性を確認できた。この場合、勾配、即ち
(電極間距離の差/電極長さ)を1/100とすると、
電極が有効に利用されず、切れて脱落する部分も生ずる
ので、勾配は2/100以上とするのが望ましい。
【0040】図4は、本製造装置の電源ユニットの構成
を示す概略ブロック図である。同図において、本装置で
は、定電流源51から発生した電流は、タイマーユニッ
ト52により一定時間毎に極性が切り換えられる構成と
なっている。また、端子53及び54は、それぞれ図3
のリード45及び46のいずれかに接続され、上述のよ
うに電流の極性が切り換えられることにより、第1電極
41及び第2電極42の極性が切り換えられ、両電極が
交互に陽極及び陰極の機能を果たすことが可能になる。
なお、タイマー52は、必ずしも等時間で切り換える構
成とする必要はなく、皮膚病の症状に応じて有効な濃度
をそれぞれ供給するよう時間を異ならせてもよい。勿
論、切り換え時間を同一にして極性を変える度に電流値
を変えてもよいし、電流を発生しない休止時間を設けて
もよい。
【0041】以上のように、本装置では、銅板41(第
1電極)及び銀板42(第2電極)から交互に銅イオン
又は銀イオンを溶出させることができる。更に、本装置
において、電流を流す電源を、ON・OFF可能な可変
電源とすれば、間欠的に通水させる場合、これに応じて
電源をON・OFFでき、電気エネルギを効率よく利用
することができる。更に、流速センサを付加して流速を
検出することもでき、これに応じて電流値を変化させる
ことにより、各種金属イオンの供給を一層精密に制御す
ることが可能になる。
【0042】なお、リード45及び46については、液
体に接しないように被覆されており導電性を有する材料
であれば十分であり、ステンレス、銅その他の金属やカ
ーボン等でも使用可能である。
【0043】(実施例4)実施例3に示す製造装置を用
いて、0.1重量%の食塩水中に1〜2ppmの銅イオ
ンを含む水性治療薬を製造し、水虫に罹った足を毎日3
0分間浸漬したところ、約10日間で殆ど水虫が治癒し
た。なお、銅イオンの水道水中での規制値は1ppmで
あり、上記治療薬は何等害にはならない。
【0044】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、制菌金属を含有する陽極を電気分解することとした
ため、硫酸根等の悪影響を及ぼす他の成分を含有せず、
制菌金属を定量的に供給し得る皮膚病の水性治療薬及び
その製造装置を提供することができる。よって、本発明
の皮膚病の水性治療薬製造装置を用いると、家庭でも再
現性のある治療薬を作ることができ、従って、再現性の
ある治療効果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造装置の一実施例を示す部分縦断面
図である。
【図2】本発明の製造装置の他の実施例を示す断面図で
ある。
【図3】本発明の製造装置の更に他の実施例を示す部分
側面図である。
【図4】図3に示した装置の電源ユニットの構成を示す
概略ブロック図である。
【符号の説明】
1 給水管 2 陽極パイプ 3 ネジ穴 4 陽極リード端子 5 周溝 6 Oリング 7 陰極パイプ 8 穴 9 陰極リード端子 10 ナット 11 ナット 12 Oリング 13 フランジ付きパイプ 14 空間 21 導電性パイプ 22 陽極固定具 23 凹部 24 銅棒 25 ネジ 26 被覆リード線 27 接着剤 28 陽極固定具 30 通水孔 31 給水用ホース 41 第1電極 42 第2電極 43、44 端子カバー 46 リード 47 網籠 51 定電流源 52 タイマーユニット 53、54 端子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.005重量ppm以上の制菌金属イ
    オンを含有することを特徴とする皮膚病の水性治療薬。
  2. 【請求項2】 上記制菌金属イオンが、銅イオン及び/
    又は銀イオンであることを特徴とする請求項1記載の皮
    膚病の水性治療薬。
  3. 【請求項3】 水性媒体に接触して配置された陽極と、
    この陽極とイオンを介して電気接続された陰極と、この
    両極間に直流電流を通電する直流発生手段とを備え、上
    記陽極が制菌金属を含有することを特徴とする皮膚病の
    水性治療薬製造装置。
  4. 【請求項4】 上記制菌金属が、銀及び/又は銅である
    ことを特徴とする請求項3記載の皮膚病の水性治療薬製
    造装置。
  5. 【請求項5】 上記直流電流の電流値及び/又は通電時
    間を制御する通電制御手段を付加して成ることを特徴と
    する請求項3又は4記載の皮膚病の水性治療薬製造装
    置。
  6. 【請求項6】 上記陽極において、上記直流発生手段と
    の接続部に対する離間部が上記陰極と近接し、且つこの
    接続部が上記陰極と離間して配置されていることを特徴
    とする請求項3〜5のいずれか1つの項に記載の皮膚病
    の水性治療薬製造装置。
JP23786897A 1997-08-20 1997-08-20 皮膚病の水性治療薬及びその製造装置 Pending JPH1160492A (ja)

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JP2011231052A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Kracie Home Products Ltd 皮膚外用剤組成物
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