JPH115951A - 含フッ素樹脂水性分散組成物および塗装物 - Google Patents

含フッ素樹脂水性分散組成物および塗装物

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JPH115951A
JPH115951A JP9215264A JP21526497A JPH115951A JP H115951 A JPH115951 A JP H115951A JP 9215264 A JP9215264 A JP 9215264A JP 21526497 A JP21526497 A JP 21526497A JP H115951 A JPH115951 A JP H115951A
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克彦 井本
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大 長門
Hiroo Mitsuhata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非汚染付着性、耐候性、可撓性に優れた塗膜
を与える水性塗料用の含フッ素樹脂水性分散組成物を提
供する。 【解決手段】 含フッ素樹脂水性分散液と水溶性ケイ酸
塩、さらに要すれば該水溶性ケイ酸塩の硬化剤を含む含
フッ素樹脂水性分散組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非汚染付着性、耐候
性、可撓性に優れた水性塗料として有用な含フッ素樹脂
水性分散組成物および該組成物よりえられる塗膜を有す
る塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】含フッ素樹脂水性分散液を含む水性分散
組成物は、塗膜に非汚染付着性や耐候性を与えることか
ら水性塗料の原料として用いることが提案されている。
【0003】たとえば特開平8−259892号公報に
は4官能シリケートを水性塗料に配合した塗料組成物が
開示されている。また、特開平8−120211号公報
には、含フッ素樹脂水性分散液に3官能以下のオルガノ
シリケートを配合した水性分散組成物が開示されてお
り、特公平8−120210号公報には、含フッ素樹脂
水性分散液にコロイダルシリカを配合した水性分散組成
物が開示されている。
【0004】4官能シリケートを配合した水性塗料(特
開平8−259892号公報)は安定性が実用上充分で
はなく、さらにポットライフも短い。含フッ素樹脂水性
分散液を用いる組成物(特開平8−120211号、同
8−120210号)では実用レベルの安定性、非汚染
付着性、耐候性および可撓性を有してはいるが、さらな
る向上が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は含フッ素樹脂
水性分散組成物の安定性を高め、またそれを用いて形成
した塗膜の非汚染付着性、耐候性、可撓性について検討
を重ねたところ、水溶性ケイ酸塩を配合するときは、こ
れらの性質が向上することを見出した。
【0006】水溶性ケイ酸塩の1つであるケイ酸リチウ
ムを無機系基材の浸透性、密着性の向上の目的で配合し
た水性樹脂組成物が特開平2−308887号公報に開
示されているが、非フッ素系の樹脂であるビニル共重合
体に関するものであり、含フッ素樹脂に固有の性質であ
る耐候性については言及されていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、含フ
ッ素樹脂水性分散液および水溶性ケイ酸塩を含む含フッ
素樹脂水性分散組成物に関する。
【0008】また、本発明は、さらに水溶性ケイ酸塩の
硬化剤の少なくとも1種を含む含フッ素樹脂水性分散組
成物に関する。
【0009】前記含フッ素樹脂は、加水分解性シリル
基、水酸基、エポキシ基およびカルボキシル基よりなる
群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する含フッ
素樹脂であるのが好ましい。
【0010】本発明はさらに、前記水性分散組成物より
えられる塗膜を有する塗装物に関する。
【0011】本発明において含フッ素樹脂水性分散液
は、含フッ素樹脂粒子が水中に安定して分散している水
性分散液であり、かかる含フッ素樹脂水性分散液自体は
公知のものである(たとえば前記特開平8−12021
0号、特開平8−120211号、特開平4−7784
号、特開平7−258499号各公報など)。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いる含フッ素樹脂水性
分散液を形成する含フッ素樹脂粒子としては、フルオロ
オレフィンの重合体(1)、フルオロオレフィンと該フ
ルオロオレフィンと共重合可能な単量体との共重合体
(2)、これらの重合体と非フッ素系樹脂との複合化樹
脂(3)などの粒子があげられる。
【0013】フルオロオレフィンとしては、たとえばフ
ッ化ビニル、ビニリデンフルオライド(VdF)、テト
ラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエ
チレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HF
P)、トリフルオロエチレンなどの炭素数2〜4のフル
オレフィンがあげられる。
【0014】フルオロオレフィンの重合体(1)として
は、これらのフルオロオレフィンの単独重合体、または
2種以上のフルオロオレフィンの共重合体があげられ
る。具体的には、VdF、TFE、CTFEなどの単独
重合体、VdF/TFE共重合体、VdF/HFP共重
合体、VdF/CTFE共重合体、VdF/TFE/C
TFE共重合体、VdF/TFE/HFP共重合体、T
FE/HFP共重合体などがあげられる。
【0015】フルオロオレフィンの重合体(1)粒子の
水性分散液は通常の乳化重合によって製造できる。たと
えば、水に対して5%(重量%。以下、特記しない限り
同様)以下、好ましくは1%以下の乳化剤の存在下、前
記フルオロオレフィンを常法により乳化重合することに
よりえられる。
【0016】この際使用する水は、脱イオン水であるこ
とが好ましい。また、乳化剤はフッ素系の界面活性剤で
あることが好ましい。さらに、反応性のフッ素系乳化剤
を使用することもできる。また、非フッ素系のノニオン
性乳化剤を微量併用することもできる。
【0017】本発明におけるフッ素系乳化剤とは、構造
中にフッ素原子を含み界面活性能を有する1種あるいは
2種以上の混合物のことである。たとえば、X(C
2)nCOOH(nは6〜20の整数、XはF、H)
で示される酸およびその金属塩、アンモニウム塩、アミ
ン塩または第4アンモニウム塩;Y(CH2CF2)mC
OOH(mは6〜13の整数、YはF、Cl)で示され
る酸およびその金属塩、アンモニウム塩、アミン塩また
は第4アンモニウム塩などが例示される。また、特開平
8−67795号公報に例示されている反応性乳化剤の
単独使用、あるいは上記フッ素系乳化剤と併用して使用
することもできる。また、特開平7−90153号公報
に記載の非フッ素系ノニオン性乳化剤を併用することも
できる。
【0018】つぎに前記フルオロオレフィンと該フルオ
ロオレフィンと共重合可能な単量体との共重合体(2)
について説明する。
【0019】前記フルオロオレフィンと共重合可能な単
量体としては、たとえばエチレン;プロピレン、イソブ
チレンなどのαオレフィン類;エチルビニルエーテル
(EVE)、シクロヘキシルビニルエーテル(CHV
E)、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、
ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、メ
チルビニルエーテル、ポリオキシエチレンビニルエーテ
ルなどのビニルエーテル類;ポリオキシエチレンアリル
エーテル、エチルアリルエーテル、ヒドロキシエチルア
リルエーテルなどのアリルエーテル類;アリルアルコー
ル、ジアリルアルコール、オイゲノールなどのアリルア
ルコール類;酢酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニル、ピ
バリン酸ビニル、安息香酸ビニル、VEOVA9、VE
OVA10(シェル化学社の製品名)などのビニルエス
テル類;アセト酢酸アリルなどのアリルエステル類;無
水イタコン酸、無水コハク酸、クロトン酸などのエチレ
ン性不飽和カルボン酸類などがあげられる。特に、エチ
レン、α−オレフィン類、ビニルエーテル類、ビニルエ
ステル類、アリルエーテル類、アリルエステル類が好ま
しく使用される。
【0020】フルオロオレフィンと該フルオロオレフィ
ンと共重合可能な単量体の共重合体(2)としては、T
FE/プロピレン共重合体、TFE/エチレン共重合
体、TFE/各種ビニルエステル共重合体、TFE/各
種ビニルエーテル共重合体、HFP/各種ビニルエーテ
ル共重合体、HFP/各種ビニルエステル共重合体、C
TFE/各種ビニルエーテル共重合体などが例示され、
さらにこれらの共重合体に変性モノマーとして前記フル
オロオレフィンと共重合可能な単量体を30モル%以下
含む3元以上の共重合体などが例示されている。
【0021】これらのフルオロオレフィンと該フルオロ
オレフィンと共重合可能な単量体の共重合体中には、フ
ルオロオレフィン単量体が20〜80モル%含まれてい
ることが好ましい。
【0022】フルオロオレフィン単量体が20モル%未
満では耐候性が充分に発揮されず、80モル%を超える
と塗料化して塗膜を形成した際に外観が低下するため好
ましくない。
【0023】フルオロオレフィンの共重合体(2)粒子
の水性分散液は、たとえばフルオロオレフィンの重合体
(1)粒子の水性分散液の製造法と同様の乳化重合法で
製造できる。
【0024】該フルオロオレフィンとフルオロオレフィ
ンと共重合可能な単量体の共重合体は水酸基、エポキシ
基、カルボキシル基および加水分解性シリル基よりなる
群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有しているの
が好ましい。さらに、この中でも水溶性ケイ酸塩および
無機添加剤との相溶性が向上し、その結果、塗膜の硬度
の向上、クリアー塗膜の透明性の向上などがえられると
いう観点から、加水分解性シリル基を有しているのがよ
り好ましい。かかる官能基を導入するために好ましい単
量体としては、水酸基を含む単量体としてはHBVEな
どの水酸基含有ビニルエーテル類;アリルアルコール、
ヒドロキシエチルアリルエーテルなどの水酸基含有アリ
ル化合物;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリルエ
ステル類などが例示され、またエポキシ基を導入するた
めのグリシジル基含有単量体としてはアリルグリシジル
エーテル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどが、カル
ボキシル基含有単量体としてはアクリル酸、メタクリル
酸、コハク酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マ
レイン酸などが、加水分解性シリル基を含有する単量体
としてはγメタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ
メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γメ
タクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシランなどのアルコキシシリル基含有モノ
マーがあげられる。
【0025】つぎに本発明で用いうる含フッ素樹脂の1
つである複合化樹脂(3)について説明する。
【0026】前記重合体(1)または共重合体(2)と
フッ素原子を含まない樹脂との複合化樹脂の例として
は、前記フルオロオレフィンの重合体(1)またはフル
オロオレフィンと該フルオロオレフィンと共重合可能な
単量体の共重合体(2)の粒子の存在下、水媒体中でラ
ジカル重合性を有する不飽和結合をもつ単量体をシード
重合してえられるフッ素系複合化樹脂などが例示され
る。
【0027】前記ラジカル重合性を有する不飽和結合を
もつ単量体としては、アルキル基の炭素数が1〜18の
アクリル酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数が1
〜18のメタクリル酸アルキルエステル、これらと共重
合可能なエチレン性不飽和単位を有する単量体などがあ
げられる。
【0028】アルキル基の炭素数が1〜18のアクリル
基アルキルエステルとしては、たとえばアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸ラウリルなどをあげること
ができる。
【0029】またアルキル基の炭素数が1〜18のメタ
クリル酸アルキルエステルとしては、たとえばメタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリ
ルなどをあげることができる。
【0030】また、耐溶剤性、耐水性の向上の目的で、
エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリ
コールジメタクリレートなどの多官能性単量体を共重合
することもできる。
【0031】上記アクリル酸エステルおよび/またはメ
タクリル酸エステルと共重合可能なエチレン性不飽和単
位を有する単量体としては、たとえばエチレン;プロピ
レン、イソブチレンなどのαオレフィン類;エチルビニ
ルエーテル(EVE)、シクロヘキシルビニルエーテル
(CHVE)、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HB
VE)、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル、メチルビニルエーテル、ポリオキシエチレンビニ
ルエーテルなどのビニルエーテル類;ポリオキシエチレ
ンアリルエーテル、エチルアリルエーテル、ヒドロキシ
エチルアリルエーテルなどのアリルエーテル類;アリル
アルコール、ジアリルアルコール、オイゲノールなどの
アリルアルコール類;アセト酢酸アリルなどのアリルエ
ステル類;酢酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニル、ピバ
リン酸ビニル、安息香酸ビニル、VEOVA9、VEO
VA10(シェル化学社の製品名)などのビニルエステ
ル類;無水イタコン酸、無水コハク酸、クロトン酸など
のエチレン性不飽和カルボン酸類;スチレン、αメチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレンなどの芳香族
ビニル化合物類;アクリロニトリルなどをあげることが
できる。
【0032】シード粒子となる重合体(1)または共重
合体(2)のうちシード重合の際に前記アクリル系モノ
マーと相溶性のよいことから、VdF系のフルオロオレ
フィン重合体(1)が好ましく、さらに好ましくはVd
F単位を50モル%以上含む重合体(1)が好ましい。
【0033】また本発明において複合化樹脂(3)に
