JPH1160421A - 害虫駆除剤 - Google Patents

害虫駆除剤

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JPH1160421A
JPH1160421A JP9228660A JP22866097A JPH1160421A JP H1160421 A JPH1160421 A JP H1160421A JP 9228660 A JP9228660 A JP 9228660A JP 22866097 A JP22866097 A JP 22866097A JP H1160421 A JPH1160421 A JP H1160421A
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oil
essential oil
pesticidal composition
composition according
thyme
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JP9228660A
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Shigeharu Inoue
重治 井上
Keiichi Imamura
圭一 今村
Juichi Ito
寿一 伊藤
Hideyo Yamaguchi
英世 山口
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性の高い害虫駆除剤を提供すること 【解決手段】 精油の中で,しそ油、シナモンバーク、
レモングラ−ス、タイムに殺虫作用があり、しそ油、シ
ナモンバーク、ラベンダー、タイムに誘因作用があり、
ラベンダー、タイム、テイ−トリー油に忌避作用があ
り、安全性が高く、害虫を駆除する薬剤を見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衛生上有害な昆虫を
駆除するための薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術】古来よりイエバエ、ゴキブリなどの昆虫
は、人の居住場所に好んで生息し、腐った動植物を好
み、新鮮食品や腐敗物の区別なく接触するために、有害
病原菌を媒介するばかりでなく、それ自体の排泄物によ
る汚染、アレルギー抗原としての残骸物、さらには精神
的不快感をもたらす。このため、これらの衛生害虫の駆
除のため色々試みられている。代表的な方法の一つは衛
生害虫を1頭づつ捕獲する方法で、粘着テ−プによるも
の、有害な薬を含有した毒餌を用いるものなどがある。
しかし、これら衛生害虫の繁殖力が大きいので、個々に
捕獲しても全体としての数の削減には限界がある。台所
などの壁面や柱に中枢神経毒を中心とした殺虫剤を塗布
したり、直接害虫に殺虫剤を噴霧したりする方法も知ら
れているが、人体にも有害なので格別の注意が必要で、
かつ駆除が不完全である。
【0003】また、ホルマリンやエチレンオキサイドの
ようなガスが害虫駆除剤として用いられてきた。更に、
最近は合成の燻煙剤や加熱蒸散剤が用いられてきた。し
かし、これらのガス害虫駆除剤の蒸気は、人体に有害で
ある。
【0004】精油にはしそ油、シナモンバ−ク、レモン
グラ−ス、タイムなどがある。タイムの主要成分である
フェノ−ル類に関しては、吸入試験で血中に検出されず
(G.Buchbauer,et al: J. Pharm.Sci. 82, No.6, 660-66
4, 1993)、レモングラ−スの主成分であるシトラ−ルに
関しては、ラットの吸入試験で安全性が確かめられた
(C.L.Gaworski, et al: Fd. Chem. Toxic. 30, N0.4, 2
69-275, 1992) 。しかし、精油が害虫駆除作用のあるこ
とはいまだ報告されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は安全か
つ有効で新規な害虫駆除剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記の目的
で、鋭意研究を重ねた結果、精油の中に害虫駆除作用を
示すものがあり、人に対し、安全性の高い害虫駆除剤を
見いだし、本発明に至った。
【0007】精油について衛生害虫に対する作用を調べ
た結果、二種類の作用形式のあることを見いだした。一
つは精油の蒸気により衛生害虫を直接殺虫する作用で、
もうひとつは精油蒸気による誘引または忌避による駆除