は、複合化樹脂全体に対する前記重合体(1)または共
重合体(2)が20〜90モル%含まれていることが好
ましい。
【0034】フルオロオレフィン単量体が20モル%未
満では、耐候性が充分に発揮されず、90モル%を超え
ると塗料化して塗膜を形成した際に外観が低下するため
好ましくない。
【0035】また本発明において前記複合化樹脂(3)
には、シード重合の過程で、水酸基、エポキシ基、カル
ボキシル基および加水分解性シリル基よりなる群から選
ばれた少なくとも1種の官能基を含有する単量体を使用
し、複合化樹脂全体に対して0.1〜30モル%の前記
官能基を導入することが好ましい。好ましい水酸基含有
単量体としては、HBVEなどの水酸基含有ビニルエー
テル類;アリルアルコール、ヒドロキシエチルアリルエ
ーテルなどの水酸基含有アリル化合物;ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなど
の水酸基含有(メタ)アクリレート類などが例示され、
またエポキシ基を導入するためのグリシジル基含有単量
体としてはアリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリ
ル酸グリシジルなどが、カルボキシル基含有単量体とし
ては(メタ)アクリル酸などが、加水分解性シリル基を
含有する単量体としては、γメタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γメタクリロキシプロピルトリエト
キシシラン、γメタクリロキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γメタクリロキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシランなどのアルコキシシ
リル基含有モノマーがあげられる。
【0036】エチレン性不飽和単量体のシード重合は、
通常の乳化重合と同様の条件で行なうことができる。た
とえば、含フッ素重合体(1)、(2)の粒子を含む水
媒体中に、界面活性剤、重合開始剤、運鎖移動剤、ばあ
いによってはキレート化剤、pH調整剤および溶剤など
を添加し、温度20〜80℃程度で0.5〜6時間程度
反応を行なう。
【0037】エチレン性不飽和単量体を含フッ素重合体
粒子の存在下に乳化重合させると、まずモノマーの含フ
ッ素重合体粒子への膨潤が起り、この時点でアクリルモ
ノマーに均一に溶解した含フッ素重合体の水性分散液の
状態となり、ついで開始剤の添加によってアクリルモノ
マーが重合し、その結果、分子鎖のからまりあった相溶
体粒子が形成されるものと考えられる。
【0038】界面活性剤としては、アニオン性、ノニオ
ン性またはアニオン性とノニオン性の組合せが用いら
れ、ばあいによっては両性界面活性剤を用いることもで
きる。
【0039】ノニオン界面活性剤としては、高級アルコ
ール硫酸エステル、アルキルスルホン酸ナトリウム塩、
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、コハク酸ジ
アルキルエステルスルホン酸ナトリウム塩、アルキルジ
フェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩などが用い
られる。ノニオン系の界面活性剤としては、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキル
エステル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエス
テル類、ソルビタンアルキルエステル類、グリセリンエ
ステル類およびその誘導体などが例示される。両性界面
活性剤としてはラウリルベタインなどがあげられる。
【0040】またエチレン性不飽和単量体と共重合可能
な、いわゆる反応性乳化剤を用いることもできる。この
反応性乳化剤として市販されているものでは、ブレンマ
ーPE−350、ブレンマーPME−400、ブレンマ
ー70PEP350B(以上、日本油脂(株)製)、N
KエステルM−40G、NKエステルM−90G、NK
エステルM−230G(以上、新中村化学(株)製)、
RMA450M(日本乳化剤(株)製)、アクアロンH
S10、アクアロンHS20、アクアロンHS102
5、アクアロンRN10、アクアロンRN20、アクア
ロンRN30、アクアロンRN50、アクアロンRN2
025(以上、第一工業製薬(株)製)、NKエステル
AMP−60G、NKエステルCB−1、NKエステル
SA、NKエステルA−SA(以上、新中村化学(株)
製)、エレミノールJS2、エレミノールRS30(以
上、三洋化成工業(株)製)、ラテムルWX(花王
(株)製)などが例示される。
【0041】界面活性剤の使用量は、エチレン性不飽和
単量体100重量部あたり、通常0.05〜5.0重量
部程度である。
【0042】開始剤は、水性媒体中でフリーラジカル反
応に供しうるラジカルを20〜90℃の間で発生するも
のであれば特に限定されず、ばあいによっては、還元剤
と組み合せて用いることも可能である。水溶性の開始剤
としては通常、過硫酸塩、過酸化水素、2,2−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)塩酸塩(AJBA)、還元
剤としてはピロ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリ
ウム、L−アスコルビン酸ナトリウムなどをあげること
ができる。油溶性の開始剤としては、ジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート(IPP)、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ジブチル、アゾビスイソブチロニトリル(A
IBN)などがあげられる。
【0043】開始剤の使用量は、エチレン性不飽和単量
体100重量部あたり、通常0.05〜2.0重量部程
度である。
【0044】重合温度は、20〜90℃、好ましくは3
0〜80℃の範囲がよい。
【0045】連鎖移動剤としてはハロゲン化炭化水素
(たとえばクロロホルム、四塩化炭素など)、メルカプ
タン類(たとえばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデ
シルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン)などが
用いられる。連鎖移動剤の使用量は、エチレン性不飽和
単量体100重量部あたり、通常0〜5.0重量部程度
である。
【0046】溶剤として、作業性、防災安全性、環境安
全性、製造安全性を損なわない範囲で少量のメチルエチ
ルケトン、アセトン、トリクロロトリフルオロエタン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチ
ルなどを使用してもよい。溶剤の添加によってシード重
合体粒子へのモノマー膨潤性が改良されることがある。
【0047】シード重合は、公知の方法、たとえばシー
ド粒子の存在下に反応系に単量体全量を一括して仕込む
方法、単量体の一部を仕込み反応させた後、残りを連続
あるいは分割して仕込む方法、単量体全量を連続して仕
込む方法によって行なうことができる。
【0048】このシード重合に用いる含フッ素共重合体
の水性分散液としては、シード重合後の平均粒子径を2
00nm以下に抑えるために180nm以下の平均粒子
径の重合体粒子を濃度30〜50%の範囲で含むものが
好ましく、さらには150nm以下の平均粒子径の重合
体粒子を濃度35〜60%の範囲で含むものがより好ま
しい。シード重合後の樹脂粒子径が200nmを超える
と水性分散液の沈降安定性がわるくなり、同じ樹脂組成
であっても水性分散液の最低成膜温度の上昇を招く。
【0049】本発明は、前記含フッ素樹脂水性分散液に
水溶性ケイ酸塩を配合した組成物である。水溶性ケイ酸
塩を配合することにより非汚染付着性、塗膜硬度の向上
に優れた塗膜を与えることができる。
【0050】本発明において用いうる水溶性ケイ酸塩と
しては、たとえば式(I): M2O・XSiO2 (I) (式中、Mはアルカリ金属または−N(CH2OH)4
−N(CH2CH2OH)4、−N(CH2CH2OH)2
しくは−C(NH22NH、Xは0.5〜5)で表わさ
れる水溶性ケイ酸塩があげられる。該水溶性ケイ酸塩は
結晶水を有していても有していなくてもよい。
【0051】さらに具体的に例示すると、式(I)なる
水溶性ケイ酸塩の水溶液としては、周期表第1A族に属
するアルカリ金属とケイ酸とからなるアルカリ金属ケイ
酸塩、第3級アンモニウムとケイ酸とからなる第3級ア
ンモニウムケイ酸塩、第4級アンモニウムとケイ酸とか
らなる第4級アンモニウムケイ酸塩およびグアニジンと
ケイ酸とからなるグアニジンケイ酸塩などの水溶液があ
げられる。アルカリ金属ケイ酸塩としては、ケイ酸ナト
リウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸セシ
ウムなどがあり、第3級アンモニウムケイ酸塩としては
ケイ酸トリエタノールアミン、第4級アンモニウムケイ
酸塩としてはケイ酸テトラメタノールアンモニウム、ケ
イ酸テトラエタノールアンモニウムなどがあげられる。
【0052】またこれらの水溶性ケイ酸塩にカルシウ
ム、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウムなどのフッ化物
の1種または2種以上を反応させてえられる変性水溶性
ケイ酸塩、または前記水溶性ケイ酸塩に周期表第2A族
に属する金属もしくは亜鉛、ジルコニウム、バナジウ
ム、セシウムなどの酸化物および/もしくは水酸化物の
1種または2種以上を反応させてえられる変性水溶性ケ
イ酸塩などの単独使用および併用もできる。
【0053】水溶性ケイ酸塩のうち、ケイ酸リチウム、
ケイ酸ナトリウムなどのアルカリ金属ケイ酸塩が好まし
く使用される。特に、ケイ酸リチウムにおいてはSiO
2/Li2Oのモル比が3.0〜25.0、さらに3.0
〜4.8のものが好ましく使用される。前記モル比が
3.0より小さいと、えられる塗膜の耐水性が低下する
ことがあり、25.0より大きいと水性分散組成物の調
製時の作業性および貯蔵安定性が低下することがある。
ケイ酸ナトリウムにおいては、SiO2/NaOの重
量比が1.5〜4.0の範囲が好ましく、さらに3.0
〜4.0の範囲が好ましい。前記重量比が1.5より小
さいとえられる塗膜の耐水性が低下することがあり、
4.0より大きいと水性分散組成物の調製時の作業性お
よび貯蔵安定性が低下することがある。さらに中でも、
少量の添加での塗膜の親水化効果と温水浸漬後の効果の
持続性、クリアー塗膜の透明性などの面からケイ酸リチ
ウムがより好ましい。
【0054】含フッ素樹脂水性分散組成物中の含フッ素
樹脂と水溶性ケイ酸塩との比率は重量比で、99.9/
0.1〜10/90が好ましく、より好ましくは99/
1〜50/50の範囲である。水溶性ケイ酸塩の比率が
99.9/0.1より小さいとえられる塗膜の表面の非
汚染付着性が不充分になることがあり、10/90を超
えると塗膜成形時あるいは時間の経過とともに可撓性の
不足から塗膜にクラックなどの欠陥が生じやすくなる。
特に光沢の要求される用途には99.9/0.1〜80
/20が好ましい。この用途では80/20を超えると
光沢が低下する傾向があり、またクリアー塗料では透明
性が損なわれる。
【0055】本発明は、前記含フッ素樹脂分散体と水溶
性ケイ酸塩からなる組成物に、さらに該水溶性ケイ酸塩
の硬化剤の少なくとも1種を添加してなる組成物に関す
る。該硬化剤を添加することにより水溶性ケイ酸塩が有
機塗膜中で反応硬化し、強固な結合を介して復合化され
る結果として、えられる塗膜硬度、耐水性をさらに向上
させることができる。
【0056】本発明で使用しうる水溶性ケイ酸塩の硬化
剤としては、たとえばつぎの化合物があげられるが、こ
れらのみに限られるものではない。
【0057】(i)周期表2族、13族、14族に属す
る金属または遷移金属:たとえばMg、Al、Ga、P
b、Fe、Co、Ni、Zn、Zrなど。
【0058】(ii)前記(i)の金属の酸化物:たと
えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、
酸化ジルコニウムなど。
【0059】(iii)前記(i)の金属の水酸化物:た
とえば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸
化鉄など。
【0060】(iv)金属塩化物 たとえば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アル
ミニウムなど。
【0061】(v)ケイフッ化物 たとえばケイフッ化ナトリウム、ケイフッ化アンモニウ
ム、ケイフッ化亜鉛、ケイフッ化鉛、ケイフッ化マグネ
シウムなど。
【0062】(vi)水不溶性ケイ酸塩 たとえばケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ
酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウムなど。
【0063】(vii)硫酸塩 たとえば硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カ
ルシウムなど。
【0064】(viii)炭酸塩 たとえば炭酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウムなど。
【0065】(ix)亜硫酸塩 たとえば亜硫酸カルシウム、亜硫酸アルミニウム、亜硫
酸マグネシウム、亜硫酸バリウムなど。
【0066】(x)チオ硫酸塩 たとえばチオ硫酸カルシウム、チオ硫酸バリウムなど。
【0067】(xi)リン酸塩 たとえばリン酸アルミニウム、リン酸アンモニウム、リ
ン酸カルシウム、リン酸鉄、リン酸亜鉛など。
【0068】(xii)重リン酸塩 たとえば式(III) MiOj・xP25 (III) (式中、Mはアルミニウム、マグネシウム、亜鉛、カル
シウム、鉄、銅、バリウム、チタンなどの金属、iは1
または2、jは1〜3の整数でMの原子価によって決ま
り、xは0.25〜4である)で表わされる縮合リン酸
塩など。
【0069】具体例としては、たとえばアルミニウム、
マグネシウム、亜鉛、チタン、マンガンなどのオルトリ
ン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩、メタリン酸塩も
しくはウルトラリン酸塩、またはアルミニウム、カルシ
ウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、鉄などの第一リ
ン酸塩;これらの第一または第二リン酸塩の1種または
2種以上のリン酸塩混合物を周期表第2〜4、13族に
属する金属の水酸化物または塩類および/または複合酸
化物で中和させた後、乾燥または焼成してえられる縮合
リン酸塩などがあげられる。この中和した縮合リン酸塩
をうるために使用される周期表第2〜4、13族に属す
る金属の水酸化物としては、たとえば水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタ
ンなどがあげられる。塩類としては、たとえば塩化アル
ミニウム、フッ化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、炭酸カルシウム、硝酸アルミニウムなど
といった金属のハロゲン化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩
などがあげられる。金属の複合酸化物としては、周期表
第2族の金属酸化物、水酸化物、炭酸塩などの金属化合
物とケイ素、チタン、ジルコニウムなどの金属酸化物、
水酸化物、炭酸塩などの金属化合物との混合物を約50
0〜1200℃で焼成したものを使用できる。
【0070】(xiii)ホウ酸塩 たとえばホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸リ
チウム、ホウ酸マンガンなど。
【0071】(ivx)無機酸 たとえばリン酸、ホウ酸など。
【0072】(xv)有機酸 たとえばフマル酸、トリフルオロ酢酸など。
【0073】これらの硬化剤は単独で、または2種以上
併用してもよい。さらに、あらかじめ水溶性ケイ酸塩と
硬化剤の一部とを反応させた変性ケイ酸塩の形で前記水
性分散体に添加してもよい。また酸化亜鉛などを使用す
るばあいは、これらの硬化剤を1000℃以下で熱処理
して使用してもよい。
【0074】特に好ましい硬化剤としては、たとえば低
温での反応性が高い点から前記(ii)、(iii)、
(v)、(vi)、(ix)、(x)、(xii)などがあげ
られ、具体的には酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ア
ルミニウム、水酸化アルミニウム、ケイフッ化カリウ
ム、ケイフッ化アンモニウム、ケイ酸カルシウム、亜硫
酸カルシウム、チオ硫酸カルシウム、ポリリン酸アルミ
ニウム、メタリン酸アルミニウム、ピロリン酸アルミニ
ウムなどがあげられる。
【0075】前記硬化剤は一般的に実質的に水に不溶ま
たは難溶なため、水性分散組成物とするためには、硬化
剤粉末の形で直接添加する方法;高沸点の有機溶媒、要
すれば公知の界面活性剤や水溶性樹脂などの分散剤を使
用して、硬化剤を水に分散した水性分散液の形で添加す
る方法が採用できる。後者の硬化剤水性分散液の具体例
としては、たとえば水を分散媒とした粒径5〜200n
mのアルミナ水和物粒子のコロイド液であるアルミナゾ
ルがあげられ、市販品として日産化学(株)製のアルミ
ナゾル−100、アルミナゾル−200、アルミナゾル
−520などが知られている。
【0076】均一な分散組成物をうるためには、硬化剤
の平均粒径を0.01〜3μmの範囲とするのが好まし
い。またクリアー塗膜をうるばあいは硬化剤の平均粒径
を0.01〜0.1μmとし、艶消し塗膜をうるばあい
には硬化剤の平均粒径を1〜3μmとするのが好まし
い。
【0077】硬化剤の添加量は水溶性ケイ酸塩100重
量部に対し100重量部以下、特に10〜100重量部
とするのが好ましい。100重量部を超えると硬化速度
が速すぎたり、形成した塗膜の可撓性が低下するなどの
問題が生ずることがある。
【0078】硬化剤を使用するばあい、水溶性ケイ酸塩
は反応性が高い点からケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウ
ムが、特に塗膜硬度が大きい点からケイ酸ナトリウム
(SiO2含量30重量%以上)が好ましい。
【0079】本発明においては前記水性分散組成物に、
さらに、オルガノシリケートおよび/またはコロイダル
シリカを無機系配合剤として添加することが、高硬度の
塗膜をうる点から好ましい。さらに、この中から水性分
散液の貯蔵安定性に影響を与えないという観点から、コ
ロイダルシリカが好ましい。
【0080】かかるオルガノシリケート化合物として
は、式(II): R1 aSi(OR24-a (II) (式中、R1は非加水分解性基または水素原子、R2はア
ルキル基、アリール基、アルケニル基または水素原子、
aは0、1または2である)で示される化合物または1
種もしくは2種以上の縮合物があげられる。
【0081】前記式(II)において、非加水分解性基R
1としては、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ヘキシル、オクチル、ラウリルなどのアルキル基;
フェニル、トリル、メシチルなどのアリール基;ビニ
ル、アリルなどのアルケニル基、γ−クロロプロピルな
どのハロアルキル基;γ−アミノプロピル、γ−(2−
アミノエチル)アミノプロピルなどのアミノプロピル
基;γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルなどのエポキシアルキル基;
γ−メルカプトアルキル、γ−メタクリロイロキシプロ
ピルなどのメタクリロイロキシアルキル基;γ−ヒドロ
キシプロピルなどのヒドロキシアルキル基などがあげら
れる。この中でも置換基の炭素数が多いと反応性が低下
することから炭素数8以下の置換基が好ましい。またR
2においても反応性の面から炭素数4以下のアルキル基
が好ましい。
【0082】前記(II)の具体例としては、たとえばテ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプ
ロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロイロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリメト
キシシランなどの化合物があげられる。
【0083】式(II)の化合物または縮合物は、単独ま
たは2種以上添加することができる。
【0084】また、本発明で用いうるコロイダルシリカ
としては、たとえば水溶性ケイ酸塩を脱金属すること
(イオン交換法、酸分解法、解膠法)によって製造され
たものがあげられ、一次粒子径が4〜150nm、好ま
しくは5〜50nmの水性分散液として通常供給されて
いるものをそのまま使用できる。
【0085】前記コロイダルシリカは、水に分散した状
態で酸性、塩基性のいずれであってもよい。酸性コロイ
ダルシリカとしては、たとえばスノーテックス−O、ス
ノーテックス−OL(以上、日産化学(株)製)として
市販されている非安定化シリカ(pH2〜4)が利用で
きる。また塩基性のコロイダルシリカとしては、微量の
アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたはアミン
の添加によって安定化したシリカ(pH8.4〜10)
があり、たとえばスノーテックス20、スノーテックス
C,スノーテックスN(以上、日産化学(株)製)、ル
ドックスHS40、ルドックスHS30、ルドックスT
M、ルドックスAS、ルドックスAM(以上、デュポン
社製)、ナルコーク(ナルコケミカル社製)、ミトン
(モンサントケミカル社製)などの商品名で市販されて
いるものをあげることができる。
【0086】これらの無機系配合剤の配合量は、含フッ
素樹脂100重量部に対して0〜50重量部であるのが
好ましい。50重量部よりも多くなると塗膜の可撓性が
低下し、経時でクラックが入ることがある。
【0087】本発明の水性分散組成物には、目的に応じ
て、無機顔料、焼成顔料、有機顔料などの顔料、粘度調
整剤、顔料分散剤、消泡剤、凍結防止剤、成膜助剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤などを添加することができる。
【0088】具体的には、フッ素樹脂水性分散液100
重量部に対して、脂肪族エステル、エチレングリコー
ル、プロピレングルコールの縮合誘導体、ケトン系溶剤