作用である。精油とは種々の植物体から水蒸気蒸留また
は加圧圧搾によって得られる芳香を有する揮発性油状物
である。例えば、各種ラベンダー、しそ油、シナモンバ
−ク、レモングラ−ス、ティ−トリ−油、タイムなどが
挙げられる。また、対象となる衛生害虫としてはイエバ
エ、ゴキブリ、ウンカ、アブ、ブヨ、ワクモ、ノミ、シ
ラミ、ハムシ、イガ、シミ、シロアリ、蚊、ダニ等が挙
げられる。さらにそれらの精油の主成分であるリナロー
ル、ペリルアルデヒド、シンナムアルデヒド、シトラ−
ル、テルピネン−4−オ−ル、オクチルアルデヒド、カ
ルバクロ−ル、チモ−ル等を用いても同様な効果が認め
られる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は殺虫剤として用いる場合
は、精油またはその有効成分を0.05mg/L-10mg/Lの蒸気
濃度で暴露する。最適な施用量は使用する精油および対
象となる害虫の種類によって異なが、例えばイエバエの
場合、しそ油とレモングラ−スは0.1 mg/L−10mg/L、シ
ナモンバ−クは0.05mg/L−1mg/L、タイムは0.075 mg/L
−1mg/Lの蒸気濃度が好ましい。ゴキブリの場合には精
油の濃度はイエバエの10倍またはそれ以上の高濃度を
必要とする。ゴキブリの場合は2時間以上の長期の暴露
が必要である。また、精油蒸気の濃度を高めれば、作用
の発現時間は短縮される。
【0009】処理は密閉された空間の方が好ましく、温
度は室温で施行する。この点、蒸気濃度の高い夏場が有
利である。また処理する方法としては、精油またはその
有効成分を含む容器から自然気化または加熱気化させて
くん煙したり、50-100% アルコ−ルを含む溶液やエアゾ
ル剤として噴霧することがあげられる。適用場所は、衛
生害虫のいるすべての場所が含まれる。例えば、穀物・
食品の保管場所、台所や風呂場、居間などがあげられ
る。
【0010】本発明で精油を害虫の誘引剤ないし忌避剤
として用いる場合は、イエバエに対してはシナモンバ−
ク、ラベンダ−、しそ油、タイムなどが利用できる。適
用の方法は、精油それ自体を、精油濃度が1mg/L-10mg/L
の濃度になる量を適用場所の片隅に置く。イエバエの場
合、誘引効果は麻痺する直前に最も強く働くので、使用
量は害虫を麻痺ないし殺す蒸気濃度が好ましい。そうす
れば、麻痺作用と誘引作用が同時に働いて害虫を一挙に
一か所に回収できる利点がある。ゴキブリの場合の誘引
剤としてはシナモンバークまたはその主成分のシンナム
アルデヒドが利用できる。 一方、ゴキブリの忌避剤と
しては、ラベンダ−類(富良野ラベンダ−、真正ラベン
ダ−、ラバンジン・ラベンダ−など)、タイム、ティ−
トリ−油、およびそれらの成分であるリナロ−ル、テル
ピネン−4−オ−ル、カルバクロ−ル、オクチルアルデ
ヒドなどが利用できる。
【0011】
【実施例】本発明を以下の実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0012】実施例1 羽化後1 週間のイエバエ(Musca domestica L.,平均体
重、13.1mg) を10ないし30頭を1 群として、容量1.3Lの
タイトボックス( ジャレ−社製) に入れ、5%砂糖水を脱
脂綿に浸して与えた。一定量の精油をつけた直径7cm の
濾紙を添加して、15分毎に飛翔可能なイエバエ数を数え
て、式1に従い、表1及び表2に示す結果を得た。しそ
油、レモングラースでは1mg/Lから10mg/Lの添加量で、
ペリルアルデヒド、シトラールは5 mg/Lで、シナモンバ
ーク、タイム、シンナムアルデヒド、カルバクロール、
チモールでは1mg/Lの添加量でイエバエに対して顕著な
殺虫効果を示した。
【0013】
【数1】
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】実施例2 実施例1 と同様に、イエバエを1.3Lタイトボックスに収
容し、5%砂糖水の他に一定量の精油を小型ガラスシャ
−レ( 内径2.4cm)に入れて、15分毎に式1によるイエバ
エの飛翔可能率と式2による小型シャ−レへの誘引率を
観測して、表3および表4に示す結果を得た。富良野ラ
ベンダーおよびしそ油は20mg/Lの添加量で、共に暴露時
間が長くなるに従って飛翔可能率は減少し、逆に誘因率
は時間と共に増大した。暴露時間が90分では飛翔可能
率は0%となり、誘因率は60−80%であった。ま
た、シナモンバークおよびタイムは20mg/Lの添加量で、