などの成膜助剤を0〜50重量部使用し、さらにベンゾ
フェノン系、ベンゾトリアゾール系、シュウ酸アニリド
系、シアノアクリレート系、トリアジン系などの紫外線
吸収剤を0〜5重量部、粘度調整剤を0〜2重量部添加
してもよい。本発明の水性分散組成物の調製方法として
は、たとえばつぎの方法があげられる。
【0089】含フッ素樹脂水性分散液に対して室温にて
撹拌下に成膜助剤、必要に応じて水性の分散顔料を添加
し、直後に水溶性ケイ酸塩を添加して水性分散組成物を
調製する。
【0090】本発明において硬化剤を用いるばあいの添
加方法としては、(1)水溶性ケイ酸塩を含む含フッ素
樹脂水性分散組成物に硬化剤を前記のように粉末や水性
分散液などの所定の形態で撹拌下に添加し均一な組成物
とする方法、(2)水溶性ケイ酸塩を含む含フッ素樹脂
水性分散組成物に、塗布の直前に所定の形状の硬化剤を
添加混合して、いわゆる2液型の塗料として使用する方
法、(3)水溶性ケイ酸塩を含む含フッ素樹脂水性分散
組成物を塗布した塗膜の上に硬化剤を含有する塗料を塗
布して硬化剤を接触させる方法、(4)硬化剤を含有す
る塗料を塗布した塗膜の上に水溶性ケイ酸塩を含む含フ
ッ素樹脂水性分散組成物を塗布する方法、(5)水溶性
ケイ酸塩と硬化剤を必須成分とする塗膜の上に、硬化
剤、さらに要すれば水溶性ケイ酸塩を含有する含フッ素
樹脂水性分散液を塗布する方法などがあげられる。
(5)の方法の具体例としては、たとえば水溶性ケイ酸
塩と亜鉛末からなる無機ジンクリッチペイントの下塗り
上にリン酸などの硬化剤を含有する含フッ素樹脂水性分
散液を塗布する塗装方法があげられる。
【0091】また、必要に応じてオルガノシリケート、
コロイダルシリカなどの無機配合剤を撹拌下に添加して
もよい。オルガノシリケートは必要に応じて公知の乳化
剤を使用して水性分散液の形で、あるいはそのままの形
で、コロイダルシリカは市販品をそのまま、あるいは水
で希釈して添加する。また、これらの1種以上を同時に
添加することもできる。さらに、必要に応じて、成膜助
剤などの有機溶剤に溶解した形で紫外線吸収剤、酸化防
止剤などを添加し、撹拌混合する。
【0092】えられた組成物は塗料として適用できる性
状を有しており、たとえばスプレー、フローコーター、
ディッピングなどの方法で基材上に塗装し、室温から2
00℃までの温度で乾燥すると塗装物がえられる。この
基材としては、窯業系建材、ボードなどのほか、コンク
リート、スレートなどの無機系基材が好ましく使用され
る。また、合成樹脂基材であるアクリル樹脂、スチレン
樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂などにも塗装
することができる。本発明は、かくしてえられた塗装物
にも関する。
【0093】つぎに本発明の水性分散組成物における各
成分の好ましい組合せを例示するが、本発明はかかる組
合せのみに限られるものではない。「部」は重量部であ
る。
【0094】 (1)(A)含フッ素樹脂水性分散液 199.8〜160部 含フッ素樹脂:VdF共重合体/アクリル複合樹脂 濃度:50% (B)水溶性ケイ酸塩 0.1〜20部 種類:ケイ酸リチウム(SiO2/Li2Oモル比:3.5) (E)その他の添加剤 0〜40部 種類:成膜助剤 (効果)この組合せにおいてはクリアー塗膜として有用
な耐汚染性に優れた透明塗膜がえられる。また、水性分
散顔料をさらに添加することで高光沢のエナメル塗膜が
えられる。
【0095】 (2)(A)含フッ素樹脂水性分散液 199.8〜100部 含フッ素樹脂:VdF/アクリル複合樹脂 濃度:50% (B)水溶性ケイ酸塩 0.1〜50部 種類:ケイ酸リチウム(SiO2/Li2Oモル比:3.5) (D)無機系配合剤 1〜150部 種類:コロイダルシリカ(中性〜塩基性コロイダルシリカ:濃度 30%) (E)その他の添加剤 0〜40部 種類:成膜助剤、増粘剤 (効果)この組合せにおいては、耐汚染性に優れ、なお
かつ高塗膜硬度の落ちついた外観のツヤ消し塗膜がえら
れる。
【0096】(3)(2)の無機系配合剤(D)をオル
ガノシリケートに変更した組成 オルガノシリケート:4官能エチルシリケート縮合物ま
たは3官能エチルシリケートの縮合物 (効果)この組合せにおいては、耐汚染性に優れ、なお
かつ高塗膜硬度の落ちついた外観の艶消し塗膜がえられ
る。
【0097】 (4)(A)含フッ素樹脂水性分散液 199.8〜20部 含フッ素樹脂:VdF/アクリル複合樹脂(樹脂中1〜30モル %の加水分解性シリル基を有する単量体を含む) 濃度:50% (B)水溶性ケイ酸塩 0.1〜90部 種類:ケイ酸リチウム(SiO2/Li2Oモル比:4.7) (D)無機系配合剤 0〜150部 種類:コロイダルシリカ(中性〜塩基性コロイダルシリカ:濃度 30%) (E)その他の添加剤 0〜40部 種類:成膜助剤、増粘剤 (効果)この組合せにおいては、耐汚染性に優れ、高塗
膜硬度であり、またクリアー塗膜においては透明であ
り、水性分散顔料と組み合わせたばあいには高光沢の塗
膜がえられる。
【0098】 (5)(A)含フッ素樹脂水性分散液 199.8〜100部 含フッ素樹脂:VdF/アクリル樹脂 濃度:50% (B)水溶性ケイ酸塩 0.1〜50部 種類:ケイ酸リチウム(SiO2/Li2Oモル比:3.5) (C)硬化剤 1〜150部 種類:アルミナゾル (E)その他の添加剤 0〜40部 種類:成膜助剤、増粘剤 (効果)この組合せにおいては、耐汚染性に優れ、なお
かつ高塗膜硬度で落ちついた外観の艶消し塗膜がえられ
る。
【0099】 (6)(A)含フッ素樹脂水性分散液 199.8〜100部 含フッ素樹脂:VdF/アクリル樹脂 濃度:50% (B)水溶性ケイ酸塩 0.1〜50部 種類:ケイ酸ナトリウム(JIS K 1408の3号水ガラス) (C)硬化剤 0.01〜50部 種類:酸化亜鉛 (E)その他の添加剤 0〜40部 種類:成膜助剤、増粘剤 (効果)この組合せにおいては、耐汚染性に優れ、なお
かつ高塗膜硬度で落ちついた外観の艶消し塗膜がえられ
る。
【0100】 (7)(A)含フッ素樹脂水性分散液 199.8〜100部 含フッ素樹脂:VdF/アクリル樹脂 濃度:50% (B)水溶性ケイ酸塩 0.1〜50部 種類:ケイ酸ナトリウム(JIS K 1408の3号水ガラス) (C)硬化剤 0.01〜50部 種類:ケイフッ化カリウム (D)無機配合剤 0〜150部 種類:コロイダルシリカ(中性〜塩基性コロイダルシリカ30%) (E)その他の添加剤 0〜40部 種類:成膜助剤、増粘剤 (効果)この組合せにおいては、耐汚染性に優れ、なお
かつ高塗膜硬度で落ちついた外観の艶消し塗膜がえられ
る。
【0101】 (8)(A)含フッ素樹脂水性分散液 199.8〜50部 含フッ素樹脂:VdF/アクリル樹脂 濃度:50% (B)水溶性ケイ酸塩 0.1〜50部 種類:ケイ酸ナトリウム(JIS K 1408の3号水ガラス) (C)硬化剤 0.01〜50部 種類:ピロリン酸アルミニウム (E)その他の添加剤 0〜40部 種類:成膜助剤、増粘剤 (効果)この組合せにおいては、耐汚染性に優れ、なお
かつ高塗膜硬度で落ちついた外観の艶消し塗膜がえられ
る。
【0102】
【実施例】つぎに本発明を合成例、実施例をあげて具体
的に説明するが、本発明はかかる合成例、実施例のみに
限られるものではない。
【0103】合成例1 200mlのステンレス鋼製の撹拌機付きオートクレー
ブにシクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)8.8
g、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)8.
8g、親水性部位を有するマクロモノマー(PKA50
03、日本油脂(株)製)4.0g、エチルビニルエー
テル(EVE)10.0g、イオン交換水66.0g、
パーフルオロオクタン酸アンモニウム(乳化剤)0.3
5g、炭酸カリウム0.35g、亜硫酸水素ナトリウム
0.02g、過硫酸アンモニウム(開始剤)0.08g
を仕込み、氷で冷却して窒素ガスを3.5kg/cm2
になるように加圧したのち脱気する。この加圧脱気を2
回繰り返した後10mmHgまで脱気して溶存酸素を除
去し、ついでクロロトリフルオロエチレン(CTFE)
33.5gを仕込み、30℃で12時間反応を行ない、
含フッ素共重合体(1)粒子を含む合成例1の水性分散
液をえた。この樹脂中の水酸基含有単量体の含有割合
(官能基濃度)は計算値で26.8モル%である。えら
れた水性分散液の固形分濃度は48%、平均粒子径は1
89nmであった。
【0104】固形分濃度は、150℃真空乾燥器中で1
時間乾燥し、乾燥後の重量を乾燥前の水性分散液重量に
対する百分率で表わした。
【0105】平均粒径は、レーザー光散乱粒径測定装置
(大塚電子(株)製のELS−3000)にて測定し
た。
【0106】また、官能基濃度はえられた重合体の組成
から算出した。
【0107】合成例2 (VdF共重合体水性分散液の合成)内容量1リットル
の撹拌機付耐圧反応容器に、脱イオン水500ml、パ
ーフルオロオクタン酸アンモニウム0.5g、ノニオン
性乳化剤(MYS40、日光ケミカルズ(株)製)0.
05gを仕込み、窒素圧入脱気を繰返し、溶存酸素を除
去した後、ビニリデンフルオライド(VdF)/テトラ
フルオロエチレン(TFE)/クロロトリフルオロエチ
レン(CTFE)の74/14/12モル比の混合モノ
マーで60℃にて10kgf/cm2まで加圧した。つ
ぎに、過硫酸アンモニウム0.2gを仕込み、槽内圧力
が10kgf/cm2で一定となるようにVdF/TF
E/CTFEの74/14/12モル比の混合モノマー
を連続供給し、40時間反応を行なった後、槽内を常温
常圧に戻し反応の終了とした。この水性分散液を5%炭
酸水素ナトリウムでpH6.5に調整した。えられた含
フッ素共重合体(2)の水性分散液の固形分濃度は42
%、平均粒子径は126nmであった。
【0108】(アクリルモノマーのシード重合)えられ
た含フッ素共重合体(2)の水性分散液100gを、撹
拌翼、冷却管、温度計を備えた内容量200mlの四つ
口フラスコに仕込み、これに反応性乳化剤(JS2、三
洋化成工業(株)製)1.5gを添加した。撹拌下に水
浴中で加温し、槽温が75℃に達したところで、メタク
リル酸メチル(MMA)17.6g、アクリル酸ブチル
0.2g、アクリル酸0.2g、メトキシポリエチレン
グリコールメタクリレート(RMA450M、日本乳化
剤(株)製)1.7gの混合物を反応性乳化剤JS2の
1%水溶液10gで乳化したエマルジョンを1時間かけ
て滴下した。直後に、過硫酸カリウムの10%溶液1m
lを添加し反応を開始した。反応開始3時間後に、槽内
温度を85℃に上げ、1時間保持した後冷却し、アンモ
ニア水でpHを7に調整した後に、300メッシュの金
網で濾過し、濾液として青白色の含フッ素複合化樹脂
(3)の水性分散液をえた。この水性分散液の固形分濃
度は44.8%、平均粒子径は163nmであった。
【0109】合成例3〜6 表1に示すようにシード重合用アクリルモノマーを変更
した以外は、合成例2と同様にして合成例3〜6の水性
分散液を調製した。性状を表1に示す。
【0110】表1における略号はそれぞれつぎの化合物
を示す。
【0111】 VdF:ビニリデンフルオライド TFE:テトラフルオロエチレン CTFE:クロロトリフルオロエチレン CHVE:シクロヘキシルビニルエーテル HBVE:ヒドロキシブチルビニルエーテル EVE:エチルビニルエーテル PKA5003:日本油脂製のマクロモノマー(ポリオ
キシエチレンアリルエーテル) MMA:メタクリル酸メチル BA:アクリル酸ブチル HEMA:メタクリル酸ヒドロキシエチル GMA:メタクリル酸グリシジル MPTS:γメタクリロイロキシプロピルトリメトキシ
シラン AAc:アクリル酸
【0112】
【表1】
【0113】実施例1 合成例1でえられた水性分散液をアンモニア水でpH9
に調整した後、樹脂固形分100gに対して、成膜助剤
としてアジピン酸ジエチル15g、粘度調整剤としてア
デカノールUH420(旭電化(株)製)の10%水溶
液2g、消泡剤としてフォアマスターFH013B(ダ
ウコーニング社製)0.1gを添加し分散機にて撹拌混
合しクリアー塗料を調製した。このクリアー塗料にケイ
酸リチウム(SiO2/Li2Oモル比4.5。リチウム
シリケート45、日産化学(株)製)5gを添加し、分
散機によって撹拌混合して本発明の水性分散組成物をえ
た。この組成物について以下の評価を行なった。結果を
表2に示す。
【0114】(1)クリアー塗膜評価(透明性、接触
角) 透明性:えられた組成物を6ミルのドクターブレードで
ガラス板上に伸展し、室温で24時間乾燥した後、50
0nmの光線透過率を測定した。光線透過率の結果を、
×:60>光線透過率、△:80>光線透過率≧60、
○:光線透過率≧80の基準で評価した。
【0115】接触角:透明性試験でえた塗膜の対水静的
接触角(初期)を協和化学(株)製の接触角計で測定し
た。また該塗膜を50℃の温水に3日間浸漬後室温で3
時間乾燥したものについても同様に接触角(温水浸漬
後)を測定した。
【0116】(2)白塗膜特性評価 水10.0g、分散剤としてディスロールH14N(日
本乳化剤(株)製)1.8g、消泡剤としてFS013
B(ダウコーニング社製)0.3g、エチレングリコー
ル1.0g、28%アンモニア水0.1g、酸化チタン
としてタイペークCR97(石原産業(株)製)70.