暴露時間が240分では飛翔可能率は0%となり、誘因
率は60−100%であった。
【0017】
【数2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】実施例3 平均体重90mgのチャバネゴキブリ成虫(Blattella ge
rmanica L.) を一群10頭として、容量1.3Lのタイトボッ
クス( ジャレ−社製) に入れ、5%砂糖水を脱脂綿に浸し
て餌として与えた。一定量の植物精油をつけた直径7cm
の濾紙を添加して、1 時間ごとに歩行可能な虫数を数え
て、式3による歩行可能率を計算して表5に示す結果を
得た。ゆず油、しそ油、テイ―トリー油、リモネン、テ
ルピネン−4−オール、ペリルアルデヒド、オクチルア
ルデヒドはそれぞれ時間とともにチャバネゴキブリの歩
行能を抑制した。それらの精油もしくはそれらの主成分
は18時間の暴露後、正常の場合の20−70%に抑制
した。但し、コントロールとは5%砂糖水のみを添加した
場合である。
【0021】
【数3】
【0022】
【表5】
【0023】実施例4 直径7cm 、高さ9cm のガラスビ−カ−(200ml) の外側を
円筒濾紙で覆い、ゴキブリの逃亡を防ぐために内側最上
部4cm にうすくマ−ガリンを塗布したゴキブリトラップ
に、精油5μlを含むプラスチック・チップ( 長さ5cm)を
いれた。このトラップをチャバネゴキブリを高密度に繁
殖させた恒温室( 室温26℃)に一夜放置し、中に入った
成虫および幼虫数を数えて、表6と表7に示す結果を得
た。但し、コントロールは精油を添加していないもので
ある。表6からわかるように、富良野ラベンダー、真正
ラベンダー、ラバンジンラベンダー、テイ―トリー油、
タイム、リナロール、テルピネン−4−オール、カルバ
クロール、オクチルアルデヒドは成虫についてはコント
ロールの0%から24%に、幼虫では0%から49%に
ゴキブリトラップに集まるチャバネゴキブリの数を抑制
し、これらの精油またはその主成分はゴキブリの忌避作
用を示した。なお、コントロールの数は成虫では94匹
から239匹であり、幼虫では142匹から481匹で
ある。また、シナモンバークおよびシンナムアルデヒド
は成虫ではコントロールの1.3から2.6倍、また幼
虫では1.5倍から5.8倍のチャバネゴキブリをゴキ
ブリトラップに集め、誘引作用を示した。なお、コント
ロールの数は成虫では7匹から148匹であり、幼虫で
は25匹から377匹である。
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】製剤例1
【0027】毒性試験 これらの精油の安全性に関しては、雄性ICRマウス(4
週令)を用いた吸入試験で、しそ油およびシナモンバ−
クは、10mg/Lの精油負荷( 最大蒸気濃度はしそ油で0.3
μg/cc, シナモンバ−クで0.1 μg/cc) で、1 週間連続
吸入させた後でも血中および脳中には精油を検出せず、
主要臓器の病理所見を検索しても異常が見られなかっ
た。
【発明の効果】本発明は、安全性の高い、害虫駆除剤と
して有用である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】精油またはその成分を1種以上有効成分と
    して含有する害虫駆除剤。
  2. 【請求項2】殺虫作用による請求項1記載の害虫駆除
    剤。
  3. 【請求項3】昆虫の誘因作用による請求項1記載の害虫
    駆除剤。
  4. 【請求項4】昆虫の忌避作用による請求項1記載の害虫
    駆除剤。
  5. 【請求項5】精油がしそ油、シナモンバ−ク、レモング
    ラ−ス、タイムである請求項2記載の害虫駆除剤。
  6. 【請求項6】精油成分がペリルアルデヒド、シンナムア
    ルデヒド、シトラール、カルバクロ−ル、チモ−ル、オ
    クチルアルデヒドである請求項2記載の害虫駆除剤。
  7. 【請求項7】精油がシナモンバ−ク、ラベンダ−、しそ
    油、タイムである請求項3記載の害虫駆除剤。
  8. 【請求項8】精油成分がシンナムアルデヒドである請求
    項3記載の害虫駆除剤。
  9. 【請求項9】精油としてラベンダ−、タイム、ティ−ト
    リ−油である請求項4記載の害虫駆除剤。
  10. 【請求項10】精油成分がリナロ−ル、カルバクロ−
    ル、テルピネン−4−オ−ル、オクチルアルデヒドであ
    る請求項4記載の害虫駆除剤。
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