0gをサンドミルで分散し、顔料ペーストを調製した。
つぎに、前記本発明の水性分散組成物43.5gに対し
て、顔料ペースト24.1gを添加し分散機で混合撹拌
し白塗料をえた。この白塗料を化成処理アルミ板上に6
ミルのアプリケーターで伸展し室温で24時間乾燥後、
50℃で24時間乾燥し、供試塗板をえた。この供試塗
板について以下の試験を行なった。結果を表2に示す。
【0117】光沢:光沢計(スガ試験機(株)製)を用
いて60°反射率を測定した。
【0118】鉛筆硬度:JIS K 5400に従い、
鉛筆硬度を測定した。
【0119】可撓性:えられた供試塗板を、20℃にて
90°折り曲げ試験を行ない、クラックの発生の有無を
肉眼で調べた。異常なきものを○、クラックなどの異常
が生じたものを×とした。
【0120】促進耐候性:供試塗板をアイスーパーUV
テスター(岩崎電気(株)製)中で1000時間促進耐
候性試験に供した後の光沢を測定し、下式より光沢保持
率を求めた。
【0121】 光沢保持率(%)=(試験後光沢/初期光沢)×100 実曝汚れ:供試塗板を大阪府摂津市のダイキン工業淀川
製作所内で南面30°にて3カ月間曝露を行ない、曝露
前の塗板との色差(明度差)ΔLを測定した。
【0122】実施例2〜8 実施例1において、含フッ素樹脂水性分散組成物を表2
に示すものに代えた以外は実施例1と同様にして本発明
の水性分散組成物をえた。これらの組成物について実施
例1と同様に特性を評価した。結果を表2に示す。
【0123】実施例9〜13 合成例2でえた含フッ素共重合体(2)の水性分散体に
対して、実施例1と同様に添加剤およびケイ酸リチウム
を表2の割合で撹拌下混合し、塗料組成物をえた。この
組成物に使用の直前に表2の硬化剤を添加撹拌し、基材
に塗布した。この組成物について実施例1と同様に特性
を評価した。結果を表2に示す。
【0124】実施例14 ケイ酸ナトリウム水溶液(濃度40重量%)15重量部
に対して亜鉛末85重量部を添加して下塗り用のジンク
リッチ塗料を調製し、この塗料をアプリケータにてアセ
トンで脱脂した軟鋼板(JIS G 3141)に伸展
し、室温で2日間乾燥した。ついで実施例13で調製し
た白塗料を塗布し、室温で7日間乾燥した。
【0125】えられた塗膜の光沢は43、鉛筆硬度は5
H、耐候性は89%、ΔL0.50であり、さらに3%
食塩水に10日間浸漬しても外観に異常は認められなか
った。
【0126】実施例15 ケイ酸ナトリウム水溶液(濃度40重量%)15重量部
に対して亜鉛末85重量部を添加して下塗り用のジンク
リッチ塗料を調製し、この塗料をアプリケータにてアセ
トンで脱脂した軟鋼板(JIS G 3141)に伸展
し、室温で2日間乾燥した。ついで実施例1で調製した
白塗料(ただし、ケイ酸ナトリウムの代りに80%リン
酸を10重量部混合したもの)を塗布し、室温で7日間
乾燥した。
【0127】えられた塗膜の光沢は70、鉛筆硬度はH
B、耐候性は91%、ΔLは3.83であり、さらに3
%食塩水に10日間浸漬しても外観に異常は認められな
かった。
【0128】比較例1 実施例2において、ケイ酸リチウムを配合しなかったほ
かは同実施例と同様にして水性分散組成物を調製し、実
施例1と同様にして特性を評価した。結果を表2に示
す。
【0129】比較例2 実施例2において、ケイ酸リチウムを配合せずスノーテ
ックスC−20(日産化学(株)製の塩基性コロイダル
シリカ)を30g添加したほかは同実施例と同様にして
水性分散組成物を調製し、実施例1と同様にして特性を
評価した。結果を表2に示す。
【0130】表2における無機配合剤はつぎの化合物を
示す。
【0131】エチルシリケート40:コルコート社製の
エチルシリケート5量体 MPTS:γメタクリロイロキシプロピルトリメトキシ
シラン スノーテックスC−20:日産化学(株)製の塩基性コ
ロイダルシリカ Kボンド:テイカ(株)製の重リン酸塩 アルミナゾル−100:日産化学(株)製のアルミ水和
物の水性コロイド
【0132】
【表2】
【0133】
【発明の効果】本発明の含フッ素樹脂水性分散組成物に
よるときは、非汚染付着性、耐候性および可撓性に優れ
た塗膜を与えることができる。したがって、水性塗料と
して、特に雨筋などの汚れが目立ちにくく、建築外装用
塗料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長門 大 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 光畑 啓男 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含フッ素樹脂水性分散液および水溶性ケ
    イ酸塩を含む含フッ素樹脂水性分散組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、水溶性ケイ酸塩の硬化剤の少な
    くとも1種を含む請求項1記載の水性分散組成物。
  3. 【請求項3】 前記含フッ素樹脂が、加水分解性シリル
    基、水酸基、エポキシ基およびカルボキシル基よりなる
    群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する含フッ
    素樹脂である請求項1または2記載の水性分散組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の含フッ
    素樹脂水性分散組成物よりえられる塗膜を有する塗装
    物。
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